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発明の名称 アセチレン性三重結合を有するモノマーの重合体、これを用いる膜形成用組成物、絶縁膜および電子デバイス
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−31480(P2007−31480A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−212877(P2005−212877)
出願日 平成17年7月22日(2005.7.22)
代理人 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平
発明者 渡辺 克之
要約 課題
電子デバイスなどに用いられる誘電率、機械強度等の膜特性が良好な重合体、該重合体を含む膜形成用組成物、該膜形成用組成物を用いて得られる絶縁膜およびそれを有する電子デバイスを提供すること。

解決手段
分子内に下記(A)および(B)の置換基を有するモノマーを重合して得られることを特徴とする重合体、当該重合体を用いる膜形成用組成物、該膜形成用組成物を用いて得られる絶縁膜およびそれを有する電子デバイス。
特許請求の範囲
【請求項1】
分子内に下記(A)および(B)の置換基を有するモノマーを重合して得られることを特徴とする重合体。
(A)1つの−C≡CH
(B)1つ以上の下記式(I)で表される置換基
式(I) −C≡C−R
[式(I)中、Rは水素原子以外の置換基を表す。]
【請求項2】
式(I)で表される置換基が加熱によって−C≡CHに変化することを特徴とする請求項1に記載の重合体。
【請求項3】
式(I)で表される置換基において、Rがシリル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基およびアシル基から選ばれることを特徴とする請求項1または2に記載の重合体。
【請求項4】
モノマーがアダマンタン、ジアマンタンおよびトリアマンタンから選択されたいずれかの構造を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の重合体。
【請求項5】
モノマーが芳香族炭素環および芳香族ヘテロ環の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の重合体。
【請求項6】
重合体が、ロジウム触媒、タングステン触媒またはモリブデン触媒を用いて重合する工程を経て得られたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の重合体。
【請求項7】
シクロヘキサノンに25℃で3質量%以上溶解することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の重合体。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の重合体と塗布溶剤を含む膜形成用組成物。
【請求項9】
請求項8に記載の膜形成用組成物を用いて形成した絶縁膜。
【請求項10】
請求項9に記載の絶縁膜を有する電子デバイス。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はアセチレン性三重結合を有するモノマーの重合体に関し、詳しくは、当該重合体を用いるとともに、電子デバイスなどに用いられる誘電率、機械強度等の膜特性が良好な膜形成用組成物、さらには該膜形成用組成物を用いて得られる絶縁膜およびそれを有する電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子材料分野においては、高集積化、多機能化、高性能化の進行に伴い、回路抵抗や配線間のコンデンサー容量が増大し、消費電力や遅延時間の増大を招いている。中でも、遅延時間の増大は、デバイスの信号スピードの低下やクロストークの発生の大きな要因となるため、この遅延時間を減少させてデバイスの高速化を図るべく、寄生抵抗や寄生容量の低減が求められている。この寄生容量を低減するための具体策の一つとして、配線の周辺を低誘電性の層間絶縁膜で被覆することが試みられている。また、層間絶縁膜には、実装基板製造時の薄膜形成工程やチップ接続、ピン付け等の後工程に耐え得る優れた耐熱性やウェットプロセスに耐え得る耐薬品性が求められている。さらに、近年は、Al配線から低抵抗のCu配線が導入されつつあり、これに伴い−CMP(ケミカルメカニカルポリッシング)による平坦化が一般的となっており、このプロセスに耐え得る高い機械的強度が求められている。
【0003】
