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発明の名称 底板昇降装置および画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−8720(P2007−8720A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−300921(P2005−300921)
出願日 平成17年10月14日(2005.10.14)
代理人 【識別番号】100090103
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 章悟
発明者 久住 正
要約 課題
シート状媒体給送用のトレイの画像形成装置本体へのセット力を低減することができる底板昇降装置および画像形成装置を提供すること。

解決手段
トレイ4を画像形成装置本体に装着するときに該トレイ側カップリング8と噛み合う該昇降モータ側カップリング9の回転位置をホームポジションとし、画像形成装置本体より該トレイ4をB方向に引き出したときに、該昇降モータ側カップリング9の回転位置を前記ホームポジション角度まで戻すこととした。
特許請求の範囲
【請求項1】
シート状媒体を載置する底板を有するトレイを画像形成装置本体に着脱自在に取り付け、前記トレイには前記底板の昇降部材を有し、該昇降部材の駆動は画像形成装置本体側に取り付けられた昇降モータで行い、前記昇降部材と前記昇降モータは前記トレイ装着時にカップリングで係合される底板昇降装置において、
前記トレイを画像形成装置本体に装着するときに該トレイ側カップリングと噛み合う該昇降モータ側カップリングの回転位置についてホームポジションを設定し、画像形成装置本体より該トレイを引き出したときに、該昇降モータ側カップリングの回転位置を前記ホームポジション角度まで回転させることを特徴とする底板昇降装置。
【請求項2】
請求項1記載の底板昇降装置において、
画像形成装置本体から前記トレイを引き出すことにより、前記カップリングの係合が外れ前記底板が落下停止したときの該トレイ側カップリングの回転位置に合わせて、前記昇降モータ側カップリングのホームポジションを定めたことを特徴とする底板昇降装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の底板昇降装置において、
前記トレイを引き出した後、前記昇降モータ側カップリングが前記ホームポジションまで回転している間、その旨を表示する表示手段を有することを特徴とする底板昇降装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載の底板昇降装置において
前記昇降モータの回転と連動する用紙残量検知手段を設け、前記トレイを引き出す前に該用紙残量検知手段が検知していた残量に応じて該昇降モータ側カップリングを前記ホームポジションまで回転する角度が少ない回転方向へ回転させて戻すことを特徴とする底板昇降装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載の底板昇降装置において、
前記底板上に積載されたシート状媒体が給送に最適な位置にあることを検知する紙面検知手段を備え、前記トレイを引き出しても前記紙面検知手段が、前記底板上に積載されたシート状媒体が給送に最適な位置にあることを検出している間は該昇降モータ側カップリングがホームポジション角度まで戻る制御を禁止することを特徴とする底板昇降装置。
【請求項6】
請求項4又は5記載の底板昇降装置において、
前記昇降モータ側カップリングが該昇降モータ側カップリングのホームポジションまで回転している間は、前記用紙残量検知手段による用紙残量検知結果に基き前記ホームポジション到達までの所要時間を表示手段に表示することを特徴とする底板昇降装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかに記載の底板昇降装置において、
前記昇降モータ側カップリングはその端面に係止溝を有し、前記トレイ側に付勢されたまま該昇降モータ側カップリングの軸方向に所定量往復動可能であり、
前記トレイ側カップリングは前記係止溝に係合する係止突起を有し、
前記係止溝には、前記底板を上昇させるために前記昇降モータ側カップリングを回転させるときに前記係止突起を押圧する側の一方の内側面に前記昇降モータ側カップリングの軸方向と平行な平行面を設け、反対側の内側面には、前記昇降モータ側カップリングの端面に向かうに従い前記係止溝の溝幅が次第に広がる方向に傾斜する傾斜面をそれぞれ設けたことを特徴とする底板昇降装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れかに記載の底板昇降装置において、
画像形成装置本体より前記トレイを引き出したときに前記昇降モータ側カップリングは、前回トレイ引き出し時におけるホームポジションから所定角度ずれた回転位置で前記トレイ側カップリングと噛み合う前記ホームポジションとは異なるホームポジションを有することを特徴とする底板昇降装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかに記載の底板昇降装置において、
前記昇降モータにより前記昇降モータ側カップリングがホームポジションまで回転させられている間に、前記トレイが画像形成装置本体に装着されたとき、即時に前記昇降モータの回転方向を前記底板上昇方向に駆動することを特徴とする底板昇降装置。
【請求項10】
トレイに積載収容されたシート状媒体を1枚分離して搬送し、感光体上に形成されたトナー画像を搬送手段で搬送し、この搬送の過程で該シート状媒体に画像を転写して定着したのち、排紙する画像形成装置において、
