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発明の名称 エレベータの制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−31060(P2007−31060A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−216032(P2005−216032)
出願日 平成17年7月26日(2005.7.26)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 門田 行生 / 高崎 一彦
要約 課題
回生運転時に生じた電力つまり回生エネルギーを蓄積しておき、その回生エネルギーを有効利用して省電力化を図る。

解決手段
蓄電装置30と、直流母線間の電圧値を検出する電圧検出器31と、予め設定された充電レベルと放電レベルを有し、電圧検出器31によって検出された電圧値が充電レベルを超えた場合に第1の制御信号を出力し、放電レベルを下回った場合に第2の制御信号を出力する充放電制御装置32と、この充放電制御装置32から出力される第1の制御信号に基づいて蓄電装置30の充電動作を行い、第2の制御信号に基づいて蓄電装置30の放電動作を行うDC/DCコンバータ33とを備える。これにより、回生運転時に生じた電力つまり回生エネルギーを蓄電装置30に蓄積し、力行運転時には、その蓄電装置30に蓄積された回生エネルギーを放電して省電力化を図ることができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
交流電源から線路インピーダンスを介して交流電圧を直流電圧に変換する整流手段と、
この整流手段から出力される直流電圧を所定周波数の交流電圧に変換して電動機に供給するインバータ手段と、
上記電動機の回生電力を蓄えておくための蓄電手段と、
上記整流器と上記インバータとの間の直流母線間の電圧値を検出する電圧検出手段と、
予め設定された充電レベルと放電レベルを有し、上記電圧検出手段によって検出された電圧値が上記充電レベルを超えた場合に第1の制御信号を出力し、上記電圧検出手段によって検出された電圧値が上記放電レベルを下回った場合に第2の制御信号を出力する制御手段と、
この制御手段から出力される上記第1の制御信号に基づいて上記蓄電手段の充電動作を行い、上記第2の制御信号に基づいて上記蓄電手段の放電動作を行う充放電手段と
を具備したことを特徴とするエレベータの制御装置。
【請求項2】
交流電源から線路インピーダンスを介して交流電圧を直流電圧に変換する整流手段と、
この整流手段から出力される直流電圧を所定周波数の交流電圧に変換して電動機に供給するインバータ手段と、
上記電動機の回生電力を蓄えておくための蓄電手段と、
上記整流器と上記インバータとの間の直流母線間の電圧値を検出する電圧検出手段と、
上記蓄電手段の電流値を検出する電流検出手段と、
予め設定された充電レベルと放電レベルを有し、上記電圧検出手段によって検出された電圧値が上記充電レベルを超えた場合に、上記電流検出手段によって検出された電流値に基づいて充電電流を制御するための第1の制御信号を出力し、上記電圧検出手段によって検出された電圧値が上記放電レベルを下回った場合に、上記電流検出手段によって検出された電流値に基づいて放電電流を制御するための第2の制御信号を出力する制御手段と、
この制御手段から出力される上記第1の制御信号に基づいて上記蓄電手段の充電動作を行い、上記第2の制御信号に基づいて上記蓄電手段の放電動作を行う充放電手段と
を具備したことを特徴とするエレベータの制御装置。
【請求項3】
上記制御手段は、上記第1の制御信号に充電動作に適した第1のゲインを乗じて出力し、上記第2の制御信号に放電動作に適した第2のゲインを乗じて出力することを特徴とする請求項1または2記載のエレベータの制御装置。
【請求項4】
上記制御手段から上記第1の制御信号と上記第2の制御信号が同時に出力されることを防止するための非オーバラップ手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載のエレベータの制御装置。
【請求項5】
上記非オーバラップ手段は、上記第1の制御信号と上記第2の制御信号がオーバラップした場合に上記第1の制御信号を優先して出力することを特徴とする請求項4記載のエレベータの制御装置。
【請求項6】
上記線路インピーダンスに直列接続され、力行運転時に上記整流器と上記インバータとの間の直流母線間の電圧を減少させるインピーダンスを備えたことを特徴とする請求項1または2記載のエレベータの制御装置。