高耐熱性の絶縁膜として、ポリベンゾオキサゾール、ポリイミドが広く知られているが、極性の高い窒素原子を含むため、低誘電性、低吸水性、耐久性および耐加水分解性の面では、満足なものは得られていない。
ポリアリーレン(エーテル)を基本骨格とする高耐熱性樹脂が知られているが、高速デバイスを実現するためには更なる低誘電率化が望まれている(特許文献1)。
【0004】
モノマーの重合反応においてエチニル基は重合性基として有用である。例えば、分子内にエチニル基をひとつ有するモノマーの重合体(ポリフェニルアセチレン等)が知られている。しかし、この種のポリマーは架橋構造をとらないため、Tgや耐熱性が低かったり、機械強度が低い等の問題があり、例えば層間絶縁材料用途には不適である。
【0005】
特許文献2にはジアマンタン骨格にエチニル基が2つ置換したモノマーの重合体が開示されている。しかしながら、このように複数の重合性基を有するモノマーからなる重合体は架橋構造をとるため、耐熱性や機械強度が高くなる一方で、シクロヘキサノン等の半導体デバイス製造に好適に用いられる塗布溶剤への溶解性が不十分な場合が多く、スピンコート法による膜形成に供することが困難である。
【0006】
【特許文献1】米国特許第6380347号明細書
【特許文献2】米国特許第5017734号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上記問題点を解決するための重合体を提供することであり、さらに詳しくは、当該重合体を用いるとともに、電子デバイスなどに用いられる誘電率、機械強度等の膜特性が良好な膜形成用組成物、さらには該膜形成用組成物を用いて得られる絶縁膜およびそれを有する電子デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題が下記の構成により解決されることを見出した。
<1>
分子内に下記(A)および(B)の置換基を有するモノマーを重合して得られることを特徴とする重合体。
(A)1つの−C≡CH
(B)1つ以上の下記式(I)で表される置換基
式(I) −C≡C−R
[式(I)中、Rは水素原子以外の置換基を表す。]
<2>
式(I)で表される置換基が加熱によって−C≡CHに変化することを特徴とする<1>に記載の重合体。
<3>
式(I)で表される置換基において、Rがシリル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基およびアシル基から選ばれることを特徴とする<1>または<2>に記載の重合体。
<4>
モノマーがアダマンタン、ジアマンタンおよびトリアマンタンから選択されたいずれかの構造を有することを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の重合体。
<5>
ノマーが芳香族炭素環および芳香族ヘテロ環の少なくともいずれかを含むことを特徴とする<1>〜<4>のいずれかに記載の重合体。
<6>
重合体が、ロジウム触媒、タングステン触媒またはモリブデン触媒を用いて重合する工程を経て得られたものであることを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載の重合体。
<7>
シクロヘキサノンに25℃で3質量%以上溶解することを特徴とする<1>〜<6>のいずれかに記載の重合体。
<8>
<1>〜<7>のいずれかに記載の重合体と塗布溶剤を含む膜形成用組成物。
<9>
<8>に記載の膜形成用組成物を用いて形成した絶縁膜。
<10>
<9>に記載の絶縁膜を有する電子デバイス。
【発明の効果】
【0009】
本発明の重合体は、シクロヘキサノン等の塗布溶剤に可溶であって、析出物のない均一な膜形成用組成物が得られる。さらに当該組成物を用いて形成した膜は、後加熱によって架橋反応が進行して硬膜し、かつ低い誘電率、高い機械強度が得られるため、電子デバイスなどにおける層間絶縁膜として適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明の重合体は分子内に1つの−C≡CHと1つ以上の下記式(I)で表される置換基を有するモノマー(本発明のモノマー)を重合して得られる。
式(I) −C≡C−R
式(I)中、Rは水素原子以外の置換基を表すが、該置換基は本発明の重合体に悪影響を与えるものでなければどのようなものを用いても良い。例えば、直鎖、分岐、環状のア
