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発明の名称 エレベータの制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−84187(P2007−84187A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2005−272344(P2005−272344)
出願日 平成17年9月20日(2005.9.20)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 文屋 雅弘
要約 課題
複雑な切り替え機構を必要とせずに、エレベータの運転制御用のソフトウェアを更新することができ、また、更新後に不具合が発生した場合には速やかに元のソフトウェアに戻してエレベータの運転を復旧する。

解決手段
携帯型不揮発性メモリ26から更新用のソフトウェアをコントローラ基板21に転送して不揮発性メモリ24に書き込む。その際、CPU22は、携帯型不揮発性メモリ26のソフトウェアが更新用として適切であるか否かを判断する。更新用として適切である場合には、まず、不揮発性メモリ24に記憶されたソフトウェアを携帯型不揮発性メモリ26にバックアップした後に、その更新用のソフトウェアをコントローラ基板21に転送して不揮発性メモリ24に書き込む。
特許請求の範囲
【請求項1】
コントローラ基板上に実装され、エレベータの運転を制御するためのソフトウェアが記憶された第1のメモリと、
上記コントローラ基板に着脱自在に接続され、更新用のソフトウェアが記憶された携帯型の第2のメモリと、
この第2のメモリに記憶されたソフトウェアが更新用として適切であるか否かを判断する更新判断手段と、
この更新判断手段によって上記第2のメモリに記憶されたソフトウェアが更新用として適切であると判断された場合に、上記第1のメモリに記憶されたソフトウェアを上記第2のメモリにバックアップした後、上記第2のメモリに記憶されたソフトウェアを上記コントローラ基板に転送して上記第1のメモリに書き込む更新制御手段と
を具備したことを特徴とするエレベータの制御装置。
【請求項2】
上記更新判断手段は、上記第1のメモリに記憶されたソフトウェアのバージョンデータと上記第2のメモリに記憶されたソフトウェアのバージョンデータとを比較し、上記第2のソフトウェアの方が新しい場合に更新用として適切であると判断することを特徴とする請求項1記載のエレベータの制御装置。
【請求項3】
上記更新判断手段は、上記第1のメモリに記憶されたソフトウェアの整合性情報と上記第2のメモリに記憶されたソフトウェアの整合性情報とを比較し、両者のソフトウェアに整合性がある場合に更新用として適切であると判断することを特徴とする請求項1記載のエレベータの制御装置。
【請求項4】
上記更新制御手段は、上記第2のメモリにバックアップしたソフトウェアと上記第1のメモリに更新用として書き込んだソフトウェアに関する情報を転送履歴として上記第2のメモリ内に記録することを特徴とする請求項1記載のエレベータの制御装置。
【請求項5】
更新前のソフトウェアに戻す指示を行うための操作手段を備え、
上記更新制御手段は、上記操作手段によって更新前のソフトウェアに戻す指示があったときに、上記第2のメモリ内に記録された上記転送履歴に基づいて上記第2のメモリにバックアップした更新前のソフトウェアを判断し、そのソフトウェアを上記第1のメモリに戻す処理を行うことを特徴とする請求項4記載のエレベータの制御装置。
【請求項6】
上記更新制御手段は、上記第1のメモリに記憶されたソフトウェアが上記第2のメモリに存在していた場合に上記第1のメモリに記憶されたソフトウェアを上記第2のメモリにバックアップせずに更新処理を行うことを特徴とする請求項1記載のエレベータの制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータの運転制御を行うためのソフトウェアを更新する場合に用いて好適なエレベータの制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベータの運転制御のためのソフトウェアは、P−ROMに格納されていた。このため、エレベータの仕様変更などに伴いソフトウェアを更新する場合には、コントローラ基板上に実装されているP−ROMを新たなものと交換する作業が必要となり、そのときにROMチップのピンを曲げてしまうことなどがあった。
【0003】
