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発明の名称 膜形成用組成物、絶縁膜、およびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−23163(P2007−23163A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−207409(P2005−207409)
出願日 平成17年7月15日(2005.7.15)
代理人 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平
発明者 森田 健介
要約 課題
半導体素子などに用いられる層間絶縁膜として使用するのに適した、適当な均一な厚さを有するシリコーン系膜が形成可能であり、かつ誘電率特性、膜強度に優れた膜形成用組成物、絶縁膜、およびその製造方法を提供する。

解決手段
下記一般式(I)で表される化合物またはその重合物を含む膜形成用組成物、絶縁膜、およびその製造方法
特許請求の範囲
【請求項1】
下記一般式(I)で表される化合物、または、その重合物を含む膜形成用組成物。
【化1】


一般式(I)中、
1およびR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、複数個存在するR1およびR2のうち少なくとも1つは一般式(II)で表される基を表す。
mは4〜30の整数を表す。
(R33−Si−O− (II)
一般式(II)中、
3は水素原子または置換基を表す。
複数個存在するR1〜R3のうち、少なくとも1つは重合性基を表す。
ただし、R1〜R3は水酸基および加水分解性基を表さない。
【請求項2】
一般式(I)において、mが5〜20の整数であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
一般式(I)および一般式(II)における、R1〜R3に含まれる重合性基が、ビニル基またはエチニル基であることを特徴とする請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
一般式(I)および一般式(II)における、複数個存在するR1〜R3のうち、少なくとも1つはビニル基またはエチニル基であり、かつ、少なくとも1つはSiH基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
一般式(I)および一般式(II)における、
1およびR2が水素原子、アルキル基、アリール基、重合性基または一般式(II)で表されるを表し、m個存在するR1およびR2のうち少なくとも1つは一般式(II)で表される基を表し、
3は水素原子、アルキル基、アリール基または重合性基を表し、
複数個存在するR1〜R3のうち、少なくとも1つは重合性基を表し、
1〜R3は水酸基および加水分解性基を表さないことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
一般式(I)で表される化合物またはその重合物に加えて、HSi基を分子内に2個以上含む化合物を含んでいることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
一般式(III)で表される化合物と一般式(IV)で表される化合物を反応させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の組成物の製造方法。
【化2】


一般式(III)および一般式(IV)中、
1、mおよびR3はそれぞれ一般式(I)および一般式(II)におけるものと同意である。
Aは水素原子または金属原子を表す。
Xは水酸基または加水分解性基を表す。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれかに記載の組成物を用いて製造された絶縁膜。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれかに記載の組成物を基板上に塗布した後、焼成することを特徴とする絶縁膜の製造方法。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれかに記載の組成物を用いて製造されたポリマー。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜形成用組成物に関し、さらに詳しくは、半導体素子などにおける層間絶縁膜材料として、適当な均一な厚さを有する塗膜が形成可能な、しかも、誘電率特性などに優れた絶縁膜形成用組成物、絶縁膜の製造方法および絶縁膜に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体素子などにおける層間絶縁膜として、気相成長(CVD)法などの真空プロセスで形成されたシリカ(SiO2)膜が多用されている。そして、近年、より均一な層間絶縁膜を形成することを目的として、SOG(Spin on Glass)膜と呼ばれるテトラアルコキシランの加水分解生成物を主成分とする塗布型の絶縁膜も使用されるようになっている。また、半導体素子などの高集積化に伴い、有機SOGと呼ばれるポリオルガノシロキサンを主成分とする低誘電率の層間絶縁膜が開発されている。
【0003】
しかし、無機材料の膜の中で最も低い誘電率を示すCVD−SiO2膜でも、誘電率は約4程度である。また、低誘電率CVD膜として最近検討されているSiOF膜の誘電率は約3.3〜3.5であるが、この膜は吸湿性が高く、使用しているうちに誘電率が上昇するという問題がある。
【0004】
かかる状況下、絶縁性、耐熱性、耐久性に優れた絶縁膜材料として、オルガノポリシロキサンに高沸点溶剤や熱分解性化合物を添加して空孔を形成し、誘電率を下げる方法が知られている。しかしながら、上記のような多孔質膜では、多孔化することにより誘電率特性が下がっても、機械強度が低下すること、吸湿による誘電率増加がおこることなどが問題になっていた。また、互いに連結した空孔が形成されるため、配線に用いられた銅が、絶縁膜中に拡散することなどが問題となっていた。
一方、環状構造を有するシロキサン化合物を用いて誘電率低下を図る試みは公知であるが(特許文献1、2参照)、これらに示されている方法では、絶縁膜の密度を低下させる効果が小さく、誘電率は十分に低下しなかった。
【特許文献1】特開2000−281904号公報
【特許文献2】特開2000−309753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って本発明は、上記問題点を解決するための組成物、絶縁膜製造方法およびこれを用いて形成された絶縁膜に関し、さらに詳しくは、半導体素子などにおける層間絶縁膜として使用するのに適した、適当な均一な厚さを有するシリコーン系膜が形成可能な、しかも誘電率特性、膜強度に優れた組成物、絶縁膜、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記目的は、下記の手段より達成されることが見出された。
【0007】
(1)
下記一般式(I)で表される化合物、または、その重合物を含む膜形成用組成物。
【化1】