ルキル基(好ましくは炭素数1〜20、例えば、メチル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、例えば、ビニル、プロペニル等)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、例えば、エチニル、フェニルエチニル等)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20、例えば、アセチル、ベンゾイル等)、アルキルまたはアリールスルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、例えば、メタンスルホニル基、フェニルスルホニル等)、アルコキシまたはアリールオキシカルボニル基(エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル等)、カルバモイル基(エチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル等)、シリル基(トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、トリメトキシシリル、トリエトキシシリル、メチルジエトキシシリル、ジメチルエトキシシリル、トリビニルシリル、ビニルジメチルシリル等)等が挙げられる。
【0012】
本発明において式(I)中の好ましい置換基Rは、加熱によってヘテロリティックまたはホモリティックに解裂して−C≡Cラジカルまたは−C≡CHを生じせしめる置換基である。加熱の条件としては好ましくは100℃以上450℃以下、より好ましくは200℃以上430℃以下、特に好ましくは300℃以上400℃以下で好ましくは1分〜120分、より好ましくは10分〜90分、特に好ましくは30分〜60分の条件でRの半分以上が解裂することが好ましい。
このような好ましい置換基Rとして、例えば、シリル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基を挙げることができる。
本発明のモノマーが有する式(I)で表される基の数は、好ましくは1〜2個である。
式(I)で表される基が2つ以上含まれる時は、互いに同じでも異なっていても良い。
【0013】
本発明のモノマーは、例えばベンゼン、ナフタレン、アントラセン等の芳香族炭素環化合物、ピリジン、キノリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール等の芳香族ヘテロ環化合物、メタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、アダマンタン、ジアマンタン、トリアマンタン、テトラマンタン等の脂肪族炭化水素化合物を基本母核として、これらの化合物中の水素原子を−C≡CH基と−C≡C−R基で置換した化合物である。
この中で好ましい基本母核はベンゼン、ナフタレン、アダマンタン、ジアマンタン、トリアマンタンであり、より好ましくはベンゼン、アダマンタン、ジアマンタンであり、特に低誘電率、高機械強度の膜が得られる点でジアマンタンが好ましい。
【0014】
本発明のモノマーはさらに他の置換基を有していても良い。
【0015】
本発明のモノマーの分子量は好ましくは150〜3000、より好ましくは200〜2000、特に好ましくは220〜1000である。
【0016】
本発明の好ましい形態は以下の工程によって膜を形成するものである。すなわち、(1)本発明のモノマー中の−C≡CH基の重合反応によって、シクロヘキサノン等の塗布溶剤に可溶性の重合体を合成、(2)該重合体を含む塗布液を調製、(3)スピンコート法で塗膜を作成、(4)加熱によって−C≡C−R基の重合反応を引き起こし硬膜する。
【0017】
まず、第1の−C≡CH基の重合反応は、例えば、Pd(PPh3)4、Bis(benzonitrile)Palladiumchloride、Pd(OAc)2等のPd系触媒、Ziegler−Natta触媒、ニッケルアセチルアセトネート等のNi系触媒、WCl6等のW系触媒、MoCl5等のMo系触媒、TaCl5等のTa系触媒、NbCl5等のNb系触媒、Rh系触媒、Pt系触媒等が利用できるが、−C≡C−R基との選択性を出す観点からRh系触媒(ノルボルナジエン−ロジウムクロリド等)、タングステン触媒またはモリブデン触媒が特に好ましい。触媒の
添加量は、−C≡CH基1モルに対して0.0001〜0.1モルが好ましく、0.0005〜0.05モルがより好ましく、0.001〜0.02モルが特に好ましい。
重合温度は好ましくは−20℃〜200℃、より好ましくは0℃〜100℃、特に好ましくは10℃〜70℃である。
重合時間は好ましくは10分〜50時間、より好ましくは1時間〜24時間、特に好ましくは2時間〜12時間である。
【0018】
重合して得られる重合体の質量平均分子量の好ましい範囲は1000〜500000、より好ましくは5000〜300000、特に好ましくは10000〜200000である。
【0019】
以下に本発明のモノマーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0020】
【化1】


