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発明の名称 PTPシートの製造装置及び製造システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−69917(P2007−69917A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−256183(P2005−256183)
出願日 平成17年9月5日(2005.9.5)
代理人 【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
発明者 伊藤 貴 / 渡辺 慎治 / 森尾 和人
要約 課題
PTPシートを打抜いた後に生じるフィルム端材を適切に処理可能なPTPシートの製造装置及び製造システムを提供する。

解決手段
裁断装置30を備えることにより、帯状のフィルム端材を、フィルム搬送方向に略垂直に裁断し、細かなフィルム片にして処理する。一方で、打抜き穴の上下左右にフィルムが残ったフィルム端材29vについては、クラッチレバー36にて裁断停止状態とし、裁断装置30で裁断することなくそのまま通過させ、搬送方向変更装置40にて製造装置の側部へ案内して、下流側に配置される巻取り装置50にて巻き取る。具体的には、間欠的に搬送されるフィルム端材29vが、ダンサローラ55にて貯留され、貯留されたフィルム端材29vが繰出しローラ53にて繰出され、巻取りローラ54にて巻き取られる。
特許請求の範囲
【請求項1】
包装用フィルムに形成されるポケット部に錠剤が充填され、前記ポケット部の開口を覆うようにしてカバーフィルムが貼着されてなる長尺状のPTPフィルムから、PTPシートを打抜く打抜き手段を備えたPTPシートの製造装置において、
前記打抜き手段によって前記PTPシートが打ち抜かれた後の前記PTPフィルムの残りの部分であるフィルム端材を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段にて搬送される前記フィルム端材を巻き取る巻取り手段を備えていることを特徴とするPTPシートの製造装置。
【請求項2】
包装用フィルムに形成されるポケット部に錠剤が充填され、前記ポケット部の開口を覆うようにしてカバーフィルムが貼着されてなる長尺状のPTPフィルムから、PTPシートを打抜く打抜き手段と、
前記打抜き手段によって前記PTPシートが打ち抜かれた後の前記PTPフィルムの残りの部分であるフィルム端材を裁断する裁断手段とを備えたPTPシートの製造装置において、
前記裁断手段による裁断を停止する裁断停止手段と、
前記裁断停止手段による裁断停止状態において、前記裁断手段へ供給される前記フィルム端材を、当該裁断手段を通過させ当該裁断手段の下流側へ搬送する搬送手段と、
前記搬送手段にて搬送される前記フィルム端材を巻き取る巻取り手段とを備えていることを特徴とするPTPシートの製造装置。
【請求項3】
請求項2に記載のPTPシートの製造装置において、
前記裁断手段は、所定の駆動源により駆動される移動刃を具備し、
前記裁断停止手段は、前記移動刃を駆動するための前記駆動源からの動力を接続/切断するクラッチ手段を具備してなることを特徴とするPTPシートの製造装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のPTPシートの製造装置において、
前記巻取り手段は、
前記フィルム端材を巻き取る巻取りローラと、
前記巻取りローラの上流側で、間欠的に搬送されてくる前記フィルム端材を、一時的に貯留可能なダンサローラと、
前記ダンサローラによって貯留された前記フィルム端材を、前記巻取りローラへ繰出す繰出しローラとを具備してなることを特徴とするPTPシートの製造装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかに記載のPTPシートの製造装置において、
前記フィルム端材を巻き取る巻取りローラと、
前記巻取りローラの上流側で間欠的に搬送されてくる前記フィルム端材を一時的に貯留するべく、所定方向へ移動可能に設けられたダンサローラと、
前記ダンサローラによって貯留された前記フィルム端材を、前記巻取りローラへ繰出す繰出しローラと、
前記フィルム端材の貯留により前記ダンサローラが第1位置まで移動した場合、前記繰出しローラを駆動して前記フィルム端材を繰出し、一方、前記繰出しローラによる前記フィルム端材の繰出しにより前記ダンサローラが第2位置まで移動した場合、前記繰出しローラの駆動を停止して前記フィルム端材の繰出しを停止する繰出し制御手段とを備えていることを特徴とするPTPシートの製造装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のPTPシートの製造装置において、
前記巻取りローラは、前記フィルム端材を巻き取るためのローラ部と、所定の駆動源からの動力により駆動され、前記ローラ部を回転駆動する駆動力伝達部とを具備し、
前記駆動力伝達部は、前記繰出しローラにて繰出される前記フィルム端材を巻き取るために必要なトルクを前記ローラ部へ常時生じさせると共に、前記ローラ部の回転状況に応じ、前記ローラ部に対して相対回転可能に構成されていることを特徴とするPTPシートの製造装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のPTPシートの製造装置において、
前記搬送手段は、前記フィルム端材の搬送方向に対してその中心軸が所定角度をなすように配設された回転不能の固定ローラを備え、
当該固定ローラの円周面に沿って折り返された前記フィルム端材を滑走させることにより、前記フィルム端材の搬送方向を変更可能としたことを特徴とするPTPシートの製造装置。
【請求項8】
請求項7に記載のPTPシートの製造装置において、
前記フィルム端材の前記カバーフィルム側の面が当接するように、前記固定ローラの円周面に前記フィルム端材が掛けられることを特徴とするPTPシートの製造装置。
【請求項9】
包装用フィルムに形成されるポケット部に錠剤が充填され、前記ポケット部を覆うようにしてカバーフィルムが貼着されてなる長尺状のPTPフィルムから、PTPシートを打抜く打抜き手段を備えるPTPシートの製造装置と、
