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発明の名称 シート搬送装置、自動原稿搬送装置、給紙装置および画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−8685(P2007−8685A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−193216(P2005−193216)
出願日 平成17年6月30日(2005.6.30)
代理人 【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
発明者 三木 克彦 / 竹平 修 / 羽山 祐子
要約 課題
搬送ローラの自励振動を抑制することができるシート搬送装置、自動原稿搬送装置、給紙装置および画像形成装置を提供すること。

解決手段
搬送ローラの振動系の剛性をK[N/m]、アームの支点からアームの搬送ローラの軸が取り付けられた部分までの距離をL[mm]、搬送ローラの軸方向に対して直交する仮想平面上でシートとアームの支点とアームの搬送ローラの軸が取り付け部とを結んだ線分との間で形成されるアーム角度をθ[deg]としたとき、
特許請求の範囲
【請求項1】
シートを支持するシート支持部材と、該シート支持部材に支持されたシートと所定の圧力で接触する搬送ローラと、一点を支点して揺動自在に配設され、一端に搬送ローラの軸を回動自在に支持するアームとを備え、ローラの回転動作によって該保持板に保持されたシートを搬送するシート搬送装置において、
該アームの搬送ローラの軸を支持するローラ支持部が該アームの支点よりもシート支持部材側かつ該アームの支点が該アームの搬送ローラ支持部よりもシート搬送方向下流側であって、該搬送ローラの振動系の剛性をK[N/m]、該アームの支点から該アームのローラ支持部までの距離をL[mm]、搬送ローラの軸方向に対して直交する仮想平面上で該シートと該アームの支点と該アームの該ローラ支持部とを結んだ線分との間で形成されるアーム角度をθ[deg]としたとき、
θ≦(Pse×K−0.5)×(1/L)
Pse=37500
を満たすことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
シートを支持するシート支持部材と、該シート支持部材に支持されたシートと所定の圧力で接触する搬送ローラと、一点を支点して揺動自在に配設され、一端に搬送ローラの軸を回動自在に支持するアームとを備え、ローラの回転動作によって該保持板に保持されたシートを搬送するシート搬送装置において、
該アームの支点が該アームの搬送ローラの軸を支持するローラ支持部よりもシート支持部材側かつ該アームの支点が該アームの該搬送ローラ支持部よりもシート搬送方向上流側であって、該搬送ローラの振動系の剛性をK[N/m]、該アームの支点から該アームのローラ支持部までの距離をL[mm]、搬送ローラの軸方向に対して直交する仮想平面上で該シートと該アームの支点と該アームの該ローラ支持部とを結んだ線分との間で形成されるアーム角度をθ[deg]としたとき、
θ≦(Pse×K−0.5)×(1/L)
Pse=37500
を満たすことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項3】
請求項1または2のシート搬送装置において、
上記搬送ローラの振動系を、複数の弾性体を用いて構成したことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項4】
請求項3のシート搬送装置において、
上記弾性体の一つは、搬送ローラであることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項5】
請求項3または4のシート搬送装置において、
上記搬送ローラをシート支持部材側へ付勢する搬送ローラ付勢手段を備え、上記弾性体の一つは、該搬送ローラ付勢手段であることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項6】
請求項3乃至5いずれかのシート搬送装置において、
上記弾性体の一つは、アームであることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項7】
請求項3乃至6いずれかのシート搬送装置において、
上記弾性体の一つは、上記シート支持部材側にあることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項8】
請求項7のシート搬送装置において、
上記弾性体の一つは、上記シート支持部材の上記搬送ローラと対向する位置に設けた支持部弾性体であることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項9】
請求項8のシート搬送装置において、
上記支持部弾性体の上記搬送ローラと対向する表面に、シートに対する摩擦係数が、該搬送ローラのシートに対する摩擦係数よりも低い、且つ、上記シート支持部材のシートに対する摩擦係数よりも高い摩擦部材を設けたことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項10】
請求項9のシート搬送装置において、
上記摩擦部材のシートに対する摩擦係数を、シート間の摩擦係数と同等としたことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項11】
請求項8乃至10いずれかのシート搬送装置において、
上記支持部弾性体を板状とし、且つ、上記シート支持部材の上記搬送ローラと対向する位置に凹部を設け、該支持部弾性体と該シート支持部材との間に隙間を形成したことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項12】
請求項11のシート搬送装置において、
上記支持部弾性体を、金属で構成したことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項13】
請求項11または12のシート搬送装置において、
上記支持部材弾性体は、上記シート支持部材に両端が支持されており、該支持部弾性体端部の少なくと一方が該シート支持部材に対して移動可能であることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項14】
請求項11または12のシート搬送装置において、
上記保持部材弾性体は、上記保持部材に片もち支持されていることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項15】
請求項7乃至14のシート搬送装置において、
上記シート支持部材を上記搬送ローラ側へ付勢するシート支持部材付勢手段を備え、上記弾性体の一つは、該シート支持部材付勢手段であることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項16】
請求項15のシート搬送装置において、
上記シート支持部材付勢手段は、シート支持部材をシート支持部材上のシート束の枚数に応じて上昇させ、上記搬送ローラにシート束を所定の圧力で接触させるシート支持部材上昇手段としたことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項17】
請求項3乃至16のシート搬送装置において、
上記搬送ローラは、上記アームに弾性体を介して支持されており、上記弾性体の一つは、該弾性体であることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項18】
シートを支持するシート支持部材と、該シート支持部材に支持されたシートと所定の圧力で接触する搬送ローラと、一点を支点して揺動自在に配設され、一端に搬送ローラの軸を回動自在に支持するアームとを備え、ローラの回転動作によって該保持板に保持されたシートを搬送するシート搬送装置において、
該アームの支点が、該アームの上記搬送ローラ支持部よりもシート支持部材側かつ該アームの該搬送ローラ支持部よりもシート搬送方向下流側、または、該アームの該搬送ローラ支持部が、該アームの支点よりもシート支持部材側かつアームの支点よりもシート搬送方向下流側であることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項19】
