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発明の名称 エレベータの照明制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−84228(P2007−84228A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2005−273971(P2005−273971)
出願日 平成17年9月21日(2005.9.21)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 上原 壮吉 / 小林 清
要約 課題
エレベータ利用者が各階床の乗場に降りる際、乗場周辺を視覚認識し易くする。

解決手段
エレベータの運転状態を検出し、調光制御指令信号を出力する運転状態検出手段1と、各階床の乗場及び乗りかご内に設置される照明手段3,4と、この照明手段3,4からの明るさによる各階床の乗場周辺の照度を検出する乗場照度検出手段2と、運転状態検出手段1から調光制御指令信号を受けているとき、予め設定される各階床の乗場の照度設定データ34−10、34−11(A)〜34−13(C)から通常照度か特定照度かを判断し、特定照度の場合には乗場照度検出手段2で検出された各階床の乗場照度検出データ34−1(A)〜34−3(C)が最適照度範囲外であれば、最適照度範囲内に入れるように乗りかご21の照明手段4を調光制御し、通常照度の場合は乗りかご21の照度設定データを取り出し、乗りかご21の照明手段4を調光制御する調光制御手段5とを設けた構成である。
特許請求の範囲
【請求項1】
乗りかごの運転状態を検出し、乗りかごの停止階床の情報を含む調光制御指令信号を出力する運転状態検出手段と、
各階床の乗場及びエレベータ乗りかご内に設置される照明手段と、
この照明手段からの明るさによる各階床の乗場周辺の照度を検出する乗場照度検出手段と、
前記乗場照度検出手段により検出される各階床の乗場周辺の照度検出データと予め設定される乗りかご及び各階床乗場の照度設定データとを記憶する記憶手段と、
前記運転状態検出手段から停止階床の情報を含む調光制御指令信号を受けたとき、その停止階床に対応する前記乗場周辺の照度検出データ又は前記乗りかご及び各階床の乗場の照度設定データを用いて、前記かご内照明手段の輝度を調光制御する調光制御手段とを備えたことを特徴とするエレベータの照明制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエレベータの照明制御装置において、
前記調光制御手段は、前記記憶手段に各階床ごとに通常照度又は特定照度の何れかの前記乗場照度設定データが記憶されている場合、前記乗りかごの停止階床の前記乗場照度設定データに基づき、前記乗りかごの照度設定データ又は当該停止階の乗場照度検出データを用いるかを判断する照度判断手段と、
前記乗場照度設定データとして特定照度データが設定されているとき、当該停止階床の乗場照度検出データが予め設定される最適照度値±所定値内又は上下限照度値内に入っているか否かを判断する乗場照度適否判断手段と、
前記乗場照度設定データとして通常照度データが設定されているとき、前記乗りかごの照度設定データを用いて、前記かご内照明手段の輝度を調光制御する第1の制御手段と、
前記乗場照度適否判断手段の判断結果から前記停止階床の乗場照度検出データが最適照度値±所定値内又は上下限照度値内に入っている場合には前記停止階床の乗場照度検出データを用いて、前記かご内照明手段の輝度を調光制御する第2の制御手段とを設けたことを特徴とするエレベータの照明制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載のエレベータの照明制御装置において、
前記乗場照度適否判断手段の判断結果から前記停止階床の乗場照度検出データが最適照度値±所定値内又は上下限照度値内に入っていない場合、前記最適照度値±所定値又は上下限照度値の何れの方向に越えているかに応じ、最適照度値又は上下限照度値に所定の照度を加減算し、この加減算された修正照度に基づいて前記かご内照明手段の輝度を調光制御する修正照度算出手段を設けたことを特徴とするエレベータの照明制御装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載のエレベータの照明制御装置において、
前記乗場照度適否判断手段の判断結果から前記停止階床の乗場照度検出データが最適照度値±所定値内又は上下限照度値内に入っていない場合、前記停止階床の乗場照度を修正させるための情報をエレベータの管理室又は監視室に送信し、当該停止階床の乗場に設置された照明手段の輝度の変更を促す手段を設けたことを特徴とするエレベータの照明制御装置。
【請求項5】
エレベータの運転状態を検出し、調光制御指令信号を出力する運転状態検出手段と、
各階床の乗場及びエレベータ乗りかご内に設置される照明手段と、
各階床の乗場を所定の照度とする複数の照度設定パターンを記憶する手段と、
前記運転状態検出手段からの調光制御指令信号を受け、かつ外部からのパターン選択指令に基づいて1つの照度設定パターンの選択指示を受けたとき、前記エレベータの運転状態に応じて乗りかご内の照度が当該照度設定パターンに規定する各階床の乗場の照度と等しくなるように前記かご内照明手段の輝度を調光制御する調光制御手段とを備えたことを特徴とするエレベータの照明制御装置。
【請求項6】
エレベータの運転状態を検出し、調光制御指令信号を出力する運転状態検出手段と、
各階床の乗場及びエレベータ乗りかご内に設置される照明手段と、
前記各階床の乗場周辺で営業する複数のテナントの照明によって変化する乗場照度を検出する各階床毎の複数の乗場照度検出手段と、
乗りかご内に設けられ、各階床の乗場からの明るさによって変化する乗りかご内の照度を検出するかご内照度検出手段と、
前記階床毎の複数の乗場照度検出手段で検出される照度と前記かご内照度検出手段で検出される照度とに基づいて前記各階床の乗場及び前記乗りかご内を所定の照度とするための照度設定データを表形式で設定する照度設定手段と、
前記運転状態検出手段からの調光制御指令信号を含むエレベータ運転状況を受けている場合、この運転状況に応じて前記複数の乗場照度検出手段で検出される照度に基づく前記照度設定手段の乗場照度設定データのもとに前記各階床の乗場に設置される前記乗場照明手段の輝度を制御するか、或いは前記照度設定手段に設定されるかご内照度設定データと前記かご内照度検出手段で検出されるかご内照度とを比較し、かご内照度がかご内照度設定データに等しくなるように前記かご内照明手段の輝度を制御する調光制御手段とを備えたことを特徴とするエレベータの照明制御装置。
【請求項7】
エレベータの運転状態を検出し、調光制御指令信号を出力する運転状態検出手段と、
少なくともエレベータ乗りかご内に設置される照明手段と、
