米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 包装;運搬 -> 株式会社吉野工業所

発明の名称 合成樹脂製壜体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−30893(P2007−30893A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−213068(P2005−213068)
出願日 平成17年7月22日(2005.7.22)
代理人 【識別番号】100076598
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 一豊
発明者 清水 一彦 / 田中 敏正 / 飯塚 高雄
要約 課題
壜体、特には壜体の胴部の形状により120〜130℃程度の温度におけるレトルト処理での底部の変形を抑制することを課題として、レトルト食品向けにも、起立性という機能が確実に発揮され、レトルト処理を要する用途に安心して使用できる合成樹脂製壜体の提供を目的とする。

解決手段
底部の底面に起立のための接地部を配設し、この接地部を基端として底面を内方に窪ませて底上げ部を形成した合成樹脂製壜体であって、120〜130℃の温度での蒸気式レトルト処理を実施した際に、胴部の壁が可逆的に膨出変形可能とし、この胴部壁の膨出変形により壜体内部とレトルト釜内の差圧が0.05MPa以下、より好ましくは0.03MPa以下の範囲に維持されるように構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
底部(5)底面(5a)に起立のための接地部(22)を配設し、該接地部(22)を基端として底面(5a)を内方に窪ませて底上げ部(23)を形成した壜体(1)であって、120〜130℃の温度での蒸気式レトルト処理を実施した際に、胴部(4)壁が可逆的に膨出変形可能とし、該胴部(4)壁の膨出変形により壜体(1)内とレトルト釜内の差圧が0.05MPa以下、より好ましくは0.03MPa以下の範囲に維持されるように構成した合成樹脂製壜体。
【請求項2】
底部(5)底面(5a)に円環状の接地部(22)を配設し、該接地部(22)を基端として底面(5a)を壜体(1)内方に凸状に窪ませて底上げ部(23)を形成した請求項1記載の合成樹脂製壜体。
【請求項3】
レトルト処理後の接地部(22)の外径を処理前の外径の85%以上とした請求項2記載の合成樹脂製壜体。
【請求項4】
ポリエチレンテレフタレート系樹脂製の二軸延伸ブロー成形品であることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の合成樹脂壜体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はレトルト処理を必要とする用途に使用される合成樹脂製壜体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年においてはポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記載する。)樹脂製壜体等の合成樹脂製壜体が、レトルト処理を必要とする食品向けへも使用されるようになってきている。この場合、レトルト処理は食品を室温〜100℃程度の温度で壜体に充填、口筒部をキャップで密閉した状態で、レトルト釜内で加圧加熱水あるいは加熱蒸気を利用して、100℃以上の温度で数10分程度の時間の加熱殺菌を行う。
【0003】
そして、ヘッドスペースの空気および内容物の膨張により壜体内の圧力(内圧)が上昇する。ここで、加圧加熱水を利用してレトルト処理を行なう場合には、熱水の圧力を調整して内圧とバランスさせることにより壜体の膨出状の変形を抑制することができるが、加熱蒸気を利用する場合にはその温度での飽和水蒸気圧近傍で熱処理する必要があり、壜体の内圧とバランスさせることはできず壜体内は加圧状態となる。
【0004】
一方、炭酸飲料向けの耐圧ボトルでは、内圧による底部の変形により壜体の起立性が損なわれるので、底部の膨出状の変形を防ぐために底部の底面を内方に窪ませた形状としたシャンパン底形状、あるいはペタロイド型の底部を有する壜体が利用されている。
しかしながら、上記したレトルト処理ではその処理温度がPET等の汎用樹脂ではガラス転移温度以上の高温であるので、上記耐圧ボトルをそのまま使用しても底部が壜体外側に向かって膨出状に変形してしまう、所謂「底落ち」が発生する場合がある。
