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発明の名称 液晶組成物及び位相差板
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−31709(P2007−31709A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2006−174493(P2006−174493)
出願日 平成18年6月23日(2006.6.23)
代理人 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平
発明者 西川 秀幸
要約 課題
逆分散性の液晶性組成物及び該液晶性組成物を用いた位相差板を提供する。

解決手段
少なくとも1種の、液晶化合物とカイラル剤とを含有する液晶組成物であって、該液晶化合物は、波長λにおける固有複屈折Δn(λ)が下記式(1)を満足することを特徴とする液晶組成物。
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも1種の、液晶化合物とカイラル剤とを含有する液晶組成物であって、該液晶化合物が、波長λにおける固有複屈折Δn(λ)が下記式(1)を満足することを特徴とする液晶組成物。
Δn(450nm)/Δn(550nm)<1.0 (1)
【請求項2】
液晶組成物がカイラルネマチック相を発現することを特徴とする請求項1に記載の液晶組成物。
【請求項3】
液晶化合物が下記式(I)で表される化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶組成物。
【化1】



式中、
MGおよびMGは、それぞれ独立に、2以上8以下の環状基から構成される液晶相の発現を誘起する液晶コア部を表し、液晶コア部を構成する環状基としては、芳香族環、脂肪族環、および複素環のいずれでもよい。
、R、R、Rは、液晶コア部の分子長軸方向に置換している液晶相の発現を誘起する置換基、双極子作用基、又は水素結合性基を表す。
およびLは、それぞれ独立に、液晶コア部MGおよびMGに置換する下記式(I)−LA又は式(I)−LBで表される連結基を表す。
【化2】



【化3】



式中、*はMG又はMGを構成する環状基に置換する位置を表す。#はPと連結する位置を表す。
、A、Aは、それぞれ独立に、―O−、−NH−、−S−、−CH−、−CO−、−SO−、又は−SO−を表す。Aは−CH=又は−N=を表す。LおよびLが式(I)−LAで表される基の場合、置換基Pは、−CH=CH−、−C≡C−、1,4−フェニレン、又はこれらの組み合わせ、からなる群より選ばれる二価の連結基、あるいは単結合を表す。LもしくはLのどちらか一方が、式(I)−LBで表される基で、他方が式(I)−LAで表される基の場合、置換基Pは*=CH−P−#又は*=N−P−#を表す(*は式(I)−LBで表される基との連結位置を表し、#は式(I)−LAで表される基との連結位置を表す)。Pは、−CH=CH−、−C≡C−、1,4−フェニレン、又はこれらの組み合わせ、から選ばれる二価の連結基、あるいは単結合を表す。LおよびLが式(I)−LBで表される基の場合、置換基Pは、二重結合、=CH−P−CH=、=N−P−CH=、又は=N−P−N=を表す。ここで、Pは上記Pと同義である。
【請求項4】
式(I)で表される化合物が下記式(II)で表される化合物であることを特徴とする請求項3に記載の液晶組成物。
【化4】


ここで、A11およびA14は、式(I)中のAと同義である。A12およびA13は、式(I)中のAと同義である。また、P11は式(I)中のPと同義である。
11、R12、R13、R14は、それぞれ独立に、下記式(III)で表される。
*−L11−Q (III)
式(III)中、
*は式(II)中のベンゼン環に結合する位置を表す。
11は二価の連結基を表す。
Qは重合性基又は水素原子を表す。
【請求項5】
透明支持体の上に、少なくとも一層の光学異方性層を有する位相差板であって、該光学異方性層が請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶組成物から形成される層であることを特徴とする位相差板。
【請求項6】
前記光学異方性層がカイラルネマチック相の液晶化合物から形成されており、該カイラルネマチック相のカイラル螺旋軸と透明支持体の平面方向がほぼ直交していることを特徴とする請求項5に記載の位相差板。
【請求項7】
前記光学異方性層の選択反射波長帯域が紫外域にあることを特徴とする請求項5又は6に記載の位相差板。
【請求項8】
選択反射波長帯域が50〜350nmであることを特徴とする請求項7に記載の位相差板。
【請求項9】
前記光学的異方性層の膜厚が、0.1〜20μmであることを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載の位相差板。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶組成物及びそれを用いた位相差板に関する。
【背景技術】
【0002】
棒状液晶化合物は、配向を容易に制御できるため、これまで、例えば位相差板の用途に多く用いられており、棒状液晶にカイラル性を持たせた液晶相を利用した位相差板の報告も数多く報告されている(特許文献1参照)。液晶化合物の波長分散性は、通常正常分散(Δn(450nm)/Δn(550nm)>1.0)であることが知られている。そのため、棒状液晶を利用して得られる位相差板の波長分散性は正常分散になる。そのため、逆波長分散性を有する位相差板等の光学要素を、薄層且つ簡便な製造工程で作製できる技術の開発が望まれていた。
【特許文献1】特開2003−287623号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、逆分散性を有する液晶性組成物の提供にある。また、該液晶性組成物を用いた位相差板の提供にある。
【0004】
上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)少なくとも1種の液晶化合物とカイラル剤とを含有する液晶組成物であって、該液晶化合物は、波長λにおける固有複屈折Δn(λ)が下記式(1)を満足することを特徴とする液晶組成物。
Δn(450nm)/Δn(550nm)<1.0 (1)
(2)液晶組成物がカイラルネマチック相を発現することを特徴とする上記(1)に記載の液晶組成物。
(3)液晶化合物が下記式(I)で表される化合物であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の液晶組成物。
【0005】
【化1】


【0006】
式中、
MGおよびMGは、それぞれ独立に、2以上8以下の環状基から構成される液晶相の発現を誘起する液晶コア部を表し、液晶コア部を構成する環状基としては、芳香族環、脂肪族環、および複素環のいずれでもよい。
、R、R、Rは、液晶コア部の分子長軸方向に置換している液晶相の発現を誘起する置換基、双極子作用基、又は水素結合性基を表す。
およびLは、それぞれ独立に、液晶コア部MGおよびMGに置換する下記式(I)−LA又は式(I)−LBで表される連結基を表す。
【0007】
【化2】


【0008】
【化3】


【0009】
式中、
*はMG又はMGを構成する環状基に置換する位置を表す。
#はPと連結する位置を表す。
、A、Aは、それぞれ独立に、―O−、−NH−、−S−、−CH−、−CO−、−SO−、又は−SO−を表す。
は−CH=又は−N=を表す。
およびLが式(I)−LAで表される基で、他方が式(I)−LAで表されの場合、置換基Pは、−CH=CH−、−C≡C−、1,4−フェニレン、又はこれらの組み合わせ、からなる群より選ばれる二価の連結基、あるいは単結合を表す。
もしくはLのどちらか一方が、式(I)−LBで表される基の場合、置換基Pは*=CH−P−#又は*=N−P−#を表す(*は式(I)−LBで表される基との連結位置を表し、#は式(I)−LAで表される基との連結位置を表す)。ここで、Pは、−CH=CH−、−C≡C−、1,4−フェニレン、又はこれらの組み合わせ、から選ばれる二価の連結基、あるいは単結合を表す。
およびLが式(I)−LBで表される基の場合、置換基Pは、二重結合、=CH−P−CH=、=N−P−CH=、又は=N−P−N=を表す。ここで、Pは上記Pと同義である。
【0010】
(4)式(I)で表される化合物が下記式(II)で表される化合物であることを特徴とする上記(3)に記載の液晶組成物。
【0011】
【化4】


