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発明の名称 マルチかごエレベータの安全装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−76909(P2007−76909A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−270933(P2005−270933)
出願日 平成17年9月16日(2005.9.16)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 上村 晃正 / 中島 厳
要約 課題
乗りかごの異常接近を確実に検出し、接触する事態を未然に回避することにある。

解決手段
昇降路内に2台以上の乗りかご1a,1bが走行可能に設けられたマルチかごエレベータであって、乗りかご1a,1bを駆動する巻上機2a,2bに設けられ、各巻上機2a,2bの回転数を検出する回転数検出器6a,6bと、各回転数検出器6a,6bで検出される回転数を各乗りかご1a,1bの絶対位置に変換する絶対位置検出手段8a,8bと、このかご絶対位置検出手段8a,8bで検出される各乗りかご1a,1bの絶対位置から上下の乗りかご1a,1bの相対距離を算出する相対距離算出手段9と、この相対距離が所定距離以下に達した場合に乗りかご1a,1bの運転を制限する運転制御手段10とを設けた構成である。
特許請求の範囲
【請求項1】
昇降路内に2台以上の乗りかごが走行可能に設けられたマルチかごエレベータの各乗りかごの絶対位置を検出する絶対位置検出手段と、
このかご絶対位置検出手段で検出される各乗りかごの絶対位置から前記各乗りかごの相対距離を算出する相対距離算出手段と、
前記各乗りかごの相対距離が所定距離以下に接近した場合に前記乗りかごの速度を制限する運転制御手段とを備えたことを特徴とするマルチかごエレベータの安全装置。
【請求項2】
請求項1に記載のマルチかごエレベータの安全装置において、
前記絶対位置検出手段は、前記各乗りかごを駆動する巻上機又は前記各乗りかごが所定の速度以上の速度に達したときに回転停止するガバナシーブに設けられ、前記各巻上機又は前記各ガバナシーブの回転数を検出してその回転数を前記絶対位置検出手段に出力する回転数検出器を備えたことを特徴とするマルチかごエレベータの安全装置。
【請求項3】
昇降路内に2台以上の乗りかごが走行可能に設けられたマルチかごエレベータの各乗りかごに設けられ、前記各乗りかごが互いに接近する方向に走行している場合及び前記各乗りかごが互いに同方向に走行して接近する場合にそれぞれ対応させて設定された第1及び第2の相対距離を検出するための相対距離検出手と、
前記第1又は第2の相対距離に接近したことを検出したときに前記各乗りかごの運転を制限する運転制御手段とを備えたことを特徴とするマルチかごエレベータの安全装置。
【請求項4】
請求項3に記載のマルチかごエレベータの安全装置において、
前記相対距離検出手段は、前記各乗りかごの何れ一方に取り付けられ、この一方の乗りかご面から他方の乗りかごの方向に所定の第1の長さを有する作動体と、前記他方の乗りかごに取り付けられ、この他方の乗りかごから前記一方の乗りかごの方向に突出され、所定の第1及び第2の距離(第1の距離<第2の距離)を有する位置に設けられた第1及び第2のスイッチと、前記各乗りかごが互いに同方向に走行して接近している場合、前記一方の乗りかごの前記作動体が前記第1のスイッチを操作したときに前記第1の相対距離に接近したことを検出する手段と、前記各乗りかごが互いに同方向に接近している場合、前記一方の乗りかごの前記作動体が前記第2のスイッチを操作したときに前記第2の相対距離に接近したことを検出する手段とを備えたことを特徴とするマルチかごエレベータの安全装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載のマルチかごエレベータの安全装置において、
前記運転制御手段は、前記相対距離検出手段で前記各乗りかごが前記第1の相対距離に接近したことを検出したときに前記上下の乗りかごの運転を停止させ、前記相対距離検出手段で前記各乗りかごが前記第2の相対距離に接近したことを検出したときに前記上下の乗りかごの相対距離を遠ざけるように前記乗りかごの運転を制限することを特徴とするマルチかごエレベータの安全装置。
