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発明の名称 電動機及び電動機の履歴管理方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−50999(P2007−50999A)
公開日 平成19年3月1日(2007.3.1)
出願番号 特願2005−238873(P2005−238873)
出願日 平成17年8月19日(2005.8.19)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 原 英敬
要約 課題
整備履歴に関するデータを一元的に管理する電動機を提供することにある。

解決手段
製造番号を含む電動機の所定事項を記載した銘板2を取付けた電動機1であって、前記電動機1の筐体に前記銘板2とは別に、整備ごとに必要に応じて新たな製造番号を含んだ整備履歴に関するデータを記憶し、かつこの記憶された整備履歴に関するデータを読出して送信可能なRFIDタグ3を設けた電動機である。
特許請求の範囲
【請求項1】
製造番号を含む電動機の所定事項を記載した銘板を取付けた電動機において、
前記電動機の筐体に前記銘板とは別に、整備ごとに必要に応じて新たな製造番号を含んだ整備履歴に関するデータを記憶し、かつこの記憶された整備履歴に関するデータを読出して送信可能な記憶回路チップを設けたことを特徴とする電動機。
【請求項2】
前記記憶回路チップは、整備履歴に関するデータを記憶する記憶手段と、外部から送信されてくる書込み指示又は読出し指示に基づき、前記記憶手段に記憶される整備履歴に関するデータの受け渡しを行う通信手段と、この通信手段で受信された書込み指示に基づいて前記必要に応じて新たな製造番号を含んだ整備履歴に関するデータを前記記憶手段に記憶し、また前記通信手段で受信された書込み指示に基づいて前記記憶手段に記憶される整備履歴に関するデータを読出して前記通信手段を介して外部に送信する管理手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の電動機。
【請求項3】
前記記憶回路チップは、外部から無線によって電源が供給されたときのみ起動し、前記管理手段が所定の処理を実行する請求項1又は請求項2に記載の電動機。
【請求項4】
前記記憶手段に記憶される整備履歴に関するデータとしては、整備履歴、使用履歴及び使用環境のうち、少なくとも整備内容を表す整備履歴のデータであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動機。
【請求項5】
前記記憶回路チップは、RFIDタグであることを特徴とする請求項1ないし請求項3に何れか一項に記載の電動機。
【請求項6】
電動機の筐体にデータ書込み・読出し可能な記憶回路チップを設け、この記憶回路チップの通信可能範囲内にリーダ・ライタを近づけ、電動機の整備ごとに当該リーダ・ライタから電動機の識別データを前記記憶回路チップに向けて送信し、当該記憶回路チップから前記識別データの照合一致による応答信号を前記リーダ・ライタで受けたとき通信確立と判断する通信確立ステップと、
この通信確立ステップによる通信確立後、前記リーダ・ライタが書込み指示のもとに整備後の電動機の整備履歴に関するデータを前記記憶回路チップに向けて送信する書込み指示ステップと、
前記記憶回路チップが前記書込み指示のもとに受信した前記電動機の整備履歴に関するデータを記憶部に記憶する記憶ステップとを有することを特徴とする電動機の整備履歴管理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の電動機の整備履歴管理方法において、
前記通信確立処理ステップによる通信確立の判断後、前記リーダ・ライタが電動機の過去の整備状況を参照するために読出し指示を前記記憶回路チップに向けて送信する読出し指示ステップと、
前記記憶回路チップが前記読出し指示に基づき、前記記憶部に記憶される各整備ごとの整備履歴に関するデータを読出して前記リーダ・ライタに向けて送信するデータ送信ステップと、
