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発明の名称 リニューアルエレベータ制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−84230(P2007−84230A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2005−273973(P2005−273973)
出願日 平成17年9月21日(2005.9.21)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 植竹 英明
要約 課題
既設の交流電動機の一部の巻線に異常が生じたとしても、影響を最小限にする。

解決手段
高速用巻線9と低速用巻線10とが組込まれた既設の交流電動機8と、新設の電力変換回路19と、高速用巻線の異常を検出する巻線異常検出手段31とを有する。
特許請求の範囲
【請求項1】
速度に応じて択一的に励磁される高速用巻線と低速用巻線とが組込まれ、エレベータのかごを上下移動させる既設の交流電動機と、
外部の交流電源から供給される交流を整流器で直流に変換したのちこの直流をインバータで交流に変換して出力する新設の電力変換回路と、
この電力変換回路の出力端を前記高速用巻線又は前記低速用巻線に切換接続する巻線切換手段と、
前記高速用巻線の異常を検出する巻線異常検出手段と、
通常状態時において、前記巻線切換手段を前記高速用巻線側に切換えて、前記エレベータのかごが各階で発生した乗場呼びに応答するように前記電力変換回路を駆動制御するとともに、前記巻線異常検出手段が前記高速用巻線の異常を検出すると、前記巻線切換手段を前記低速用巻線側に切換えて、前記エレベータのかごを所定階へ移動待避するように前記電力変換回路を駆動制御する運転制御部と
を備えたことを特徴とするリニューアルエレベータ制御装置。
【請求項2】
速度に応じて択一的に励磁される高速用巻線と低速用巻線とが組込まれ、エレベータのかごを上下移動させる既設の交流電動機と、
外部の交流電源から供給される交流を整流器で直流に変換したのちこの直流をインバータで交流に変換して出力する新設の電力変換回路と、
前記交流電源から供給される交流を前記交流電動機に直接供給するための直接制御線と、
前記電力変換回路の異常を検出する変換回路異常検出手段と、
通常状態時において、前記電力変換回路から出力される交流を前記交流電動機の高速用巻線に供給させ、前記エレベータのかごが各階で発生した乗場呼びに応答するように前記電力変換回路を駆動制御するとともに、前記変換回路異常検出手段が前記電力変換回路の異常を検出すると、前記電力変換回路を前記交流電動機から切離し、かつ前記交流電源から供給される交流を前記直接制御線を介して交流電動機の低速用巻線へ供給して、前記エレベータのかごを所定階へ移動待避させる運転制御部と
を備えたことを特徴とするリニューアルエレベータ制御装置。
【請求項3】
速度に応じて択一的に励磁される高速用巻線と低速用巻線とが組込まれ、エレベータのかごを上下移動させる既設の交流電動機と、
外部の交流電源から供給される交流を整流器で直流に変換したのちこの直流をインバータで交流に変換して出力する新設の電力変換回路と、
前記交流電源から供給される交流を前記交流電動機に直接供給するための直接制御線と、
この直接制御線に設けられた回転方向設定回路と、
前記電力変換回路の異常を検出する変換回路異常検出手段と、
通常状態時において、前記電力変換回路から出力される交流を前記交流電動機の高速用巻線に供給させ、前記エレベータのかごが各階で発生した乗場呼びに応答するように前記電力変換回路を駆動制御するとともに、前記変換回路異常検出手段が前記電力変換回路の異常を検出すると、前記電力変換回路を前記交流電動機から切離し、かつ前記交流電源から供給される交流を前記直接制御線を介して前記交流電動機の低速用巻線へ供給して、前記エレベータのかごが各階で発生した乗場呼びに応答するように前記回転方向設定回路を切換制御する運転制御部と
を備えたことを特徴とするリニューアルエレベータ制御装置。
【請求項4】
前記電力変換回路の出力端を前記高速用巻線又は前記低速用巻線に切換接続する巻線切換手段と、前記高速用巻線の異常を検出する巻線異常検出手段とを備え、
前記運転制御部は、前記巻線異常検出手段が前記高速用巻線の異常を検出すると、前記巻線切換手段を前記低速用巻線側に切換えて、前記エレベータのかごを所定階へ移動待避するように前記電力変換回路を駆動制御する
ことを特徴とする請求項2又は3記載のリニューアルエレベータ制御装置。
【請求項5】
速度に応じて択一的に励磁される高速用巻線と低速用巻線とが組込まれ、エレベータのかごを上下移動させる既設の交流電動機と、
外部の交流電源から供給される交流を整流器で直流に変換したのちこの直流をインバータで交流に変換して出力する新設の電力変換回路と、
前記交流電源から供給される交流を前記交流電動機に直接供給するための直接制御線と、
この直接制御線に設けられた回転方向設定回路と、
前記かごの速度を検出する速度検出手段と、
前記かごの位置を検出する位置検出手段と、
前記電力変換回路の温度を検出する温度検出手段と、
通常状態時において、前記電力変換回路から出力される交流を前記交流電動機の高速用巻線に供給させ、前記エレベータのかごが各階で発生した乗場呼びに応答するように前記電力変換回路を駆動制御する通常時運転制御手段と、
前記温度検出手段が前記電力変換回路の温度異常の検出時において、前記速度検出手段が前記かごの定格速度を検出期間中は、前記電力変換回路を前記交流電動機から切離し、かつ前記交流電源から供給される交流を前記直接制御線を介して前記交流電動機の高速用巻線へ供給し、前記位置検出手段が前記かごの減速位置を検出すると、前記電力変換回路から出力される交流を前記交流電動機の高速用巻線に供給させ、前記エレベータのかごが各階で発生した乗場呼びの指定階へ止まるように前記回転方向設定回路を切換制御する異常時運転制御手段と