【請求項6】
昇降路内に2台以上の乗りかごが走行可能に設けられたマルチかごエレベータの各乗りかごの走行に従って上下方向に移動する巻上機もしくはガバナシーブに巻き掛けられたメインロープもしくはガバナロープに設けられ、前記各乗りかごが所定の相対距離に達したことを検出する相対距離検出手段と、
この相対距離検出手段で所定の相対距離に達したことを検出した場合に前記乗りかごの走行を制限する運転制御手段とを備えたことを特徴とするマルチかごエレベータの安全装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つの昇降路内に複数の乗りかごが独立して走行するマルチかごエレベータの安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチかごエレベータは、エレベータの輸送効率を上げる目的から、1つの昇降路内に複数の乗りかごがそれぞれ独立して走行する運転形態をとっている。しかしながら、このようなメリットを備え持つ反面、かごに接触してしまう危険性を有している。
【0003】
そこで、従来、上下の乗りかごの接触を回避するために、マルチかごエレベータの安全装置が提案されている。
【0004】
このマルチかごエレベータの安全装置は、図5に示すように昇降路51内に2台の乗りかご52a,52bがそれぞれ独立に走行可能な状態に設けられ、そのうち上側乗りかご52aには当該乗りかご52aから上下方向に突き出すように弓状の作動体53が設けられている。下側乗りかご52bには当該乗りかご52bから下方に突き出すように例えばJ状の作動体54が設けられている。また、下側乗りかご52bの上部には作動体53によって押圧されたときに各乗りかご52a,52bを運転停止させるための信号を出力するためのスイッチ55が取り付けられている。
【0005】
このマルチかごエレベータは、2台の乗りかご52a,52bが互いに独立して走行しているが、上側乗りかご52aと下側乗りかご52bが所定距離まで接近すると、上側乗りかご52aに設けられた弓状の作動体53の下端部がスイッチ55の接点と接触し、このスイッチ55から運転停止信号をエレベータ制御盤(図示せず)に送出する。ここで、エレベータ制御盤は、上下2台の乗りかご52a,52bが異常接近と判断し、2台の乗りかご52a,52bの運転を停止する指令を出力する。
【0006】
なお、56uは上側乗りかご52aが昇降路上部の所定位置を行き過ぎようとした際に動作するスイッチ、56dは下側乗りかご52bが昇降路上部の所定位置を行き過ぎようとした際に動作するスイッチである(特許文献1)。
【0007】
従来のもう1つのマルチかごエレベータの安全装置は、図6に示すように図示しない昇降路内に2台の乗りかご61a,61bがそれぞれ独立して走行可能な状態に設けられ、そのうち上側乗りかご61aは巻上機(図示せず)に巻き掛けられたメインロープ62aによってかご中央部が吊り下げられ、また下側乗りかご61bは別のメインロープ62bによって上側乗りかご61aと干渉しないようなかご端部側が吊り下げられている。下側乗りかご61bの上部には上側乗りかご61aとの距離を測定するための距離測定器63及びかご近接検知器64が設置されている。この距離測定器63は、レーザ光を発信するとともに、上側乗りかご61aから反射されてくるレーザ光を受信することにより、このレーザ光の送受信時間から上側乗りかご61aと下側乗りかご61bとの間の距離を測定し、図示しないエレベータ制御盤などに通知する。かご近接検知器64は、図5と同様に上側乗りかご61aと下側乗りかご61bとがある距離まで接近したときに動作し、異常接近状態にあることをエレベータ制御盤などに通知するためである。
【特許文献1】特開昭59−133188号公報(1頁〜5頁、第11図)
【特許文献2】特開2003−261276号公報(35頁〜38頁、図26)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、以上のようなマルチかごエレベータの安全装置には、次のような問題が指摘されている。
