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発明の名称 エレベータの非常止め装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−45587(P2007−45587A)
公開日 平成19年2月22日(2007.2.22)
出願番号 特願2005−232618(P2005−232618)
出願日 平成17年8月10日(2005.8.10)
代理人 【識別番号】100113077
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 省吾
発明者 今城 昭彦 / 桧垣 潤一 / 福島 一彦 / 今村 直樹 / 湯村 敬 / 岡田 峰夫 / 林 美克
要約 課題
エレベータの非常停止装置において、かごの乗員数や破断ロープ長さによってかごに加わる慣性力が変化し、減速度が過大になることを防止する。

解決手段
エレベータのかご100に設置されたロープ52に懸架され、上下方向に移動可能に配置された減速度検出錘51と、かご100が移動する際のガイド部材であるガイドレール1を、摺動部を介して摺動する楔状体61とを備え、減速度検出錘51に作用する慣性力によって、楔状体61の摺動部のガイドレール1への押付け力を低減することにより、かごの減速度を一定に保つようにした。
特許請求の範囲
【請求項1】
エレベータのかごに設置されたロープに懸架され、上下方向に移動可能に配置された減速度検出錘と、
上記かごが移動する際のガイド部材であるガイドレールを、摺動部を介して摺動する楔状体と、を備え、
上記減速度検出錘に作用する慣性力によって、当該楔状体の摺動部の上記ガイドレールへの押付け力を低減することにより、上記かごの減速度を一定に保つことを特徴とするエレベータ非常止め装置。
【請求項2】
楔状体の上方への移動を制限するストッパを設けるとともに、当該ストッパをストッパばねで支持したことを特徴とする請求項1のエレベータ非常止め装置。
【請求項3】
楔状体を上下方向に案内する複数のガイドと当該複数のガイドを連結する主ばねとを設けたことを特徴とする請求項1のエレベータ非常止め装置。
【請求項4】
ストッパばねのばね定数をks、上記摺動部と上記ガイドレールとの摩擦係数をμ、上記主ばねのばね定数をk、楔状体の傾き角をθとしたときに、これらの値が


