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発明の名称 板状ワークの移載装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−22758(P2007−22758A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−207379(P2005−207379)
出願日 平成17年7月15日(2005.7.15)
代理人 【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
発明者 伊藤 雅 / 斎藤 雅樹
要約 課題
液晶ガラスや薄型大型基板などの板状ワークを所望とする状態で保持し、受け取りや引き渡しを好適に実施する板状ワークの移載装置を提供する。

解決手段
移載装置において、フォークにおける各櫛歯部14の上面には複数の多孔質ユニット30が設けられている。多孔質ユニット30は、ワークに対向するエア噴出面51aを有し微細孔を通じて気体を噴出させる多孔質体51を備えている。また特に、多孔質ユニット30は、櫛歯部14に固定された支持体31と、その支持体31に揺動可能に支持された揺動本体41とを備えており、揺動本体41に多孔質体51が組み付けられている。多孔質ユニット30によりワークが浮上状態で保持される場合、当該多孔質ユニット30はワークの傾きに応じて揺動する。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の櫛歯部を有するフォーク部材を備え、該フォーク部材により板状ワークの受け取り又は引き渡しを行う板状ワークの移載装置において、
前記フォーク部材における各櫛歯部の上面に、前記板状ワークに対向する対向面を有し微細孔を通じて気体を噴出させる又は吸引作用を生じさせる多孔質体を備えた複数の多孔質ユニットを設け、該多孔質ユニットに、対向する板状ワークの傾きに応じて揺動する揺動機構を付加したことを特徴とする板状ワークの移載装置。
【請求項2】
前記揺動機構は、前記櫛歯部に固定された固定部材と、前記多孔質体を有してなり前記固定部材に揺動可能に支持された揺動部材とを備え、
前記固定部材及び前記揺動部材に、各々連通され、一端が前記多孔質体に繋がるようにして気体通路を形成したことを特徴とする請求項1に記載の板状ワークの移載装置。
【請求項3】
前記固定部材又は前記揺動部材のいずれか一方に球体部を設けるとともに、他方に前記球体部の外面に当接した状態で当該球体部を収容する収容部を設けたことを特徴とする請求項2に記載の板状ワークの移載装置。
【請求項4】
前記櫛歯部内に気体通路を形成し、該気体通路を介して前記多孔質ユニットに対する気体の流入又は流出を行わせることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の板状ワークの移載装置。
【請求項5】
前記フォーク部材に、前記揺動機構を備えた多孔質ユニットと、前記揺動機能を備えていない多孔質ユニットとを設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の板状ワークの移載装置。
【請求項6】
前記多孔質体を多孔質の合成樹脂材料にて作製したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の板状ワークの移載装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ガラスや薄型大型基板といった板状ワークの受け取りや引き渡しを好適に実施するための板状ワークの移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ガラスや薄型大型基板などの製造工程では、これら液晶ガラスや薄型大型基板などの板状ワークが格納棚(ストッカ)に格納され、又は格納棚から適宜引き出される。また、搬送装置に対してワークの引き渡しが行われる。この場合、ワークの受け取りや引き渡しは移載装置を介して行われる。移載装置としては、櫛歯状のフォーク部材を用いた構成が知られており、ワークを搭載した状態でフォーク部材を昇降及び回転動作させることで、ワークが所望の位置に移載されるようになっている(例えば特許文献1参照)。また、本願発明者らは、フォーク部材によるワークの受け取りや引き渡しを好適に実施するべく、フォーク部材に複数の吸着部材やエア噴出部材などを設け、これらによりワークを吸着状態で接触支持する、或いは浮上状態で非接触支持することなどを検討している。
【0003】