を備えたことを特徴とするリニューアルエレベータ制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設の旧式エレベータシステムを、電力変換回路を組込んだコンピュータ制御の新式エレベータシステムにリニューアル(改修)する場合で、既設の巻上機、既設の交流電動機もそのまま使用したエレベータシステムにおけるリニューアルエレベータ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータシステムがビル等に設置されてから数十年経過すると、エレベータシステムそのものが老朽化してしまうため、この旧式のエレベータシステムを新式のエレベータシステムに交換する必要が生じる。
【0003】
図13は旧式のエレベータシステムにおける旧式のエレベータ制御装置の概略構成図である。三相の交流電源1から出力された交流は、遮断器(電源スイッチ)2を介して、切換装置3を経由して交流電動機8へ供給される。
【0004】
この交流電動機8には、極数が少なく容量の大きい高速用巻線9と極数が多く容量の小さい低速用巻線10とが組込まれている。これらの高速用巻線9と低速用巻線10とは速度に応じて択一的に励磁される。この交流電動機8の回転軸には、カップリング11、変速器(ギアボックス)12を介して主シープ13が接続されている。この主シーブ13に、両端にエレベータのかご14及び釣合重り15が取付けられたロープ16がそらせシーブ17を介して懸架されている。したがって、交流電動機8を駆動するとかご14が建屋の各階相互間を上下移動する。
【0005】
前記切換装置3内には、上昇側開閉器4と下降側開閉器5とからなる回転方向設定回路6と、交流電源1から出力された交流の供給先を、高速用巻線9と低速用巻線10とのいずれか一方に切換える2つのスイッチ7a、7bからなる巻線切換器7が組込まれている。
【0006】
運転制御部18は、各階で発生した乗場呼びとかご14の現在位置とからかご14の移動方向を定めて、移動方向の上昇側開閉器4又は下降側開閉器5を投入し、さらに、巻線切換器7を切換えて、かご14の移動速度を高低2段階に制御する。
【0007】
このような旧式のエレベータ制御装置を少ない改修費用で短期間に乗り心地のよいエレベータ制御装置に改修する手法として、図14に示すように、交流電動機8、及び、この交流電動機8以降のカップリング11、変速器(ギアボックス)12、主シーブ13をそのまま使用し、切換装置3を新規の電力変換回路19へ置換え、かつ、運転制御部18を新規の運転制御部20へ置換えたリニューアルエレベータ制御装置が考えられる。
【0008】
電力変換回路19は、図示するように、外部の交流電源1から供給される交流を整流器21で直流に変換したのち、その直流をインバータ23で交流に変換して出力する。なお、インバータ23は、ダイオードとスイッチング素子との並列回路をブリッジ接続したものである。電力変換回路19の出力端は交流電動機8の高速用巻線9に接続されている。低速用巻線10には何も接続されていない。
【0009】
運転制御部20は、各階で発生した乗場呼びとかご14の現在位置とからかご14の移動方向を定めて、インバータ23の各スイッチング素子へPWM(パルス幅変調)ゲート信号を送出して、かご14の移動方向、及び移動速度を制御する。
【0010】
なお、特許文献1には、二つの独立した巻線を有したタンデム型モータにおける各巻線をそれぞれ独立したインバータ装置(本願の電力変換回路19に相当)で励磁制御する交流エレベータの制御装置において、一方のインバータ装置が故障した場合に、故障したインバータ装置を切離し、独立した二つの巻線を直列に接続換えを行い、正常なインバータ装置で直列に接続された巻線を励磁制御する技術が開示されている。
【特許文献1】特許第3129155号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら図14に示す従来のリニューアルエレベータ制御装置においてもまだ改良すべき次のような課題があった。
【0012】
すなわち、使用年度の経っている既設の交流電動機8においては、巻線間や巻線対地間の絶縁が劣化している場合が多く、さらに制御系のリニューアル(改修)により、電力変換回路19内のインバータ23で駆動された場合、インバータ23が直流を交流に変換するときに発生するサージにより高速用巻線9の劣化が促進され、巻線地絡、短絡の危険性も懸案される。
【0013】
このように既設の交流電動機8をそのまま残留させたリニューアルエレベータ制御装置では、インバータ23と交流電動機8の高速用巻線9を接続して駆動しているため、前述したように、高速用巻線9の絶縁破壊が起こった場合、交流電動機8が停止し、そのままエレベータ走行不能となり、急停止し、エレベータのかご14が、建屋の階と階との中間位置で停止した場合には、エレベータのかご14内に利用客が閉込められ、救出に長時間を必要とする懸念があった。
【0014】
また、新設の電力変換回路19の異常発生確率は既設の交流電動機8の異常発生確率に比較して非常に少ないが、何らかの理由でこの新設の電力変換回路19に異常が発生した場合においても同様な問題が生じる。