【0005】
また、底部が大きく変形して反転変形に至るまでも無く、底部の僅かな変形により壜体の最も基本的な機能の一つである起立性が損なわれるので、肉厚を含む底部の形状だけではレトルト処理のような過酷な条件で底部の変形を確実に制御することは困難である。この点、特許文献1には、PET樹脂製壜体のレトルト処理における底部の変形を防ぐ方法として、底部近傍を熱処理して結晶化度を大きくする方法が記載されている。
【0006】
しかしながら、この方法によると特別な熱処理工程が必要であり、製造コストが大きくなってしまう。また従来、PET樹脂製壜体は主として100〜120℃程度の温度でのレトルト処理に使用されていたが、スープ類等では現実的な処理時間を考慮すると120〜130℃程度の温度で処理する必要があり、さらに高温で処理可能な壜体が要求されている。
【特許文献1】特開2001−150522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は上記した問題点を解消すべく創案されたもので、壜体、特には壜体の胴部の形状により120〜130℃程度の温度におけるレトルト処理での底部の変形を抑制することを課題として、レトルト食品向けにも、起立性という機能が確実に発揮され、レトルト処理を要する用途に安心して使用できる合成樹脂製壜体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記技術的課題を解決する請求項1記載の発明の手段は、
底部の底面に起立のための接地部を配設し、この接地部を基端として底面を内方に窪ませて底上げ部を形成した合成樹脂製壜体であって、
120〜130℃の温度での蒸気式レトルト処理を実施した際に、胴部の壁が可逆的に膨出変形可能とし、この胴部の壁の膨出変形により壜体内とレトルト釜内の差圧が0.05MPa以下、より好ましくは0.03MPa以下の範囲に維持されるように構成すること、
にある。
【0009】
本願の発明者らは底部、あるいは胴部の形状を種々検討し、レトルト処理に係る実験をするなかで、120〜130℃の温度範囲でも壜体内部とレトルト釜内の差圧を所定の値以下の範囲とすることにより、底部の変形を、接地部による壜体の起立性が実用的に維持することができる範囲に、抑制できることを見出し、請求項1記載の発明に至った。
そして請求項1記載の上記構成の基本的な考えは、レトルト処理の際の加圧状態を胴部の壁の膨出状の変形による容積増加により緩和して、底部の変形を抑制しようとするものであり、具体的には120〜130℃でのレトルト処理では、壜体内とレトルト釜内の差圧を0.05MPa以下の範囲とすることにより、壜体の起立性が損なわれない範囲に底部の変形を抑制することができる。
勿論、このように120〜130℃の温度範囲で底部の変形を抑制できるようにしておけば、この壜体は従来使用されてきた100〜120℃の温度範囲でも余裕を持って使用することができる。
【0010】
そして、胴部に膨出状に反転変形可能なパネルを設けたり、胴部を楕円筒状の扁平な形状にする等、胴部の平断面形状を非円形状にして、それが真円形形状に向かって変形することにより、胴壁が延伸して永久変形することなく胴部の平断面積を大きくして容量を増加させることができる。
なおここで、レトルト処理後の胴部壁の復元性に関して言及すると、たとえばPET樹脂製等の壜体では、120〜130℃程度の高温では、程度の差はあるものの、胴部の径が収縮する等の変形は不可避であるが、いびつな変形が残留することなく、外観を損なわない範囲で復元可能とすれば良い。
【0011】
また、レトルト釜内における温度ムラや、壜体の肉厚分布のムラ等を考慮すると胴部の壁の膨出変形可能な範囲を十分大きくして、差圧が0.03MPa以下の範囲とすることが好ましい。
【0012】
請求項2記載の発明の手段は、請求項1記載の発明において、底部の底面に円環状の接地部を配設し、この接地部を基端として底面を壜体内方に凸状に窪ませて底上げ部を形成すること、にある。
【0013】
請求項2記載の上記構成は、底部の形状に係るものである。底部の底面に円環状の接地部を配設し、この接地部を基端として底面を壜体内方に凸状に窪ませて底上げ部を形成したシャンパン底形状の底部は中心軸対称で周方向に等方的な形状であり、周方向に内圧が均一に作用し、また底上げ高さを高くする等により、レトルト処理のような過酷な条件に適した形状とすることができる。