そこで、例えば特許文献1のように、ROMの交換作業を必要としない方法が提案されている。これは、旧バージョンのP−ROMを残したまま、新バージョンのPーROMを増設する方法である。すなわち、新バージョンのPーROMを増設用コネクタに接続し、通常はその新バージョンのPーROMからソフトウェア(制御用プログラム)を読み込み、もし異常が検出された場合には旧バージョンのP−ROMのソフトウェアに戻すように内部的な切り替えを行う。これにより、ROMの交換作業を不要とせずにソフトウェアを更新することができ、また、異常が発生した場合には直ぐに元に戻して対応することもできる。
【特許文献1】特開2001−240337号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のような方法では、旧バージョンのP−ROMと新バージョンのPーROMを切り替えるための複雑な切り替え機構が必要である。また、その切り替え機構の誤動作により、旧バージョンに切り替わってしまう問題などもある。
【0005】
エレベータはその製品特性上、物件毎に要求仕様が異なることが多く、また、その仕様変更に伴うソフトウェアの更新も多い。この場合、エレベータは公共性の高い乗り物であるため、エレベータの運転をできるだけ停止させずにソフトウェアを更新することが要求され、さらに、ソフトウェアの更新によってエレベータが正常に動作しなくなった場合には速やかに元に戻して運転サービスを継続することが重要となる。
【0006】
そこで、本発明は上記のような点に鑑みなされたもので、複雑な切り替え機構を必要とせずに、エレベータの運転制御用のソフトウェアを更新することができ、また、更新後に不具合が発生した場合には速やかに元のソフトウェアに戻してエレベータの運転を復旧することのできるエレベータの制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係るエレベータの制御装置は、コントローラ基板上に実装され、エレベータの運転を制御するためのソフトウェアが記憶された第1のメモリと、上記コントローラ基板に着脱自在に接続され、更新用のソフトウェアが記憶された携帯型の第2のメモリと、この第2のメモリに記憶されたソフトウェアが更新用として適切であるか否かを判断する更新判断手段と、この更新判断手段によって上記第2のメモリに記憶されたソフトウェアが更新用として適切であると判断された場合に、上記第1のメモリに記憶されたソフトウェアを上記第2のメモリにバックアップした後、上記第2のメモリに記憶されたソフトウェアを上記コントローラ基板に転送して上記第1のメモリに書き込む更新制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2は、上記請求項1記載のエレベータの制御装置において、上記更新判断手段は、上記第1のメモリに記憶されたソフトウェアのバージョンデータと上記第2のメモリに記憶されたソフトウェアのバージョンデータとを比較し、上記第2のソフトウェアの方が新しい場合に更新用として適切であると判断することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3は、上記請求項1記載のエレベータの制御装置において、上記更新判断手段は、上記第1のメモリに記憶されたソフトウェアの整合性情報と上記第2のメモリに記憶されたソフトウェアの整合性情報とを比較し、両者のソフトウェアに整合性がある場合に更新用として適切であると判断することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4は、上記請求項1記載のエレベータの制御装置において、上記更新制御手段は、上記第2のメモリにバックアップしたソフトウェアと上記第1のメモリに更新用として書き込んだソフトウェアに関する情報を転送履歴として上記第2のメモリ内に記録することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項5は、上記請求項4記載のエレベータの制御装置において、更新前のソフトウェアに戻す指示を行うための操作手段を備え、上記更新制御手段は、上記操作手段によって更新前のソフトウェアに戻す指示があったときに、上記第2のメモリ内に記録された上記転送履歴に基づいて上記第2のメモリにバックアップした更新前のソフトウェアを判断し、そのソフトウェアを上記第1のメモリに戻す処理を行うことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項6は、上記請求項1記載のエレベータの制御装置において、上記更新制御手段は、上記第1のメモリに記憶されたソフトウェアが上記第2のメモリに存在していた場合に上記第1のメモリに記憶されたソフトウェアを上記第2のメモリにバックアップせずに更新処理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、更新用のソフトウェアが記憶された携帯型の第2のメモリをコントローラ基板に接続するだけで、コントローラ基板上の第1のメモリに記憶されたソフトウェアを簡単に更新することができる。