【0015】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、旧式のエレベータ制御装置の一部の部材を再利用することによって、少ない費用でもって、たとえ既設の交流電動機の一部の巻線や新設の電力変換回路に何らかの異常が生じたとしても、エレベータのかごを所定階へ移動待避させることができ、エレベータのかご内に利用客が閉込められることを未然に防止でき、かつ、利用客に対するエレベータ運行サービスの低下を防止できるリニューアルエレベータ制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解消するために、本発明のリニューアルエレベータ制御装置においては、速度に応じて択一的に励磁される高速用巻線と低速用巻線とが組込まれ、エレベータのかごを上下移動させる既設の交流電動機と、外部の交流電源から供給される交流を整流器で直流に変換したのちこの直流をインバータで交流に変換して出力する新設の電力変換回路と、この電力変換回路の出力端を高速用巻線又は低速用巻線に切換接続する巻線切換手段と、高速用巻線の異常を検出する巻線異常検出手段と、通常状態時において、巻線切換手段を高速用巻線側に切換えて、エレベータのかごが各階で発生した乗場呼びに応答するように電力変換回路を駆動制御するとともに、巻線異常検出手段が高速用巻線の異常を検出すると、巻線切換手段を低速用巻線側に切換えて、エレベータのかごを所定階へ移動待避するように電力変換回路を駆動制御する運転制御部とを備えている。
【0017】
このように構成されたリニューアルエレベータ制御装置においては、電力変換回路の出力端を高速用巻線又は低速用巻線に切換接続する巻線切換手段が設けられている。通常状態時においては、高速用巻線を励磁して交流電動機を駆動している。そして、この高速用巻線に異常が発生すると、低速用巻線を励磁して交流電動機を駆動している。
【0018】
したがって、かごの移動速度は高速用巻線励磁時に比較して低下するが、確実にエレベータのかごを所定階へ移動待避させることができる。また、低速用巻線は既設の旧式の交流電動機に元々組込まれていた部材であるので、このリニューアルエレベータ制御装置の製造費が大幅に上昇することはない。
【0019】
また別の発明のリニューアルエレベータ制御装置においては、速度に応じて択一的に励磁される高速用巻線と低速用巻線とが組込まれ、エレベータのかごを上下移動させる既設の交流電動機と、外部の交流電源から供給される交流を整流器で直流に変換したのちこの直流をインバータで交流に変換して出力する新設の電力変換回路と、交流電源から供給される交流を交流電動機に直接供給するための直接制御線と、電力変換回路の異常を検出する変換回路異常検出手段とを備え、
運転制御部は、通常状態時において、電力変換回路から出力される交流を交流電動機の高速用巻線に供給させ、エレベータのかごが各階で発生した乗場呼びに応答するように電力変換回路を駆動制御するとともに、変換回路異常検出手段が電力変換回路の異常を検出すると、電力変換回路を交流電動機から切離し、かつ交流電源から供給される交流を直接制御線を介して交流電動機の低速用巻線へ供給して、エレベータのかごを所定階へ移動待避させる。
【0020】
このように構成されたリニューアルエレベータ制御装置においては、交流電源から供給される交流を交流電動機に直接供給するための直接制御線が設けられている。そして、電力変換回路に何らかの異常が発生すると、交流電源から直接制御線を介して、交流電動機の低速用巻線へ交流が供給される。したがって、かごの移動速度は電力変換回路使用時に比較して低下するが、先の発明と同様に、確実にエレベータのかごを所定階へ移動待避させることができる。
【0021】
また別の発明のリニューアルエレベータ制御装置においては、速度に応じて択一的に励磁される高速用巻線と低速用巻線とが組込まれ、エレベータのかごを上下移動させる既設の交流電動機と、外部の交流電源から供給される交流を整流器で直流に変換したのちこの直流をインバータで交流に変換して出力する新設の電力変換回路と、交流電源から供給される交流を前記交流電動機に直接供給するための直接制御線と、この直接制御線に設けられた回転方向設定回路と、電力変換回路の異常を検出する変換回路異常検出手段とを備え、
運転制御部は、通常状態時において、電力変換回路から出力される交流を交流電動機の高速用巻線に供給させ、エレベータのかごが各階で発生した乗場呼びに応答するように電力変換回路を駆動制御するとともに、変換回路異常検出手段が電力変換回路の異常を検出すると、電力変換回路を交流電動機から切離し、かつ交流電源から供給される交流を直接制御線を介して交流電動機の低速用巻線へ供給して、エレベータのかごが各階で発生した乗場呼びに応答するように回転方向設定回路を切換制御する。
【0022】
このように構成されたリニューアルエレベータ制御装置においては、交流電源から供給される交流を交流電動機に直接供給するための直接制御線に回転方向設定回路が設けられている。そして、電力変換回路に何らかの異常が発生すると、交流電源から直接制御線を介して、交流電動機の低速用巻線へ交流が供給される。この場合、回転方向設定回路を切換制御することによってかごの移動方向を切換えることができるので、低速であるが、各階で発生した乗場呼びに応答させることが可能となる。
【0023】
また別の発明は、上述した発明のリニューアルエレベータ制御装置において、電力変換回路の出力端を高速用巻線又は低速用巻線に切換接続する巻線切換手段と、高速用巻線の異常を検出する巻線異常検出手段とを備え、さらに、運転制御部は、巻線異常検出手段が高速用巻線の異常を検出すると、巻線切換手段を低速用巻線側に切換えて、エレベータのかごを所定階へ移動待避するように電力変換回路を駆動制御する。
【0024】
このように構成されたリニューアルエレベータ制御装置においては、高速用巻線と電力変換回路に同時、又は個別に異常が発生した場合においても、エレベータのかごは建屋の階と階との中間位置で停止することはない。
【0025】