透明体の材料で形成された展望用エレベータの外壁に取り付けられ、外部の照度を検出する外部照度検出手段と、
乗りかご内の適宜な個所に取り付けられ、前記透明体から入ってくる光の明るさに応じたかご内照度を検出するかご照度検出手段と、
前記運転状態検出手段からの調光制御指令信号を受けているとき、前記外部照度検出手段で検出される外部照度に応じて前記かご内照明手段の輝度を調光制御する調光制御手段とを備えたことを特徴とするエレベータの照明制御装置。
【請求項8】
請求項7に記載のエレベータの照明制御装置において、
太陽の動きによって時々刻々変化する陽射し方向からの照度を検出するために複数の前記外部照度検出手段が設けられ、太陽の動きと時間とに応じて特定の1つの外部照度検出手段を選択し、外部照度を検出することを特徴とするエレベータの照明制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータの乗りかごや乗場に設置される照明機器の調光制御を行うエレベータの照明制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギーを実現する観点から、輝度を調整可能とした照明機器が製品化され、この種の照明機器を採用したエレベータの乗りかごが提案されている。
【0003】
従来のエレベータの照明制御装置としては、エレベータの走行中に乗りかご内の乗客の顔が認識可能な程度に輝度を下げ、乗りかごが目的の階床に着床する際に再び輝度を上げて着床階の照度に合わせるように調光制御する構成のものがある(特許文献1)。
【0004】
また、目的の階床に着床した後に戸開完了するまでの間、輝度を下げ続ける構成のものもある(特許文献2)。
【0005】
さらに、エレベータの通常運転時、かご呼び及び乗場呼びの何れの入力も検知されていない時、乗りかごの運転を休止状態とする一方、乗りかご内の照明機器の輝度を一定割合だけ下げるものがある(特許文献3)。
【特許文献1】特開平7−315699号公報
【特許文献2】特開2002−145538号公報
【特許文献3】特開平8−245090号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、以上のようなエレベータの照明制御装置は、何れも省エネルギーに重点が置かれており、エレベータの利用者に対するサービス面からは未だに次のような問題が指摘されている。
【0007】
(1) 建物によっては、特定の階床の照度が所定の時間だけ極端に変化することがある。例えば、雑居ビルなどに入っている暗い雰囲気の飲食店がエレベータ乗場前で営業している場合、営業時間である夕方から深夜にかけて当該飲食店のある階床の乗場周辺が非常に暗くなっている。一方、営業時間以外の朝から夕方までの時間帯は乗場周辺も照明機器により明るく照らされている。また、それ以外の階床では照明機器によって乗場周辺は通常の明るさで照らされていたり、テナントが入っていない階床では照明機器も簡易なものが取り付けられ、乗場周辺が薄暗い状態となっていたりする。
【0008】
また、マンション等の集合住宅では、エレベータ乗場が屋外に面した通路に設けられている場合がある。このような建物においては、昼間はエレベータ乗場が自然光によって明るく照らされているが、夜間は通路専用の照明機器により照らされるのみとなってしまう。同様に、昼間の場合は2階以上の階床では自然光で十分な明るさに照らされているが、1階の乗場周辺だけが壁で囲まれているとか、或いは1階通路脇に植栽が置かれていて、その植栽が伸びた状態となっているために、1階通路を含む乗場周辺が昼間でも非常に暗い状態となっている場合がある。
【0009】
また、ホテル等では、ロビー階は照明機器により昼夜を問わず一日中明るく照らされているが、客室階は夜間に薄暗い状態となっている。また、展望階、飲食店のある階床は、その用途、目的等に応じて、乗場周辺の明るさが大きく異なっている。
【0010】
このように各種のテナントの入った建物、集合住宅、ホテル等の建物においては、各階床の用途、目的、テナントの種類などによって乗場周辺の明るさが極端に異なる。その結果、ある階床が薄暗かったり、極端に暗い状態の場合、エレベータ利用者がその階床に降りる際、通常の照度を保っている乗りかご内の明るさに慣れた状態から戸開後に該当階床の乗場を見たとき、暗くてほとんど見えない状態となる。このような場合、乗りかごから出る利用者はそのことに強い抵抗を感じてしまう。
【0011】
また、エレベータ利用者が薄暗い乗場に降りる場合であっても、乗りかご内の明るい状態からの明るさの変化に追従できなくなるので、一瞬目が眩んでしまい、乗場で転倒する危険性がある。
【0012】
(2) 展望用エレベータでは、乗りかごの表面にガラスなどの透明体が用いられているので、乗りかご内から外部の景色を見ることができる。しかし、外部の明るさは、昼夜の他、天候や建物の照明などによって大きく変化する。
【0013】
その結果、外部が非常に暗いとき、乗りかご内の照明からの光が透明体で反射されてしまい、利用者が外部の景色をほとんど見れない状態となる。一方、外部から乗りかごを見たとき、かご内が非常に明るいことから、利用者やかご内が必要以上に目立ってしまうという問題がある。
【0014】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたもので、乗りかご内の照度と乗場や外部の照度との照度差を小さくし、乗りかごから降りるエレベータ利用者が乗場周辺の状況を容易に確認可能とし、もってエレベータ利用者のサービス向上を図るエレベータの照明制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1) 上記課題を解決するために、本発明に係るエレベータの照明制御装置は、乗りかごの運転状態を検出し、乗りかごの停止階床の情報を含む調光制御指令信号を出力する運転状態検出手段と、各階床の乗場及びエレベータ乗りかご内に設置される照明手段と、この照明手段からの明るさによる各階床の乗場周辺の照度を検出する乗場照度検出手段と、
前記乗場照度検出手段により検出される各階床の乗場周辺の照度検出データと予め設定される乗りかご及び各階床乗場の照度設定データとを記憶する記憶手段と、前記運転状態検出手段から停止階床の情報を含む調光制御指令信号を受けたとき、その停止階床に対応する前記乗場周辺の照度検出データ又は前記乗りかご及び各階床の乗場の照度設定データを用いて、前記かご内照明手段の輝度を調光制御する調光制御手段とを設けた構成である。
【0016】
(2) 本発明に係るエレベータの照明制御装置は、エレベータの運転状態を検出し、調光制御指令信号を出力する運転状態検出手段と、各階床の乗場及びエレベータ乗りかご内に設置される照明手段と、各階床の乗場を所定の照度とする複数の照度設定パターンを記憶する手段と、前記運転状態検出手段からの調光制御指令信号を受け、かつ外部からのパターン選択指令に基づいて1つの照度設定パターンの選択指示を受けたとき、前記エレベータの運転状態に応じて乗りかご内の照度が当該照度設定パターンに規定する各階床の乗場の照度と等しくなるように前記かご内照明手段の輝度を調光制御する調光制御手段とを設けた構成である。
