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発明の名称 合成樹脂製壜体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−8506(P2007−8506A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−189998(P2005−189998)
出願日 平成17年6月29日(2005.6.29)
代理人 【識別番号】100076598
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 一豊
発明者 清水 一彦 / 田中 敏正 / 飯塚 高雄
要約 課題
本発明は、レトルト処理条件下で底落ちのない合成樹脂製壜体の底部形状の創出を課題として、レトルト食品向けにも良好な起立性と外観を維持して安心して使用できる合成樹脂製壜体の提供を目的とする。

解決手段
レトルト処理する用途に使用される合成樹脂製壜体において、
特許請求の範囲
【請求項1】
レトルト処理する用途に使用される合成樹脂製壜体であって、
底部(5)が、胴部(4)下端に接続して外向きの曲率半径(R1)をもって縮径しながら底面(6)に至るヒール部(11)を有し、底面(6)に円環状の接地部(12)を配設し、該接地部(12)を基端として底面(6)を半球殻状に窪ませて底上げ部(13)を形成した有底円筒状であり、前記接地部(12)の外径(D2)の値を前記ヒール部(11)の最大径(D1)の55〜85%の範囲とし、前記底上げ部(13)の底上げ高さ(H1)の値を接地部(12)の外径(D2)の35%以上の範囲とし、前記底上げ部(13)の主たる湾曲形状を決める基端近傍から頂部近傍に至る円弧の曲率半径(R2)の値を前記接地部(12)の外径(D2)の1/2以上の範囲としたことを特徴とする合成樹脂製壜体。
【請求項2】
接地部(12)の幅(W)を2mm以下の値とした請求項1記載の合成樹脂製壜体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は合成樹脂製壜体に関し、特にレトルト処理する用途に使用される壜体の底部の形状に関する。
【背景技術】
【0002】
内圧が変化する用途に使用されるポリエチレンテレフタレート(以下PETと記載する。)樹脂製等の合成樹脂製壜体では、底部の底面を窪ませてその窪み周りに環状の接地部を形成してなる、所謂シャンパン底形状の壜体が利用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、炭酸ガスを含む果汁飲料や乳製品等のように、壜体内が加圧状態となると共に、加熱殺菌を必要とする内容物を充填可能な合成樹脂製壜体(以下耐熱圧用壜体と記す。)の需要があるが、このような用途では所謂高温充填法と呼ばれる方法で90℃前後の温度で内容液を充填して使用するので、上記したような従来のシャンパン底形状の合成樹脂製壜体を使用すると高温下における加圧により、底部が壜体外側に向かって反転変形して突出してしまう、所謂「底落ち」が生じてしまい、壜体が正常に起立できない状態になってしまう。
【0004】
特許文献2には、上記した耐熱圧用壜体として使用するための底部の性状、および形状について、主として底面に円環状に形成された接地部の結晶化度と肉厚を制御して底落ちを抑制した壜体についての記載がある。
【特許文献1】実用新案登録第2607701号公報
【特許文献2】特開平2005−104500号公報
【0005】
一方、近年においてはPETボトル等の合成樹脂製壜体が、レトルト処理を必要とする食品向けへも使用されるようになってきている。レトルト処理は食品を壜体に充填、口筒部をキャップで密閉した状態で、レトルト釜内で加圧加熱水あるいは加熱蒸気を利用して、120〜130℃程度の温度で数10分程度処理するので、高温充填法に比較してさらに過酷な高温、加圧条件下に壜体が暴露されてしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、レトルト処理条件下で底落ちのない合成樹脂製壜体の底部形状の創出を課題として、レトルト処理しても良好な起立性および外観を維持して、安心して使用できる合成樹脂製壜体の提供を目的とする。

