発明の名称 |
用紙後処理装置及び画像形成システム |
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発行国 |
日本国特許庁(JP) |
公報種別 |
公開特許公報(A) |
公開番号 |
特開2007−8710(P2007−8710A) |
公開日 |
平成19年1月18日(2007.1.18) |
出願番号 |
特願2005−195205(P2005−195205) |
出願日 |
平成17年7月4日(2005.7.4) |
代理人 |
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発明者 |
小林 一啓 |
要約 |
課題 画像形成装置から出力されたドキュメントに自動でパンチ穴を穿孔し、用紙の搬送方向の停止バラツキを抑制させることにより、パンチ穴の穿孔位置を揃え、用紙束の仕上がり品質を向上させる用紙後処理装置及び画像形成システムを提供する。
解決手段 画像形成後の用紙に対してパンチ穴穿孔処理を施す処理手段、及び前記用紙の狙いの停止位置に、前記用紙を正確に停止させる用紙停止手段を有する用紙後処理装置において、パンチ穴穿孔部に前記用紙を停止させる狙いの位置より前記パンチ穴穿孔部の上流及び下流の搬送ローラの整数回回転分上流の距離の地点に用紙検知センサを配置し、前記用紙停止手段は前記用紙検知センサが用紙後端を検知してから前記パンチ穴穿孔部の上流及び下流搬送ローラの整数回回転分で前記用紙を停止させる。 |
特許請求の範囲
【請求項1】 搬送される用紙に対してパンチ穴穿孔処理を施すパンチ穴穿孔部を有する用紙後処理装置において、前記パンチ穴穿孔部に前記用紙を停止させる狙いの位置よりも上流及び下流に位置する各搬送ローラの整数回回転分に相当する距離だけ上流の地点に用紙検知センサを配置し、前記用紙検知センサが用紙後端を検知してから、前記パンチ穴穿孔部の上流及び下流搬送ローラが整数回回転分した時点で前記用紙を停止させるように制御する制御手段を備えたことを特徴とする用紙後処理装置。 【請求項2】 前記制御手段は、パンチ穴穿孔部の上流及び下流搬送ローラが用紙搬送終了後に搬送した回転数分だけ逆回転させることにより、搬送ローラ軸の駆動初期位置を用紙ごとに一定にさせ、前記用紙の搬送に使用するローラ外径部分を用紙ごとに一定にすることを特徴とする請求項1記載の用紙後処理装置。 【請求項3】 前記制御手段は、前記パンチ穿孔部の上流及び下流の搬送ローラが用紙搬送終了後に搬送した回転数分だけ逆回転させ、それにより搬送ローラ軸の駆動初期位置を用紙ごとに一定にさせ、前記用紙の搬送に使用するローラ外径部分を用紙ごとに一定にすることを特徴とする請求項1記載の用紙後処理装置。 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか一項記載の用紙後処理装置を有することを特徴とする画像形成システム。
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発明の詳細な説明
【技術分野】 【0001】 本発明は、複写機、プリンタ、印刷機等の画像形成装置に一体的に、もしくは別体に設けられ、画像形成済みの用紙(記録媒体)に対してファイルに綴じ込むための綴じ孔等を穿孔する用紙穿孔装置、用紙束にステイプル綴じ処理や折り処理等の後処理を行う用紙後処理装置、及びこの用紙後処理装置を備えた画像形成システムに関するものである。 【背景技術】 【0002】 近年、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置において、それらから出力されるドキュメントに対する後処理の要求が高まってきている。その中で、出力されたドキュメントに対してファイリングやデータ処理等に利用する穴を自動的に穿孔する用紙穿孔装置がある(例えば、特許文献1乃至3参照)。 かかる用紙穿孔装置に対して、穿孔した用紙束に対してのパンチ穴の揃え精度を高めて欲しいという要求が高まってきている。揃え精度を向上させるためには、用紙搬送方向の停止位置を一定にする手段が必要となってくる。 そこで、例えば、特許文献1乃至3では解除切り換え可能な用紙先端ストッパを設けることによりストッパで用紙を停止させ、用紙後端を撓ませて穿孔してパンチ穴穿孔位置を揃えることにより、パンチ穴揃え精度を向上させる技術が開示されている。 