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発明の名称 エレベータ制御システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−84177(P2007−84177A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2005−271988(P2005−271988)
出願日 平成17年9月20日(2005.9.20)
代理人 【識別番号】100075812
【弁理士】
【氏名又は名称】吉武 賢次
発明者 神 本 和 儀
要約 課題
ブレーキ動作検出手段のみの故障に起因する、無用な閉じこめ事故の発生を防止する。

解決手段
運転制御手段7がブレーキ開放指令をブレーキ電力供給手段10に出力すると、ブレーキ電源9からの電力がブレーキ装置8に供給される。このとき、ブレーキ電力供給検出手段11及びブレーキ電圧検出手段12の検出信号が正常であるならば、ブレーキ動作検出手段13の検出信号が異常を示していても、それはブレーキ動作検出手段13の故障であり、ブレーキ装置8自体は正常に機能していると判別して通常運転を行う。
特許請求の範囲
【請求項1】
ブレーキ電力の供給を受けていない状態では巻上機の回転を拘束し、ブレーキ電力の供給を受けた場合に巻上機の回転の拘束を解除するブレーキ装置と、
前記ブレーキ装置に対してブレーキ電源からのブレーキ電力を供給するブレーキ電力供給手段と、
前記ブレーキ電力供給手段によるブレーキ電力の供給の有無を検出するブレーキ電力供給検出手段と、
前記ブレーキ装置のブレーキコイルに印加される電圧を検出するブレーキ電圧検出手段と、
前記ブレーキ装置が正常に動作したか否かを検出するブレーキ動作検出手段と、
前記ブレーキ電力供給手段に対してブレーキ開放指令を出力した後、前記ブレーキ電力供給検出手段、前記ブレーキ動作検出手段、及び前記ブレーキ電圧検出手段からの各検出信号を入力し、これらの検出信号のうち前記ブレーキ動作検出手段からの検出信号のみ異常の場合は、再度前記ブレーキ開放指令を前記ブレーキ電力供給手段に対して出力した後、前記ブレーキ電力供給検出手段、及び前記ブレーキ電圧検出手段からの各検出信号を再度入力し、これら再度入力した検出信号が正常であれば前記ブレーキ装置の動作は正常であると判別して通常運転を行う運転制御手段と、
を備えたことを特徴とするエレベータ制御システム。
【請求項2】
前記巻上機の電流を検出する巻上機電流検出手段を備えており、
前記運転制御手段は、前記ブレーキ動作検出手段からの検出信号が異常にかかわらず前記ブレーキ動作を正常と判別して通常運転を行う際に、前記巻上機電流検出手段からの検出電流が異常である場合は、前記ブレーキ装置の動作についての判別を異常に変更してエレベータの運転を停止させる、
ことを特徴とする請求項1記載のエレベータ制御システム。
【請求項3】
ブレーキ電力の供給を受けていない状態では巻上機の回転を拘束し、ブレーキ電力の供給を受けた場合に巻上機の回転の拘束を解除するブレーキ装置と、
前記ブレーキ装置に対してブレーキ電源からのブレーキ電力を供給するブレーキ電力供給手段と、
前記ブレーキ電力供給手段によるブレーキ電力の供給の有無を検出するブレーキ電力供給検出手段と、
前記ブレーキ装置のブレーキコイルに印加される電圧を検出するブレーキ電圧検出手段と、
前記ブレーキ装置が正常に動作したか否かを検出するブレーキ動作検出手段と、
前記ブレーキ電力供給手段に対してブレーキ開放指令を出力した後、前記ブレーキ電力供給検出手段、前記ブレーキ動作検出手段、及び前記ブレーキ電圧検出手段からの各検出信号を入力し、これらの検出信号のうち前記ブレーキ動作検出手段からの検出信号のみ異常の場合はそのまま運転を継続して着床制御を実行し、前記ブレーキ電力供給手段に対する前記ブレーキ開放指令がオフの状態での前記ブレーキ電力供給検出手段、及び前記ブレーキ電圧検出手段からの各検出信号を入力し、これら入力した検出信号が正常であれば前記ブレーキ装置の動作は正常であると判別して通常運転を行う運転制御手段と、
を備えたことを特徴とするエレベータ制御システム。
【請求項4】
前記運転制御手段は、前記ブレーキ動作検出手段からの検出信号が異常にかかわらず通常運転を行う場合は異常発報を行い、前記ブレーキ動作検出手段が異常である旨を所定表示機器に表示させる、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエレベータ制御システム。
【請求項5】