前記打抜き手段によって前記PTPシートが打ち抜かれた後の前記PTPフィルムの残りの部分であるフィルム端材を裁断する裁断手段と、前記裁断手段による裁断を停止する裁断停止手段と、前記裁断停止手段による裁断停止状態において、前記裁断手段へ供給される前記フィルム端材を、当該裁断手段を通過させ当該裁断手段の下流側へ搬送する搬送手段と、前記搬送手段にて搬送される前記フィルム端材を巻き取る巻取り手段とを備えるフィルム処理装置とを具備してなることを特徴とするPTPシートの製造システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、PTPシートを製造するためのPTPシートの製造装置及び製造システムに係り、特に、打抜き装置によって長尺状のPTPフィルムからPTPシートを打抜いた後のフィルム端材の処理に関する。
【背景技術】
【0002】
錠剤等が収容されるPTPシートは、PTP包装機(ブリスター包装機)によって製造される。具体的には、長尺状の包装用フィルムに形成されるポケット部に錠剤が充填され、アルミニウム等よりなるカバーフィルムが貼着されて、長尺状のPTPフィルムが形成される。そして、PTPシートを小片単位に切り離すためのスリットなどが形成された後、打抜き装置によりシート単位に打ち抜かれて、PTPシートが製造される。
【0003】
このように長尺状のフィルムからPTPシートを打抜く製造方法によれば、PTPシートが打抜かれた後に生ずるフィルム端材の処理が必要になってくる。
【0004】
例えば、図3(a)に示すように、PTPフィルム21の長手方向(フィルム搬送方向)に打抜き位置を僅かにオーバーラップさせながら打抜くと、同図中に二点鎖線で示すような打抜き穴(開口)61が形成され、フィルム端材29nは、3本の細長い帯状のフィルムとなる。
【0005】
以下、このような帯状のフィルム端材を、第1タイプと記述する。
【0006】
ところで、フィルム端材は嵩張るため、従来、フィルム端材を裁断するための裁断装置を具備するPTPシートの製造装置があった(例えば、特許文献1参照)。かかる製造装置によれば、フィルム端材は、フィルム搬送方向において比較的短く裁断されて処理される。
【特許文献1】特開平7−76306号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記PTPシートには、図1(b)に示すPTPシート1vのように、その側部にVノッチ(V字形の切り込み)7が設けられたものもある。このVノッチ7は、PTPシート1vを小片に切り離すためのスリット6に対応させて設けられている。これにより、スリット6部分での切り離しが容易になるというメリットがある。また、切り離した後のペア小片のコーナー部分が丸み付けられる(直角にならない)。
【0008】
しかしながら、Vノッチ7が設けられたPTPシート1vを打抜く場合、上述のケースとは異なり、搬送方向に打抜き位置をオーバーラップさせることはできない。そのため、図3(b)に示すように、PTPシート1vを打抜いた後のフィルム端材29vには、二点鎖線で示すような打抜き穴62が形成され、打抜き穴62の上下方向(フィルム幅方向)だけでなく、左右方向(フィルム搬送方向)にも、端材としてのフィルムが残る。
【0009】
以下、このように打抜き穴の上下左右にフィルムが残ったフィルム端材を、第2タイプと記述する。なお、第2タイプのフィルム端材は、Vノッチの設けられたPTPシートを打抜く場合だけでなく、フィルム搬送方向に打抜き位置をオーバーラップさせない場合に生じることとなる。
【0010】
そして、上記従来の製造装置が具備する裁断装置は、搬送方向に略垂直にフィルムを裁断する構成であるため、上記第2タイプのフィルム端材を細かく裁断することができなかった。そのため、第2タイプのフィルム端材は嵩張って扱いにくいという問題があった。
【0011】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、PTPシートを打抜いた後に生じるフィルム端材を適切に処理可能なPTPシートの製造装置及び製造システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0013】
手段1.包装用フィルムに形成されるポケット部に錠剤が充填され、前記ポケット部の開口を覆うようにしてカバーフィルムが貼着されてなる長尺状のPTPフィルムから、PTPシートを打抜く打抜き手段を備えたPTPシートの製造装置において、
前記打抜き手段によって前記PTPシートが打ち抜かれた後の前記PTPフィルムの残りの部分であるフィルム端材を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段にて搬送される前記フィルム端材を巻き取る巻取り手段を備えていることを特徴とするPTPシートの製造装置。
【0014】
手段1に記載のPTPシートの製造装置では、打抜き手段により、長尺状のPTPフィルムからPTPシートが打抜かれる。長尺状のPTPフィルムは、包装用フィルムに形成されるポケット部に錠剤が充填され、ポケット部の開口を覆うようにしてカバーフィルムが貼着されてなる。
【0015】
手段1では特に、シート打抜き後に生じるフィルム端材を搬送手段が搬送し、巻取り手段によって、フィルム端材が巻き取られる。ここで、フィルム端材とは、上記打抜き手段によりPTPシートが打ち抜かれた後のPTPフィルムの残りの部分である(以下の手段でも同様)。
【0016】
搬送方向に打抜き位置をオーバーラップさせない場合、打抜き穴の上下左右にフィルムが残る第2タイプのフィルム端材が生じる。特にVノッチタイプのPTPシートを製造する場合には、打抜き位置を搬送方向にオーバーラップさせることができないため、必ず、この第2タイプのフィルム端材が生じることになる。そして、この第2タイプのフィルム端材は、従来の裁断装置では細かく裁断することができなかった。
【0017】
この点、手段1によれば、シート打抜き後に生じるフィルム端材が搬送されて巻き取られるため、上記第2タイプのフィルム端材を巻き取って処理することができる。したがって、第2タイプのフィルム端材が生じても、フィルム端材が嵩張らない。結果として、第2タイプのフィルム端材を適切に処理可能となる。
【0018】