前記リーダ・ライタが前記記憶回路チップから送信されてくる前記整備履歴に関するデータを受信して表示し、電動機の過去の整備状況を参照可能とする表示ステップとをさらに有することを特徴とする電動機の整備履歴管理方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動機の整備履歴等を一元的に管理する電動機及び電動機の履歴管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昇降機は多数の部品から構成されており、個々の部品の性能を維持しながら昇降機全体の性能を維持している。電動機は、昇降機の構成部品の中でも長寿命の部類に属するが、それでも設置環境下に応じて電動機の各構成部品の性能や寿命に大きな違いが出てくる。そのため、電動機の構成部品ごとに修理,交換する必要がある。因みに、電動機は、各構成部品の劣化状態や過去の整備状況を判断しつつ適宜な時期に分解清掃し、巻線の巻き替え、軸受の交換、或いは新品電動機の交換等を行い、電動機自体の性能を維持している。
【0003】
そこで、長期間にわたって電動機の性能を維持する場合には、電動機の整備履歴等を管理する必要がある。
【0004】
従来、電動機には、個々の電動機を識別するための製造番号、試験番号を記載した銘板が取付けられている。そこで、昇降機保守会社では、整備履歴データベースを設置し、電動機の銘板に記載された製造番号を検索キーとし、整備履歴データの一元管理を行っている。
【0005】
また、従来、エレベータの修理履歴一覧を作成するための修理履歴一覧作成装置が提案されている(特許文献1)。
【0006】
この修理履歴一覧作成装置は、保守員が保守、診断作業時に携帯用端末機を携行し、保守対象のエレベータの診断作業を実施する。保守員は、診断作業の後、携帯用端末機を操作し、診断結果のデータを昇降機保守会社の保守データ管理装置に転送し記憶部に記憶させる。保守データ管理装置は、自身の制御部からの修理履歴一覧の作成指示に基づき、記憶部に記憶された診断結果データと修理履歴一覧の様式データとを読み出し、修理履歴一覧様式データの該当するエリアに診断結果データを書き込むなどの編集処理を行い、エレベータの修理履歴一覧のデータを作成する。この作成されたエレベータの修理履歴一覧データは、印刷部を介して印刷され出力される。エレベータの修理履歴一覧は、エレベータ番号ごとに管理されている。
【特許文献1】特開平8−310760号公報(図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、前者の整備履歴等を管理する方法は、昇降機保守会社が整備履歴データベースを設置し、製造番号を検索キーとし、整備履歴データを管理する方法であり、次のような問題が指摘されている。
【0008】
電動機の分解清掃や軸受の交換等は、昇降機保守会社から派遣する保守員が現地に出向いてその設置場所で実施するが、巻線の巻き替えその他必要に応じて電動機全体の診断等を行う場合には、外部機関(電動機の保守整備を専門とする会社)に持ち込んで実施する。
【0009】
電動機を外部機関に持ち込む場合、保守対象の電動機の代わりに、他のエレベータの保守、診断作業時に新品の電動機との交換条件のもとに回収して巻線の巻き替え完了した修復済み電動機又は新品の電動機に交換し設置することが多い。この場合には代替品となる電動機の試験番号を含む製造番号等に変わってしまう。また、現地から持ち込んだ電動機は、巻線の巻き替え完了後、新品の電動機とみなし、新たな試験番号を含む製造番号等を記載した銘板に付け変えられ、別のエレベータの巻上機に使用される。
【0010】
その結果、昇降機保守会社においては、電動機の整備履歴や使用履歴が途絶えてしまう問題がある。
【0011】
一方、現地から持ち込んだ電動機は、巻線の巻き替え完了後、再度,前述した代替品と交換し同じ現地に設置することもある。しかし、この修復した電動機は、新品の電動機とみなし、新たな試験番号を含む製造番号等を記載した銘板に付け変えられる。また、昇降機保守会社は、外部機関によって電動機の整備を行うことから、整備に係る具体的な内容が不明となり、整備履歴に関するデータの一元管理が難しくなる。
【0012】