また別の発明のリニューアルエレベータ制御装置においては、速度に応じて択一的に励磁される高速用巻線と低速用巻線とが組込まれ、エレベータのかごを上下移動させる既設の交流電動機と、外部の交流電源から供給される交流を整流器で直流に変換したのちこの直流をインバータで交流に変換して出力する新設の電力変換回路と、交流電源から供給される交流を交流電動機に直接供給するための直接制御線と、この直接制御線に設けられた回転方向設定回路と、かごの速度を検出する速度検出手段と、かごの位置を検出する位置検出手段と、電力変換回路の温度を検出する温度検出手段と、通常状態時において、電力変換回路から出力される交流を交流電動機の高速用巻線に供給させ、エレベータのかごが各階で発生した乗場呼びに応答するように電力変換回路を駆動制御する通常時運転制御手段と、温度検出手段が電力変換回路の温度異常の検出時において、速度検出手段がかごの定格速度を検出期間中は、電力変換回路を交流電動機から切離し、かつ交流電源から供給される交流を直接制御線を介して交流電動機の高速用巻線へ供給し、位置検出手段がかごの減速位置を検出すると、電力変換回路から出力される交流を交流電動機の高速用巻線に供給させ、エレベータのかごが各階で発生した乗場呼びの指定階へ止まるように回転方向設定回路を切換制御する異常時運転制御手段とを備えている。
【0026】
このように構成されたリニューアルエレベータ制御装置においては、電力変換回路の温度を検出する温度検出手段が設けられている。そして、電力変換回路の温度が異常温度になると、エレベータのかごの移動速度を検出して、かごが加速、減速期間中は電力変換回路で交流電動機を駆動制御し、かごが定格速度期間中は、交流電源から供給される交流を直接制御線を介して交流電動機の高速用巻線へ供給している。このように電力変換回路と直接制御線とを切換制御することによって、電力変換回路の負荷を軽減できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明のリニューアルエレベータ制御装置においては、旧式のエレベータ制御装置の一部の部材で既設の交流電動機の巻線や新設の電力変換回路に対するバックアップ機能を構築している。
【0028】
したがって、少ない費用でもって、たとえ既設の交流電動機の巻線や新設の電力変換回路に何らかの異常が生じたとしても、エレベータのかごを所定階へ移動待避させることができ、エレベータのかご内に利用客が閉込められることを未然に防止でき、かつ、利用客に対するエレベータ運行サービスの低下を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の各実施形態を図面を用いて説明する。
【0030】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係わるリニューアルエレベータ制御装置の概略構成図である。なお、図13に示す旧式のエレベータ制御装置、及び図14に示す従来のリニューアルエレベータ制御装置と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0031】
この第1実施形態のリニューアルエレベータ制御装置において、三相の交流電源1から出力された交流は、遮断器(電源スイッチ)2を介して電力変換回路19へ入力され、この電力変換回路19内の整流器21で一旦直流に変換され、平滑コンデンサ22で平滑された後、インバータ23で交流に変換にされてこの電力変換回路19から出力される。電力変換回路19の出力端には、この電力変換回路19から出力される交流を高速用巻線9と低速用巻線10とのいずれか一方に切換える2つのスイッチ7a、7bからなる巻線切換器7が接続されている。この巻線切換器7は通常時においては、高速用巻線9側のスイッチ7aを閉じ、低速用巻線10側のスイッチ7bを開放している。
【0032】
交流電動機8には、高速用巻線9と低速用巻線10とが組込まれている。この交流電動機8の回転軸には、カップリング11、変速器(ギアボックス)12を介して主シーブ13が接続されている。この主シーブ13に、両端にエレベータのかご14及び釣合重り15が取付けられたロープ16がそらせシーブ17を介して懸架されている。
【0033】
例えばコンピユータで構成された運転制御部25内には、主制御部26、巻線切換部27、PWM制御部28が設けられている。主制御部26には、各階に設けられた乗場呼び釦やかご14内に設けられたかご呼び釦等の呼び検出器29から呼びが入力される。また、位置検出器30からかご14の現在位置が入力される。さらに、異常検出器31は、高速用巻線9の状態を監視しており、断線、短絡、異常温度、異常電流、漏洩電流等の異常を検出すると、異常検出を主制御部26へ通知する。
【0034】
巻線切換部27は、主制御部26の指示に基づいて巻線切換器7に電力変換回路19に接続する巻線9、10を交換する。また、PWM制御部28は、主制御部26の指示に基づいて電力変換回路19のインバータ23にPWMゲート信号を印加して、交流電動機8を駆動制御する。
【0035】
そして、この第1実施形態のリニューアルエレベータ制御装置における運転制御部25は、図2の流れ図に従って、巻線切換器7及び電力変換回路19を制御する。リニューアルエレベータ制御装置の遮断器(電源スイッチ)2が投入されると(ステップS1)、巻線切換部27から巻線切換器7に指令を出力して、スイッチ7aを閉じ、スイッチ7bを開放して、電力変換回路19を高速用巻線9側に接続する(S2)。そして、PWM制御部28から電力変換回路19のインバータ23にPWMゲート信号を印加して、電力変換回路19を起動する(S3)。呼び検出器29から呼びが入力すると(S4)、この呼びと位置検出器30からのかご14の現在位置とからかご14の移動方向を定めて、インバータ23の各スイッチング素子へPWM(パルス幅変調)ゲート信号を送出して、高速用巻線9を励磁して、交流電動機8を駆動して、かご14を目的階へ移動させる(S5)。そしてS4へ戻り、呼び検出器29から次の呼びが入力されるのを待つ。
【0036】