特許文献3においては、パンチ穴穿孔部の上下流のローラにおいて、用紙後端が上流ローラのニップを抜ける前に下流ローラを停止させて、用紙後端が上流ローラのニップを抜けた時点で上流ローラの回転を停止させて、用紙に撓みを生じさせて穿孔を行う技術が開示されている。 【特許文献1】特開2004−083212公報 【特許文献2】特許第3142826号 【特許文献3】特開2000−177922公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかしながら、特許文献1及び2においては、用紙先端ストッパを機械構成に組み込む必要があり、その分、部品数の増加によるコスト増加、機械内スペースの確保等が必要になってしまう。 また、用紙後端にパンチ穴穿孔を行うさいには用紙サイズの変更に伴い、ストッパの位置を変更する必要があり、そのためのストッパ移動機構が必要になってくる。さらに、特許文献3においては制御方法が複雑になってしまうため、機械に負荷が掛かるという問題もある。 そこで、本発明の目的は、画像形成装置から出力されたドキュメントに自動でパンチ穴を穿孔し、用紙の搬送方向の停止位置バラツキを抑制させることにより、パンチ穴の穿孔位置を揃え、用紙束の仕上がり品質を向上させる用紙後処理装置及び画像形成システムを提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0004】 上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、搬送される用紙に対してパンチ穴穿孔処理を施すパンチ穴穿孔部を有する用紙後処理装置において、前記パンチ穴穿孔部に前記用紙を停止させる狙いの位置よりも上流及び下流に位置する各搬送ローラの整数回回転分に相当する距離だけ上流の地点に用紙検知センサを配置し、前記用紙検知センサが用紙後端を検知してから、前記パンチ穴穿孔部の上流及び下流搬送ローラが整数回回転分した時点で前記用紙を停止させるように制御する制御手段を備えたことを特徴とする。 請求項2の発明は、請求項1において、前記制御手段は、パンチ穴穿孔部の上流及び下流搬送ローラが用紙搬送終了後に搬送した回転数分だけ逆回転させることにより、搬送ローラ軸の駆動初期位置を用紙ごとに一定にさせ、前記用紙の搬送に使用するローラ外径部分を用紙ごとに一定にすることを特徴とする。 請求項3の発明は、請求項1において、前記制御手段は、前記パンチ穿孔部の上流及び下流の搬送ローラが用紙搬送終了後に搬送した回転数分だけ逆回転させ、それにより搬送ローラ軸の駆動初期位置を用紙ごとに一定にさせ、前記用紙の搬送に使用するローラ外径部分を用紙ごとに一定にすることを特徴とする。 請求項4の発明に係る画像形成システムは、請求項1乃至3のいずれか一項記載の用紙後処理装置を有することを特徴とする。 【発明の効果】 【0005】 本発明によれば、パンチ穴穿孔部に用紙を停止させる狙いの位置よりパンチ穴穿孔部上流及び下流の搬送ローラの整数回回転分上流の距離の地点に用紙後端検知センサを配置させることにより、この用紙後端検知センサが用紙後端を検知してからパンチ穴穿孔部上流及び下流の搬送ローラ整数回回転分で用紙を停止させることにより高精度なパンチ穴揃え精度を達成することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0006】 以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の実施形態に係る用紙後処理装置を示す概略構成図である。図2は図1に示した用紙後処理装置を備えた画像形成システムの第1の実施の形態を示す概略構成図である。図3は図1に示した用紙後処理装置を備えた画像形成システムの第2の実施の形態を示す概略構成図である。 図2は複写機としてのシステムの概略を示しており、画像形成部PR、用紙を画像形成部PRに供給する給紙装置PF、画像を読み込むためのスキャナSC及び循環式自動原稿給送装置ARDF(自動原稿給紙装置)を備える。画像形成部PRにより画像形成された用紙は中継ユニットCUを経由して、フィニッシャ(用紙後処理装置)FRの入口ガイド板(図示せず)に搬送されることになる。