さらに、整備履歴に関するデータは昇降機保守会社の整備履歴データベースに保存されている。そのため、保守員が現地に出向く際、必要な電動機の整備履歴データを印刷し、当該印刷された整備履歴データを持参して必要な診断を実施する。さらに、保守員は、整備実施結果のデータを持ち込み、履歴データベースに入力し保管する。そのため、保守員は、整備履歴データの検索及び印刷、現地への持参、診断作業、診断結果の記帳、診断結果データの入力等の多くの作業が必要となり、負担増を招く問題がある。
【0013】
次に、後者のエレベータの修理履歴一覧作成装置では、前者の整備履歴等を管理する方法と同様にエレベータ保守会社に保守データ管理装置が設置されている。保守データ管理装置は、保守員が保守、診断作業を実施した後、診断結果のデータに基づいて修理履歴一覧を作成するものである。
【0014】
この修理履歴一覧作成装置は、前述と同様に電動機を外部機関に持ち込んで巻線の巻き替え等を行う場合、代替品である別の電動機の製造番号をそのまま管理することになる。また、修復した電動機は、新品の電動機とみなし、新たな製造番号等を記載した銘板に付け変えて別の場所のエレベータに設置する。この銘板を付け変えた修復した電動機は、別のエレベータの管理対象となり、新たな製造番号のもとに管理される。つまり、修理履歴一覧作成装置は、電動機毎に永年にわたって整備履歴や使用履歴等を一元管理するものではない。
【0015】
すなわち、後者の修理履歴一覧作成装置は、電動機の保守、診断に必要な整備履歴に関するデータを一貫して管理するものではない。
【0016】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、整備履歴に関するデータを一元的に管理する電動機を提供することを目的とする。
【0017】
また、本発明は、整備ごとの整備履歴に関するデータを電動機に系統付けて記憶し、かつ必要なときに電動機から読出して参照可能とする電動機の履歴管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
(1) 上記課題を解決するために、本発明は、製造番号を含む電動機の所定事項を記載した銘板を取付けた電動機であって、前記電動機の筐体に前記銘板とは別に、整備ごとに必要に応じて新たな製造番号を含んだ整備履歴に関するデータを記憶し、かつこの記憶された整備履歴に関するデータを読出して送信可能な記憶回路チップを設けた電動機である。
【0019】
この発明は以上のような構成とすることにより、電動機の筐体に設けた記憶回路チップに整備ごとに新たな製造番号を含み、もしくは新たな製造番号を含まない整備履歴に関するデータを記憶するので、例えば巻線の巻き替えによって新たな製造番号を記載した銘板に変更し、或いは修復した後に別の昇降機に設置しても、電動機自体に整備履歴に関するデータが付随していることから、当該整備履歴に関するデータを読み出せば、電動機の過去の整備履歴を確実に確認でき、かつ今回の整備に有効に活用することが可能となる。
【0020】
なお、前記記憶回路チップとしては、整備履歴に関するデータを記憶する記憶手段と、外部から送信されてくる書込み指示又は読出し指示に基づき、前記記憶手段に記憶される整備履歴に関するデータの受け渡しを行う通信手段と、この通信手段で受信された書込み指示に基づいて、整備ごとに必要に応じて新たな製造番号を含んだ整備履歴に関するデータを前記記憶手段に記憶し、また前記通信手段で受信された書込み指示に基づいて前記記憶手段に記憶される整備履歴に関するデータを読出して前記通信手段を介して外部に送信する管理手段とを備えた構成である。
【0021】
このような構成とすることにより、整備ごとに管理手段が通信手段を通して受信される整備履歴に関するデータを系統付けて前記記憶手段に記憶でき、また外部からの読出し指示に基づいて、当該記憶手段に記憶される過去の整備履歴に関するデータを順次読出して送信することが可能となる。
【0022】
また、前記記憶回路チップとしては、外部から無線によって電源が供給されたときのみ起動し、前記管理手段が所定の処理を実行するようにすれば、特別な電源を設ける必要がなくなり、通常時には小容量の電池を用いて、記憶回路チップ内の整備履歴に関するデータを確実に保存することが可能となる。
