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発明の名称 チップ型電子部品収納台紙
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−238179(P2007−238179A)
公開日 平成19年9月20日(2007.9.20)
出願番号 特願2007−20626(P2007−20626)
出願日 平成19年1月31日(2007.1.31)
代理人
発明者 奥谷 岳人 / 末永 浩
要約 課題
カバーテープ剥離時に静電気によるトラブルがなく、更に紙粉が原因のトラブルが極めて少ないチップ型電子部品収納台紙の提供。

解決手段
アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)から選ばれる樹脂と、帯電防止剤を共に含有し、23℃、50%RHの環境条件下での紙の表面電気抵抗値が1.0×1010Ω未満であるチップ型電子部品収納台紙。
特許請求の範囲
【請求項1】
チップ型電子部品を収納する電子部品収納台紙であって、アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)から選択される樹脂と、帯電防止剤を共に含有し、23℃、50%RHの環境条件下での紙の表面電気抵抗値が1.0×1010Ω未満であることを特徴とするチップ型電子部品収納台紙。
【請求項2】
前記帯電防止剤がリチウム化合物、アルミン酸ソーダ、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩、ギ酸カルシウム、シュウ酸ナトリウム等の有機塩類、分子中にカルボキシル基、スルホン基、硫酸基等を有するアニオン性高分子、またはアミノ基、第4級アンモニウム基等の塩基を有するカチオン性高分子から選ばれることを特徴とする請求項1記載のチップ型電子部品収納台紙。
【請求項3】
前記樹脂のガラス転移温度が−20℃〜10℃であることを特徴とする請求項1または2に記載のチップ型電子部品収納台紙。
【請求項4】
前記帯電防止剤の含有率が0.15質量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のチップ型電子部品収納台紙。
【請求項5】
ポリアクリルアミド、澱粉、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンから選ばれる紙力増強剤を使用し、多層抄きの層間に澱粉を配していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のチップ型電子部品収納台紙。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性を付与し、無塵化したチップ型電子部品収納台紙に関するものである。
【背景技術】
【0002】
チップ型電子部品収納台紙は、通常、次のように加工処理をしてチップ型電子部品のキャリアとして使用される。
(1)所定の幅にスリットする。
(2)所定大きさの角穴と丸穴を開ける。角穴はチップ型電子部品収納用で、丸穴は充填機内送り用である。
(3)台紙の裏面(ボトム側)にカバーテープを接着する。なお、角穴を開けないで、所定の大きさの角状エンボンス加工をすることもあり、この場合、この工程は省かれる。台紙とカバーテープを接着する方法は、台紙とカバーテープを重ね、カバーテープ上から熱と圧力を加えて接着する、いわゆるヒートシール法で行われる。
(4)チップ型電子部品を充填する。
(5)台紙の表面(トップ側)にヒートシール法によってカバーテープを接着する。
(6)所定の大きさのカセットリールに巻き付け、チップ型電子部品と共に出荷する。
(7)最終ユーザーでトップ側カバーテープを剥がし、チップ型電子部品を取り出す。
【0003】
以上のように使用されることから、収納台紙に求められる品質には充填したチップ部品に悪影響を及ぼさないこと、更に、カバーテープが良好に接着されるよう紙の表面に平滑性を有すること、紙に対する各種処理に耐え得る強度を有すること、チップ部品を挿入する角穴(以下キャビティと記す)の寸法が正確であること等が挙げられる。
【0004】