【請求項7】
上記整流手段の出力端に直列接続され、力行運転時に上記整流器と上記インバータとの間の直流母線間の電圧を減少させるインピーダンスを備えたことを特徴とする請求項1または2記載のエレベータの制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、回生エネルギーを利用してエレベータ(乗りかご)を駆動するエレベータの制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、エレベータでは、電動機(巻上げ機)の回転軸に巻き掛けられたロープの両端に乗りかごとカウンタウェイトが吊り下げられ、上記電動機の回転によりロープを介して乗りかごがカウンタウェイトと反対方向につるべ式に昇降動作する。
【0003】
ここで、例えば乗りかごが昇降路の下方向に動く場合に、そのときの乗りかごの荷重がカウンタウェイトより重ければ、動力を必要としないため、電動機が発電機として機能することになり、回生エネルギーが生じる。また、乗りかごが上方向に動く場合に、そのときの乗りかごの荷重がカウンタウェイトより軽ければ、動力を必要としないため、回生エネルギーが生じる。
【0004】
このように、動力を必要とせずに乗りかごを運転することを「回生運転」と呼び、その逆に、動力を必要とする運転を「力行運転」と呼んでいる。
【0005】
従来のエレベータ制御装置では、このような回生運転や力行運転に関係なく、常に商用電源から給電を行い、回生運転時に生じた電力は抵抗で熱エネルギーに変換して消費していた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平5−17078号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来のエレベータ制御装置では、常に商用電源から給電を行っているので、消費電力が非常に大きく、また、回生運転時に生じた電力は抵抗で消費されるため、有効に使用されないといった問題があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、回生運転時に生じた電力つまり回生エネルギーを蓄積しておき、その回生エネルギーを有効利用して省電力化を図ることのできるエレベータの制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点によれば、交流電源から線路インピーダンスを介して交流電圧を直流電圧に変換する整流手段と、この整流手段から出力される直流電圧を所定周波数の交流電圧に変換して電動機に供給するインバータ手段と、上記電動機の回生電力を蓄えておくための蓄電手段と、上記整流器と上記インバータとの間の直流母線間の電圧値を検出する電圧検出手段と、予め設定された充電レベルと放電レベルを有し、上記電圧検出手段によって検出された電圧値が上記充電レベルを超えた場合に第1の制御信号を出力し、上記電圧検出手段によって検出された電圧値が上記放電レベルを下回った場合に第2の制御信号を出力する制御手段と、この制御手段から出力される上記第1の制御信号に基づいて上記蓄電手段の充電動作を行い、上記第2の制御信号に基づいて上記蓄電手段の放電動作を行う充放電手段とを具備したことを特徴とするエレベータの制御装置が提供される。
【0009】
本発明の第2の観点によれば、交流電源から線路インピーダンスを介して交流電圧を直流電圧に変換する整流手段と、この整流手段から出力される直流電圧を所定周波数の交流電圧に変換して電動機に供給するインバータ手段と、上記電動機の回生電力を蓄えておくための蓄電手段と、上記整流器と上記インバータとの間の直流母線間の電圧値を検出する電圧検出手段と、上記蓄電手段の電流値を検出する電流検出手段と、予め設定された充電レベルと放電レベルを有し、上記電圧検出手段によって検出された電圧値が上記充電レベルを超えた場合に、上記電流検出手段によって検出された電流値に基づいて充電電流を制御するための第1の制御信号を出力し、上記電圧検出手段によって検出された電圧値が上記放電レベルを下回った場合に、上記電流検出手段によって検出された電流値に基づいて放電電流を制御するための第2の制御信号を出力する制御手段と、この制御手段から出力される上記第1の制御信号に基づいて上記蓄電手段の充電動作を行い、上記第2の制御信号に基づいて上記蓄電手段の放電動作を行う充放電手段とを具備したことを特徴とするエレベータの制御装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、回生運転時に生じた電力つまり回生エネルギーを蓄電装置に蓄積し、力行運転時には、その蓄電装置に蓄積された回生エネルギーを電源供給ラインに放電して再利用することができ、省電力化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係るエレベータの制御装置の構成を示す図である。