記録シート束を積載し、ローラの回転動作によって積載された記録シート束のうち最上の記録体を記録シート束から分離して、分離された記録シートを画像形成部へ給紙する給紙装置として、請求項1乃至18いずれかのシート搬送装置を用いたことを特徴とする給紙装置。
【請求項20】
原稿シートを載置し、ローラの回転動作によって載置された原稿シートを読取装置へ搬送する自動原稿搬送装置として、請求項1乃至18いずれかのシート搬送装置を用いたことを特徴とする自動原稿搬送装置。
【請求項21】
請求項19の給紙装置、請求項20の自動原稿搬送装置のうち、少なくとも一つを備えたことを特徴とする画像形成装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを搬送するシート搬送装置、自動原稿搬送装置、給紙装置に関するものである。また、ファクシミリ、プリンタ、複写機などの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ファクシミリ、プリンタ、複写機などの画像形成装置には、セットされた原稿を読取装置に搬送する箇所や、給紙トレイに収容された用紙を画像形成部に搬送する箇所にシート搬送装置が用いられている(特許文献1、2)。また、これに限らず、排紙トレイに排出されたシートを所定の位置に搬送する箇所など、種々のところにシート搬送装置が用いられている。
【0003】
図27は、シート搬送装置160の概略構成図である。図に示すように、シート搬送装置160は、図示しない駆動源からの駆動力で回転してシートを搬送する搬送ローラたるピックアップローラ163と、一端にピックアップローラ163が回転自在に取り付けられ、他端に加圧バネ167が取り付けられたアーム166とを有している。また、シート搬送装置160は、シートを挟んで、ピックアップローラ163と対向するシート支持板165を有している。アーム166は、装置本体から延びる軸に回転自在に取り付けられており、ピックアップローラ163が図中上下方向に揺動可能となっている。ピックアップローラ163は、加圧バネ167によって、シートに対して所定の圧力で接触している。
【0004】
シート搬送装置160にセットされたシートを搬送するときは、図示しない駆動源からの駆動力でピックアップローラ163が図中矢印A方向に回転する。ピックアップローラ163の表面は、高い摩擦係数を有し、シートに対して所定の圧力で接触しているので、ピックアップローラ163の回転に伴いピックアップローラ163とかの摩擦力でシートPが図中左側へ搬送される。
【0005】
【特許文献1】特許2974911号
【特許文献2】特開平9−25017号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、シート搬送装置160にセットされたシートの枚数が少なくなったときにシートの搬送遅れが発生するという不具合が生じることが分かった。
【0007】
図28は、シート搬送装置160にセットされたシートのうち最上のシートをピックアップローラ163で所定時間搬送させたときのシートの移動距離(以下、ピックアップ搬送距離)とセットされたシート枚数との関係を示すグラフである。
図28に示すように、シート搬送装置160にセットされたシートの枚数が20枚以下となると、ピックアップ搬送距離が低下していることがわかる。これは、シートの枚数が20枚以下となると、ピックアップローラ163が自励振動して、ピックアップローラ163のシートへの接触圧が低下してしまう。その結果、ピックアップローラ163とシートとの摩擦力が低下して、ピックアップローラ163がシート上を滑ってしまい、ピックアップ搬送距離が低下し、シートの搬送遅れが発生したことを、発明者らの鋭意研究により見出した。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、搬送ローラの自励振動を抑制することができるシート搬送装置、自動原稿搬送装置、給紙装置および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、シートを支持するシート支持部材と、該シート支持部材に支持されたシートと所定の圧力で接触する搬送ローラと、一点を支点して揺動自在に配設され、一端に搬送ローラの軸を回動自在に支持するアームとを備え、ローラの回転動作によって該保持板に保持されたシートを搬送するシート搬送装置において、該アームの搬送ローラの軸を支持するローラ支持部が該アームの支点よりもシート支持部材側かつ該アームの支点が該アームの搬送ローラ支持部よりもシート搬送方向下流側であって、該搬送ローラの振動系の剛性をK[N/m]、該アームの支点から該アームのローラ支持部までの距離をL[mm]、搬送ローラの軸方向に対して直交する仮想平面上で該シートと該アームの支点と該アームの該ローラ支持部とを結んだ線分との間で形成されるアーム角度をθ[deg]としたとき、θ≦(Pse×K−0.5)×(1/L)Pse=37500を満たすことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、シートを支持するシート支持部材と、該シート支持部材に支持されたシートと所定の圧力で接触する搬送ローラと、一点を支点して揺動自在に配設され、一端に搬送ローラの軸を回動自在に支持するアームとを備え、ローラの回転動作によって該保持板に保持されたシートを搬送するシート搬送装置において、該アームの支点が該アームの搬送ローラの軸を支持するローラ支持部よりもシート支持部材側かつ該アームの支点が該アームの該搬送ローラ支持部よりもシート搬送方向上流側であって、該搬送ローラの振動系の剛性をK[N/m]、該アームの支点から該アームのローラ支持部までの距離をL[mm]、搬送ローラの軸方向に対して直交する仮想平面上で該シートと該アームの支点と該アームの該ローラ支持部とを結んだ線分との間で形成されるアーム角度をθ[deg]としたとき、θ≦(Pse×K−0.5)×(1/L)Pse=37500を満たすことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2のシート搬送装置において、上記搬送ローラの振動系を、複数の弾性体を用いて構成したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3のシート搬送装置において、上記弾性体の一つは、搬送ローラであることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項3または4のシート搬送装置において、上記搬送ローラをシート支持部材側へ付勢する搬送ローラ付勢手段を備え、上記弾性体の一つは、該搬送ローラ付勢手段であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項3乃至5いずれかのシート搬送装置において、上記弾性体の一つは、アームであることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項3乃至6いずれかのシート搬送装置において、上記弾性体の一つは、上記シート支持部材側にあることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7のシート搬送装置において、上記弾性体の一つは、上記シート支持部材の上記搬送ローラと対向する位置に設けた支持部弾性体であることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8のシート搬送装置において、上記支持部弾性体の上記搬送ローラと対向する表面に、シートに対する摩擦係数が、該搬送ローラのシートに対する摩擦係数よりも低い、且つ、上記シート支持部材のシートに対する摩擦係数よりも高い摩擦部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9のシート搬送装置において、上記摩擦部材のシートに対する摩擦係数を、シート間の摩擦係数と同等としたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項8乃至10いずれかのシート搬送装置において、上記支持部弾性体を板状とし、且つ、上記シート支持部材の上記搬送ローラと対向する位置に凹部を設け、該支持部弾性体と該シート支持部材との間に隙間を形成したことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