前記運転制御手段が前記ブレーキ装置の動作についての判別を行う際の基礎とする検出信号を選択可能な検出信号選択手段と、
前記運転制御手段に対してメンテナンス作業を行うための操作指令を出力し、前記検出信号選択手段で選択された検出信号に基づく前記判別を前記運転制御手段に行わせるメンテナンス用操作端末と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のエレベータ制御システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキ動作検出機能を有するブレーキ装置を備えたエレベータ制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレベータのブレーキ装置は、停止状態にあるエレベータかごを停止位置に保持しておくためのものであり、エレベータの安全管理上の観点からは重要な装置である。このブレーキ装置の動作は、エレベータの運転を司るエレベータ制御装置により制御されるようになっている。
【0003】
すなわち、エレベータかごの停止時には、巻上機に取り付けられているブレーキドラムに対してブレーキシューがバネ部材の力により押しつけられ、これによりエレベータかごを停止させておくのに充分な制止力が得られるようになっている。そして、かごを移動させる場合、エレベータ制御装置はブレーキ開放指令を出力してブレーキコイルに電流を流し、このブレーキコイルの電磁力を用いてブレーキ開放を行うようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、ブレーキ装置には、そのブレーキ動作が確実に行われているか否かを検出するブレーキ動作検出手段(例えば、マイクロスイッチ等が用いられる)が取り付けられており、このブレーキ動作検出手段の検出信号が異常を示した場合には、直ちにエレベータを非常停止させて乗客の安全を確保するようにしていた。
【特許文献1】特開平6−61727号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようにエレベータを非常停止させた場合、乗客がしばらくの間はかご内に閉じこめられた状態となり、所謂閉じこめ事故が発生することがある。ブレーキ装置が実際に故障したのであれば、このような閉じこめ事故が発生するのもある程度やむを得ないものと考える余地がある。しかし、ブレーキ動作検出手段は精密機器であるマイクロスイッチ等により構成された故障しやすいものであるため、実際には、閉じこめ事故の中には、ブレーキ動作検出手段が故障しただけでありブレーキ装置自体は正常である場合が少なからずあった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ブレーキ動作検出手段のみの故障に起因する、無用な閉じこめ事故の発生を防止することが可能なエレベータ制御システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明は、ブレーキ電力の供給を受けていない状態では巻上機の回転を拘束し、ブレーキ電力の供給を受けた場合に巻上機の回転の拘束を解除するブレーキ装置と、前記ブレーキ装置に対してブレーキ電源からのブレーキ電力を供給するブレーキ電力供給手段と、前記ブレーキ電力供給手段によるブレーキ電力の供給の有無を検出するブレーキ電力供給検出手段と、前記ブレーキ装置のブレーキコイルに印加される電圧を検出するブレーキ電圧検出手段と、前記ブレーキ装置が正常に動作したか否かを検出するブレーキ動作検出手段と、前記ブレーキ電力供給手段に対してブレーキ開放指令を出力した後、前記ブレーキ電力供給検出手段、前記ブレーキ動作検出手段、及び前記ブレーキ電圧検出手段からの各検出信号を入力し、これらの検出信号のうち前記ブレーキ動作検出手段からの検出信号のみ異常の場合は、再度前記ブレーキ開放指令を前記ブレーキ電力供給手段に対して出力した後、前記ブレーキ電力供給検出手段、及び前記ブレーキ電圧検出手段からの各検出信号を再度入力し、これら再度入力した検出信号が正常であれば前記ブレーキ装置の動作は正常であると判別して通常運転を行う運転制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記巻上機の電流を検出する巻上機電流検出手段を備えており、前記運転制御手段は、前記ブレーキ動作検出手段からの検出信号が異常にかかわらず前記ブレーキ動作を正常と判別して通常運転を行う際に、前記巻上機電流検出手段からの検出電流が異常である場合は