昇降路51内の2台の乗りかご52a、52b(61a、61bを含む。以下、同じ)が互いに同じ走行速度で接近する方向に走行する場合を考える。今、両乗りかご52a,52bの走行速度をV0、スイッチ55による両乗りかご52a、52の接近状態を検知した後、乗りかご52a,52bを停止させるためのブレーキが作動するまでの時間をT0、ブレーキの減速度をαとすると、2台の乗りかご52a,52bが接触しないために最低限必要な相対距離Lは下記(1)式で表すことができる。
【0009】
L=2×{V0×T0+V02/(2×α)} ……(1)
ここで、上式のブレーキ作動時間T0、ブレーキ減速度αの一般的な数値としては、T0=0.3s、α=1.5m/s2が用いられている。よって、両乗りかご52a,52bが120m/分(=2m/s)の走行速度で走行している場合にはL=4m程度であるが、ちょうど倍の240m/分(=4m/s)の走行速度で走行している場合には13mとなる。つまり、走行速度を上げていくと、非常に長い相対距離Lを維持しないと接触する可能性が高くなる。
【0010】
このことは、比較的低速で走行するエレベータの場合、前述するような機械的スイッチ(53,55)、64を用いて、両乗りかご52a,52bの接触を回避することが可能である。ところが、建物の高層化に伴ってエレベータをより高速走行させる場合、前記(1)式に基づく長い突出体(作動体53やかご近接検知器64)を取り付ける必要がある。しかし、非常に長い突出体を取り付けることは、エレベータの他の構成要素との干渉、強度、乗りかごの揺れに伴う突出体の位置ずれ等を招くことになり、エレベータの安全面や異常接近の検出精度等の面から実現することは困難である。
【0011】
また、図6に示す距離測定器63は、上記の突出体とは構造が異なるが、2台の乗りかご61a,61bの相対距離が離れるに従ってレーザ光の光軸の調整が難しくなるという問題がある。すなわち、レーザ光の僅かな反射ずれや乗りかご61a,61b内乗客の乗車位置などによって乗りかご61a,61bに傾きが生じてしまうと、反射レーザ光を正確に受信できない。また、非常時に昇降路内に煙や塵埃が入ってきた場合、レーザ光がその煙等で遮られて反射レーザ光を受光し難い状態となる。
【0012】
また、乗りかご61a,61b間の相対距離Lが長くてもレーザ光を正確に受信するには、距離測定器63の出力を大きくする必要があるが、コスト高となる問題がある。
【0013】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたもので、乗りかごの異常接近を確実に検出し、上下乗りかごの接触を未然に回避することのできるマルチかごエレベータの安全装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明は、昇降路内に2台以上の乗りかごが走行可能に設けられたマルチかごエレベータの各乗りかごの絶対位置を検出する絶対位置検出手段と、このかご絶対位置検出手段で検出される各乗りかごの絶対位置から前記各乗りかごの相対距離を算出する相対距離算出手段と、前記各乗りかごの相対距離が所定距離以下に接近した場合に前記乗りかごの速度を制限する運転制御手段とを設けたマルチかごエレベータの安全装置である。
【0015】
また、本発明は、昇降路内に2台以上の乗りかごが走行可能に設けられたマルチかごエレベータの各乗りかごに設けられ、前記各乗りかごが互いに接近する方向に走行している場合及び前記各乗りかごが互いに同方向に走行して接近する場合にそれぞれ対応させて設定された第1及び第2の相対距離を検出するための相対距離検出手と、前記第1又は第2の相対距離に接近したことを検出したときに前記各乗りかごの運転を制限する運転制御手段とを設けたマルチかごエレベータの安全装置である。
【0016】
さらに、本発明は、前述する相対距離検出手段に新たに、前記各乗りかごの何れ一方に取り付けられ、この一方の乗りかご面から他方の乗りかごの方向に所定の第1の長さを有する作動体と、前記他方の乗りかごに取り付けられ、この他方の乗りかごから前記一方の乗りかごの方向に突出され、所定の第1及び第2の距離(第1の距離<第2の距離)を有する位置に設けられた第1及び第2のスイッチと、前記各乗りかごが互いに同方向に走行して接近している場合、前記一方の乗りかごの前記作動体が前記第1のスイッチを操作したときに前記第1の相対距離に接近したことを検出する手段と、前記各乗りかごが互いに同方向に接近している場合、前記一方の乗りかごの前記作動体が前記第2のスイッチを操作したときに前記第2の相対距離に接近したことを検出する手段とを更に付加した構成である。