11のシート搬送装置において、上記支持部弾性体を、金属で構成したことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項11または12のシート搬送装置において、上記支持部材弾性体は、上記シート支持部材に両端が支持されており、該支持部弾性体端部の少なくと一方が該シート支持部材に対して移動可能であることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項11または12のシート搬送装置において、上記保持部材弾性体は、上記保持部材に片もち支持されていることを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項7乃至14のシート搬送装置において、上記シート支持部材を上記搬送ローラ側へ付勢するシート支持部材付勢手段を備え、上記弾性体の一つは、該シート支持部材付勢手段であることを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項15のシート搬送装置において、上記シート支持部材付勢手段は、シート支持部材をシート支持部材上のシート束の枚数に応じて上昇させ、上記搬送ローラにシート束を所定の圧力で接触させるシート支持部材上昇手段としたことを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、請求項3乃至16のシート搬送装置において、上記搬送ローラは、上記アームに弾性体を介して支持されており、上記弾性体の一つは、該弾性体であることを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、シートを支持するシート支持部材と、該シート支持部材に支持されたシートと所定の圧力で接触する搬送ローラと、一点を支点して揺動自在に配設され、一端に搬送ローラの軸を回動自在に支持するアームとを備え、ローラの回転動作によって該保持板に保持されたシートを搬送するシート搬送装置において、該アームの支点が、該アームの上記搬送ローラ支持部よりもシート支持部材側かつ該アームの該搬送ローラ支持部よりもシート搬送方向下流側、または、該アームの該搬送ローラ支持部が、該アームの支点よりもシート支持部材側かつアームの支点よりもシート搬送方向下流側であることを特徴とするものである。
また、請求項19の発明は、記録シート束を積載し、ローラの回転動作によって積載された記録シート束のうち最上の記録体を記録シート束から分離して、分離された記録シートを画像形成部へ給紙する給紙装置として、請求項1乃至18いずれかのシート搬送装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、原稿シートを載置し、ローラの回転動作によって載置された原稿シートを読取装置へ搬送する自動原稿搬送装置として、請求項1乃至18いずれかのシート搬送装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項21の発明は、請求項19の給紙装置、請求項20の自動原稿搬送装置のうち、少なくとも一つを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
本発明者らは、搬送ローラの自励振動の原因を探るべく、鋭意研究を行った。先の図27に示した構成を備えたシート搬送装置160において、アーム長さL[mm]、搬送ローラの振動系の剛性K[N/m]、慣性モーメントI[kg/m]およびアーム角度θ[deg]をそれぞれ異ならせて、搬送ローラの自励振動が発生したか否かについて調べた。なお、搬送ローラの振動系とは、搬送ローラが自励振動する際の要因となる構成部材のことをさす。上記図22で言うと、搬送ローラ(ピックアップローラ)163、アーム166、バネ167、シート支持板165のことである。また、アーム角度θは、搬送ローラの軸方向に対して直交する仮想平面上でシートとアームの支点とアームの搬送ローラの軸取り付け部とを結んだ線分とシートとが平行で、アームの支点が搬送ローラの軸取り付け部よりもシート搬送方向上流側にあるときのアーム角度を0°としている。
図1は、その調査結果をまとめたものである。図中線分は、ローラの自励振動が発生するか否かの境界線を示すものである。図1に示すように、アーム長さL、振動系の剛性Kの大小に係わらず、アーム角度θと慣性モーメントIとの関係によって示される自励振動が発生するか否かの境界線は、数1に示すような線形を示す一次式で表すことができることがわかる。
【数1】


【0011】
なお、数1に示すAおよびBは、搬送ローラの振動系の剛性K、アーム長さLの関係によって決まる数値である。そして、少なくとアーム角度θが、上記数1の右辺の値以下であれば、搬送ローラに自励振動が起こることがない。ここで、図1に示すように、慣性モーメントIが増加すれば、自励振動が発生しないアーム角度θの上限も上昇していることがわかる。このことから、慣性モーメントが0のときの自励振動が発生しないアーム角度上限値以下に、アーム角度θを設定しておけば、どのような慣性モーメントであっても、自励振動の発生が防止できることがわかる。すなわち、アーム角度θを数1のB以下とするのである。
【0012】
上記数1に示したBの値は、図1からわかるようにアーム長さL、搬送ローラの振動系の剛性Kが異なると、その値も異なっていることがわかる。そこで、本発明者らは、慣性モーメントが0のときの自励振動が発生しないアーム角度の上限値θMAX(数1のB)とアーム長さLと搬送ローラの振動系の剛性Kとの関係について調べた。その結果を図2に示す。図2に示すように、搬送ローラの振動系の剛性Kの大小に係わらずアーム角度の上限値θMAXとアーム長さLの逆数(1/L)との関係によって示される自励振動が発生するか否かの境界線は、数2に示すような線形を示す一次式で表すことができる。
【数2】


【0013】
そして、アーム角度θが、上記数2の右辺の値以下であれば、搬送ローラに自励振動が起こることがない。図2から、アーム角度の上限値θMAXとアーム長さLの逆数(1/L)との関係によって示される自励振動が発生するか否かの境界線の傾きCは、各剛性Kごとに異なっていることがわかる。そこで、傾きCと剛性Kとの関係を調べると、図3に示すような関係が得られた。この曲線を近似すると、傾きCと剛性Kとは、数3のような関係にあることがわかった。
【数3】


【0014】
この数3の式を、数2に代入することで、自励振動が発生するか否かの境界線を、アーム角度の上限値θMAXとアーム長さLと、搬送ローラの振動系の剛性Kとの関係で表すことができる。そして、以下の数4に示すように、アーム角度θが、搬送ローラの振動系の剛性K、アーム長Lさから算出される右辺の値よりも小さければ、搬送ローラの自励振動を防止できることを見出したのである。
【数4】


ただし、θは、0°≦θ≦90°である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1乃至20の発明によれば、アーム角度θ、搬送ローラの振動系の剛性K、アーム長さLの関係が、上記数4の関係を満たすことで、自励振動を防止でき、シートの搬送遅れを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を、画像形成装置としての複写機に適用した一実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係る複写機の構成及び動作について説明する。
図4は、本実施形態に係る複写機全体の概略構成図である。複写機本体10の内部には画像形成部100が設けられており、その画像形成部100には像担持体としてのドラム状の感光体11が備わっている。この感光体11の周りには、帯電装置12、現像装置13、転写搬送装置14、クリーニング装置15などが配置されている。また、画像形成部100の上部には、レーザ書込装置16が設けられている。このレーザ書込装置16は、レーザダイオード等からなる光源、ポリゴンミラーからなる走査用の回転多面鏡、ポリゴンモータ、fθレンズ、ミラーなどの図示しない走査光学系を備えている。また、クリーニング装置15の図中左側には、定着装置17が設けられている。この定着装置17は、ヒータを内蔵する定着ローラ18と、その定着ローラ18に対して記録シートを下方から押し当てるための加圧ローラ19とを備えている。
【0017】