、前記ブレーキ装置の動作についての判別を異常に変更してエレベータの運転を停止させる、ことを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、ブレーキ電力の供給を受けていない状態では巻上機の回転を拘束し、ブレーキ電力の供給を受けた場合に巻上機の回転の拘束を解除するブレーキ装置と、前記ブレーキ装置に対してブレーキ電源からのブレーキ電力を供給するブレーキ電力供給手段と、前記ブレーキ電力供給手段によるブレーキ電力の供給の有無を検出するブレーキ電力供給検出手段と、前記ブレーキ装置のブレーキコイルに印加される電圧を検出するブレーキ電圧検出手段と、前記ブレーキ装置が正常に動作したか否かを検出するブレーキ動作検出手段と、前記ブレーキ電力供給手段に対してブレーキ開放指令を出力した後、前記ブレーキ電力供給検出手段、前記ブレーキ動作検出手段、及び前記ブレーキ電圧検出手段からの各検出信号を入力し、これらの検出信号のうち前記ブレーキ動作検出手段からの検出信号のみ異常の場合はそのまま運転を継続して着床制御を実行し、前記ブレーキ電力供給手段に対する前記ブレーキ開放指令がオフの状態での前記ブレーキ電力供給検出手段、及び前記ブレーキ電圧検出手段からの各検出信号を入力し、これら入力した検出信号が正常であれば前記ブレーキ装置の動作は正常であると判別して通常運転を行う運転制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記運転制御手段は、前記ブレーキ動作検出手段からの検出信号が異常にかかわらず通常運転を行う場合は異常発報を行い、前記ブレーキ動作検出手段が異常である旨を所定表示機器に表示させる、ことを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記運転制御手段が前記ブレーキ装置の動作についての判別を行う際の基礎とする検出信号を選択可能な検出信号選択手段と、前記運転制御手段に対してメンテナンス作業を行うための操作指令を出力し、前記検出信号選択手段で選択された検出信号に基づく前記判別を前記運転制御手段に行わせるメンテナンス用操作端末と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
上記構成によれば、ブレーキ動作検出手段が異常を検出した場合は、他の検出手段を用いてブレーキ装置の異常の有無を判別しているので、ブレーキ動作検出手段のみの故障に起因する、無用な閉じこめ事故の発生を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明の第1の実施形態の構成図である。巻上機1にはロープ2が巻回されており、ロープ2の一端側及び多端側にはそれぞれかご3及びカウンタウェイト4が取り付けられている。巻上機1はインバータ装置5からの電力供給により回転駆動され、この巻上機1の回転駆動によりかご3及びカウンタウェイト4は、昇降路内を互いに反対方向へ移動するようになっている。そして、インバータ装置5から巻上機1への電力供給は、エレベータ制御装置6内の運転制御手段7により制御されるようになっている。
【0014】
巻上機1には、その回転軸の回転を拘束し、停止中のかご3の停止状態を維持するためのブレーキ装置8が取り付けられている。このブレーキ装置8はブレーキコイルを有するものであり、ブレーキ電源9からのブレーキ電力がブレーキ電力供給手段10を介してブレーキコイルに供給されると、ブレーキ装置8が巻上機1の回転軸に対する開放動作を行うようになっている。
【0015】
ブレーキ電力供給手段10は、例えば電磁接触器により構成されており、運転制御手段7からのブレーキ開放指令を入力すると、主接点をオンにしてブレーキ電源9からの電力をブレーキ装置8のブレーキコイルに供給する動作を行うようになっている。
【0016】
このブレーキ電力供給手段10によるブレーキコイルへの電力供給が正常に行われているか否かはブレーキ電力供給検出手段11により検出され、その検出信号は運転制御手段7に出力されるようになっている。
【0017】
また、ブレーキコイルに電力が供給されたとき、このブレーキコイルに印加される電圧はブレーキ電圧検出手段12により検出され、その検出信号は運転制御手段7に出力されるようになっている。
【0018】
そして、運転制御手段7がブレーキ開放指令を出力した場合、あるいは出力しない場合のブレーキ装置8の動作が正常であるか否かはブレーキ動作検出手段13(例えば、マイクロスイッチにより構成される)により検出され、その検出信号は運転制御手段7に出力されるようになっている。
