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発明の名称 エレベータのケーブル固定装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−31057(P2007−31057A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−216028(P2005−216028)
出願日 平成17年7月26日(2005.7.26)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 櫻井 正樹 / 藤田 善昭
要約 課題
エレベータ駆動時に生じるケーブルの振動を確実に抑制し、その振動が床面へ伝搬して騒音を招くことを防止する。

解決手段
エレベータのインバータ装置と電動機とを結線するケーブル22a〜22cに沿って複数個のケーブル固定装置21を一定間隔で配置する。このケーブル固定装置21は固定プレート31,32からなり、ケーブル22a〜22cを横一列に並べて挟持するための複数の溝部を有する。ケーブル22a〜22cを各溝部に挟み込んだ状態で固定プレート32をケーブル設置面30に固定する。これにより、駆動時に生じるケーブル22a〜22cの振動を抑制でき、また、その振動がケーブル設置面30を伝わって騒音を招くといったことを防止できる。
特許請求の範囲
【請求項1】
インバータ装置と電動機とを結線する少なくとも2本以上のケーブルを固定するためのケーブル固定装置であって、
上記各ケーブルを横一列に並べて挟持するための複数の溝部が形成された固定部材を備え、上記各ケーブルを上記各溝部に挟み込んだ状態で上記固定部材の底部を所定の設置面に固定するように構成されたエレベータのケーブル固定装置。
【請求項2】
エレベータのインバータ装置と電動機とを結線する少なくとも2本以上のケーブルを固定するためのケーブル固定装置であって、
上記各ケーブルを上下に交互に並べて挟持するための複数の溝部が形成された固定部材を備え、上記各ケーブルを上記各溝部に挟み込んだ状態で上記固定部材の底部を所定の設置面に固定するように構成されたエレベータのケーブル固定装置。
【請求項3】
上記複数の溝部は、互いに所定の間隔を空けて配設されていることを特徴とする請求項1または2記載のエレベータのケーブル固定装置。
【請求項4】
上記所定の間隔は、少なくとも上記各ケーブルの直径以上であることを特徴とする請求項3記載のエレベータのケーブル固定装置。
【請求項5】
上記複数の溝部は、上記各ケーブルの直径と略同じサイズで円形状に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のエレベータのケーブル固定装置。
【請求項6】
上記複数の溝部は、上記各ケーブルの直径と略同じサイズで矩形状に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のエレベータのケーブル固定装置。
【請求項7】
上記固定部材の底部に、上記各ケーブルの振動が上記固定部材を介して上記設置面に伝搬することを防ぐための防振部材が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のエレベータのケーブル固定装置。
【請求項8】
上記複数の溝部に、上記各ケーブルを密着させるための密着部材が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のエレベータのケーブル固定装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータ装置から電動機へ配線される複数本のケーブルを固定するためのエレベータのケーブル固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のビルの高層化に伴い、エレベータの高速化や大容量化の要求が高まり、例えば1000m/分を超える超高速エレベータや、大量輸送が可能な2階建て構造のダブルデッキエレベータなどが普及して来た。
【0003】
一般に、エレベータの駆動には誘導電動機または同期電動機が用いられ、その駆動には主としてインバータ装置が用いられる。特に、上述した超高速エレベータやダブルデッキエレベータなどのように、大きな動力を必要とするエレベータでは、2台のインバータ装置を用いて大容量の電動機を駆動することが行われている。
【0004】
ここで、インバータ装置とケーブル振動との関係について説明する。