また、そのときに第1のメモリに記憶されていたソフトウェアが第2のメモリにバックアップされるので、更新後に不具合が発生した場合には速やかに元のソフトウェアに戻してエレベータの運転を復旧することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係るエレベータ制御装置を適用したエレベータシステムの構成を示す図である。なお、図1の例では、マシンルームレスタイプのエレベータとしての構成が示されているが、例えばマシンルームが最上階にあるエレベータであっても本発明は適用可能である。
【0016】
図1に示すように、昇降路11内に制御盤12と巻上げ機13が設置されており、巻上げ機13から降ろされたメインロープ14の一端に乗りかご15、他端に釣合い重り(カウンタウエイト)16が取付けられている。巻上げ機13は制御盤12と接続されており、制御盤12から出力される駆動信号によって回転する。この巻上げ機13の回転動作に伴い、乗りかご15がメインロープ14を介して釣合い重り16と共につるべ式に昇降する。
【0017】
制御盤12内には、コントローラ基板21が設置されている。このコントローラ基板21がエレベータ制御装置と呼ばれる部分であり、CPU22、RAM23などを含む一般的なコンピュータによって構成されている。CPU22は、エレベータの運転制御に関する処理を実行する。RAM23には、エレベータの運転に必要な各種データが記憶される。
【0018】
また、このコントローラ基板21には、エレベータの運転を制御するためのソフトウェア(運転制御プログラム)を記憶するための記憶手段として、例えばEEP−ROMなどの不揮発性メモリ24が実装されている。CPU22は、この不揮発性メモリ24に記憶された運転制御用のソフトウェアを読み込むことで、そのソフトウェアに記述された手順に従ってエレベータの運転制御に関する処理を実行する。
【0019】
さらに、このコントローラ基板21には、外部メモリ接続用のインターフェース25が設けられており、ここに携帯型不揮発性メモリ26が着脱自在に接続される。携帯型不揮発性メモリ26としては、具体的にはメモリカードやUSB(Universal Serial Bus)メモリなどである。この携帯型不揮発性メモリ26には、更新用として作成されたソフトウェアが記憶されている。
【0020】
図2は携帯型不揮発性メモリ26を用いてコントローラ基板21上の不揮発性メモリ24に記憶されているソフトウェアを更新する方法を説明するための図である。
【0021】
携帯型不揮発性メモリ26は第1の領域26aと第2の領域26bを有し、第1の領域26aに更新用として作成された新しいソフトウェアが記憶されている。また、第2の領域26bは空き領域であり、少なくとも不揮発性メモリ24内に記憶されているソフトウェアを記憶可能な容量を有するものとする。
【0022】
この携帯型不揮発性メモリ26をコントローラ基板21のインターフェース25に接続した状態で、所定の操作によりソフトウェアの更新を指示すると、まず、コントローラ基板21上の不揮発性メモリ24に記憶されていた古いソフトウェアが携帯型不揮発性メモリ26の空き領域である第2の領域26bにバックアップされる。バックアップ完了後、携帯型不揮発性メモリ26の第1の領域26aに記憶されたソフトウェアが更新用の新しいソフトウェアとしてインターフェース25を介してコントローラ基板21に転送され、不揮発性メモリ24に書き込まれる。
【0023】
このように、携帯型不揮発性メモリ26を接続するだけの簡単な作業で、不揮発性メモリ24内のソフトウェアを更新することができる。また、このときに作業員が特に意識していなくとも、不揮発性メモリ24内のソフトウェアが携帯型不揮発性メモリ26の空き領域にバックアップされるので、例えばソフトウェア更新後にエレベータが正常に動作しないなどの不具合が発生した場合でも、携帯型不揮発性メモリ26にバックアップされたソフトウェアを戻してエレベータの運転を復旧することができる。
