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発明の名称 焼結鉱の水分上昇防止方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−145457(P2007−145457A)
公開日 平成19年6月14日(2007.6.14)
出願番号 特願2005−339564(P2005−339564)
出願日 平成17年11月25日(2005.11.25)
代理人 【識別番号】100105968
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 憲一郎
発明者 主代 晃一 / 市川 孝一
要約 課題
ヤードに貯積される焼結鉱の水分上昇防止方法を低コストで提供し、これにより高炉に装入される焼結鉱の水分含有量を減少させること。

解決手段
予め撥水材をコーティングした焼結鉱を、屋外のヤードに貯積することを特徴とする焼結鉱の水分上昇防止方法を用いる。焼結鉱をヤードへ搬送および/または積み付ける過程で、撥水材を前記焼結鉱に散布することにより前記撥水材で前記焼結鉱をコーティングすること、撥水材としてフッ素系撥水材料、シリコーン系撥水材料、ワックス系撥水材の中から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
特許請求の範囲
【請求項1】
予め撥水材をコーティングした焼結鉱を、屋外のヤードに貯積することを特徴とする焼結鉱の水分上昇防止方法。
【請求項2】
焼結鉱をヤードへ搬送および/または積み付ける過程で、撥水材を前記焼結鉱に散布することにより前記撥水材で前記焼結鉱をコーティングすることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の水分上昇防止方法。
【請求項3】
撥水材としてフッ素系撥水材料、シリコーン系撥水材料、ワックス系撥水材の中から選ばれる1種以上を用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の焼結鉱の水分上昇防止方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外のヤードに貯積する焼結鉱の水分上昇を防止する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、屋外のヤードに貯積した原料を高炉に装入すると高炉の通気性、炉頂温度、還元材比等が悪化することが知られている。これは、ヤードに貯積した原料が、降雨により含水し、水分を炉内に持ち込むとともに、原料の含有水分上昇により塊状の原料に粉がより多く付着するようになり、高炉装入前の篩分けにおいても粉を除去することが困難となるため、高炉内に多量の粉を持ち込むことにより生じている。
【0003】
このような問題を解決するために、原料(鉱石)水分を測定し、高水分の場合は付着粉を分離する工程に送った後、整粒工程を経て高炉に供給する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
一方で、ヤードに貯積する原料の水分上昇を防止することができれば、原料に付着する粉の量も減少し、高炉の熱効率の改善や、安定操業が可能となる。原料水分上昇の防止方法として、原料と防水剤とを混合し転圧してヤードに固結層を形成し、その上に原料を山積みする方法(例えば、特許文献2参照。)、ヤード貯蔵物の表面を被覆する表面被覆剤(例えば、特許文献3参照。)を用いる方法、野積貯蔵石炭山の表面コーティング方法(例えば、特許文献4参照。)が提案されている。
【0005】
さらに、原料の含水量低減方法として、ヤードに野積みする原材料である「ばら物」中および/又は「ばら物」表面に、吸収性樹脂からなる吸水体成形物を散在させることで、「ばら物」の付着水分または雨水を吸水体に吸水させる方法(例えば、特許文献5参照。)の提案がある。
【特許文献1】特開昭61−48507号公報
【特許文献2】特開平3−211106号公報
【特許文献3】特許第2960798号公報
【特許文献4】特公昭62−12122号公報
【特許文献5】特開昭61−60784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の従来技術のうち、特許文献1に記載の方法では、原料に付着した付着粉を分離する工程として新たな設備が必要となり、コスト高であるという問題がある。
【0007】
また、特許文献2〜4に記載の方法では、ヤードに貯積される原料が焼結鉱である場合、焼結鉱は平均粒径20mm程度の粒であり、粒間の空隙が広く非常に雨水が浸透しやすいため、貯積された山への水分の浸透を防止する方法では十分に水分上昇を防止できない。
【0008】
さらに、特許文献5に記載の方法を焼結鉱に用いても、焼結鉱に付着吸水され浸透した雨水の除去は困難であるのが現状である。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、ヤードに貯積される焼結鉱の水分上昇防止方法を低コストで提供し、これにより高炉に装入される焼結鉱の水分含有量を減少させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(1)予め撥水材をコーティングした焼結鉱を、屋外のヤードに貯積することを特徴とする焼結鉱の水分上昇防止方法。