【0005】
図13に示すように、エレベータのインバータ装置1は、ビルの機械室内の床面2上に設置される。このインバータ装置1と図示せぬ電動機との間に配線ダクト4に沿って三相ケーブル3が敷設されている。
【0006】
エレベータの駆動時には、この三相ケーブル3を介してインバータ装置1から電動機に対して三相の駆動電力(U,V,W)が供給されて電動機が回転する。この電動機の回転に伴い、エレベータの乗りかごが電動機に巻回されたロープを介して昇降動作することになる。
【0007】
ここで、インバータ装置1から電力供給を行っているとき、三相ケーブル3に振動を伴う電磁力が作用し、その電磁力によって大きく振動する問題がある。特に、2台のインバータ装置1を用いて電動機を駆動するシステムでは、図14に示すように、2系統の三相ケーブル3a,3bをまとめて配設した際に、互いの電磁力が複合されて、より大きな振動が生じるといった問題がある。
【0008】
このような電磁力によって生じるケーブルの振動は、配線ダクト4を伝わって床面2全体に伝搬し、大きな騒音を招く。また、振動によりケーブル同士がぶつかり合い、損傷するといった問題もある。
【0009】
従来、このようなケーブルの振動を抑制する方法として、特許文献1に開示されている方法が知られている。この特許文献1では、インバータ装置から出力される三相ケーブルにアース処理を施して、インバータ装置のスイッチング動作に伴って発生する高周波数成分を電気的に抑制することが開示されている。
【特許文献1】特開平11−18487号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1のように電気的に振動を抑制する方法では、高周波成分の振動は抑制できたとしても、低周波成分の振動が残り、それが床面全体に伝播してしまうことになる。特に、大容量の電動機を用い、これを2台のインバータ装置で駆動するようなエレベータシステムでは、その振動が非常に大きくなるため、電気的に解決することは難しい。
【0011】
また、エレベータでは、通常のモータのように常に一定速度で駆動されるわけではなく、乗りかごの走行パターン(加速、定速、減速)に合わせて電動機が変則的に駆動される。それに伴い、ケーブルの振動も大きく変動するため、それを確実に抑制する対策が必要となる。
【0012】
本発明は上記のような点に鑑みなされたもので、エレベータ駆動時に生じるケーブルの振動を確実に抑制し、その振動が床面へ伝搬して騒音を招くことを防止することのできるエレベータのケーブル固定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の観点によるエレベータのケーブル固定装置は、エレベータのインバータ装置と電動機とを結線する少なくとも2本以上のケーブルを固定するためのケーブル固定装置であって、上記各ケーブルを横一列に並べて挟持するための複数の溝部が形成された固定部材を備え、上記各ケーブルを上記各溝部に挟み込んだ状態で上記固定部材の底部を所定の設置面に固定するように構成される。
【0014】
このような構成によれば、インバータ装置と電動機とを結線する複数本のケーブルを横一列に並べた状態で所定の設置面に固定することができる。これにより、エレベータ駆動時に生じるケーブルの振動を抑制でき、また、その振動が設置面を伝わって騒音を招くといったことを防止できる。
【0015】
また、本発明の第2の観点によるエレベータのケーブル固定装置は、エレベータのインバータ装置と電動機とを結線する少なくとも2本以上のケーブルを固定するためのケーブル固定装置であって、上記各ケーブルを上下に交互に並べて挟持するための複数の溝部が形成された固定部材を備え、上記各ケーブルを上記各溝部に挟み込んだ状態で上記固定部材の底部を所定の設置面に固定するように構成される。
【0016】
このような構成によれば、インバータ装置と電動機とを結線する複数本のケーブルを上下に交互に並べた状態で所定の設置面に固定することができる。これにより、エレベータ駆動時に生じるケーブルの振動を抑制でき、また、その振動が設置面を伝わって騒音を招くといったことを防止できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、インバータ装置と電動機とを結線する複数本のケーブルをまとめて所定の設置面に固定することができる。これにより、エレベータ駆動時に生じるケーブルの振動を抑制し、その振動が設置面を伝わって騒音を招くことを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は本発明のケーブル固定装置が適用されるエレベータの制御システムの構成を示す図であり、多重巻線型の電動機を用いた場合のシステム構成を示す図である。