【0017】
(3) 本発明に係るエレベータの照明制御装置は、エレベータの運転状態を検出し、調光制御指令信号を出力する運転状態検出手段と、各階床の乗場及びエレベータ乗りかご内に設置される照明手段と、前記各階床の乗場周辺で営業する複数のテナントの照明によって変化する乗場照度を検出する各階床毎の複数の乗場照度検出手段と、乗りかご内に設けられ、各階床の乗場からの明るさによって変化する乗りかご内の照度を検出するかご内照度検出手段と、前記階床毎の複数の乗場照度検出手段で検出される照度と前記かご内照度検出手段で検出される照度とに基づいて前記各階床の乗場及び前記乗りかご内を所定の照度とするための照度設定データを表形式で設定する照度設定手段と、前記運転状態検出手段からの調光制御指令信号を含むエレベータ運転状況を受けている場合、この運転状況に応じて前記複数の乗場照度検出手段で検出される照度に基づく前記照度設定手段の乗場照度設定データのもとに前記各階床の乗場に設置される前記乗場照明手段の輝度を制御し、また前記照度設定手段に設定されるかご内照度設定データと前記かご内照度検出手段で検出されるかご内照度とを比較し、かご内照度がかご内照度設定データに等しくなるように前記かご内照明手段の輝度を調光制御する調光制御手段とを設けた構成である。
【0018】
(4) さらに、本発明に係るエレベータの照明制御装置は、エレベータの運転状態を検出し、調光制御指令信号を出力する運転状態検出手段と、少なくともエレベータ乗りかご内に設置される照明手段と、透明体の材料で形成された展望用エレベータの外壁に取り付けられ、外部の照度を検出する外部照度検出手段と、乗りかご内の適宜な個所に取り付けられ、前記透明体から入ってくる光の明るさに応じたかご内照度を検出するかご照度検出手段と、前記運転状態検出手段からの調光制御指令信号を受けているとき、前記外部照度検出手段で検出される外部照度に応じて前記かご内照明手段の輝度を調光制御する調光制御手段とを設けた構成である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、乗りかご内の照度と乗場や外部の照度との照度差を小さくすることにより、エレベータ利用者が乗りかごから各階床に降りる際に乗場周辺の状況を確実に認識でき、もってエレベータ利用者のサービス向上を図ることができる。
【0020】
また、展望用エレベータにおいて、外部の状況に応じて乗りかご内の照度を変えることにより、外部が暗い場合でも乗りかごの展望窓の反射を抑制し外部の景色を見ることができ、また外部からエレベータ利用者を目立たなくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1ないし図3は本発明に係るエレベータの照明制御装置の一実施の形態を説明する図である。図1はエレベータの照明制御装置のブロック構成図、図2はエレベータ乗場周辺に設置される構成機器の配置図、図3は乗りかごに設置される構成機器の配置図である。なお、以下の各実施の形態に共通する構成要素には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0022】
図1において、運転状態検出手段1は、エレベータの運転状態を検出し、乗りかごが停止しようとする階床に関する情報を含む調光制御指令信号1aを出力する。乗場照度検出手段2は、各階床の乗場の照度を検出する。乗場照明手段3は、各階床の乗場周辺に設置される輝度調整可能な照明機器などからなる。かご内照明手段4は、乗りかご内に設置される輝度調整可能な照明機器などからなる。調光制御手段5は、運転状態検出手段1及び乗場照度検出手段2から出力される調光制御指令信号1a及び各階床の乗場照度検出信号2aに基づき、乗場照明手段3の輝度を制御して乗場周辺の明るさを調整するための乗場照明制御信号3aと、かご内照明手段4の輝度を制御して乗りかご内の明るさを調整するためのかご内照明制御信号4aを演算する。
【0023】
エレベータの各階床の乗場周辺には図2に示すように構成機器が配置されている。
同図において、6はエレベータの乗りかごを運転制御するエレベータ主制御装置である。このエレベータ主制御装置6は例えば運転状態検出手段1及び調光制御手段5等を含んでいる。7〜9は建物の各階床であって、7はA階床、8はB階床、9はC階床を示している。これら各階床7〜9の乗場天井などには乗場照明手段3に相当する乗場照明機器10〜12が取り付けられ、エレベータ主制御装置6内の調光制御手段5から送られてくる乗場照明制御信号10a〜12aに基づいて輝度が可変制御される。13〜15は各階床7〜9の乗場の照度を検出する乗場照度検出手段2に相当する乗場照度検出器であって、これら乗場照度検出器13〜15で検出される乗場照度検出信号13a〜15aは調光制御手段5に送出される。なお、16〜18は各階床の乗場ドアである。
【0024】
エレベータ乗りかごには図3に示すように構成機器が配置されている。
巻上機(図示せず)に巻き掛けられた主ロープ20の一端側に乗りかご21が吊り下げられ、主ロープ20の他端側には図示されていないが釣り合いおもりが吊り下げられている。この乗りかご21内上部にはかご内照明手段4としてのかご内照明機器などが取り付けられている。このかご内照明機器は、乗りかご21を囲むかご枠の上部22などに設置されてかごドアの開閉その他かご内の種々の機器を制御する制御装置23に接続されている。この制御装置23とエレベータ主制御装置6内の調光制御手段5とはかご床24の下底部などに設置される中継箱25を経由して接続されている。なお、26は電力供給線や制御線等を含んだテールコード、27はかごドアである。
【0025】
図4は調光制御手段5の内部構成を示す図である。
信号変換手段31〜33は、各階床の乗場に設置される乗場照度検出器13〜15からのアナログ的な乗場照度検出信号13a〜15aをディジタルデータに変換する。記憶装置34は、これら信号変換手段31〜33で変換された各階床の乗場照度検出データ34−1(A)〜34−3(C)を乗場照度記憶エリアXに、乗りかご及び各階乗場の照度設定データ34−10,34−11(A)〜34−13(C)を設定照度記憶エリアYに、それぞれ格納する。演算処理部37は、この記憶装置34の乗場照度記憶エリアX及び設定照度記憶エリアYに格納される照度に関するデータを読み込むためのデータバス35,36と接続され、乗場照度記憶エリアXに格納される乗場照度検出データ34−1(A)〜34−3(C)と設定照度記憶エリアYに格納される乗りかご21,各階乗場の照度設定データ34−10,34−11(A)〜34−13(C)とを用いて、乗りかご21や各階乗場の照明制御信号を求める。信号変換手段38〜41は、演算処理部37で求められたかご内照明制御信号4a、乗場照明制御信号3aである10a〜12aをアナログ照明制御信号に変換する。なお、34−1(A)の(A)はA階床、34−1(B)の(B)はB階床、34−3(C)の(C)はC階床に対応していることを意味している。