【0012】
ここで、A11およびA14は、式(I)中のAと同義である。A12およびA13は、式(I)中のAと同義である。また、P11は式(I)中のPと同義である。
11、R12、R13、R14は、それぞれ独立に、下記式(III)で表される。
*−L11−Q (III)
式(III)中、
*は式(II)中のベンゼン環に結合する位置を表す。
11は二価の連結基を表す。
Qは重合性基又は水素原子を表す。
【0013】
(5)透明支持体の上に、少なくとも一層の光学異方性層を有する位相差板であって、該光学異方性層が上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の液晶組成物から形成される層であることを特徴とする位相差板。
(6)前記光学異方性層がカイラルネマチック相の液晶化合物から形成されており、該カイラルネマチック相のカイラル螺旋軸と透明支持体の平面方向がほぼ直交していることを特徴とする上記(5)に記載の位相差板。
(7)前記光学異方性層の選択反射波長帯域が紫外域にあることを特徴とする上記(5)又は(6)に記載の位相差板。
(8)選択反射波長帯域が50〜350nmであることを特徴とする上記(7)に記載の位相差板。
(9)前記光学的異方性層の膜厚が、0.1〜20μmであることを特徴とする上記(5)〜(8)のいずれか一項に記載の位相差板。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、少なくとも1種の、液晶化合物とカイラル剤とを含有する液晶組成物、好適にはカイラルな液晶相を有し、かつ逆波長分散性を有する、少なくとも1種の、液晶化合物とカイラル剤とを含有する液晶組成物が提供できる。また本発明によれば、該液晶組成物を用いた位相差板が提供できる。本発明の液晶組成物を用いることで、薄層(例えば、光学的異方性層の膜厚が0.1〜20μmである)かつ簡便な製造工程で作製可能な、広帯域λ/4板等の逆波長分散性を有する光学要素及びその製造方法が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
[カイラル剤]
本発明における液晶組成物は、少なくとも1種のカイラル剤を含有する。
本発明に用いられるカイラル剤は、公知のカイラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)を用いることができる。
カイラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もカイラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物又は面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が挙げられる。
また、カイラル剤は、液晶性を有していてもよく、更に下記式(1)を満足する液晶化合物がカイラル剤を兼ねていてもよい。
カイラル剤の使用量は、二軸性ネマチック相を発現する液晶化合物の量の0.001〜200モル%であることが好ましい。カイラル剤の使用量は、より少なくした方が液晶性に影響を及ぼさないことが多いため好まれる。従って、カイラル剤は、ねじり力の強い方が好ましい。このような捻れ力の強いカイラル剤としては、例えば、特開2003−287623公報に記載のカイラル剤を用いることが可能である。
【0016】
[液晶化合物]
本発明における液晶組成物は、波長λにおける固有複屈折Δn(λ)が下記式(1)を満足する液晶化合物を少なくとも1種含有する。
Δn(450nm)/Δn(550nm)<1.0 (1)
【0017】
液晶化合物は通常、上記式(1)で表されるΔnの波長分散性を持たないことが多い。式(1)で表されるΔnの波長分散性を発現させるためには、少なくとも2種類の吸収波長と遷移モーメントの方向を上手く配置する必要がある。Δnは異常光の屈折率から常光の屈折率を差し引いた値であるため、異常光の屈折率の波長分散性よりも、常光の波長分散性が、より右肩下がり(右を長波長側、左を短波長側とおいたときのΔnの傾き)であれば、その差し引いた値は、式(1)を満足する。屈折率の波長分散性は、Lorentz−Lorenzの式で表されているように、物質の吸収に密接な関係にあるため、常光の波長分散性をより右肩下がりにするためには、常光方向の吸収波長をより長波化できれば、式(1)を満たす分子を設計することができる。
【0018】
常光の方向は、例えば棒状液晶では分子の幅方向であり、そのような分子の幅方向の吸収遷移波長を長波化することは非常に困難なことである。吸収の遷移を長波化するためには、通常π共役系を広げることにより達成することが可能であるが、そのような方法を用いようとすると、分子の幅を広げることになり、液晶性は消失してしまうからである。
このような液晶性の低下を防ぐためには、William N.Thurmsらが報告(Liquid Crystals、25巻、149頁、1998年)している2つの棒状液晶を側方方向でつないだ骨格を用いることが可能である。この骨格は、2つの棒状液晶をエチニル基で連結するため、棒状液晶を構成するベンゼン環のπ共役系がエチニル基のπ結合と共役した形(トラン骨格)となるため、液晶性を損なわずに分子の幅方向の吸収波長を長波化することができる。しかし、このトラン骨格は、分子の長軸方向(光軸方向)に対して、約60°しか傾いていないため、換言すれば吸収の遷移方向が約60°しか傾いていないため、常光方向の吸収波長だけでなく、異常光方向の吸収波長も長波化するため、結果として波長分散性にはほとんど寄与しない。
【0019】
常光の波長分散性のみをより右肩下がりにするためには、分子の長軸方向(光軸方向)に対して、好ましくは、吸収の遷移方向が70〜90°さらに好ましくは、80〜90°傾いている必要があることがわかった。傾き角が90°に近くなるほど、異常光方向の吸収がなくなるため、常光の波長分散性のみを右肩下がりにすることができ好ましい。以上のように、異常光の屈折率に主に寄与する吸収の遷移よりも、常光の屈折率に主に寄与する吸収の遷移の方が長波長であり且つ常光に主に寄与する吸収の遷移方向が分子の長軸方向(光軸方向)に対して、70〜90°傾いている分子が好ましい。常光に主に寄与する吸収の遷移方向を分子の長軸方向(光軸方向)に対して、70〜90°傾けるためには、6員環と奇数員環(3員環、5員環、7員環、9員環等)が縮環した部分構造を有することが好ましく、特に6員環と5員環が縮環した、下記式(I)で表される化合物が好ましい。
【0020】
【化5】


【0021】
式(I)において、MGおよびMGは、それぞれ独立に、2以上8以下の環状基から構成される液晶相の発現を誘起する液晶コア部を表す。液晶コア部とは液晶便覧3.2.2(丸善(株)、2000年)に記載されているように、環状基と連結部から構成される液晶を発現させるために必要な剛直な部分である。
環状基としては、芳香族環、脂肪族環、および複素環を挙げることができる。芳香族環の例には、ベンゼン環およびナフタレン環が挙げられる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が挙げられる。複素環の例には、ピリジン環、ピリミジン環、チオフェン環、1,3−ジオキサン環、1,3−ジチアン環が挙げられる。
【0022】
ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレンが好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイルおよびナフタレン−2,6−ジイルが好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレンであることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイルが好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイルが好ましい。チオフェン環を有する環状基としては、チオフェン−2,5−ジイルが好ましい。1,3−ジオキサン環を有する環状基としては、1,3−ジオキシレン−2,5−ジイルが好ましい。1,3−ジチアン環を有する環状基としては、1,3−ジチアニレン−2,5−ジイルが好ましい。
複数の環状基を繋ぐ連結基としては、例えば、単結合、−CH−CH−、−CH−O−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=N−、−N=N−、−CO−O−、−CO−NH−、−CO−S−、−CH=CH−CO−O−を挙げることができる。
【0023】
上記のような環状基と連結基で構成される液晶コア部としては、例えば、液晶便覧第3(丸善(株)、2000年)、液晶デバイスハンドブック第3章(日刊工業新聞社、1989年)、液晶材料第4章(講談社、1991年)、化学総説No.22液晶の化学1〜7章(社団法人日本化学会、1994年)、Handbook of Liquid Crystals、Vol.2AおよびVol.2B(WILEY−VCH社刊、1998年)に挙げられている液晶化合物の液晶コア部を参考にすることができる。特に、ネマチック相を発現する液晶化合物の液晶コア部が好ましい。
以下にMGおよびMGの例を示す。**は、MGではR又はRに連結する位置を表し、MGではR又はRに連結する位置を表す。
【0024】
【化6】


【0025】
【化7】


【0026】
MGおよびMGを構成する環状基の1つは、LおよびLで置換されており、LおよびLは、それぞれ独立に、液晶コア部MGおよびMGに置換する下記式(I)−LA又は式(I)−LBで表される連結基である。
【0027】
【化8】