これらの各構成要素は図示しない制御手段(CPU)によって制御される。 図3は図2のスキャナSC及び循環式自動原稿給送装置ARDFのないプリンタ形態のシステムの概略を示している。その他の構成は、上述した複写機と同様である。 フィニッシャFRとして示した用紙後処理装置は、画像形成部PRの側部に取り付けられている。画像形成部PRから排出された用紙は用紙後処理装置FRに導かれ、この用紙後処理装置FRの持つ機能によって各種の後処理が施される。 なお、画像形成部PRは、例えば、電子写真方式の画像形成プロセスの装置やインクジェット方式の印字ヘッドを持った装置など、公知の画像形成機能を有する装置であればよいので、詳細な説明はここでは省略する。 【0007】 図1を参照して、後処理装置単体例の概略を説明する。右側に連設配置された画像形成装置本体(図示せず)の排紙口から排出されてきた用紙は、搬送ローラ30により送り込まれ、1枚の用紙に穿孔を施すパンチユニット3を有する入口搬送路Aを通って後処理装置FRに導かれる。 導入されてきた用紙は、プルーフトレイ18へ導く上搬送路B、シフトコロ9へ導く中間搬送路C、整合及びステイプル綴じ等を行うステイプルトレイ10へ導く下搬送路Dの何れかへ、分岐爪24、ターンガイド36及び分岐爪25、ターンガイド37によって振り分けられるように構成される。 用紙はステイプルトレイ10上で、ジョガーフェンス12により用紙搬送方向と直交する方向に、縦方向は、叩きコロ8により後端フェンス27を基準に整合が行われる。 その後、端面綴じの場合は所定位置でのステイプル処理が行われ、放出爪11により上方へ搬送され、放出ローラ15によって排紙トレイ17に排紙され積載される。 一方、中綴じの場合には、揃えられた後、束搬送ローラ対13a、13bにより下方へ束搬送され、中綴じ位置での綴じ処理が行われる。次に束搬送ローラ26a、26bにより折り位置までの搬送が実施され、折りプレート19と中折りローラ対20の中折りローラ20a、20bによって中折り処理がなされ、中折り排紙ローラ22によって中折り排紙トレイ23に排紙され積載される。 上搬送路B、中間搬送路C、下搬送路Dの上流で各々に対し共通な入口搬送路Aは、画像形成装置本体から受け入れる用紙を検出する入口センサ45、その下流に搬送ローラ31、パンチユニット(パンチ穴穿孔部)3、その下流に分岐爪24、ターンガイド36が順次配置されている。 【0008】 分岐爪24は図示してないばねにより図1の実線の状態に保持されている。図示しないソレノイドをオンすることにより、分岐爪24は上方に回動する(一点鎖線)ことで、下搬送路D方向へ用紙を振り分け、ソレノイドオフならば上搬送路Bへ用紙を振り分ける。 もう1つの分岐爪25は、同様に、図示してないばねにより図1の実線の状態に保持されている。図示しないソレノイドをオンすることにより、分岐爪25は上方に回動する(一点鎖線)ことで、中間搬送路Cへ用紙を振り分け、ソレノイドオフならば、用紙はそのまま下搬送路Dへ送られ、搬送ローラ33、34により搬送される。 ターンガイド36、37はそれぞれ分岐爪24、25による用紙の振り分けを助ける働きを有する。これらのターンガイド36、37は、分岐爪24、25によって搬送方向を曲げられた用紙が当たることにつられて回転し、小径の分岐部での用紙の搬送抵抗を低減している。 中間搬送路Cには用紙を搬送方向と直角方向に一定量だけ移動可能なシフトコロ9が備えられ、これは図示しない駆動手段によりシフトコロ9を搬送方向と直角方向に移動させることで行なわれる。 中間搬送路Cへ送られて来た用紙はシフトコロ9で搬送中に搬送方向と直角方向に一定量移動することにより、用紙を搬送方向と直角方向に一定量ずらして、その状態のまま放出ローラ15によって排紙され、排紙トレイ17に積載される。なお、排紙タイミングは、コロシフトセンサ47の用紙検知情報及び用紙のサイズ情報等に基づき決定される。 下搬送路Dにはステイプルトレイ排紙センサ49がある。これは搬送路中の用紙の有無及びステイプルトレイ10へ用紙を排出するさいの揃え動作のトリガとして使用している。搬送路Dを送られた用紙は、搬送ローラ33、34、35によって順次搬送され、ステイプルトレイ10に積載後、整合される。 【0009】 ステイプルトレイ10に排紙された用紙の後端は、後端フェンス27を基準に整合が行われる。