【0024】
なお、上記図2の例では、携帯型不揮発性メモリ26のデータ領域を2つの領域26a,26bに分け、第1の領域26aに新しいソフトウェア、第2の領域26bに古いソフトウェアを書き込むものとして説明したが、携帯型不揮発性メモリ26の容量が大きい場合には、さらに多くの領域に分けて、それぞれに異なるソフトウェアを書き込むような使い方も可能である。
【0025】
図3にその一例を示す。この例では、携帯型不揮発性メモリ26のデータ領域を5つの領域26a〜26eに分け、このうちの第1の領域26aに更新用の新しいソフトウェア、第2〜第4の領域26b〜26eに各物件毎の古いソフトウェアを書き込む構成としている。
【0026】
コントローラ基板21上の不揮発性メモリ24のソフトウェアを更新する場合において、まず、古いソフトウェアをバックアップするために、携帯型不揮発性メモリ26の第1領域26aから順に空き領域を探していく。この場合、携帯型不揮発性メモリ26の第1領域26aには既に新しいソフトウェアが記憶されているため、残りの第2〜第4の領域26b〜26eの中で空き領域を探すことになる。空き領域があれば、そこに古いソフトウェアをバックアップして、続いて第1領域26aにある新しいソフトウェアをコントローラ基板21の不揮発性メモリ24に書き込む。
【0027】
なお、空き領域がなかった場合には、その旨の警告メッセージをコントローラ基板21上の図示せぬ表示器などに表示するようにしても良い。これらの一例の処理は、マイクロコンピュータであるCPU22によって実行される。
【0028】
このように、容量の大きな携帯型不揮発性メモリ26を使用すれば、それ1つで4物件あるいは4台のエレベータに対するソフトウェア更新作業を行うことができると共に、各エレベータに対応した古いソフトウェアを同じ携帯型不揮発性メモリ26にバックアップしておくことができる。よって、作業員が多数の携帯型不揮発性メモリ26を持ち運ぶ手間を省け、また、各エレベータの古いソフトウェアを一括管理しておくことができ、何かあれば直ぐに対応できるといった利点がある。
【0029】
以上では、携帯型不揮発性メモリ26のメモリ空間を有効利用して古いソフトウェアをバックアップすることについて述べた。
【0030】
次に、携帯型不揮発性メモリ26を用いてソフトウェアを更新する場合の具体的な処理について説明する。なお、他の実施形態も含め、以下の各フローチャートで示される処理は、マイクロコンピュータであるCPU22がROM等の記録媒体に記録された所定のプログラムを読み込むことにより実行される。
【0031】
図4は本発明の第1の実施形態に係るエレベータ制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【0032】
携帯型不揮発性メモリ26からコントローラ基板21にエレベータ運転制御用のソフトウェアを転送する際に、コントローラ基板21上の不揮発性メモリ24内に記憶されているソフトウェアが更新用として適切なものであるか否かを判別する必要がある。第1の実施形態では、この適正判別をソフトウェアのバージョン比較によって行う。
【0033】
すなわち、CPU22は、インターフェース25に接続された携帯型不揮発性メモリ26内のソフトウェアのバージョンデータ読込み処理と(ステップA11)、コントローラ基板21上の不揮発性メモリ24内のソフトウェアのバージョンデータ読込み処理を行う(ステップA12)。
【0034】
そして、この2つの処理で読み込んだバージョンデータを比較することにより、携帯型不揮発性メモリ26内のソフトウェアの方が新しいか否かを判定する(ステップA13)。詳しくは、それぞれのバージョンデータに記述された当該ソフトウェアのバージョンを特定するための番号や、そのソフトウェアを作成した日付あるいはソフトウェアのコンパイルを行った日付などを比較することで、どちらが新しいソフトウェアであるかを判定する。
【0035】
もし、コントローラ基板21上の不揮発性メモリ24内のソフトウェアの方が新しかった場合には(ステップA14のNo)、携帯型不揮発性メモリ26内のソフトウェアは更新用として不適切であると判断され、何もせずに終了する。
【0036】
一方、携帯型不揮発性メモリ26内のソフトウェアの方が新しかった場合には(ステップA13のYes)、携帯型不揮発性メモリ26内のソフトウェアは更新用として適切であると判断される。そこで、CPU22は、コントローラ基板21上の不揮発性メモリ24内のソフトウェアを携帯型不揮発性メモリ26の空き領域にバックアップする処理を行う(ステップA14)。