前記トレイが請求項1乃至9の何れかに記載の底板昇降装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状媒体を給送可能な状態に変位させる底板昇降装置およびこの底板昇降装置が使用される複写機、ファクシミリ、プリンタ、プロッタ、複合機などの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やプリンタ等の給紙装置の代表的なものとして、使用するシート状媒体(以下、その一例として用紙と称する)を積載した給紙用のトレイを複写機等の画像形成装置本体に着脱自在に取り付けるものがある。このような給紙装置の1つとして、トレイ内に用紙を載置する底板と、底板を昇降させる昇降部材を有し、積載用紙量に応じて底板を昇降モータで昇降させることにより、最上位の用紙を給紙に適する位置におく制御を行なう給紙装置が提案されている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
なお、特許文献3には、「スプリングピンが係止される係止溝を有してモータによって駆動されるカップリングの係止溝は、底板を上昇させるために前記カップリングを正転させるときに前記スプリングピンを押圧する側の一方の内側面に前記カップリングの軸方向と平行な平行面を有し、反対側の内側面に前記カップリングの端面に向かうに従い前記係止溝の幅が次第に広がる方向に傾斜する傾斜面を有する」旨の開示がある。
【0003】
近年のトレイは用紙積載量が増え、底板の昇降にもかなりの駆動力を要するようになってきている。また給紙トレイのフロントローディング化が主流で、昇降部材と昇降モータとの間はカップリングで係合され、トレイ引き出し時はカップリングの係合がはずれて昇降モータが画像形成装置本体側に残る方式がほとんどである。
【0004】
例えば、特許文献1などでは、カップリング部分の構成は、カップリングを構成する昇降モータ側ジョイントは軸方向に所定ストローク可動であり、かつ、その軸方向端面部には軸直角方向に十文字方向に溝が形成されている。この溝に、カップリングを構成するもう一方の部材である昇降部材側の回転軸の先端部に設けられた係合ピンが係合して動力伝達がなされる。
【0005】
上記ジョイントは上記係合ピンに押圧される向きにばねで付勢されている。これにより、係合ピンと溝が正対しない状態(係合ピンと溝の位置がずれていてそのままでは係合ピンがキー溝に嵌合しない状態)でトレイが複写機本体に装着される際、ジョイントが係合ピンによって押圧され、ばねの付勢力に抗してジョイントが移動する過程でジョイントと係合ピンとが相対的にずれて、ジョイント或いは係合ピンを備えた上記回転軸が僅かに回転して係合ピンと溝とが合致した位置でばねの付勢力によって係合する。
【0006】
従来、トレイはトレイ自身の自重と積載用紙の重量によってトレイ着脱に際してのガイドであるスライドレール上に発生する摩擦力に抗する操作力を要していた。これに加え、給紙トレイ装着直前には上記ジョイント部のばねの付勢力に抗してカップリングを押し込む力も要する。
【0007】
前述のように底板昇降はかなりの駆動負荷があるため、カップリングの掛かり(例えば、上記キー溝に対する上記係合ピンの係合度合い)が浅いと上昇途中でカップリングが外れて用紙を載置した底板が支点を中心にその自由端側が落下してしまう。従って、カップリングが確実に掛かるようにするためにカップリングの上記ストローク及び上記ばねによる付勢力を大きくしなければならないので、トレイセット時の押し込み力も大きくなってしまう。
【0008】
また、このばねによる反力によって、トレイはカップリングが噛み合うまで押し出される方向に力を受けるので押し出されないように、これ(該トレイ)を保持する必要がある。この保持具として市販のロータリーキャッチ等、トレイセット力を利用するものが使われているので、余計にトレイセットに大きな操作力が必要になっている。
【0009】
この操作力をなるべく少なくしようとすると、カップリング等のトレイを押し出そうとする力と保持具による引き込み力が中途半端なところで釣り合い、正規の位置にトレイセットされない半セット状態になり、用紙のレジスト狂いの原因となる。
【0010】
近年、お年寄りや障害のある人々に対しての配慮からバリアフリーなどの考え方が浸透している。2000年12月には米連邦政府がリハビリテーション法508条における「アクセシビリティ・スタンダード」を発表した。これによると「装置及びキーを作動させる力は、最大でも5ポンド重(22.2N)までとすること。」と明記されている。これは今後オフィス環境において、これらの方々の雇用を想定したものであり、機器の操作力にも配慮が必要となることが伺える。
【0011】
従って、上記トレイも操作力の低減が望まれ、従来機並の操作力では受け入れられない状況になってきている。
【0012】
【特許文献1】特開平9-86680号公報
【特許文献2】特開平10−67446号公報
【特許文献3】特許第3646840号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、シート状媒体給送用のトレイの画像形成装置本体へのセット力を低減することができる底板昇降装置および画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を達成するため請求項1にかかる発明は、シート状媒体を載置する底板を有するトレイを画像形成装置本体に着脱自在に取り付け、前記トレイには前記底板の昇降部材を有し、該昇降部材の駆動は画像形成装置本体側に取り付けられた昇降モータで行い、前記昇降部材と前記昇降モータは前記トレイ装着時にカップリングで係合される底板昇降装置において、前記トレイを画像形成装置本体に装着するときに該トレイ側カップリングと噛み合う該昇降モータ側カップリングの回転位置についてホームポジションを設定し、画像形成装置本体より該トレイを引き出したときに、該昇降モータ側カップリングの回転位置を前記ホームポジション角度まで回転させることとした。
請求項2記載の発明では、前記昇降モータ側カップリングのホームポジションを、画像形成装置本体から前記トレイを引き出すことにより前記カップリングの係合が外れ前記底板が落下停止したときの該トレイ側カップリングの回転位置に合わせて定めた。
【0015】
請求項3記載の発明では、請求項1または2記載の底板昇降装置において、前記トレイを引き出した後、前記昇降モータ側カップリングが前記ホームポジションまで回転している間、その旨を表示する表示手段を有することとした。