【0026】
なお、前記記憶装置34の乗場照度記憶エリアXに格納される乗場照度検出データ34−1(A)〜34−3(C)は、各階床の乗場に設置される各照度検出器13〜15で検出されるA階床,B階床,C階床の実際の乗場照度検出データである。また、設定照度記憶エリアYに格納される乗りかご21の照度設定データ34−10は乗りかごの通常時の照度設定データであり、各階床の乗場照度設定データ34−11(A)〜34−13(C)は各階乗場の時間ごとに設定される通常照度設定データや通常以外の特定照度(例えば最適照度値だけ、或いは所定の許容範囲をもつ上下限照度値)のデータである。
【0027】
演算処理部37は、機能的には、照度判断手段37a、乗場照度適否判断手段37b、修正照度算出手段37c及び乗場照度通報手段37dを有している。照度判断手段37aは、乗りかご21が停止しようとする階床(例えばA階床)の乗場照度設定データ34−11(A)から、通常照度データか通常以外の特定照度かを判断する。ここで、照度判断手段37aは、通常照度と判断した場合、乗りかご21内の照度制御のために、乗りかご21の通常照度設定データ34−10を用いることを決定する。照度判断手段37aは、通常以外の特定照度と判断した場合、A階床の乗場照度検出データ34−1(A)を用いることを決定する。
【0028】
乗場照度適否判断手段37bは、照度判断手段37aによりA階床の乗場照度検出データ34−1(A)を用いると決定した場合、この乗場照度検出データ34−1(A)が最適照度値±α内又は上下限照度値内に入っているか否かを判断する。
【0029】
修正照度算出手段37cは、乗場照度適否判断手段37bによって乗場照度検出データ34−1(A)が特定照度を表す例えば最適照度値だけ、或いは所定の許容範囲をもつ上下限照度値に入っていると判断された場合には停止階の乗場照度検出データ34−1(A)に基づいて乗りかご内照明機器の輝度を制御するためのかご照明制御信号を出力する。この修正照度算出手段37cは、乗場照度適否判断手段37bによって乗場照度検出データ34−1(A)が特定照度に入っていないと判断された場合には最適照度値±α又は上下限照度値の何れの方向に越えているかに応じ、最適照度値又は上下限照度値に所定の照度を加減算する。そして、加減算された照度に基づいて乗りかご内照明機器の輝度を制御するためのかご照明制御信号を出力する機能を持っている。
【0030】
乗場照度通報手段37dは、該当停止階の乗場照度検出データが最適照度値±α内又は上下限照度値内に入っていない場合、該当停止階の乗場照度検出データを最適照度値±α内又は上下限照度値内に入れることを指示するために例えばA階床の乗場照度検出データ又は修正照度を管理人室,監視室に送信し、管理人又は監視員に乗場照明機器の輝度を制御することを促す役割をもっている。
【0031】
なお、前述したαは、エレベータの管理者からの要求、エレベータ設置会社の過去の経験、乗りかご21から降りるエレベータ利用者による乗場の視覚認識状況等を考慮して定めることができる。
【0032】
次に、以上のような装置の動作について説明する。
【0033】
エレベータの運転時、エレベータ主制御装置6内の運転状態検出手段1は、エレベータがある階床に停止しようとする運転状態にあることを検出し、停止しようとする階床に関する情報を含む調光制御指令信号1aを調光制御手段5に送出する。この調光制御手段5は、調光制御指令信号1aを受けると、照明機器を調光する必要があると判断し、図5に示す一連の処理を実行する。
【0034】
この調光制御手段5の一部を構成する演算処理部37は、調光制御指令信号1aに基づいて現在走行中の乗りかご21が何れの階床に停止するかを検出する(S1)。そして、例えばC階床に停止しようとしている場合にはC階床の現在の乗場照度設定データ34−13(C)が通常照度設定データか、或いは通常以外の最適照度値であるかを判断する(S2)。通常照度設定データが設定されている場合には設定照度記憶エリアYに格納されている乗りかごの照度設定データ34−10を取り出し(S3)、信号変換手段38を介してかご照明制御信号4aとして送信する(S4)。その結果、かご照明制御信号4aは、テールコード26と中継箱25を通って制御装置23に送られ、ここでかご照明制御信号4に基づいてかご照明手段4の輝度を制御する。なお、これらステップS1〜S4は照度判断手段37aの機能に相当する。
【0035】
演算処理部37は、ステップS2において、現在の乗場照度設定データ34−13(C)が通常照度以外の最適照度値であると判断された場合、乗場照度記憶エリアXに格納されたC階床の乗場照度検出データ34−3(C)を取り出す(S5)。そして、この実際の乗場照度検出データ34−3(C)と照度設定エリアYに格納されるC階床の現在時間の乗場照度設定データ34−13(C)である最適照度値±αとを比較し、実際の乗場照度検出データ34−3(C)が最適照度値±α内に入っているか否かを判断する(S6)。ここで、実際の乗場照度検出データ34−3(C)が最適照度値±α内に入っている場合、既に取り出した実際の乗場照度検出データ34−3を信号変換手段38を介してかご照明制御信号4aとして送信する(S4)。なお、これらS5,S6、S4は乗場照度適否判断手段37bの機能に相当する。
【0036】
このステップS6において、実際の乗場照度検出データ34−3(C)が最適照度値±α内に入っていない場合、実際の乗場照度検出データ34−3(C)がかご照明機器の制御に適当な照度値でないと判断する。そして、次に最適照度値+αまたは最適照度値−αの何れか一方の値を越えているか否かを判断する(S7)。ここで、実際の乗場照度検出データ34−3(C)が最適照度値+αを越えていると判断した場合、実際の乗場照度検出データ34−3(C)又は最適照度値+αの照度値を採用し(S8)、信号変換手段41を介して管理人室や監視室等に送信する。そして、管理人や監視員等に対してC階床の乗場に設置される照明機器12の輝度を現在よりも下げるように制御することを促すとともに(S9)、信号変換手段38を介してかご照明制御信号4aとして送信する(S4)。
【0037】
また、実際の乗場照度検出データ34−3(C)が最適照度値−αを越えていると判断した場合、実際の乗場照度検出データ34−3(C)又は最適照度値−αの照度値を採用し(S10)、信号変換手段41を介して管理人室や監視室等に送信する。そして、管理人や監視員等に対してC階床の乗場に設置される照明機器12の輝度を現在よりも上げるように制御することを促すとともに(S9)、信号変換手段38を介してかご照明制御信号4aとして送信する(S4)。なお、これらステップS7,S8,S10は修正照度算出手段37の機能に相当し、S9は乗場照度通報手段37の機能に相当する。