近年になり、チップ型電子部品が順次小型化されており、長さと幅が1.6×0.8mmから1.0×0.5mmが主流になると共に、0.6×0.3mm以下のサイズが実用化されてきたため、マウンターによる実装時の静電気によるトラブルが多くなってきた。また、チップ型電子部品が極小サイズになるほど、収納台紙から脱落した紙粉が限りなく少ないことが要求されており、更には基盤の精密化に伴って、電子機器への実装工程がクリーンルームで行われる場合もあり、収納台紙の無塵化が望まれていた。
【0005】
これまで、電子部品収納台紙の帯電防止方法としては、特開平9−188385号公報(特許文献1参照)には表面にカーボンブラックなどの導電剤を塗工あるいは導電紙を貼合する方法、特開平9−216659号公報(特許文献2参照)には1本の導電体をキャビティに沿って敷設する方法、特開2000−203521号公報(特許文献3参照)と特許第3383935号公報(特許文献4参照)では全層あるいは中層に導電性物質を内添し表面に導電性物質を塗工する方法が提案されているが、工程が増えたり、過剰な導電剤が必要であるなどコストアップが大きく採用が困難であった。
【0006】
一方、キャビティ内のヒゲやケバと称するパルプ繊維の飛び出しを防ぐ方法としては、特開平6−127566号公報(特許文献5参照)、特開平10−218281号公報(特許文献6参照)、特開平11−165786号公報(特許文献7参照)のようにキャビティ内壁にバインダー樹脂を塗工する方法、特開平9−221192号公報(特許文献8参照)のようにキャビティ内壁にフィルム層を形成する、あるいは、特開2001−315846号公報(特許文献9参照)には合成樹脂又は金属からなるカップをキャビティにはめ込むといった方法が提案されているが、全てがキャビティからの紙粉発生を抑制できても、電子部品収納台紙の表裏面や側面からの紙粉は抑制できない。
【0007】
他方、クリーンルーム内で使用される無塵紙や低発塵紙は、特公平6−11959号公報(特許文献10参照)にあるように公知の方法として、紙に低ガラス転移点の樹脂エマルジョンを含浸して製造されている。また、導電性と無塵化を両立した電子部品収納台紙は存在せず、0603以下の極小チップ型電子部品の実装においては、導電性と無塵化を両立したチップ型電子部品収納台紙の提案が望まれている状況にあった。
【特許文献1】特開平9−188385号公報
【特許文献2】特開平9−216659号公報
【特許文献3】特開2000−203521号公報
【特許文献4】特許第3383935号公報
【特許文献5】特開平6−127566号公報
【特許文献6】特開平10−218281号公報
【特許文献7】特開平11−165786号公報
【特許文献8】特開平9−221192号公報
【特許文献9】特開2001−315846号公報
【特許文献10】特公平6−11959号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、紙製のチップ型電子部品収納台紙に関するものであり、詳しくは、カバーテープ剥離時に静電気によるトラブルがなく、更に紙粉が原因のトラブルが極めて少ないチップ型電子部品収納台紙に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、マウンターによる実装時の静電気によるトラブルと帯電状態及びキャリアテープに必要な導電性レベルを把握、更に紙粉の発生を抑える方法について鋭意検討し、バインダー能力のある樹脂と帯電防止剤を含浸又は塗工することにより、無塵化と帯電防止性能の両立ができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の発明を包含する。
(1)チップ型電子部品を収納する電子部品収納台紙であって、アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)から選ばれる樹脂と、帯電防止剤を共に含有し、23℃、50%RHの環境条件下での紙の表面電気抵抗値が1.0×1010Ω未満であるチップ型電子部品収納台紙。
(2)前記帯電防止剤がリチウム化合物、アルミン酸ソーダ、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩、ギ酸カルシウム、シュウ酸ナトリウム等の有機塩類、分子中にカルボキシル基、スルホン基、硫酸基等を有するアニオン性高分子、またはアミノ基、第4級アンモニウム基等の塩基を有するカチオン性高分子などから選ばれる1種である(1)記載のチップ型電子部品収納台紙。