【0028】
【化9】


【0029】
式中、
*はMG又はMGを構成する環状基に置換する位置を表す。
#はPと連結する位置を表す。
、A、Aは、それぞれ独立に、−O−、−NH−、−S−、−CH−、−CO−、−SO−、又は−SO−を表す。
、A、Aが−NH−、−CH−の場合、水素原子は他の置換基に置き換えられていても良い。そのような置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアシル基、シアノ基を挙げることができる。Aは、―O−、−NH−、−S−、−CH−が好ましく、特に―O−、−CH−が好ましい。A、Aは―O−、−NH−、−S−、−CO−、−SO−、−SO−が好ましく、―O−、−NH−、−S−、−CO−が特に好ましい。
は−CH=又は−N=を表す。Aが−CH=の場合、水素原子は他の置換基に置き換えられていても良い。そのような置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアシル基、シアノ基を挙げることができる。
【0030】
式(I)中のLおよびLが式(I)−LAで表される基の場合、置換基Pは、−CH=CH−、−C≡C−、1,4−フェニレン、又はこれらの組み合わせ、からなる群より選ばれる二価の連結基、あるいは単結合を表す。Pは、組み合わせによっては吸収が長波長化しすぎて、黄色に着色するため、適当な連結基を選択する必要がある。Pは好ましくは、単結合、−CH=CH−、−CH=CH−CH=CH−、−CH=CH−C≡C−、−C≡C−、−C≡C−C≡C−、1,4−フェニレンであり、更に好ましくは、単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−C≡C−C≡C−、1,4−フェニレンである。Pに−CH=CH−、1,4−フェニレンが含まれる場合、メチンは窒素原子により置き換えられていてもよい。更に−CH=CH−および1,4−フェニレンの水素原子は、他の置換基に置き換えられていても良い。そのような置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアシル基、シアノ基を挙げることができる。
【0031】
もしくはLのどちらか一方が、式(I)−LBで表される基の場合、置換基Pは*=CH−P−#又は*=N−P−#で表される(*は式(I)−LBとの連結位置を表し、#は式(I)−LAとの連結位置を表す)。Pは、組み合わせによっては吸収が長波長化しすぎて、黄色に着色するため、適当な連結基を選択する必要がある。Pは好ましくは、単結合、−CH=CH−、−CH=CH−CH=CH−、−CH=CH−C≡C−、−C≡C−、−C≡C−C≡C−、1,4−フェニレンであり、更に好ましくは、単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−C≡C−C≡C−、1,4−フェニレンである。Pに−CH=CH−、1,4−フェニレンが含まれる場合、メチンは窒素原子により置き換えられていてもよく、更に−CH=CH−および1,4−フェニレンの水素原子は、他の置換基に置き換えられていても良い。そのような置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアシル基、シアノ基を挙げることができる。
【0032】
およびLが式(I)−LBで表される基の場合、置換基Pは、二重結合、=CH−P−CH=、=N−P−CH=、又は=N−P−N=を表す。Pは上記Pと同義である。
【0033】
以下にLおよびLで置換されたMGおよびMGの例を示す(**はR(R)又はR(R)に連結する位置を表す。また#はPと連結する位置を表す。)。
【0034】
【化10】


【0035】
【化11】


【0036】
MGおよびMGを構成する環状基は、LおよびL以外にも、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1〜5のアルキル基、炭素原子数が1〜5のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1〜5のアルコキシ基、炭素原子数が1〜5のアルキルチオ基、炭素原子数が2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数が2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2〜6のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数が2〜6のアシルアミノ基が挙げられる。
【0037】
、R、R、Rは、液晶コア部の分子長軸方向に置換している液晶相の発現を誘起する柔軟性のある置換基、双極子作用基、又は水素結合性基を表す。
【0038】
柔軟性のある置換基の例としては、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のアルキルオキシ基、炭素原子数2〜20のアシル基、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜20のアシルオキシ基、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、炭素原子数1〜20のアミノ基、炭素原子数2〜20のアシルアミノ基、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニルアミノ基を挙げることができる。これらの柔軟性のある置換基は更に他の置換基によって置換されていても良い。そのような置換基の例には、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、置換又は無置換のアミノ基(例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ基が挙げられる)、アリールスルホニルアミノ基(例えば、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N−メチルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(例えば、無置換のカルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、アルキルスルホニル基(例えば、メシル基などが挙げられる)、アリールスルホニル基(例えば、トシル基などが挙げられる)、アルキルスルフィニル基(例えば、メタンスルフィニル基などが挙げられる)、アリールスルフィニル基(例えば、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(例えば、無置換のウレイド基、3−メチルウレイド基、3−フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)が挙げられる。これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。
【0039】
双極子作用基の例としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基が挙げられる。水素結合性基の例としては、カルボキシル基、水酸基が挙げられる。
【0040】
上記式(I)で表される化合物の中でも、上記式(1)で表されるΔnの波長分散性を持たせるためには、(a)MGおよびMGで表される液晶コア部の主に異常光に寄与する吸収波長および吸収強度、(b)MGおよびMGを形成する環状基と−L−P−L−からなる主に常光に寄与する幅方向の吸収を長波化する部位の吸収波長および吸収強度を調整する必要がある。式(1)を満足する、すなわち、異常光の屈折率の波長分散性よりも、常光の波長分散性が、より右肩下がりであるためには、上記(a)の吸収波長より、上記(b)の吸収波長が長波長であることが必須である。更に吸収強度も波長分散性に関わる重要な因子であるが、常光および異常光の屈折率は吸収波長と吸収強度のバランスで成り立っているため、また、常光および異常光に関わる吸収波長と吸収強度を実測することが困難であるため、この両方の値を定義することは非常に困難である。ただ経験的には、(a)の最も吸収強度の強い吸収波長は、320nm以下であることが好ましく、300nm以下であることが更に好ましい。また、(b)の最も吸収強度の強い吸収波長は280nm以上であることが好ましく、300nm以上であることが更に好ましい。(b)の吸収波長は、長波長化しすぎると黄色等に着色してくるため、好ましくない。そのため、吸収の裾が400nmを超えない方が好ましい。(a)と(b)の最も吸収強度の強い吸収波長の差は、20nm以上あることが好ましく、40nm以上あることが更に好ましい。また(b)の最も吸収強度の強い吸収波長の吸光係数は、(a)の最も吸収強度の強い吸収波長の吸光係数の0.1倍以上であることが好ましく、0.2倍以上であることが更に好ましい。但し、(a)および(b)の吸収波長および吸収強度は実測できない場合も多くあり、更に副吸収を有する場合も多くあるため、上記規定に当てはまらない場合もある。このような条件を満たす化合物としては、下記式(II)で表される化合物が好ましい。
【0041】
【化12】


【0042】
ここで、A11およびA14は、式(I)中のAと同義である。A12およびA13は、式(I)中のAと同義である。また、P11は式(I)中のPと同義である。
【0043】
式(II)中の5員環が縮環したベンゼン環の水素原子は、他の置換基に置き換えられていても良い。そのような置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアシル基、シアノ基を挙げることができる。また、式(II)中の5員環が縮環したベンゼン環のメチンは窒素原子に置き換えられてもよい。
【0044】
11、R12、R13、R14は、それぞれ独立に、下記式(III)で表される。
【0045】
*−L11−Q (III)
【0046】
式(III)中、
*は式(II)中のベンゼン環に結合する位置を表す。
11は二価の連結基を表す。
Qは重合性基又は水素原子を表す。
【0047】
本発明の位相差板を含め、一般式(I)で表される化合物を光学補償フイルムのような位相差の大きさが熱により変化しないものが好ましい光学フイルムに用いる場合には、Qは重合性基であることが好ましい。重合反応は、付加重合(開環重合を含む)又は縮合重合であることが好ましい。言い換えると、重合性基は、付加重合反応又は縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。以下に重合性基の例を示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0048】
【化13】


【0049】
さらに、重合性基は付加重合反応が可能な官能基であることが特に好ましい。そのような重合性基としては、重合性エチレン性不飽和基又は開環重合性基が好ましい。
【0050】
重合性エチレン性不飽和基の例としては、下記の式(M−1)〜(M−6)が挙げられる。
【0051】
【化14】