手段2.包装用フィルムに形成されるポケット部に錠剤が充填され、前記ポケット部の開口を覆うようにしてカバーフィルムが貼着されてなる長尺状のPTPフィルムから、PTPシートを打抜く打抜き手段と、
前記打抜き手段によって前記PTPシートが打ち抜かれた後の前記PTPフィルムの残りの部分であるフィルム端材を裁断する裁断手段とを備えたPTPシートの製造装置において、
前記裁断手段による裁断を停止する裁断停止手段と、
前記裁断停止手段による裁断停止状態において、前記裁断手段へ供給される前記フィルム端材を、当該裁断手段を通過させ当該裁断手段の下流側へ搬送する搬送手段と、
前記搬送手段にて搬送される前記フィルム端材を巻き取る巻取り手段とを備えていることを特徴とするPTPシートの製造装置。
【0019】
手段2に記載のPTPシートの製造装置でも、上記手段1と同様、打抜き手段により、長尺状のPTPフィルムからPTPシートが打抜かれる。また、手段2では、裁断手段によって、フィルム端材の裁断が可能となっている。
【0020】
搬送方向に打抜き位置をオーバーラップさせる場合、帯状の第1タイプのフィルム端材が生じる。このようなフィルム端材は巻き取ることも可能であるが、搬送方向に略垂直に裁断することで、比較的簡単に細かなフィルム片とできる。この点、手段2によれば、裁断手段を備えることにより、第1タイプのフィルム端材を適切に処理可能である。
【0021】
加えて手段2では、裁断停止手段が裁断手段による裁断を停止し、当該裁断停止状態において、搬送手段が、裁断手段へ供給されるフィルム端材を、当該裁断手段を通過させて、当該裁断手段の下流側へ搬送する。そして、巻取り手段によって、フィルム端材が巻き取られる。
【0022】
搬送方向に打抜き位置をオーバーラップさせない場合、上述したように、打抜き穴の上下左右にフィルムが残る第2タイプのフィルム端材が生じる。そして、この第2タイプのフィルム端材は、裁断手段では細かく裁断できなかった。この点、手段2によれば、裁断手段による裁断を停止し、当該裁断停止状態において、裁断手段へ供給されるフィルム端材が、当該裁断手段の下流側へ搬送されて巻き取られる。したがって、第2タイプのフィルム端材については巻き取って処理することができ、フィルム端材が嵩張らない。結果として、第2タイプのフィルム端材をも適切に処理することができる。
【0023】
このように裁断手段及び巻取り手段を選択的に機能させることができるため、PTPフィルムの途中までは、打抜き位置をオーバーラップさせてPTPシートを製造し、これにより生じる第1タイプのフィルム端材を裁断して処理し、PTPフィルムの途中から、打抜きのための金型及びピッチを変更し、打抜き位置をオーバーラップさせずにPTPシートを製造し、これにより生じる第2タイプのフィルム端材を巻き取って処理することが可能となる。反対に、PTPフィルムの途中までは、打抜き穴をオーバーラップさせずにPTPシートを製造して第2タイプのフィルム端材を巻き取り、PTPフィルムの途中から、打抜き穴をオーバーラップさせてPTPシートを製造し第1タイプのフィルム端材を裁断することも可能となる。
【0024】
また、第1及び第2の2つのタイプのフィルム端材が処理可能であることは、打抜きのピッチに制約がなくなることを意味し、ピッチの制約の要因となり得る打抜きのための金型に制約がなくなることを意味する。すなわち、各種タイプのPTPシートを同一の製造装置にて製造可能となる。その結果、ユーザは、経済面において極めて大きなメリットを享受できる。
【0025】
手段3.手段2に記載のPTPシートの製造装置において、
前記裁断手段は、所定の駆動源により駆動される移動刃を具備し、
前記裁断停止手段は、前記移動刃を駆動するための前記駆動源からの動力を接続/切断可能なクラッチ手段を具備してなることを特徴とするPTPシートの製造装置。
【0026】
手段3によれば、裁断手段が所定の駆動源により駆動される移動刃を具備することを前提に、裁断停止手段の具備するクラッチ手段によって、移動刃を駆動するための駆動源からの動力が接続/切断される。したがって、例えばモータなどの駆動源自体は停止させる必要がなく、当該駆動源を、別の機構の駆動(打抜き手段などの駆動)に用いることができる。結果として、駆動源の数を少なくすることが出来るため、製造装置の構成が簡単になる。また、駆動源に対する制御が不要となるため、製造装置の制御構成が簡単になる。
【0027】
手段4.手段1乃至3のいずれかに記載のPTPシートの製造装置において、
請求項1乃至3のいずれかに記載のPTPシートの製造装置において、
前記巻取り手段は、
前記フィルム端材を巻き取る巻取りローラと、
前記巻取りローラの上流側で、間欠的に搬送されてくる前記フィルム端材を、一時的に貯留可能なダンサローラと、
前記ダンサローラによって貯留された前記フィルム端材を、前記巻取りローラへ繰出す繰出しローラとを具備してなることを特徴とするPTPシートの製造装置。
【0028】
製造装置では、通常、ポケット部の形成やPTPシートの打抜きなどを実現するため、フィルムが間欠的に搬送される。このため、フィルムの搬送に合わせてフィルム端材を巻き取ることも考えられるが、巻取りのための制御が複雑になるおそれがある。この点、手段4によれば、巻取り手段において、ダンサローラにより、巻取りローラの上流側で、間欠的に搬送されてくるフィルム端材が一時的に貯留される。ここで「貯留」は、例えば、停留、ストック、バッファリングなどの文言に置き換えてもよい。以下の手段でも同様である。
【0029】
そして、繰出しローラによって、貯留されたフィルム端材が、巻取りローラへ繰出される。このようにすれば、上流側におけるフィルムの搬送タイミングとの同期をとる必要がなく、巻取り手段の構成が簡単になり、しかも、フィルム端材を確実に巻き取ることができる。
【0030】
このようなダンサローラ及び繰出しローラを具備する場合の具体的な構成として、次に示す構成を採用してもよい。
【0031】
手段5.手段1乃至3のいずれかに記載のPTPシートの製造装置において、
前記フィルム端材を巻き取る巻取りローラと、
前記巻取りローラの上流側で間欠的に搬送されてくる前記フィルム端材を一時的に貯留するべく、所定方向へ移動可能に設けられたダンサローラと、
前記ダンサローラによって貯留された前記フィルム端材を、前記巻取りローラへ繰出す繰出しローラと、