【0037】
バックアップが完了すると、CPU22は、続いて携帯型不揮発性メモリ26に記憶されているソフトウェアを読み出し、コントローラ基板21に転送することにより、このソフトウェアを更新用の新たなソフトウェアとしてコントローラ基板21上の不揮発性メモリ24に書き込む処理を行う(ステップA15)。
【0038】
このように、携帯型不揮発性メモリ26に記憶されたソフトウェアのバージョンが新しい場合に更新処理が行われるので、作業員が誤って古いソフトウェアに更新してしまうことを防ぐことができる。
【0039】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0040】
第2の実施形態では、携帯型不揮発性メモリ26を用いてソフトウェアを更新した場合に、そのソフトウェアの転送履歴を作成することを特徴とする。
【0041】
なお、エレベータ制御装置としての全体構成(図1)や、携帯型不揮発性メモリ26の構成(図2および図3)については上記第1の実施形態と同様であるため、ここでは処理的な違いについて説明する。
【0042】
図5は本発明の第2の実施形態に係るエレベータ制御装置の処理動作を示すフローチャートである。なお、この図4において、携帯型不揮発性メモリ26を用いてソフトウェアを更新するまでの処理(ステップB11〜B15)は図3と同様である。
【0043】
すなわち、CPU22は、インターフェース25に接続された携帯型不揮発性メモリ26内のソフトウェアのバージョンデータ読込み処理と(ステップB11)、コントローラ基板21上の不揮発性メモリ24内のソフトウェアのバージョンデータ読込み処理を行う(ステップB12)。そして、この2つの処理で読み込んだバージョンデータを比較することにより、携帯型不揮発性メモリ26内のソフトウェアの方が新しいか否かを判定する(ステップB13)。
【0044】
詳しくは、それぞれのバージョンデータに記述された当該ソフトウェアのバージョンを特定するための番号や、そのソフトウェアを作成した日付あるいはソフトウェアのコンパイルを行った日付などを比較することで、どちらが新しいソフトウェアであるかを判定する。
【0045】
もし、コントローラ基板21上の不揮発性メモリ24内のソフトウェアの方が新しかった場合には(ステップB14のNo)、携帯型不揮発性メモリ26内のソフトウェアは更新用として不適切であると判断され、何もせずに終了する。
【0046】
一方、携帯型不揮発性メモリ26内のソフトウェアの方が新しかった場合には(ステップB13のYes)、携帯型不揮発性メモリ26内のソフトウェアは更新用として適切であると判断される。そこで、CPU22は、コントローラ基板21上の不揮発性メモリ24内のソフトウェアを携帯型不揮発性メモリ26の空き領域にバックアップする処理を行う(ステップB14)。
【0047】
バックアップが完了すると、CPU22は、続いて携帯型不揮発性メモリ26に記憶されているソフトウェアを読み出し、コントローラ基板21に転送することにより、このソフトウェアを更新用の新たなソフトウェアとしてコントローラ基板21上の不揮発性メモリ24に書き込む処理を行う(ステップB15)。
【0048】
ここで、CPU22は、携帯型不揮発性メモリ26にバックアップしたソフトウェアとコントローラ基板21上の不揮発性メモリ24に書き込んだソフトウェアの情報を転送履歴として作成し(ステップB16)、これを現在接続されている携帯型不揮発性メモリ26に書き込む処理を行う(ステップB17)。上記転送履歴には、例えばエレベータの識別番号、転送元の情報、転送先の情報、新しいソフトウェアのバージョンデータ、古いソフトウェアのバージョンデータ、転送日などが含まれる。
【0049】
このように、携帯型不揮発性メモリ26を用いてソフトウェアを更新した際に、ソフトウェアの転送履歴を携帯型不揮発性メモリ26内に記録しておくことで、いつ、どこのエレベータに対して、どのバージョンのソフトウェアをバックアップして、どのバージョンのソフトウェアを転送したかなどを各物件毎に管理することができる。
【0050】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0051】
第3の実施形態では、携帯型不揮発性メモリ26にバックアップした古いソフトウェアをコントローラ基板21上の不揮発性メモリ24に戻す場合の処理について言及している。
【0052】