【0052】
式(M−3)、(M−4)中、Rは水素原子又は置換基を表す。置換基としては、前記R、R、Rとして挙げたものが挙げられる。Rとしては、水素原子又はアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
上記(M−1)〜(M−6)のなかでも、(M−1)又は(M−2)が好ましく、(M−1)が最も好ましい。
【0053】
開環重合性基として好ましいのは、環状エーテル基であり、中でもエポキシ基又はオキセタニル基がより好ましく、エポキシ基が最も好ましい。
【0054】
式(III)中のL11は、−O−、−S−、−C(=O)−、−NR−、二価の鎖状基、二価の環状基、およびこれらの組み合わせ、からなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記Rは炭素原子数が1から7のアルキル基又は水素原子であり、炭素原子数1から4のアルキル基又は水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基又は水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
【0055】
11で表される二価の鎖状基としては、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、および置換アルキニレン基が挙げられる。なかでも、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基が好ましく、アルキレン基およびアルケニレン基がさらに好ましい。
【0056】
11で表される二価の鎖状基としてのアルキレン基は、分岐を有していてもよい。また、アルキレン基中の−CH−は、例えば−O−、−S−で置き換えられていても良い
。アルキレン基の炭素数は1〜16であることが好ましく、2〜14であることがさらに好ましく、2〜12であることが最も好ましい。置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換基の例としては、アルキル基やハロゲン原子が挙げられる。
【0057】
11で表される二価の鎖状基としてのアルケニレン基は、主鎖中に置換又は無置換のアルキレン基を有してもよく、分岐を有していてもよい。また、アルケニレン基中に−CH−がある場合、−CH−は、例えば、−O−、−S−で置き換えられていても良い。アルケニレン基の炭素数は2〜16であることが好ましく、2〜14であることがさらに好ましく、2〜12であることが最も好ましい。置換アルケニレン基のアルケニレン部分は、上記アルケニレン基と同様である。置換基の例としてはアルキル基やハロゲン原子が挙げられる。
【0058】
11で表される二価の鎖状基としてのアルキニレン基は、主鎖中に置換又は無置換のアルキレン基を有してもよく、分岐を有していてもよい。また、アルキニレン基中に−CH−がある場合、−CH−は例えば−O−、−S−で置き換えられていても良い。アルキニレン基の炭素数は2〜16であることが好ましく、2〜14であることがさらに好ましく、2〜12であることが最も好ましい。置換アルキニレン基のアルキニレン部分は、上記アルキニレン基と同様である。置換基の例としてはアルキル基やハロゲン原子が挙げられる。
【0059】
11で表される二価の鎖状基の具体例としては、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、1−メチル−テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、ウンデカメチレン、ドデカメチレン、2−ブテニレンおよび2−ブチニレンなどが挙げられる。
【0060】
11で表される二価の環状基とは、少なくとも1種の環状構造を有する二価の連結基である。二価の環状基は5員環、6員環、又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることがさらに好ましく、6員環であることがもっとも好ましい。環状基に含まれる環は、縮合環であっても良い。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。また、環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、および複素環のいずれでもよい。芳香族環の例としては、ベンゼン環およびナフタレン環が挙げられる。脂肪族環の例としてはシクロヘキサン環が挙げられる。複素環の例には、ピリジン環、ピリミジン環、チオフェン環、1,3−ジオキサン環、1,3−ジチアン環が挙げられる。
【0061】
11で表される二価の環状基のうち、ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレンが好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイルおよびナフタレン−2,6−ジイルが好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレンであることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイルが好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイルが好ましい。チオフェン環を有する環状基としては、チオフェン−2,5−ジイルが好ましい。1,3−ジオキサン環を有する環状基としては、1,3−ジオキシレン−2,5−ジイルが好ましい。1,3−ジチアン環を有する環状基としては、1,3−ジチアニレン−2,5−ジイルが好ましい。
【0062】
11で表される二価の環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1〜16のアルキル基、炭素原子数が1〜16のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1〜16のアルコキシ基、炭素原子数が2〜16のアシル基、炭素原子数が1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数が2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数が2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2〜16のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数が2〜16のアシルアミノ基が挙げられる。
【0063】
11で表される二価の連結基の例を以下に示す。ここで、右側が一般式(II)中のベンゼン環に、左側がQに結合する。
【0064】
L−1:−二価の鎖状基−O−二価の環状基−
L−2:−二価の鎖状基−O−二価の環状基−CO−O−
L−3:−二価の鎖状基−O−二価の環状基−O−CO−
L−4:−二価の鎖状基−O−二価の環状基−CO−NR
L−5:−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基―
L−6:−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基―CO−O−
L−7:−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基―O−CO−
L−8:−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−
L−9:−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−CO−O−
L−10:−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−O−CO−
【0065】
L−11:−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−CO−NR
L−12:−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基―
L−13:−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基―CO−O−
L−14:−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基―O−CO−
L−15:−二価の鎖状基−CO−O−二価の環状基−
L−16:−二価の鎖状基−CO−O−二価の環状基−CO−O−
L−17:−二価の鎖状基−CO−O−二価の環状基−O−CO−
L−18:−二価の鎖状基−CO−O−二価の環状基−CO−NR
L−19:−二価の鎖状基−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基―
L−20:−二価の鎖状基−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基―CO−O−
【0066】
L−21:−二価の鎖状基−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基―O−CO−
L−22:−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−
L−23:−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−CO−O−
L−24:−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−O−CO−
L−25:−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−CO−NR
L−26:−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基―
L−27:−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基―CO−O−
L−28:−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基―O−CO−
L−29:−二価の鎖状基−
L−30:−二価の鎖状基−O−
【0067】
L−31:−二価の鎖状基−CO−O−
L−32:−二価の鎖状基−O−CO−
L−33:−二価の鎖状基−CO−NR
L−34:−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−
L−35:−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−O−
L−36:−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−CO−O−
L−37:−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−O−CO−
【0068】
11、R12、R13、R14は、それぞれ独立に下記式(IV)で表されるものが更に好ましい。
【0069】
*−L21−二価の環状基−L22−二価の鎖状基−Q21 (IV)
【0070】
式(IV)中、*は一般式(II)中のベンゼン環に結合する位置を表し、L21は単結合又は二価の連結基を表す。L21が二価の連結基の場合、−O−、−S−、−C(=O)−、−NR−、−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、およびこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記Rは炭素原子数が1から7のアルキル基又は水素原子であり、炭素原子数1から4のアルキル基又は水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基又は水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
【0071】
21は単結合、*−O−CO−、*−CO−O−、*−CH−CH−、*−O−CH−、*−CH−O−、又は*−CO−CH−CH−(ここで、*は式(IV)中の*側を表す)が好ましく、特に単結合、*−O−CO−、*−CO−O−が好ましい。
【0072】
式(IV)中の二価の環状基は、式(III)中の二価の環状基と同義である。
式(IV)中の二価の環状基は、1,4−フェニレン、1,4−シクロへキシレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、1,3−ジオキシレン−2,5−ジイルが好ましく、特に1,4−フェニレン、1,4−シクロへキシレン、1,3−ジオキシレン−2,5−ジイルが特に好ましい。
【0073】
式(IV)中の二価の環状基は、置換基を有していてもよく、その置換基としてはハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルキルオキシ基、炭素原子数2〜8のアシル基、炭素原子数2〜8のアシルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基が好ましい。特に、ハロゲン原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜3のアルキルオキシ基、炭素原子数2〜4のアシル基、炭素原子数2〜4のアシルオキシ基、炭素原子数2〜4のアルコキシカルボニル基、シアノ基が好ましい。
【0074】
22は単結合又は二価の連結基である。L22が二価の連結基の場合、−O−、−S−、−C(=O)−、−NR−、およびこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記Rは炭素原子数が1から7のアルキル基又は水素原子であり、炭素原子数1から4のアルキル基又は水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基又は水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
【0075】
22は単結合、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−、*−O−CO−O−、*−CO−、*−S−、又は*−NR−(ここで、*は一般式(V)中の二価の環状基に連結する位置を表す)が好ましく、特に単結合、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−、*−O−CO−O−が好ましい。
【0076】
式(IV)中の二価の状基は、式(III)中の二価の状基と同義である。
式(IV)中の二価の鎖状基は、炭素数1〜16の置換又は無置換のアルキレン基、炭素数2〜16の置換又は無置換のアルケニレン基、炭素数2〜16の置換又は無置換アルキニレン基が好ましく、特に、炭素数1〜12の置換又は無置換のアルキレン基が好ましい。鎖状基の置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基もしくはハロゲン原子が好ましい。最も好ましくは、炭素数1〜12の無置換のアルキレン基である。
【0077】
式(IV)中のQ21は重合性基又は水素原子を表す。重合性基としては、−O−CO−C(R)=CHが好ましい。ここで、Rは水素原子又はメチル基を表し、好ましくは水素原子である。
【0078】
本発明においては、式(I)で表される化合物のなかでも、 R11、R12、R13、R14が、それぞれ独立に、上記式(IV)で表される前記式(II)で表される化合物が好ましい。
【0079】
以下に、式(I)又は式(II)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれら具体例に限定されるものではない。
【0080】
【化15】