請求項4記載の発明では、請求項1乃至3の何れかに記載の底板昇降装置において、前記昇降モータの回転と連動する用紙残量検知手段を設け、前記トレイを引き出す前に該用紙残量検知手段が検知していた残量に応じて該昇降モータ側カップリングを前記ホームポジションまで回転する角度が少ない回転方向へ回転させて戻すこととした。
請求項5記載の発明では、請求項1乃至4の何れかに記載の底板昇降装置において、前記底板上に積載されたシート状媒体が給送に最適な位置にあることを検知する紙面検知手段を備え、前記トレイを引き出しても前記紙面検知手段が、前記底板上に積載されたシート状媒体が給送に最適な位置にあることを検出している間は該昇降モータ側カップリングがホームポジション角度まで戻る制御を禁止することとすることとした。
請求項6記載の発明では、請求項4又は5記載の底板昇降装置において、前記昇降モータ側カップリングが該昇降モータ側カップリングのホームポジションまで回転している間は、前記用紙残量検知手段による用紙残量検知結果に基き前記ホームポジション到達までの所要時間を表示手段に表示することとした。
請求項7記載の発明では、請求項1乃至6の何れかに記載の底板昇降装置において、前記昇降モータ側カップリングはその端面に係止溝を有し、前記トレイ側に付勢されたまま該昇降モータ側カップリングの軸方向に所定量往復動可能であり、前記トレイ側カップリングは前記係止溝に係合する係止突起を有し、前記係止溝には、前記底板を上昇させるために前記昇降モータ側カップリングを回転させるときに前記係止突起を押圧する側の一方の内側面に前記昇降モータ側カップリングの軸方向と平行な平行面を設け、反対側の内側面には、前記昇降モータ側カップリングの端面に向かうに従い前記係止溝の溝幅が次第に広がる方向に傾斜する傾斜面をそれぞれ設けた。
請求項8記載の発明では、請求項1乃至7の何れかに記載の底板昇降装置において、画像形成装置本体より前記トレイを引き出したときに前記昇降モータ側カップリングは、前回トレイ引き出し時におけるホームポジションから所定角度ずれた回転位置で前記トレイ側カップリングと噛み合う前記ホームポジションとは異なるホームポジションを有することとした。
請求項9記載の発明では、請求項1乃至8の何れかに記載の底板昇降装置において、前記昇降モータにより前記昇降モータ側カップリングがホームポジションまで回転させられている間に、前記トレイが画像形成装置本体に装着されたとき、即時に前記昇降モータの回転方向を前記底板上昇方向に駆動することとした。
以上に述べた構成の底板昇降装置は、トレイに積載収容されたシート状媒体を1枚分離して搬送し、感光体上に形成されたトナー画像を搬送手段で搬送し、この搬送の過程で該シート状媒体に画像を転写して定着したのち、排紙する画像形成装置の構成として採用することができる。
【発明の効果】
【0016】
この発明では、トレイセット時においてカップリングの係合が円滑に行なわれるので、カップリングの係合補助手段として用いられたばねの付勢力が不要となるなどによりカップリングの押し込み力が低減する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、この発明の実施の形態を説明する。
[1]画像形成装置の概要
図1に本発明が適用された画像形成装置を示す。画像形成装置本体1の最上部には画像読取装置37が位置し、その下方に向かい、胴内排紙部36、感光体ドラム27を中心とした画像形成部、トレイ4を中心とした給紙部などが順次配置されている。
【0018】
上記画像形成部について概要を説明する。感光体ドラム27のまわりには、よく知られる静電記録方式のプロセス部材が配置されている。すなわち、帯電手段28、光書込み装置29、現像手段30、転写帯電手段としての転写ローラ31、クリーニング手段32などである。
【0019】
帯電手段28で帯電された感光体ドラム表面は光書込み装置29からの露光光により、用紙10に適合する画像が形成されるように露光領域が定められて露光され、静電潜像が担持される。この静電潜像は現像手段30を通過する間にトナーで可視像化され、こうして担持されたトナー画像は、トレイ4から送り出された用紙10に転写される。つまり、用紙10は予めトレイ4から送り出されてレジストローラ26で待機しており、光書込み装置29からのデータと同期をとり、レジストローラ26から再度スタートする。この再スタートした用紙10上に、転写部を構成する転写ローラ31の転写バイアス印加により転写される。
【0020】
転写ローラ31は、搬送ベルト40の支持ローラを兼用していて、転写を終えた用紙10は搬送ベルト40の回転により進み、定着装置33を通る間に定着される。定着装置33を出た用紙10は、搬送コロ34を出た位置で図示しない分岐手段により進路が分かれる。一つの進路は反転しつつ一対の排出コロ35から胴内排紙部36に排出される経路であり、もう一つの進路は、一対の排出コロ360を経て後処理装置に至る経路である。
【0021】
給紙部について説明する。給紙部は後述する本発明にかかる底板昇降装置を備えたトレイ4およびこれに付帯する用紙搬送手段からなる。トレイ4まわりには、底板3上に積載された用紙10を送り出す呼び出しコロ15、給紙ローラ16、逆転コロ17、及び、搬送用のコロ24、25などで構成されている。用紙10が送り出されるにつれて、底板3上の積載用紙枚数は減っていき、偏心回転軸片7の角度は急勾配の傾向に変位していく。
【0022】
用紙給送に際しては、呼び出しコロ15が回転して、用紙10が給紙ローラ16、逆転ローラ17まで搬送され、これら給紙ローラ16および逆転ローラ17により用紙の重送が起きないように1枚ずつに分離される。
【0023】
分離された1枚の用紙10は、コロ24、25を経て一対のレジストローラ26に突き当たって一旦停止する。レジストローラ26に突き当てて停止させることで、用紙と画像のレジストやスキューが矯正される。
【0024】
[2]底板昇降装置
例1
図1、図2を参照しつつ説明する。トレイ4の底部には底板3が設けてあり、底板3を支点となる穴2を通る支点軸によりトレイ4に軸支し、用紙搬送方向Aに直交するB方向(図1の紙面に垂直な方向)に伸びるこの支点軸のまわりに回動できるようにしてある。図中符号5は昇降部材を示し、底板3の下方に位置しトレイ4に軸支されていて上記支点軸と平行な軸6と、軸6の一端部であって底板3のほぼ中央部近くで軸6に固定された偏心回転片7と、軸6の他端近くにその半径方向に突出させて取り付けられた2本の係合突起8とを有する。