【0013】
このエレベータは、電動機11、この電動機11の回転軸に取り付けられたシーブ12、このシーブ12に巻き掛けられたロープ13、このロープ13の両端に吊り下げられた乗りかご14とカウンタウェイト(釣り合い重り)15などを備える。
【0014】
また、駆動系として、商用電源21、送電線または変圧器の線路インピーダンス22、交流電圧を直流電圧に変換する整流器23と、直流電圧のリプルを平滑化する平滑コンデンサ24、直流電圧を交流電圧に変換して電動機11に供給するインバータ25などを備える。
【0015】
上記商用電源21としては三相交流電源が用いられる。この三相交流電源から供給される交流電圧は線路インピーダンス22を介して整流器22で全波整流され、平滑コンデンサ24にてリプル分が吸収されて直流に平滑化される。この平滑化された直流がインバータ25に与えられ、所定周波数の交流電圧に変換されて電動機11に駆動電力として供給される。
【0016】
このような電力供給により、電動機11が回転駆動され、これに伴いシーブ12が回転し、そこに巻き掛けられたロープ13を介して乗りかご14とカウンタウェイト15が昇降路内をつるべ式に昇降動作する。
【0017】
なお、図中の26は抵抗チョッパ回路である。この抵抗チョッパ回路26は、自己消弧形のスイッチング素子27と抵抗器28からなり、平滑コンデンサ24に並列接続されている。29はインバータ25と抵抗チョッパ回路26を制御するための制御装置である。
【0018】
また、上記のような構成に加え、ハイブリッド駆動系として、さらに蓄電装置30、電圧検出器31、充放電制御装置32、DC/DCコンバータ33を備える。
【0019】
蓄電装置30は、例えば大容量の多数のバッテリあるいはコンデンサからなり、回生電力を蓄えておくための蓄電手段として用いられる。電圧検出器31は、平滑コンデンサ24の両端電圧を電力供給ラインである直流母線間の電圧として検出する。充放電制御装置32は、この電圧検出器31によって検出された電圧値に基づいてDC/DCコンバータ33の充放電動作を制御する。
【0020】
DC/DCコンバータ33は、蓄電装置30に対する充放電動作を切り替えるための回路であり、自己消弧形のスイッチング素子34,35、直流リアクトル36などから構成される。スイッチング素子34,35は、インバータ25への電力供給ラインである直流母線間に並列に接続されており、スイッチング素子34は充電用、スイッチング素子35は放電用として用いられる。直流リアクトル36は、スイッチング素子34,35の間に接続され、直流電力を平滑化する機能を有する。
【0021】
図2は充放電制御装置32の構成を示すブロック図である。
【0022】
図中の41は電圧検出器31から出力される電圧検出信号である。また、42は充電レベル、43は放電レベルであり、予め充放電制御装置32内の図示せぬメモリに設定されている。この充放電制御装置32には、引算器44,45、電圧制御回路46,47、PWM(Pulse Width Modulation)制御回路48、ゲート回路49が備えられている。
【0023】
引算器44は、電圧検出信号41と充電レベル42との差分信号を電圧制御回路46に出力する。引算器45は、電圧検出信号41と放電レベル43との差分信号を電圧制御回路47に出力する。電圧制御回路46は、引算器42から得られる差分信号に基づいて第1の制御信号EcPを生成する。電圧制御回路47は、引算器45から得られる差分信号に基づいて第2の制御信号EcNを生成する。
【0024】
PWM制御回路48は、第1の制御信号EcPおよび第2の制御信号EcNに基づいて充放電の切り替え信号を生成し、これをゲート回路49に出力する。この場合、第1の制御信号EcPは充電用のPWM入力信号、第2の制御信号EcNは放電用のPWM入力信号として用いられる。
【0025】
すなわち、図3に示すように、PWM制御回路48では、一定周期で発振する三角波のキャリア信号Caに対し、第1の制御信号EcPと第2の制御信号EcNが別々のタイミングで重ねられる。ここでは、第1の制御信号EcPは高電圧側、第2の制御信号EcNは低電圧側に設定されており、第1の制御信号EcPとキャリア信号Caにより充電用パルス信号Paが生成され、第2の制御信号EcNとキャリア信号Caにより放電用パルス信号Pbが生成されることになる。