【0038】
そして、以上のような一連の処理の後、引き続き処理を継続するか否かを判断し(S11)、処理を継続する場合にはステップS1に戻って同様の処理を繰り返し実行する。
【0039】
次に、本発明の他の動作について図6を参照して説明する。
先に説明した図5は現在時間の乗場照度設定データ34−11(A)〜34−13(C)が通常照度以外の照度値として、最適照度値を設定した例であるが、図6は最適照度値に代えて所定の許容範囲をもつ上下限照度値を設定した例である。図6において、図5と同一処理部分には同一ステップ番号を付し、その重複部分の説明を省略する。
【0040】
演算処理部37は、ステップS2において、例えばC階床の現在時間の乗場照度設定データ34−13(C)が通常照度以外の照度値であると判断された場合、乗場照度記憶エリアXに格納されるC階床の乗場照度検出データ34−3(C)を取り出す(S5)。そして、この実際の乗場照度検出データ34−3(C)と設定照度記憶エリアYに格納されるC階床の現在の乗場照度設定データ34−13(C)である所定の許容範囲をもつ上下限照度値とを比較し、実際の乗場照度検出データ34−3(C)が上下限照度値内に入っているか否かを判断する(S20)。ここで、実際の乗場照度検出データ34−3(C)が上下限照度値内に入っている場合、停止しようとする階床の乗場照度検出データ34−3(C)を信号変換手段38を介してかご照明制御信号4aとして送信する(S4)。
【0041】
一方、実際の乗場照度検出データ34−3(C)が上下限照度値内に入っていない場合、上限照度値、下限照度値の何れの値を越えているかを判断する(S21)。ここで、実際の乗場照度検出データ34−3(C)が上限照度値を越えていると判断した場合、実際の乗場照度検出データ34−3(C)又は上限照度値から所定値減算した照度値を採用し(S22)、信号変換手段41を介して管理人室,監視室に送信する。そして、管理人又は監視員に対してC階床の乗場に設置される照明機器12の輝度を現在よりも下げるように制御することを促すとともに(S9)、信号変換手段38を介してかご照明制御信号4aとして送信する(S4)。
【0042】
また、実際の乗場照度検出データ34−3(C)が下限照度値を越えていると判断した場合、実際の乗場照度検出データ34−3(C)又は下限照度値に所定値加算した照度値を採用し(S23)、信号変換手段41を介して管理人室や監視室等に送信する。そして、管理人や監視員等に対してC階床の乗場に設置される照明機器12の輝度を現在よりも上げるように制御することを促すとともに(S9)、信号変換手段38を介してかご照明制御信号4aとして送信する(S4)。
【0043】
従って、以上のような実施の形態によれば、予め各階乗場の通常照度以外の特定照度である最適照度値、或いは上下限照度値が設定されている場合、各階乗場の実際の照度を検出し、この乗場の実際の照度と最適照度値±α又は上下限照度値とを比較する。そして、比較した結果、停止しようとする階床の乗場照度が最適照度値±α内又は上下限照度値内にあるか否かに応じて、実際の乗場照度を用いるか、最適照度値±α又は上下限照度値のもとに修正した照度を用い、乗りかご内又は各階乗場の照明機器の輝度を制御する。従って、特定階が薄暗い状態にある場合や各階床の乗場周辺の照度が各階床によって大きく異なるとき、各階床の乗場周辺の照度に近づけるように乗りかごの照明機器の輝度を制御することができる。これによって、乗りかごと各階床の乗場周辺との照度差を小さくすることにより、エレベータ利用者が停止しようとする階床の乗場周辺の状況を容易に認識することができる。
【0044】
(第2の実施の形態)
図7は本発明に係るエレベータの照明制御装置の要部となる調光制御手段の他の実施形態を示す構成図である。
【0045】
この実施の形態は、記憶装置34に新たに設定照度パターン記憶エリアZを設けた例である。設定照度パターン記憶エリアZは、乗りかご21のかご位置に応じたかご内照度とするための照度設定パターン34−21〜34−23を格納している。この設定照度パターン記憶エリアZはデータバス45を介して演算処理部37と接続されている。46は運転状態検出手段1から出力される調光制御指令信号1aに含まれるかご位置を表す階床に関する情報である。
【0046】
図8は乗りかご21のかご位置と各階床の乗場周辺の照度と照度設定パターン34−21〜34−23との関係を説明する図である。
【0047】
同図において、横軸は乗りかご21のかご位置を表し、縦軸は各階床の乗場周辺の照度を表す。なお、横軸の符号47,48,49は各階床であるA階床,B階床,C階床を意味し、また、縦軸の符号34−1(A),34−2(B),34−3(C)は各階床の乗場周辺の照度を表す乗場照度検出データを意味する。
【0048】
この調光制御手段5は、各階床の乗場周辺の照度に応じて、照度設定パターン34−21〜34−23の何れか1つのパターンを選択し、乗りかご21のかご位置に基づいてかご内照明手段4の輝度を制御する。ここで、照度設定パターン34−21は、各階床の乗場周辺の照度に合致する乗りかご21内の照度となるようにかご内照明手段4の輝度を変えるパターンである。照度設定パターン34−22は各階床乗場周辺の照度の平均値に合致する乗りかご21内の照度となるようにかご内照明手段4の輝度を変えるパターンである。照度設定パターン34−23は各階床の乗場周辺の照度のうち最も低い乗場周辺の照度に合致する乗りかご21内の照度となるようにかご内照明手段4の輝度を変えるパターンである。
【0049】
次に、以上のような装置の動作について説明する。
記憶装置34の設定照度パターン記憶エリアZには時間及び各階床の用途,目的に応じた各階床の乗場周辺の照度を考慮した複数の照度設定パターン34−21〜34−23が設定されている。なお、照度設定パターンの数や形状は特に限定するものでない。また、照度設定パターン34−21〜34−23は、管理人室の管理人や監視室の監視員の判断に基づいて適宜選択的に用いられる。例えば昼間は照度設定パターン34−22を選択し、夜間は照度設定パターン34−21を選択することが可能である。
【0050】
今、午後6時に達したとすると、管理人は、乗りかご21内の照度を各階床の乗場周辺の照度に合わせる必要があると判断し、監視室から照度設定パターン34−21を選択するための指示信号を演算処理部37に入力する。演算処理部37は、運転状態検出手段1から送られてくるかご位置を表す階床に関する情報46(例えば乗りかご21がA階床からB階床に移動中の情報)を受けると、監視室から選択指示された照度設定パターン34−21を選択する。そして、照度設定パターン34−21に従ってA階床の乗場照度からB階床の乗場照度となるように、乗りかご21内に設置される照明機器の輝度を調整し、かご21内の照度を徐々に下げていく。その結果、乗りかご21がB階床に着床した時、乗りかご21内の照度がB階床の乗場照度に等しい状態となる。