【0014】
請求項3記載の発明の手段は、請求項2記載の発明においてレトルト処理後の接地部の外径を処理前の外径の85%以上とすること、にある。
【0015】
請求項3記載の発明の上記構成は、底部の変形に係る限界を決める主たる要素の一つであるが、レトルト処理後の接地部の外径を処理前の外径の85%以上とすることにより接地部による壜体の起立性を実用上十分維持することができる。
【0016】
請求項4記載の発明の手段は、請求項1、2または3記載の発明においてPET系樹脂製の二軸延伸ブロー成形品であること、にある。
【0017】
請求項4記載の上記構成により、PET系樹脂製の2軸延伸ブロー成形の壜体は、延伸結晶化によりレトルト処理温度に十分対応する耐熱性を有するものとすることができ、さらに胴部を膨出変形可能として底部の変形を抑制することにより、120〜130℃程度のレトルト処理に安心して使用でできる壜体を提供することができる。
【0018】
なお、本発明に使用するポリエチレンテレフタレート系樹脂としては、主としてPETが使用されるが、PET樹脂の本質が損なわれない限り、エチレンテレフタレート単位を主体として、他のポリエステル単位を含む共重合ポリエステルも使用できると共に、たとえば耐熱性を向上させるためにナイロン系樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等の樹脂をブレンドして使用することもできる。共重合ポリエステル形成用の成分としては、たとえばイソフタル酸、ナフタレン2,6ジカルボン酸、アジピン酸等のジカルボン酸成分、プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール等のグリコール成分を挙げることができる。
【0019】
さらには、本発明のPET系樹脂製壜体は、PET樹脂製壜体としての本質が損なわれない限り、たとえば耐熱性、ガスバリア性の向上のためにPET樹脂/ナイロン樹脂/PET樹脂のようにナイロン樹脂等の中間層を有したものであっても良い。
【発明の効果】
【0020】
本発明は上記した構成であり、以下に示す効果を奏する。
請求項1記載の発明にあっては、120〜130℃でのレトルト処理の際の加圧状態を胴部の壁の膨出状の変形による容積増加により緩和して、壜体内部とレトルト釜内の差圧を0.05MPa以下、より好ましくは0.03MPa以下の範囲とすることにより、壜体の起立性が損なわれない範囲に底部の変形を抑制することができる。
【0021】
請求項2記載の発明にあっては、シャンパン底形状の底部は中心軸対称で、周方向に等方的な形状であり、内圧が周方向に均一に作用しレトルト処理に適した形状とすることができる。
【0022】
請求項3記載の発明にあっては、底部の変形に係る限界を決める主たる要素の一つであり、レトルト処理後の接地部の外径を処理前の外径の85%以上とすることにより接地部による壜体の起立性を実用上十分維持することができる。
【0023】
請求項4記載の発明にあっては、PET系樹脂製の2軸延伸ブロー成形の壜体は、延伸結晶化によりレトルト処理温度に十分対応する耐熱性を有するものとすることができ、さらに胴部を膨出変形可能として底部の変形を抑制することにより、120〜130℃程度のレトルト処理に安心して使用できる壜体を提供することができる。

【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1〜図4は本発明の合成樹脂製壜体の一実施例を示すものである。
図1は壜体1の正面図、そして図2(a)、(b)はそれぞれ図1中のA−A線およびB−B線に沿っての平断面外輪郭線図である。この壜体1はPET樹脂製の二軸延伸ブロー成形品であり、口筒部2、肩部3、胴部4、底部5を有し、高さ130mm、胴径66mmで、300ml用の小型の丸型ボトルである。また、口筒部2は熱結晶化処理により白化した状態であり、さらに底部5には陥没状に底上げ部23が形成されている。なお図2(a)、(b)中の2点鎖線は胴部4の平断面外輪郭線が内接する円形を示す。
【0025】
胴部4の上下には二本の周段部6を有し、この周段部6の間に6ケのパネル7が並列状に形成されている。そして、隣接するパネル7の間には、陥没せずに残された状態で縦リブ状の柱部9が形成されており、壜体1全体としての剛性が確保される。
【0026】