【0026】
ゲート回路49は、このPWM制御回路48から出力される充電用パルス信号Paに基づいて充電用スイッチング素子34をオン動作させるためのゲート信号をDC/DCコンバータ33に出力すると共に、充電用パルス信号Pbに基づいて放電用スイッチング素子35をオン動作させるためのゲート信号をDC/DCコンバータ33に出力する。
【0027】
次に、上記構成のエレベータ制御装置の動作を説明する。
【0028】
エレベータの乗りかご14が回生運転を行うと、電動機11は発電機として働き、交流電力を発生する。この交流電力は回生エネルギーとしてインバータ25を介して直流電力に変換され、平滑コンデンサ24に蓄積される。これに伴い、平滑コンデンサ24の端子電圧が増加する。
【0029】
ここで、抵抗チョッパ回路26は平滑コンデンサ24の電圧増加を抑制するために設けられている。制御装置29は、平滑コンデンサ24の電圧増加を監視しており、その電圧値が所定の動作設定レベル以上に増加したら、スイッチング素子27をオンすることで、回生エネルギーを抵抗器28に流し込むように抵抗チョッパ回路26の動作を制御している。なお、この抵抗チョッパ回路26の動作制御は一般的なものである。
【0030】
一方、ハイブリッド駆動系として設けられている充放電制御装置32では、平滑コンデンサ24の端子電圧を電圧検出器31で検出し、図2に示すように電圧検出信号41として入力する。
【0031】
この充放電制御装置32において、充電レベル42は商用電源21の無負荷時整流電圧V2よりも高く、上記抵抗チョッパ回路26の動作設定レベルV1よりも低い値に設定されている。したがって、回生運転時に平滑コンデンサ24の端子電圧がV1以上に増加して抵抗チョッパ回路26がオン動作する前に、蓄電装置30に対する充電動作が開始されることになる。
【0032】
すなわち、引算器44において、電圧検出器31から得られた電圧検出信号41と充電レベル42の差をとり、その差分信号を電圧制御回路22に与えて第1の制御信号EcPを生成する。図3に示したように、PWM制御回路48では、第1の制御信号EcPを充電用として入力し、この第1の制御信号EcPと三角波のキャリア信号Caとに基づいて充電用パルス信号Paを出力する。
【0033】
一方、放電レベル43は、商用電源21の無負荷時整流電圧V2より低い値に設定されている。引算器45において、電圧検出器31から得られた電圧検出信号41と放電レベル43との差をとり、その差分信号を電圧制御回路23に与えて第2の制御信号EcNを生成する。PWM制御回路48では、第2の制御信号EcNを放電用として入力し、この第2の制御信号EcNと三角波のキャリア信号Caとに基づいて放電用パルス信号Pbを出力する。
【0034】
このようにして、PWM制御回路48から出力される充電用パルス信号Paおよび放電用パルス信号Pbは、それぞれゲート回路49で充電用スイッチング素子34と放電用スイッチング素子35のゲート信号に変換される。
【0035】
充放電制御装置32では、直流母線間の電圧(つまり平滑コンデンサ24の両端電圧)が充電レベル42を越えたら一方のゲート信号をオン/オフし、放電レベル43を下回ったら他方のゲート信号をオン/オフする。したがって、充電時に動作するゲート信号をDC/DCコンバータ33に設けられた充電用スイッチング素子34に入力し、放電時に動作するゲート信号をDC/DCコンバータ33に設けられた放電用スイッチング素子35に入力することで、直流母線間の電圧変動に応じて蓄電装置30に対する充放電制御を行うことができる。
【0036】
これにより、回生運転時に生じた電力つまり回生エネルギーを蓄電装置30に蓄積し、力行運転時には、その蓄電装置30に蓄積された回生エネルギーを電源供給ラインに放電して再利用することができ、省電力化を図ることができる。
【0037】
また、直流母線間の電圧が充電レベル42と放電レベル43の間にあるときにはゲート信号が出力されない。よって、充電用スイッチング素子34と放電用スイッチング素子35は共に停止状態となり、その結果、スイッチング損失を低減することができる。
【0038】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0039】
図4は本発明の第2の実施形態に係るエレベータの制御装置の構成を示す図、図5は同実施形態における充放電制御装置の構成を示すブロック図である。
【0040】