また、異常検出器31が高速用巻線9の異常を検出すると(S6)、PWM制御部28から電力変換回路19のインバータ23に印加しているPWMゲート信号を停止して、一旦電力変換回路19を停止する(S7)。その後、巻線切換部27から巻線切換器7に指令を出力して、スイッチ7aを開放し、スイッチ7bを閉じて、電力変換回路19を低速用巻線10側に接続する(S8)。
【0037】
そして、PWM制御部28から電力変換回路19のインバータ23にPWMゲート信号を印加して、電力変換回路19を起動する(S9)。位置検出器30からのかご14の現在位置を取込み(S10)、かご14が現在位置から例えば1階等の規準階へ移動するための移動方向を定めて、インバータ23の各スイッチング素子へPWM(パルス幅変調)ゲート信号を送出して、低速用巻線10を励磁して、交流電動機8を駆動して、かご14を基準階へ移動させる(S11)。
【0038】
かご14が1階等の規準階へ到着すると(S12)、PWM制御部28から電力変換回路19のインバータ23に印加しているPWMゲート信号を停止して、電力変換回路19を停止する(S13)。すなわち、かご14を基準階に待機させる。そして、異常検出器31が高速用巻線9の異常復旧を検出すると(S14)、S2へ戻り、電力変換回路19を高速用巻線9側に接続する。
【0039】
このように構成された第1実施形態のリニューアルエレベータ制御装置においては、整流器21と平滑コンデンサ22とインバータ23とからなる電力変換回路19の出力端を高速用巻線9又は低速用巻線10に切換接続する一対のスイッチ7a、7bからなる巻線切換器7が設けられている。そして、通常状態時においては、電力変換回路19は高速用巻線9を励磁して交流電動機8を駆動している。そして、この高速用巻線9に何らかの異常が発生すると、電力変換回路19は低速用巻線10を励磁して交流電動機8を駆動している。
【0040】
したがって、高速用巻線9の異常発生時においては、低速用巻線10を使用するので、かご14の移動速度は高速用巻線9の励磁時に比較して低下するが、確実にエレベータのかご14を1階等の規準階へ移動待避させることができる。すなわち、エレベータのかご内に利用客が閉込められることを未然に防止でき、かつ、利用客に対するエレベータ運行サービスの低下を防止できる。
【0041】
また、低速用巻線10は既設の旧式の交流電動機8に元々組込まれていた部材であるので、このリニューアルエレベータ制御装置の製造費が大幅に上昇することはない。
【0042】
(第2実施形態)
図3は本発明の第2実施形態に係わるリニューアルエレベータ制御装置の概略構成図である。図13に示す旧式のエレベータ制御装置、及び図1に示す第1実施形態のニューアルエレベータ制御装置と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0043】
この第2実施形態のリニューアルエレベータ制御装置においては、三相の交流電源1から出力された交流を遮断器(電源スイッチ)2を介して交流電動機8の低速用巻線10に直接供給するための直接制御線32が設けられている。この直接制御線32の中途位置には、図13に示す旧式のエレベータ制御装置と同じ、上昇側開閉器4と下降側開閉器5とからなる回転方向設定回路6と、直接制御側スイッチ33が介挿されている。さらに、電力変換回路19と2つのスイッチ7a、7bからなる巻線切換器7との間には、電力変換回路側スイッチ34が介挿されている。
【0044】
回転方向設定回路6の上昇側開閉器4と下降側開閉器5とは、運転制御部25a内の上昇/下降切換部36にてかご14の移動方向に応じて切換制御される。また、直接制御側スイッチ33及び電力変換回路側スイッチ34は、運転制御部25a内の制御系切換部37にて切換制御される。すなわち、主制御部26は、電力変換回路19で交流電動機8を回転制御する場合は、電力変換回路側スイッチ34を閉じて、直接制御側スイッチ33を開放する。また、交流電源1の三相交流で直接制御線32を介して、直接、交流電動機8を回転制御する場合は、電力変換回路側スイッチ34を開放して、直接制御側スイッチ33を閉じる。
【0045】
さらに、異常検出器35は、電力変換回路19の状態を監視しており、断線、短絡、異常温度、異常電流、漏洩電流等の異常を検出すると、異常検出を主制御部26へ通知する。
【0046】
例えばコンピユータで構成された運転制御部25a内には、主制御部26、巻線切換部27、PWM制御部28、上昇/下降切換部36、制御系切換部37が設けられている。主制御部26には、各階に設けられた乗場呼び釦やかご14内に設けられたかご呼び釦等の呼び検出器29から呼びが入力される。また、位置検出器30からかご14の現在位置が入力される。
【0047】
そして、第2実施形態のリニューアルエレベータ制御装置の運転制御部25aは、図4の流れ図に従って、電力変換回路側スイッチ34、直接制御側スイッチ33、回転方向設定回路6、巻線切換器7及び電力変換回路19を制御する。
【0048】
この第2実施形態のリニューアルエレベータ制御装置の遮断器(電源スイッチ)2が投入されると(ステップQ1)、巻線切換部27から巻線切換器7に指令を出力して、スイッチ7aを閉じ、スイッチ7bを開放する(Q2)。さらに、制御系切換部37が電力変換回路側スイッチ34を閉じて、直接制御側スイッチ33を開放する。その結果、電力変換回路19が交流電動機8の高速用巻線9側に接続される(Q3)。
【0049】
そして、PWM制御部28から電力変換回路19のインバータ23にPWMゲート信号を印加して、電力変換回路19を起動する(Q4)。呼び検出器29から呼びが入力すると(Q5)、この呼びと位置検出器30からのかご14の現在位置とからかご14の移動方向を定めて、インバータ23の各スイッチング素子へPWM(パルス幅変調)ゲート信号を送出して、高速用巻線9を励磁して、交流電動機8を駆動して、かご14を目的階へ移動させる(Q6)。そして、Q5へ戻り、呼び検出器29から次の呼びが入力されるのを待つ。