前記フィルム端材の貯留により前記ダンサローラが第1位置まで移動した場合、前記繰出しローラを駆動して前記フィルム端材を繰出し、一方、前記繰出しローラによる前記フィルム端材の繰出しにより前記ダンサローラが第2位置まで移動した場合、前記繰出しローラの駆動を停止して前記フィルム端材の繰出しを停止する繰出し制御手段とを備えていることを特徴とするPTPシートの製造装置。
【0032】
手段5によれば、ダンサローラが、巻取りローラの上流側で間欠的に搬送されてくるフィルム端材を一時的に貯留するべく、所定方向へ移動する。そして、繰出しローラにより、貯留されたフィルム端材が巻取りローラへ繰出される。このとき、繰出し制御手段によって、フィルム端材の貯留によりダンサローラが第1位置まで移動した場合、繰出しローラが駆動されて、フィルム端材が繰出される。また、繰出しローラによるフィルム端材の繰出しによりダンサローラが第2位置まで移動した場合、繰出しローラの駆動が停止されて、フィルム端材の繰出しが停止される。このようにすれば、繰出し制御手段による繰出しローラの制御は、ダンサローラの位置に基づくものとなり、上流側におけるフィルムの搬送タイミングとの同期をとる必要がない。その結果、巻取り手段の構成が比較的簡単になり、しかも、フィルム端材を確実に巻き取ることができる。
【0033】
手段6.手段4又は5に記載のPTPシートの製造装置において、
前記巻取りローラは、前記フィルム端材を巻き取るためのローラ部と、所定の駆動源からの動力により駆動され、前記ローラ部を回転駆動する駆動力伝達部とを具備し、
前記駆動力伝達部は、前記繰出しローラにて繰出される前記フィルム端材を巻き取るために必要なトルクを前記ローラ部へ常時生じさせると共に、前記ローラ部の回転状況に応じ、前記ローラ部に対して相対回転可能に構成されていることを特徴とするPTPシートの製造装置。
【0034】
手段6によれば、巻取りローラの駆動力伝達部が、所定の駆動源からの動力により駆動され、フィルム端材を巻き取るためのローラ部を回転駆動する。この駆動伝達部は、繰出しローラにて繰出されるフィルム端材を巻き取るために必要なトルクをローラ部へ常時生じさせる。また、ローラ部の回転状況に応じ、ローラ部に対して相対回転する。つまり、フィルム端材の繰出しが停止されるとローラ部は回転し得ない状況となるが、その場合は、駆動伝達部のみが回転するのである。このようにすれば、駆動源に対する制御が不要となる。また、常時、一定のトルクがローラ部に生じるため、フィルム端材に弛みが生じにくく、より確実にフィルム端材を巻き取ることができる。
【0035】
手段7.手段1乃至6のいずれかに記載のPTPシートの製造装置において、
前記搬送手段は、前記フィルム端材の搬送方向に対してその中心軸が所定角度をなすように配設された回転不能の固定ローラを備え、
当該固定ローラの円周面に沿って折り返された前記フィルム端材を滑走させることにより、前記フィルム端材の搬送方向を変更可能としたことを特徴とするPTPシートの製造装置。
【0036】
従来、製造装置では所定方向へ搬送しつつPTPシートを打抜き、さらに、打ち抜かれたPTPシートを後工程へ搬送するため、当該所定方向にコンベアなどが配置される。そのため、当該所定方向においては、巻取り手段を配置するためのスペースの確保が困難になるおそれがある。
【0037】
この点、手段7では、搬送手段が、フィルム端材の搬送方向に対してその中心軸が所定角度をなすように配設された回転不能の固定ローラを備えている。そして、固定ローラの円周面に沿って折り返されたフィルム端材が滑走させられ、フィルム端材の搬送方向が変更される。したがって、製造装置の側部などの空きスペースを有効に利用でき、上記巻取り手段などを配置するためのスペースの確保が比較的容易となる。
【0038】
手段8.手段7に記載のPTPシートの製造装置において、
前記フィルム端材の前記カバーフィルム側の面が当接するように、前記固定ローラの円周面に前記フィルム端材が掛けられることを特徴とするPTPシートの製造装置。
【0039】
錠剤が充填されたポケット部は、上記打抜き手段により、シート単位で打抜かれる。ただし、フィルムの継ぎ目部分の近傍などに位置するポケット部には錠剤の充填がなされず、この部分は、打ち抜かれない。そのため、フィルム端材には、部分的にポケット部が残る。手段8によれば、フィルム端材の前記カバーフィルム側の面が当接するように前記固定ローラの円周面に前記フィルム端材が掛けられるため、フィルム端材に残ったポケット部があっても、フィルム端材の滑走にポケット部が悪影響を及ぼすことがなく、搬送方向を適切に変更できるという点で有利である。
【0040】
以上は、巻取り手段を具備するPTPシートの製造装置の発明として説明してきたが、次に示すような製造装置及びフィルム処理装置からなる製造システムの発明として実現することも可能である。
【0041】
手段9.包装用フィルムに形成されるポケット部に錠剤が充填され、前記ポケット部を覆うようにしてカバーフィルムが貼着されてなる長尺状のPTPフィルムから、PTPシートを打抜く打抜き手段を備えるPTPシートの製造装置と、
前記打抜き手段によって前記PTPシートが打ち抜かれた後の前記PTPフィルムの残りの部分であるフィルム端材を裁断する裁断手段と、前記裁断手段による裁断を停止する裁断停止手段と、前記裁断停止手段による裁断停止状態において、前記裁断手段へ供給される前記フィルム端材を、当該裁断手段を通過させ当該裁断手段の下流側へ搬送する搬送手段と、前記搬送手段にて搬送される前記フィルム端材を巻き取る巻取り手段とを備えるフィルム処理装置とを具備してなることを特徴とするPTPシートの製造システム。
【0042】
手段9によれば、上記手段2と同様の効果が得られる。すなわち、裁断手段を備えることにより、第1タイプのフィルム端材を裁断手段によって適切に処理可能であると共に、第2タイプのフィルム端材については巻取り手段にて巻き取って処理することができ、第2タイプのフィルム端材を適切に処理することができる。また、製造途中で、フィルム端材の処理を裁断から巻取りに変更したり、反対に、巻取りから裁断へ変更したりすることもできる。さらに、第1及び第2のいずれのタイプのフィルム端材も処理可能であるため、各種タイプのPTPシートを同一の製造装置にて製造可能となる。その結果、ユーザは、経済面において極めて大きなメリットを享受できる。
【0043】