【0019】
次に、図1の動作を図2のフローチャートに基づき説明する。いま、かご3がある階床に停止しているとすると、この状態では、ブレーキ電力供給手段10の接点はオフとなっているのでブレーキ電源9からブレーキ装置8のブレーキコイルに電力は供給されない。したがって、巻上機1の回転軸はブレーキ装置8により回転が拘束された状態、つまりブレーキがかかった状態になっている。
【0020】
運転制御手段7は、この状態からブレーキを開放してかご3を移動させるべく、ブレーキ開放指令をブレーキ電力供給手段10に対して出力する(ステップ1)。これによりブレーキ電力供給手段10の接点はオンとなって、ブレーキ電源9からのブレーキ電力はブレーキ装置8のブレーキコイルに供給され、したがって、ブレーキ装置8はブレーキ開放動作を行うはずである。
【0021】
このとき、ブレーキ電力供給検出手段11はブレーキ電力供給手段10の電力供給動作が正常に行われているか否かを判別し(ステップ2)、ブレーキ電圧検出手段12はブレーキコイルに印加されている電圧が正常であるか否かを判別し(ステップ3)、更にブレーキ動作検出手段13はブレーキ装置8のブレーキ開放動作が正常に行われているか否かを判別する(ステップ4)。
【0022】
ステップ2〜4における各判別結果が全て「YES」である場合、運転制御手段7は、実際にブレーキ装置8が正常に機能していると判断して通常運転を行う(ステップ5)。すなわち、運転制御手段7は速度制御指令をインバータ装置5に対して出力し、インバータ装置5から巻上機1に交流電力を供給させるようにする。これにより、巻上機1は回転し、かご3は目的階に向かって移動する。
【0023】
しかし、ステップ2又はステップ3のうちのいずれかの判別結果が「NO」の場合、運転制御手段7は、実際にブレーキ装置8が正常に機能していないと判断してエレベータの運転を停止する(ステップ6)。このような場合は、エレベータ保守会社の作業員により異常個所の点検・修理が行われることになる。したがって、運転制御手段7はインバータ装置5に対して速度制御指令を出力せず、かご3は当初の階床に停止したままとなる。
【0024】
そして、ステップ2及びステップ3の判別結果は「YES」であるが、ステップ4の判別結果が「NO」の場合、運転制御手段7はブレーキ電力供給手段10に対してブレーキ開放指令を再度出力してみる(ステップ7)。すると、ステップ2,3の場合と同様に、ブレーキ電力供給検出手段11はブレーキ電力供給手段10の電力供給動作が正常に行われているか否かを判別し(ステップ8)、ブレーキ電圧検出手段12はブレーキコイルに印加されている電圧が正常であるか否かを判別する(ステップ9)。
【0025】
このとき、ステップ8及びステップ9の判別結果が共に「YES」であるならば、運転制御手段7は異常発報を行って、ブレーキ動作検出手段13が故障していることを所定表示機器(例えば、メンテナンス作業のために設けられている、制御盤内の小さな液晶画面)に表示させた後(ステップ10)、通常運転を行うようにする(ステップ5)。
【0026】
しかし、ステップ8又はステップ9のうちのいずれかの判別結果が「NO」の場合は、ステップ2,3のいずれかが「NO」の場合と同様に、運転制御手段7は、実際にブレーキ装置8が正常に機能していないと判断してエレベータの運転を停止する(ステップ6)。
【0027】
上述したように、本実施形態では、ステップ4での判別結果が「NO」であっても、ステップ8,9の判別結果が共に「YES」であるならば、ステップ5の通常運転を行うようにしている。つまり、ステップ4における「NO」の判別結果はブレーキ動作検出手段13の故障に起因する誤った判別結果であり、ブレーキ装置8自体は正常に動作していると見做す処理を行うことにしている。これは、次のような二つの考えに基づくものである。
【0028】
第一に、マイクロスイッチ等の精密機器により構成されるブレーキ動作検出手段13は故障しやすいものであるのに対し、ブレーキ装置8はバネ部材及びブレーキコイル等のシンプル且つ頑丈な部材により構成されており故障しにくいものであるとの考えである。
【0029】
第二に、仮にステップ4における「NO」の判別結果が誤りではなく正しいものであったとしても、通常運転を行うことによって重大事故を引き起こす虞はないとの考えである。つまり、ステップ4の判別結果が「NO」であるということは、運転制御手段7からブレーキ開放指令が出力されたにもかかわらず、依然として巻上機1はブレーキがかけられた状態であることを意味している。このような状態で通常運転を行った場合、何らかの保護機能が働いて再度エレベータが停止することはあっても、乗客に危険が及ぶような事故が発生するわけでないことは明らかである。