(3)前記アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)から選ばれる樹脂の含有率が2質量%以上である(1)または(2)記載のチップ型電子部品収納台紙。
(4)前記樹脂のガラス転移温度が−20℃〜10℃である(1)〜(3)のいずれか1項記載のチップ型電子部品収納台紙。
(5)前記帯電防止剤の含有率が0.15質量%以上である(1)〜(4)のいずれか1項記載のチップ型電子部品収納台紙。
(6)ポリアクリルアミド、澱粉、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンから選ばれる紙力増強剤を使用し、多層抄きの層間に澱粉を配している(1)〜(5)のいずれか1項に記載のチップ型電子部品収納台紙。
(7)帯電防止剤を配合した樹脂エマルジョンを原紙に含浸または塗工し、60℃〜150℃の温度で乾燥するチップ型電子部品収納台紙の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、マウンターでの実装時に静電気によるトラブルが発生せず、塵の発生が極めて少ないためクリーンルーム内で使用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明では、バインダー能力のある樹脂と帯電防止剤を、電子部品収納台紙に共存させることが重要である。帯電防止剤をバインダー能力のある樹脂と共存させて含浸または塗工するために、バインダー能力のある樹脂はエマルジョンの状態にすることが好ましい。帯電防止剤は樹脂エマルジョンの乳化剤と共に樹脂エマルジョンの周囲を覆うような状態を作り、樹脂エマルジョンが溶融しパルプ繊維に固着する際に、帯電防止剤がパルプ繊維のネットワークを効率的に覆うことができる。一方、帯電防止剤を単独で電子部品収納台紙に含浸または塗工した場合、又は澱粉やポリビニルアルコールなどの水溶性高分子と共に含浸または塗工した場合は、パルプ繊維への浸透や水溶性高分子への埋没などのために効率的に帯電防止効果を発現することができない。
【0012】
本発明において、無塵化のために含浸又は塗工に使用するバインダー能力のある樹脂としては、アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)から選ばれる樹脂が、バインダー能力が高く、エマルジョンとして使用でき、チップ型電子部品収納台紙としたときのカバーテープとの接着性に影響を及ぼすことがないため好ましい。また消泡剤、増粘剤や澱粉、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子を配合することもできる。また、ボトムテープ、カバーテープとの接着性を高めるために、ポリエチレンワックスエマルジョンを前記樹脂エマルジョンに配合してもよい。
【0013】
樹脂エマルジョンとしては、樹脂のガラス転移温度が−20℃〜10℃の範囲が良い。−20℃よりも低いと粘着性が強くなりブロッキングが生じやすい。一方、10℃よりも高いと、柔軟性が低下し発塵を抑える効果が低下して効率的ではない。ガラス転移点と粘着性、あるいはエマルジョン粒子径の観点から、樹脂エマルジョンとしては、アクリル酸エステル共重合体が好ましい。ここで、エマルジョン粒子径については、0.1〜0.5μm程度が良い。0.1μmよりも小さいと、パルプ繊維ルーメン内への浸透などによる効率低下が発生し、0.5μmよりも大きいと、パルプ繊維ネットワークへの浸透が悪くなり十分な樹脂含有量を達成できないばかりか、表層に樹脂層が形成されブロッキングの原因となり好ましくない。
【0014】
樹脂エマルジョンの台紙中の含有率(樹脂固形分換算)としては、台紙に対して2質量%以上、好ましくは5質量%〜15質量%である。含浸量が2%未満では発塵を抑える効果が十分ではなく、15質量%を超えて含浸しても発塵を抑える効果は変わらない。
【0015】
本発明に使用する帯電防止剤としては、リチウム化合物、アルミン酸ソーダ、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩、ギ酸カルシウム、シュウ酸ナトリウム等の有機塩類、分子中にカルボキシル基、スルホン基、硫酸基等を有するアニオン性高分子、またはアミノ基、第4級アンモニウム基等の塩基を有するカチオン性高分子などから選ばれる帯電防止剤を使用することができる。帯電防止剤は、凝集やエマルジョンの崩壊を避けるために、使用する樹脂エマルジョンのイオン性を考慮して選定した方が良い。樹脂エマルジョンとして特に好ましいアクリル酸エステル共重合体はアニオン性であり、分子中にカルボキシル基、スルホン基、硫酸基等を有するアニオン性高分子が好適である。