もちろん、手段9に記載の製造システムにおいても、上記手段3乃至8に示した製造装置の構成と同様の構成を採用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0045】
最初に、本実施形態において製造可能な2種類のPTPシート1,1vについて説明する。図1(a)は、通常タイプのPTPシート1を示し、図1(b)は、両側部にVノッチ7が設けられたVノッチタイプのPTPシート1vを示している。また、図1(c)は、両方のPTPシート1,1vに共通する部分断面拡大図である。
【0046】
図1に示すように、PTPシート1,1vはいずれも、複数のポケット部2を備えた「包装用フィルム」としての容器フィルム3と、ポケット部2の開口を塞ぐようにして容器フィルム3に取着された「カバーフィルム」としての密封用フィルム4とを有している。容器フィルム3は、PPによって構成され、光透過性を有している(ここでは、透明を呈している)。密封用フィルム4は、アルミニウムによって構成されている。
【0047】
また、各ポケット部2には錠剤5が1つずつ収容されている。PTPシート1の容器フィルム3には、例えば2つのポケット部2が含まれたペア小片に切り離すことができるように複数の横スリット6が形成されている。ここで、図1(b)に示したVノッチタイプのPTPシート1vは、上記横スリット6に対応させてVノッチ7を設けたものである。そのため、このVノッチ7によって、横スリット6の部分での切り離しが容易になる。また、Vノッチ7によって、切り離した後のペア小片のコーナー部分が丸み付けられる(直角にならない)。
【0048】
次に、「PTPシートの製造装置」としてのPTP包装機(ブリスタ包装機)10の構成について説明することとする。
【0049】
図2に示すように、PTP包装機10の最上流側では、帯状の容器フィルム3がロール状に巻回されている。ロール状に巻回された容器フィルム3は、間欠的に搬送されるようになっており、容器フィルム3の搬送経路に沿って、加熱装置12とポケット成形装置13とが順に並設されている。これら加熱装置12及びポケット成形装置13によってポケット部形成装置14が構成されている。そして、加熱装置12によって容器フィルム3が部分的に加熱され、該容器フィルム3が比較的柔軟になった状態において、ポケット成形装置13によって容器フィルム3にポケット部2が成形される。なお、このポケット部2の成形は、容器フィルム3の搬送動作間のインターバルに行われる。
【0050】
ポケット部2が形成された容器フィルム3の移送経路に沿って、ポケット部2に錠剤5を自動的に充填する充填装置16、外観検査装置17、シール装置18が、配設されている。
【0051】
充填装置16は、ロータリドラムを備えており、容器フィルム3に形成されたポケット部2に錠剤5を投入する。
【0052】
外観検査装置17は、錠剤5が各ポケット部2に確実に充填されているか否か、また錠剤5の欠け、ひび等の外観異常の有無、異物混入の有無等の検査を行うためのものである。該外観検査装置17は、ポケット部2の開口側からの検査を行う。
【0053】
一方、帯状に形成された密封用フィルム4は、最上流側においてロール状に巻回されている。ロール状に巻回された密封用フィルム4の引出し端は、シール装置18の方へと案内されている。シール装置18は、フィルム受けロール19と、加熱ロール20とを備えており、フィルム受けロール19に加熱ロール20が圧接可能に構成されている。そして、両ロール19,20間に容器フィルム3及び密封用フィルム4が送り込まれるようになっており、容器フィルム3及び密封用フィルム4が、両ロール19,20間を加熱圧接状態で通過することで、容器フィルム3に密封用フィルム4が貼着され、これにより、錠剤5が各ポケット部2に充填された帯状のPTPフィルム21が製造される。このとき、加熱ロール20の表面には、シール用の網目状の凸条が形成されており、これが強く圧接することで、強固なシールが実現されるようになっている。
【0054】
前記シール装置18の下流には、ポケット部2側から錠剤5等の異常を検出するための外観検査装置23が設けられている。尚、外観検査装置17,23によって不良品判定された場合、図示しない不良シート排出機構に不良品信号が送られ、その不良品判定となったPTPシート1(1v)は、不良シート排出機構によって別途排出され、図示しない不良品ホッパに移送されるようになっている。
【0055】
外観検査装置23の下流ではPTPフィルム21移送経路に沿って、スリット成形装置24及び「打抜き手段」としてのシート打抜装置26が順に配設されている。スリット成形装置24は、PTPフィルム21の所定位置に前記横スリット6を形成する機能を有する。シート打抜装置26は、PTPフィルム21をPTPシート1(1v)単位に打抜く機能を有する。
【0056】
シート打抜装置26の下流では、PTPシート1(1v)を打抜いた後のPTPフィルム21の残りの部分であるフィルム端材29を処理するために、「裁断手段」としての裁断装置30、「搬送手段」としての搬送方向変更装置40、及び、「巻取り手段」としての巻取り装置50が順に配設されている。また、シート打抜装置26の下方には、打抜かれたPTPシート1(1v)を移送するためのコンベア27が設けられており、該PTPシート1(1v)は完成品用ホッパ28に移送されるようになっている。
【0057】
ところで、本実施形態において2種類のPTPシート1,1vが製造可能であることは既に述べたが、PTPシート1,1vのいずれを製造するかにより、2つのタイプのフィルム端材29が生じる。
【0058】
本実施形態においては、図3に示すように、PTPシート1,1vは、PTPフィルム21の幅方向に2枚ずつ打抜かれるのであるが、通常タイプのPTPシート1の場合(図1(a)参照)、フィルム搬送方向において打抜き位置が僅かにオーバーラップするように打ち抜かれる。したがって、通常タイプのPTPシート1の打抜き後には、図3(a)に二点鎖線で示す打抜き穴61の上下方向(フィルム幅方向)にだけフィルムが残り、帯状のフィルム端材29nが生じる。これを第1タイプのフィルム端材29nということにする。
【0059】