なお、エレベータ制御装置としての全体構成(図1)や、携帯型不揮発性メモリ26の構成(図2および図3)については上記第1の実施形態と同様であるため、ここでは処理的な違いについて説明する。
【0053】
また、携帯型不揮発性メモリ26を用いたソフトウェアの更新処理については上記第1および第2の実施形態と同様であるため、図6を参照して携帯型不揮発性メモリ26にバックアップした古いソフトウェアを戻す場合の処理についてのみ説明する。
【0054】
図6は本発明の第3の実施形態に係るエレベータ制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【0055】
携帯型不揮発性メモリ26がインターフェース25に接続されている状態において、CPU22は、古いソフトウェアに戻す操作があったか否かを判断する(ステップC11)。上記古いソフトウェアに戻す操作とは、例えば作業員が特定のスイッチを押しながら電源を投入するなどである。
【0056】
このような操作があると(ステップC11のYes)、CPU22は、携帯型不揮発性メモリ26内のソフトウェア転送履歴を読み込む処理を行う(ステップC12)。これは、上記第3の実施形態で説明したように、ソフトウェアを更新したときに残る履歴情報のことであり、どのエレベータのソフトウェアをどのバージョンからどのバージョンに変更したかなどが記述されている。
【0057】
CPU22は、このソフトウェア転送履歴に基づいて、携帯型不揮発性メモリ26にバックアップした当該エレベータの古いソフトウェアを判断する(ステップC12)。そして、CPU22は、この古いソフトウェアを携帯型不揮発性メモリ26から読み出してコントローラ基板21へ転送し、コントローラ基板21上の不揮発性メモリ24に書き込む(ステップC13)。この場合、コントローラ基板21上の不揮発性メモリ24には既に新しいソフトウェアが記憶されているため、この新しいソフトウェアの上に古いソフトウェアが書き込まれることになる。
【0058】
最後に、CPU22は、古いソフトウェアに戻したことをソフトウェア転送履歴に追加する処理を行う(ステップC15)。例えば物件Aというエレベータに対し、××年××月××日にバージョンCのソフトウェアをバージョンBのソフトウェアにバージョンダウンしたといった情報をソフトウェア転送履歴に追加する。
【0059】
このように、携帯型不揮発性メモリ26にバックアップした古いソフトウェアを、該当するエレベータに簡単に戻すことができる。したがって、ソフトウェアの更新後にエレベータが正常に動作しなかった場合に、直ぐに元のソフトウェアに戻してエレベータの運転を復旧することができる。また、ソフトウェアを元に戻した情報をソフトウェア転送履歴に残すことで、エレベータの物件毎にソフトウェアのバージョン管理を正確に行うことができる。
【0060】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0061】
第4の実施形態では、更新用ソフトウェアの適正判断を現在使用中のソフトウェアとの整合性(互換性)をチェックすることで行う。
【0062】
なお、エレベータ制御装置としての全体構成(図1)や、携帯型不揮発性メモリ26の構成(図2および図3)については上記第1の実施形態と同様であるため、ここでは処理的な違いについて説明する。
【0063】
図7は本発明の第4の実施形態に係るエレベータ制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【0064】
エレベータのソフトウェアを更新する場合に、CPU22は、まず、インターフェース25に接続された携帯型不揮発性メモリ26内のソフトウェアの整合性情報読込み処理と(ステップD11)、コントローラ基板21上の不揮発性メモリ24内のソフトウェアの整合性情報読込み処理を行う(ステップD12)。そして、この2つの処理で読み込んだ整合性情報を比較することにより、両者のソフトウェアに整合性があるか否かを判断する(ステップD13)。
【0065】
ここで、上記整合性情報には、ソフトウェアの種類やエレベータの仕様などの情報が含まれる。ソフトウェアの種類とは、標準ソフトウェア(標準的なエレベータ動作を行うためのソフトウェア)、特殊ソフトウェア(物件毎に異なる特殊なエレベータ動作を含んだソフトウェア)などである。エレベータの仕様とは、例えば乗りかごのドアが1方向の出入口仕様であるとか、2方向の出入口仕様であるとかである。これらの情報を比較することで、例えば特殊ソフトウェアを使用しているエレベータに標準ソフトウェアを適用したり、その逆のことを防止する。