しかしながら、近年ではワークの大型化や薄型化が進む傾向にあり、こうした実状においてはワークの受け取りや引き渡しを行う上で種々の支障が生じるおそれがあった。すなわち、ワークの大型化に伴いフォーク部材を大型化することが必要になるが、その際、フォーク部材のワーク載置面における加工精度が出にくく、ワーク載置面の高低差が生じてしまう(例えばコンマ数mm〜数mm程度)。特にフォーク先端側ではこうした高低差が大きくなる。また、格納棚におけるワークの収容効率を改善するには、各格納階の間隔(ワーク間ピッチ)を狭くし、更にそれに合わせてフォーク部材を薄型化することが考えられるが、フォーク部材が薄型化されると、ワーク載置面の高低差のばらつきがより一層助長される。
【0004】
こうしてワーク載置面の高低差が生じると、フォーク部材に複数の吸着部材やエア噴出部材を設けた場合にそれら各部材の高さが相違し、それが原因でワークに局部集中の荷重が作用したり、非接触状態でのワークの保持が困難になったりする等の問題が生じる。この問題を図9により具体的に説明する。図9において、(a)は複数の櫛歯部102を有するフォーク部材101の平面図であり、(b),(c)はそれぞれ(a)のB−B線断面図である。このうち(b)はワークWを吸着部材103により接触支持する状態を示し、(c)はワークWを複数のエア噴出部材104により非接触支持する状態を示す。吸着部材103、エア噴出部材104はいずれも多孔質パッドにより構成されている。なお図9では、説明の便宜上、フォーク部材101における各櫛歯部102の高低差を誇張して示している。
【0005】
図9の(b)に示すように、フォーク部材101において左右の各櫛歯部102に高低差があると、各吸着部材103の吸着面ではワークWが水平状態となるのに対し、櫛歯部102間では高低差に応じた撓み変形が生じる。この場合、ワークWには水平部分と傾斜部分とができ、吸着部材103の上隅部において集中的に荷重が作用する。そしてこれにより、ワークWが局部的に変形したり損傷したりするおそれがあった。
【0006】
また、図9の(c)の場合には、エア噴出部材104の上面に対してワークWが傾くため、エア噴出部材104から噴出されたエアの多くが片側に逃げてしまい、このエア漏れによりワークWに十分な浮上力が作用しないという不都合が生じる。これにより、ワークWがエア噴出部材104の上隅部に接触してしまい、非接触支持することの本来の目的が消失されるという問題が生じる。
【特許文献1】特開2005−142480号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、液晶ガラスや薄型大型基板などの板状ワークを所望とする状態で保持し、当該板状ワークの受け取りや引き渡しを好適に実施することができる板状ワークの移載装置を提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下では、理解を容易にするため、発明の実施の形態において対応する構成例を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0009】
手段1.複数の櫛歯部(櫛歯部14)を有するフォーク部材(フォーク13)を備え、該フォーク部材により板状ワーク(ワークW)の受け取り又は引き渡しを行う板状ワークの移載装置において、
前記フォーク部材における各櫛歯部の上面に、前記板状ワークに対向する対向面(エア噴出面51a)を有し微細孔を通じて気体を噴出させる又は吸引作用を生じさせる多孔質体(多孔質体51)を備えた複数の多孔質ユニット(多孔質ユニット30)を設け、該多孔質ユニットに、対向する板状ワークの傾きに応じて揺動する揺動機構(支持体31、揺動本体41)を付加したことを特徴とする板状ワークの移載装置。
【0010】
手段1の移載装置において、フォーク部材の各櫛歯部の上面に設けられた多孔質ユニットには、板状ワークに対向する対向面を有する多孔質体が設けられており、多孔質体の微細孔を通じて気体が噴出する又は吸引作用が生じることにより、板状ワークが浮上保持(非接触保持)又は吸着保持される。そして、その浮上保持又は吸着保持された状態で板状ワークの受け取り又は引き渡しが行われる。この場合、各櫛歯部には高低差が生じるため、段違いのワーク搭載面に板状ワークが搭載されることになり、板状ワークに局部的な変形や損傷などが生じるおそれがあった。この問題は、板状ワークを浮上保持する場合には、多孔質体に対して板状ワークが傾くことで片側が側方に逃げてしまい十分な浮上力が作用しないことに起因する。また、板状ワークを吸着保持する場合には、板状ワークに水平部分と傾斜部分とができ、荷重の集中が生じることに起因する。
【0011】