【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術的課題を解決する請求項1記載の発明の手段は、
レトルト処理する用途に使用される合成樹脂製壜体であって、
底部が、胴部下端に接続して外向きの曲率半径をもって縮径して底面に至るヒール部を有し、底面に円環状の接地部を配設し、この接地部を基端として底面を窪ませて半球殻状の底上げ部を形成した有底円筒状であること、
接地部の外径の値をヒール部の最大径の55〜85%の範囲とすること、
底上げ部の底上げ高さの値を接地部の外径の35%以上の範囲とすること、
底上げ部の主たる湾曲形状を決める基端近傍から頂部近傍に至る円弧の曲率半径の値を接地部の外径の1/2以上の範囲とすること、
にある。
【0008】
請求項1記載の上記構成は主として壜体の底部の形状、特に底上げ部の形状に係る下記の3つの要件からなる。
(1)接地部の外径の値をヒール部の最大径の55〜85%の範囲とする。
(2)底上げ部の底上げ高さの値を接地部の外径の35%以上の範囲とする。
(3)底上げ部の主たる湾曲形状を決める基端近傍から頂部近傍に至る円弧の曲率半径の値を接地部の外径の1/2以上の範囲とする。
【0009】
まず(1)の要件は底上げ部の基端となる円環状の接地部の径に係る要件であり、この外径をヒール部の最大径の55%以上の範囲にすることにより壜体の起立性を確保して、転倒が起こり難くすることができる。
また、接地部の外径が大きすぎると、ヒール部を深絞り状にブロー成形する必要があり、局所的に薄肉部分ができる等の問題があるが、この外径をヒール部の最大径の85%以下にすることによりこのようなブロー成形に係る問題を回避することができる。
なお、接地部は2mm程度までの幅を有する場合があるので、本要件では寸法の範囲を明確にするために接地部の外径(外側周縁の径)により範囲を決めて記載した。
【0010】
次に(2)と(3)の要件は底上げ部の半球殻状の形状を決める要件である。このうち(2)は底上げ高さに関する要件であり、底上げ部の底上げ高さが低いと、底上げ部が全体として平坦な湾曲状となり、壜体内が加圧状態になった際には、底上げ部に対して横方向に作用する押圧力に対して、中心軸方向に沿って外向きに作用する押圧力が相対的に大きくなり、反転変形が発生し易くなってしまう。
ここで、底上げ高さの値を接地部の外径の35%以上の範囲とすることにより、横方向に作用する押圧力を大きくすることができ、反転変形を抑制し、レトルト処理における過酷な条件下においても、底上げ部の反転変形を確実に防ぐことができる。
より好ましくは底上げ高さの値を接地部の外径の40%以上にすると良い。
なお、底上げ高さの上限は、ブロー成形性、接地部の形状および肉厚、そして壜体の容量等を考慮して適宜決めることができる。
【0011】
そして、(3)は底上げ部の主たる湾曲形状を決める基端近傍から頂部近傍へ至る円弧の曲率半径に関する。この曲率半径の値を小さくしすぎると、底上げ高さを十分高くすることができないし、底上げ部の頂部近傍に必然的に平坦状部分、あるいは外向きの曲率半径を有する湾曲面部分を形成するようになり、レトルト処理の高温、加圧下では、当該部分が起点となり反転変形が進行して底落ち状態になってしまう。
ここで、(3)の要件に従って、この曲率半径の値を接地部の外径の1/2以上の範囲とすることにより、底上げ部全体を内向きに凸状の湾曲形状とすることができ、底落ちに係る反転変形の起点がないようにすることができる。
【0012】
以上のように底上げ部の形状に関連して、接地部の径、底上げ部の高さと曲率半径の値を(1)、(2)、(3)の範囲とすることにより、レトルト処理条件下でも底部に形成した半球殻状の底上げ部の反転変形の発生を防いで、底落ちのない壜体を提供することができる。
【0013】
請求項2記載の発明の手段は、請求項1記載の発明において、接地部の幅を2mm以下の値としたこと、にある。
【0014】
請求項2記載の上記構成により、円環状の接地部幅を2mm以下とすることにより壜体の接地性を十分確保することができる。この幅は、接地性の観点からはさらに狭くして線状にすることが好ましいが、ブロー成形性を考慮して決めることができる。つまり、接地部幅が大きいと、容器の内圧上昇により接地部の内径側が外方に突出する(底落ち)状態と成り易く、接地安定性が確保できない虞があり、接地部の前記突出変形を防止する為にも接地部幅は2mm以下、好ましくは1mm以下とすると良い。しかしながらさらに、接地幅を狭くするとブロー成形時の賦形性(ブロー成形性)が劣ることが考えられる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上記した構成であり、以下に示す効果を奏する。
請求項1記載の発明にあっては、底上げ高さの値を接地部の外径の40%以上の範囲とする等、底上げ部の形状に関する接地部の径、底上げ部の高さと曲率半径の値を本請求項の各要件で決められる一定の範囲内とすることにより、レトルト処理条件下でも底部に形成した半球殻状の底上げ部の反転変形の発生を防いで、底落ちのない壜体を提供することができる。
【0016】
請求項2記載の発明にあっては、円環状の接地部幅を2mm以下とすることにより壜体の接地性を十分確保することができる。