【0025】
昇降部材5の軸6をその中心軸のまわりに回転させると、偏心回転片7も軸6の中心軸のまわりで回動し、偏心回転片7の自由端側は底板3の下面に接して底板3を支点を中心に回動させ底板3の自由端部を上方へ持ち上げる。
【0026】
昇降部材5の駆動は、画像形成装置本体に固定された昇降モータ10の動力を連断可能に伝達するカップリングを介して行なわれる。カップリングはトレイ側カップリングとしての係合突起8と、この係合突起8に係合する昇降モータ側カップリング9からなる。
【0027】
昇降モータ側カップリング9は昇降モータ10の出力軸に取り付けられている。この出力軸は図2において矢印B方向に伸びる軸であるが、伸長性のばね11が巻かれているため図2ではこのばね11に隠れて該出力軸は見えない。昇降モータ側カップリング9は上記出力軸の軸方向(B方向)に所定ストローク往復動可能である。
【0028】
昇降モータ側カップリング9はこのばね11の付勢力によりB方向に付勢されているが、この付勢力による移動は、適宜のストッパによる係止手段により阻止されている。この昇降モータ側カップリング9は円筒形状であり、開放側である自由端からB方向と平行に伸び、円周方向に等分な4本の切り込み9aを有している。切り込み9aは係止溝とも称される。
【0029】
トレイ4を画像形成装置本体にセットする時は、この昇降モータ側カップリング9の切り込み9aに、係合突起8が合致すれば、カップリングの結合となるが、互いの位置が合致しない場合には、スライドレールに沿わせてトレイ4をスライドすると、係合突起8が昇降モータ側カップリング9の表面に当接して、ばね11を圧縮しながら所定位置まで押し込まれる。
【0030】
その上で昇降モータ側カップリング9と係合突起8との相対位置をずらすことで、係合突起8が切り込み9aと合致すると、ばね11の付勢力により昇降側カップリング9がストッパで規制されるまでB方向に移動する。このストッパで規制された位置で係合突起8が切り込み9aの奥まで入り、カップリングによる動力伝達が可能になる。
【0031】
この状態で昇降モータ10の駆動によって昇降部材5が回転駆動される。回転量は図示しない紙面検知手段が底板3上の積載紙の最上紙面を検知するまでの上昇量に相当する。この上昇量は底板3上の用紙積載量に応じて約5°〜70°までの変位である。トレイ4を引き出した時には係合突起8が昇降側カップリング9から外れることで底板3が自重、用紙があれば用紙の重さを含めた荷重により落下する。
【0032】
このように、トレイ4は引き出し時において、図示省略のスライドレールに案内されてB方向に引き出され、その際、底板3がトレイ4の底部に当たる定位置まで落下する。この定位置に落下した安定位置で、係合突起8が水平方向に突出するように構成する。このように構成すれば、トレイ4における係合突起8は画像形成装置本体から引き出された状態では水平方向に突出した状態となる。この位置を係合突起8のホームポジションとする。
【0033】
一方、トレイ4を画像形成装置本体1に装着するときにトレイ側カップリングである係合突起8と噛み合う昇降モータ側カップリング9の回転位置、つまり、対向する2つの切込み9aが水平となる回転位置を昇降モータ側カップリング9のホームポジションとし、画像形成装置本体より該トレイ4を引き出したときに、昇降モータを駆動して昇降モータ側カップリング9の回転位置を前記ホームポジション角度まで戻すようにした。
【0034】
すなわち、トレイ4を引き出した直後においては、昇降モータ側カップリング9の切り込み9aの方向はそのときの底板3の傾き角に応じて不定であり、かかる状態のもとでトレイ4を画像形成装置本体に装着しても係合突起8と切り込み9aとが合致することは稀有である。
【0035】
そこで、画像形成装置本体からトレイ4を引き出すことにより、トレイ側カップリングである係合突起8と昇降モータ側カップリング9との係合が外れて底板3が落下停止したときの該係合突起8の回転停止位置にそのまま係合可能な回転位置をトレイ側カップリングのホームポジションとして定めた。
【0036】
このようにすれば、係合突起8の位置は常に落下停止位置であり、かつその回転位置を調整により水平としたので水平で一定しているので、昇降モータ側カップリング9の回転位置もそれに合わせて切り込み9aが水平となる位置をホームポジションとして、このホームポジションになるようにトレイ装着前に予め回転させて位置設定しておけば、トレイ4を装着する際には、必ず、円滑に係合突起8が切り込み9aに係合する。
【0037】
そこで、トレイ4引き抜き後は、昇降モータ側カップリング9の直径方向で対向する一対の切り込み9aが水平位置になるまで昇降モータ10を回転させてから停止する。水平になるのは直径方向で対向する一対のどの切り込み9aでも構わない。いずれかの切り込みが水平なる角度をホームポジションとし、このホームポジションの検知は図示しない専用ホームポジションセンサで検知することとし、その検知情報に基づいて昇降モータ10の電源をオフにして昇降モータ10の回転を停止することで昇降モータ側カップリング9の回転位置をホームポジションに定める。かかるホームポジションセンサおよび該センサからの情報で昇降モータの駆動電源をオフにする電気回路などの制御手段を設けることで双方のカップリングの位置を合わせる上記制御を行なうことができる。
【0038】
本例では、ホームポジションを一対の切り込み9aが水平となる位置にしたが、これに限定されるものではなく、任意に定めることできる、水平にした場合には、係合突起8も水平となり、この位置は比較的物や人と干渉し難いので安全である。
【0039】
トレイ4を画像形成装置に装着するときに該トレイ側カップリングである係合突起8と噛み合う昇降モータ側カップリング9の切り込み9aの回転位置をホームポジションとし、画像形成装置より該トレイ4を引き出したときに、該昇降モータ側カップリング9がホームポジション角度まで戻る制御手段を設けたので、次回トレイの装着時には必ず切り込み9aと係合突起8とが最初から合致するので、ばね11の弾性に抗して昇降モータ側カップリング9を押し込む必要がなくなる。このように、トレイ4のセット時におけるカップリングの押し込み力が不要になるばかりではなく、トレイ4を外す際にも、保持具として付帯されるロータリキャッチのばね力を弱めて設定することが可能となり、保持具の引き込み力も軽減でき、操作力は飛躍的に軽減できる。