【0017】
さらに、本発明は、昇降路内に2台以上の乗りかごが走行可能に設けられたマルチかごエレベータの各乗りかごの走行に従って上下方向に移動する巻上機もしくはガバナシーブに巻き掛けられたメインロープもしくはガバナロープに設けられ、前記各乗りかごが所定の相対距離に達したことを検出する相対距離検出手段と、この相対距離検出手段で所定の相対距離に達したことを検出した場合に前記乗りかごの走行を制限する運転制御手段とを設けたマルチかごエレベータの安全装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、乗りかごの異常接近を確実に検出でき、各乗りかごの接触を未然に回避することができるマルチかごエレベータの安全装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1及び図2は本発明に係るマルチかごエレベータの安全装置の一実施の形態を示す概略正面図および概略上面図である。ここで、図1は昇降路内に設置される上下2つの乗りかごを昇降するローピング構成を示しており、図2は上下2台の乗りかごに関連する構成体の配置関係を表している。
【0020】
このマルチかごエレベータは、2台の乗りかご1a,1bがそれぞれ、昇降路(図示せず)内を独立した状態で上下方向に走行可能に設けられている。昇降路の上部には当該昇降路中を走行する上下2台の乗りかご1a,1bと干渉しない位置関係をもって巻上機2a,2bが設置されている。これら巻上機2a,2bに巻き掛けられたメインロープ3a,3bの一端部は各乗りかご1a,1bの下側に配置されるかご下シーブ4a−4a、4b−4bを介して各乗りかご1a,1bを抱きかかえるように掛け回して所定の固定端5a,5b(5bは図示せず)に固定されている。メインロープ3a,3bの他端部には図示されていないが釣り合いおもりが吊り下げられている。
【0021】
また、各巻上機2a,2bの回転軸上には所定の回転角度ないし所定の回転数を検出するごとにパルスを発生するパルス発生器などの回転数検出器6a,6bが取り付けられる。この回転数検出器6a,6bから発生されるパルスはエレベータ制御装置7に送信される。このエレベータ制御装置7は、絶対位置検出手段8a,8bと相対距離算出手段9とを有する。絶対位置検出手段8a,8bは、巻上機2a,2bを回転駆動する制御信号を取得する他、各乗りかご1a,1bの走行方向に基づいて回転数検出器6a,6bから発生されるパルスをアップ・ダウン計数し、この計数値から各乗りかご1a,1bのかご位置を検出する。また、相対距離算出手段9は、この絶対位置検出手段8a,8bで得られる各乗りかご1a,1bのかご位置から上下2台の乗りかご1a,1bの相対距離を算出する。
【0022】
また、エレベータ制御装置7には運転制御手段10が設けられている。運転制御手段10は、相対距離算出手段9で算出される上下2台の乗りかご1a,1bの相対距離と予め定められる上下2台の乗りかご1a,1bの異常接近に相当する判定用相対距離とを比較する。そして、上下2台の乗りかご1a,1bの相対距離が判定用相対距離とほぼ等しい状態になったときに異常接近と判定し、乗りかご1a,1bの運転を制限するための運転制御指令を出力する。
【0023】
また、このエレベータには、乗りかご1a,1bを昇降するための巻上機2a,2bとは別に、各乗りかご1a,1bが設定速度以上の速度に達したときに当該乗りかご1a,1bの走行を停止させるために、各乗りかご1a,1bの走行範囲をカバーする昇降路の上下部に互いに干渉しない位置関係をもってガバナシーブ11a−11a、11b−11bが設置されている。これら上下部のガバナシーブ11a,11a、11b,11bにはそれぞれガバナロープ12a,12bがエンドレスに掛け渡されている。そして、各乗りかご1a,1bとガバナロープ12a,12bはそれぞれリンク13a,13bを介して接続されている。そして、各乗りかご1a,1bが設定速度以上の速度で走行すると、ガバナシーブ11a,11a、11b,11bは、回転を停止し、これに伴って乗りかご1a,1bに設けられたブレーキ装置(図示せず)がメインレール(図示せず)を掴むように作動することにより停止する。
【0024】
次に、以上のように構成された本発明に係る安全装置の動作について説明する。