【0050】
また、異常検出器35が電力変換回路19の異常を検出すると(Q7)、PWM制御部28から電力変換回路19のインバータ23に印加しているPWMゲート信号を停止して、異常発生した電力変換回路19を停止させる(Q8)。
【0051】
その後、位置検出器30からのかご14の現在位置を取込み(Q9)、かご14がこの現在位置から例えば1階等の基準階へ移動するための移動方向を定めて(Q10)、上昇/下降切換部36にて、回転方向設定回路6における移動方向に対応した上昇側開閉器4又は下降側開閉器5を投入する(Q11)。次に、巻線切換部27から巻線切換器7に指令を出力して、スイッチ7aを開放し、スイッチ7bを閉じる(Q12)。さらに、制御系切換部37にて、電力変換回路側スイッチ34を開放して、直接制御側スイッチ33を閉じる(Q13)。
【0052】
その結果、電力変換回路19が交流電動機8から切離され、三相の交流電源1から出力された交流が、遮断器(電源スイッチ)2、直接制御線32、回転方向設定回路6を介して交流電動機8の低速用巻線10に供給される。よって、低速用巻線10が励磁されて、交流電動機8が起動して、かご14は基準階へ移動開始する。
【0053】
かご14が1階等の基準階へ到着すると(Q14)、直接制御側スイッチ33を開放して、交流電動機8を停止させ、かご14を基準階で待機させる(Q15)。そして、異常検出器35が電力変換回路19の異常復旧を検出すると(Q16)、Q2へ戻り、電力変換回路19を高速用巻線9側に接続する。
【0054】
このように構成された第2実施形態のリニューアルエレベータ制御装置においては、交流電源1から供給される交流を交流電動機8に直接供給するための直接制御線32が設けられている。そして、通常状態においては、電力変換回路19で交流電動機8の高速用巻線9を励磁して、交流電動機8を駆動制御する。電力変換回路19に何らかの異常が発生すると、電力変換回路19を交流電動機8から切離して、交流電源1から直接制御線32を介して、交流電動機8の低速用巻線10へ交流が供給される。したがって、かご14の移動速度は電力変換回路19使用時に比較して低下するが、先の発明と同様に、確実にエレベータのかご14を基準階へ移動待避させることができる。
【0055】
さらに、直接制御線32、上昇側開閉器4と下降側開閉器5とからなる回転方向設定回路6は、図13に示す旧式のエレベータ制御装置の回路構成をそのまま流用できるので、このリニューアルエレベータ制御装置の製造費が大幅に上昇することはない。
【0056】
(第3実施形態)
図5は本発明の第3実施形態に係わるリニューアルエレベータ制御装置の概略構成図である。図3に示す第2実施形態のニューアルエレベータ制御装置と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0057】
この第3実施形態のリニューアルエレベータ制御装置においては、電力変換回路19の状態を監視して、断線、短絡、異常温度、異常電流、漏洩電流等の異常を検出すると異常検出を主制御部26へ通知する異常検出器35が設けられている。さらに、高速用巻線9の状態を監視して、断線、短絡、異常温度、異常電流、漏洩電流等の異常を検出すると異常検出を主制御部26へ通知する異常検出器31が設けられている。その他の構成は図3に示す第2実施形態のリニューアルエレベータ制御装置と同じである。
【0058】
そして、この第3実施形態のリニューアルエレベータ制御装置における運転制御部25bは、図6の流れ図に従って、電力変換回路側スイッチ34、直接制御側スイッチ33、回転方向設定回路6、巻線切換器7及び電力変換回路19を制御する。図4に示す第2実施形態の運転制御部25aの流れ図と同一部分には同一符号を付して、重複する部分の詳細説明を省略する。
【0059】
図6の流れ図において、図4に示す第2実施形態の運転制御部25aと異なる部分は、第2実施形態においては、Q7において、異常検出器35が電力変換回路19の異常を検出すると、PWM制御部28から電力変換回路19のインバータ23に印加しているPWMゲート信号を停止して、異常発生した電力変換回路19を停止させる(Q8)が、この第3実施形態においては、Q7aにおいて、異常検出器35が電力変換回路19の異常を検出した時や異常検出器31が高速用巻線9の異常を検出すると、PWM制御部28から電力変換回路19のインバータ23に印加しているPWMゲート信号を停止して、異常発生した電力変換回路19を停止させる(Q8)。また、Q16aにおいては、異常検出器31、35が高速用巻線9、電力変換回路19の異常復旧を検出すると、Q2へ戻り、電力変換回路19を高速用巻線9側に接続する。
【0060】
このように構成された第3実施形態のリニューアルエレベータ制御装置においては、通常状態においては、電力変換回路19で交流電動機8の高速用巻線9を励磁して、交流電動機8を駆動制御する。電力変換回路19又は高速用巻線9に、何らかの異常が発生すると、電力変換回路19を交流電動機8から切離して、交流電源1から直接制御線32を介して、交流電動機8の低速用巻線10へ交流が供給される。したがって、かご14の移動速度は電力変換回路19使用時に比較して低下するが、先の発明と同様に、確実にエレベータのかご14を基準階へ移動待避させることができる。
【0061】
(第4実施形態)
図7は本発明の第4実施形態に係わるリニューアルエレベータ制御装置の概略構成図である。図3に示す第2実施形態のニューアルエレベータ制御装置と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0062】
この第4実施形態に係わるリニューアルエレベータ制御装置のハード構成は図3に示す第2実施形態のニューアルエレベータ制御装置とほぼ同じである。
【0063】