一般式(I)中、
1およびR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、複数個存在するR1およびR2のうち少なくとも1つは一般式(II)で表される基を表す。
mは4〜30の整数を表す。
(R33−Si−O− (II)
一般式(II)中、
3は水素原子または置換基を表す。
複数個存在するR1〜R3のうち、少なくとも1つは重合性基を表す。
ただし、R1〜R3は水酸基および加水分解性基を表さない。
(2)
一般式(I)において、mが5〜20の整数である(1)に記載の組成物。
(3)
一般式(I)および一般式(II)における、R1〜R3に含まれる重合性基が、ビニル基またはエチニル基である(1)または(2)に記載の組成物。
(4)
一般式(I)および一般式(II)における、複数個存在するR1〜R3のうち、少なくとも1つはビニル基またはエチニル基であり、かつ、少なくとも1つはSiH基である(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物。
(5)
一般式(I)および一般式(II)における、
1およびR2が水素原子、アルキル基、アリール基、重合性基または一般式(II)で表されるを表し、m個存在するR1およびR2のうち少なくとも1つは一般式(II)で表される基を表し、
3は水素原子、アルキル基、アリール基または重合性基を表し、
複数個存在するR1〜R3のうち、少なくとも1つは重合性基を表し、
1〜R3は水酸基および加水分解性基を表さないことを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載の組成物。
(6)
一般式(I)で表される化合物またはその重合物に加えて、HSi基を分子内に2個以上含む化合物を含んでいることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の組成物。
(7)
一般式(III)で表される化合物と一般式(IV)で表される化合物を反応させることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の組成物の製造方法。
【化2】


一般式(III)および一般式(IV)中、
1、mおよびR3はそれぞれ一般式(I)および一般式(II)におけるものと同意である。
Aは水素原子または金属原子を表す。
Xは水酸基または加水分解性基を表す。
(8)
(1)〜(5)のいずれかに記載の組成物を用いて製造された絶縁膜。
(9)
(1)〜(5)のいずれかに記載の組成物を基板上に塗布した後、焼成することを特徴とする絶縁膜の製造方法。
(10)
(1)〜(5)のいずれかに記載の組成物を用いて製造されたポリマー。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、半導体素子などにおける層間絶縁膜として使用するのに適した、誘電率特性に優れた絶縁膜を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の膜形成用組成物について説明する。
【0010】
まず、下記一般式(I)で表される化合物について説明する。
【0011】
【化3】


【0012】
一般式(I)中、
1およびR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、複数個存在するR1およびR2のうち少なくとも1つは一般式(II)で表される基を表す。
mは4〜30の整数を表す。
(R33−Si−O− (II)
一般式(II)中、
3は水素原子または置換基を表す。
複数個存在するR1〜R3のうち、少なくとも1つは重合性基を表す。
ただし、R1〜R3は水酸基および加水分解性基を表さない。
【0013】
1〜R3が表す置換基の例としては、環状もしくは鎖状のアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。これらの置換基はさらに置換基を有してもよい。
1として好ましくは、環状もしくは鎖状のアルキル基、アリール基、アルケニル基、エチニル基である。中でも、低い誘電率の膜を与える点では環状アルキル基(シクロプロピル基、シクロヘキシル基など)が好ましく、耐熱性が高い膜を与える点ではメチル基が好ましく、プラズマ耐性の高い膜を与える点で、アリール基(フェニル基など)が好ましい。
複数個存在するR1〜R3のうち、少なくとも1つは重合性基を表す。重合性基とは、熱、放射線、ラジカル発生剤、酸、塩基、−SiH基等の存在化で、反応し、重合体を与える基であり、例としてはビニル基、エチニル基、オキセタン基、エポキシ基等が挙げられるが、ハイドロシリレーション反応や不飽和炭素-炭素結合の熱重合により耐熱性の高い膜形成が可能である点で、ビニル基またはエチニル基が好ましい。
mは、4〜30の整数を表すが、誘電率低下効果の点から、5〜20が好ましく、5〜15がより好ましく、6、8、12が特に好ましい。
本発明のR1〜R3は水酸基および加水分解基を表さないが、ここで言う加水分解基とは、水との反応で、ケイ素原子から離脱する基であり、例としては、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、およびハロゲン原子が挙げられる。
本発明の組成物には、水酸基または加水分解基を置換基として有するケイ素原子を含む化合物が含まれていないことが低誘電率化のために好ましい。
【0014】
一般式(I)で表される化合物は、1種類のユニットから構成されていても良いし、異なった複数のユニットから構成されていても良い。すなわち、一般式(I)において複数個存在するR1〜R3は、それぞれ互いに同じでも異なっていてもよい。
一般式(I)について置換基の立体的な位置関係については特に限定は無く、全てのR1が−Si−O−で形成される環に対して同方向に存在していても良いし、R1の方向が規則的に変わっても良いし、規則性がなくても良いが、膜中で均質な構造を形成するために、R1の方向には一定の規則性があることが好ましい。
また本発明の組成物には、一般式(I)で表される複数の異なった化合物もしくはその重合物が含まれていても良い。
【0015】
以下に一般式(I)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0016】
【化4】