【0051】
その結果、照度設定パターン34−21を選択することにより、乗りかご21と各階床の乗場周辺との照度差がなくなる。これによって、エレベータ利用者は目的階の乗場に降りる際、その乗場周辺の状況を正確に認識できる。
【0052】
次に、監視員の判断のもとに監視室から照度設定パターン34−22を選択するための指示信号を送出する。演算処理部37は、監視室からの選択指示に基づいて照度設定パターン34−22を選択する。この照度設定パターン34−22は各階床の乗場照度の平均値に相当するパターンである。演算処理部37は、かご位置を表す階床に関する情報46に左右されず、照度設定パターン34−22に従って乗りかご21内の照明機器の輝度を調整し、図8に示すようにかご21内の照度を乗場照度の平均値に相当する照度となるように設定する。
【0053】
よって、照度設定パターン34−22を選択することにより、乗りかご21と各階床の乗場周辺との照度差は最小に抑えられる。その結果、乗りかご21の利用者は各階床の乗場に降りる際、乗場と乗りかご21内との照度差があるものの、比較的小さく抑えられているので、その乗場周辺の状況を十分に認識することができる。
【0054】
さらに、照度設定パターン34−23を選択した場合、各階床乗場周辺の照度のうち、最も低い乗場照度に合わせているので、薄暗い乗場や非常に暗い乗場であっても、乗場の状況を容易に把握できる。
【0055】
なお、照度設定パターン34−21〜34−23は、前述したように時間、各階床の用途,目的に合わせて選択されるが、その他、次のような理由から何れか1つの照度設定パターン34−21〜34−23が選択されることもある。
3つの照度設定パターン34−21〜34−23のうち、照度設定パターン34−21を用いてかご内照明機器の調光制御を行う。この場合には乗りかご21と各階床の乗場周辺との照度差がほぼ零となる。その結果、エレベータ利用者のサービス向上に大きく貢献する。しかし、乗りかご21のかご位置に応じてかご21内の照度を随時変化させるので、照度設定パターン34−21を構成するパターンデータの数が多くなり、記憶装置34の記憶容量が大きくなる。また、乗りかご21のかご位置を考慮してかご21内の照明手段4の輝度を変化させるので、演算処理部37の処理が複雑になる。
【0056】
一方、照度設定パターン34−22を用いてかご内照明機器の調光制御を行った場合は乗りかご21のかご位置を考慮せずに所定の照度を保つように制御する。そのため、記憶装置34に記憶するパターンデータ数が少なくなり、記憶容量を最小にすることができる。しかし、所定の周期ごとに各階床の乗場照度の平均値を計算するので、演算処理部37の負荷が大きくなる。
【0057】
さらに、照度設定パターン34−23を用いてかご内照明機器の調光制御を行った場合は乗りかご21内の照度を各階床の乗場周辺照度の最低値に保つように制御する。その結果、記憶装置34に記憶するパターンデータ数が少なくなり、記憶容量を最小にすることができる。また、演算処理部37は、各階床の最低照度値を選択するだけであるので、処理負荷が小さい利点を有する。
【0058】
よって、照度設定パターン34−21〜34−23は、前述するメリットやデメリットを考慮して選択することができる。例えば各階床相互の照度差が大きく、かつ記憶装置34の記憶容量及び演算処理部37の処理能力に余裕がある場合は、照度設定パターン34−21を選択するのが有効である。また、各階床相互の照度差が小さく、かつ記憶装置34の記憶容量及び演算処理部37の処理能力に余裕がない場合は、演算処理部37の処理能力に合った照度設定パターン34−22又は34−23を選択するのが望ましい。
【0059】
従って、以上のような実施の形態によれば、記憶装置34の設定照度バターン記憶エリアZに複数の照度設定パターン34−21〜34−23を設定し、時間及び各階床の用途,目的に応じた各階床乗場周辺の照度の他、演算処理部37の処理負荷を考慮し、最適な1つの照度設定パターンを選択する。これにより、総合的な判断のもとに乗りかご21内の照度を最適な状態に制御できる。また、少なくとも各階床の最低の照度に合わせた照度設定パターン34−23を選択すれば、記憶装置34の記憶容量や演算処理部37の負担を少なくしつつ、乗りかご21と各階床の乗場との照度差によるエレベータ利用者の抵抗感を容易に解消できる。
【0060】
なお、上記実施の形態では、複数の照度設定パターン34−21〜34−23から所望の1つのパターンを選択する例について説明した。しかし、記憶装置34には、図7に示すように、記憶装置34に乗場照度検出データ34−1(A)〜34−3(C)及び乗りかご,各階乗場の照度設定データ34−10,34−11(A)〜34−13(C)も同時に格納されている。よって、管理人等による選択指示に基づき、照度設定パターン34−21〜34−23を用いて調光制御を行うか、或いは図5,図6に示す一連の処理による調光制御を行うかを適宜選択することができる。
【0061】
(第3の実施の形態)
図9ないし図14は本発明に係るエレベータの照明制御装置のさらに他の実施形態を説明する図である。図9はエレベータの照明制御装置のブロック構成図、図10は各階床の乗場周辺に設置される構成体の配置図、図11は乗りかごに設置される構成体の配置図、図12は乗りかご内からかごドア側を見た構成体の配置図、図13は図9の調光制御手段の内部構成図、図14は図13のマトリクステーブルのデータ配列図である。
【0062】
この実施の形態は、各階床の乗場周辺で複数のテナントが隣接して営業している場合、その乗場周辺の照度の変化に対応して乗りかご21及び乗場に設置される照明機器の輝度を制御する例である。つまり、各階床の乗場周辺で複数のテナントが隣接して営業している場合、各テナントの営業時間や照明機器からの明るさにより乗場周辺の照度が時々刻々変化することに基づいている。
【0063】
このエレベータの照明制御装置は、調光制御手段5に新たに、かご内照度検出器50及び乗場照度検出器51〜53が接続されている。かご内照度検出器50は、乗りかご21内に設置され、各階床の乗場周辺の明るさに応じた照度を検出する機能を持っている。乗場照度検出器51〜53は、隣接するテナントの照明機器からの明るさに応じて変化する照度を検出する。その他の構成は、図1と同様であるので、ここでは省略する。
【0064】
すなわち、この発明は、かご21内の照度に影響を与える2つのテナントが存在する場合、各テナントに対応する照明機器からの明るさによる乗場周辺の照度を個別に検出する。前述した乗場照度検出器13〜15は1つのテナントの照明機器の明るさによって変化する照度を検出するが、乗場照度検出器51〜53は隣接するテナントの照明機器の明るさで変化する照度を検出する。なお、50a〜53aは各乗場照度検器50〜53で検出されたかご内及び乗場の照度検出信号である。
