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発明の名称 合成樹脂製容器の底部構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−30894(P2007−30894A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−213238(P2005−213238)
出願日 平成17年7月22日(2005.7.22)
代理人 【識別番号】100072051
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 興作
発明者 高田 誠 / 小澤 知之 / 佐藤 孝夫 / 井澤 浩治 / 飯塚 高雄
要約 課題
合成樹脂製容器の内圧が非常に大きくなる条件下においても、底落ちすることなく、落下強度にも優れた底部構造を提供する

解決手段
本発明は、PETボトル10の胴部14の下方端を胴部軸線O方向に下向きに膨らませて湾曲壁2を形成すると共に当該湾曲壁2を周方向に断続的に膨らませて湾曲壁2の中心部分を上底壁3として取り囲む複数の脚部4とを備える合成樹脂製容器の底部構造であって、脚部4の外側壁5は、その上端cと下端eとの間が、外側壁5の軸線方向高さL5に対して1.5倍以上の曲率半径R4を有する湾曲部をなすと共に下端eの有効径φ1が上端cの有効径φ2の92%以下であり、各脚部4の側壁6相互間を繋ぐ湾曲壁2は、脚部4の胴部側端幅W1が脚部4の上底壁側端幅W2に対して1.2倍以上の谷底を形成し、上底壁3の結晶化度が30%以下である。
特許請求の範囲
【請求項1】
合成樹脂製容器の胴部の下方端を胴部軸線方向に下向きに膨らませて湾曲壁を形成すると共に当該湾曲壁を周方向に断続的に膨らませて前記湾曲壁の中心部分を上底壁として取り囲む複数の脚部とを備える合成樹脂製容器の底部構造において、
前記脚部の外側壁は、その上端と下端との間が、直線状に繋がる平坦部又は当該外側壁の軸線方向高さに対して1.5倍以上の曲率半径を有する湾曲部をなすと共に前記下端の有効径が前記上端の有効径の92%以下であり、
各脚部の側壁相互間を繋ぐ湾曲壁は、胴部側端の幅が上底壁側端の幅に対して1.2倍以上となる谷底を形成し、前記上底壁の結晶化度が30%以下であることを特徴とする合成樹脂製容器の底部構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂製容器の底部構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の合成樹脂製容器には、自立性と耐圧性との両立を目的として、容器の底部を下向きに膨らませて湾曲壁を形成すると共に当該湾曲壁を周方向に断続的に膨らませて前記湾曲壁の中心部分を上底壁として取り囲む複数の脚部を備える底部構造を取るものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特許第3138051号公報
【0003】
特に、上記従来の底部構造は、脚部の接地部と上底壁とを角部を形成することなく滑らかに繋げると共に、それ以外の部分も、滑らかな曲面部をスムーズに連続させてなることにより、容器の内圧が高まった場合は多少の膨張を許容しつつ自立性が確保するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、果汁入りの炭酸飲料等を内容物とする場合は、低温の内容物を容器内に充填したのち、内容物を65℃の温度状態に10分間保つことにより殺菌を行うことが一般的である。
【0005】
しかしながら、従来の底部構造は、炭酸飲料のような揮発性の高い内容物を比較的低い温度で充填し、加熱殺菌する場合、容器の内圧が非常に大きい状態が長く続くため、複数の脚部で取り囲まれた上底壁が外向きに大きく飛び出し、所謂、底落ちという現象を起こすことがある。
【0006】
加えて、従来の底部構造では、容器に内容物を充填した状態で落下させた場合、複数の脚部で取り囲まれた上底壁に応力が集中し易く、この上底壁において、ひびやクラック等を発生させることもある。
【0007】
本発明は、こうした事実認識に基づいてなされたものであり、その解決すべき課題は、揮発性の高い内容物を加熱する等のように、合成樹脂製容器の内圧が非常に大きくなる条件下においても、底落ちすることなく、落下強度にも優れた底部構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明である合成樹脂製容器の底部構造は、合成樹脂製容器の胴部の下方端を胴部軸線方向に下向きに膨らませて湾曲壁を形成すると共に当該湾曲壁を周方向に断続的に膨らませて前記湾曲壁の中心部分を上底壁として取り囲む複数の脚部とを備える合成樹脂製容器の底部構造において、前記脚部の外側壁は、その上端と下端との間が、直線状に繋がる平坦部又は当該外側壁の軸線方向高さに対