(2)焼結鉱をヤードへ搬送および/または積み付ける過程で、撥水材を前記焼結鉱に散布することにより前記撥水材で前記焼結鉱をコーティングすることを特徴とする(1)に記載の焼結鉱の水分上昇防止方法。
(3)撥水材としてフッ素系撥水材料、シリコーン系撥水材料、ワックス系撥水材の中から選ばれる1種以上を用いることを特徴とする(1)または(2)に記載の焼結鉱の水分上昇防止方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、屋外のヤードに貯積する焼結鉱の水分の上昇を防止することができる。これにより、高炉に装入される焼結鉱の水分含有量が減少するので、高炉の熱効率が改善されて、高炉の安定操業が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明者等は、ヤードに貯積する焼結鉱の吸水状況の調査および各種水分上昇の防止方法の試験の結果、貯積された山積み状態の焼結鉱ではなく、個々の焼結鉱粒に撥水材をコーティングすることが、降雨による水分の上昇防止に最も効果があることを見出し、本発明を完成した。
【0013】
即ち、本発明は、予め撥水材をコーティングした焼結鉱を、屋外のヤードに貯積することを特徴とする焼結鉱の水分上昇防止方法であり、これにより高炉に装入する焼結鉱の含有水分量の上昇を防止する。
【0014】
したがって、ヤードにおいて貯積された山積みの状態が完成する前に、個々の焼結鉱をコーティングされた状態とする必要があり、コーティング方法としては、焼結鉱をヤードへ搬送および/または積み付ける過程で、撥水材を焼結鉱に散布することにより撥水材で焼結鉱をコーティングすることが好ましい。
【0015】
また、撥水材としてフッ素系撥水材料、シリコーン系撥水材料、ワックス系撥水材の中から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
【0016】
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。
【0017】
図1は、本発明に係るヤードに貯積される焼結鉱の水分上昇防止方法の工程例を説明するフロー図である。一般に、焼結鉱は焼結機1での焼成工程を経て製造されベルトコンベアー2を介して直接高炉3に装入される。したがって通常高炉に装入される焼結鉱に水分はほとんど存在しない。しかしながら、焼結機の停止時にはスタッカー・リクレーマー4を介して屋外のヤードに貯積した焼結鉱5を高炉に装入することになり、この際に降雨等により焼結鉱の水分含有量が増加するため、従来より高炉の操業に悪影響を及ぼしていた。
【0018】
そこでヤードに野積み、すなわち屋外に貯積される焼結鉱5の水分上昇を防止するため、本発明においては焼結鉱の個々の粒の表面に撥水材をコーティングする。ヤードに貯積される焼結鉱は平均粒径20mm程度の粒であり、粒間の空隙が広く非常に雨水が浸透しやすい。そこで、焼結鉱粒個々に撥水材をコーティングすることが、降雨による水分の上昇防止に効果がある。
【0019】
すなわち、本発明においては屋外のヤードに貯積する焼結鉱に、貯積に際し予め撥水材をコーティングする。ここで使用される撥水材の種類に関しては特に制限は無いが、フッ素系撥水材料、シリコーン系撥水材料、ワックス系撥水材などが好適に使用できる。
【0020】
次に、発明者らは、上述した所定の効果を有する焼結鉱を得るためのコーティング方法について検討した。その結果、前記撥水材は、ヤードへの搬送過程でのコーティング装置6または積み付け過程でのコーティング装置7により焼結鉱に散布することが好ましいことが分かった。これは搬送過程または積み付け過程での焼結鉱の転動により、コーティング材を焼結鉱表面に行き渡らせることが容易であるためである。
【0021】
ここで焼結鉱にコーティングするコーティング材の量に関しては特に制限するものではないが、撥水効果と経済性を加味すると、焼結鉱に対し0.01mass%程度とすることが好ましい。ヤードに貯積される焼結鉱はヤードでの滞留期間が鉱石や石炭の粉原料に比べると短いため、個々の焼結鉱を完全に覆うようなコーティングは必要ない。
【0022】
さらに、焼結鉱に撥水材をコーティングさせているため、雨水が撥水して水分の吸収を防止する他、貯積された焼結鉱をヤードから切り出し高炉へ送給する際の振動によっても付着水分は落下除去されており、水分上昇防止方法として非常に有効なことが観察された。
【0023】
本発明に係る技術は、高炉用装入原料である焼結鉱のヤード貯積時の水分上昇防止技術として特に有用であるが、コークスや塊鉱石等の他の高炉装入用原料の水分上昇防止技術としても利用することができる。
【実施例1】
【0024】