【0065】
各階床乗場の構成体の配置は図10に示す通りである。すなわち、A階床は、乗場周辺に隣接するテナントに対応して乗場照度検出器13,51が設置されている。B階床は、各テナントに対応して乗場照度検出器14,52が設置されている。C階床は各テナントに対応して乗場照度検出器15,53が設置されている。その他の構成は、図2と同様であるので、省略する。
【0066】
一方、乗りかご21内の各構成体の配置は図11及び図12に示す通りである。かご内照度検出器50は、乗場周辺の明るさに応じた照度を的確に検出できるように、かご内の適宜な個所に設置される。かご21内からかごドア27側を見たとき、当該かごドア27の右側に配置される側板にかご操作パネル55が取り付けられている。また、かごドア27上部に配置される幕板59などに階床表示部56が設けられている。57は乗りかご内の両側側板の適宜な高さ位置に取り付けられた手摺、58は乗りかご内の副操作パネルである。前述したかご内照度検出器50は、副操作パネル58とは反対側側板の例えば手摺57の下部に設けられている。かご内照度検出器50には、かごドア開時に乗場側の明るさに伴う照度を受光するために乗場側を臨むように受光部50bが配置されている。
【0067】
前記調光制御手段5は、図13に示すように、前述したかご内照度検出器50及び乗場照度検出器51〜53に対応する信号変換手段60〜63が設けられている。信号変換手段60は、かご内照度検出器50で検出されたかご内照度検出信号50aをディジタルデータに変換し、乗場照度記憶エリアXにかご内照度検出データ34−5として格納される。信号変換手段61〜63は、乗場照度検出器51〜53で検出された乗場照度検出信号をディジタルデータに変換し、乗場照度記憶エリアXに乗場照度検出データ34−6(A)〜34−8(C)として格納される。これらかご内照度検出データ34−5及び乗場照度検出データ34−1(A)〜34−3(C)、34−6(A)〜34−8(C)は所定の周期で時々刻々更新される。
【0068】
また、調光制御手段5の演算処理部37はマトリクステーブル65と接続されている。マトリクステーブル65は、図14に示すように2次元の表形式で表現される。マトリクステーブル65の縦方向エリアにはかご内照度検出データ34−5、乗場照度検出データ34−1(A)〜34−3(C)、34−6(A)〜34−8(C)が設定される。これらかご内照度検出データ34−5、乗場照度検出データ34−1(A)〜34−3(C)、34−6(A)〜34−8(C)は、予めシミュレーションによって得られるかご内照度検出データ34−5、乗場照度検出データ34−1(A)〜34−3(C)、34−6(A)〜34−8(C)に対して、それぞれ所定の照度値±γを加減算した許容照度値が用いられる。
【0069】
一方、マトリクステーブル65の横方向エリアには乗りかご21及び各階床の乗場周辺の照度設定データ3−10、34−11(A)〜34−13(C)、照度設定パターン34−21〜34−23に相当する項目名が記載される。このマトリクステーブル65は表示部(図示せず)に表示される。
【0070】
このマトリクステーブル65の作成は、表形式で表現される表を表示部に表示した後、スケジュール制御を行う。このスケジュール制御は、各信号変換手段60、31〜33、61〜63からかご内照度検出データ34−5及び乗場照度検出データ34−1(A)〜34−3(C)、34−6(A)〜34−8(C)を取り込む。そして、表の縦方向エリアに対して、取り込んだ照度検出データ34−5、34−1(A)〜34−3(C)、34−6(A)〜34−8(C)にそれぞれ所定の照度値±γを加減算した所定幅を持った許容照度を順次設定する。
【0071】
また、表の縦方向エリアと横方向エリアの各項目名との交差する空白エリアには過去の経験等を考慮しながら最適なかご照度、各乗場照度を設定する。なお、縦方向エリアと横方向エリアの各交差エリアのうち、不要なエリアにはデータを設定しない。例えば照度設定データ34−10、34−11(A)〜34−13(C)の項目名に対応する横方向の空白エリアにそれぞれ最適なかご照度、各階床の乗場照度を設定した場合、照度設定パターン34−21〜34−23に相当する項目名の交差エリアは不要となるので、データは設定しない。
【0072】
ところで、一般の建物は各階床の用途、目的が多岐にわたっている。例えば雑居ビルなどでは、乗場周辺に深夜営業する飲食店と昼間に営業する飲食店とが隣接していることがあり、或いは複数の飲食店が同じ時間帯に営業している場合がある。また、同じ建物の各階には異なる業種のテナントが入っていることが多い。
【0073】
そこで、ある時間帯ごとにシミュレーションを実施し、時間帯別の複数のマトリクステーブル65を作成し、時々刻々変化する時刻が各時間帯に達したとき、自動的に該当する時間帯のマトリクステーブル65を切換え選択し、この選択されたマトリクステーブル65に従ってかご照明機器及び乗場照明機器の調光制御を行う。
【0074】
次に、以上のような装置の動作について説明する。
今、A〜C階床の乗場周辺に複数のテナントが存在する場合、各階床の乗場周辺がテナントごとにそれぞれ異なる明るさとなる。そこで、A階床乗場の照度検出器13,51は、A階床の乗場周辺のテナントに対応する乗場照度を検出する。B階床乗場の照度検出器14,52は、B階床の乗場周辺のテナントに対応する乗場照度を検出する。C階床乗場の照度検出器15,53は、C階床の乗場周辺のテナントに対応する乗場照度を検出する。各検出器13,51,14,52,15,53の乗場照度検出データ34−1(A),34−6(A),34−2(B),34−7(B),34−3(C),34−8(C)は記憶装置34の乗場照度記憶エリアXに記憶する。また、かご内照度検出器50で検出されたかご内照度検出データ34−5も乗場照度記憶エリアXに記憶する。
【0075】
ここで、演算処理部37は、運転状態検出手段1からのかご位置情報46に基づいてC階床に停止しようとする場合、記憶装置34の乗場照度記憶エリアXからC階床の乗場に対応する照度検出データ34−3(C)、34−8(C)を取り込む。そして、取り込んだ照度検出データ34−3(C)、34−8(C)がマトリクステーブル65の縦方向エリアの該当するC階床乗場の所定幅の許容照度34−3(C)、34−8(C)内に入っているか否かを判断する。照度検出データ34−3(C)、34−8(C)が許容照度34−3(C)、34−8(C)内に入っていれば、当該行エリアと乗りかご21及びC階床乗場項目名とに対応する交差エリアに設定される照度設定データを取り出す。そして、この照度設定データと乗りかご照度検出データ34−5と比較し、乗りかご21内の照度が照度設定データとなるようにかご照明機器の輝度を制御する。