また、複写機本体10の内部における画像形成部100の下方には、両面ユニット22が設けられ、更にその下方には、シート搬送装置たる4段の給紙装置23が設けられている。各給紙装置23には、紙やOHPシートなどの記録シートが収納されている。各給紙装置23内の記録シートは、それぞれ図中符号Bで示す供給路を介して共通給紙路Cに搬送され、感光体11の下方における転写部へ送られる。
なお、記録シートの両面に画像を形成する場合には、まず、給紙装置23内の記録シートを転写部に送ってその記録シートの片面に画像を転写し、その画像を定着装置17で記録シート上に定着させる。その後、その記録シートを、定着装置17の出口からシート後処理装置31へと延びる排紙路Dの途中から分岐している反転路Eに通し、両面ユニット22へと送る。両面ユニット22へ送られた記録シートは、再給紙路Aを通じて、再び感光体11の下方における転写部へ送られ、上記片面とは反対側の面に画像が転写される。
【0018】
また、複写機本体10の画像形成部100の上方には、画像読取部24とコンタクトガラス26が設けられている。また、このコンタクトガラス26の上部には、シート搬送装置たる自動原稿搬送装置(ADF)27がコンタクトガラス26を覆うように設けられている。この自動原稿搬送装置(ADF)27は、コンタクトガラス26に対して開閉自在に設けられている。なお、この自動原稿搬送装置(ADF)27の詳細については後述する。
また、複写機本体10の図中右側面には、ユーザーが手差しした記録シートを上記共通給紙路C内に案内するための手差しトレイ28が開閉自在に設けられている。
また、複写機本体10の複写機本体10の図中右側には、シート搬送装置たる大量給紙装置30が取り付けられている。この大量給紙装置30は、内部に大量の記録シートを積載することが可能で、積載された大量の記録シートを昇降自在に構成されている。この大量給紙装置30の詳細については、後述する。
また、複写機本体10の図中左側には、シート後処理装置31が取り付けられている。このシート後処理装置31は、排紙路Dを通して排出する記録シートを受け入れて、上段の排紙トレイ32上にそのまま排出するか、あるいは、ステイプルや孔開け等の後処理を行って上段の排紙トレイ32又は下段の排紙トレイ33上に排出する。
【0019】
本実施形態における複写機を用いてコピーをとる場合、ユーザーは、自動原稿搬送装置27に原稿をセットし、または自動原稿搬送装置27を開いてコンタクトガラス26上に直接原稿をセットする。そして、図示しないスタートスイッチを押すと、自動原稿搬送装置27が駆動して画像読取部24のコンタクトガラス26上に送られた原稿、又はあらかじめコンタクトガラス26上にセットされた原稿を、画像読取部24で読み取る。また、ユーザーがスタートスイッチを押すと、画像形成部100の感光体11が図中時計方向に回転する。そして、帯電装置12で一様に帯電された感光体表面部分に対し、画像読取部24で読み取った読取内容に応じてレーザ書き込み装置16がレーザ光を照射する。これにより、感光体11の表面には静電潜像が形成される。この静電潜像には、現像装置13との対向領域(現像領域)でトナーが付着する。これにより、その静電潜像がトナー像となり、そのトナー像が転写部に送られる。
【0020】
また、給紙装置23内の記録シートに画像を形成する場合、ユーザーがスタートスイッチを押すと、ピックアップローラ63が回転し、4つの給紙装置23のうちの指定の給紙装置23内から記録シートが供給路Bに送り出される。この記録シートは、搬送ローラ35により給紙路Cを通じて、レジストローラ36まで搬送される。そして、感光体11上のトナー像の先端が転写部にくるタイミングで記録シートが転写部に進入するようにレジストローラ36が回転し、記録シートが転写部に送られる。
一方、大量給紙装置30内の記録シートに画像を形成する場合、ユーザーがスタートスイッチを押すと、ピックアップローラ63が回転し、大量給紙装置30内から記録シートが搬送路Fに送り出される。この記録シートは、搬送ローラ35により給紙路Cを通じて、レジストローラ36まで搬送される。以後は、給紙装置23内の記録シートに画像を形成する場合と同じである。
他方、手差しトレイ28に手差しされた記録シートに画像を形成する場合、ユーザーがスタートスイッチを押すと、給紙ローラ38が回転し、手差しトレイ28上から記録シートが給紙路Cに送り出されて、レジストローラ36まで搬送される。以後は、給紙カセット23内の記録シートに画像を形成する場合と同じである。
【0021】
感光体11の表面に形成されたトナー像は、転写搬送装置14により、上述したごとく転写部に送られる記録シート上に転写される。転写後の感光体11の表面に残留した転写残トナーは、クリーニング装置15により除去される。一方、転写後の記録シートは、転写搬送装置14により定着装置17へ搬送される。そして、定着ローラ18と加圧ローラ19とにより熱と圧力を加えてトナー像を記録シート上に定着する。定着後の記録シートは、排紙路Dを通してシート後処理装置31へと送られ、最終的に排紙トレイ32,33上に排紙される。
記録シートの両面に画像を形成する場合には、上述したようにして記録シートの片面にトナー像を定着させた後、その記録シートを排紙路Dの途中から反転路Eに送り込み、両面ユニット22から再給紙路Aを通じて、再び転写部へ送る。そして、同様にして、上記片面とは反対側の面にトナー像を転写して定着し、排紙路Dを通してシート後処理装置31へと送る。
【0022】
本実施形態の複写機は、感光体11と、転写搬送装置14及びクリーニング装置15が一体化されたプロセスカートリッジとなっており、このプロセスカートリッジは、複写機本体10に対して着脱自在に構成されている。なお、プロセスカートリッジは、感光体11と、その周囲に設けられる帯電装置21、現像装置13、転写搬送装置14、クリーニング15等の装置の少なくとも1つとを一体に支持したものであればよい。
【0023】
次に、シート搬送装置である給紙装置23および大量給紙装置30について説明する。本実施形態の給紙装置23は、シート収容部と、このシート収容部に積載されている記録シートを一枚に分離して送り出す分離手段たるFRR分離装置とを備えている。
【0024】
まず、給紙装置23および大量給紙装置30内の記録シート束のうち最上の記録シートを記録シート束から分離して送り出す分離手段たるFRR分離装置について説明する。
図5は、FRR分離装置を示す概略斜視図である。
図5に示すように、FRR分離装置は、大量給紙装置30および給紙装置23内のシート収容部に積載された記録シート束の一番上の記録シートと接触するピックアップローラ63と、ピックアップローラ63によって搬送されてきた記録シートを一枚に分離して搬送するフィードローラ61とリバースローラ62とを備えている。フィードローラ61の回転軸61aは、図示しない駆動モータに接続されている。また、フィードローラ61の回転軸61aには、アーム66が回動自在に取り付けられている。アーム66には、ローラ取り付け部66aとバネ取り付け部66bが設けられている。ローラ取り付け部66aには、アイドラギヤ65及びピックアップローラ63が回転自在に取り付けられている。アイドラギヤ65は、フィードローラ61に設けられたギヤ61b及びピックアップローラ63に設けられたギヤ63aに噛み合っている。これにより、フィードローラ61に設けられたギヤ61からアイドラギヤ65を介して、駆動モータの回転駆動力がピックアップローラ63に伝達され、ピックアップローラ63が回動する。バネ取り付け部66bには、バネ67が取り付けられており、ピックアップローラ63を記録シートと弾性的に接触させて、所定の接触圧が得られるようにしている。また、バネ取り付け部66bには、ピックアップローラ63を記録シートから離間させるためのソレノイド69(図8、図10参照)が取り付けられている。そして、後述する所定のタイミングでソレノイド69を駆動させて、バネ取り付け部66bを図中下側へ移動させる。すると、アーム66がフィードローラ61の回転軸61aを回転中心とし図中右方向に回転する。その結果、ピックアップローラ63が記録シートから離間する。
【0025】
次に、FRR分離装置における記録シート束のうち最上の記録シートを記録シート束から分離して送り出す動作を説明する。
図6は、FRR分離装置の記録シート分離動作を説明する図である。