この点本手段によれば、多孔質ユニットには、対向する板状ワークの傾きに応じて揺動する揺動機構が付加されているため、各多孔質体のワーク対向面は、各々対面する板状ワークの傾きに応じた角度に自動調整される。これにより、板状ワークの撓み状態に則して多孔質ユニットが揺動し、板状ワークからの負荷(重量)を面全体で受けることができるようになる。例えば、板状ワークを浮上保持する場合には、板状ワークと多孔質体のワーク対向面とが常に平行状態で保たれる。この場合、各櫛歯部の高低差が吸収され、板状ワークにおける局部的な変形や損傷などが解消される。その結果、液晶ガラスや薄型大型基板などの板状ワークを所望とする状態で保持し、当該板状ワークの受け取りや引き渡しを好適に実施することができる。
【0012】
手段2.前記揺動機構は、前記櫛歯部に固定された固定部材(支持体31)と、前記多孔質体を有してなり前記固定部材に揺動可能に支持された揺動部材(揺動本体41)とを備え、
前記固定部材及び前記揺動部材に、各々連通され、一端が前記多孔質体に繋がるようにして気体通路(エア通路35,54、流通段部53)を形成したことを特徴とする手段1に記載の板状ワークの移載装置。
【0013】
手段2によれば、固定部材及び揺動部材に形成された各気体通路が連通され、その気体通路の一端が多孔質体に繋がっているため、多孔質体に対する気体の供給や引き込みを気体通路を介して適正に行うことができる。
【0014】
手段3.前記固定部材又は前記揺動部材のいずれか一方に球体部(球体部34)を設けるとともに、他方に前記球体部の外面に当接した状態で当該球体部を収容する収容部(上側凹部44、下側凹部48)を設けたことを特徴とする手段2に記載の板状ワークの移載装置。
【0015】
手段3によれば、収容部内において球体部が任意の方向に回転することにより、固定部材に対する揺動部材の向き(角度)が任意に調整される。これにより、上記のとおり多孔質ユニットの揺動動作が実現できる。またこのとき、球体面を用いて揺動機構が構成されるため、滑らかな揺動動作が実現できる。
【0016】
手段4.前記櫛歯部内に気体通路(エア通路16)を形成し、該気体通路を介して前記多孔質ユニットに対する気体の流入又は流出を行わせることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の板状ワークの移載装置。
【0017】
手段4によれば、櫛歯部内に形成された気体通路を介して多孔質ユニットに対する気体の流入又は流出が行われる。この場合、複数の多孔質ユニットに対して同時に気体の供給や引き込みを行うことができる。また、各多孔質ユニットで気体噴出状態と吸引状態とを切り替える場合において、その切り替えを容易に行うこともできる。
【0018】
手段5.前記フォーク部材に、前記揺動機構を備えた多孔質ユニットと、前記揺動機能を備えていない多孔質ユニットとを設けたことを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の板状ワークの移載装置。
【0019】
手段5によれば、フォーク部材に設けられる全ての多孔質ユニットに揺動機構が付加されるのではなく、必要に応じて揺動機構が付加される。そのため、板状ワークの受け取りや引き渡しを行う上で所望とする効果を確保し、しかも揺動機構をあらたに付加することに伴うコスト上昇を最小限に抑えることができる。
【0020】
この場合、フォーク部材において、板状ワークの撓み変形が生じやすい部位や、その撓み変形に追従して多孔質ユニットを揺動させないと不都合が生じる部位の多孔質ユニットには揺動機構を付加し、他の部位の多孔質ユニットには揺動機構を付加しないようにした構成が考えられる。より具体的には、例えば、板状ワークの外縁部付近における多孔質ユニットには揺動機構を付加し、他の部位の多孔質ユニットには揺動機構を付加しない構成や、フォーク部材の先端部における多孔質ユニットには揺動機構を付加し、他の部位の多孔質ユニットには揺動機構を付加しない構成が考えられる。
【0021】
手段6.前記多孔質体を多孔質の合成樹脂材料にて作製したことを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の板状ワークの移載装置。
【0022】
手段6によれば、多孔質体が合成樹脂材料にて作製されているため、板状ワークとの接触状態における損傷等を抑制することができる。なお、多孔質体の表面には表面粗さが小さくなるように仕上げ加工が施されていると良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態は、液晶ガラスや薄型大型基板といった板状のワークを搬送装置や格納棚(ストッカ)との間で受け取り及び引き渡しするための移載システムを具体化するものであり、移載ロボットよりなる移載装置では、ハンドリングアームであるフォーク部材上においてワークが浮上状態で支持(非接触支持)されるとともに、このフォーク部材によりワークの受け取り及び引き渡しが行われるようになっている。