【0030】
上記のように、第1の実施形態では、ブレーキ開放指令によりブレーキ装置8に電力が正常に供給され、且つブレーキコイルに電圧が正常に印加されている状態で、ブレーキ動作検出手段13のみがブレーキ装置8のブレーキ開放動作を検出しない場合には、再度ブレーキ開放指令を出力して、ブレーキ装置8への電力供給、及びブレーキコイルの印加電圧をチェックしている。そして、このときのチェック結果に異常がなければ、ブレーキ動作検出手段13が故障しているだけで、ブレーキ装置8は実際には正常に動作していると見做して通常運転を行うようにしている。したがって、ブレーキ動作検出手段13のみの故障に起因する、無用な閉じこめ事故の発生を防止することができる。
【0031】
また、ブレーキ動作検出手段13が故障していることは、運転制御手段7の異常発報により制御盤内の液晶画面等に自動的に表示されるので、この故障したブレーキ動作検出手段13はエレベータ保守会社の保守作業員のメンテナンス時に確実に新規なものと交換されることになる。
【0032】
図3は、本発明の第2の実施形態の構成図である。図3が図1と異なる点は、巻上機電流検出手段14が付加されている点である。この巻上機電流検出手段14は、インバータ装置5の出力電流すなわち巻上機1に供給される電流を検出し、その検出信号を運転制御手段7に出力するようになっている。
【0033】
図4は、図3の動作についてのフローチャートである。図4が図2と異なる点は、ステップ5の後にステップ11,12が追加されている点である。なお、ステップ1〜ステップ10のうち図2において既述した個所については重複した説明を省略する。
【0034】
この第2の実施形態においても、第1の実施形態の場合と同様に、ブレーキ電力供給検出手段11、ブレーキ電圧検出手段12、及びブレーキ動作検出手段13のうち、ブレーキ動作検出手段13のみが異常を検出した場合は、ブレーキ動作検出手段13が故障しているだけでありブレーキ装置8自体は正常に動作していると見做して通常運転を行うようにしている(ステップ5)。
【0035】
しかし、この第2の実施形態では、通常運転開始後に巻上機電流検出手段14が巻上機1に流れる電流を検出し(ステップ11)、その電流レベルが正常であればそのまま通常運転を継続し(ステップ12)、一方、その電流レベルが過大であれば、ブレーキ装置8自体は正常に動作していると見做した先の判別を異常であるという判別に変更してエレベータを停止させるようにする(ステップ6)。
【0036】
ここで、ステップ11の判別において、巻上機1の電流が過大であるということは、ブレーキ開放指令が出力され且つ電力供給が正常でブレーキ電圧が正常であるにもかかわらず巻上機1はブレーキがかけられた状態になっているということであり、先のステップ4におけるブレーキ動作検出手段13の「NO」という判別結果は正しかったことになる。つまり、ブレーキ動作検出手段13は故障しているわけではなく、ブレーキ装置8の機構に引っ掛かり等の何らかの異常が発生している可能性があるということである。
【0037】
このように、この第2の実施形態によれば、ブレーキ動作検出手段13による異常判別をブレーキ動作検出手段13の故障に起因するものと見做して通常運転を行う際に、巻上機1に流れる電流が正常であるか否かを監視しているので、万一、ブレーキ動作検出手段13による異常判別が正しいものであったとしても通常運転開始後に直ちにエレベータの運転を停止させることができる。したがって、ブレーキがかかった状態でエレベータ運転が継続されてしまい、モータ巻線の断線等の機器破損が生じるのを防止することができる。
【0038】
次に、本発明の第3の実施形態につき説明する。この第3の実施形態の構成は図1と同様のものであり、その動作を図5のフローチャートに基づき説明する。
【0039】
ステップ1〜ステップ4、及びステップ4の判別結果が「YES」となった後のステップ5までは第1の実施形態及び第2の実施形態と同様である。
【0040】
さて、ステップ4の判別結果が「NO」となった場合、すなわちブレーキ電力供給検出手段11及びブレーキ電圧検出手段12が正常と判別したにもかかわらずブレーキ動作検出手段13のみが異常と判別した場合、本実施形態の運転制御手段7は、そのままエレベータ運転を継続して着床制御を実行する(ステップ13)。このような場合に、そのまま運転を継続するのは、既述したように、ブレーキ装置8が故障しにくいものであること、及び運転継続によって重大事故が発生するわけではないことを考慮したものである。