図4において、上記第1の実施形態(図1)と異なる点は、ハイブリッド駆動系に蓄電装置30の端子電流を検出するための電流検出器51が設けられていることである。また、充放電制御装置32はこの電流検出器51によって検出される電流値に基づいて蓄電装置30の充放電の制御を行う機能を備えている。
【0041】
図5に第2の実施形態としての充放電制御装置32の構成を示す。なお、図2と同じ部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。図中の52は加算器、53は電流指令、54は電流検出信号、55は引算器、56と57は電流制御回路である。
【0042】
電流検出器51は蓄電装置30の端子に接続され、蓄電装置30の充放電電流を検出する。この電流検出器51によって検出された電流は、電流検出信号54として充放電制御装置32に入力される。一方、この充放電制御装置32には、上記第1の実施形態と同様に、電圧検出器31によって検出された平滑コンデンサ24の両端間の電圧値が電圧検出信号41として入力されている。
【0043】
ここで、第2の実施形態において、充放電制御装置32は、電圧検出信号41と充電レベル42との差分信号に対して電圧制御を行った結果と、電圧検出信号41と充電レベル42との差分信号に対して電圧制御を行った結果とを加算器27で加算し、これを電流指令53として出力する。つまり、電圧制御信号から充放電電流を制御するための電流指令53を生成して出力する。
【0044】
この電流指令53は引算器55にて電流検出器51からの電流検出信号54と比較される。その差分信号を充電時に動作する電流制御回路56と放電時に動作する電流制御回路57にそれぞれ入力することで電流制御を行う。この場合、電流制御回路56からは充電時の電流制御を兼ねた第1の制御信号EcPがPWM制御回路48に出力され、電流制御回路57からは放電時の電流制御を兼ねた第2の制御信号EcNがPWM制御回路48に出力されることになる。
【0045】
以後は、PWM制御回路48のPWM制御により充電用パルス信号Paと放電用パルス信号Pbがそれぞれ生成されゲート回路49に与えられる。そして、ゲート回路49から出力される一方のゲート信号によってDC/DCコンバータ33の充電用スイッチング素子34がオン/オフ制御されて、回生運転時に蓄電装置30に対する充電動作が行われると共に、そのときの充電電流が制御される。
【0046】
放電側も同様であり、ゲート回路49から出力される一方のゲート信号によってDC/DCコンバータ33の放電用スイッチング素子35がオン/オフ制御されて、力行運転時に蓄電装置30に対する放電動作が行われると共に、そのときの放電電流が制御されることになる。
【0047】
このように、第2の実施形態によれば、上記第1の実施形態と同様の作用効果に加えて、さらに、蓄電装置30に対する充放電電流を制御することができる。これにより、制限値を超えるような過電流を蓄電装置30に流すことなく、安定した充放電動作を実現できる。
【0048】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0049】
第3の実施形態は、上記第2の実施形態の充放電制御装置32に設けられた電流制御回路56,57にゲイン制御を加えたことを特徴とする。
【0050】
すなわち、PWM制御回路48から出力される充電用パルス信号Paと放電用パルス信号Pbに基づいて、DC/DCコンバータ33のスイッチング素子34,35をオン/オフ制御する場合に、オン/オフの応答時間の違いにより、充電時に流れる電流値と放電時に流れる電流値が異なることがある。
【0051】
そこで、図6に示すように、充電時に動作する電流制御回路56の制御ゲイン58をDC/DCコンバータ33の充電動作に適した制御応答が得られる値に予め設定しておく。また、放電運転で動作する電流制御回路57の制御ゲイン59についても、DC/DCコンバータ33の放電動作に適した制御応答が得られる値に予め設定しておく。
【0052】
このように、充電制御と放電制御でゲインを調整しておくことで、スイッチング素子34,35のオン/オフの応答時間を揃えて、充電時と放電時に同じレベルの電流を流すことができる。これにより、充放電の一方の動作時に過度の電流が流れるような事態を防いで、安定した充放電動作を実現できる。
【0053】
なお、上記第1の実施形態の構成についても同様であり、図2に示した電圧制御回路46の制御ゲインを充電動作に適した制御応答が得られる値に設定し、電圧制御回路47の制御ゲインを放電動作に適した制御応答が得られる値に設定しておくことで、同様の効果が得られる。