一方、VノッチタイプのPTPシート1vの場合(図1(b)参照)、Vノッチ7を形成するために、フィルム搬送方向において打抜き位置をオーバーラップさせることができない。したがって、VノッチタイプのPTPシート1vの打抜き後には、図3(b)に二点鎖線で示す打抜き穴62の上下方向(フィルム幅方向)及び左右方向(フィルム搬送方向)にフィルムが残ったフィルム端材29vが生じる。これを第2タイプのフィルム端材29vということにする。
【0060】
なお、いずれのタイプのPTPシート1,1vを製造するかは、上記シート打抜装置26による打抜きのピッチ及び打抜きのための金型を交換することによって可能となる。
【0061】
本実施形態は、PTPシート1(1v)が打ち抜かれた後の上記第1タイプ又は第2タイプのフィルム端材29n,29vの処理に特徴を有するものである。そこで次に、シート打抜装置26の下流側に配置される、裁断装置30、搬送方向変更装置40、及び、巻取り装置50についての具体的な構成及び動作を説明する。
【0062】
図4は、裁断装置30から巻取り装置50へ至る構成を示す概略斜視図である。また、図5(a)は、裁断装置30の概略構成を示す説明図であり、図5(b)は、巻取り装置50の概略構成を示す説明図である。さらに、図6は、搬送方向変更装置40の概略構成を示す説明図である。なお、図4及び図6に示すフィルム端材29vには、PTPシート1vの打抜き穴62(図3(b)参照)が存在するはずであるが、図が煩雑になることを避けるため割愛した。
【0063】
裁断装置30は、上記シート打抜装置26に対応させてPTP包装機10の端部に設けられている。図4では、裁断装置30の固定機構については省略して示したが、上記PTP包装機10の筐体にボルトなどを用いて固定される。裁断装置30は、図4及び図5(a)に示すように、ローラ31、固定刃32、移動刃33、「駆動源」としてのモータ34、クラッチ装置35、及び、クラッチレバー36を備えている。
【0064】
ローラ31は、裁断装置30内部の最上流側に設けられており、上記シート打抜装置26にてPTPシート1,1vが打ち抜かれた後に生じるフィルム端材29を裁断装置30の内部へ案内する。
【0065】
固定刃32は、ローラ31の下流側に、フィルム端材29との間に僅かな隙間を空けて配置されている。また、移動刃33は、固定刃32に対向して配置されており、固定刃32に対し接離方向に往復動可能な構成となっている。かかる構成により、移動刃33が固定刃32に近接する位置へ移動すると、固定刃32との間でフィルム端材29が搬送方向に略垂直に裁断される。
【0066】
モータ34は、上記ローラ31及び上記移動刃33を駆動するためのものである。また、クラッチ装置35は、モータ34と移動刃33との間に介在して、モータ34からの移動刃33を駆動するための動力を接続/切断可能となっている。クラッチレバー36は、外部から上記クラッチ装置35を操作するためのものである。クラッチレバー36の操作により、クラッチ装置35にてモータ34からの動力が接続されると、移動刃33は上記往復動を行う。一方、クラッチ装置35にてモータ34からの動力が切断されると、移動刃33は上記固定刃32から離間した位置で停止する。したがって、クラッチ装置35及びクラッチレバー36が「裁断停止手段」を構成し、クラッチ装置35が「クラッチ手段」を構成する。
【0067】
本実施形態では、上記帯状の第1タイプのフィルム端材29nについては、クラッチレバー36の操作によりクラッチ装置35にてモータ34からの動力を接続し、移動刃33を駆動させて裁断して処理する。なお、裁断後のフィルム小片は、図示しないホッパなどに貯留される。
【0068】
一方、上記第2タイプのフィルム端材29vについては、クラッチレバー36の操作によりクラッチ装置35にてモータ34からの動力を切断し、移動刃33を離間位置にて停止させ、裁断装置30の内部をそのまま通過させて下流側へ搬送する。この第2タイプのフィルム端材29vを裁断装置30より引き出して下流側へ案内するのが、引き出しローラ37である。そして、第2タイプのフィルム端材29vは、図4に示すように、搬送方向変更装置40を経て、巻取り装置50にて巻き取られる。
【0069】
次に、巻取り装置50について説明する。
【0070】
巻取り装置50は、図4及び図5(b)に示すように、水平に固定設置される板状の基部50aと、基部50aの背面側に立設された背面部50bとを具備してなる。この背面部50bに主として、繰出用モータ51、巻取用モータ52、繰出しローラ53、巻取りローラ54、ダンサローラ55、下方センサ56、及び、上方センサ57が配設されている。
【0071】
繰出用モータ51及び巻取用モータ52は、フィルム端材29vの搬送経路に対応させて、上記背面部50bに配設されている。各モータ51,52は、それぞれ後述する繰出しローラ53及び巻取りローラ54を駆動するためのものである。
【0072】
繰出しローラ53は、所定距離だけ離間させて配設固定された一対の板状の側壁部53aにて、両端部を回転可能に支持されている。上記繰出しローラ53の回転軸は、側壁部53aの背面側へ突出している。そしてこの突出部分に、上記繰出用モータ51のベルト51aが掛けられている。
【0073】
巻取りローラ54は、上記繰出しローラ53の下流側に配設されており、上記背面部50bに、ローラ基端部が支持されている。巻取りローラ54は、フィルム端材29vを巻き取るためのローラ部54aと、ローラ部54aの背面側に配設された円板状の駆動力伝達部54bとを具備してなる。駆動力伝達部54bは、ローラ部54aと同一の中心軸で回転し、ローラ部54aを回転駆動する。駆動力伝達部54bの背面側には、上記背面部50bに支持されて、駆動力伝達部54bと一体となって回転する軸部54cが突出している。この軸部54cには、上記巻取用モータ52のベルト52aが掛けられている。
【0074】
ダンサローラ55は、上記繰出しローラ53の上流側に配設されており、その両端部が支持部55aにて回転可能に支持されている。この支持部55aは、上記側壁部53aから略鉛直方向に垂下するガイドレール55bに摺動可能に取り付けられている。これにより、支持部55aの上下動に沿った、ダンサローラ55の上下方向の移動が導出されるようになっている。
【0075】
下方センサ56及び上方センサ57は、図5(b)に示すように、ダンサローラ55の移動経路に対応させて配設されている。下方センサ56は「第1位置」としての下方位置にダンサローラ55が移動したことを検知するためのものであり、上方センサ57は、「第2位置」としての上方位置にダンサローラ55が移動したことを検知するためのものである。