【0023】
さらに、記憶手段に記憶される整備履歴に関するデータとしては、整備履歴、使用履歴及び使用環境のうち、少なくとも整備内容を表す整備履歴のデータであれば、過去の整備状況を把握でき、かつ整備履歴、使用履歴及び使用環境の全部であれば、過去の整備状況を詳細に把握可能である。
【0024】
さらに、前記記憶回路チップとしては、RFIDタグを用いれば、電動機に簡単に取付け可能となり、整備履歴に関するデータの管理も簡略化できる。
【0025】
(2) 本発明に係る電動機の整備履歴管理方法は、電動機の筐体にデータ読出し・書込み可能な記憶回路チップを設け、この記憶回路チップの通信可能範囲内にリーダ・ライタを近づけ、電動機の整備ごとに当該リーダ・ライタから電動機の識別データを前記記憶回路チップに向けて送信し、当該記憶回路チップから前記識別データの照合一致による応答信号を前記リーダ・ライタで受けたとき通信確立と判断する通信確立ステップと、この通信確立ステップによる通信確立後、前記リーダ・ライタが書込み指示のもとに整備後の電動機の整備履歴に関するデータを前記記憶回路チップに向けて送信する書込み指示ステップと、前記記憶回路チップが前記書込み指示のもとに受信した前記電動機の整備履歴に関するデータを記憶部に記憶する記憶ステップとを有する。
【0026】
この発明は以上のような方法とすることにより、電動機の筐体に付加された記憶回路チップの記憶部に電動機の整備ごとに系統付けして整備後の電動機の整備履歴に関するデータを順次記憶でき、電動機の一貫した整備状況を保存することが可能となる。
【0027】
また、本発明に係る電動機の整備履歴管理方法は、前述した電動機の整備履歴管理方法に新たに、前記通信確立処理ステップによる通信確立の判断後、前記リーダ・ライタが電動機の過去の整備状況を参照するために読出し指示を前記記憶回路チップに向けて送信する読出し指示ステップと、前記記憶回路チップが前記読出し指示に基づき、前記記憶部に整備ごとに順次系統付けて記憶されている前記整備履歴に関するデータを読出して前記リーダ・ライタに向けて送信するデータ送信ステップと、前記リーダ・ライタが前記記憶回路チップから送信されてくる前記整備履歴に関するデータを受信して表示し、電動機の過去の整備状況を参照可能とする表示ステップとを付加した方法であってもよい。
【0028】
この発明に係る電動機の整備履歴管理方法によれば、電動機の過去の整備状況を容易に参照でき、電動機の適切な整備が可能となる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る電動機によれば、電動機自体に保守、診断等に必要な整備履歴に関するデータを一元的に管理することができる。
【0030】
また、本発明に係る電動機の履歴管理方法によれば、電動機の保守、診断時に必要な整備履歴に関するデータを系統付けながら一元的に管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る電動機を含むシステムの一実施の形態を示す構成図である。
同図において、1は昇降機などに使用される電動機、2は電動機1の銘板、3は電源外部供給型のRFID(Radio Frequency Identification)タグである。4はRFIDタグ3に対する整備履歴に関するデータの書込み及び読出し処理を実行するリーダ・ライタである。
【0032】
電動機1は、例えば誘導電動機などの交流電動機が用いられ、固定子には一次巻線が巻装され、回転子には二次巻線が巻装されている。なお、昇降機などに使用される電動機としては、直流電動機を使用する場合もあるが、交流電動機と同様に内部に巻線が巻装されている。これら巻線は永年の使用によって絶縁劣化と診断された場合には巻き替えが必要となる。また、電動機1の筐体には、回転子を回転可能に支持するための軸受1aが設けられている。この軸受1aは、永年の使用によって磨耗による劣化と診断された場合には交換が必要となる。
【0033】