【0081】
【化16】


【0082】
【化17】


【0083】
【化18】


【0084】
【化19】


【0085】
【化20】


【0086】
【化21】


【0087】
【化22】


【0088】
【化23】


【0089】
【化24】


【0090】
【化25】


【0091】
【化26】


【0092】
【化27】


【0093】
【化28】


【0094】
本発明の液晶化合物は、同じ液晶相であれば、波長分散性は温度にほとんど依存しないが、本発明をより明確にするために、下記式(1)を満足する温度は、相が変化する温度の上限温度から20℃下で測定した値を指すこととする。また、液晶温度範囲が20℃以下の場合は液晶相の上限温度から10℃下で測定した値、液晶温度範囲が10℃以下の場合は上限温度から5℃下で測定した値、液晶温度範囲が5℃以下の場合は2℃下で測定した値を指す。
Δn(450nm)/Δn(550nm)<1.0 (1)
【0095】
Δnの波長分散性は、液晶化合物を用いる用途により好ましい範囲が異なるため、一義的に範囲を限定することができないが、Δnの波長分散のより好ましい範囲としては、下記式(1)−1および(1)−2を満足することが好ましい。
0.60<Δn(450nm)/Δn(550nm)<0.99 (1)−1
1.01<Δn(650nm)/Δn(550nm)<1.35 (1)−2
式中、Δn(450)、Δn(550)、Δn(650)は450nm、550nm、650nmにおける、Δnを表す。ただし、それぞれの測定波長は、±10nmの誤差を含む。
【0096】
本発明の液晶化合物は、正又は負の複屈折性のどちらの複屈折性を有していても良いが、正の複屈折性を有することが好ましい。
【0097】
正の複屈折性を有する液晶相としては、詳しくは液晶便覧(丸善(株)2000年発行)第2章などに記載されており、例えば、ネマチック相、コレステリック相、スメクチック相(例えば、スメクチックA相、スメクチックC相)を挙げることができる。
本発明の液晶化合物を光学異方性層に用いる場合には、均一な欠陥のない配向のために、良好なモノドメイン性を示すものが望ましい。モノドメイン性が悪い場合には、得られる構造がポリドメインとなり、ドメイン同士の境界に配向欠陥が生じ、光を散乱するようになる。これは、光学異方性層の透過率低下にもつながるので望ましくない。良好なモノドメイン性を示すために、本発明の液晶化合物は、ネマチック相(N相)、もしくはスメクチックA相(S相)を発現することが好ましい。特にネマチック相を発現することが好ましい。
【0098】
このような液晶相にカイラル剤を添加することで、TGBカイラルスメクチックA相、カイラルスメクチックC相、ブルー相、カイラルネマチック相を発現することが可能となる。このようなカイラル剤を含む液晶相の中では、特にカイラルネマチック相が好ましい。
【0099】
液晶化合物は、低分子液晶化合物でもよいし、高分子液晶化合物でもよいが、液晶の配向のしやすさを考慮すると、低分子液晶化合物の方が好ましい。
【0100】
液晶化合物は、重合性基を有することが好ましく、化合物の分子の末端に重合性基を有することがより好ましい。重合性基を有することは、位相差板などに用いた場合に熱などにより位相差の変化を防ぐことができるので好ましい。
【0101】
液晶のΔnの測定方法は、例えば液晶便覧2.4.13(丸善(株)、2000年)に記載されているようなくさび型の液晶セルを用いる方法を挙げることができる。この方法において、450nm、550nm、650nmの3種類のバンドパスフィルターを用いることで、それぞれの波長のΔnを求める。液晶化合物が重合性基を有する場合においては、くさび型の液晶セル中で重合反応が起こることがあり、測定が困難な場合が生じやすい。このような場合は、重合禁止剤を添加し測定することが好ましい。また、液晶を均一に配向させた状態で、例えばKOBRA(王子計測機器(株)製)のような位相差を測定できる装置で測定することにより、それぞれの波長におけるReを求め、膜厚を別途測定することで、Δnを求めることができる(Δn=Re/d(膜厚)の式より)。
【0102】
本発明の液晶化合物は、単独又は複数使用してもよい。例えば、重合性の液晶化合物と非重合性の液晶化合物との併用が可能である。また、低分子液晶化合物と高分子液晶化合物との併用も可能である。更に、上記式(1)を満たす液晶化合物2種を混合しても良い。
【0103】
本発明の上記式(II)で表される化合物は、必ずしも液晶性を示す必要はない。液晶性を示さない場合には、液晶性を示す本発明の液晶化合物と混合することで液晶性組成物としても良いし、本発明の範囲外である液晶化合物と混合することで液晶性組成物としても良い。
【0104】
本発明の上記式(1)を満たす液晶化合物は、Δnの波長分散が正常分散である液晶化合物と混合しても良い。ここで、波長分散が正常分散であるとは、下記式(1-a)を満たすことを意味する。
Δn(450nm)/Δn(550nm)>1.0 (1-a)
本発明の上記式(1)を満たす液晶化合物とΔnの波長分散が正常分散である液晶化合物と混合することで、その中間の波長分散性を有する液晶組成物を作り出すことが可能となる。具体的には、これまでの液晶化合物では、下記式(1-b)の実現が非常に困難な領域であった。ところが、本発明の上記式(1)を満たす液晶化合物とΔnの波長分散が正常分散である液晶化合物と混合すれば、容易に式(1-b)で表される領域の波長分散性を有する液晶組成物を作製できる。
1.0≦Δn(450nm)/Δn(550nm)<1.1 (1-b)
本発明の上記式(1)を満たす液晶化合物は液晶性を示すため、Δnの波長分散が正常分散である液晶化合物とは、いかなる混合比においても混合できる可能性が高い。従って、目標の波長分散性に応じて、その混合比率を変化させればよい。
【0105】
また、本発明の液晶組成物を位相差板に用いる場合に、その液晶温度範囲は、位相差板の製造適性等の面から10〜250℃の範囲内に存在することが好ましく、10〜150℃の範囲内に存在することがより好ましい。10℃未満であると液晶相を呈する温度範囲にまで温度を下げるために冷却工程等が必要となることがある。また、200℃を越えると一旦液晶相を呈する温度範囲よりもさらに高温の等方性液体状態にするために高温を要し熱エネルギーの浪費、基板の変形、変質等からも不利になる。
【0106】
本発明の液晶組成物は、カイラル剤や液晶化合物の他に、任意の添加剤を併用することができる。添加剤の例としては、本発明の範囲外である液晶化合物や、下記の空気界面配向制御剤、ハジキ防止剤、重合開始剤、重合性モノマー等がある。
【0107】
[空気界面配向制御剤]
液晶化合物は、化合物の種類により空気界面でのチルト角(傾斜角)が異なることが知られている。この空気界面のチルト角は、位相差板の光学的な目的に応じて任意に制御する必要がある。このチルト角の制御には、例えば、電場や磁場のような外場を用いることや添加剤を用いることができるが、添加剤を用いることが好ましい。このような添加剤としては、炭素原子数が6〜40の置換又は無置換脂肪族基、あるいは炭素原子数が6〜40の置換又は無置換脂肪族置換オリゴシロキサノキシ基を、分子内に1本以上有する化合物が好ましく、分子内に2本以上有する化合物が更に好ましい。
【0108】
空気界面側の配向制御用添加剤の添加量としては、液晶性組成物に対して、0.001質量%〜20質量%が好ましく、0.01質量%〜10質量%が更に好ましく、0.1質量%〜5質量%が最も好ましい。
【0109】
[ハジキ防止剤]
液晶化合物とともに使用して、液晶組成物の塗布時のハジキを防止するための材料としては、一般にポリマーを好適に用いることができる。使用するポリマーとしては、液晶化合物の傾斜角変化や配向を著しく阻害しない限り、特に制限はない。ポリマーの例としては、特開平8−95030号公報に記載があり、特に好ましい具体的ポリマー例としてはセルロースエステル類を挙げることができる。セルロースエステルの例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロースおよびセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。液晶の配向を阻害しないように、ハジキ防止目的で使用されるポリマーの添加量は、液晶化合物に対して一般に0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましく、0.1〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
【0110】
[重合開始剤]
本発明では、液晶化合物はモノドメイン配向、つまり実質的に均一に配向している状態で固定されていることが好ましく、そのため上記式(II)においてQに重合性基を有するなど、重合性の液晶化合物を用いている場合には、重合反応により液晶化合物を固定することが好ましい。
【0111】
重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応と電子線照射による重合反応が含まれるが、熱により支持体等が変形、変質するのを防ぐためにも、光重合反応と電子線照射による重合反応が好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)等が挙げられる。光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。液晶化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、10mJ〜50J/cmであることが好ましく、50mJ〜800mJ/cmであることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。また、雰囲気の酸素濃度は重合度に関与するため、空気中で所望の重合度に達しない場合には、窒素置換等の方法により酸素濃度を低下させることが好ましい。好ましい酸素濃度としては、10%以下が好ましく、7%以下がさらに好ましく、3%以下が最も好ましい。
【0112】
[重合性モノマー]
液晶組成物には、重合性のモノマーを添加してもよい。液晶化合物とともに使用する重合性モノマーとしては、液晶化合物と相溶性を有し、液晶化合物の傾斜角変化や配向阻害を著しく引き起こさない限り、特に限定はない。これらの中では重合活性なエチレン性不飽和基、例えばビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基およびメタクリロイル基などを有する化合物が好ましく用いられる。上記重合性モノマーの添加量は、液晶化合物に対して一般に0.5〜50質量%の範囲にあり、1〜30質量%の範囲にあることが好ましい。また反応性官能基数が2以上のモノマーを用いると、配向膜と光学異方性層間の密着性を高める効果が期待できるため、特に好ましい。
【0113】
[塗布溶剤]
液晶組成物の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、トルエン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が挙げられる。アルキルハライド、エステルおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
【0114】
[塗布方式]
光学異方性層は、上記溶媒を用いて液晶組成物の塗布液を調製し配向膜上に塗布し、液晶化合物を配向処理することで形成する。塗布液の塗布は、公知の方法(例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
【0115】
[配向膜]
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。配向膜上に設けられる光学異方性層の液晶化合物に所望の配向を付与できるのであれば、配向膜としてはどのような層でもよいが、本発明においては、ラビング処理又は光照射により形成される配向膜が好ましい。ポリマーのラビング処理により形成する配向膜が特に好ましい。ラビング処理は、一般にはポリマー層の表面を、紙や布で一定方向に数回擦ることにより実施することができるが、特に本発明では液晶便覧(丸善(株)、2000年)に記載されている方法により行うことが好ましい。配向膜の厚さは、0.01〜10μmであることが好ましく、0.05〜3μmであることがさらに好ましい。
【0116】
配向膜に用いられるポリマーは、多数の文献に記載があり、多数の市販品を入手することができる。本発明の位相差板に用いられる配向膜は、ポリビニルアルコール及びその誘導体が好ましく用いられる。疎水性基が結合している変性ポリビニルアルコールが特に好ましい。配向膜については、ディスコティック液晶に用いられている配向膜を液晶の配向膜として用いることができる。そのような配向膜としては、WO01/88574A1号公報の43頁24行〜49頁8行の記載を参照することができる。
【0117】
[配向膜のラビング密度]
配向膜のラビング密度と配向膜界面での液晶化合物のチルト角との間には、ラビング密度を高くするとチルト角は小さくなり、ラビング密度を低くするとチルト角は大きくなる関係があるので、配向膜のラビング密度を変えることで、チルト角の調整をすることができる。配向膜のラビング密度を変える方法としては、液晶便覧(丸善(株)、2000年)に記載されている方法を用いることができる。すなわち、ラビング密度(L)は下記式(A)で定量化されている。
【0118】
式(A) L=Nl{1+((2πrn)/(60v))}
【0119】
式(A)中、Nはラビング回数、lはラビングローラーの接触長、rはローラーの半径、nはローラーの回転数(rpm)、vはステージ移動速度(秒速)である。
【0120】
式(A)によれば、ラビング密度を高くするためには、ラビング回数を増やす、ラビングローラーの接触長を長く、ローラーの半径を大きく、ローラーの回転数を大きく、ステージ移動速度を遅くすればよく、一方、ラビング密度を低くするためには、この逆にすればよい。
【0121】
[透明支持体]
本発明の位相差板の透明支持体としては、主に光学的等方性で、光透過率が80%以上であれば、特に材料の制限はないが、ポリマーフイルムが好ましい。ポリマーの具体例として、セルロースエステル類(例、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート)、ノルボルネン系ポリマー、ポリ(メタ)アクリレートエステル類のフイルムなどを挙げることができ、多くの市販のポリマーを好適に用いることが可能である。このうち、光学性能の観点からセルロースエステル類が好ましく、セルロースの低級脂肪酸エステルがさらに好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸で、炭素原子数は、2(セルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネート)又は4(セルロースブチレート)であることが好ましい。セルローストリアセテートが特に好ましい。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いてもよい。また、従来知られているポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマーであっても国際公開第00/26705号パンフレットに記載の分子を修飾することで該発現性を低下させたものを用いることもできる。
【0122】