【0024】
図1は、本実施の形態における移載システムを示す概略図である。図1に示すように、本移載システムは、移載装置10と格納棚(ストッカ)20とを備えており、これら移載装置10と格納棚20との間でワークWの受け取り及び引き渡しが行われる。格納棚20は、複数のワークWを多段に格納可能なものであり、複数の格納階21ごとにワークWが格納できる構成となっている。
【0025】
移載装置10は、主要な構成として本体部11と、本体部11上に載置されたテーブル部12と、ワークWを浮上状態で保持するための櫛歯状のフォーク13とを備えている。本体部11は、テーブル部12を上下方向に昇降させる昇降機能と同テーブル部12を任意の方向に回転させる回転機能とを有しており、図示しない制御装置からの指令に従い本体部11が動作することにより、テーブル部12の高さ位置及び回転位置が望み通りに調整できるようになっている。
【0026】
また、テーブル部12は、フォーク13を水平方向に直線動作させるための機能を有している。フォーク13は、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic)など軽量かつ高剛性の材料により作製されており、その内部の気体通路を介してエア等の気体を上方に噴出させることによりワークWを浮上状態で保持する機能を有している。ただしその詳細は後述する。
【0027】
上記移載装置10が格納棚20の正面に位置する状態で、フォーク13が格納棚20の所定階に向けて移動することにより、格納棚20の入口部からフォーク13が格納棚20内に進入する。そして、その状態でワークWの受け取り又は引き渡しが行われる。
【0028】
なお図示は省略するが、本移載システムが設置された床面には複数のレールが敷設されており、移載装置10や格納棚20はレールに沿って各々移動可能となっている。移載装置10において、フォーク13を所望の位置に移動させるための構成としては、平行四辺形リンク機構を有するロボットや、多関節構造を有する任意の多軸ロボット等を採用することも可能である。
【0029】
次に、フォーク13の構成を説明する。図2はフォーク13の平面図であり、図3は図2のA−A線断面図である。また、図4は、フォーク13に設けられた多孔質ユニット30を拡大して示す断面図である。
【0030】
図2及び図3に示すように、フォーク13は複数(本実施の形態では4本)の櫛歯部14を有しており、その櫛歯部14は基幹部15により連結されている。櫛歯部14及び基幹部15は中空状をなしており、その中空部はエア通路16となっている。また、各櫛歯部14の上面には取付ネジ孔17が形成されており、その取付ネジ孔17にはそれぞれ多孔質ユニット30がネジ締め固定されている。この多孔質ユニット30にはエア通路16を介してエアが供給される。
【0031】
この場合、ワークWを浮上保持した状態で撓み解析を行い、その解析結果に基づいてフォーク13における各多孔質ユニット30の設置の個数や位置を決定すると良い。これにより、ワークWの保持状態の適正化が可能になるとともに、多孔質ユニット30の設置個数を最小限にすることができる。なお、各多孔質ユニット30によるエア浮上時の負荷量は1000g/1個程度であると良い。
【0032】
本実施の形態では特に、多孔質ユニット30に、対向するワークWの傾きに応じて揺動する揺動機構(首振り機構とも言える)を付加する構成としており、その揺動機構について以下に詳しく説明する。
【0033】
図4に示すように、多孔質ユニット30は、フォーク13の櫛歯部14に固定される固定部材としての支持体31と、その支持体31によって揺動自在に支持される揺動部材としての揺動本体41とを備えている。支持体31は上下方向に延びる軸部32を有し、その基端部には取付ネジ部33が形成されている。また、軸部32の先端側には球面形状をなす支持部としての球体部34が形成されている。支持体31には、球体部34の上端と取付ネジ部33の底面とに開口するエア通路35が設けられている。軸部32の中心軸線は取付ネジ部33、球体部34及びエア通路35の中心を通る上下方向の中心線と一致し、それは多孔質ユニット30全体の中心線とされている。そして、多孔質ユニット30を構成する後述の各部及び各部材はこの中心線を基準として設けられている。
【0034】