このFRR分離装置は、大量給紙装置30および給紙装置23内に積載された記録シートの一番上の記録シートを、ピックアップローラ63の摩擦力によってフィードローラ61へ案内する。これにより、給紙方向Gへ記録シートを送る方向(正方向)に回転するフィードローラ61には、給紙方向Gとは逆方向に所定のトルクがトルクリミッタ70によって付与される。このトルクは、駆動ギヤ62Bと噛み合うようにリバースローラ62の軸に設けた従動ギヤ62Aを介して伝達される。そして、駆動ギヤ62Bと従動ギヤ62Aの間の歯面圧力Iと初期加圧力が、スプリング64の力でフィードローラ61へ圧接したリバースローラ62に加わってリバースローラ62が駆動する。これにより、大量給紙装置30および給紙装置23内の記録シートが1枚ずつ分離搬送される。
【0026】
次に、大量給紙装置30について詳細に説明する。図7は、大量給紙装置30の概略斜視図であり、図8は、大量給紙装置30の概略断面図である。
図7に示すように、大量給紙装置30は、収容部内に記録シートが積載されるシート支持部材たる底板44と、この底板44の裏側にそれぞれ取り付けられたステー46a、46bとを備えている。ステー46a、46bの両端には、それぞれワイヤー43、42の一端が締結されており、ワイヤー43、42の他端は、回転軸45に締結されている。回転軸45は、シート支持部材上昇手段たる底板上昇モータ41に接続されている。底板上昇ローラ41が駆動すると、回転軸45が回転し、各ワイヤー43、42をそれぞれ巻き上げる。これにより、底板44が上昇し、大量給紙装置内の記録シート束がピックアップローラ63に圧接する。
【0027】
次に、給紙装置23について詳細に説明する。
図9は、給紙装置23の要部概略斜視図であり、図10は、給紙装置23の概略断面図である。
給紙装置23は、シート支持部材たる底板55を備えている。この底板55のピックアップローラ63に対向する端部側は、図10に示すようにレバー56によってピックアップローラ63に向かって持ち上げられている。レバー56は、レバー軸57に固定されており、レバー軸57はシート支持部材上昇手段たる駆動ローラ59に接続されている。駆動ローラ59が所定の回転角回転すると、レバー軸57が回転してレバー56が底板55をピックアップローラ63に向かって持ち上げる。これにより、底板上の記録シートPは、上記ピックアップローラ63に対向する端部側がピックアップローラ63に向かって持ち上げられ、ピックアップローラ63に圧接される。
【0028】
次に、シート搬送装置たる自動原稿搬送装置27について詳細に説明する。図11は、自動原稿搬送装置27の概略断面図である。図11に示すように、この自動原稿装置27にも、上述したFRR分離装置を備えている。すなわち、シート支持部材たるセット台27aにセットされた原稿シート束の一番上の原稿シートと接触するピックアップローラ63と、ピックアップローラ63によって搬送されてきた原稿シートを一枚に分離して搬送するフィードローラ61とリバースローラ62とを備えているのである。フィードローラ61の軸には、アーム66が揺動自在に取り付けられており、アーム66の一端には、ピックアップローラ63が回動自在に取り付けられている。アーム66の他端には、バネ67が取り付けられており、ピックアップローラ63を記録シートと弾性的に接触させて、所定の接触圧が得られるようにしている。
また、自動原稿装置27は、セット台27aを上下動させるための図示しない駆動モータを備えている。また、セット台27aのピックアップローラ側の端部付近には、セット台27aに原稿がセットされたかどうかを検知するセットセンサ27cを備えている。
【0029】
セット台27aに原稿シート束がセットすると、セットセンサ27cが原稿を検知して、図示しない駆動モータを駆動して、原稿シートをピックアップローラ63と所定の圧力で接触させる。ここで、装置のスタートキーが押されると、ピックアップローラ63の摩擦力によって原稿シート束の一番上の原稿シートをフィードローラ61へ案内する。そして、フィードローラ61とリバースローラ62とを回転させ、原稿シートを1枚ずつ分離して画像読取部24へ搬送する。
【0030】
本実施形態においては、大量給紙装置30、給紙装置23および自動原稿搬送装置27内のシート束の枚数が20枚の以下であっても、ピックアップローラ63が自励振動しないように、ピックアップローラの振動系の剛性K、アーム66の長さL、アームのアーム角度θを、先に示した数4の関係になるように設定している。なお、アーム角度θは、ピックアップローラの軸方向に対して直交する仮想平面上でシートとアームの支点とアームのピックアップローラの軸取り付け部とを結んだ線分とシートとが平行で、アームの支点が搬送ローラの軸取り付け部よりもシート搬送方向上流側にあるときのアーム角度を0°としている。
【0031】
次に、ピックアップローラの自励振動について、先の図27に基づき説明する。図27に示すようにピックアップローラ163の軸中心は、図中線分X−Yに示すようにアームの支点166aを中心として円弧状の軌跡を描いて移動する。このため、ピックアップローラ163が上方および下方への移動は、図に示すように、アームの支点166aと搬送ローラの軸中心とを結ぶ線分方向に対して直交する方向である。ピックアップローラ163がシートを搬送する際、図27に示すようにシート搬送方向と逆方向に摩擦力μNが働く。このような摩擦力μNが働くと、図示するように、ピックアップローラ163を上方へ移動させようとする力Fが発生する。これを以下に説明する。図12に示すように、アームの支点166aとピックアップローラの軸中心とを結ぶ線分方向に対して直交する方向(ピックアップローラ移動方向)の摩擦力μNの成分は、ピックアップローラ163を上方へ移動させる力Fとなる。この摩擦力μNによって生じるピックアップローラ163を上方へ移動させようとする力Fによって、ピックアップローラ163が押し上げられる。すると、ピックアップローラ163のシートとの接触圧が低下する。その結果、垂直抗力Nが低下し、摩擦力μNも低下する。すると、ピックアップローラ163を押し上げる力である力Fも低下し、ピックアップローラ163がシート側へ移動する。このピックアップローラ163がシート側へ移動するときの移動速度により、慣性力が加わり先程よりも強い力でシートに接触する。シート束が多いときは、シート束が弾性的に撓んでこの慣性力を吸収することで、シートとピックアップローラ163との接触圧が増すのを抑制している。しかし、シート束が20枚以下となるとシート束の弾性が低下し、慣性力を吸収することができず、シートとピックアップローラ163との接触圧が増加する。これにより、垂直抗力Nが増すので、摩擦力μN、力Fが増加し、先程よりピックアップローラ163を押し上げる。ピックアップローラ163を押し上げると、上述同様に垂直抗力Nが低下するので、力Fが低下して、ピックアップローラ163がシート側へ移動する。このとき、ピックアップローラ163は、力Fによって先程よりも上方へ押し上げられているので、先程よりも速い速度でシート側へ移動する。その結果、先程よりも慣性力が増加し、先程よりも高い接触圧でシートと接触することとなる。すると、力Fが先程よりも大きくなり、ピックアップアップローラ163を先程よりもさらに上方へ押し上げる。その結果、先程よりもさらに慣性力が増加し、さらに強い圧力でシート接触する。以降、上記のような動作、すなわち、接触圧の増加→ピックアップローラ163の押し上げ力の増加→慣性力の増加→接触圧の増加・・・を繰り返すのである。その結果、ピックアップローラ163の振動が増幅して、自励振動してしまうのである。
【0032】
上記ピックアップローラ163の自励振動の原理を先の図2で説明すると、以下のようになる。例えば、アーム角度θが5°、アーム長さ50[mm]のシート搬送装置があったとする。シート搬送装置内に多くのシートがある場合は、シートが十分な弾性力を有しており、ピックアップローラの振動系の剛性Kが低く、20000[N/m]となっている。この場合は、図2に示すように、自励振動が発生するか否かの境界線(図2中の○のプロットを結んだ線分)よりも下に、アーム角度θ(5°)とアーム長さLの逆数(0.02)とが交差する点が存在している。よって、シート搬送装置内に多くのシートがある場合は、数4の関係を満たし、ローラの自励振動は、発生しない。ところが、シートの枚数が少なくなると、シート搬送装置内のシートの弾性が失われていき、ピックアップローラの振動系の剛性Kが高くなってくる。すると、自励振動が発生するか否かの境界線が除々に下がって行く。その結果、アーム角度θ(5°)とアーム長さLの逆数(0.02)とが交差する点が、自励振動が発生するか否かの境界線よりも上になり、数4の関係を満たさなくなってしまう。このため、シートの枚数が少なくなると、ピックアップローラの自励振動が発生してしまうのである。