なお、本例のように係合突起8と切り込み9aは常合致することとなるので、原理的にはばね11は必ずしも必要でなくなる。
【0040】
例2
本例は、トレイ4を引き出した後、昇降モータ側カップリング9がホームポジションまで回転している間、その旨を適宜の表示手段で表示することとした。トレイ4が画像形成装置本体1から引き出されてから昇降モータ側カップリング9がホームポジションまで回転している間に、トレイ4を画像形成装置本体1に装着すると、ばね11の付勢力のためトレイ装着のための操作力が重く、また、カップリングの急激な噛み合いにより部品が破損するなど、危険な場合が想定されるのでこれを回避することとした。
【0041】
制御手順を示した図3において、トレイセット状態からトレイ4が引き出されると、トレイが半セット状態となり危険であるのでステップ1でモータが回転中であること、などを表示し、或いは、さらに踏み込んで、トレイの装着を禁止、或いはトレイ装着の操作力が大きい状態にあることなどの警告表示した上で(ステップP2)、ステップP3で昇降モータ10をホームポジションに向けて回転させる。昇降モータ側カップリング9がホームポジションに達したら(ステップP4)、警告表示を非表示状態とし(ステップP5)、待機する。
【0042】
この例では、トレイ4が引き出されたときに、昇降モータ10により昇降モータ側カップリングがホームポジションに向けて回転するので、その回転中に誤ってトレイ4を装着すると、トレイ4が半セット状態等の不具合を起こしやすいことの注意を喚起する表示を適宜の表示手段により行う。そして、その間はトレイセットを禁止またはトレイ装着の操作力が大きい状態にあることなど注意するようユーザに促す。これにより、ホームポジションに戻る途中で誤ってトレイをセットすることによって発生する半セット状態等の不具合を未然に防止することができる。
【0043】
例3
本例では、昇降モータ10の回転と連動する用紙残量検知手段を設け、トレイ4を引き出す前に該用紙残量検知手段が検知していた残量に応じて該昇降モータ側カップリング9を前記ホームポジションまで回転する角度が少ない回転方向へ回転させて戻すこととしたものである。
【0044】
用紙残量検知手段としては特許文献2に開示された技術を用いることができる。例えば、図4に示すように、昇降モータ10と図示しない歯車系列を介して駆動される歯車G42と、この歯車G42と同心で一体的に回転するカムプレート43を設ける。カムプレート43は回転軸44のまわりに等間隔に4つの非接点部(空隙)45eと接点部45fを有し、接点部45fとコンタクトプレート46の端部とが対向した場合にのみコンタクトプレート46とコンタクトプレート47(コンタクトプレート47は常時接点部45fに接している)とが導通される。
【0045】
これにより、カムプレート43の回転状態では、断続的に接点部45fとコンタクトプレート46とが接触し、これによるパルス信号が昇降モータ10のモータ制御回路へ送信される。モータ制御回路はこのパルス信号のパルス数を計数する。
【0046】
昇降モータ10が作動して出力軸が回転するとカップリングを介して軸6が回転しこれにより、底板3が持ち上げられる。用紙10が呼び出しコロ15に接するようになると、図示しない用紙検出手段によりこの状態が検知されて、昇降モータ10の回転が停止させられる。また、モータ制御装置では、昇降モータ10が停止するまでの間に受信したパルス信号のパルス数からトレイ4内に収容されている用紙の残量を導きだす。
【0047】
昇降モータ側カップリング9の回転角度は歯車G42の回転数に比例する。このことから、カムプレート43の回転数(パルス信号のパルス数)、偏心回転軸片7の揺動角度、およびトレイ4に収容された用紙枚数の対比テーブル予め作成し、モータ制御装置に予め記憶させておくことで、昇降モータ10の回転が停止した状態での用紙残量や昇降モータ側カップリング9の回転角度を容易に知ることができる。
【0048】
そこで、昇降モータ10を停止し、トレイ4を引き出す前に検知していた用紙の残量に応じて該昇降モータ側カップリング9がホームポジション(切り込み9aが例えば水平に戻る)まで回転する角度が少ない方へ回転して戻ることにより、装置が半セット状態等の不具合を起こしやすい状態にある時間を最短にすることができる。
【0049】
図5によりモータ制御装置の動作を説明する。ステップP10で昇降モータ10が停止して、トレイ4が引き出される。ステップP11で残量(正確には、そのときの用紙残量に対応する昇降モータ側カップリング9の切り込み9aの角度)がホームポジションである水平に対して45°より大か小かの判断がなされる。着目した切り込み9が軸6の中心を通る水平線に対してなす角度が45°より小さければその着目した切り込み9が直近の該水平線に重なる向きに回転(この回転方向を例えば昇降モータ逆転とする)させて、ホープポジションにする(ステップP12、13)。逆に45°より大きければ着目した切り込み9が軸6の中心を通る直近の鉛直線に重なる向きに回転(この回転方向を例えば昇降モータ正転とする)させて、ホームポジションにする(ステップP14、P15)。
【0050】
これにより、トレイ4の脱着をすばやく行っても半セット状態等の不具合になる機会を減らすことができる。またトレイセットを禁止または注意するようユーザに促す警告表示(図3参照)が消えるまでのユーザの焦燥を軽減する。
【0051】
トレイ引き出し後はこのように用紙残量検知手段によってトレイを引き出す直前に検知していた残量に応じて該昇降モータ側カップリングがホームポジションまで回転する角度が少ない方へ回転して戻る様制御する。用紙の上昇に要する回転角は前述のように約15°〜70°である。昇降モータ側カップリング9の切り込み9aは4本なので、90°毎のホームポジションになる。従って、0°〜45°未満までは逆転で戻り、45°を超えて90°未満では正転して次の切り込みを水平にする。