また、揺動本体41は円柱形状の外形をなし、上部構成体42と下部構成体43とにより構成されている。両構成体42,43は同一の横断面積を有する。上部構成体42にはその下面の中央部に、球体部34の上部を収容可能な上側凹部44が形成されている。上側凹部44を形成する側壁は周全体にわたり被支持部としての上側テーパ面45とされ、上側凹部44は下向きのすり鉢状に形成されている。上側凹部44の下側開口縁部は段差状に形成されて環状溝46が設けられており、その環状溝46にはシール手段としてのOリング47が収容されている。Oリング47の内径部は、周方向全体にわたり球体部34の球面34aに当接した状態となっている。このOリング47により、球体部34、上部構成体42及び下部構成体43の三者間がシールされ、揺動本体41の内部を流通するエアが外部に漏れることが防止されるようになっている。
【0035】
下部構成体43にはその上面の中央部に、球体部34の下部を収容可能な下側凹部48が形成されている。下側凹部48を形成する側壁は周全体にわたり当接面としての下側テーパ面49とされ、下側凹部48は上向きのすり鉢状に形成されている。下側テーパ面49は前記上側テーパ面45と対称な形状となっている。また、下側凹部48の底部は下部構成体43の下面に貫通しており、下部構成体43の下面中央部には前記支持体31の軸部32よりも拡径された貫通孔50が形成されている。
【0036】
上部構成体42と下部構成体43とは各々の対向面が接合されて図示しないボルト等の固定手段により固定されている。そして図4に示す状態において、上側凹部44と下側凹部48とにより形成された収容空間に支持体31の球体部34が収容され、貫通孔50を介して軸部32と取付ネジ部33が下部構成体43の下面から突出している。球体部34の球面34aは上側テーパ面45と下側テーパ面48とに当接した状態となっており、上側凹部44と下側凹部48とにより形成された収容空間内において球体部34が任意の方向に回転可能となっている。上記構成により、揺動本体41は支持体31に対して揺動自在でかつ安定状態で保持されるようになっている。
【0037】
また、揺動本体41は多孔質体51を備え、その多孔質体51の上面であるエア噴出面51aからエアが噴出されるように構成されている。その詳しい構成は以下の通りである。
【0038】
揺動本体41を構成する上部構成体42には、平坦面である上面に円形凹部52が形成されており、その円形凹部52には上部構成体42の上面から突出した状態で多孔質体51が組み付けられている。多孔質体51は、所定厚さ寸法を有する円盤状をなし、多孔質の合成樹脂材料にて作製されている。円形凹部52の底面には流通段部53が形成され、さらにその下方にはエア通路54が形成されている。流通段部53は揺動本体41のエア通路54及び支持体31のエア通路35に連通しており、これらエア通路35,54を介して流通段部53にエアが供給されると、そのエアが多孔質体51の微細孔を通過し、そのエア噴出面51aから噴出される。
【0039】
上記構成の多孔質ユニット30では、多孔質体51のエア噴出面51aからエアが噴出されると、このエア噴出により浮上力が発生し、多孔質体51のエア噴出面51a(多孔質ユニット30の上面)に載置されたワークWが浮上する。このとき、図5に示すように、多孔質体51のエア噴出面51aに対向するワークWの傾きに応じて揺動本体41が揺動し、支持体31に対して傾斜する。つまり、多孔質体51のエア噴出面51aでは、その全面においてほぼ均等な状態でエア噴出が行われ、その際ワークWが傾いていればそれに追従して揺動本体41が動揺し、多孔質体51のエア噴出面51aとワークWとが平行になった状態で保持される。したがって、多孔質体51のエア噴出面51a(多孔質ユニット30の上面)に対してワークWが傾き、それに起因してエア漏れが生じて十分な浮上力が生じないといった不都合が解消される。
【0040】
なお、支持体31の軸線に対して揺動本体41の軸線が傾いても、支持体31及び揺動本体41に各々設けられたエア通路35,54が塞がる等の不都合は生じない。そのため、図5のような傾斜状態でも、非傾斜時と同等の浮上力がワークWに作用し、適正なワーク浮上状態が保たれる。
【0041】
図6は、フォーク13の各櫛歯部14に高低差が生じた場合における多孔質ユニット30とワークWの状態を示す概略図である。図6には、フォーク13を櫛歯部14の先端側から見た状態を模式的に示している。
【0042】