【0054】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0055】
第4の実施形態では、上記第1または第2の実施形態の充放電制御装置32において、充電用の第1の制御信号EcPと放電用の第2の制御信号EcNとのオーバラップを防止する機能を備えることを特徴とする。
【0056】
通常は蓄電装置30の充電動作と放電動作が同じタイミングで行われることはないが、何らかの原因で同時期に行われる可能性がある。例えば、充電中に急に力行運転に切り替わり、放電の指令(第2の制御信号EcN)が出力されてしまうような場合である。また、その逆に、放電中に急に回生運転に切り替わり、充電の指令(第2の制御信号EcN)が出力されてしまうような場合である。
【0057】
このような場合、図7(a)に示すように、充電用の第1の制御信号EcPと放電用の第2の制御信号EcNが重なり合い、PWM制御回路48およびゲート回路49を通じてDC/DCコンバータ33のスイッチング素子34,35の両方を同時にオンするようなゲート信号が出力される。その結果、スイッチング素子34,35の両方が同時にオンすすると、スイッチが短絡してDC/DCコンバータ33が故障してしまう。
【0058】
そこで、図8に示すように、充放電制御装置32内のPWM制御回路48の前端に非オーバラップ回路60を設けておく。この非オーバラップ回路60は、電圧制御回路46または電流制御回路56から出力される充電用の第1の制御信号EcPと、電圧制御回路47または電流制御回路57から出力される放電用の第2の制御信号EcNが重なることを防止するための回路である。
【0059】
具体的には、図7(b)に示すように、充電用の第1の制御信号EcPと放電用の第2の制御信号EcNが重なり合うような場合に、両信号の接近状態を検知して、充電用の第1の制御信号EcPの出力を優先するように、放電用の第2の制御信号EcNの出力を制限する。これにより、PWM制御回路48およびゲート回路49を通じてDC/DCコンバータ33のスイッチング素子34,35の両方を同時にオンするようなゲート信号が出力されることが避けられ、その結果、スイッチの短絡を防いで正常な充放電動作を行うことができる。
【0060】
なお、充電用の第1の制御信号EcPと放電用の第2の制御信号EcNのオーバラップを回避する場合に、放電用の第2の制御信号EcNを優先して充電用の第1の制御信号EcPの出力を制限することもでも良い。
【0061】
ただし、両信号がオーバラップする場合に、充電用の第1の制御信号EcPの方を優先することが好ましい。これは、力行運転時に放電動作を中止したとしても、商用電源21の電力を利用してエレベータを通常通り駆動することができるからである。また、このようなオーバラップ状態は直ぐに回避されるため、一時的に放電動作を中止しても特に問題はなく、それよりも次回に備えて充電しておく方が合理的であるからである。
【0062】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
【0063】
図9は本発明の第5の実施形態に係るエレベータの制御装置の構成を示す図である。なお、基本的な構成は、上記第1の実施形態における図1の構成と同様であるため、ここでは異なる点についてのみ説明する。
【0064】
商用電源21の出力端には、通常、送電線または変圧器の線路インピーダンス22が設けられている。ところが、この線路インピーダンス22が小さいと、電動機11が力行運転で電力を消費しても、平滑コンデンサ24の端子電圧が減少せずに、DC/DCコンバータ33を正常に放電動作できないおそれがある。
【0065】
そこで、図9に示すように、線路インピーダンス22と直列にリアクトルなどからなるインピーダンス61を接続しておく。このインピーダンス61は予め実験等により電圧減少を期待できる最適な値に設定される。これにより、電動機11の力行運転で平滑コンデンサ24の端子電圧つまり直流母線間の電圧が減少するようになり、その電圧減少でDC/DCコンバータ33を駆動して、蓄電装置30に蓄積されたエネルギーを放電することができる。
【0066】
なお、上記第2の実施形態の構成でも同様であり、図4において、線路インピーダンス22にインピーダンス61を直列接続することで、上記同様の効果が得られる。
【0067】
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
【0068】
図10は本発明の第6の実施形態に係るエレベータの制御装置の構成を示す図である。なお、基本的な構成は、上記第1の実施形態における図1の構成と同様であるため、ここでは異なる点についてのみ説明する。