【0033】
よって、シート搬送装置内のシートがないときに、数4の関係を満たすように、アーム角度θとアーム長さLとピックアップローラ63の振動系の剛性Kとの関係を設定する。
【0034】
図13は、数4の関係を満たすように、アーム角度θとアーム長さLとピックアップローラの振動系の剛性Kとを設定したシート搬送装置において、セットされたシート束のうち最上のシートをピックアップローラ63で所定時間搬送させたときのシートの移動距離とセットされたシート枚数との関係を示すグラフである。図13からわかるように、シートの枚数が少なくなっても、ピックアップ搬送距離の低下がないことがわかる。これは、アーム角度θとアーム長さLとピックアップローラの振動系の剛性Kとが数4の関係を満たしているので、シートの枚数が少なくなっても、ピックアップローラ63が自励振動することない。このため、シート搬送装置内のシートの枚数が少なくなっても、ピックアップ搬送距離の低下が生じない。
【0035】
アーム角度θ、アーム長さL、ピックアップローラの振動系の剛性Kのうち2つが決まれば、おのずと、もうひとつの値も決まるが、アーム角度θやアーム長さLは、装置の制約上、大幅に変更することができない場合が多い。よって、一般的には、アーム角度θ、アーム長さLを予め決定した後、ピックアップローラの振動系の剛性Kが数4を満たすように設計を行う。
【0036】
また、先の図2に示すように、アーム角度θが小さければ、小さいほど、ピックアップローラの自励振動が生じ難くなり、剛性K、アーム長さLに設計の余裕度が生まれる。
【0037】
これは、以下の理由による。図12に示したように、摩擦力μNによって生じるピックアップローラを持ち上げようとする力Fは、アームの支点166aと搬送ローラと軸中心とを結ぶ線分方向と、この線分に対して直交する線分方向(ピックアップローラ移動方向)に摩擦力μNを分解したものである。このため、アーム角度θが大きくなれば、ピックアップローラの上下の移動方向が反時計回りに傾いていく。すると、ピックアップローラが上方に移動する方向と摩擦力μNの方向とが近づくため、ピックアップローラ移動方向の摩擦力μNを分解したときに、ピックアップローラが上方に移動する方向に働く力Fが大きくなる。その結果、ピックアップローラが上方に移動し易くなり、自励振動が発生し易くなる。一方、アーム角度θを小さくすると、ピックアップローラが上方に移動する方向と摩擦力μNの方向とが離れるため、ピックアップローラを上方へ移動させる力Fが小さくなる。その結果、ピックアップローラが上方へ移動しにくくなり、自励振動の発生が抑制される。
【0038】
また、先の図2からわかるようにアーム長さLにおいても、短くすればするほど、ピックアップローラの自励振動が生じ難くなり、アーム角度θ、ピックアップローラの振動系の剛性Kに設計の余裕度が生まれる。
【0039】
これは、アーム長さLが短くなれば、ピックアップローラの軸心とアームの支点とが短くなるため、ピックアップローラを移動させるためには、より大きな力が必要になるためである。
【0040】
また、先の図2に示すように、ピックアップローラの振動系の剛性Kが低ければ、低いほど、ピックアップローラの自励振動が生じ難くなり、アーム角度θ、アーム長さLに設計の余裕度が生まれる。これは、ピックアップローラの振動系の剛性Kを低くすることで、ピックアップローラの振動系を構成する部材が撓んで、ピックアップローラの振動を減衰することができる。その結果、ピックアップローラが自励振動しにくくなるのである。
【0041】
ピックアップローラの振動系の剛性Kを低くする手段としては、例えば、搬送ローラ付勢手段たるバネ67のバネ定数を低くすることが挙げられる。バネ67のバネ定数を低くすることで、ピックアップローラの振動系の剛性Kを低くすることができる。バネ67のバネ定数を低くすることで、ピックアップローラの振動を減衰することができ、自励振動の発生を抑制することができる。また、ピックアップローラ63は、シートと所定の摩擦力を得るためにゴムなどの弾性体で形成されている。よって、ピックアップローラ63の弾性係数を低くすることでも、ピックアップローラの振動系の剛性Kを低くすることができる。ピックアップローラ63の弾性係数を低くすることで、ピックアップローラ自体が振動を吸収し、自励振動を抑制する。また、アーム66を弾性体で構成して、アームの剛性を下げることでも剛性Kを低くすることができる。アーム66を弾性体で構成することで、アーム66が弓なりに変形して、ピックアップローラの自励振動を抑制する。また、図14に示すように、ピックアップローラ63をバネなどの弾性部材66aを介してアーム66に支持しても良い。図14においては、アーム66のピックアップローラ63の取り付け部66bを長穴とし、この長穴にピックアップローラの軸受63cを上下方向に移動可能に取り付ける。そして、弾性部材66aで軸受66cを図中下側へ付勢する。このように、ピックアップローラ63をバネなどの弾性部材66aを介してアーム66に支持することでも、ピックアップローラの振動系の剛性Kを低くすることができる。
【0042】
また、シート支持部材たる底板55、44、加圧板27dなどのピックアップローラ63と対向する部材側に弾性体を設けて、ピックアップローラの振動系の剛性Kを低くするようにしてもよい。以下に、シート支持部材側の剛性Kを低くした構成を実施例1〜3に基づき説明する。
【実施例1】
【0043】
実施例1は、弾性体として、先の図10に示した給紙装置23のシート支持部材たる底板55をピックアップローラ側へ付勢するシート支持部材付勢手段を設けて、ピックアップローラの振動系の剛性Kを低くしたものである。図15は、実施例1の給紙装置を示す図である。この実施例1の給紙装置は、底板上昇レバー56と底板55との間にシート支持部材付勢手段たる板バネ58を設けたものである。この板バネ58は、給紙装置23に収容された記録シートが多い場合は、記録シート束の重みで板バネ58は圧縮しきって機能していなくても良い。これは、記録シートの枚数が多いときは、記録シート束の弾性によって、ピックアップローラ振動系の剛性Kが低くなっているので、先の図2に示すようにピックアップローラ63が自励振動する境界線が上昇している。記録シートの枚数が少なくなると、記録シート束の重さが減少するとともに記録シート束の弾性力も減少する。しかし、記録シート束の重さが減少すると、記録シート束によって圧縮されていた板バネ58が除々に立ち上がってきて、バネとしての機能を有するようになる。その結果、記録シート枚数が少なくなって、記録シート束の弾性力が低下しても、板バネ58の弾性力が働き、振動系の剛性Kが高くなるのを抑制することができる。その結果、先の図2に示したローラが自励振動する境界線が下降するのが抑制され、数4の関係を満たさなくなることがない。これにより、給紙装置23内に記録シートの枚数が少なくなっても、ピックアップローラが自励振動することがない。よって、記録シートの搬送遅れが生じることがない。
【0044】
上記給紙装置23においては、シート支持部材付勢手段たる板バネ58と、シート支持部材上昇手段たる駆動モータ59とを別体としているが、図16に示すように、シート支持部材上昇手段を加圧スプリング59とし、シート支持部材付勢手段と兼用させても良い。図16に示す例では、加圧スプリング59が底板55を底板55上のシート束の枚数に応じて上昇させ、上記ピックアップローラ63にシート束を所定の圧力で接触させる。この図16に示す例においても、記録シート束の弾性力が低下しても、加圧スプリング59の弾性力が働き、振動系の剛性Kが高くなるのを抑制することができる。
【実施例2】
【0045】
次に、実施例2について説明する。実施例2は、先の図8に示した大量給紙装置30の底板44をピックアップローラ側へ付勢するシート支持部材付勢手段を設けて、ピックアップローラの振動系の剛性Kを低くしたものである。図17は、実施例2の大量給紙装置30を示す図である。この実施例2の大量給紙装置30は、底板44とステー46bとの間にシート支持部材付勢手段たる板バネ47を設けたものである。このように、板バネ47を設けることで、ピックアップローラの振動系の剛性Kを低くすることができ、大量給紙装置内の記録シートの枚数が減っても、ピックアップローラ63が自励振動することがない。よって、記録シートの搬送遅れが生じることがない。