図6において、左右の櫛歯部14には図示のような高低差が生じており、それに伴いワークWは図の右側が下になるように撓み変形している。この場合、ワークWの傾きに追従して多孔質ユニット30が揺動するため、多孔質体51のエア噴出面51aはワークWの傾きに応じた角度に自動調整される。これにより、多孔質体51のエア噴出面51a(多孔質ユニット30の上面)とワークWとが平行状態のまま保持され、ワークWの撓み状態(傾き)にかかわらず、多孔質ユニット30はワークWからの負荷(重量)を面全体で受けることができる。故に、上記のとおりエア漏れが解消され、ワークWが好適なる浮上状態で保持される。
【0043】
図1の移載システムにおいて、格納棚20に格納されたワークWを受け取る際には、移載装置10を次のように動作させる。すなわち、まずは移載装置10を格納棚20の正面に移動させ、所定の格納階21に格納されたワークWの下方にフォーク13を差し込む。次に、各櫛歯部14のエア通路16を介して多孔質ユニット30に加圧エア(0.1〜0.2MPa程度の正圧エア)を供給し、各多孔質体51のエア噴出面51a(多孔質ユニット30の上面)からエアを噴出させる。そしてその状態で、フォーク13を上動させてワークWに近づける。このフォーク13の接近に伴いワークWが浮上する。また、多孔質ユニット30にワークWの重量が作用した時点で揺動機構が作動し、その際ワークWが傾いていればその傾きに合わせて多孔質ユニット30が揺動し、多孔質ユニット30の上面とワークWとが平行状態とされる。
【0044】
その後、ワークWを浮上状態で載せたまま、フォーク13を水平方向に移動させる。これにより、ワークWが浮上状態のまま、別の搬送装置などに対して移送される。この移送時において、ワークWに揺れが生じることもあるが、その揺れも揺動機構により吸収される。故に、ワーク移送時における損傷も抑制できる。
【0045】
以上詳述した本実施の形態によれば、多孔質ユニット30に、ワークWの傾きに応じて揺動する揺動機構を付加したため、フォーク13の各櫛歯部14に高低差が生じていてもその高低差を吸収することができ、ワークWを確実に浮上状態で保持(非接触保持)することができる。これにより、ワークWにおける局部的な変形や損傷などが解消される。その結果、液晶ガラスや薄型大型基板などのワークWを所望とする状態で保持し、当該ワークWの受け取りや引き渡しを好適に実施することができる。
【0046】
揺動機構を、支持体31に球体部34を設けるとともに、その球体部34を揺動本体41に形成した収容空間にて回転可能に収容するように構成したため、上記のとおり多孔質ユニット30の所望の揺動動作が実現できる。またこのとき、球体部34の球体面34aに接触しながら揺動本体41が動作するため、任意の方向において滑らかな揺動動作が実現できる。
【0047】
なお、本発明は上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施しても良い。
【0048】
上記実施の形態では、揺動機構を、支持体31に球体部34を設けるとともに、その球体部34を揺動本体41に形成した収容空間にて回転可能に収容するように構成したが、この構成を変更しても良い。例えば、上記構成とは逆に、揺動本体に球体部を設けるとともに、支持体に収容空間を形成する。そして、支持体に形成した収容空間に揺動本体の球体部を回転可能に収容するように構成する。また、支持体(固定部材)又は揺動本体(揺動部材)に設けられる球体部は、半球状とすることも可能であり、要は球状面を有する構成であれば良い。
【0049】
フォーク13の上面に、ワークWの位置ずれを防止するための突起部材を設けることも可能である。これにより、フォーク13上でワークWの位置ずれが生じたり、フォーク13からワークWが落下したりする等の不都合が抑制できる。
【0050】
上記実施の形態では、移載装置10において、フォーク13の各櫛歯部14に複数の多孔質ユニット30を設け、この多孔質ユニット30からエアを噴出させることによりワークWを浮上状態(非接触状態)で保持しその状態で移送する構成としたが、これを変更する。例えば、多孔質ユニット30により吸引作用を生じさせることによりワークWを吸着状態で保持し、その状態で移送する構成としても良い。なお、多孔質ユニット30の構成としては何ら変更はないが、多孔質体51の上面がエア噴出面ではなく吸着面として機能するようになることのみ相違する。
【0051】
図7は、多孔質ユニット30により吸引作用を生じさせた場合におけるワークWの保持状態を示す概略図である。図7には、フォーク13を櫛歯部14の先端側から見た状態を模式的に示している。
【0052】