以下、透明支持体として好ましく使用されるセルロースエステル(特に、セルローストリアセテート)について詳述する。セルロースエステルとしては、酢化度が55.0〜62.5%であるセルロースアセテートを使用することが好ましい。特に酢化度が57.0〜62.0%であることが好ましい。酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算に従う。セルロースエステルの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。また、本発明に使用するセルロースエステルは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜4.0であることが好ましく、1.3〜3.5であることがさらに好ましく、1.4〜3.0であることが最も好ましい。
【0123】
セルローストリアセテートでは、セルロースの2位、3位、6位の水酸基が全体の置換度の1/3づつに均等に分配されるわけではなく、6位水酸基の置換度が小さくなる傾向がある。セルロースの6位水酸基の置換度が、2位、3位に比べて多いほうが好ましい。全体の置換度に対して6位の水酸基がアシル基で置換されている割合が、30%以上40%以下であることが好ましく、さらには31%以上、特に32%以上であることが好ましい。6位の置換度は、0.88以上であることが好ましい。6位水酸基は、アセチル基以外に炭素数3以上のアシル基(例、プロピオニル、ブチリル、バレロイル、ベンゾイル、アクリロイル)で置換されていてもよい。各位置の置換度の測定は、NMRによって求めることができる。6位水酸基の置換度が高いセルロースエステルは、特開平11−5851号公報の段落番号0043〜0044に記載の合成例1、段落番号0048〜0049に記載の合成例2、段落番号0051〜0052に記載の合成例3の方法を参照して合成することができる。
【0124】
透明支持体として用いるポリマーフイルム、特にセルロースアセテートフイルムに対して、レタデーションを調整するために、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物をレタデーション上昇剤として使用することも可能である。このようなレタデーション上昇剤を使用する場合、レタデーション上昇剤は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.01〜20質量部の範囲で使用する。レタデーション上昇剤は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.05〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、0.1〜10質量部の範囲で使用することがさらに好ましい。2種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。ここで、芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。
【0125】
レタデーション上昇剤としての芳香族化合物が有する芳香族炭化水素環は、6員環(すなわち、ベンゼン環)であることが特に好ましい。また、芳香族性ヘテロ環は、一般に、不飽和ヘテロ環である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることがさらに好ましい。芳香族性ヘテロ環は、一般に、最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子が好ましく、窒素原子が特に好ましい。芳香族性ヘテロ環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が挙げられる。芳香族環としては、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が好ましく、ベンゼン環および1,3,5−トリアジン環がさらに好ましい。芳香族化合物は、少なくとも一つの1,3,5−トリアジン環を有することが特に好ましい。芳香族化合物が有する芳香族環の数は、2〜20であることが好ましく、2〜12であることがより好ましく、2〜8であることがさらに好ましく、2〜6であることが最も好ましい。
【0126】
また、レタデーション上昇剤としての芳香族化合物が有する二つの芳香族環の結合関係は、(a)縮合環を形成する場合、(b)単結合で直結する場合、および(c)連結基を介して結合する場合、に分類できる(芳香族環のため、スピロ結合は形成できない)。結合関係は、(a)〜(c)のいずれでもよい。このようなレタデーション上昇剤についてはWO01/88574A1、WO00/2619A1、特開2000−111914号公報、同2000−275434号公報、同2002−363343号公報等に記載されている。
【0127】
透明支持体としてのセルロースアセテートは、単層又は複数の層からなる。例えば、セルローストリアセテートの場合、単層のセルローストリアセテートは、特開平7−11055号等で開示されているドラム流延、あるいはバンド流延等により作製でき、後者の複数の層からなるセルローストリアセテートは、特開昭61−94725号、特公昭62−43846号等で開示されている、いわゆる共流延法により作製することができる。すなわち、原料フレークをハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン等、アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノール等)、エステル類(蟻酸メチル、酢酸メチル等)、エーテル類(ジオキサン、ジオキソラン、ジエチルエーテル等)等の溶剤にて溶解し、これに必要に応じて可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤等の各種の添加剤を加えた溶液(ドープと称する)を、水平式のエンドレスの金属ベルト又は回転するドラムからなる支持体の上に、ドープ供給手段(ダイと称する)により流延する際、単層ならば単一のドープを単層流延し、複数の層ならば高濃度のセルロースエステルドープの両側に低濃度ドープを共流延し、支持体上である程度乾燥して剛性が付与されたフイルムを支持体から剥離し、次いで各種の搬送手段により乾燥部を通過させて溶剤を除去することからなる方法である。
【0128】
上記のような、セルローストリアセテートを溶解するための溶剤としては、ジクロロメタンが代表的である。しかし地球環境や作業環境の観点から、溶剤はジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を実質的に含まないことが好ましい。「実質的に含まない」とは、有機溶剤中のハロゲン化炭化水素の割合が5質量%未満(好ましくは2質量%未満)であることを意味する。ジクロロメタン等を実質的に含まない溶剤を用いてセルローストリアセテートのドープを調製する場合には、後述するような特殊な溶解法が必須となる。これらは冷却溶解法、高温溶解法と称される。ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を実質的に含まないセルロースアセテートフイルムおよびその製造法については発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、以下公開技報2001−1745号と略す)に詳しく記載されている。
【0129】
セルロースアセテートの種々の物性を改良するために添加する添加剤については、公開技報2001−1745号に記載のものを好ましく使用できる。
【0130】
透明支持体がセルロースアセテートの場合、片面に粘着層を設ける等してその他の機能性層や基材に接着する際に、十分に接着させるために鹸化処理を実施することが好ましい。鹸化処理は、公知の手法、例えば、アルカリ液の中に該フイルムを適切な時間浸漬して実施される。アルカリ液に浸漬した後は、該フイルムの中にアルカリ成分が残留しないように、水で十分に水洗したり、希薄な酸に浸漬してアルカリ成分を中和することが好ましい。鹸化処理することにより、透明支持体の表面が親水化される。親水化された表面は、ポリビニルアルコールを主成分とする偏向膜との接着性を改良するのに特に有効である。また、親水化された表面は、空気中の塵埃が付着しにくくなるため、偏向膜と接着させる際に偏向膜と透明支持体との間に塵埃が入りにくく、塵埃による点欠陥を防止するのに有効である。
【0131】
鹸化処理は、透明支持体の表面の水に対する接触角が40゜以下になるように実施することが好ましい。更に好ましくは30゜以下、特に好ましくは20゜以下である。
【0132】
アルカリ鹸化処理の具体的手段としては、以下の2つから選択することができる。汎用のセルロースアセテートフイルムと同一の工程で処理できる点で下記(1)が優れているが、光学異方性層表面まで鹸化処理されるため、表面がアルカリ加水分解されて膜が劣化する点、鹸化処理液が残ると汚れになる点が問題になり得る。その場合には、特別な工程となるが、下記(2)が優れる。
(1)透明支持体上に光学異方性層を形成後に、アルカリ液中に少なくとも1回浸漬することで、該フイルムの裏面を鹸化処理する。
(2)透明支持体上に光学異方性層を形成する前又は後に、アルカリ液を透明支持体の光学異方性層を形成する面とは反対側の面に塗布し、加熱、水洗および/又は中和することで、該透明支持体の裏面だけを鹸化処理する。
【0133】
また、セルロースアセテートフイルムの表面エネルギーは55mN/m以上であることが好ましく、60〜75mN/mの範囲にあることがさらに好ましい。固体の表面エネルギーは、「ぬれの基礎と応用」(リアライズ社 1989.12.10発行)に記載のように接触角法、湿潤熱法、および吸着法により求めることができる。本発明のセルロースアセテートフイルムの場合、接触角法を用いることが好ましい。具体的には、表面エネルギーが既知である2種の溶液をセルロースアセテートフイルムに滴下し、液滴の表面とフイルム表面との交点において、液滴に引いた接線とフイルム表面のなす角で、液滴を含む方の角を接触角と定義し、計算によりフイルムの表面エネルギーを算出できる。
【0134】
セルロースアセテートフイルムの厚さは、通常5〜500μmの範囲が好ましく、20〜250μmの範囲がより好ましく、30〜180μmの範囲がさらに好ましく、30〜110μmの範囲が特に好ましい。
【0135】
[位相差板]
本発明の位相差板は、透明支持体上に、液晶化合物とカイラル剤とを含有する液晶組成物から形成される少なくとも一層の光学異方性層を有する。光学異方性層を形成する液晶化合物は、欠陥が少ない状態であることが好ましい。そのため、配向を規制する配向膜を設けた透明支持体上で液晶組成物を配向させることが好ましい。
【0136】
本発明の位相差板は、液晶組成物をその液晶状態における配向形態を損なうことなく固定化するために、一度液晶相形成温度まで加熱し、次にその配向状態を維持したまま冷却することにより光学異方性層を形成することで得ることができる。あるいは、重合性基を有する液晶化合物に重合開始剤を添加した液晶組成物を液晶相形成温度まで加熱した後、重合させ冷却することによって得ることができる。ここで、本発明でいう固定化したという状態は、光学異方性層に含まれる液晶化合物の配向が保持された状態が最も典型的、且つ好ましい態様ではあるが、それだけには限定されず、具体的には、通常0℃から50℃、より過酷な条件下では−30℃から70℃の温度範囲において、該光学異方性層に流動性が無く、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることなく、固定化された配向形態を安定に保ち続けることができる状態を指すものである。
【0137】
なお、本発明の位相差板においては、光学異方性層が最終的に形成された際に、その光学異方性が保持されていれば液晶化合物はもはや液晶性である必要はない。例えば、低分子の二軸性液晶化合物が熱、光等で反応する基を有しており、結果的に熱、光等で反応により重合又は架橋し、高分子量化して、液晶性を失ってもよい。
【0138】
液晶組成物から形成される光学的異方性層の厚さ(液晶組成物等に含まれる溶媒等が揮発して得られる膜厚)は、0.1〜20μmであることが好ましく、0.2〜15μmであることがさらに好ましく、0.3〜10μmであることが最も好ましい。
【0139】
本発明の位相差板は、カイラルネマチック相から形成されていることが好ましい。このカイラルネマチック相の螺旋軸が、透明支持体の平面方向がほぼ直交方向になるように配向していることが好ましい。
【0140】
カイラルネマチック相の配向を固定した薄膜は、選択反射することが知られているが、本発明の位相差板においても選択反射が確認される。その選択反射波長帯域は、位相差板の目的により選択することができる。選択反射波長帯域λ(nm)の中心波長は、λ=n・Pで表すことができる。ここで、nは、液晶組成物の平均屈折率を示し、Pはカイラルネマチック相のらせんピッチ(μm)を示す。一般的に、カイラル剤の添加量が増えれば、Pは小さくなるため、カイラル剤の添加量を制御することで選択反射波長帯域を制御することが可能である。
本発明の位相差板の、選択反射波長帯域は、赤外領域、可視領域、紫外領域のいずれでもかまわない。例えば、本発明の位相差板をカラーフィルターような着色を積極的に利用する用途に用いる場合には、可視領域に選択反射波長帯域があることが好ましい。また、negative C-Plateの位相差板として用いる場合には、紫外領域に選択反射波長帯域があることが好ましい。
negative C-Plateの位相差板として用いる場合には、選択反射波長帯域の上限は、350nm以下であり、好ましくは300nm以下である。一方、選択反射波長帯域の下限は、50nm以上であり、好ましくは100nm以上である。
【0141】
本発明の位相差板は、透過型液晶表示装置に、偏光膜と組み合わせて適用することにより、液晶表示装置の視野角の拡大に寄与させることができる。以下に、本発明の位相差板を利用した液晶表示装置について説明する。
【0142】
[液晶表示装置]
本発明の位相差板の利用により、視野角が拡大された液晶表示装置を提供することができる。TNモードの液晶セル用位相差板(光学補償シート)は、特開平6−214116号公報、米国特許5583679号、同5646703号、ドイツ特許公報3911620A1号の各明細書に記載がある。また、IPSモード又はFLCモードの液晶セル用位相差板(光学補償シート)は、特開平10−54982号公報に記載がある。さらに、OCBモード又はHANモードの液晶セル用位相差板(光学補償シート)は、米国特許5805253号明細書および国際公開第96/37804号パンフレットに記載がある。さらにまた、STNモードの液晶セル用位相差板(光学補償シート)は、特開平9−26572号公報に記載がある。そして、VAモードの液晶セル用位相差板(光学補償シート)は、特許第2866372号公報に記載がある。
【0143】
前記記載の公報を参考にして各種のモードの液晶セル用位相差板(光学補償シート)は作製できる。本発明の位相差板は、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)モードのような様々な表示モードの液晶表示装置に用いることができる。例えば、逆波長分散性を有する位相差板をVAモードに用いた例は、特開2004−46163号公報に記載されている。従って本発明の逆波長分散性を有する液晶化合物を用いて作製した位相差板もVAモードに用いると同様の効果が期待できる。
【0144】
本発明の液晶組成物の用途は、特に限定されないが、位相差板および楕円偏光板、更には偏光面回転板、PS変換プリズム等の光学要素に好適に用いることができる。本発明の液晶組成物を用いた位相差板の用途は、特に限定されないが、光分析装置、光計測装置、光ピックアップデバイス、反射型液晶デバイス、半透過型液晶デバイス、透過型液晶デバイスに好適に用いることができる。
【実施例】
【0145】
[合成例1:G−1の合成]
下記スキームに従い合成することができる。
【0146】
【化29】