【0076】
そして、上記繰出用モータ51は、下方センサ56にてダンサローラ55の下方位置への移動が検知されると、繰出しローラ53を駆動して、フィルム端材29vを、巻取りローラ54側へ繰出すように構成されている。一方、上記繰出用モータ51は、上方センサ57にてダンサローラ55の上方位置への移動が検知されると、繰出しローラ53の駆動を停止するように構成されている。この意味において、上記繰出用モータ51及び各センサ56,57が「繰出し制御手段」を構成する。
【0077】
また、上記巻取用モータ52は、上記巻取りローラ54の軸部54cを介して駆動力伝達部54bを駆動する。そして、駆動力伝達部54bが、ローラ部54aを回転駆動する。このとき、駆動力伝達部54bは、繰出しローラ53から繰出されるフィルム端材29vの巻取りに必要なトルクを、常時、ローラ部54aに生じさせる。これにより、繰出しローラ53から繰出されるフィルム端材29vが巻き取られる。また、駆動力伝達部54bは、繰出しローラ53からのフィルム端材29vの繰出しが停止され、ローラ部54aが回転し得ない状況となると、ローラ部54aに対して相対回転する。
【0078】
かかる構成により、第2タイプのフィルム端材29vが巻取り装置50へ供給されると、ダンサローラ55が下降し、繰出しローラ53の上流側に、フィルム端材29vが貯留(ストック)される。そして、ダンサローラ55の下方位置への移動が下方センサ56にて検知されると、繰出用モータ51による繰出しローラ53の駆動によって、貯留されたフィルム端材29vが巻取り装置50側へ繰出される。すると、巻取用モータ52による駆動伝達部54bを介したローラ部54aの駆動によって、繰出されたフィルム端材29vが巻き取られる。
【0079】
繰出しローラ53によってフィルム端材29vが繰出されると、ダンサローラ55が上昇する。そして、ダンサローラ55の上方位置への移動が上方センサ57にて検知されると、繰出用モータ51による繰出しローラ53の駆動が停止される。すると、ローラ部54aは回転し得ず、駆動伝達部54bがローラ部54aに対して相対回転し、フィルム端材29vの巻取りが中断される。
【0080】
このようにダンサローラ55が上昇と下降とを繰り返し、ダンサローラ55によって一時的に貯留されるフィルム端材29vを繰出す態様で、第2タイプのフィルム端材29vが、巻取り装置50にて巻き取られる。
【0081】
次に、搬送方向変更装置40について説明する。
【0082】
搬送方向変更装置40は、図4及び図6に示すように、回転不能の固定ローラ41で構成されている。固定ローラ41は、少なくともその表面がポリアセタール樹脂よりなり(金属でもよい)、その中心軸がフィルム端材29vの搬送方向に対して45度の角度をなすように配設されている。この固定ローラ41に対して、上記フィルム端材29vは、固定ローラ41の下側から上側へ、固定ローラ41の円周面に沿って折り返されるにように掛けられている。したがって、搬送時には固定ローラ41の円周面を滑走し、これにより、フィルム端材29vの搬送方向は90度変更されることになる。なお、上記シール装置18にて容器フィルム3に密封用フィルム4が貼着されて帯状のPTPフィルム21が製造されることは上述したが、固定ローラ41に対するフィルム端材29vの当接面は、密封用フィルム4側の面となっている。
【0083】
以上詳述したように、本実施形態によれば、裁断装置30を備えることにより、上記帯状の第1タイプのフィルム端材29n(図3(a)参照)を、フィルム搬送方向に略垂直に裁断可能となっており、細かなフィルム片にして処理することができる。したがって、第1タイプのフィルム端材29nを嵩張らせることなく、適切に処理することができる。
【0084】
一方で、上記第2タイプのフィルム端材29v(図3(b)参照)については、裁断装置30で裁断することなくそのまま通過させ、裁断装置30の下流側に配置される巻取り装置50にて巻き取ることが可能となっている。したがって、第2タイプのフィルム端材29vについても嵩張らせることなく、適切に処理できる。
【0085】
このように本実施形態では、フィルム端材29のタイプに応じ、裁断装置30を機能させたり、裁断装置30を通過させて巻取り装置50を機能させたりすることができる。
【0086】
したがって、PTPフィルム21の途中までは、通常のPTPシート1(図1(a)参照)を製造し、これにより生じる第1タイプのフィルム端材29n(図3(a)参照)を裁断装置30にて処理し、PTPフィルム21の途中から、VノッチタイプのPTPシート1v(図1(b)参照)を製造し、これにより生じる第2タイプのフィルム端材29vを巻取り装置50にて処理することも可能である。もちろん反対に、PTPフィルムの途中までは、第2タイプのフィルム端材29vを巻取り装置50にて処理し、PTPフィルムの途中から、第1タイプのフィルム端材29nを裁断装置30にて処理することも可能である。
【0087】
また、2つのタイプのフィルム端材29n,29vが処理可能であるため、通常タイプのPTPシート1も、VノッチタイプのPTPシート1vも、同一のPTP包装機10にて製造可能となる。これにより、例えば第2タイプのフィルム端材29vが処理できないという理由で、VノッチタイプのPTPシート1vを製造するにあたって、新たに専用の包装機を購入するといった事態が回避できる。その結果、ユーザは、経済面において極めて大きなメリットを享受できる。
【0088】
また、本実施形態によれば、上記裁断装置30の構成においてクラッチ装置35をモータ34と移動刃33との間に介在させており、移動刃33を駆動させるためのモータ34からの動力を接続/切断可能となっている。このため、裁断装置30による裁断を停止する場合でも、モータ34の駆動を停止する必要はなく、モータ34を例えば別の機構の駆動(本実施形態では、ローラ31の駆動)に利用することができる。これにより、駆動源としてのモータの数を少なく出来るため、PTP包装機10の構成が簡単になる。また、モータ34に対する制御が不要となるため、PTP包装機10の制御構成が簡単になる。
【0089】