高炉の休風の際に焼結機で製造された焼結鉱をヤード貯積するにあたり、搬送コンベアー上にある焼結鉱に対し、シリコーン系撥水材を散布し、スタッカーを介し屋外のヤードに貯積した。シリコーン系撥水材としてジメチルシリコーンオイルを使用し、焼結鉱1t当たり撥水材100gの散布量となるよう調整した。ヤードに貯積された焼結鉱を約100kg採取し、雨のあたらない屋内に貯積し、1週間に1回3リットルの水を焼結鉱に散布し、3ケ月後に水分を測定した。比較のため撥水材をコーティングしていない焼結鉱についても、ヤードに貯積したものと、雨のあたらない屋内に貯積したものとについて、同様の試験を実施した。
【0025】
屋内に貯積した場合、撥水材をコーティングした焼結鉱は水分含有量が2mass%となり、コーティングしない焼結鉱は4mass%であった。撥水材をコーティングした場合はコーティングしない場合に比較して水分が低く、水分上昇を防止する効果が認められた。
【0026】
また、屋外のヤードに貯積された焼結鉱は約1ケ月で消費されたが、撥水材をコーティングした場合は高炉に装入される前の水分含有量の測定結果は3.5mass%であった。コーティングを実施しない場合の焼結鉱の水分は6.1mass%であり、水分上昇防止効果がヤードに貯積された焼結鉱においても認められた。
【実施例2】
【0027】
高炉の休風の際に焼結機で製造された焼結鉱をヤード貯積するにあたり、スタッカーから落下している焼結鉱に対し、シリコーン系撥水材を散布し、ヤードに貯積した。シリコーン系撥水材としてジメチルシリコーンオイルを使用し、焼結鉱1t当たり撥水材100gの散布量となるよう調整した。ヤードに貯積された焼結鉱を約100kg採取し、屋内に貯蔵し、1週間に1回3リットルの水を焼結鉱に散布し、3ケ月後に水分を測定した。比較のため撥水材をコーティングしていない焼結鉱についても同様に、ヤードに貯積したものと、雨のあたらない屋内に貯積したものとについて試験を実施した。
【0028】
屋内に貯積した場合、撥水材をコーティングした焼結鉱は水分含有量1.8mass%となり、コーティングしない焼結鉱の4mass%と比較して水分が低く、水分上昇を防止する効果が認められた。
【0029】
ヤードに貯積された焼結鉱は約1ケ月で消費されたが、高炉に装入される前の水分含有量測定結果は、撥水材をコーティングした場合は3.0mass%であった。コーティングを実施していない焼結鉱の水分は6.1mass%であり、水分上昇防止効果がヤードに貯積された焼結鉱においても認められた。
【実施例3】
【0030】
高炉の休風の際に焼結機で製造された焼結鉱をヤード貯積するにあたり、スタッカーから落下している焼結鉱に対し、フッ素系撥水材を散布し、ヤードに貯積した。フッ素系撥水材としてポリテトラフルオロエチレンを使用し、焼結鉱1t当たり撥水材100gの散布量となるよう調整した。ヤードに貯積された焼結鉱を約100kg採取し、屋内に貯蔵し、1週間に1回3リットルの水を焼結鉱に散布し、3ケ月後に水分を測定した。比較のため撥水材をコーティングしていない焼結鉱についても、ヤードに貯積したものと、雨のあたらない屋内に貯積したものとについて同様の試験を実施した。
【0031】
屋内に貯積した場合、撥水材をコーティングした焼結鉱は水分含有量2.7mass%となり、コーティングしない焼結鉱の4mass%とくらべ水分が低く、水分上昇を防止する効果が認められた。
【0032】
ヤードに貯積された焼結鉱は約1ケ月で消費されたが、高炉に装入される前の水分含有量測定結果は撥水材をコーティングした場合は4.0mass%であった。コーティングを実施していない焼結鉱の水分は6.1mass%であり、水分上昇防止効果がヤードに貯積された焼結鉱においても認められた。
【実施例4】
【0033】
高炉の休風の際に焼結機で製造された焼結鉱をヤード貯積するにあたり、スタッカーから落下している焼結鉱に対し、ワックス系撥水材を散布し、ヤードに貯積した。ワックス系撥水材として流動パラフィンを使用し、焼結鉱1t当たり撥水材100gの散布量となるよう調整した。ヤードに貯積された焼結鉱を約100kg採取し、屋内に貯蔵し、1週間に1回3リットルの水を焼結鉱に散布し、3ケ月後に水分を測定した。比較のため撥水材をコーティングしていない焼結鉱についてもヤードに貯積したものと、雨のあたらない屋内に貯積したものとについて同様の試験を実施した。
【0034】
屋内に貯積した場合、撥水材をコーティングした焼結鉱は水分含有量2.9mass%となり、コーティングしない焼結鉱の4mass%とくらべ水分が低く、水分上昇を防止する効果が認められた。
【0035】
ヤードに貯積された焼結鉱は約1ケ月で消費されたが、高炉に装入される前の水分含有量測定結果は撥水材をコーティングした場合は4.5mass%であった。コーティングを実施していない焼結鉱の水分は6.1mass%であり、水分上昇防止効果がヤードに貯積された焼結鉱においても認められた。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係るヤードに貯積される焼結鉱の水分上昇防止方法の工程例を説明するフロー図である。
【符号の説明】
【0037】
1 焼結機
2 べルトコンベアー
3 高炉
4 スタッカー・リクレーマー
5 ヤード貯積焼結鉱
6 コーティング装置(搬送過程)
7 コーティング装置(積み付け過程)




 

 


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