【0052】
図4で説明した特許文献2に開示されたような、段階的な用紙残量検知を行うものは各段階で取り得る角度範囲の中間値が45°を超えるか否かで正転逆転の判断をしてもよい。
【0053】
例4
本例は、トレイを微細に引き出し再セットするというような特殊なケースに対しても装置を破損しない安全な底板昇降装置に関する。
トレイ内に用紙を載置、積載する底板と、底板を昇降させる昇降部材を有し、積載用紙量に応じて底板を昇降モータで昇降させることにより、給紙ポジションに位置させる制御は前記特許文献1などで公知である。給紙ポジションは、本例において最上位の用紙レベルであって給紙に最もよい位置である。
【0054】
トレイのセット状態は、画像形成装置本体側に設けられた図示しないプッシュスイッチをトレイが押し込むことで検知する構成である。また、給紙ポジションを検知する紙面検知手段も積載された用紙の最上位の紙面上に自重で当接するフィラーをフォトセンサで検知するという周知の構成を採用する。なお、紙面に当接する呼び出しコロを支えるアーム上にフィラーを設け、このフィラーをフォトセンサで検知する構成とする場合もある。
【0055】
通常の動作ではトレイ4を引き出すと、このプッシュスイッチの押圧が解かれ、昇降モータ側のカップリングからトレイ側カップリングが外れて底板が自重落下する。これにより紙面検知で紙面が最適位置にいないと制御手段において認識される。
【0056】
通常、トレイ4を一気に引き出した場合には、プッシュスイッチの押圧解除によるトレイの引き出し認識と、昇降モータ側カップリング9からのトレイ側カップリングの解除(=トレイの自重落下)は略同時になる。
これに対して、微細にトレイ4を引き出していくと、プッシュスイッチの押圧が解かれてトレイ4が引き出されたと制御手段において認識されても、未だ、昇降モータ側カップリング9からトレイ側カップリングである係合突起8が外れていない(従って、トレイが自重落下していない)場合がある。
【0057】
このような場合に、昇降モータ側カップリング9を、底板3が上昇する側へ回転させてホームポジションに到達させようとすると、未だカップリング間の結合が解除されていないために、底板3が上昇し過ぎて用紙が呼び出しコロ15を押し上げ、最悪は部品破損に至る。
【0058】
そこで、本例では、このような破損事故を免れるために、トレイ4をたとえ微細に引き出す動作がなされて、これによりプッシュスイッチの押圧が解除されてトレイの引き出しが認識されても、給紙ポジションを検知する紙面検知手段が最適な紙面を検出している間は、昇降モータ側カップリング9の切り込み9aが例えば水平になるホームポジション角度まで戻る制御が禁止されるように制御することとした。
【0059】
図6に示したフローチャートにより説明する。ステップP20で昇降モータ10が停止して、トレイ4が引き出される。次に、ステップP21で紙面検知手段によりトレイ4上の最上紙の上面が給紙に適する最適紙面のレベルにあるかどうかが判断される。ここで、トレイ4が微細に引かれるなどによりトレイ4の引き出しが認識されているにも拘らず、カップリングの結合が解除されないことから紙面検知手段が最適紙面レベルにあると認識された場合には、ステップP20に戻るサイクルを繰り返すだけで、昇降モータ10の回転ステップには移行させない。
【0060】
そして、例えば、トレイ4の更なる引き出し動作により、カップリングの結合が解除され、底板が自重落下して紙面検知手段が最適紙面レベルにないと認識された場合に、ステップP21からステップP22に進み警告表示(前記図3のステップ2と同趣旨。つまり、昇降モータ側カップリングがホームポジションに戻っていないためトレイ9装着のための操作力が重いこと、トレイ装着の危険性などをを知らせる警告表示)をした後、ステップP23で昇降モータ10をホームポジションに向けて回転させる。昇降モータ側カップリング9がホームポジションに達したら(ステップP24)、警告表示を非表示状態とし(ステップP25)、待機する。
【0061】
このように、底板3上に積載された用紙が給紙に最適な位置にあることを検知する紙面検知手段を備え、トレイ4を引き出しても紙面検知手段が最適な紙面を検出している間は該昇降モータ側カップリング9がホームポジション角度まで戻る制御を禁止することによって、トレイ4を微細に引き出し再セットするというようなケース、つまり、トレイのセット状態を検知するプッシュスイッチの押圧が解除されても、昇降モータ側カップリング9とトレイ側カップリングである係合突起8の嵌合が外れない特殊なケースに対して装置を破損しない安全な底板昇降装置、ひいては画像形成装置を提供できる。紙面検知手段は給紙搬送上不可欠なものであるので、元来搭載されており、従って本例の実施においてコストアップは発生しない。
【0062】
例5
本例は、昇降モータ側カップリング9が該昇降モータ側カップリング9のホームポジションまで回転している間は、昇降モータ10の回転と連動する用紙残量検知手段による用紙残量検知結果(用紙残量情報など)に基きホームポジション到達までの所要時間を表示手段に表示する底板昇降装置に関する。ここで、昇降モータ10について回転角度検知による用紙残量検知機能を有する用紙残量検知手段を設ける例については図4で既に説明したとおりである。
【0063】
図7のフローチャートにより説明する。
昇降モータ10が停止して、トレイ4が引き出される(ステップP30)。
トレイ4が画像形成装置本体から引き出されて(ステップ30)から昇降モータ側カップリング9がホームポジションまで回転するのに若干の時間(例えば、数秒)がかかるので、その間のトレイ4の再装着の禁止或いはトレイ装着の操作力が大きい状態にあることなどを警告する警告表示がなされる(ステップP31)。
【0064】
トレイ4が画像形成装置本体から引き出されてから昇降モータ側カップリング9がホームポジションまで回転している間に、昇降モータ10に付帯して設けられた用紙残量検知手段によるトレイ引き出し時の用紙残量検知結果、つまり、用紙の残量検知情報から制御手段は昇降モータ側カップリング角度を検出し、ホームポジションまでの角度を算出する。算出された角度と当該昇降モータ10の性能(所定のモータ回転数情報)からホームポジションまで回転するに必要な時間を算出して、図示しない表示手段に表示する。