【0017】
【化5】


【0018】
【化6】


【0019】
一般式(I)で表される化合物は、例えば、一般式(III)で表される化合物と、一般式(IV)で表される化合物を反応させることで合成できる。一般式(III)で表される化合物は、例えば、Inorganic Chemistry 2002,41,6898-6904、Russian Chemical Bulletin,International Edition,Vol.52,No.12,2722-2731(2003)等に記載の方法に従って合成できる。
【0020】
【化7】


【0021】
上記式中、
1、m、およびR3はそれぞれ一般式(I)および一般式(II)におけるものと同意である。
Xは加水分解性基または水酸基を表す。Xの加水分解性基としては、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アシルオキシ基などを挙げることができる。中でもアルコキシ基、アシルオキシ基および塩素原子が好ましく、塩素原子が最も好ましい。
Aは水素原子または金属原子を表す。Aの表す金属原子としては、Na,K,Cu,Ni,Mnなどを挙げることができる。
【0022】
一般式(III)で表される化合物と、一般式(IV)で表される化合物との反応は、例えば、一般式(III)で表される化合物と、一般式(III)で表される化合物中に含まれるSi−OA基数の1〜100倍モルの一般式(IV)で表される化合物とを添加し、撹拌しながら、通常0〜180℃、10分〜20時間行う。反応雰囲気中には水分が含まれないことが好ましく、好ましい反応雰囲気の例としては、乾燥した、窒素、アルゴン、空気等が挙げられる。溶媒としては、トルエン、ヘキサン、テトラヒドロフラン(THF)などの有機溶剤が好ましい。
一般式(III)で表される化合物と一般式(IV)で表される化合物を反応させる際には、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基を添加することが好ましい。
【0023】
本発明の組成物をハイドロシリレーション反応によって重合させる場合には、一般式(I)で表される化合物またはその重合物に加えて、HSi基を分子内に2個以上含む化合物を含んでいることが好ましい。HSi基を分子内に2個以上含む化合物は、一般式(I)で表される化合物またはその重合物とハイドロシリレーション反応することにより、さらに耐熱性の高い膜の形成が可能となる。HSi基を分子内に2個以上含む化合物の例としては下記の化合物が挙げられる。
一般式(I)で表される化合物またはその重合物が有する重合性基の総数と、HSi基を分子内に2個以上含む化合物が有するHSi基の総数の好ましい比は、1:0.05から1:2であり、より好ましくは、1:0.15から1:1.5であり、最も好ましくは、1:0.25から1:1.2である。
【0024】
【化8】