【0076】
また、C階床乗場項目名に対応する交差エリアの照度設定データに従ってC階床乗場の照明機器の輝度を制御する。
【0077】
従って、以上のような実施の形態によれば、各階床の乗場周辺の明るさがそれぞれ異なる場合でも、その明るさに対応して最適な照度設定データに従ってかご照明機器及び階階床乗場の照明機器の輝度を制御するので、乗りかご21と各階床の乗場周辺との照度差を小さくすることができる。
【0078】
(第4の実施の形態)
さらに、本発明に係るエレベータの照明制御装置の他の実施の形態について、図15ないし図17を参照して説明する。図15はエレベータの照明制御装置のブロック構成図、図16はエレベータ乗場周辺に設置される構成体の配置図、図17は乗りかご内からかごドア側を見た構成体の配置図である。
【0079】
この実施の形態は展望用エレベータに適用した例である。この照明制御装置は、図15に示すように、図1の構成に新たにかご内照度検出器50及び外部照度検出器71,72を設けた構成である。
【0080】
展望用エレベータの昇降路は、図16に示すように昇降路外壁73がガラスその他の透明体の材料で形成され、乗りかご21内の乗客が昇降路外壁73を通して外部を展望できる状態となっている。
【0081】
昇降路外壁73には適宜な間隔を持って外部の明るさに応じた照度を検出する外部照度検出器71,72が取り付けられ、これら外部照度検出器71,72で検出された照度検出信号71a,72aは調光制御手段5に入力する構成となっている。
【0082】
一方、乗りかご21には、図17に示すごとく、乗りかご21内のかごドア(図示せず)とは反対側方向を見たとき、かごドアを除く他の三面の側板にガラスその他の透明体の材料で形成された展望窓74が形成されている。さらに、乗りかご21内の適宜な個所にはかご21内の照度を検出するかご内照度検出器50が取り付けられている。かご内照度検出器50の受光部50bは展望窓74の方向に向けて取り付けられている。かご内照度検出器50は、外部から乗りかご21内に入り込んでくる光による明るさに応じた照度を検出する。
【0083】
次に、以上のような装置の動作について説明する。
この照明制御装置の演算処理部5は、図1と同様な構成を備えているので、管理室の管理人などの選択操作指示に従い、図5又は図6で説明した一連の処理を実行できる他、次のような調光制御を行うことができる。
【0084】
すなわち、演算処理部5は、かご内照度検出器50及びかご外部照度検出器71,72で検出されるかご内照度検出信号50aとかご外部照度検出信号71a,72aとを取り込む。そして、演算処理部5は、かご内照度検出信号50aとかご外部照度検出信号71a,72aとを比較し、予め定めたシーケンスプログラムに従って制御を実行する。例えばかご内照度検出信号50aとかご外部照度検出信号71a,72aとを比較し、乗りかご21内の照度がかご外部照度検出信号71a,72aと等しくなるように乗りかご21の照明機器の輝度を制御する。また、夜間の場合には、乗りかご21内の乗客が必要以上に目立たないようにするため、かご内照度検出信号50aから予め定める所定の照度値を減じた照度となるように乗りかご21の照明機器の輝度を制御する。
【0085】
従って、以上のような実施の形態によれば、外部が暗い状態下にあるとき、乗りかご21内の照度を外部の照度に応じて下げ、或いは夜間時のかご21内の通常の照度から予め定める所定の照度値を減じた照度となるように制御すれば、展望窓74の反射を抑えつつ乗客が外部の夜景等を見ることができる。また、外部から乗りかご21内を見た場合に乗客が目立ち過ぎるといった問題を解消できる。
【0086】
なお、展望用エレベータは、太陽の動きに応じて陽射しの方向が時々刻々変化し、かご21内の照度にも影響を与える。つまり、かご外部照度検出器71,72の取付け位置によっては、外部の明るさが乗りかご21内の照度に適切に反映できない場合がある。
【0087】
そこで、他の実施の形態としては、太陽の動きによる陽射しの方向を考慮し、昇降路外壁73の同一高さの外周方向に複数のかご外部照度検出器71,…、72,…を設置し、時間帯に応じて予め有効とされる1つのかご外部照度検出器71,72のかご外部照度検出信号71a,72aを選択し、この選択されたかご外部照度検出信号71a,72aに基づいて乗りかご21内の照度制御に反映させるようにしてもよい。
【0088】
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。また、各実施の形態は組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組み合わせによる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明に係るエレベータの照明制御装置の実施の形態を示すブロック構成図。
【図2】エレベータの乗場周辺に設置される構成体の配置図。
【図3】乗りかごに設置される構成体の配置図。
【図4】図1に示す調光制御手段の具体的な構成を示す図。
【図5】図4に示す演算処理部の動作を説明するフローチャート。
【図6】図4に示す演算処理部の別の動作を説明するフローチャート。
【図7】本発明に係るエレベータの照明制御装置の他の実施の形態としての調光制御手段の具体的な構成を示す図。
【図8】照度設定パターンを用いて、各階床の乗場周辺の照度を制御する例を説明する図。
【図9】本発明に係るエレベータの照明制御装置のさらに他の実施の形態を示すブロック構成図。
【図10】エレベータの乗場周辺に設置される構成体の配置図。
【図11】乗りかごに設置される構成体の配置図。
【図12】乗りかご内のかごドア方向を見たときの構成体の配置図。
【図13】図9に示す調光制御手段の具体的な構成を示す図。
【図14】図13に示すマトリクステーブルのデータ配列図。
【図15】本発明に係るエレベータの照明制御装置のさらに他の実施の形態を示すブロック構成図。
【図16】展望用エレベータの乗場周辺及び昇降路外壁に設置される構成体の配置図。
【図17】展望用エレベータに適用される乗りかごの展望窓側を見た図。
【符号の説明】
【0090】
1…運転状態検出手段、2…乗場照度検出手段、3…乗場照明手段、4…かご内照明手段、5…調光制御手段、6…エレベータ主制御装置、7〜9…各階床、10〜12…乗場照明機器、13〜15…乗場照度検出器、16〜18…乗場ドア、21…乗りかご、23…制御装置、25…中継箱、26…テールコード、27…かごドア、31〜33…信号変換手段、34…記憶装置、37…演算処理部、38〜41…信号変換手段、50…かご内照度検出器、51〜53…乗場照度検出器、65…マトリクステーブル、71,72…外部照度検出器、73…昇降路外壁、74…展望窓。




 

 


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