後端フェンス27は、束搬送ローラ13aの中心軸を中心に回動可能な構成となっており、図示しないソレノイドにより搬送路より待避する構成となっている。 ステイプルトレイ10に積載された用紙は、叩きコロ8によって随時下に落とされて下端が揃えられる。叩きコロ8は支点8aを中心に叩きソレノイドによって振り子運動を与えられ、ステイプルトレイ10へ送り込まれた用紙に間欠的に作用して用紙を後端フェンス27に突き当てる。 なお、叩きコロ8は反時計回りに用紙を後端フェンス27へ作用する方向に回転している。ステイプルトレイ10に積載された用紙の搬送方向と直角方向の揃えは、ジョガーフェンス12によって行なわれる。ジョガーフェンス12は図示しない正逆転可能なジョガーモータによりタイミングベルトを介して駆動され、用紙の搬送方向と直角方向に往復移動する。 この運動で用紙の端面を押さえる動作を行うことで、搬送方向と直角の用紙の揃えを行う。この動作は用紙積載中及び最終用紙の積載後に随時行なわれる。ステイプルトレイ10に備えられたセンサ50は、ステイプルトレイ10上の用紙の有無を検知するものである。 束搬送コロ13a、13b及び26a、26bは、加圧、解放動作ができ、解放した状態で用紙束を間に通した後、加圧して用紙束を搬送する。束搬送コロ13a、13b及び26a、26bは図示しない圧解除モータにより圧接離間移動が自在になっている。 前記束搬送コロ13a、13b及び26a、26bは図示しないステッピングモータにより回転駆動され、このステッピングモータの回転数を制御することにより用紙束の搬送量が制御される。各束搬送コロ13a、13b及び26a、26bは別個独立して圧接離間移動が自在になっている。 各束搬送コロ13a、13b及び26a、26bの圧解除機構は、同様となっているので13a、13bについて詳細を説明する。束搬送コロ13a、13bには、駆動系が、それらが反対の方向であるが同速度で回転するように連結されている。 【0010】 ステイプルユニット5は針を打ち出すステッチャ部5aと用紙束に打ち込まれた針の先端を曲げるクリンチャ部5bから構成されている。本実施の形態のステイプルユニット5では、これらステッチャ5aとクリンチャ5bが別体となっており、ステイプラ移動ガイド6によって用紙束搬送方向と直角方向に移動可能となっている。 ステッチャ5aとクリンチャ5bは図示しない相対的位置決め機構と移動機構を有している。用紙束の搬送方向のステイプル位置は束搬送コロ13a、13bにより用紙束を搬送することで行う。これらにより、用紙束の様々な位置にステイプル止めを行うことができる。 ステイプルユニット5の下流にあるのが中折り機構部である。これは、中折りローラ対20の中折りローラ20a、20b、折りプレート19、ストッパ21などからなっている。 上流のステイプルユニット5で、用紙の搬送方向中央にステイプル止めした用紙束を束搬送コロ13a、13bにより搬送し、ストッパ21に突き当るまで搬送し、いったん束搬送コロ13bのニップ圧を解除することにより、用紙束の折り基準位置の位置が決められる。 その後、束搬送コロ26a、26bのニップ圧を掛けて用紙束を保持し、ストッパ21が後退して用紙束後端から外れ、画像形成装置本体から送られた用紙サイズ信号により、必要な距離を搬送されて折りの位置が出される。 折りの位置(通常は用紙束搬送方向の中央)まで搬送されかつ停止された用紙束は折りプレート19によって折りローラ対20のニップに押し込まれ、そして折りローラ対20が用紙束を加圧、回転することによって中折りされる。 なお、ストッパ21は束搬送ローラ26aの中心軸を中心に回動可能な構成となっており、図示しないソレノイドにより搬送路より待避する構成となっている。 折られた用紙束は中折り排紙ローラ22によって、中折り排紙トレイ23に排紙されかつ積載される。中折り部のセンサ54、55は用紙の有無を検知している。また、中折り排紙トレイ23のセンサ57は中折り排紙トレイ23上の用紙束の有無を検知しており、用紙束無しの状態から排紙した用紙束の数をカウントすることで、トレイの満杯検知を擬似的に行うために用いられる。 【0011】 図4はパンチ穴穿孔処理モードを説明するフローチャートである。図4を参照して、パンチ穿孔時の動作について説明する。なお、これらの制御は、図示しない制御手段によって実施される。 