【0147】
(G−1Aの合成)
6−ブロモ−2−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド 10.2gを40mlのジメチルホルムアミドに溶解後、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)50gとヨウ化銅0.8gを添加し、95℃で8時間攪拌した。冷却後、水を加え酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を減圧留去し、G−1Aの結晶7.4gを得た。
【0148】
(G−1Bの合成)
G−1A7.4gおよびジイソプロピルエチルアミン11mlにジクロロメタン100mlを加え、内温30℃以下で2−メトキシエトキシメチルクロライド(MEMCl)7.0mlを滴下した。室温で5時間攪拌後、水を加えジクロロメタンで抽出した。有機層を減圧濃縮後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、G−1B10.0gを得た。
【0149】
(G−1Cの合成)
ブロモメチルトリフェニルホスホニウムブロミド27.5gをテトラヒドロフラン100mlに懸濁後、t−BuOK10.5gを加え1時間攪拌した。テトラヒドロフラン30mlに溶解したG−1B8.5gを反応液に滴下後、さらに室温で2時間攪拌し、t−BuOKを13g追加した。50℃で1時間攪拌後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧濃縮後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、G−1C3.2gを得た。
【0150】
(G−1Dの合成)
G−1C2.6g、1,4−ジブロモベンゼン1.05g、トリフェニルホスフィン100mg、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド50mgおよびヨウ化銅(I)10mgをトリエチルアミン100mlに溶解させ、窒素雰囲気下で10時間還流した。冷却後、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を減圧濃縮後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、G−1D2.8gを得た。
【0151】
(G−1Eの合成)
G−1D2.8gおよびピリジニウムパラトルエンスルホン酸(PPTS)0.6gをエタノール100mlに溶解させ、窒素雰囲気下で12時間還流した。冷却後、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。得られた有機層を減圧留去し、G−1E1.9gを得た。
【0152】
(G−1Fの合成)
G−1E1.9gおよびt−BuOK1.5gをエタノール70mlに溶解させ、窒素雰囲気下で12時間還流した。冷却後、析出した結晶を濾取し、乾燥することでG−1F1.6gを得た。
【0153】
(G−1Gの合成)
G−1F1.6gをジクロロメタン100mlに溶解させ、三臭化ホウ素(1.0Mジクロロメタン溶液)100mlを添加し、10時間還流した。冷却後、反応液に水を加え、析出した結晶をろ過により濾取した。この結晶を乾燥することで、G−1G1.1gを得た。
【0154】
(G−1の合成)
G−1G0.1gと4−オクチルオキシ安息香酸クロリド0.43gをテトラヒドロフラン10mlに溶解させ、トリエチルアミン0.25ml、4−ジメチルアミノピリジン0.01gを添加した。室温で12時間撹拌後、反応液にメタノール100mlを加え、析出した結晶をろ過により濾取した。得られた結晶を更にカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、G−1の結晶0.25gを得た。得られたG−1のNMRスペクトルは以下の通りである。
【0155】
H−NMR(溶媒:CDCl、基準:テトラメチルシラン)δ(ppm):
0.91(12H、t)
1.20−1.40(32H、m)
1.40−1.60(8H、m)
1.80−1.90(8H、m)
4.07(8H、t)
7.01(10H、m)
7.12(2H、d)
7.19(2H、d)
7.78(4H、s)
8.22(4H、d)
8.27(4H、d)
【0156】
得られたG−1の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行ったところ、温度を上げていき210℃付近で結晶相からネマチック相に変わり、250℃を超えると等方性液体相に変わった。すなわち、G−1は210℃から250℃の間でネマチック相を呈する。
【0157】
[波長分散性の測定]
くさび型の液晶セル(NIPPO DENKI CO.,LTD.N−Wedge NLCD−057)にG−1を260℃で注入し、220℃における450nm、550nm、650nmのΔnを求めたところ、それぞれ、Δn(450nm)=0.055、Δn(550nm)=0.060、Δn(650nm)=0.063であった。即ちΔn(450nm)/Δn(550nm)=0.92、Δn(650nm)/Δn(550nm)=1.05であることがわかった。
【0158】
[合成例2:G−2の合成]
下記スキームに従い合成することができる。
【0159】
【化30】