【0066】
上記整合性情報に基づいてソフトウェアの整合性を判断した結果、整合性なしであった場合には(ステップD13のNo)、携帯型不揮発性メモリ26内のソフトウェアは更新用として不適切であると判断される。その際、CPU22は、コントローラ基板21上の図示せぬ表示器にソフトウェアの整合性異常を警告表示して(ステップD14)、携帯型不揮発性メモリ26からコントローラ基板21へのソフトウェアの転送を中止する(ステップD15)。
【0067】
一方、ソフトウェアの整合性が一致した場合には(ステップD13のYes)、携帯型不揮発性メモリ26内のソフトウェアは更新用として適切であると判断される。そこで、CPU22は、コントローラ基板21上の不揮発性メモリ24内のソフトウェアを携帯型不揮発性メモリ26の空き領域にバックアップする処理を行う(ステップD16)。
【0068】
バックアップが完了すると、CPU22は、続いて携帯型不揮発性メモリ26に記憶されているソフトウェアを読み出し、コントローラ基板21に転送することにより、このソフトウェアを更新用の新たなソフトウェアとしてコントローラ基板21上の不揮発性メモリ24に書き込む処理を行う(ステップD17)。
【0069】
また、CPU22は、コントローラ基板21上の不揮発性メモリ24に書き込んだソフトウェアの転送履歴を作成し(ステップD18)、これを現在接続されている携帯型不揮発性メモリ26に書き込む処理を行う(ステップD19)。上記転送履歴には、例えばエレベータの識別番号、転送元の情報、転送先の情報、新しいソフトウェアのバージョンデータ、古いソフトウェアのバージョンデータ、転送日などが含まれる。
【0070】
このように、携帯型不揮発性メモリ26を用いてソフトウェアを更新する際に、エレベータに現在使われているソフトウェアとの整合性が一致した場合のみ、携帯型不揮発性メモリ26から更新用の新しいソフトウェアが転送される。したがって、例えば作業員の不注意により特殊ソフトウェアを使っているエレベータに対して標準ソフトウェアを書き込んでしまうようなミスを防ぐことができる。
【0071】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
【0072】
第5の実施形態では、携帯型不揮発性メモリ26を用いてソフトウェアを更新するときに、コントローラ基板21上の不揮発性メモリ24に記憶されているソフトウェアが、携帯型不揮発性メモリ26内に既にバックアップされている別のエレベータのソフトウェアと同じものであった場合に、同じソフトウェアを2回バックアップせずに、更新情報だけを残すようにしたものである。
【0073】
なお、エレベータ制御装置としての全体構成(図1)や、携帯型不揮発性メモリ26の構成(図2および図3)については上記第1の実施形態と同様であるため、ここでは処理的な違いについて説明する。
【0074】
図8は本発明の第5の実施形態に係るエレベータ制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【0075】
エレベータのソフトウェアを更新する場合に、CPU22は、まず、携帯型不揮発性メモリ26にバックアップされたソフトウェアの管理情報の読込み処理と(ステップE11)、コントローラ基板21上の不揮発性メモリ24に記憶されているソフトウェアの管理情報の読込み処理を行う(ステップE12)。そして、この2つの処理で読み込んだ管理情報を比較することにより、バックアップされたソフトウェアとの同一判定処理を行う(ステップE13)。
【0076】
ここで、ソフトウェアの管理情報とは、例えばソフトウェアの名称、バージョン番号、ソフトウェアの作成日、ソフトウェアのコンパイル日、ソフトウェアのチェックサムなどである。上記バックアップされたソフトウェアとの同一判定処理は、これらの一部、またはすべてを比較することで行う。
【0077】
比較の結果、同一であった場合、つまり、更新対象としているエレベータのソフトウェアが携帯型不揮発性メモリ26に既にバックアップ済みのソフトウェアと同じであった場合には(ステップE13のYes)、CPU22は、当該エレベータのソフトウェアを携帯型不揮発性メモリ26にバックアップせずに、以下のような処理を行う。
【0078】
すなわち、CPU22は、コントローラ基板21からエレベータの認識コードを読み込む(ステップE14)。上記認識コードは、具体的にはエレベータの物件管理番号を想定している。
【0079】