【0016】
帯電防止剤の台紙中の含有率としては、台紙に対して0.15質量%以上、好ましくは0.2質量%〜2.0質量%である。0.15質量%よりも少ないと十分な帯電防止性能が発現せず、2.0質量%よりも多くても効果は頭打ちとなり、コストアップの原因となるため好ましくない。
【0017】
樹脂エマルジョンと帯電防止剤を原紙中に共存させる方法としては、樹脂エマルジョンと帯電防止剤の混合液を含浸あるいは塗工する方法、又は樹脂エマルジョンを含浸あるいは塗工した後に帯電防止剤を含浸あるいは塗工する方法がある。特に樹脂脂エマルジョンと帯電防止剤を混合して含浸又は塗工する方法が効率的に帯電防止剤と樹脂で繊維のネットワークを覆うことが可能となるため好ましく、帯電防止剤の樹脂エマルジョンへの配合率は、固形分比で3質量%〜50質量%、好ましくは5質量%〜15質量%が良い。3質量%未満だと帯電防止性の発現が不十分であり、15質量%よりも多くすると無塵化の性能が低下する。
【0018】
含浸方法は、オンマシンでのサイズプレス、スプレーによる塗工やオフマシンでのキスコート、ディッピング含浸、各種コーティングマシンなどがあり、これらに限定されるものではないが、多層抄きの板紙の紙層内部へ樹脂エマルジョンを十分に浸透させるためには、オフマシンでのキスコートとディッピング含浸の組合せが好ましい。塗工方法は、バーコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、ゲートロールコーターやサイズプレスやキャレンダーコーター等のロールコーター、ビルブレードコーター、ベルバパコーター等が採用できる。
【0019】
含浸または塗工後は60℃〜150℃の範囲で加熱乾燥することが好ましい。
乾燥装置には特に制限は無く加熱できるものであればいずれでもよい。加熱乾燥温度が60℃未満では乾燥が不十分となり、特にチップ型電子部品収納台紙のような厚みのあるものの場合にはマイグレーションが起こり易く、内部の樹脂量が少なくなり効果が減少することがあるため好ましくない。また150℃を越えて高い温度で乾燥しても、効果が頭打ちになるだけでなく不経済であるため好ましくない。
【0020】
本発明の電子部品収納台紙は、樹脂エマルジョンと帯電防止剤の共存により効率的に表面電気抵抗を低下することができる。従来の一般的な電子部品収納台紙は23℃、50%RHの環境条件下での紙の表面電気抵抗値は1.0×1011Ω〜1×1012Ωである。これに対し本発明の電子部品収納台紙の表面電気抵抗値は1.0×1010Ω未満である。表面電気抵抗値は低いほうが好ましいが、1.0×108Ω未満にするには帯電防止剤を多量に添加することが必要となり、無塵化の性能が低下するため好ましくない。1.0×1010Ω以上であれば、カバーテープ剥離時の剥離帯電に対して除電が不十分になる。
【0021】
本発明で使用される原料パルプは各種のものが使用でき、例えば、化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ、非木材繊維パルプ等を単独で使用してもよいし、複数組み合わせて使用してもよいが繊維形態が均一なパルプを使用するのが好ましい。
【0022】
本発明で使用されるパルプは公知の方法により叩解して使用することができるが、叩解しなくても問題はない。叩解機には特に限定はなく、ビーター、ジョルダン、デラックス・ファイナー(DF)、ダブル・ディスク・レファイナー(DDR)等、種々の叩解機が使用される。叩解した場合ではカナダスタンダードフリーネスで250ml〜560ml程度の処理が好ましい。560mlよりも高いと強度、得に層間強度が弱くなり好ましくない。一方、250mlよりも叩解を進めると、歩留の低下、高密度化による量目損の問題だけでなく、樹脂エマルジョンの浸透性が低下し、無塵化が低下する。
【0023】