エレベータ制御装置7内の運転制御手段10から各巻上機2a,2bを駆動回転するために走行方向を伴う速度指令を出力すると、巻上機2a,2bの回転軸上に取り付けた回転数発生器6a,6bから回転角度ないし回転数に応じたパルスが発生する。この発生したパルスを回転方向に基づいて各乗りかご1a,1bのかご位置を検出する。このとき、相対距離算出手段9は、各絶対位置検出手段8a,8bで検出されるかご位置から両乗りかご1a,1bの相対距離を算出し、運転制御手段10に出力する。この運転制御手段10は、予め2台の乗りかご1a,1bの異常接近を表す判定用相対距離を格納しており、相対距離算出手段9から送られてくる相対距離が判定用相対距離を越えて接近すると、異常接近と判断する。そして、各巻上機2a,2bの回転を制限し、両乗りかご1a,1bの接触を回避するように制御する。
【0025】
なお、巻上機2a,2bの回転を制限する一例としては、例えば両乗りかご1a,1bが何れも上昇運転している場合には下側の乗りかご1bの走行速度を抑えるか、停止させ、または、上側の乗りかご1aの走行速度を上げたりすることが考えられる。また、2台の乗りかご1a,1bが互いに接近する方向に走行している場合、2台の乗りかご1a,1bが互いに同一方向に走行している場合とは異なる判定用相対距離を用いる。そして、2台の乗りかご1a,1bの相対距離が判定用相対距離を越えて接近したとき、互いの乗りかご1a,1bの運転を同時に停止するように制御する。
【0026】
従って、以上のような実施の形態によれば、巻上機2a,2bに回転数検出器6a,6bを取付け、これら回転数検出器6a,6bで検出される例えば回転方向を伴うパルスをアップ又はダウン計数し、その計数値から各乗りかご1a,1bのかご位置を算出する。よって、両乗りかご1a,1bのかご位置から両乗りかご1a,1bの相対距離を正確に算出することができる。そのため、機械的スイッチを用いることなく、両乗りかご1a,1bの異常接近を確実に検出できる。
【0027】
また、両乗りかご1a,1bが高速走行の場合或いは十分離れた相対距離であっても、時々刻々変化する相対距離を的確に算出できる。また、これらを安全、かつ低コストで実現できる。
【0028】
なお、上記実施の形態では、巻上機2a,2bに回転数検出器6a,6bを設けたが、例えば各乗りかご下部のかご下シーブ4a,4bやガバナシーブ9a,9bに取り付けた場合でも、同様に昇降路中の各乗りかご1a,1bのかご位置ないし相対距離を検出することができる。
【0029】
(実施の形態2)
図3は本発明に係るマルチかごエレベータの安全装置の他の実施の形態を示す概略構成図である。
【0030】
このマルチかごエレベータは、2台の乗りかご21a,21bがそれぞれ、昇降路(図示せず)内を独立した状態で上下方向に走行可能に設けられている。これら2台の乗りかご21a,21bのうち、上側乗りかご21aの一側面から下方向に向けてL1の長さをもつ作動体22が取り付けられている。
【0031】
また、下側乗りかご21bの前記乗りかご21aの作動体22の取付け面と共通の側面から上方に向けて所定長さのブラケット23が取り付けられている。このブラケット23のかご21b上部面から距離L2bの位置に第1のスイッチ24bが取り付けられ、さらにかご21b上部面から距離L2aの位置に第2のスイッチ24bが取り付けられている。
【0032】
これらスイッチ24aは、2台の乗りかご21a,21bが接近し、乗りかご21aに取り付けた作動体22に接触したとき、異常接近とされる第1の相対距離に達したことを検出し、異常接近信号をエレベータ制御装置25に出力する。またスイッチ24bは、2台の乗りかご21a,21bが接近し、乗りかご21aに取り付けた作動体22に接触したとき、異常接近とされる第2の相対距離に達したことを検出し、異常接近信号をエレベータ制御装置25に出力する。
【0033】
このエレベータ制御装置25には、上下2台の乗りかご21a,21bの走行方向と前記スイッチ24a,24bからの検出信号とに基づいて、乗りかご21a,21bの運転を制限する形態を決定する運転制御手段25aが設けられている。なお、スイッチ24a,24bによる検出信号はテールコード26を通してエレベータ制御装置25に送られている。
【0034】