【0021】
【化2】



【0022】
【化3】


【0023】
本発明のモノマーの合成法は、例えばジアマンタンのエチニル体については米国特許第5017734号明細書に記載の方法に準じて合成することが出来る。エチニル基への置換基の導入はその水素原子をブチルリチウム等でアニオン化して、これに対応する求電子試薬を作用させてシリル基やアシル基を導入することが出来る。
【0024】
本発明の重合体は単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。
【0025】
本発明の膜形成用組成物は少なくとも本発明の重合体と塗布溶剤を含む。
本発明に用いることの出来る好適な塗布溶剤の例としては特に限定はされないが、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−エトキシメタノール、3−メトキシプロパノール等のアルコール系溶剤、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、アニソール、フェネトール、ベラトロール等のエーテル系溶剤、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、プロピルベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤などが挙げられ、これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
より好ましい塗布溶剤は、アセトン、プロパノール、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、アニソール、メシチレン、1,2−ジクロロベンゼンであり、特に好ましくはシクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、アニソールである。
【0026】
本発明の重合体はスピンコート法によって薄膜を形成する目的で、塗布溶剤に必要十分な濃度で溶解することが好ましく、その目安としてシクロヘキサノンに25℃で3質量%以上溶解することが好ましく、7質量%以上溶解することがより好ましく、10質量%以上溶解することが特に好ましい。
【0027】
本発明の膜形成用組成物の固形分濃度は、好ましくは3〜20質量%であり、より好ましくは5〜15質量%であり、特に好ましくは7〜10質量%である。
【0028】
本発明の重合体には不純物としての金属の含量が充分に少ないことが好ましい。金属の含有量は好ましくは10ppm以下、より好ましくは1ppm以下、特に好ましくは100ppb以下である。
【0029】
更に本発明の膜形成用組成物には、界面活性剤、密着剤などの添加剤を添加してもよい。
【0030】
また、本発明の膜形成用組成物に予め発泡剤を添加して多孔質膜を形成することもでき、低誘電率化を図ることができる。多孔質膜を形成するために添加する発泡剤としては、特に限定されないが、例えば、該塗布液の溶媒よりも高沸点の有機化合物や、熱分解性低分子化合物、熱分解性ポリマー等が挙げられる。
【0031】
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、膜形成用組成物をスピンコーティング法、ローラーコーティング法、ディップコーティング法、スキャン法等の任意の方法により基板に塗布した後、溶剤を加熱処理で除去することにより形成することができる。加熱処理の方法は、特に限定されないが、一般的に使用されているホットプレート加熱、ファーネス炉を使用した方法、RTP(Rapid Thermal Processor)等によるキセノンランプを使用した光照射加熱等を適用することができる。
【0032】
本発明の重合体は基盤上に塗布した後に加熱処理することによって架橋反応を引き起こして硬化させることが好ましい。
後加熱処理の条件は、好ましくは100℃以上450℃以下、より好ましくは200℃
以上430℃以下、特に好ましくは300℃以上400℃以下で、好ましくは1分〜120分、より好ましくは10分〜90分、特に好ましくは30分〜60分の範囲である。後加熱処理は数回に分けて行っても良い。また、この後加熱は酸素による熱酸化を防ぐために窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
【0033】
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、多様の目的に使用することが出来る。例えば半導体装置、マルチチップモジュール多層配線板等の電子部品における絶縁皮膜として好適であり、半導体用層間絶縁膜、表面保護膜、バッファーコート膜の他、LSIにおけるパッシベーション膜、α線遮断膜、フレキソ印刷版のカバーレイフィルム、オーバーコート膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等として使用することが出来る。
さらに、別の用途として本発明の膜に電子ドナーまたはアクセプターをドープすることによって導電性を付与し、導電性膜として使用することも出来る。
【実施例】
【0034】
以下の実施例は、本発明を説明するものであり、その範囲を限定するものではない。
【0035】
<実施例1>
Macromolecules., 5261-5265 (1991) に記載の合成法に従って、1,3−ジエチニルアダマンタンを合成した。次に、THF中、n−BuLiでリチウム塩とした後、クロロトリメチルシランでシリル化を行い、モノマー(A)を合成した。
【0036】
【化4】