次に、CPU22は、上記識別コードによって識別されるエレベータのソフトウェアが、先にバックアップしたエレベータのものと同じであったことを携帯型不揮発性メモリ26に記録する(ステップE15)。続いて、CPU22は、携帯型不揮発性メモリ26から更新用の新しいソフトウェアを読み出し、これをコントローラ基板21へ転送して不揮発性メモリ24に書き込む(ステップE16)。この場合、不揮発性メモリ24には古いソフトウェアが記憶されているので、その上に新しいソフトウェアが書き込まれることになる。
【0080】
一方、携帯型不揮発性メモリ26に既にバックアップされていたソフトウェアと、更新対象としているエレベータのソフトウェアとが違うものであった場合には(ステップE13のNo)、CPU22は、そのエレベータのソフトウェアつまりコントローラ基板21上の不揮発性メモリ24内のソフトウェアを携帯型不揮発性メモリ26の空き領域にバックアップする処理を行う(ステップE17)。
【0081】
バックアップが完了すると、CPU22は、続いて携帯型不揮発性メモリ26に記憶されているソフトウェアを読み出し、コントローラ基板21に転送することにより、このソフトウェアを更新用の新たなソフトウェアとしてコントローラ基板21上の不揮発性メモリ24に書き込む処理を行う(ステップE18)。
【0082】
また、CPU22は、コントローラ基板21上の不揮発性メモリ24に書き込んだソフトウェアの転送履歴を作成し(ステップE19)、これを現在接続されている携帯型不揮発性メモリ26に書き込む処理を行う(ステップE20)。上記転送履歴には、例えばエレベータの識別番号、転送元の情報、転送先の情報、新しいソフトウェアのバージョンデータ、古いソフトウェアのバージョンデータ、転送日などが含まれる。
【0083】
このように、携帯型不揮発性メモリ26に既にバックアップされているソフトウェアとの同一性を確認してからバックアップ処理を行うようにしたことで、以下のような効果が奏せられる。
【0084】
すなわち、同じ物件に複数台のエレベータが設置されている場合には、仕様がほぼ同じであり、ソフトウェアも同じものを使っていることが多い。このように、各エレベータに同じソフトウェアが使われていた場合に、これらを携帯型不揮発性メモリ26に重複してバックアップすることを回避して、携帯型不揮発性メモリ26の空き領域を効率的に使ってソフトウェアの更新作業を行うことができる。
【0085】
なお、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の形態を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を省略してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】図1は本発明の第1の実施形態に係るエレベータ制御装置を適用したエレベータシステムの構成を示す図である。
【図2】図2は同実施形態における携帯型不揮発性メモリを用いたソフトウェアの更新方法を説明するための図である。
【図3】図3は同実施形態における携帯型不揮発性メモリのデータ領域を複数の領域に分けて使用する場合の一例を示す図である。
【図4】図4は本発明の第1の実施形態に係るエレベータ制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図5】図5は本発明の第2の実施形態に係るエレベータ制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図6】図6は本発明の第3の実施形態に係るエレベータ制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図7】図7は本発明の第4の実施形態に係るエレベータ制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図8】図8は本発明の第5の実施形態に係るエレベータ制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0087】
11…昇降路、12…制御盤、13…巻上げ機、14…メインロープ、15…乗りかご、16…釣合い重り、21…コントローラ基板、22…CPU、23…RAM、24…不揮発性メモリ、25…メモリ接続用インターフェース、26…携帯型不揮発性メモリ、26a〜26e…携帯型不揮発性メモリの各領域。




 

 


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