【実施例3】
【0046】
次に、実施例3について説明する。実施例3は、底板のシート側に支持部弾性体たる板バネを設けるものである。なお、以下の説明では、大量給紙装置30の底板44に支持部弾性体を設けた例について説明するが、給紙装置23の底板および原稿自動搬送装置27の加圧板27aにも同様に実施することができる。図18は、実施例3の大量給紙装置30の底板44を示した要部断面図であり、図19は、実施例3の大量給紙装置30の底板44の斜視図である。図18に示すように、支持部弾性体たる板バネ49は、ピックアップローラ63と対向する位置に設けられている。底板44のピックアップローラ63と対向する位置を凹ませており、板バネ49と間に隙間を形成している。板バネ49の図中上面には、摩擦部材たる摩擦板50が取り付けられている。この摩擦板50の摩擦係数は、記録シートの摩擦係数と同等としている。底板44は、記録シートの摩擦係数よりも低い。このため、摩擦板50がないと、底板44と接触する最後の記録シート上に重ねられた記録シートが搬送されるときに、最後の記録シートが底板44と滑って最後の記録シート上に重ねられた記録シートとともに搬送されてしまい、多重送りの不具合を生じるおそれがある。しかし、摩擦板50を設けているので、底板44と接触する最後の記録シート上に重ねられた記録シートが搬送されるときに、摩擦板50の摩擦力によって底板44と接触する最後の記録シートが底板44と滑ることがない。その結果、最後の記録シート上に重ねられた記録シートとともに最後の記録シートが搬送されることがなくなり、多重送りを抑制することができる。
【0047】
図18に示す例では、板バネ50が底板44の裏面側にバーリングカシメ51で固定されている。この図18に示す例では、板バネ50を片もち支持にしているが、これに限られない。例えば、図20〜図22に示すように、板バネ49を両端支持としても良い。図20に示す板バネ50は、一端を底板44に固定し、他端を底板44に支持されているだけの自由端としているものである。図21は、板バネ50の両端とも自由端としたものであり、図22は、板バネ50の一端を底板44の側面に固定し、他端を自由端としたものである。図20〜図22に示す例では、摩擦板50が取り付けられている部分が底板44側へ凹むことで、バネとして機能している。板バネ49の材質としては、SUS材、PETフィルムなどが挙げられるが、金属であるSUS材の方が好ましい。板バネ50としてSUS材などの金属を用いることで、耐久性に優れ、経時にわたり変わらぬ弾性力を維持することができる。この実施例3においても、実施例1、2同様、ピックアップローラ振動系の剛性Kを下げることができ、ピックアップローラ63の自励振動を抑制することができる。
なお、上記実施例3では、支持部弾性体として板バネを用いた例について説明したが、底板44上にゴムなどの弾性体を貼り付けたものであっても良い。
【0048】
また、上記においては、ピックアップローラの軸中心がアームの支点よりもシート側にあって、アームの支点がピックアップローラの軸中心よりもシート搬送方向下流側にあるシート搬送装置において、数4を用いてアーム角度θ、ピックアップローラ振動系の剛性K、アーム長さLを設定した例について説明したが、これに限られない。図23に示すように、アーム66の支点66aがピックアップローラ63の軸中心66bよりもシート側にあって、アーム66の支点66aがピックアップローラ63の軸中心66bよりもシート搬送方向上流側にあるシート搬送装置にも数4を用いてアーム角度θ、ピックアップローラ振動系の剛性K、アーム長さLを設定することがで、自励振動を抑制することができる。
【0049】
また、図24に示すシート搬送装置は、ピックアップローラ63の軸中心66bがアーム66の支点66aよりもシート側にあって、アーム66の支点66aがピックアップローラ63の軸中心66bよりもシート搬送方向下流側となるように構成したものである。このように、シート搬送装置を構成すれば、ピックアップローラ63の自励振動を防止することができる。これは、ピックアップローラが下方へ移動する方向に力Fが働くためである。この力Fは、図25に示すように、アームの支点66aとピックアップローラ63の軸中心とを結ぶ25線分方向と直交する方向(ピックアップローラ移動方向)に働く摩擦力μNである。そして、ピックアップローラ63の軸中心がアームの支点66aよりもシート側にあって、アームの支点がピックアップローラの軸中心よりもシート搬送方向下流側となるようにシート搬送装置を構成すれば、常にピックアップローラを下方へ移動させる方向に摩擦力μNよって生じる力Fが働く。このように、ピックアップローラを持ち上げるような力が働かないため、ピックアップローラが自励振動することがない。また、図26に示すように、ピックアップローラの軸中心が、アームの支点よりもシート支持部材側かつアームの支点よりもシート搬送方向下流側に配置しても良い。このように配置してもピックアップローラが下方へ移動する方向に摩擦力μNよって生じる力Fが働くため、ピックアップローラ66が自励振動することがない。
【0050】
上記では、給紙装置23、大量給紙装置30、自動原稿装置27に本発明を適用した例について、説明したが、これに限られない。例えば、手差しトレイ28にセットされた記録シート束を搬送するところにも適用することができる。
【0051】
(1)
以上、本実施形態のシート搬送装置によれば、シート搬送装置のアーム角度θ、ピックアップローラの振動系の剛性K、アーム長さLを数4のような関係となるように構成している。これにより、アームの搬送ローラの軸を支持するローラ支持部がアームの支点よりもシート支持部材側かつアームの支点がアームの搬送ローラ支持部よりもシート搬送方向下流側になっているシート搬送装置の自励振動を抑制することができる。搬送ローラたるピックアップローラ66自励振動を抑制し、シートの搬送遅れを抑制することができる。
(2)
また、アームの支点がアームのローラ支持部よりもシート支持部材側かつアームの支点がアームの搬送ローラ支持部よりもシート搬送方向上流側となるように構成したシート搬送装置のアーム角度θ、ピックアップローラの振動系の剛性K
アーム長さLが、数4のような関係となるように構成する。これにより、シート搬送装置の自励振動を抑制することができる。搬送ローラたるピックアップローラ66自励振動を抑制し、シートの搬送遅れを抑制することができる。
(3)
また、複数の弾性体を用いてシート搬送装置を構成すれば、ピックアップローラの振動系の剛性Kを下げることができる。これにより、アーム角度θやアーム長さLが予め所定の値に決められたものであっても、複数の弾性体を用いてシート搬送装置を構成し、ピックアップローラの振動系の剛性Kを下げることで数4の数式を満足することができる。その結果、ピックアップローラの自励振動を抑制することができ、シートの搬送遅れを抑制することができる。
(4)
また、搬送ローラたるピックアップローラを弾性体で構成することで、ピックアップローラの振動系の剛性Kを下げることができる。そして、アーム角度θやアーム長さLが予め所定の値に決められたものであっても、このピックアップローラの弾性係数を変更して、数4の関係を満たすようなピックアップローラの振動系の剛性Kとすれば、ピックアップローラの自励振動を抑制することができ、シートの搬送遅れを抑制することができる。
(5)
また、シート搬送装置を構成する弾性体の一つとして、ピックアップローラをシート支持部材(底板44、55またはセット台27a)側へ付勢する搬送ローラ付勢手段たるバネ67を設ける。このバネ67のバネ定数を変更することで、ピックアップローラの振動系の剛性Kを変えることができる。よって、アーム角度θやアーム長さLが予め所定の値に決められたものであっても、このバネ67のバネ定数を変更して、数4の関係を満たすようなピックアップローラの振動系の剛性Kとすれば、ピックアップローラの自励振動を抑制することができ、シートの搬送遅れを抑制することができる。
(6)
また、アーム66を弾性体で構成することで、ピックアップローラの振動系の剛性Kを下げることができる。そして、アーム角度θやアーム長さLが予め所定の値に決められたものであっても、このアーム66の剛性を変更して、数4の関係を満たすようなピックアップローラの振動系の剛性Kとすれば、ピックアップローラの自励振動を抑制することができ、シートの搬送遅れを抑制することができる。