【0069】
上述したように、商用電源21の出力端に設けられた線路インピーダンス22が小さいと、電動機11が力行運転で電力を消費しても、平滑コンデンサ24の端子電圧が減少せずに、DC/DCコンバータ33を正常に放電動作できないおそれがある。
【0070】
上記第5の実施形態では、整流器23の入力端つまり交流電圧側に所定のインピーダンス61を直列接続することで、このような問題を解決した。これに対し、第6の実施形態では、図10に示すように、整流器23の出力端つまり直流電圧側にインピーダンス62を直列に接続しておく点で異なる。このインピーダンス62は予め実験等により電圧減少を期待できる最適な値に設定される。
【0071】
このように、直流電圧側にインピーダンス62を設けておくことで、上記第5の実施形態と同様に、線路インピーダンス22が小さい場合でも、電動機11の力行運転で平滑コンデンサ24の端子電圧つまり直流母線間の電圧が減少するようになり、その電圧減少でDC/DCコンバータ33を駆動して、蓄電装置30に蓄積されたエネルギーを放電することができる。
【0072】
なお、図10の例では、インピーダンス62を整流器23の一端側に設けたが、図11のように整流器23の他端側に設けることでも同様の効果が得られる。
【0073】
また、上記第2の実施形態の構成でも同様であり、図4において、整流器23にインピーダンス62を直列接続することで、上記同様の効果が得られる。
【0074】
さらに、各実施形態において、蓄電装置30としては、例えば鉛蓄電池やニッケル水素電池またリチウムイオン電池といった二次電池や、電気二重層キャパシタといった大容量キャパシタを使用することができる。
【0075】
要するに、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の形態を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を省略してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】図1は本発明の第1の実施形態に係るエレベータの制御装置の構成を示す図である。
【図2】図2は同実施形態における充放電制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は同実施形態における充放電制御装置に設けられたPWM制御回路の動作を説明するための図である。
【図4】図4は本発明の第2の実施形態に係るエレベータの制御装置の構成を示す図である。
【図5】図5は同実施形態における充放電制御装置の構成を示すブロック図である。
【図6】図6は本発明の第3の実施形態に係る充放電制御装置のゲイン制御部分の構成を示す図である。
【図7】図7は充電用の第1の制御信号EcPと放電用の第2の制御信号EcNとのオーバラップ現象を説明するための図である。
【図8】図8は本発明の第4の実施形態に係る充放電制御装置に設けられたオーバラップ回路部分の構成を示す図である。
【図9】図9は本発明の第5の実施形態に係るエレベータの制御装置の構成を示す図である。
【図10】図10は本発明の第6の実施形態に係るエレベータの制御装置の構成を示す図である。
【図11】図11は本発明の第6の実施形態に係るエレベータの制御装置の他の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0077】
11…電動機、12…シーブ、13…ロープ、14…乗りかご、15…カウンタウェイト、21…商用電源、22…線路インピーダンス、23…整流器、24…平滑コンデンサ、25…インバータ、26…抵抗チョッパ回路、27…スイッチング素子、28…抵抗器、29…制御装置、30…蓄電装置、31…電圧検出器、32…充放電制御装置、33…DC/DCコンバータ、34…充電用スイッチング素子、35…放電用スイッチング素子、36…直流リアクトル、41…電圧検出信号、42…充電レベル、43…放電レベル、44…引算器、45…引算器、46…電圧制御回路、47…電圧制御回路、48…PWM制御回路、49…ゲート回路、51…電流検出器、52…加算器、53…電流指令、54…電流検出信号、55…引算器、56…電流制御回路、57…電流制御回路、58…制御ゲイン、59…制御ゲイン、60…非オーバラップ回路、61…インピーダンス、62……インピーダンス。




 

 


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