【0065】
図4で説明したような用紙残量検知手段を用い、特許文献3に開示されたような公知の検知パターンを用いた段階的な用紙残量検知を行うものは各段階で算出されるホームポジションまでの角度から時間を段階的に表示してもよいし、検知タイミングと回転数から時間を減算して表示していってもよい。
【0066】
例えば、ホームポジションが0°、残量検知位置が18°、36°、63°の3ヶ所で下降側回転速度3rpmの場合、1sec当り18°回転するので、63°検知時でホームポジションまで3.5secを表示、36°検知時で2sec、18°検知時で1sec表示となる(ステップP32〜P37参照)。
ここで、63°検知時から36°検知前までは3.5sec表示のままでもよいし、3.5secからカウントダウンしていって36°検知時に2secへ表示更新してからまたカウントダウン表示してもよい。もちろん、数字表示でなくインジケータ表示としてもよい。
【0067】
表示後、ステップP38で昇降モータ10をホームポジションに向けて回転させる。昇降モータ側カップリング9がホームポジションに達したら(ステップP39)、警告表示を非表示状態とし(ステップP40)、かつ、ステップP32〜P37で表示した時間を非表示(P41)とし昇降モータ10の回転を停止して待機する。
【0068】
以上により、底板昇降装置において、昇降モータ側カップリング9がホームポジションまで回転している間は、用紙残量検知結果を用いてホームポジション到達までの所要時間を表示することによって、警告表示が消えるまでのユーザの焦燥を軽減することができる。
【0069】
例6
本例の昇降モータ側カップリング90は、図2で説明した昇降モータ側カップリング9とは切り込み(係止溝)9aの形状だけが異なる。すなわち、図8、図9に示す昇降モータ側カップリング90を用いる底板昇降装置に関する。このような昇降モータ側カップリング90は、本明細書における既述の各例および本例以後に説明される例における底板昇降装置の昇降モータ側カップリングとして用いることができる。
【0070】
図8において昇降モータ側カップリング90は図2の例と同様、伸長性のばね11によりトレイ側(斜め右下側)に付勢されたまま昇降モータ側カップリングの軸方向に所定量(係合突起8による係合および係合の解除が可能な量)往復動可能であり、その端面93(左斜め下方側の端部)に円周方向に等分な4本の同一の切り込み90aを有している。図8では符号が錯綜して図が煩雑になるのを避けるため4つの切り込み90aの中の任意の一つだけに着目して説明する。
切りこみ90aには、底板3(図2参照)を上昇させるために昇降モータ側カップリング90を図中「上昇」と記載した矢印の向きに回転させるときに係止突起8を押圧する側の一方の内側面91に昇降モータ側カップリングの軸方向O―Oと平行な平行面を設け、反対側の内側面92には、昇降モータ側カップリングの端面93側に向かうに従い係止溝92の溝幅が次第に広がる方向に傾斜する傾斜面をそれぞれ設けている。つまり、内側面92は傾斜面になっている。なお、図9は図8における軸方向O―O上で昇降モータ側カップリング90の端面を見たときの正面図である。
【0071】
これまで説明した例と同様、本例においても、トレイ4を画像形成装置本体に装着(セット)すると係合突起8が切り込み90a内に入り込む。トレイ4のセット状態は、画像形成装置本体側に設けられた図示しないプッシュスイッチをトレイ4が押し込むことで検知する。また、給紙ポジションを検知する紙面検知手段も積載された用紙の最上位の紙面上に自重で当接するフィラーをフォトセンサで検知するという周知の構成を採用している。
【0072】
通常の動作ではトレイ4を引き出すと、このプッシュスイッチの押圧が解かれ、昇降モータ側のカップリングからトレイ側カップリング(係合突起8)が外れて底板が自重落下する。これにより紙面検知で紙面が最適位置にいないと制御手段において認識される。
【0073】
通常、メンテナンスやジャム紙の処理などに際してトレイ4を一気に引き出した場合には、プッシュスイッチの押圧解除によるトレイの引き出し認識と、昇降モータ側カップリング90からのトレイ側カップリングの解除(=トレイの自重落下)は略同時になる。
これに対して、何らかかの理由により9微細にトレイ4を引き出していくと、プッシュスイッチの押圧が解かれてトレイ4が引き出されたと制御手段において認識されても、未だ、昇降モータ側カップリング9からトレイ側カップリングである係合突起8が外れていない(従って、トレイが自重落下していない)場合がある。
【0074】
このような場合でも、昇降モータ側カップリング9を、底板3が下降する側へ回転させてホームポジションに到達させるようにしておけば、底板3の下限位置を過ぎて回転しても内側面92に形成した傾斜面を係合突起8が登る態様となり、ばね11の付勢力に抗してカップリング90が軸方向に退避して部品破損を免れることができる。傾斜面を登りきり、隣の切り込み90aに至る場合でも実害はない。本例の構成ならば、仮に請求項5の構成で紙面検知の検知不良によりホームポジションへの戻り動作を開始しても、或いはホームポジション検知(残量検知)の検知不良でホームポジションを越えてカップリングが回転し続けた場合でも、部品破損することがない。よって、各検知手段の検知不良が発生しても底板昇降装置を破損させることがない。
【0075】
例7
本例は、画像形成装置本体よりトレイ4を引き出したときに昇降モータ側カップリング9(或いは昇降モータ側カップリング90)は、前回トレイ引き出し時におけるホームポジション(例えば、1回目のホームポジション)から所定角度ずれた回転位置でトレイ側カップリング(係合突起8)と噛み合う前記ホームポジション(1回目のホームポジション)とは異なるホームポジション(2回目のホームポジション)を有することとしていている。
【0076】
スラスト方向に退避可能な該昇降モータ側カップリング9(或いは昇降モータ側カップリング90)において、用紙の上昇に要するトレイ4の回転角は前述のように約15°〜70°である。カップリング9(90)の切り込みは4本なので、係合突起8のホームポジション(底板3が自重落下して停止したときの係合突起の位置。通常は画像形成装置本体からトレイ4を取り外したときの他部材との干渉回避のため水平方向に設定される。)に対して本例では90°毎に回転がずれた4つのホームポジションがある。