【0025】
本発明の膜形成組成物は、適当な溶剤に溶解させて、支持体上に塗布して使用することが好ましい。使用できる溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ジメチルイミダゾリジノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、イソプロパノール、エチレンカーボネート、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が好ましく、これらの溶剤を単独あるいは混合して使用する。
【0026】
上記の中でも、好ましい溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレンカーボネート、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、キシレン、メシチレン、ジイソプロピルベンゼンを挙げることができる。
【0027】
また、本発明の組成物を製造するに際しては、一般式(I)の化合物を溶剤に溶解してそのまま用いても良いし、一般式(I)の化合物を加熱等の方法により重合させて高分子量化してから用いても良い。高分子量化における質量平均分子量は、1000〜500000が好ましく、2000〜200000がより好ましく、5000〜100000が最も好ましい。本発明の組成物には重合のための触媒として、塩基触媒、酸触媒、ラジカル発生剤、金属触媒を添加しても良い。
このようにして得られる本発明の組成物の全固形分濃度は、好ましくは、2〜30質量%であり、使用目的に応じて適宜調整される。組成物の全固形分濃度が2〜30質量%であると、塗膜の膜厚が適当な範囲となり、塗布液の保存安定性もより優れるものである。
【0028】
このようにして得られる本発明の膜形成用材料を、シリコンウエハ、SiO2 ウエハ、SiNウエハなどの基材に塗布する際には、スピンコート、浸漬法、ロールコート法、スプレー法などの塗装手段が用いられる。
【0029】
この際の膜厚は、乾燥膜厚として、1回塗りで厚さ0.05〜1.5μm程度、2回塗りでは厚さ0.1〜3μm程度の塗膜を形成することができる。その後、常温で乾燥するか、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用して加熱することによって、ガラス質または巨大高分子、またはその混合物の絶縁膜を形成することができる。
この際加熱雰囲気としては、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空下、などで行うことができるが、焼成温度の最高値が300℃以上430℃以下の条件で焼成することが好ましい。
【0030】
より具体的には、本発明の膜形成用材料を、例えばスピンコート法により、基板(通常は金属配線を有する基板)上に塗布し、予備熱処理を行うことにより溶媒を乾燥させ、次いで300℃以上430℃以下の温度で最終熱処理(アニール)を行うことにより低誘電率の絶縁膜を形成できる。
【0031】
この方法により、誘電率の低い絶縁膜、すなわち、誘電率が2.7以下、好ましくは2.5以下の絶縁膜を得ることができる。本発明の組成物に熱分解性化合物等を添加すること等によって多孔質化することにより、さらに誘電率を低下させてもよい。
【実施例】
【0032】
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中の部および%は、特記しない限り、それぞれ質量部および質量%であることを示している。
【0033】
〔合成例1〕
Inorganic Chemistry, 41, 6898-6904 (2002) に記載の方法に従って合成した下記一般式(I−11−a)で表される化合物1.1g(0.664ミリモル)をピリジン3.87ml(47.85ミリモル)とビニルジメチルクロロシラン6.61ml(47.85ミルモル)の混合物に滴下し、1時間加熱還流した。トルエン35mlを加え、さらに1時間加熱還流した後、氷水100mlに注ぎ分液した。有機層を水100mlで2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し下記一般式(I−11)で表される化合物1.3g(0.55ミリモル)を得た。これを4−メチル−2―ペンタノン20mlに溶解し、組成物(11−1)を得た。
【0034】
【化9】



【0035】
〔合成例2〕
Russian Chemical Bulletin, International Edition, Vol.52, No.12, 2722-2731(2003)に記載の方法に従って、一般式(I−2)で表される化合物を合成した。一般式(I−2)で表される化合物0.4gおよび一般式(I−11)で表される化合物と同様の方法で合成した一般式(V−5)で表される化合物0.6gを4−メチル−2―ペンタノン13ml溶解させて、組成物(2−1)を合成した。
【0036】
【化10】


【0037】
〔合成例3〕
一般式(I−2)で表される化合物0.4gおよび一般式(V−2)で表される化合物0.042gをキシレン8mlに溶解させて、プラチナ(0)―1,3−ジビニルー1,1,3,3,テトラメチルシロキサンコンプレックスーキシレン溶液(アルドリッチ社製)50μlを加え、1時間加熱還流し、組成物(2−2)を得た。
【0038】
〔比較化合物の合成例〕
アセトン72mlに溶解したトリクロロフェニルシラン39.2g(186ミリモル)を1.42kgの氷水に滴下し、0℃で20時間攪拌した。沈殿をろ取し、水洗後乾燥させ二硫化炭素200mlに懸濁させてろ取し、アセトン/トルエンで再結晶し。比較用化合物A8g(14.5ミリモル)を得た。
比較用化合物A1gを4−メチル−2―ペンタノン13mlに溶解させ比較用組成物を得た。
【0039】
【化11】


【0040】
(実施例)
上記合成例に示した方法で得られた組成物をそれぞれ0.2μm孔径のテフロン(登録商標)製フィルターでろ過後、スピンコート法で4インチシリコンウエハ上に塗布後、ホットプレート上で130℃で1分間ついで230℃で1分間、基板を乾燥し、さらに窒素雰囲気のクリーンオーブン中で400℃で30分間加熱することによって塗膜を作成し、フォーディメンジョンズ社製水銀プローブを用いて測定した。
【0041】
本塗膜の評価結果を表1に示す。
【0042】
【表1】


【0043】
表1に示した結果から、本発明の組成物を用いると、低誘電率の膜を形成できることがわかる。




 

 


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