銘板2は保守員が確認し易い電動機1筐体の適宜な個所に貼り付けられる。この銘板2には、少なくとも電動機1の製造番号が記載され、さらに試験番号その他必要な特記事項が記載されている。なお、試験番号は電動機の出荷試験時に付与されるシリアル番号である。
【0034】
RFIDタグ3は電動機1の筐体に確認可能に埋設される。RFIDタグ3は、無線式ICタグ、ICタグ、非接触ICチップとも呼ばれ、これら全ての回路素子を含めて記憶回路チップと総称する。
【0035】
RFIDタグ3は、機能的には、図2に示すように整備履歴に関するデータ等を記憶する記憶手段としての記憶部11と、外部との間で整備履歴に関するデータの受け渡しを行う通信手段としての通信部12と、整備履歴に関するデータの読出し及び書込み処理を実行する管理手段としての制御部13とで構成される。
【0036】
記憶部11としては、図3に示すように初期データ記憶エリア11aと整備履歴データ記憶エリア11bとに分けられる。
初期データ記憶エリア11aは、電動機1の製造完了時点で確定される電動機1の諸特性データを記憶するエリアであって、例えば電動機1の固有識別データID,電動機1の型式,定格出力,定格電圧,定格電流,回転数、絶縁種別,質量,製造年月日、製造番号,試験番号などが記憶される。初期データ記憶エリア11aには、上述する全てのデータを記憶する必要はなく、適宜選択的に必要なデータを記憶してもよい。しかし、電動機1の整備に関する必要から少なくとも製造番号,試験番号は記憶される。
【0037】
整備履歴データ記憶エリア11bは、電動機1の整備の度に順次整備履歴に関するデータを追加的に記憶するエリアである。整備履歴データ記憶エリア11bは、電動機1の現地設置時又は電動機出荷時に使用履歴、使用環境を記憶するエリア11baと整備の度ごとに順次追加的に整備履歴に関するデータを記憶するエリア11bbとで構成される。ここで、使用履歴とは例えば使用頻度を表す電動機起動回数を意味する。使用環境とは、例えば屋内,屋内,塩害場所,粉塵場所等を意味する。
【0038】
整備履歴に関するデータを記憶するエリア11bbには、電動機1の整備ごとに整備内容が記憶される。
【0039】
これら初期データ記憶エリア11aと整備履歴データ記憶エリア11b(11ba,11bb)は、便宜的に上段,中段及び下段に分けている。しかし、記憶容量の節減を図る必要がある場合、予め定めるデータ桁数を確保しつつ連続的に連ねた状態で必要なデータを記憶するものである。図示する「 」内の数字はデータ桁数の一例を示している。
【0040】
通信部12は、コイル状アンテナその他種々の構成のアンテナが用いられ、リーダ・ライタ4から発信される情報を伴った電波を受けて電流を生成し出力する機能を持っている。この情報を伴った電波とは例えばパルス状(情報)化された微弱な電磁波などに相当するものである。
【0041】
この通信部12によって生成されたパルス状の変化電流はコントローラとして機能する制御部13に送られる。制御部13は、通信部12から流入される変化電流から得られる電圧を整流してRFIDタグ3の電源として使用するとともに、パルス化された変化電圧から読出し指示/書込み指示と情報内容とを判断する。そして、制御部13は、判断結果に基づき、記憶部11に記憶されているデータを読み出して通信部12から送信し、また通信部12で受信される整備履歴に関するデータを記憶部11に記憶する機能を持っている。
【0042】
さらに、リーダ・ライタ4は図4に示すように構成される。リーダ・ライタ4は、送受信アンテナ等の通信部21と、コントローラ22と、管理部23とからなる。コントローラ22は、通信部21の送受信に関する駆動制御及びデータの受け渡しを行う機能を有する。
【0043】
前記管理部23には、データの入出力を行う入出力部24と、記憶部25と、読み書き処理プログラムを記憶するプログラムメモリ26と、プログラムに従って所定の処理を実行するCPU27とで構成される。
【0044】
なお、リーダ・ライタ4には、図示されていないが、インターフェース又は入出力ポートを設け、メモリカードを装填できる構成としてもよい。
【0045】
次に、以上のような電動機の動作及び本発明に係る電動機の履歴管理方法について図5を参照して説明する。