段部10によりその周囲を囲まれた状態のパネル7は、上方に位置する凹状部7aと、下方に位置する凸状部7bから構成され、この凹状部7aと凸状部7bの境界には境界線11が形成されている。
そしてレトルト処理中の加圧状態、および冷却後の減圧状態における壜体1内部の圧力変動を凹状部7aと凸状部7bの協働した変形により吸収することができるようにしたものである。
【0027】
図3は加圧状態、および減圧状態におけるパネル7(凹状部7a、凸状部7b)の変形状態を示す説明図である。図3(a)にはレトルト処理中の加圧状態における膨出状態15(凹部7aの膨出反転変形状態15aと凸部7bの膨出変形状態15b)を2点鎖線で示す。また、図7(b)にはレトルト処理後の冷却による減圧状態における陥没状態16(凹部7aの陥没変形状態16aと凸部7bの陥没反転変形状態16b)を2点鎖線で示す。
【0028】
図4(a)、(b)はそれぞれ壜体1の底部5近傍の縦断面外輪郭線図と、(b)底面図である。
底部5は、全体として有底円筒状であり、胴部4下端に接続して外向きの曲率半径R1をもって縮径して底面5aに至るヒール部21を有し、底面5aに円環状の接地部22を配設し、この接地部22を基端として、この基端近傍から頂部にかけて内向きの曲率半径R2をもって、底面5aを半球殻状に窪ませて底上げ部23を形成している。
底部5に係る寸法は下記のようである。
接地部22の外径D 46mm
底上げ高さH1 18mm
【0029】
図4(a)中には、加圧状態で底上げ部23に作用する力を横方向に作用する押圧力と、中心軸方向に沿って外向きに作用する押圧力に分けて白抜き矢印で示した。ここで、中心軸方向に沿って外向きに作用する押圧力が相対的に大きくなると、頂部近傍を起点として反転変形が進行して底落ちが発生してしまう。
【0030】
底部の変形試験(モデル試験)
上記壜体1を用い、所定のレトルト処理温度で、壜体内の圧力を変えた際の底部の変形を観察、測定するために下記の手順によるモデル試験を実施した。
1)内容物の高温充填
グリセリンと水の混合比が8:1〜3:1の混合液を100℃の温度で充填しキャップをして密閉する。この際ヘッドスペースHSを21mlとする。
2)ディッピング試験
上記1)のようにして混合液を高温充填した壜体について120〜130℃のグリセリン液に60分ディッピングする。混合液の混合比を8:1〜3:1と変化させることにより、120〜130℃の範囲で内圧は外圧(大気圧(0.101MPa))に対して0.02〜0.07MPa程度の加圧状態の範囲で変化する。
なお、以下の記載においても圧力は大気圧(0.101MPa)に対する差圧で記載する。
3)試験後の底部の変形の観察、測定
上記2)の試験後の壜体について、冷却後、底部の変形を観察、測定する。
【0031】
モデル試験結果
上記のようなモデル試験により次のような結果が得られた。
1)120〜130℃の温度範囲で内圧を0.05MPa以下の範囲とすることにより、胴部のパネル7が図3(a)の膨出状態15のように膨出変形するが、試験後、冷却した状態では図3(b)の陥没状態16のようになり、高温での膨出変形に伴う外観を損なうような永久変形はなかった。
2)一方、内圧が0.05MPaを超えると胴部4のパネル7が図3(a)に示したような膨出状態15となると共に、底部5の外向きの膨出状の(所謂底落ち状の)変形が大きくなり、転倒角度の低下が見られた。
なおここで、上記転倒角度は水平な台上に壜体を起立設置し、この台を水平方向から徐々に傾斜させていった際の、壜体が転倒する傾斜角度であり、壜体の自立性の目安となるものである。
【0032】
レトルト処理試験
上記モデル試験の確認のため、レトルト処理試験を実施した。図1に示される実施例の壜体1に水を90℃の温度で高温充填し(ヘッドスペースは21mlとした。)、温度124℃、42分間(グラフ中白抜き矢印で示した時間範囲)の条件で蒸気式でレトルト処理を実施した。図5はレトルト処理試験中における、温度および圧力の変化を示すグラフであり、Tre、Preはそれぞれレトルト釜内の温度と圧力を、Pbは壜体内の圧力を示す。レトルト釜の温度Treが124℃に安定した状態でのレトルト釜内圧力は0.130MPa、壜体内圧力は0.159MPaでその差圧は0.029MPaであった。
なお、上記の温度124℃、42分間という条件はスープ等の殺菌条件に対応した条件である。
【0033】
試験後の転倒角度は試験前の値と変化なく、接地部12の外径Dは42mm、底上げ高さH1は16mmでありそれぞれ試験前の91%、および89%であった。