【0020】
図1において、電動機11は多重巻線型であり、独立して回転子を駆動可能な少なくとも2つ以上の巻線を有する。図1の例では、2つの巻線12a,12bを有する電動機1が示されている。この電動機11は、2つのインバータ装置13a,13bによって駆動される。
【0021】
インバータ装置13aは、コンバータ14a、平滑コンデンサ15a、インバータ16aを含むA系統の電力変換回路と、これらの動作を制御するためのコンバータ制御回路17aとインバータ制御回路18aとで構成される。
【0022】
コンバータ14aは、交流電源10の三相交流電圧を直流電圧に変換する機能を備える。インバータ16aは、このコンバータ14aから出力される直流電圧信号を平滑コンデンサ15aを介して入力し、その直流電圧信号に基づいて所定周波数にパルス幅変調した三相(U相,V相,W相)の交流電圧信号UA,VA,WAを生成する。
【0023】
インバータ装置13bについても同様の構成である。すなわち、インバータ装置13bは、コンバータ14b、平滑コンデンサ15b、インバータ16bを含むB系統の電力変換回路と、これらの動作を制御するためのコンバータ制御回路17bとインバータ制御回路18bとで構成される。
【0024】
コンバータ14bは、交流電源10の三相交流電圧を直流電圧に変換する機能を備える。インバータ16bは、このインバータ16bから出力される直流電圧信号を平滑コンデンサ15aを介して入力し、その直流電圧信号に基づいて所定周波数にパルス幅変調した三相(U相,V相,W相)の交流電圧信号UB,VB,WBを生成する。
【0025】
この2つのインバータ装置13a,13bは、エレベータ制御用のコンピュータ19の指示に従って動作する。このコンピュータ19は、乗りかごの運転制御など、エレベータ全体の制御を行うものであって、CPU、ROM、RAMなどから構成されている。
【0026】
A系統側のインバータ装置13aと電動機11は、三相ケーブル20aによって結線されている。インバータ装置13aから出力される三相(U相,V相,W相)の交流電圧信号UA,VA,WAは、この三相ケーブル20aを構成する3本のケーブルを介して電動機11の巻線12a,12bに供給される。
【0027】
B系統側のインバータ装置13bと電動機11についても同様であり、両者間は三相ケーブル20bによって結線されている。インバータ装置13bから出力される三相(U相,V相,W相)の交流電圧信号UB,VB,WBは、この三相ケーブル20bを構成する3本のケーブルを介して電動機11の巻線12a,12bに供給される。
【0028】
ここで、インバータ装置13aと電動機11との間において、複数個のケーブル固定装置21が三相ケーブル20aに沿って一定の間隔で配置されている。同様に、インバータ装置13bと電動機11との間においても、複数個のケーブル固定装置21が三相ケーブル20bに沿って一定の間隔で配置されている。これらのケーブル固定装置21は、三相ケーブル20a,20bをそれぞれに3本一組で床面などに固定するための固定器具である。
【0029】
以下に、このケーブル固定装置21について詳しく説明する。
【0030】
図2は本発明の第1の実施形態に係るケーブル固定装置21の構成を示す図、図3はケーブル固定装置21を図2のA−A方向から見た場合の構成を示す図である。なお、図中のケーブル22a〜22cは、図1に示したA系統の三相ケーブル20aまたはB系統の三相ケーブル20bに対応している。
【0031】
図2に示すように、ケーブル固定装置21は、一対の固定プレート31と固定プレート32とで構成される。固定プレート31,32は、例えば金属などの剛体からなり、ケーブル22a〜22cを挟持して所定のケーブル設置面30に固定するための固定部材として用いられる。ケーブル設置面30とは、図13に示す機械室の床面2、あるいは、その床面下に敷設された配線ダクト4などである。
【0032】
図3に示すように、固定プレート31と固定プレート32との当接面には、ケーブル22a〜22cを横一列に挟持するための溝33a〜33c、34a〜34cが形成されている。これらの溝33a〜33c、34a〜34cは断面が略半円形状であり、固定プレート31,32を重ねたときに、ケーブル外形に略等しい円形をなす。
【0033】