そして、この第4実施形態のニューアルエレベータ制御装置の運転制御部25cは、図8、図9の流れ図に従って、電力変換回路側スイッチ34、直接制御側スイッチ33、回転方向設定回路6、巻線切換器7及び電力変換回路19を制御する。
【0064】
図8におけるR1からR14までの処理は、第2実施形態の図4におけるQ1からQ14までの処理と同じであるので、説明を省略する。
【0065】
かご14が1階等の基準階へ到着すると(R14)、直接制御側スイッチ33を開放して、交流電動機8を停止させ(R15)、呼び検出器29からの乗場呼び又はかご呼びが入力するのを待つ。図9のR16において、呼びが入力すると、位置検出器30からのかご14の現在位置を取込み(R17)、かご14がこの現在位置から前記呼びが指定する階へ移動するための移動方向を定めて(R18)、上昇/下降切換部36にて、回転方向設定回路6における移動方向に対応した上昇側開閉器4又は下降側開閉器5を投入する(R19)。
【0066】
次に、巻線切換部27から巻線切換器7に指令を出力して、スイッチ7aを閉じて、スイッチ7bを開放し、高速用巻線9を選択する(R20)。さらに、制御系切換部37にて、電力変換回路側スイッチ34を開放して、直接制御側スイッチ33を閉じる(R21)。その結果、電力変換回路19が交流電動機8から切離され、三相の交流電源1から出力された交流が、遮断器(電源スイッチ)2、直接制御線32、回転方向設定回路6を介して交流電動機8の高速用巻線9に供給される。よって、高速用巻線9が励磁されて、交流電動機8が起動して、かご14は前記呼びが指定する目的階へ移動開始する。
【0067】
位置検出器30が、かご14が目的階近傍の減速位置に到来したことを検出すると(R22)、巻線切換部27が巻線切換器7のスイッチ7aを開放してスイッチ7bを閉じる。その結果、励磁される巻線が高速用巻線9から低速用巻線10へ変更され、かご14はブレーキが作動した状態となる(R23)。かご14が前記呼びが指定する目的階へ到着すると(R24)、直接制御側スイッチ33を開放して、交流電動機8を停止させる(R25)。
【0068】
そして、この時点で、まだ、異常検出器35が電力変換回路19の異常復旧を検出していない場合は(R26)、R16へ戻り、呼び検出器29からの乗場呼び又はかご呼びが入力するのを待つ。また、異常検出器35が電力変換回路19の異常復旧を検出すると、R2へ戻り、電力変換回路19を高速用巻線9側に接続する。
【0069】
このように構成された第4実施形態のリニューアルエレベータ制御装置においては、通常状態においては、電力変換回路19で交流電動機8の高速用巻線9を励磁して、交流電動機8を駆動制御する。電力変換回路19に、何らかの異常が発生すると、電力変換回路19を交流電動機8から切離して、交流電源1から直接制御線32を介して、交流電動機8の低速用巻線10へ交流が供給され、かご14を一旦基準階へ移動させる。
【0070】
その後、電力変換回路19が復旧するまでの期間、直接制御線32、回転方向設定回路6、高速用巻線9、低速用巻線10を用いて、発生した乗場呼び又はかご呼びに応答してかご14を移動させている。すなわち、電力変換回路19が故障した場合は、図13に示す旧式のエレベータ制御装置の機能を用いて、交流電動機8を駆動制御する。
【0071】
このように、電力変換回路19が異常の場合は、旧式のエレベータ制御装置の機能を用いて、エレベータを運行できるので、エレベータの利用者に対するサービス低下を最小限に抑制できる。
【0072】
(第5実施形態)
図10は本発明の第5実施形態に係わるリニューアルエレベータ制御装置の概略構成図である。図3に示す第2実施形態のニューアルエレベータ制御装置と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0073】
この第5実施形態のリニューアルエレベータ制御装置においては、電力変換回路19の温度を監視して、温度が予め定められた上限値を超える温度異常を検出すると異常検出を主制御部26へ通知する温度検出器38が設けられている。さらに、この実施形態においては、交流電動機8の高速用巻線9は直接電力変換回路側スイッチ34及び直接制御側スイッチ33に接続されている。交流電動機8の低速側巻線10にはなにも接続されていない。よって、この実施形態においては、巻線切換器7は設けられていない。
【0074】
例えばコンピュータで構成された運転制御部25d内には、主制御部26、上昇/下降切換部36、制御系切換部37、PWM制御部28が設けられている。主制御部26には、各階に設けられた乗場呼び釦やかご14内に設けられたかご呼び釦等の呼び検出器29から呼びが入力される。また、位置検出器30からかご14の現在位置が入力される。なお、この実施形態においては、位置検出器30はかご14の速度を検出する速度検出手段の機能も兼ね備えている。
【0075】
そして、この第5実施形態のリニューアルエレベータ制御装置における運転制御部25dは、図11、図12の流れ図に従って、電力変換回路側スイッチ34、直接制御側スイッチ33、回転方向設定回路6、及び電力変換回路19を制御する。
【0076】
この第5実施形態のリニューアルエレベータ制御装置の遮断器(電源スイッチ)2が投入されると(ステップP1)、制御系切換部37が電力変換回路側スイッチ34を閉じて、直接制御側スイッチ33を開放する。その結果、電力変換回路19が交流電動機8の高速用巻線9側に接続される(P2)。
【0077】
そして、PWM制御部28から電力変換回路19のインバータ23にPWMゲート信号を印加して、電力変換回路19を起動する(P3)。呼び検出器29から呼びが入力すると(P4)、この呼びと位置検出器30からのかご14の現在位置とからかご14の移動方向を定めて、インバータ23の各スイッチング素子へPWM(パルス幅変調)ゲート信号を送出して、高速用巻線9を励磁して、交流電動機8を駆動して、かご14を目的階へ移動させる(P5)。そして、P4へ戻り、呼び検出器29から次の呼びが入力されるのを待つ。