図7において、左右の櫛歯部14には図示のような高低差が生じており、それに伴いワークWは図の右側が下になるように撓み変形している。そして、各櫛歯部14のエア通路16を介してエア吸引を行うことにより、ワークWが多孔質体51の吸着面に吸着され、その際ワークWの傾きに追従して多孔質ユニット30が揺動する。この場合、多孔質ユニット30の揺動により、ワークWに局部的な変形や損傷などが生じることが抑制される。ワークWの吸着歪みを少なくすることもできる。故に、ワークWを浮上状態で移送する場合と同様に、液晶ガラスや薄型大型基板などのワークWを所望とする状態で保持し、当該ワークWの受け取りや引き渡しを好適に実施することができる。またこの場合、合成樹脂製の多孔質体51を用いることにより、多孔質体51との吸着部分におけるワークWの損傷等を抑制することができる。なお、多孔質体51の表面には表面粗さが小さくなるように仕上げ加工が施されていると良い。
【0053】
また、フォーク13を、多孔質ユニット30のエア噴出によりワークWを浮上保持できる機能と、同多孔質ユニット30の吸引作用によりワークWを吸着保持できる機能とを併せ持つものとして構成しても良い。この場合、フォーク13のエア通路16を介してエア供給を行う状態と、同エア通路16を介してエア吸引を行う状態とを切り替え可能とする。こうして、浮上機能と吸着機能とを併せ持つことにより、以下のような使い方が可能となる。例えば、格納棚20から搬送装置などへワークWを移送する場合において、格納棚20の格納階21からワークWを受け取る際には、多孔質ユニット30に加圧エア(0.1〜0.2MPa程度の正圧エア)を供給してそれに伴うエア噴出によりワークWを浮上させる。そしてその後、ワークWを他の搬送装置等に移送する際には、多孔質ユニット30に対するエア吸引(−70〜−90kPa程度の負圧による吸引)によりワークWを多孔質ユニット30に吸着させる。この場合、ワーク移送時に、フォーク13上でワークWががたついたり、フォーク13からワークWが落下したりする等の不都合が解消される。また、フォーク13を傾けたりすることが可能となる。
【0054】
上記実施の形態では、フォーク13において各櫛歯部14に設けた全ての多孔質ユニット30に揺動機構を付加したが、これを変更し、揺動機構を備えた多孔質ユニットと、揺動機能を備えていない多孔質ユニットとからなる2種類の多孔質ユニットをフォーク部材に設けるようにしても良い。この場合、フォーク13において、ワークWの撓み変形が生じやすい部位や、その撓み変形に追従して多孔質ユニットを揺動させないと不都合が生じる部位の多孔質ユニットについては揺動機構を付加し、他の部位の多孔質ユニットには揺動機構を付加しないようにする。より具体的には、図8の(a)に示すように、ワークWの外縁部付近における多孔質ユニット(図8において塗りつぶしで示すUA)には揺動機構を付加し、他の部位の多孔質ユニットには揺動機構を付加しない構成が考えられる。又は、図8の(b)に示すように、フォーク13の先端部(これは、各櫛歯部14の高低差の影響を最も受ける部位に相当する)における多孔質ユニット(図8において塗りつぶしで示すUB)には揺動機構を付加し、他の部位の多孔質ユニットには揺動機構を付加しない構成が考えられる。
【0055】
フォーク13に設けられる全ての多孔質ユニットに揺動機構が付加されるのではなく、必要に応じて揺動機構が付加されるため、ワークWの受け取りや引き渡しを行う上で所望とする効果を確保し、しかも揺動機構をあらたに付加することに伴うコスト上昇を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】ワーク移載システムの概略を示す図である。
【図2】フォークの平面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】フォークに設けられた多孔質ユニットを拡大して示す断面図である。
【図5】多孔質ユニットの揺動状態を示す断面図である。
【図6】フォークの各櫛歯部に高低差が生じた場合におけるワークの浮上保持状態を示す概略図である。
【図7】フォークの各櫛歯部に高低差が生じた場合におけるワークの吸着保持状態を示す概略図である。
【図8】揺動機構を付加した多孔質ユニットと揺動機構を付加していない多孔質ユニットとの配置例を示す図である。
【図9】従来技術の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
【0057】
10…移載装置、13…フォーク、14…櫛歯部、16…エア通路、30…多孔質ユニット、31…支持体、34…球体部、35…エア通路、41…揺動本体、44…上側凹部、48…下側凹部、51…多孔質体、51a…エア噴出面、53…流通段部、54…エア通路、W…ワーク。




 

 


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