を満たすことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ非常止め装置。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータのかごが法定速度を越えたとき、当該かごを非常停止させる非常止め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、楔状体の摺動部とガイドレールとの摩擦係数の変動に対して、非常止めの制動力を一定に保つことが検討されてきた。
【0003】
例えば、ガイドレールに沿って上記かごが上下方向に移動する際、上記かごの下方に設置された楔状体が上記ガイドレールに対して、その摺動部を押付けて移動するときに、楔状体のテーパ角度とは反対方向のテーパ角度を設けたガイドで案内し、楔状体の摺動部とガイドレールの摺動力の増加に対して、楔状体の摺動部のガイドレールへの押付け力を低減する装置が検討されてきた。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
【特許文献1】特開2001−192184号公報(第5〜6ページ、第1〜3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、楔状体の摺動部とガイドレールとの摺動力の増加に対して、楔状体の摺動部のガイドレールへの押付け力を低減するため、制動力は一定となり、エレベータのかご質量の変動に対して、減速度が変化するという問題があった。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、上記エレベータのかご質量変動に伴うかご減速度の変化に対して、摺動部の押付け力を増減して、減速度を適正に保つことができるエレベータの非常止め装置を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の非常止め装置は、エレベータのかごに設置されたロープに懸架され、上下方向に移動可能に配置された減速度検出錘と、上記かごが移動する際のガイド部材であるガイドレールを、摺動部を介して摺動する楔状体と、を備え、上記減速度検出錘に作用する慣性力によって、当該楔状体の摺動部の上記ガイドレールへの押付け力を低減することにより、上記かごの減速度を一定に保つようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に関わる非常止め装置は、かごに取り付けた減速度検出錘の慣性力によって摺動部押付け力を増減できるため、かご質量が変化してもかご減速度を一定に保つことができる。また本発明に係る非常止め装置は、電気的な手段を用いる必要がなく、信頼性を高めるとともに、低コストに装置を構成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、かご減速度に応じて制動力を調整してエレベータの減速度を一定に保つ非常止め装置の全体構成図である。以下においては、非常止めが動作してエレベータが減速する場合について図1を用いて説明する。減速度検出錘51は、ロープ52に懸架され、ロープ52は乗員を乗せるためのかご100によって支持された吊り滑車53に巻き掛けられている。ロープ52はプーリ57を回転させ、このプーリ57と一体となってウォーム54が図の右側面側から見て時計回りに回転する。このウォーム54の回転によりウォームホイール55が時計回りに回転し、このウォームホイールに取り付けたレバー56は、紙面垂直軸まわりに時計回りに回転する。このとき、このレバー56に連結されているリンク59は主として左方向に移動する。このリンク59の両端はレバー56とガイド60に支持されているので、楔状体61は、このガイド60の左右方向への移動により上下に案内される。主ばね62は、左右のガイド60を連結しているが、楔状体61が上方に移動すると、この主ばね62の変形によって、ガイド60の楔状体61に対する押付け力を緩和する。ストッパ63は、この楔状体61の上方移動を抑制する。このストッパ63を支持するストッパばね64は、上下方向に縮むことにより、ストッパばねに働く制動力に応じてストッパ63の上方向移動を許容する。この制動力は、非常止めの動作開始とともに、摺動部66がガイドレール1と接触し始め、摺動部66とガイドレール1の間に作用する摩擦力の発生に起因するものである。この制動力は、摺動部66から楔状体61を介してガイド60に伝達し、ガイド60はかごで支持されているため、結局制動力はかご100に作用する。そして、制動力によってかご100は自由落下を免れて、停止することができる。かご100は、上記吊り滑車53、ウォーム54、ウォームホイール55を保持するとともに、乗員を乗せるものである。
なお、本段落上述の動作は、非常止めが動作を開始して、かご100が減速するときについて記述した。非常止めが動作中に摺動部66とガイドレール1の摩擦係数が過渡的に小さくなった場合、減速度検出錘51の慣性力に対して主ばね62のばね力が打ち勝ってガイド60を閉じる方向に動かし、ウォーム54のねじリード角をセルフロックしない角度にすることによって、ウォーム54は主ばね60のばね力によって逆回転して減速度検出錘51を上方に巻き上げることができる。また、非常止めによってかご100が静止した後、非常止め解除のためかご100を主ロープ(図示せず)によって上昇させるとき、楔状体61はガイド60から下方に離れ、ガイド60は主ばね62によって閉じる動作をするが、このとき主ばね62の力でウォーム54は逆回転して、減速度検出錘51を巻き上げることができる。
【0010】
次に、図1の制動力可変非常止めの動作について説明する。かご100に下降方向に減速度mが生じるとき、減速度検出錘51に鉛直下向きに慣性力が発生する。減速度検出錘の質量をm、重力加速度をgとすれば、減速度検出錘51には、m(g+α)の力が鉛直下向きに作用する。
【0011】
かご100の質量をm0、1個の楔状体61に発生する制動力をFとする。ガイドレール1はかご100の両側に1本ずつ計2本配置する。すなわち、図2のかごの紙面奥側にガイドレール1をもう一本配置する。ガイドレール1本に対して非常止めを1個配置し、各非常止めにはガイドレール1の左右の2面を挟み込むように楔状体61を2個配置する。このとき、楔状体61は全部で4個となり、次の式(1)の関係が成り立つ。


楔状体61まわりの力のつり合いを図2に示す。ガイドレール1への楔状体61の押し付け力をR、摩擦係数をμとすれば、次式(2)が成り立つ。


【0012】
一方、図2に示すように、楔状体61の傾斜部とガイドレール1のなす角度をθとする。楔状体61の傾斜部はガイド60で転がり案内されている(図示せず)ため、楔状体61からガイド60への反力をRとすれば、Rは楔状体61の傾斜部に垂直であり、このRの横方向成分をRxとすれば、RとRxのなす角はθとなる。なお、図2では、楔状体61からガイド60に作用するRxの力ベクトルを示しており、この図2のベクトル方向は、ガイド60を押し広げる方向である。これと同時に作用反作用の法則により、Rxは楔状体61から摺動部66をガイドレール1に対して押し付ける方向に作用している。これによって上述の式(2)の関係式が成り立つ。ストッパ63による楔状体61の押し下げ力をFとすれば、ガイドレール1への楔状体61の押し付け力Rxに関しては、次の式(3)の関係が成り立つ。