【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1および図2は本発明の合成樹脂製壜体の一実施例を示すものである。図1は壜体1の正面図である。この壜体1はPET樹脂製の二軸延伸ブロー成形品であり、口筒部2、肩部3、胴部4、底部5を有し、300ml用の、レトルト処理する用途向けの小型の丸型ボトルである。口筒部2は熱結晶化処理により白化した状態である。
【0018】
また、上下に二本の周段部8を有し、この周段部8の間に6ケのパネル7が並列状に形成されている。このパネル7は、全体として縦長の長方形状であり、境界線7cを境として上方に位置する壜体の内側に向かって凸状に湾曲した凹状部7aと、下方に位置する外側に向かって凸状に湾曲した凸状部7bから構成されている。そしてレトルト処理中の加圧状態、および冷却後の減圧状態における壜体1内部の圧力変動を凹状部7aと凸状部7bの協働した変形により吸収することができるようにしたものである。
【0019】
図2は図1の壜体1の(a)底部5近傍の縦断面図と、(b)底面図である。
底部5は、全体として有底円筒状であり、胴部4下端に接続して外向きの曲率半径R1をもって縮径して底面6に至るヒール部11を有し、底面6に円環状の接地部12を配設し、この接地部12を基端として、この基端近傍から頂部にかけて内向きの曲率半径R2をもって、底面6を半球殻状に窪ませて底上げ部13を形成している。
【0020】
また、ヒール部11の下端部から接地部12を経て底上げ部13の下端部に至る部分は、外向きの1〜4mm程度の小さな曲率半径の湾曲面を連結して形成されている。また接地部12の幅Wの部分は平坦面で形成されている。
【0021】
本実施例の壜体1の底部5に係る寸法を下に示す。
接地部12の幅W 0.5mm
ヒール部11の最大径D1 66mm
接地部12の外径D2 45mm
底上げ高さH1 19mm
曲率半径R1 21mm
曲率半径R2 27mm
上記寸法から、
(1)接地部12の外径D2の値はヒール部11の最大径D1の68%であり55〜85%の範囲である。
(2)底上げ部13の底上げ高さH1の値は接地部12の外径D2の42%であり、35%以上の範囲である。
(3)底上げ部13の曲率半径R2の値は接地部12の外径D2の60%であり、1/2以上の範囲である。
【0022】
上記、実施例の壜体1について水を充填してキャップで密封後、124℃で42分のレトルト処理試験を実施したが、底上げ部13の底落ちは無く、そして底部5全体の変形は微小であり、接地部12による壜体1の起立性は実用的に十分満足できるものであった。
【0023】
なお、図3は図2(a)に示される底上げ部13の形状の他のバリエーションを示す縦断面図であり、参考のため、底上げ部13の頂部近傍14を挟持するようにして、2軸延伸ブロー成形で用いる延伸ピンP1と支持ピンP2をハッチングして示した。2軸延伸ブロー成形では試験管状のプリフォームを適温に加熱して、このプリフォームの底部を延伸ピンP1と支持ピンP2で挟持した状態で縦方向に延伸し、その後エアブローにより横方向に延伸する場合がある。
そして、このような場合には頂部近傍14の形状は支持ピンP2の先端形状に沿った形状となり、図3の例では内向きの曲率半径で小さな窪みが形成されている。
また、支持ピンP2によってブロー成形時の芯ズレを防止することもできる。
【0024】
図4は、他の部分の形状は上記実施例と同様にして、底上げ部13の主たる湾曲面を形成する円弧の曲率半径R2を変えたときの底上げ部13の形状を示す。図4(a)はR2を上記実施例よりさらに大きくした例であり、(b)は曲率半径R2の値を接地部12の外径D2の1/2未満とした例である。
図4(a)の例では曲率半径を大きくしたため、頂部近傍が若干尖がったような形状になっているが、ブロー成形性等で問題があれば図中に2点鎖線で描いたように角取りをした形状とすることもできる。
【0025】
一方、図4(b)の底上げ部13は曲率半径を小さくしたために頂部近傍で平坦状に、あるいは外向きに凸状の形状となってしまう。そしてレトルト処理で壜体内が高温加圧状態となるとこの頂部近傍を起点として反転変形が進行して底落ち状態となってしまう。
【0026】
ここで、レトルト処理では壜体1内部の圧力が上昇するが、この圧力により底上げ部13に作用する力を、底上げ部13に対して横方向に作用する押圧力と、中心軸方向に沿って外向きに作用する押圧力に分けて図2(a)中に白抜き矢印で示した。底上げ高さH1が低い場合や、頂上部近傍の形状が上記の図4(b)に示した形状の場合には、底上げ部13に対して横方向に作用する押圧力の大きさが小さくなって、中心軸方向に沿って外向きに作用する押圧力が相対的に大きくなりその結果、頂部近傍を起点として反転変形が進行して底落ちが発生してしまう。
【0027】
以上、実施例により本願発明の実施形態およびその作用効果を説明したが本発明の実施態様はこの実施例に限定されるものではない。合成樹脂の種類はPET系樹脂に限定されるものではなく、例えばポリエチレンナフタレート系樹脂、ナイロン系樹脂等の耐熱性を有する樹脂を使用することができる。
また、本実施例の壜体のパネル形状は圧力変動を吸収するためのパネルの一例であり、この他にもさまざまな形状のパネル形状とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
以上説明したように、本発明の合成樹脂製壜体の底部はレトルト処理における過酷な条件下においても底落ちのないものであり、レトルト処理を要する食品用途向けに幅広い展開が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の合成樹脂製壜体の一実施例を示す全体正面図である。
【図2】図1の壜体の(a)底部近傍の縦断面図と、(b)底面図である。
【図3】図2(a)中の底上げ部の形状の他のバリエーションを示す縦断面図である。
【図4】図2(a)中で、曲率半径R2を変えたときの底上げ部の形状を2例示す。
【符号の説明】
【0030】
1 ;壜体
2 ;口筒部
3 ;肩部
4 ;胴部
5 ;底部
6 ;底面
7 ;パネル
7a;凹状部
7b;凸状部
7c;境界線
8 ;周段部
11;ヒール部
12;接地部
13;底上げ部
14;頂部近傍
D1;ヒール最大径
D2;(接地部の)外径
H1;底上げ高さ
R1、R2;曲率半径
P1;延伸ピン
P2;支持ピン




 

 


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