本発明では、繊維間結合を強化し内層からの発塵を抑えるために、抄紙時の内添薬品としてポリアクリルアミド、澱粉、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンから選ばれる少なくとも1つの薬品を使用する。また、多層抄きの層間には層間澱粉を塗工する。澱粉としては、糊化温度の低いタピオカ澱粉、アセチル化澱粉、尿素りん酸化澱粉などが好ましい。その他、抄紙に際して、必要に応じて種々の内添薬品を使用できる。例えば、ロジン系サイズ剤、スチレン・マレイン酸、スチレン・アクリル、スチレン・オレフィン、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸など、天然および合成の製紙用の内添サイズ剤、各種紙力増強剤、濾水歩留り向上剤、耐水化剤、消泡剤、タルク等の填料、染料等を使用することができる。しかしながら、本発明の場合は、樹脂エマルジョンの紙層への浸透を良くするために、内添サイズ剤は使用しない、あるいは表裏層と表下層には内添サイズ剤を使用せず、中層のみ使用する方法が好ましい。
【0024】
本発明の電子部品収納台紙の坪量は一般に200g/m〜1000g/m程度である。このような坪量範囲であるため、台紙基材の抄造方法としては、地合いの取り易い多層抄きが好ましい。
【実施例】
【0025】
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。配合、濃度等を示す数値は、固形分または有効成分の質量基準の数値である。また、特に記載の無い場合については抄造した紙はJIS P8111に準じて前処理を行った後、測定やテストに供し、その結果を表1に示す。尚、導電性、発塵性、実装テストの詳細は下記の通りである。
【0026】
<導電性>
温度23℃、相対湿度50%の環境下で、JIS K 6911に準拠して、三菱油化(株)製表面電気抵抗計Hiresta IP MCP−HT260を使用して、印加電圧100V、時間10秒間で表面電気抵抗を測定した。
【0027】
<発塵性>
温度23℃、相対湿度50%の環境下で、試料を8mm幅のテープ状にスリットして、JIS C 0806−3に準拠し、4mm間隔で直径1.54mmの丸穴を開けると同時に、2mm間隔でCD方向0.66mm、MD方向0.36mm、Z軸方向0.35mmのキャビティをもつチップ型電子部品収納台紙を作成した。次に、この台紙を、東京ウェルズ(株)製の「TWA6601」で、カバーテープ貼り付けと部品挿入を行わずに、速度2400タクト/min、1000m運転し、アンリール、部品挿入部の紙粉発生量を目視で評価を行った。紙粉の全く発生しない場合を○、わずかに発生した場合を△、沢山発生した場合×とした。
【0028】
<実装テスト>
温度23℃、相対湿度50%の環境下で、試料を8mm幅のテープ状にスリットして、JIS C 0806−3に準拠し、4mm間隔で直径1.54mmの丸穴を開けると同時に、2mm間隔でCD方向0.66mm、MD方向0.36mm、Z軸方向0.35mmのキャビティを作成し、縦0.6mm、横0.3mm、高さ0.30mmのコンデンサーチップを充填し、次いで、表面にカバーテープを貼る操作は、東京ウェルズ(株)製の「TWA6601」を使用して行った。表面にカバーテープを貼る条件は、ヒートシール温度190℃、ヒートシール圧力3.5kg、テーピング速度2400タクト/minであった。次に、温度27℃、相対湿度65%の環境下で松下電器産業(株)製の「Panasert MSR」を使用し、600個/minの実装速度で2万個を実装して、その間にコンデンサーチップの飛び出しによる実装ミスの回数をカウントし、次の式に従って不良率を算出した。
不良率(%)=実装ミスのカウント/20,000×100
【0029】
表層、中層、裏層でパルプを使い分け、表層用には針葉樹クラフトパルプ30質量%、広葉樹晒クラフトパルプ70質量%の混合パルプをダブル・ディスク・リファイナーで混合叩解し、CSF(カナダスタンダードフリーネス)450mlに調製し、中層用には針葉樹クラフトパルプ10質量%、広葉樹晒クラフトパルプ90質量%をダブル・ディスク・リファイナーで混合叩解し、CSF(カナダスタンダードフリーネス)410mlに調製し、裏層用には広葉樹晒クラフトパルプを単独でダブル・ディスク・リファイナーでCSF(カナダスタンダードフリーネス)470mlまで叩解し、調製した。表層と裏層のパルプスラリーに硫酸バンドを添加してpH6.0に調整し、内添紙力剤としてポリアクリルアミド系紙力剤(荒川化学工業社製ポリストロン1250)を1.0質量%添加した。中層用パルプスラリーには、ロジン系サイズ剤(サイズパインN−111:荒川化学工業製)をパルプ質量に対して0.7質量%添加し、硫酸バンドを添加してPH6.0に調整し、内添紙力剤としてポリアクリルアミド系紙力剤(荒川化学工業社製ポリストロン1250)を1.0質量%添加した。以上の条件のパルプスラリーを3層抄合わせ抄造機で、表層:中層:裏層=1:1.5:1の割合でウェットシートを形成し、それぞれの層間に尿素リン酸化澱粉(王子コーンスターチ製エースP320)を1.5g/mスプレー塗工して抄合わせて、370g/mの含浸前又は塗工前の原紙aを製造した。