【0078】
また、温度検出器38が電力変換回路19の温度異常を検出すると(P6)、位置検出器30のかご14の位置の動的変化によりかご14が現在移動中か否かを判定し(P7)、移動中の場合には、かご14が目的階に到着するまで待つ(P8)。
【0079】
かご14が1つの階に停止状態において、呼び検出器29から新たな呼びが入力すると(P9)、この呼びと位置検出器30からのかご14の現在位置とからかご14の移動方向を定めて、インバータ23の各スイッチング素子へPWM(パルス幅変調)ゲート信号を送出して、高速用巻線9を励磁して、交流電動機8を駆動して、かご14を目的階へ移動開始させる(P10)。
【0080】
そして、交流電動機8の回転速度が定格速度に達したことを、位置検出器30が検出しているかご位置の時間的変化から検出すると(P11)、かご14の移動方向を位置検出器30のかご14の位置の動的変化により検出して(P12)、回転方向設定回路6の対応移動方向の上昇側開閉器4又は下降側開閉器5を投入する(P13)。そして、電力変換回路側スイッチ34を開放して、直接制御側スイッチ33を閉じる(P14)。すなわち、かご14の速度が定格速度に達した時点で、交流電動機8の駆動制御を電力変換回路19側から直接制御線32側に切換える。その結果、交流電動機8は、交流電源1から直接制御線32を介して高速用巻線9に供給された交流で定格運転される。
【0081】
そして、位置検出器30が、かご14が目的階近傍の減速位置に到来したことを検出すると(P15)、電力変換回路側スイッチ34を閉じて、直接制御側スイッチ33を開放する(P16)。すなわち、かご14が減速位置に達した時点で、交流電動機8の駆動制御を直接制御線32側から、電力変換回路19側に切換える。その結果、交流電動機8は、電力変換回路19にて減速運転される。
【0082】
そして、かご14が目的階へ到達すると(P17)、この時点で、まだ、温度検出器38が電力変換回路19の温度異常を検出していない場合は(P18)、P9へ戻り、呼び検出器29からの乗場呼び又はかご呼びが入力するのを待つ。また、温度検出器38が電力変換回路19の温度異常の復旧を検出すると、P2へ戻り、電力変換回路19を交流電動機8側に接続する。
【0083】
このように構成された第5実施形態のリニューアルエレベータ制御装置においては、通常状態においては、電力変換回路19で交流電動機8の高速用巻線9を励磁して、交流電動機8を駆動制御する。電力変換回路19に、例えば過負荷等に起因して、温度異常が発生すると、呼び発生に応じて、かご14の移動開始時時刻から定格速度に達する迄の加速期間と、かご14の減速開始時刻から停止時刻までの減速期間とは、電力変換回路19で交流電動機8を駆動し、かご14の定格運転期間は、交流電源1から直接制御線32を介して供給された交流で運転される。一般に、定格運転は、電力変換回路19で格別に速度制限をしない運転状態であるので、交流電源1から直接制御線32を介して供給された交流で交流電動機8を駆動した場合における速度にほぼ等しい。
【0084】
したがって、この定格運転期間中は、交流電源1から直接制御線32を介して供給された交流で交流電動機8を運転することにより、エレベータの利用客に乗心地に対する不快感を与えることなく、電力変換回路19の平均的な負荷を軽減できる。したがって、電力変換回路19の過負荷等に起因する温度異常を短時間で解消できる。よって、リニューアルエレベータ制御装置に対する安全性をより一層向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1実施形態に係わるリニューアルエレベータ制御装置の概略構成図
【図2】同第1実施形態に係わるリニューアルエレベータ制御装置の制御動作を示す流れ図
【図3】本発明の第2実施形態に係わるリニューアルエレベータ制御装置の概略構成図
【図4】同第2実施形態に係わるリニューアルエレベータ制御装置の制御動作を示す流れ図
【図5】本発明の第3実施形態に係わるリニューアルエレベータ制御装置の概略構成図
【図6】同第3実施形態に係わるリニューアルエレベータ制御装置の制御動作を示す流れ図
【図7】本発明の第4実施形態に係わるリニューアルエレベータ制御装置の概略構成図
【図8】同第4実施形態に係わるリニューアルエレベータ制御装置の制御動作を示す流れ図
【図9】同じく第4実施形態に係わるリニューアルエレベータ制御装置の制御動作を示す流れ図
【図10】本発明の第5実施形態に係わるリニューアルエレベータ制御装置の概略構成図
【図11】同第5実施形態に係わるリニューアルエレベータ制御装置の制御動作を示す流れ図
【図12】同じく第5実施形態に係わるリニューアルエレベータ制御装置の制御動作を示す流れ図
【図13】旧式のエレベータ制御装置の概略構成図
【図14】従来のリニューアルエレベータ制御装置の概略構成図
【符号の説明】
【0086】
1…交流電源、2…遮断器(電源スイッチ)、4…上昇側開閉器、5…下降側開閉器、6…回転方向設定回路、7…巻線切換器、7a,7b…スイッチ、8…交流電動機、9…高速用巻線、10…低速用巻線、13…主シーブ、14…かご、19…電力変換回路、21…整流器、22…平滑コンデンサ、23…インバータ、25,25a,25b,25c,25d…運転制御部、26…主制御部、27…巻線切換部、28…PWM制御部、29…呼び検出部、30…位置検出部、31,35…異常検出部、32…直接制御線、33…直接制御側スイッチ、34…電力変換回路側スイッチ、36…上昇/下降切換部、37…制御系切換部、38…温度検出器




 

 


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