【0041】
そして、運転制御手段7は、かご3がある階床に到着した後、ブレーキ電力供給手段10に出力していたブレーキ開放指令をオフにする(ステップ14)。これにより、ブレーキ電力供給手段10の接点はオフとなって、ブレーキ電源9からブレーキ装置8への電力供給は遮断され、ブレーキ装置8は再び巻上機1の回転軸を拘束するはずである。
【0042】
このとき、ブレーキ電力供給検出手段11はブレーキ電力供給手段10の電力供給動作が遮断されているか否かを判別し(ステップ15)、更にブレーキ電圧検出手段12はブレーキ装置8のブレーキコイルへの電圧印加が停止されているか否かを判別する(ステップ16)。
【0043】
そして、ステップ15及びステップ16の判別結果が共に「YES」であるならば、運転制御手段7は異常発報を行って、ブレーキ動作検出手段13が故障していることを所定表示機器に表示させた後(ステップ10)、通常運転を行うようにする(ステップ5)。この場合、ステップ2及びステップ3でも「YES」の判別結果を得ているので、ステップ15及びステップ16の双方で「YES」の判別結果を得たことにより、運転制御手段7がブレーキ開放指令を出力した場合、及びブレーキ開放指令をオフした場合の双方において、ブレーキ電力供給検出手段11及びブレーキ電圧検出手段12が正常である旨の判別を行ったことになる。したがって、ステップ4におけるブレーキ動作検出手段13の「NO」の判別結果は、ブレーキ動作検出手段13の故障に起因する可能性が非常に高いといえる。
【0044】
これに対し、ステップ15又はステップ16のうちのいずれかの判別結果が「NO」の場合は、ステップ2,3のいずれかが「NO」の場合と同様に、運転制御手段7は、実際にブレーキ装置8が正常に機能していないと判断してエレベータの運転を停止する(ステップ6)。この場合は、運転制御手段7のブレーキ開放指令出力に対しては正常な判別結果であったが、ブレーキ開放指令のオフに対しては異常な判別結果であることになるので、ブレーキ装置8が何らかの原因により開放したままの故障状態にある虞がある。
【0045】
この第3の実施形態は、ブレーキ電力供給検出手段11、ブレーキ電圧検出手段12、及びブレーキ動作検出手段13のうち、ブレーキ動作検出手段13のみが異常を検出した場合は、残りのブレーキ電力供給検出手段11及びブレーキ電圧検出手段12によりブレーキ装置8が実際に正常に機能しているか否かを判別する点で第1の実施形態と共通している。しかし、第1の実施形態では、ブレーキ電力供給検出手段11及びブレーキ電圧検出手段12の判別をブレーキ開放指令が出力された場合にしか行っていないが、第3の実施形態では、ブレーキ開放指令が出力された場合とブレーキ開放指令がオフされた場合の双方で行っている。したがって、第3の実施形態の方がより信頼性の高い判別結果を得られるといえる。
【0046】
図6は、本発明の第4の実施形態の構成図である。本実施形態の構成は、保守作業員によるメンテナンス作業あるいは乗客救出作業などを安全に行うことができるようにするためのものである。図6が図1と異なる点は、メンテナンス用操作端末15及び検出信号選択手段16が追加されている点である。
【0047】
メンテナンス用操作端末15は、保守作業員が自らの操作によりかご3を所望の方向に自由に移動させるためのものである。このメンテナンス用操作端末15は、通常、かご3の屋根上、及び制御盤付近などに設置されているものであり、図1においては図示を省略していたものである。
【0048】
検出信号選択手段16は、ブレーキ電力供給検出手段11、ブレーキ電圧検出手段12、及びブレーキ動作検出手段13から運転制御手段7に入力される3つの検出信号のうち、有効とする検出信号を選択するための手段であり、保守作業員により操作されるものである。この検出信号選択手段16も、メンテナンス用操作端末15と同様に、かご3の屋根上、及び制御盤付近などに設置されている。
【0049】
次に、図6の動作につき説明する。但し、その前に従来のメンテナンス作業の問題点につき先に説明する。図2におけるステップ10で説明したように、運転制御手段7はステップ9で「YES」の判別結果を得た後に異常発報を行って、ブレーキ動作検出手段13が故障していることを所定の表示機器に表示させている。そして、エレベータ保守会社の保守作業員は、この表示機器の表示画面を確認した後、故障したブレーキ動作検出手段13を新しいものに交換する作業を行う(この交換作業は、通常、二人の保守作業員が協働して行う)。