【0037】
モノマー(A) 2.5g、[Rh(nbd)Cl]245mg、トリエチルアミン0.1mlをトルエン100mlに溶解し、30℃で10時間反応させた。反応液をメタノールに添加して析出した重合体をろ過した結果、淡黄色の重合体(P−1)を2.0g得た。この重合体はシクロヘキサノンに25℃で15質量%以上溶解した。GPC測定の結果、質量平均分子量は約3万であった。
重合体(P−1)1.0gをシクロヘキサノン10gに室温で完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で250℃で60秒間加熱した後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した。この結果、膜厚0.5ミクロンの均一な膜が得られた。この膜をシクロヘキサノン中に室温で5時間浸漬したが膜厚は全く減少しなかったことから、得られた膜が硬化していることを確認した。次に膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.55であった。また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定したところ、5.0GPaであった。
【0038】
<実施例2>
実施例1と同様の方法でモノマー(B)を合成した。
【0039】
【化5】


【0040】
モノマー(B) 3.5g、[Rh(nbd)Cl]245mg、トリエチルアミン0.1mlをテトラヒドロフラン100mlに溶解し、30℃で10時間反応させた。反応液をメタノールに添加して析出した重合体をろ過した結果、淡黄色の重合体(P−2)を3.0g得た。この重合体はシクロヘキサノンに25℃で15質量%以上溶解した。GPC測定の結果、質量平均分子量は約2万であった。
重合体(P−2)1.0gをシクロヘキサノン10gに室温で完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で250℃で60秒間加熱した後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した。この結果、膜厚0.5ミクロンの均一な膜が得られた。この膜をシクロヘキサノン中に室温で5時間浸漬したが膜厚は全く減少しなかったことから、得られた膜が硬化していることを確認した。次に膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.45であった。また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定したところ、6.0GPaであった。
【0041】
<実施例3>
1,3−ジエチニルベンゼンから実施例1の方法に準じてモノマー(C)を合成した。
【0042】
【化6】


【0043】
モノマー(C) 3.2g、[Rh(nbd)Cl]245mg、トリエチルアミン0.1mlをテトラヒドロフラン100mlに溶解し、30℃で10時間反応させた。反応液をメタノールに添加して析出した重合体をろ過した結果、淡黄色の重合体(P−3)を2.8g得た。この重合体はシクロヘキサノンに25℃で15質量%以上溶解した。GPC測定の結果、質量平均分子量は約4万であった。
重合体(P−3)1.0gをシクロヘキサノン10gに室温で完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過し
た後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で250℃で60秒間加熱した後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した。この結果、膜厚0.5ミクロンの均一な膜が得られた。この膜をシクロヘキサノン中に室温で5時間浸漬したが膜厚は全く減少しなかったことから、得られた膜が硬化していることを確認した。次に膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.60であった。また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定したところ、5.0GPaであった。
【0044】
<実施例4>
実施例1の方法に準じてモノマー(D)を合成した。
【0045】
【化7】


【0046】
モノマー(D) 3.3g、WCl 4.0mgをテトラヒドロフラン30mlに溶解し、30℃で3時間反応させた。反応液をメタノールに添加して析出した重合体をろ過した結果、淡黄色の重合体(P−5)を2.7g得た。この重合体はシクロヘキサノンに25℃で15%以上溶解した。GPC測定の結果、質量平均分子量は約3万であった。
重合体(P−5)1.0gをシクロヘキサノン10gに室温で完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で250℃で60秒間加熱した後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した。この結果、膜厚0.5ミクロンの均一な膜が得られた。この膜をシクロヘキサノン中に室温で5時間浸漬したが膜厚は全く減少しなかったことから、得られた膜が硬化していることを確認した。次に膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.42であった。また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定したところ、6.3GPaであった。
【0047】
<実施例5>
実施例1の方法に準じてモノマー(E)を合成した。
【0048】
【化8】