式(2)に式(1)を代入して、次式(4)が得られる。


式(4)を式(3)に代入して、次式(5)が得られる。


整理して、次式(6)が得られる。


【0013】
図3の左図に示すように非常止めが動作して減速度が増えると、ストッパ63のすきまyはなくなり、楔状体61とストッパ63は接触するが、図3の右図に示すように、楔状体61がガイドレール1と接触して主ばね62が伸び始めたときのストッパ63のすきまをy、ストッパばね64の縮み代をy、主ばね62の伸び代をxとすると、次の式(7)の関係が成り立つ。


主ばね62が予めxだけ伸びるようにプレロードが与えられており、また、減速度検出錘51の力mη(g+α)が作用することを考慮すれば、kを主ばねのばね定数として次式(8)が得られる。


式(8)を式(4)に代入して、次式(9)が得られる。


式(9)を式(6)に代入して、次式(10)が得られる。


ここに、kはストッパばねのばね定数である。
また、ストッパばね64がなく、kが十分大きいとき、yは無視でき、式(10)は次式(11)のように簡単になる。


通常の非常止めでは、ストッパ63は剛であるから式(11)の関係となり、減速度検出錘がないためmの項も省略して、減速度は次式(12)で表される。


式(10)を式(9)に代入して、g+αについて解けば次式(13)が得られる。


式(13)より、右辺分母の第2項のm0の係数が零となるとき、すなわち、


のとき、g+αは、かご100の質量m0に依存することなく、次式(15)で与えられる。


なお、楔状体61の摩擦係数がストッパばね64のばね定数kの設定に用いた値から変化してμとなったとき、減速度は次式(16)で表される。


【0014】
本発明による減速度の発生状況を式(16)から計算した結果を図4〜図7に示す。減速度検出錘51の質量mを35kg、減速比ηを600、主ばね62のばね定数kを4ton/mm、ストッパ63のすきまyを75mm、主ばね62のプレロード伸びxを3.675mm、楔状体61の傾き角θを4度、ストッパばね64のばね定数kを0.0364ton/mmとした。摩擦係数μは計算パラメータとして変化させているが、μ=0.2で減速度0.7g(昇降機規格では、1gより小さい値が推奨されており、本実施の形態では、0.7gをその代表値として示した。)となるように設定している。
【0015】
図4〜図7は減速度と摩擦係数の関係を示しており、実線は本発明による制動力可変の非常止めの特性、破線は減速度検出錘およびストッパばねを設けない従来の非常止めの結果である。図4は、かご質量m0が17tonで、非常止め諸元を設定したときの値である。すなわち、実線、破線ともに摩擦係数μが0.2で減速度0.7gが得られている。図5は、かご質量m0が10tonに変化したときの特性である。摩擦係数μが0.2のとき、実線の本発明の実施例では、減速度0.7gが得られているが、破線の従来の非常止めでは減速度が1.9gに増えている。図6は、かご質量m0が5tonに変化したときの特性である。摩擦係数μが0.2において、実線の本発明の実施例では、減速度0.7gが得られているが、破線の従来の非常止めでは減速度が4.7gに増えている。図5、図6に示すように、かご質量が減ったとき、摩擦係数に対する減速度の傾きは、実線の本発明の方が破線の従来のものより小さくなっており、摩擦係数に対する感度が低減できていることがわかる。図7はかご質量m0が20tonに増えたときであるが、摩擦係数に対する減速度の傾きは、実線の本発明が破線の従来のものより若干大きくなっているが、図4の基本特性と比べて大差なく、悪影響は無視できる程度に小さいと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る制動力可変の非常止めの構成模式図である。
【図2】楔状体まわりの力のつり合いの説明図である。
【図3】ストッパのすき間の説明図である。
【図4】本発明に係る制動力可変の非常止めの減速特性を示す計算結果の一例である。
【図5】本発明に係る制動力可変の非常止めの減速特性を示す計算結果の他の例である。
【図6】本発明に係る制動力可変の非常止めの減速特性を示す計算結果の他の例である。
【図7】本発明に係る制動力可変の非常止めの減速特性を示す計算結果の他の例である。
【符号の説明】
【0017】
51 減速度検出錘、52 ロープ、53 吊り滑車、54 ウォーム、55 ウォームホイール、56 レバー、57 プーリ、59 リンク、60 ガイド、61 楔状体、62 主ばね、63 ストッパ、64 ストッパばね、100 かご。





 

 


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