(7)
また、シート搬送装置を構成する弾性体を、上記シート支持部材(底板44、55またはセット台27a)側に設けても良い。シート支持部材側に弾性体を設けても、ピックアップローラ63の振動系の剛性Kを下げることができる。
(8)
また、シート支持部材(底板44、55またはセット台27a)のピックアップローラと対向する位置に支持部弾性体を設けて、ピックアップローラの振動系の剛性Kを下げるようにしても良い。
(9)
また、上記支持部弾性体のピックアップローラ63と対向する表面に、シートに対する摩擦係数が、ピックアップローラ63のシートに対する摩擦係数よりも低い、かつ、シート支持部材のシートに対する摩擦係数より高い摩擦部材を設けている。これにより、摩擦部材を設けていないシート支持部材に比べて、シートとの摩擦力を高くすることができる。よって、シート支持部材に接触する最後のシートが、最後のシート上のシートがピックアップローラによって搬送されるときに、最後のシート上のシートと一緒に搬送されるのを抑制することができる。また、ピックアップローラのシートに対する摩擦力よりも摩擦部材のシートに対する摩擦力は低いので、シート支持部材と接触する最後のシートは、ピックアップローラとの摩擦力によって、良好に搬送することができる。
(10)
また、摩擦部材のシートに対する摩擦係数をシート間の摩擦係数と同等としているので、シート支持部材と接触する最後のシートの搬送状態を、最後のシート上のシートの搬送状態と同等とすることができる。これにより、最後のシートのであっても、最後のシート上のシートと同等に搬送することができる。
(11)
また、上記支持部弾性体を板状とし、且つ、上記シート支持部材の上記搬送ローラと対向する位置に凹部を設け、該支持部弾性体と該シート支持部材との間に隙間を形成した。これにより、板状の部材がシート支持部材の凹部側に撓むことができ、板状の部材が弾性的に変形することができる。その結果、ピックアップローラの振動系の剛性Kを下げることができる。
(12)
また、上記板状の部材を、金属で構成することで、耐久性に優れ、経時に渡り良好な撓みを維持することができる。その結果、経時に渡り弾性的に変形することができ、ピックアップローラの振動系の剛性Kを経時に渡り維持することができ、経時渡りピックアップローラの自励振動を抑制することができる。
(13)
また、板状部材は、上記シート支持部材に両端が支持されており、板状部材の端部の少なくと一方がシート支持部材に対して移動可能としている。これにより、板状部材を支持部材の凹部側に良好に撓まさることができる。また、板状部材の両端がシート支持部材されているので、シート支持部材取り扱い時に板状部材が引っ掛かってけがしたり、板状部材が破損したりするなどの不具合を抑制することができる。
(14)
また、板状部材を、上記保持部材に片もち支持するようにしてもよい。片もち支持とすることで、両端支持に比べて、部品構成が簡素化でき、安価なシート搬送装置を提供することができる。
(15)
また、シート搬送装置を構成する弾性体の一つとして、シート支持部材を上記ピックアップローラ側へ付勢するシート支持部材付勢手段(板バネ47、58)を設ける。これにより、ピックアップローラの振動系の剛性Kを下げることができる。。
(16)
また、図16に示すように、加圧スプリングとして、シート支持部材付勢手段と支持部材上昇手段とを兼ねるようにしても良い。これにより、図15に示すように、シート支持部材付勢手段を板バネ59とし、支持部材上昇手段を駆動モータと59として別々としたものに比べて、安価にシート搬送装置を提供することができる。
(17)
また、本実施形態のシート搬送装置によれば、上記ピックアップローラ63は、図14に示すように、上記アーム66に弾性体66aを介して支持されている。この弾性体66aによって、ピックアップローラ振動系の剛性Kを低くすることができる。
(18)
また、本実施形態のシート搬送装置によれば、アームの支点とアームのピックアップローラ支持部との関係を図24や図26に示すような関係とする。これにより、摩擦力によって生じる力がピックアップローラ移動方向下側に働くので、ピックアップローラが自励振動することがない。
(19)
また、本実施形態の給紙装置によれば、上記(1)〜(18)のいずれかの特徴点を備えたシート搬送装置を用いている。これにより、記録シート収容部から、記録シートを搬送するピックアップローラが自励振動するのを抑制することができる。よって、記録シートを遅れることなく画像形成部に搬送することができる。よって、記録シートの搬送が遅れた結果、感光体の画像を記録シートに転写するタイミングに記録シートが転写位置に搬送されていない不具合を抑制することができる。また、従来では、記録シートの搬送が遅れても、感光体の画像を記録シートに転写するタイミングに記録シートが転写位置に搬送されるようにするために、十分画像形成間隔を開けていた。しかし、本実施形態においては、記録体の搬送遅れが抑制されているので、画像形成間隔を狭めても、感光体の画像を記録シートに転写するタイミングに記録シートを転写位置搬送することができ、画像形成スピードを上げることができる。
(20)
また、本実施形態の自動原稿搬送装置によれば、上記(1)〜(18)のいずれかの特徴点を備えたシート搬送装置を用いている。これにより、自動原稿搬送装置の原稿シートを搬送するローラが自励振動するのを抑制することができる。その結果、原稿シートの搬送遅れを抑制することができる。
(21)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、(19)の給紙装置、(20)の自動原稿搬送装置のうち、少なくとも一つを備えているので、用紙の搬送遅れ等が起こることが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】アーム角θと慣性モーメントIとの関係を示す図。
【図2】アーム角θとアーム長さとの関係を示す図。
【図3】傾きCと剛性Kとの関係を示す図。
【図4】本実施形態に係る複写機の概略構成図。
【図5】FRR分離装置を示す概略斜視図。
【図6】FRR分離装置の記録シート分離動作を説明する図。
【図7】大量給紙装置の概略斜視図。
【図8】大量給紙装置の概略断面図。
【図9】給紙装置の概略斜視図。
【図10】給紙装置の概略斜視図。
【図11】原稿自動搬送装置の概略構成図。
【図12】摩擦力によって生じるピックアップローラ移動方向上方に働く力を示す図。
【図13】本実施形態のシート搬送装置における記録シート収容部内の記録シート積載枚数とピックアップ搬送距離との関係を示すグラフ。
【図14】ピックアップローラを弾性部材を介してアームに支持した例を示す図。
【図15】実施例1の給紙装置の概略構成図。
【図16】実施例1の給紙装置の変形例を示す図。
【図17】実施例2の給紙装置の概略構成図。
【図18】実施例3の給紙装置の要部拡大図。
【図19】同実施例の底板の斜視図。
【図20】同実施例の変形例を示す図。
【図21】同実施例の他の変形例を示す図。
【図22】同実施例のさらに他の変形例を示す図。
【図23】アームの支点がピックアップローラの軸中心よりもシート側にあって、アームの支点がピックアップローラの軸中心よりもシート搬送方向上流側にあるシート搬送装置を示す図。
【図24】ピックアップローラの軸中心がアームの支点よりもシート側にあって、アームの支点がピックアップローラの軸中心よりもシート搬送方向下流側となるように構成したシート搬送装置を示す図。
【図25】摩擦力によって生じるピックアップローラ移動方向下方に働く力を示す図。
【図26】ピックアップローラの軸中心が、アームの支点よりもシート支持部材側かつアームの支点よりもシート搬送方向下流側に配置したシート搬送装置を示す図。
【図27】シート搬送装置の一例を示す概略構成図。
【図28】従来のシート搬送装置における記録シート収容部内の記録シート積載枚数とピックアップ搬送距離との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
【0053】
1 プリンタ
23 給紙装置
27 原稿自動搬送装置
30 大量給紙装置
36 レジストローラ
61 フィードローラ
62 リバースローラ
63 ピックアップローラ
66 アーム
67 バネ
44、55 底板
69 ソレノイド




 

 


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