ところで、以上のように上側乗りかご21aに長さLの作動体22を設け、下側乗りかご21bのブラケット23のL2a、L2b相当する距離に近接スイッチ24a,24bを設けた理由は次の条件を満足させることにある。
【0035】
(イ) 2台の乗りかご21a,21bが互いに接近する方向に走行している場合、前述する(1)式の計算式から明らかなように、1台の乗りかご21a又は21bを停止させる為に必要な距離の2倍の距離を確保する必要があること。
【0036】
(ロ) 2台の乗りかご21a,21bが互いに同方向に走行しているとき、相対的な速度差によって次第に接近する場合がある。このような場合、例えば乗りかご21a,21bがともに上側に走行しているが、下側乗りかご21bの走行速度が速い場合、その下側乗りかご21bを減速させるか、上側乗りかご21aを加速させれば、互いの乗りかご21a,21bの接触を回避することが可能である。前述するように2台の乗りかご21a,21bが互いに接近する方向に走行している場合に比べ、比較的短い相対距離であっても安全を確保できる。
【0037】
次に、以上のような条件のもとに実現された図3に示す装置の動作について説明する。
2台の乗りかご21a,21bが接近してきた場合、上側乗りかご21aの作動体22が下側乗りかご21bの近接スイッチ21aを押圧したとき、近接スイッチ24aが第1の異常接近とされる第1の相対距離に達したことを検出し、異常接近信号をエレベータ制御装置25に出力する。このとき、近接スイッチ24aが作動する距離はL1+L2aであるが、この距離は2台の乗りかご21a,21bが互いに接近する方向で走行している場合には互いの乗りかご21a,21bが停止するために必要な距離に相当する。従って、運転制御手段25aは、2台の乗りかご21a,21bが互いに接近する方向に走行している状態で近接スイッチ24aから異常接近信号を受け取ると、直ちに2台の乗りかご21a,21bを停止するための制御信号を出力する。
【0038】
一方、上側乗りかご21aの作動体22が下側乗りかご21bの近接スイッチ24bを押圧すると、近接スイッチ24bから第2の異常接近とされる第2の相対距離に達したことを検出し、異常接近信号をエレベータ制御装置25に出力する。このとき、近接スイッチ24bが動作する距離はL1+L2bであるが、この距離は2台の乗りかご21a,21bが同方向に走行している場合に何らかの対策を講じるために必要な距離である。
【0039】
そこで、エレベータ制御装置25の運転制御手段25aは、2台の乗りかご21a,21bが同じ方向に走行している状態で近接スイッチ24bから異常接近信号を受け取ると、例えば乗りかご21a,21bがともに上側に走行している場合、下側乗りかご21bの走行速度が速ければ、その下側乗りかご21bを減速させるか、または上側乗りかご21aを加速させれば、互いの乗りかご21a,21bの接触を回避することが可能である。
【0040】
従って、以上のような実施の形態によれば、上下2台の乗りかご21a,21bのうち、何れか一方の乗りかご21a又は21bに当該乗りかご21a又は21bからの突出距離L2b,L2aにそれぞれスイッチ24b,24aを設け、他の乗りかご21b又は21aには当該乗りかご21b又は21aから突出距離L1の作動体22を取付けた。そして、2台の乗りかご21a,21bが互いに接近する方向に走行している場合にスイッチ24aにより接触回避可能な相対距離L1+L2aに異常接近していることを確実に検出できる。
【0041】
また、2台の乗りかご21a,21bが同一方向に走行しつつ接近している場合にスイッチ24bにより接触回避可能な相対距離L1+L2bに異常接近していることを確実に検出できる。
【0042】
(実施の形態3)
図4は本発明に係るマルチかごエレベータの安全装置の他の実施の形態を示す概略構成図である。
【0043】
このマルチかごエレベータは、上下に2台の乗りかご31a,31bがそれぞれ、昇降路(図示せず)内を独立した状態で上下方向に走行可能に設けられている。また、昇降路の上部には当該昇降路中を走行する上下2台の乗りかご31a,31bと干渉しない位置に設置されるが各巻上機(図示せず)が設置されてい。これら巻上機に巻き掛けられるメインローフ゜(図示せず)の一端部に各乗りかご31a,31bが吊り下げられている。
【0044】