【0050】
この交換作業は、従来、次のような手順で行われるのが一般的であった。すなわち、エレベータ機械室の設置されていない所謂マシンルームレスタイプのエレベータシステムの場合、巻上機1及びブレーキ装置8は昇降路内の最上部付近に位置している。そのため、二人のうちの一方の保守作業員はかご3の屋根上に乗り、このかご3を最上階の定位置より更に上昇させた後、屋根上で交換作業を行わなければならない。かご3を最上階の定位置より更に上昇させるためにはメンテナンス用操作端末15の上昇ボタンを操作することになるが、この操作信号が運転制御手段7に対して有効となるのは、3つの検出信号の全てが正常であると判別された場合のみである。
【0051】
そこで、従来は他方の保守作業員が制御盤(例えば、特定階床の乗場に設置されている)付近に設けられている手動レバー開放スイッチを操作するようにしていた。つまり、他方の保守作業員がこの手動レバー開放スイッチを操作すると、巻上機1に取り付けられているブレーキ開放レバーがブレーキ装置8の開放動作を行い、巻上機1の回転軸の拘束を解除する。これにより、かご3とカウンタウェイト4とのバランスの関係で、かご3は最上階の定位置より更に上昇し、かご3の屋根上に乗っている一方の保守作業員が、故障したブレーキ動作検出手段13の交換作業を行うことが可能になる。
【0052】
しかしながら、保守作業員の立場からすると、このように屋根上に人が乗った状態のかご3を手動レバーの開放により上昇させることについては少なからず抵抗感を覚えることになる。実際には、各種の保護機能が働いて、手動レバーの開放によりかご3が急上昇して天井部に衝突するような危険な事態は回避されることになっているが、それでも実際に現場でメンテナンス作業に従事する保守作業員の感覚からすると、できればこのような手動レバーの開放によるかご3の上昇は避けたいと思うのはやむを得ないことである。
【0053】
そこで、本実施形態では、かご3の屋根上に乗っている一方の保守作業員、又は制御盤近くに居る他方の保守作業員のいずれかが、運転制御手段7に入力される3つの検出信号のうち有効とする検出信号を、現場の実際の故障状況に合わせて、検出信号選択手段16を用いて自由に選択できるようにしている。
【0054】
例えば、上記のように、ブレーキ動作検出手段13が故障していることが分かっているような場合、一方の保守作業員又は他方の保守作業員は、検出信号選択手段16を操作してブレーキ電力供給検出手段11及びブレーキ電圧検出手段12からの検出信号のみを有効とする選択を行う。そして、その後、かご3の屋根上に乗った一方の保守作業員は、メンテナンス用操作端末15の上昇ボタンを操作することにより、かご3を巻上機1及びブレーキ装置8付近まで上昇させ、ブレーキ動作検出手段13の交換作業を行う。
【0055】
したがって、本実施形態によれば、屋根上に人が乗った状態のかご3を手動レバーの開放により上昇させるような、保守作業員にとって心理的に抵抗のある操作は行う必要がなくなる。なお、上記の例は、保守作業員がメンテナンス作業を行う場合についてであったが、本実施形態の構成は、保守作業員がかご3の屋根上に乗らなければならないような他の場合(閉じこめ事故が発生し、乗客の救出作業を行う場合)においても当然のことながら適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1及び第3の実施形態の構成図。
【図2】第1の実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図3】本発明の第2の実施形態の構成図。
【図4】第2の実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図5】第3の実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図6】本発明の第4の実施形態の構成図。
【符号の説明】
【0057】
1 巻上機
2 ロープ
3 かご
4 カウンタウェイト
5 インバータ装置
6 エレベータ制御装置
7 運転制御手段
8 ブレーキ装置
9 ブレーキ電源
10 ブレーキ電力供給手段1
11 ブレーキ電力供給検出手段
12 ブレーキ電圧検出手段
13 ブレーキ動作検出手段
14 巻上機電流検出手段
15 メンテナンス用操作端末
16 検出信号選択手段




 

 


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