【0030】
各層にポリアクリルアミド系紙力剤を使用せずに、同様に抄紙して、含浸前又は塗工前の原紙bを製造した。
【0031】
実施例1
アクリル酸エステル樹脂対比で5質量%のスチレン系樹脂スルホン酸塩系帯電防止剤(日本エヌエスシー製VERSA−TL125)をアクリル酸エステル樹脂(昭和高分子製AM−290、Tg=−19℃)に配合し、含浸カラーAを製造した。オフマシン含浸機を使用し、完成後の台紙中の乾燥含有率が樹脂エマルジョン3.2%/帯電防止剤0.16%になるように濃度を調製して、含浸カラーAを原紙aに含浸し、100℃で乾燥し、坪量382.1g/m、厚さ0.42mmの電子部品収納台紙を製造した。
【0032】
実施例2〜4
アクリル酸エステル樹脂対比で7質量%のスチレン系樹脂スルホン酸塩系帯電防止剤(日本エヌエスシー製VERSA−TL125)をアクリル酸エステル樹脂(昭和高分子製AM−290)に配合し含浸カラーBを製造した。オフマシン含浸機を使用し、完成後の台紙中の乾燥含有率が樹脂エマルジョン3.2%/帯電防止剤0.23%(実施例2)、樹脂エマルジョン5.4%/帯電防止剤0.38%(実施例3)、樹脂エマルジョン8.1%/帯電防止剤0.57%(実施例4)になるように濃度を調製して含浸カラーBを原紙aに含浸し、それぞれ坪量383.7g/m、391.4g/m、402.1g/m、厚さ0.42mmの電子部品収納台紙を製造した。
【0033】
実施例5
帯電防止剤としてスチレン系樹脂スルホン酸塩系帯電防止剤(日本合成化学工業製ゴーセファイマーA−460)を使用した以外は、実施例2と同様にして坪量382.7g/m、厚さ0.42mmの電子部品収納台紙を製造した。
【0034】
実施例6
オフマシン含浸機を使用し、完成後の台紙中の乾燥含有率が樹脂エマルジョン3.2%になるように、アクリル酸エステル樹脂(昭和高分子製AM−290)の濃度を調製して原紙aに含浸し、更にスチレン系樹脂スルホン酸塩系帯電防止剤(日本合成化学工業製ゴーセファイマーA−460)を台紙中の乾燥含有率が0.23%になるように含浸して、坪量382.7g/m、厚さ0.42mmの電子部品収納台紙を製造した。
【0035】
実施例7
原紙bを使用した以外は実施例1と同様にして坪量382.1g/m、厚さ0.42mmの電子部品収納台紙を製造した。
【0036】
比較例1
原紙aで樹脂エマルジョンや帯電防止剤による後加工をしないまま、坪量370g/m、厚さ0.42mmの電子部品収納台紙を製造した。
【0037】
比較例2
帯電防止剤を使用せずに、オフマシン含浸機を使用し、完成後の台紙中の乾燥含有率が樹脂エマルジョン3.2%になるように、アクリル酸エステル樹脂(昭和高分子製AM−290)の濃度を調製して原紙aに含浸し、坪量381.8g/m、厚さ0.42mmの電子部品収納台紙を製造した。
【0038】
比較例3
樹脂エマルジョンの替わりにポリビニルアルコール(クラレ製PVA117)を使用した以外は実施例2と同様にして坪量382.7g/m、厚さ0.42mmの電子部品収納台紙を製造した。
【0039】
得られた試料の導電性、発塵性、実装テストを前述の方法で評価した。評価結果を表1に示す。実施例1〜7は比較例1〜3と比較して、表面電気抵抗値が1.0×1010Ω未満であり、発塵がなく、実装テストにおいても不良率が低いという結果を得た。
【0040】
実施例と比較例との対比から明らかなように、本発明の要件を満たすチップ型電子部品収納台紙は、カバーテープ剥離時の帯電が少ない上に、発塵もなく、極小のチップにも対応可能であるため優れている。
【0041】
【表1】






 

 


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