【0049】
モノマー(E) 3.1g、WCl 4.0mgを1,2−ジクロロエタン30mlに溶解し、50℃で3時間反応させた。反応液をメタノールに添加して析出した重合体をろ過した結果、淡黄色の重合体(P−6)を2.7g得た。この重合体はシクロヘキサノンに25℃で15%以上溶解した。GPC測定の結果、質量平均分子量は約3万であった。
重合体(P−6)1.0gをシクロヘキサノン10gに室温で完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で250℃で60秒間加熱した後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した。この結果、膜厚0.5ミクロンの均一な膜が得られた。この膜をシクロヘキサノン中に室温で5時間浸漬したが膜厚は全く減少しなかったことから、得られた膜が硬化していることを確認した。次に膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.43であった。また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定したところ、6.4GPaであった。
【0050】
<実施例6>
実施例1の方法に準じてモノマー(F)を合成した。
【0051】
【化9】


【0052】
モノマー(F) 3.1g、MoCl 5.0mgをテトラヒドロフラン30mlに溶解し、60℃で5時間反応させた。反応液をメタノールに添加して析出した重合体をろ過した結果、淡黄色の重合体(P−7)を2.6g得た。この重合体はシクロヘキサノンに25℃で15%以上溶解した。GPC測定の結果、質量平均分子量は約3万であった。重合体(P−7)1.0gをシクロヘキサノン10gに室温で完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で250℃で60秒間加熱した後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した。この結果、膜厚0.5ミクロンの均一な膜が得られた。この膜をシクロヘキサノン中に室温で5時間浸漬したが膜厚は全く減少しなかったことから、得られた膜が硬化していることを確認した。次に膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.43であった。また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定したところ、6.4GPaであった。
【0053】
<比較例1>
1,3−ジエチニルアダマンタン 1.8g、[Rh(nbd)Cl]245mg、トリエチルアミン0.1mlをトルエン100mlに溶解し、30℃で10時間反応させた。反応液をメタノールに添加して析出した重合体をろ過した結果、淡黄色の重合体を1.7g得た。この重合体はシクロヘキサノン等の有機溶媒に不溶であるため、膜を形成することが出来なかった。
【0054】
<比較例2>
1,3−ジエチニルアダマンタン 1.3g、[Rh(nbd)Cl]245mg、トリエチルアミン0.1mlをトルエン100mlに溶解し、30℃で10時間反応させた。反応液をメタノールに添加して析出した重合体をろ過した結果、淡黄色の重合体を1.2g得た。この重合体はシクロヘキサノン等の有機溶媒に不溶であるため、膜を形成することが出来なかった。
【0055】
<比較例3>
1−エチニルアダマンタン 1.6g、[Rh(nbd)Cl]245mg、トリエチルアミン0.1mlをテトラヒドロフラン100mlに溶解し、30℃で10時間反応させた。反応液をメタノールに添加して析出した重合体をろ過した結果、淡黄色の重合体(P−4)を1.0g得た。この重合体はシクロヘキサノンに25℃で5%以上溶解した。GPC測定の結果、質量平均分子量は約2万であった。
重合体(P−4)0.4gをシクロヘキサノン10gに室温で完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で250℃で60秒間加熱した後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した。この結果、膜厚0.5ミクロンの均一な膜が得られた。この膜をシクロヘキサノン中に室温で5時間浸漬したところ膜厚が20%まで減少した。すなわち、この膜は硬膜が不十分であることがわかった。膜の比誘電率を測定した結果は2.60、またヤング率は1.5GPaであった。
【0056】
比較例に比べて、本発明の重合体は塗布用有機溶剤への溶解性が十分高く、スピンコートが可能であり、得られた絶縁膜の比誘電率、ヤング率が優れていることがわかる。




 

 


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