【0046】
電動機1の現地設置時、既にRFIDタグ3を構成する記憶部11の初期データ記憶エリア11aには電動機1の製造完了時点に確定される電動機1の諸特性データが記憶されている。また、整備履歴データ記憶エリア11bの中のエリア11baには、使用履歴、使用環境に関するデータが記憶されている。なお、使用履歴データを記憶するエリアは、例えば更新年月日及び起動回数等を記憶するエリアであって、例えばエレベータの定期的な保守点検時に更新年月日が書き換えられ、また起動回数が加算的に書き換えられる。
【0047】
以下、電動機1の整備を実施した場合の整備履歴の管理方法について説明する。
【0048】
(1) 長期間の使用によって電動機1の整備を実施する場合、保守員は、リーダ・ライタ4を携行し、現地に到着した後に当該リーダ・ライタ4をRFIDタグ3の通信可能範囲に設定する。つまり、保守員は、リーダ・ライタ4を、例えばRFIDタグ3の正面から15度以内で、かつ1m以内の距離範囲に近づけた後、リーダ・ライタ4の入出力部24から識別データIDを入力する。
【0049】
リーダ・ライタ4のCPU27は、プログラムメモリ26に格納されるプログラムに基づいて図5に示す処理を実行する。CPU27は、入出力部24から識別データIDが入力された否かを判断する(S1)。ここで、CPU27は、識別データID入力有りと判断した場合、当該識別データIDをコントローラ22及び通信部21を通してRFIDタグ3に向けて無線送信する(S2)。RFIDタグ3の制御部13は、通信部12を介して識別データIDを受け取ると、初期データ記憶エリア11aに記憶される固有識別データIDを参照し、受信した識別データIDと一致したとき、応答信号をリーダ・ライタ4に無線送信する。リーダ・ライタ4は、応答信号を受け取ると、無線通信が確立したと判断する(S3)。なお、リーダ・ライタ4は、識別データIDを送信後、応答信号を受け取らないときには、入出力部24にエラーを表示する(S4)。これらステップS1〜S3は通信確立ステップに相当する。
【0050】
(2) この通信確立ステップによる通信確立後、保守員は、リーダ・ライタ4の入出力部24から書込み指示を入力する。リーダ・ライタ4のCPU27は、書込み指示信号の入力有無を判断し(S5)、書込み指示信号有りと判断したとき、書込み指示信号をコントローラ22及び通信部21を通してRFIDタグ3に向けて無線送信する(S6)。引き続き、保守員は、リーダ・ライタ4の入出力部24から整備履歴に関するデータを入力する。CPU27は、整備履歴に関するデータを、コントローラ22及び通信部21を通してRFIDタグ3に向けて無線送信する(S7)。これらステップS5〜S7は書込み指示ステップに相当する。
【0051】
(3) RFIDタグ3の制御部13は、通信部12に介して書込み指示信号を受けると、書込みモードに設定する。そして、制御部13は、その後にRFIDタグ3から送信されてくる整備履歴に関するデータ,例えば整備実施日付,整備内容(例えば分解清掃等)を受信すると、記憶部11の整備履歴を記憶するエリア11bbに追記する(S8:記憶ステップ)。
【0052】
(4) 一方、リーダ・ライタ4は、ステップS5で書込み指示でないと判断したときにステップS9に移行し、読出し指示入力か否かを判断する。例えば外部機関で電動機1の巻線巻き替え等の整備を実施する場合、リーダ・ライタ4を用いて、それまでの整備履歴,使用履歴及び使用環境を参照し、設置環境や劣化状態に即した整備を実施する必要がある。保守員は、整備履歴に関するデータを参照する必要があると判断したとき、リーダ・ライタ4の入出力部24から読出し指示信号を入力する。読出し指示信号が入力されない場合にはエラーを表示する(S10)。CPU27は、入出力部24から読出し指示信号が入力された場合、当該読出し指示信号をコントローラ22及び通信部21を介してRFIDタグ3に向けて向けて送信する(S11:読出し指示ステップ)。
【0053】