して1.5倍以上の曲率半径を有する湾曲部をなすと共に前記下端の有効径が前記上端の有効径の92%以下であり、各脚部の側壁相互間を繋ぐ湾曲壁は、胴部側端の幅が上底壁側端の幅に対して1.2倍以上となる谷底を形成し、前記上底壁の結晶化度が30%以下であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、脚部の外側壁の外観形状、各脚部の側壁相互間を繋ぐ湾曲壁により形成された谷底の胴部側端と上底壁側端の幅および、脚部と湾曲壁とに取り囲まれる上底壁の結晶化度を規定したことにより、果汁入り炭酸飲料のような揮発性の高い内容物を充填したのち加熱殺菌する場合等のように、容器の内圧が非常に大きい状態が長く続いても、上底壁が容器外側に膨張して底落ちを発生させることがない。特に、落下衝撃による応力が集中し易い上底壁の結晶化度を30%以下にしたことにより落下強度にも優れる。
【0010】
従って、本発明によれば、容器の内圧が非常に大きくなる条件下においても、底落ちすることなく、落下強度にも優れた合成樹脂製容器の底部構造を提供することができる。
【0011】
なお、本発明は、上述した形状及び数値を規定すれば、その他の部分の構成については種々の変更が可能であるが、その脚部を外側壁が容器外側に湾曲してなるヒール部を介して接地部に繋ぎ、この接地部が容器内側に湾曲して前記上底壁に繋がる上底傾斜壁を備えれば、この上底傾斜壁の形状に起因して剛性が高まる分、容器の内圧が多少大きくなっても、底落ちや底部の膨張による自立性悪化を更に抑えることができる。
【0012】
また、本発明は、複数の脚部で取り囲まれた湾曲壁の中心部分である上底壁は平坦又は湾曲を問わないが、上底壁が平坦であるときは、容器落下時に応力集中し易い上底壁において、更にその応力を分散させることができるため、落下強度の向上に有効である。また、上底壁を容器内方に湾曲させたときは、より底落ち現象を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明である合成樹脂製容器の底部構造を詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の一形態であるボトル10全体を正面から示す要部断面図であり、図2は、その底面図である。また、図3は、図2のX−X断面図であり、図4は、ボトル10の底部15を下方から示す斜視図である。更に、図5は、底部15を背面から示す要部拡大図である。
【0015】
ボトル10は、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を二軸延伸ブロー成形してなる所謂PETボトルであり、図1に示す如く、内容物を充填・注出する口部11と、この口部11にネックリング12aを備える首部12を介して繋がる肩部13と、この肩部13から胴部14を介して繋がる底部15とからなる。
【0016】
底部15は、自立性と耐圧性との両立を目的として、図3に示す如く、胴部14の下方端を軸線Oに沿って下向きに膨らませて筒壁1に繋がるドーム形の湾曲壁2を形成すると共に、図2に示す如く、この湾曲壁2を軸線O周りの周方向に断続的に膨らませて湾曲壁2の中心部分3を上底壁として取り囲む5つの脚部4を備える。これにより、底部15は、図3の断面部分に示す如く、筒壁1、湾曲壁2、上底壁3及び脚部4の内側に空間を形成して内容物を充填することができる。
【0017】
脚部4は、図2に示す如く、筒壁1に繋がる外側壁5と、この外側壁5と共に湾曲壁2から隆起する側壁6及び上底壁3に繋がる上底傾斜壁7からなり、これらに包囲された部分に、容器外側に湾曲してなるヒール部8を介して接地部9が形成される。
【0018】
筒壁1は、図3に示す如く、その上端aからΔL1だけ垂下した位置bから容器外側に曲率半径R1で湾曲して湾曲壁2の上端cと繋がる。湾曲壁2は、その上端cから容器外側に曲率半径R2で湾曲を開始すると共に、その途中から上端cよりも胴部14側にL2だけオフセットした位置を基点に容器外側に曲率半径R3で湾曲して上底壁3の外縁dに繋がる。
【0019】
外側壁4は、図3に示す如く、湾曲壁2の上端cと共に開始され、その上端cと下端eとの間が、直線状に繋がる平坦部をなすと共に下端eの有効径φ1が上端cの有効径φ2の92%(φ1=0.92×φ2)以下に設定されている。更に好ましくは、下端eの有効径φ1が上端cの有効径φ2の87%(φ1=0.87×φ2)以下に設定する。
【0020】
外側壁4の下端eは、接地部9の外縁fに曲率半径R5で構成されたヒール部8を介して繋がる。更に、接地部9の内縁gに繋がる上底傾斜壁7は、平坦面又は曲面のいずれで構成することも可能であるが、本形態は、曲率半径R6で容器外側に湾曲すると共に変曲部hから曲率半径R7で容器内側に湾曲して湾曲壁2と共に上底壁3の外縁dに繋がる。なお、上底傾斜壁7を曲面で構成する場合は、曲率半径R6を45mm以下にすることが好ましい。
【0021】