さらにまた、本実施形態によれば、巻取り装置50へ供給されるフィルム端材29vが、ダンサローラ55を用いて一時的に貯留される。これにより、フィルム端材29vの搬送タイミングとの同期をとることなく、確実にフィルム端材29vを巻き取ることができる。また、このとき、繰出用モータ51による繰出し制御はダンサローラ55の位置に基づくものであり、巻取り手段50の制御構成が簡単になるため、比較的簡単に巻取り装置50を構成することができる。
【0090】
しかも、繰出しローラ53の下流側の巻取りローラ54においては、そのローラ部54aが回転し得ない状態となると、駆動力伝達部54bが、ローラ部54aに対して相対回転する。これにより、巻取用モータ52の制御が不要になり、この点においても、比較的簡単に巻取り装置50を構成することができる。また、駆動力伝達部54bによって、ローラ部54aには、巻取りに必要なトルクが常時生じている。これにより、フィルム端材29vに弛みなどが生じにくく、フィルム端材29vの巻取りが確実になされる。
【0091】
ところでPTP包装機では通常、PTPフィルムを所定方向へ搬送しつつPTPシートを打抜き、さらに、打ち抜かれたPTPシートを後工程へ搬送するため、当該所定方向にコンベアなどが配置されている。そのため、当該所定方向において、余分なスペースを確保することは困難な場合が多い。
【0092】
この点、本実施形態によれば、搬送方向変更装置40(図4及び図6参照)によって、フィルム端材29vの搬送方向が、裁断装置30の通過後に、90度変更される。これにより、巻取り装置50を構成に加えたとしても、スペースの確保が比較的容易であり、上流側の構成を何ら変更する必要がない。
【0093】
しかも、搬送方向変更装置40の固定ローラ41に対するフィルム端材29vの当接面が密封用フィルム4側の面となっているため、錠剤5が充填されず打ち抜かれなかったポケット部2がフィルム端材29vに残っていたとしても、フィルム端材29vに残ったポケット部2に影響を受けることなく、搬送方向が確実に変更される。
【0094】
以上、一実施形態について説明したが、このような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々なる形態で実施できる。
【0095】
(a)上記実施形態では、PTP包装機10が、裁断装置30、搬送方向変更装置40、及び、巻取り装置50を備える構成とした。これに対して、シート打抜装置26までを構成要素とするPTP包装機と、シート打抜装置26の下流側に配置される裁断装置30、搬送方向変更装置40、及び、巻取り装置50から構成されるフィルム処理装置とを備えるPTPシートの製造システムとして構成することもできる。従来のPTP包装機のフィルム端材処理のために、フィルム処理装置のみを提供することも可能だからである。
【0096】
(b)上記実施形態はVノッチタイプのPTPシート1vを製造することを前提として第2タイプのフィルム端材29vを処理するものであったが、シート形状にかかわらず、フィルム搬送方向に打抜き位置をオーバーラップさせない場合には、打抜き穴の上下左右にフィルムが残った上記第2タイプと同様のフィルム端材が生じる。上記実施形態の構成は、このようなフィルム端材についても適用可能である。
【0097】
(c)上記実施形態の裁断装置30では、クラッチ装置35を用いて、裁断の停止状態を導出する構成であった。これに対し、移動刃33を駆動するモータ34自体を制御するようにしてもよい。
【0098】
(d)上記実施形態の巻取り装置50では、巻取りローラ54に駆動伝達手段54bを備える構成とた。そして、駆動力伝達部54bによって、巻取りに必要なトルクがローラ部54aに常時生じる構成とし、フィルム端材29vに弛みなどを生じにくくしていた。また、ローラ部54aが回転し得ない場合には、駆動力伝達部54bのみが回転する構成とし、巻取りモータ52に対する制御を不要としていた。
【0099】
これに対して、駆動力伝達部54bを介在させず、巻取りモータ52が直接的にローラ部54aを駆動する構成とし、繰出しローラ53によるフィルム端材29vの繰出しに合わせ、巻取りモータ52を制御するようにして、巻取りローラ54による巻取りを行うようにしてもよい。
【0100】
(e)上記実施形態ではダンサローラ55によって巻取り装置50へ供給されるフィルム端材29vを一時的に貯留する構成としたが、ダンサローラ55を用いず、フィルム端材29vの間欠的な搬送タイミングとの同期をとってフィルム端材29vを巻き取るようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】(a)は通常タイプのPTPシートの表側を示す斜視図であり、(b)はVノッチタイプのPTPシートの表側を示す斜視図であり、(c)は両PTPシートに共通する部分拡大断面図である。
【図2】実施形態のPTP包装機を示す概略構成図である。
【図3】PTPシートの打抜きで生じるフィルム端材の形状を示す説明図である。
【図4】裁断装置から巻取り装置へ至る構成を示す概略斜視図である。
【図5】(a)は裁断装置の構成を模式的に示す説明図であり、(b)は巻取り装置の構成を模式的に示す説明図である。
【図6】搬送方向変更装置の構成を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0102】
1,1v…PTPシート、2…ポケット部、3…容器フィルム、4…密封用フィルム、5…錠剤、6…スリット、7…Vノッチ、10…PTP包装機、26…打抜き手段としてのシート打抜装置、29,29n,29v…フィルム端材、30…裁断手段としての裁断装置、31…ローラ、32…固定刃、33…移動刃、34…モータ、35…クラッチ手段としてのクラッチ装置、36…クラッチレバー、37…引き出しローラ、40…搬送手段としての搬送方向変更装置、41…固定ローラ、50…巻取り手段としての巻取り装置、50a…基部、50b…背面部、51…繰出用モータ、52…巻取用モータ、51a,52a…ベルト、53…繰出しローラ、53a…側壁部、54…巻取りローラ、54a…ローラ部、54b…駆動力伝達部、54c…軸部、55…ダンサローラ、55a…支持部、55b…ガイドレール、61,62…打抜き穴。




 

 


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