(5) RFIDタグ3の制御部13は、通信部12によって受信した読出し指示信号を受け取ると、読出しモードに設定する。なわち、RFIDタグ3の制御部13は、電動機形式データ記憶エリア11aから整備履歴データ記憶エリア11bにかけて、所定の順序で電動機形式データ記憶エリア11a及び整備履歴データ記憶エリア11bからデータを読出し、通信部12を介してリーダ・ライタ4に送信する。この処理はデータ送信ステップに相当する。
【0054】
(6) リーダ・ライタ4のCPU27は、RFIDタグ3から無線送信されてくる一連のデータを受信したか否かを判断し(S12)、受信したと判断したときには受信データを記憶部25に記憶した後(S13)、入出力部24に表示する(S14)。これらステップS12,S14は表示ステップに相当する。
【0055】
リーダ・ライタ4のCPU27は、受信データを入出力部24に表示した後、引き続き、動作を継続するか否かを判断し(S15)、動作を継続しない場合には終了する。
【0056】
従って、以上のような実施の形態によれば、電動機1の筐体に銘板2とは別にRFIDタグ3を確認可能に埋設し、整備の度にリーダ・ライタ4から整備履歴に関するデータをRFIDタグ3に向けて無線送信し、RFIDタグ3を構成する記憶部11に記憶する。よって、電動機1を外部機関に持ち込んだ場合、保守対象の電動機の代わりに、他のエレベータの保守、診断作業時に新品の電動機との交換条件のもとに回収して巻線の巻き替え完了した修復済み電動機又は新品の電動機に交換し設置し、修復された電動機1は新品の電動機とみなし、新たな試験番号を含む製造番号等を記載した銘板に付け変えたとしても、その試験番号及び製造番号等を含む整備履歴、使用履歴、使用環境が整備履歴データ記憶エリア11bに記憶されるので、修復された電動機1に関する整備状況を一貫して管理することができる。その結果、昇降機保守会社においては、電動機の整備履歴や使用履歴が途絶えてしまうという問題が無くなる。
【0057】
また、修復された電動機1は新品の電動機とみなし、新たな試験番号を含む製造番号等を記載した銘板に付け変えて、同一の現場に設置した場合でも同様に試験番号及び製造番号等を含む整備履歴、使用履歴、使用環境が整備履歴データ記憶エリア11bに記憶されるので、修復された電動機1に関する整備状況を一貫して管理することができる。
【0058】
さらに、電動機1の整備のために過去の整備履歴に関するデータが必要となった場合、リーダ・ライタ4がRFIDタグ3の記憶部11に記憶されている過去の整備履歴に関するデータを含む電動機の諸特性データも読み出して表示できるので、過去の整備状況を詳細に把握することができ、より適切に整備を実施できる。
【0059】
(その他の実施の形態)
上記実施の形態における記憶回路チップには、電源外部供給型のRFIDタグ3を用いたが、電源内蔵型のRFIDタグ3を用いてもよい。
【0060】
また、上記実施の形態では、RFIDタグ3を使用したが、電動機1の筐体に不揮発性メモリからなる記憶部とメモリコントローラとを有する記憶回路チップを取付け、この記憶回路チップとリーダ・ライタ4とを有線又は無線の通信手段で接続し、リーダ・ライタ4から整備履歴に関するデータを記憶回路チップの不揮発性メモリに書込み、必要に応じて不揮発性メモリから記憶された整備履歴に関するデータを読出し表示する構成であってもよい。
【0061】
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係る電動機を含んだ整備履歴管理システムの一実施の形態を示す図。
【図2】図1の電動機に設けたRFIDタグの一例を示す機能構成図。
【図3】図1の電動機に設けたRFIDタグの記憶部のデータ配列例を示す図。
【図4】図1のリーダ・ライタの一構成例図。
【図5】本発明に係る電動機の整備履歴管理方法の一実施形態を説明する処理の流れ図。
【符号の説明】
【0063】
1…電動機、2…銘板、3…RFIDタグ(記憶回路チップ)、4…リーダ・ライタ、11…記憶部(記憶手段)、11a…初期データ記憶エリア、11b…整備履歴データ記憶エリア、12…通信部(通信手段)、13…制御部(管理手段)、21…通信部、22…コントローラ、23…管理部。




 

 


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