更に、各脚部4の側壁6相互間を繋ぐ湾曲壁2は、図2に示す如く、胴部側端の幅W1が上底壁側端の幅W2に対して1.2倍以上となる谷底を形成する。更に好ましくは、胴部側端の幅W1が上底壁側端の幅W2に対して2倍以上になるように谷底を形成する。
【0022】
これにより、ボトル10は、底部15の湾曲壁2から軸線O周りに断続的に膨らんだ5つの脚部4により自立保持される。なお、本形態において、脚部4は、図2に示すように、湾曲壁2との繋ぎ部6aが湾曲壁2側に迫り出して谷底を形成する湾曲壁2の中間部分が狭まる構成となっているが、本発明は、胴部側端の幅W1が上底壁側端の幅W2に対して1.2倍以上、好ましくは2倍以上となる関係であれば、湾曲壁2が形成する谷底の外観形状は如何なるものかは問わない。例えば、繋ぎ部6aを直線状に伸ばして谷底を形成する湾曲壁2を上底壁3に向かって狭まるテーパ状に構成してもよい。
【0023】
ボトル10は更に、上底壁3の結晶化度を30%以下に設定する。具体的には、ブロー成形時において、上底壁3を温度調整することにより、結晶化度を調整する。この場合、例えば、二段階ブロー成形において、1次ブロー金型の底部分温度、加熱収縮工程の底部加熱温度、2次ブロー金型の底部分温度等を調整すると良く、更に、二段階ブロー成形では、上底壁肉厚を1mm以下にすることも容易となる。また、かかる如く調整すると、本発明の如く結晶化度を30%以下に抑える場合、成形品(ボトル1)が延伸されて薄肉化されているため、熱結晶化が起こり難く、結晶化を抑制することができ効果的である。
【0024】
なお、以下、参考技術として、PET樹脂の結晶化度を測定する方法を例示する。結晶化度を測定する方法は、種々あるが、密度の測定による密度法が簡便に用いられる。ここでは、試料密度を基に、以下の式(1)から結晶化度を算出するものを例示する。
【0025】
X=dc×(d−da)/d×(dc−da) ・・・(1)
X:結晶化度,d:試料密度
da:完全非晶性PETの密度(1.335g/cm3
dc:理論上の完全結晶化PETの密度(1.501g/cm3
但し、密度測定は、JIS K-7112(密度勾配管法/D法)に準拠する。
【0026】
なお、脚部4で取り囲まれた上底壁3は、軸線Oに沿って容器外側に突出するドーム形でもよいが、図3の領域Aに示す如く、軸線Oに対して直交する水平な平坦部を構成することが好ましい。
【0027】
本発明によれば、脚部4の外側壁5の外観形状、各脚部4の側壁6相互間を繋ぐ湾曲壁2により形成された谷底の胴部側端と上底壁側端の幅W1,W2および、脚部4と湾曲壁2とに取り囲まれる上底壁3の結晶化度を規定したことにより、果汁入り炭酸飲料のような揮発性の高い内容物を充填したのち加熱殺菌する場合等のように、ボトル10の内圧が非常に大きい状態が長く続いても、上底壁3がボトル10外側に膨張して底落ちを発生させることがない。特に、落下衝撃による応力が集中し易い上底壁3の結晶化度を30%以下にしたことにより落下強度にも優れる。
【0028】
従って、本発明によれば、ボトル1の内圧が非常に大きくなる条件下においても、底落ちすることなく、落下強度にも優れたPETボトルの底部構造を提供することができる。
【0029】
また、本発明において、その脚部4を外側壁5がボトル外側に湾曲してなるヒール部8を介して接地部9に繋ぎ、この接地部9がボトル内側に湾曲して上底壁3に繋がる上底傾斜壁7を備えれば、この上底傾斜壁7の形状に起因して剛性が高まる分、ボトル1の内圧が多少大きくなっても、底落ちや底部15の膨張による自立性悪化を抑えることができる。
【0030】
更に、本発明は、複数の脚部4で取り囲まれた上底壁3は平坦又は湾曲を問わないが、本形態の如く、上底壁3が平坦であるときは、ボトル1の落下時に応力集中し易い上底壁3において、更にその応力を分散させることができるため、落下強度の向上に有効である。また、上底壁3をボトル1の内方に湾曲させたときは、より底落ち現象を防止することができる。
【0031】
上述したところは、本発明の一形態であって、請求の範囲内において、様々な変更を加えることができる。例えば、脚部の数は、3つ以上であれば、偶数又は奇数を問わないが、本形態の如く、5つの脚部で構成した場合は、底落ちや落下強度に最も優れる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一形態であるPETボトル全体を正面から示す要部断面図である。
【図2】同形態の底面図である。
【図3】図2のX−X断面図である。
【図4】同形態における底部を下方から示す斜視図である。
【図5】同形態における底部を背面から示す要部拡大図である。
【符号の説明】
【0033】
1 筒壁
2 湾曲壁
3 上底壁
4 脚部
5 外側壁
6 側壁
7 上底傾斜壁
8 ヒール部
9 接地部




 

 


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