まず、操作者が用紙サイズを設定する(S1)。次いで、パンチ穴穿孔かどうかを判断する(S2)。 パンチ穴穿孔ならば、画像形成装置(図示せず)から受け入れられた用紙は入口用紙検知センサ45で用紙検知されたことを受けて搬送ローラ30により搬送される(S3−S4)。 ここで、用紙後端検知センサ48はパンチユニット3(図1)が用紙を穿孔する地点から搬送ローラ31の整数回回転分(n回転)(ローラ外径整数回回転分)の距離の位置に設置されている。 用紙後端検知センサ48が受け入れられた用紙後端を検知した地点で(S5)、搬送ローラ30は停止し(S6)、搬送ローラ31はn回転分用紙を搬送して停止する(S7−S8)。 用紙が停止した時点でパンチユニット3を制御し(S9)、用紙後端にパンチ穴を穿孔して穿孔処理を完了する(S10)。次いで、搬送ローラ31を駆動して次工程へ進む(S11)。 ステップ(S2)において、パンチ穴穿孔でないならば、入口用紙検知センサ45をオンし(S12)、搬送ローラ30及び31を駆動して(S13、S14)、次工程へ進む。 ここで、用紙後端検知センサ48は入口用紙検知センサ45と兼用させることも可能である。その場合、搬送ローラ30、31はともに入口用紙検知センサ45より所定の整数回転分の距離だけ下流側位置になるように配置する。 本発明では、用紙停止手段として、パンチ穴穿孔部に用紙を停止させる狙いの位置よりも、穴穿孔部の上流及び下流の搬送ローラの整数回回転分上流の距離の地点に用紙検知センサを配置させることにより、検知センサが用紙後端を検知してからパンチ穴穿孔部上流及び下流搬送ローラの整数回回転分で用紙を停止させることにより高精度なパンチ穴揃え精度を達成することができる。 【0012】 図5は他のパンチ穴穿孔処理モードを説明するフローチャートである。図5を参照して、パンチ穴穿孔時の動作について説明する。まず、操作者が用紙サイズを設定する(S20)。次いで、パンチ穴穿孔かどうかを判断する(S21)。 パンチ穴穿孔ならば、画像形成装置本体(図示せず)から受け入れられた用紙は入口用紙検知センサ45で用紙検知されたことを受けて搬送ローラ30、搬送ローラ31により搬送される(S22−S24)。 搬送された用紙が搬送ローラ31のニップ位置を通過した時点で搬送ローラ30は回転を停止し(S25)、搬送ローラ31が回転を始め、用紙後端をパンチ穿孔部まで搬送する(S24)。 搬送ローラ31を停止し、用紙が停止した時点でパンチユニット3を制御し(S9)、用紙後端にパンチ穴を穿孔して穿孔処理を完了する(S28−S30)。次いで、搬送ローラ31を駆動して(S31)、次工程へ搬送する(S32)。 ここで、搬送ローラ30軸(図示せず)は用紙が通過した時点で搬送した回転数だけ逆回転し、1枚目用紙搬送初期回転軸位置になるようにする(S26−S27)。同様に、搬送ローラ31に対しても用紙を次工程のローラ受け渡した時点で停止し、搬送した回転数だけ逆回転して再び停止し、次用紙のために待機する(S33−S35)。 ステップ(S21)において、パンチ穴穿孔でないならば、入口用紙検知センサ45をオンし(S36)、搬送ローラ30及び31を駆動して(S37、S38)、次工程搬送経路へ進む。 【0013】 図6は図1におけるパンチ穿孔部の搬送前状態を示す拡大図である。図7は図1におけるパンチ穿孔部の搬送後状態を示す拡大図である。図6及び図7において、パンチユニット3の下方にはホッパ4が配置されている。パンチユニットは、穿孔用の部材を上下動させることにより用紙後端適所に穿孔穴を形成する。 搬送ローラ30及び31にはそれぞれ軸の搬送前初期位置42a及び軸の搬送後の位置42bが示されている。 搬送ローラ30の一方のローラの軸部には弾性体である加圧ばね40が配置されてニップ圧を高めており、同様に搬送ローラ31の一方のローラの軸部にも弾性体である加圧ばね41が配置されてニップ圧を高めている。各加圧バネ40、41は、各搬送ローラ30、31を構成する一方のローラを、他方のローラに向けて圧接させる。搬送ローラ30のニップ部の両側には入口用紙検知センサ45及び用紙後端検知センサ48が配置されている。 図6の搬送前状態では各軸の初期位置42aを示している。それに対して図7の搬送後状態では、各軸は搬送後の位置42bを示している。用紙搬送毎に図7から図6に戻ることになる。