【0077】
このように、昇降モータ側カップリング9(90)は回転方向に90°ずつずれた4つのホームポジションを取り得るのに、その中の一つだけをホームポジションに設定したとすれば(これを仮に1番目のホームポジションとすれば)、該昇降モータ側カップリング9(90)がホームポジションまで下降回転で戻る場合、常に1番目のホームポジションで停止するため、常に同じ回転角90°の範囲、例えば、駆動系歯車の同じ範囲の歯の領域を永久的に使い続けることになり、昇降モータ10の回転にかかる歯車列や軸受の磨耗が部分的に加速される。
【0078】
そこで、本例では、トレイ側カップリング(係合突起8)と噛み合う前記ホームポジション(1回目のホームポジション)とは異なるホームポジション(2回目のホームポジション)を有することとした。
図10のフローチャートにより説明する。トレイ4が画像形成装置本体から引き出されて(ステップP50)から昇降モータ側カップリング9がホームポジションまで回転するが、まずトレイ4の再装着の禁止、或いはトレイ装着の操作力が大きい状態にあることなどを警告する警告表示がなされる(ステップP51)。
【0079】
警告表示(ステップP51)後、昇降モータ10が回転し(ステップP52)昇降モータ側カップリング9がホームポジションに向けて回転する。やがてホームポジションを検知するが、まだ1回目なので次の2回目のホームポジションに向けてさらに昇降モータ10は回転を継続し、ステップP54で1回目のホームポジジョンから例えば90°回転が進んだ2回目のホームポジションかどうかを判断し、2回目のホームポジションならばその回転位置で警告表示を非表示状態とし(ステップP55)、かつ、ステップP51で表示した警告表示を警告非表示(P55)とし昇降モータ10の回転を停止して待機する。
この例に準じて、1回目のホームポジションと2回目のホームポジションを交互に使用する。或いは、1回目〜3回目や、1回目〜4回目のホームポジションを交互に使用したりすることもできる。
【0080】
底板昇降装置において、昇降モータ側カップリングがホームポジションまで下降回転で戻る場合、該昇降モータ側カップリングは前回と異なるホームポジションまで戻すことによって、同じ回転角範囲を永久に使い続けることがなくなり、モータ内部のギヤや軸受などの部分的な磨耗の加速を抑制できるので、昇降モータの耐久性が増す。
【0081】
例8
本例は、これまで述べた例における底板昇降装置において、昇降モータ10により昇降モータ側カップリング9(90)がホームポジションまで回転させられている間に、トレイ4が画像形成装置本体に装着されたとき、即時に昇降モータの回転方向を底板上昇方向に駆動することとした例である。
【0082】
図11のフローチャートにより説明する。トレイ4が画像形成装置本体から引き出される(ステップP60)とトレイ4の再装着の禁止、或いはトレイを装着する場合は操作力が大きくなることを警告する警告表示がなされる(ステップP61)。
【0083】
警告表示(ステップP61)後、昇降モータ10が昇降モータ側カップリング9(90)をホームポジションに向けて回転させる(ステップP62)。昇降モータ10により昇降モータ側カップリング9(90)がホームポジションに向けて回転している間にトレイが画像形成装置本体に装着(セット)される(ステップP63)。ホームポジションに向けて回転中にカップリングが結合されると警告を非表示にした上で(ステップP64)昇降モータ10は、トレイ4(底板3)を上昇させる向きに回転駆動される(ステップP65)。
【0084】
このように、昇降モータ側カップリングがホームポジションに向けて回転している間にトレイ4がセットされたら、即時に底板上昇動作へ移行させることで給紙可能な状態になるまでの時間が最短になる。但し、ホームポジションへの戻り回転方向と底板上昇動作の初期回転方向が異なる場合、モータドライバのIC保護のための微小な停止時間(例えば、30mS程度)は設けてもよい。
ステップP63でトレイのセットがないと判断されている場合は、昇降モータ側カップリング9がホームポジションに達するまで回転を継続しホームポジションに達したら(ステップP66)、警告表示を非表示状態とし(ステップP67)、昇降モータ10の回転を停止して待機する。
【0085】
上記のように底板昇降装置において、昇降モータ側カップリング9(90)がホームポジションまで回転している間にトレイ4がセットされたら、即時に底板上昇動作へ移行させることによって、給紙開始可能となるまでのユーザの焦燥を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明にかかる画像形成装置の概略構成図である。
【図2】底板昇降装置の要部構造を示した分解斜視図である。
【図3】警告表示の手順を示したフローチャートである。
【図4】用紙残量検知手段の一例を説明した図である。
【図5】カップリングをホームポジションに迅速に戻す手順を説明したフローチャートである。
【図6】カップリング結合状態でホームポジションに戻すような危険を回避する手順を説明したフローチャートである。
【図7】カップリングがホームポジションに戻るまでの所要時間を表示する手順を説明したフローチャートである。
【図8】昇降モータ側カップリング及び昇降部材の斜視図である。
【図9】昇降モータ側カップリングを軸心方向から見た正面図である。
【図10】昇降モータ側カップリングが前回と異なるホームポジションに戻る手順を説明したフローチャートである。
【図11】昇降側カップリングがホームポジションに戻る途中でトレイが装着されたときに即時にトレイを上昇させる手順を説明したフローチャートである。
【符号の説明】
【0087】
1 画像形成装置本体
3 底板
4 トレイ
8 トレイ側カップリングとしての係合突起
9、90 昇降モータ側カップリング
10 昇降モータ




 

 


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