また、昇降路の上下部には、各乗りかご31a,31bの走行範囲をカバーする間隔をもってガバナシーブ32a,32a、32b,32b(下部側のガバナシーブ32a,32bは図示せず)が配置され、これらガバナシーブ32a,32a、32b,32bにはそれぞれガバナロープ33a,33bがエンドレスに掛け渡されている。そして、前記各乗りかご31a,31bにはそれぞれリンク34a,34bを介してガバナロープ33a,33bが固定されている。
【0045】
このようにガバナシーブ32a,32a、32b,32bは、各乗りかご31a,31bに接続されているので、ガバナシーブ32a,32a、32b,32bは各乗りかご31a,31bの走行速度に応じた速度で回転する。そのため、乗りかご31a,31bが予め設定された走行速度以上の速度に達したとき、ガバナシーブ32a,32a、32b,32は回転運動を停止する。その結果、乗りかご31a,31bにはリンク34a,34bを介して制動力が作用することから、乗りかご31a,31b内部のブレーキ装置(図示せず)が作動して停止する。
【0046】
そして、本装置においては、上側乗りかご31aに接続されるガバナロープ33aと下側乗りかご31bに接続されるガバナロープ33bのそれぞれの所定位置に、両乗りかご31a,31bが異常接近とされる相対距離に接近したときに動作する接触子を含む一組のスイッチ36a,36bが取り付けられている。このスイッチ36a,36bは、当該スイッチ36aと36bとが接触した時、異常接近とされる相対距離に達したことをエレベータ制御装置(図示せず)に送出する。なお、エレベータ制御装置は例えば図3に示すように構成することができ、乗りかご31a,31bの速度を制限する運転制御手段が内蔵されている。
【0047】
なお、スイッチ36a,36bとしては、図3に示す接触式スイッチ、永久磁石を用いた近接スイッチ6或いは光学スイッチなど、両乗りかご31a,31bの相対距離を検出するものが用いられる。また、図4では、一組のスイッチ36a,36bを用いたが、図3と同様な考えのもとに、第1の相対距離及び第2の相対距離を検出するようにスイッチを設けた構成であってもよい。
【0048】
従って、以上のような実施の形態によれば、各乗りかご31a,31bに接続されガバナロープ33a,31bの所定の位置にスイッチ36a,36bを設け、当該スイッチ36aと36bが接触した時、異常接近とされる相対距離に達したことを確実に検出できる。その結果、乗りかご31a,31bの運転を減速、加速又は停止するなどにより、乗りかご31aと31bとの接触を未然に回避することができる。
【0049】
なお、上記実施の形態では、ガバナロープ33a,31bにスイッチ36a,36bを設けたが、例えばメインロープ又はコンペンロープにスイッチ36a,36bを設けた構成であってもよい。
【0050】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。また、各実施の形態は組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組み合わせによる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係るマルチかごエレベータの安全装置の一実施の形態を示す概略正面図。
【図2】本発明に係るマルチかごエレベータの安全装置の一実施の形態を示す概略上面図。
【図3】本発明に係るマルチかごエレベータの安全装置の他の実施の形態を示す概略構成図。
【図4】本発明に係るマルチかごエレベータの安全装置の他の実施の形態を示す概略構成図。
【図5】従来のマルチかごエレベータの安全装置を説明する図。
【図6】従来のマルチかごエレベータの安全装置を説明する図。
【符号の説明】
【0052】
1a,1b,21a,21b,31a,31b…乗りかご、2a,2b…巻上機、3a,3b…メインロープ、4a,4b…かご下シーブ、6a,6b…回転数検出器、7,25…エレベータ制御装置、8a,8b…絶対位置検出手段、9…相対距離算出手段、10,25a…運転制御手段、11a,11b,32a,32b…ガバナシーブ、12a,12b,33a,33b…ガバナロープ、22…作動体、23…ブラケット、24a,24b…スイッチ、36a,36b…スイッチ。




 

 


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