詳しくは図示してないが、各搬送ローラの軸と加圧ばねが用紙停止手段を構成する。 用紙停止手段として、パンチ穴穿孔部3の上流及び下流の搬送ローラが用紙搬送終了後に必ず搬送した回転数分逆回転することにより、搬送ローラ軸の駆動初期位置42aを各用紙について一定にさせ、用紙の搬送に使用するローラ外径部分を各用紙について一定にすることにより高精度なパンチ穴揃え精度を達成することができる。 上述したように、各軸及び回転圧ばねは用紙停止手段として使用され、パンチ穴穿孔部上流及び下流搬送ローラ30、31が用紙搬送終了後に必ず搬送した回転数分逆回転する。 これにより搬送ローラ軸の駆動初期位置42aを用紙ごとに一定にさせ、用紙の搬送に使用するローラ外径部分を用紙ごとに一定にすることにより高精度なパンチ穴揃え精度を達成することができる。 【0014】 図8はさらに他のパンチ穴穿孔処理モードを説明するフローチャートである。図8を参照して、パンチ穴穿孔時の動作について説明する。まず、操作者が用紙サイズを設定する(S40)。次いで、パンチ穴穿孔かどうかを判断する(S41)。 パンチ穴穿孔ならば、画像形成装置本体(図示せず)から受け入れられた用紙は入口用紙検知センサ45で用紙検知された(S42)ことを受けて搬送ローラ30を駆動し(S43)、用紙後端検知センサ48をオンして用紙後端を検知し(S44)、搬送ローラ30を停止し(S45)、搬送ローラ31を駆動する(S46)。 搬送ローラ31を停止し(S47)、用紙が停止した時点でパンチユニット3を制御し(S48)、用紙後端にパンチ穴を穿孔して穿孔処理を完了する(S49)。次いで、搬送ローラ31を駆動して(S50)、次工程へ搬送する(S51)。 ここで、搬送ローラ30の軸(図示せず)は用紙が通過した時点で搬送した回転数だけ逆回転し(S52)、1枚目用紙搬送初期回転軸位置になるようにする(S53)。同様に、搬送ローラ31に対しても用紙を次工程のローラ受け渡した時点で停止し(S54)、搬送した回転数だけ逆回転して再び停止し(S55)、次用紙のために回転初期位置にて停止する(S56)。 ステップ(S41)において、パンチ穴穿孔でないならば、入口用紙検知センサ45をオンし(S57)、搬送ローラ30及び31を駆動して(S58、S59)、次工程搬送経路へ進む(S60)。 図8のパンチ穴穿孔処理モードでも、用紙停止手段において、パンチ穴穿孔部上流及び下流搬送ローラ30、31が用紙搬送終了後に必ず搬送した回転数分逆回転することにより、搬送ローラ軸(用紙停止手段)42aの駆動初期位置を用紙ごとに一定にさせ、用紙の搬送に使用するローラ外径部分を用紙ごとに一定にすることにより高精度なパンチ穴揃え精度を達成することができる。 以上、本発明によれば、高精度なパンチ穴穿孔機能を有した用紙後処理装置を、簡素な構成で、高信頼性で実現することができ、より高機能で信頼性の高い用紙後処理装置及び画像形成システムをより安価に提供することができる。 【図面の簡単な説明】 【0015】 【図1】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置を示す概略構成図である。 【図2】図1に示した用紙後処理装置を備えた画像形成システムの第1の実施の形態を示す概略構成図である。 【図3】図1に示した用紙後処理装置を備えた画像形成システムの第2の実施の形態(プリンタ形態)を示す概略構成図である。 【図4】パンチ穴穿孔処理モードを説明するフローチャートである。 【図5】他のパンチ穴穿孔処理モードを説明するフローチャートである。 【図6】図1におけるパンチ穿孔部の搬送前状態を示す拡大図である。 【図7】図1におけるパンチ穿孔部の搬送後状態を示す拡大図である。 【図8】さらに他のパンチ穴穿孔処理モードを説明するフローチャートである。 【符号の説明】 【0016】 3 処理手段(パンチユニット) 30 上流の搬送ローラ 31 下流の搬送ローラ 40 (搬送ローラ30の加圧ばね) 41 用紙停止手段(搬送ローラ31の加圧ばね) 42aローラ軸初期位置(搬送ローラ30、31の) 42bローラ軸搬送後位置(搬送ローラ30、31の) 45 用紙入口センサ 48 用紙後端検知センサ
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