【0160】
メタンスルホニルクロライド0.43gをテトラヒドロフラン10mlに溶解させ、0℃に冷却した。この溶液に4−(4−アクリロイルオキシブチルオキシ)安息香酸1.0g、ジイソプロピルエチルアミン0.51gのテトラヒドロフラン10ml溶液を滴下した。0℃で1時間撹拌後、ジイソプロピルエチルアミン0.51g、4−ジメチルアミノピリジン0.02gを添加し、合成例1に従って得られたG-1G 0.14gのテトラヒドロフラン10ml溶液を添加した。室温で12時間撹拌後、反応液にメタノール100mlを加え、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を乾燥後、カラムクロマトグラフィーを用いて精製し、G−2の結晶0.22gを得た。得られたG−2のNMRスペクトルは以下の通りであった。
【0161】
1H−NMR(溶媒:CDCl3、基準:テトラメチルシラン)δ(ppm):
1.90−2.00(16H、m)
4.12−4.16(8H、m)
4.27−4.31(8H、m)
5.83(4H、dd)
6.13(4H、dd)
6.42(4H、dd)
6.98(2H、s)
7.01(4H、d)
7.03(4H、d)
7.14(2H、d)
7.20(2H、d)
7.78(4H、s)
8.24(4H、d)
8.26(4H、d)
【0162】
得られたG−2の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行ったところ、温度を上げていき180℃付近で結晶相からネマチック相に変わり、250℃を超えると等方性液体相に変わった。すなわち、G−2は180℃から250℃の間でネマチック相を呈する。
【0163】
[波長分散性の測定]
(配向膜の形成)
G−2(50mg)と下記添加剤SH−1(0.2mg)をクロロホルム0.5mlに溶解させ、下記実施例1に記載の配向膜を設けたガラス板上にスピンコートした。このサンプルをホットステージ((株)北里サプライ(製)MP200DMSH)で190℃に加熱し、KOBRA−WR(王子計測機器(株))でレタデーションを求め、別途求めた膜厚よりΔnを求めたところ、それぞれ、Δn(450nm)=0.057、Δn(550nm)=0.063、Δn(650nm)=0.066であった。即ちΔn(450nm)/Δn(550nm)=0.91、Δn(650nm)/Δn(550nm)=1.05であることがわかった。
【0164】
[実施例1]
(液晶組成物の作製)
本発明の液晶化合物G−2(100mg)、重合開始剤(3mg)(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)、増感剤(1mg)(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)および下記カイラル剤K−1(1mg)をクロロホルム0.5mlに溶解後、ガラス上に塗布し、加熱条件下でそのテクスチャーの観察を行った。その結果、本発明の液晶組成物は、カイラルネマチック相を発現することがわかった。
【0165】
【化31】


【0166】
[重合性液晶化合物を用いた位相差板の作製]
(配向膜の作製)
ポリイミド系液晶配向材(SE−150(日産化学工業(株))をγ−ブチロラクトンで希釈し、ガラス板上に塗布した。80℃で15分間乾燥後、250℃で60分間加熱し、冷却後ラビング処理を行い配向膜を形成した。得られた配向膜の膜厚は0.1μmであった。
【0167】
(光学異方性層の作製)
本発明の液晶化合物G−2(100mg)、重合開始剤(3mg)(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)、増感剤(1mg)(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)、上記カイラル剤K−1(10mg)および下記添加剤SH−1(0.4mg)をクロロホルム0.5mlに溶解させ、上記配向膜上に塗布した。200℃に加熱し、その後、窒素雰囲気下で400mJ/cmの紫外線を照射して光学異方性層の配向状態を固定した。室温まで放冷して、位相差板を作製した。形成した光学異方性層の厚さは約2.0μmである。作製した位相差板のΔnはKOBRA(王子計測機器(株)製)を用いて、450nm、550nm、650nmの波長を使用して観察角度を変えてレタデーションを測定することでRthを求め、別途求めた膜厚(d)で割ることで求めた。
その結果、Δn(450nm)=0.061、Δn(550nm)=0.067、Δn(650nm)=0.070である。即ちΔn(450nm)/Δn(550nm)=0.91、Δn(650nm)/Δn(550nm)=1.04であった。
【0168】
【化32】






 

 


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