この接地部12の外径D、および底上げ高さH1の収縮は124℃による結晶化の進行に伴う熱収縮と考えられるが、いびつな変形ではなく、均等に変形しているので、実用上問題のないものであった。
また、胴部4についても、試験後冷却した状態では胴部4のパネル7は図3(b)の陥没状態16のようになり、高温での膨出変形に伴う外観を損なうような永久変形はなかった。
【0034】
一方、比較例として図1の壜体1に示される実施例の胴部4において、パネル7を形成しない場合の壜体、すなわち胴部4が円筒状の壜体について、上記のレトルト処理試験と同様の試験を実施した。その結果壜体内圧力Pbは0.196MPaでその差圧は0.066MPaであり、底部5が膨出変形して所謂底落ち状態となっていた。
【0035】
なお、本発明の作用効果は上記実施例の壜体に限定されるものではない、たとえば、本実施例のパネルの形状は可逆的な膨出変形を可能にするための一例である。
基本的には図1に示す壜体1のように胴部の上端と下端の平断面形状を内圧に対して変形のない真円形状として、その間の高さ部分について、膨出変形による必要な容量増分を考慮して、たとえば、胴部の任意の中間高さにおける平断面積Saとこの断面の周長と同じ長さの周長を有する真円の面積Scの比であるRs値(Sc/Sa)を考慮して、壜全体の外観と調和させながら胴部の形状を決めることができる。
【0036】
すなわち、所定温度において壜体内の圧力を0.05MPa、あるいは0.03MPa以下にするために胴部の膨出変形による必要な容量増分△Cは上記したモデル試験法、あるいは概略値は計算によって求めることもできる。そしてこの容量増分△Cが可能なRs値を計算することができ、さらにこのRs値を満足するように胴部の平断面形状を決めることができる。
【0037】
たとえば、前記レトルト試験において、図1の壜体1では124℃で壜体内部とレトルト釜内の差圧を0.03MPaにするための容量増分は約23mlである。そして、上下の周段部6間の試験前の容量は約190mlであるので、上下の周段部6間において膨出変形により平断面積を平均として約1.12(213/190)倍大きくする必要がある。すなわちRs値を上下の周段部6間の平均で1.12以上になるように、平断面形状を決めることができる。
【0038】
因みに、いくつかの形状についてのRs値を示す。正多角形では、正3角形1.62、正4角形1.27、正6角形1.08、正8角形1.05である。楕円形では長径/短径1.5の楕円で1.06、長径/短径2.0の楕円では1.19の値を示す。勿論、実施例のパネル7の凹状部7aのように、反転変形して膨出する部分のRs値はかなり大きな値とすることができる。たとえば図1のA−A線に沿った平断面(図2(a)参照)におけるRs値は約1.19である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の合成樹脂製壜体は120〜130℃の条件でも、蒸気加熱式のレトルト処理に使用できるものであり幅広い用途への展開が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の合成樹脂製壜体の実施例を示す全体正面図である。
【図2】図1の壜体の(a)A−A線沿っての平断面図、および(b)B−B線に沿っての平断面外輪郭線図である。
【図3】図1中のC−C線に沿って示す縦断面外輪郭線図においてa)は膨出状態、(b)は陥没状態におけるパネルの変形状態を示す説明図である。
【図4】図1の壜体の(a)底部近傍の縦断面外輪郭線図と、(b)底面図である。
【図5】レトルト処理試験中における、温度および圧力の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
【0041】
1 ;壜体
2 ;口筒部
3 ;肩部
4 ;胴部
5 ;底部
5a;底面
6 ;周段部
7 ;パネル
7a;凹状部
7b;凸状部
9 ;柱部
10;段部
11;境界線
15;膨出状態
15a;膨出反転変形状態
15b;膨出変形状態
16;陥没状態
16a;陥没変形状態
16b;陥没反転変形状態
21;ヒール部
22;接地部
23;底上げ部
R1、R2;曲率半径
H1;底上げ高さ
D;外径
Tre;レトルト釜温度
Pre;レトルト釜圧力
Pb;壜体内圧力




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013