ケーブル22a〜22cは、この溝33a〜33cと溝34a〜34cによって構成される円形状の溝部に挟み込まれる。この状態で締付ボルト35により固定プレート31と固定プレート32を締め付け、固定プレート32のフランジ部32aに設けられるアンカーボルト36によってケーブル設置面30に固定する。
【0034】
ここで、ケーブル22a〜22cは、それぞれに所定の間隔を空けて固定される。この場合、ケーブルの直径をD1、各溝部の間隔をD2とすると、D2は少なくともD1以上である(D2≧D1)。これは、ケーブル22a〜22cをあまり近づけて固定すると、互いの電磁力が干渉し合って、大きな振動が生じる可能性があるためである。
【0035】
なお、ケーブル固定装置21の奥行きサイズ(図2に示す長手方向の長さD3)については特に限定されないが、設置スペースなどの問題もあるため、ある程度の長さ(例えば、横幅と同じサイズ)の範囲内で設計される。
【0036】
このような構成のケーブル固定装置21を複数個用い、ケーブル22a〜22cに沿って一定の間隔で配置することでケーブル22a〜22cをケーブル設置面30に固定する。これにより、エレベータ駆動時に振動を伴う電磁力がケーブル22a〜22cに作用しても、その振動をケーブル固定装置21の挟持力で抑制することができる。その結果、ケーブル22a〜22cの振動が床面全体に伝搬して大きな騒音を招いたり、また、ケーブル同士がぶつかり合って損傷するといったことを防止できる。
【0037】
(変形例1)
なお、上記第1の実施形態では、ケーブル固定装置21がケーブル22a〜22cを横一列に並べて挟持する構成であったが、ケーブル22a〜22cを上下交互に並べて挟持する構成であっても良い。
【0038】
図4にその一例を示す。ケーブル固定装置21の固定プレート31を上下2段とする。そして、上段プレート31aと下段プレート31bでケーブル挟持用の溝部37a,37cを形成し、ケーブル22aとケーブル22cを少なくともD2の間隔を空けて挟持する構成とする。一方、下段プレート31bと固定プレート32でケーブル挟持用の溝部37bを形成し、ケーブル22bをケーブル22a,22cから少なくともD2の間隔を空けて挟持する構成とする。
【0039】
また、別の例として、上段プレート31aと下段プレート31bでケーブル22bを挟持し、下段プレート31bと固定プレート32でケーブル22a,22cを挟持するような構成でも良い。
【0040】
このように、ケーブル22a〜22cを上下交互に並べて挟持する構成とすれば、ケーブル固定装置21の横幅サイズを図3の構成よりも短くできるので、ケーブル固定装置21の設置スペースを広く必要とせずに、ケーブル22a〜22cをケーブル設置面30に固定できるといった利点がある。
【0041】
(変形例2)
また、図5に示すように、溝部38a〜38cを矩形状にすることでも良い。この矩形状の溝部38a〜38cは、固定プレート31と固定プレート32との当接面に形成されたコの字形状の溝を互いに重ね合わせることで構成される。また、これらの溝部38a〜38cはケーブルの直径D1のサイズに合わせて設計される。これにより、矩形状の溝部38a〜38cであっても、ケーブル22a〜22cを挟持して固定することができる。
【0042】
なお、図4に示したような多段支持型のケーブル固定装置に矩形状の溝部38a〜38cを用いても良い。
【0043】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図6および図7を参照して説明する。
【0044】
図6は本発明の第2の実施形態に係るケーブル固定装置21の構成を示す図、図7はケーブル固定装置21を図6のA−A方向から見た場合の構成を示す図である。なお、図中のケーブル22a〜22cは、図1に示したA系統の三相ケーブル20aまたはB系統の三相ケーブル20bに対応している。
【0045】
上記第1の実施形態(図3および図4)と同じ部分には同一符号を付し、その詳しい説明は省略するものとする。
【0046】
ケーブル固定装置21は、2つの固定プレート31,32からなり、それぞれの当接面に半円形状の溝33a〜33c、34a〜34cを有する。これらの溝33a〜33c、34a〜34cは、固定プレート31と固定プレート32とを重ね合わせたときにケーブル22a〜22cを横一列に挟持するための円形状の溝部を構成する。これらの溝部にケーブル22a〜22cを挟み込み、固定プレート31と固定プレート32を締付ボルト35にて締め付け、アンカーボルト36によってケーブル設置面30に固定する。ケーブル設置面30とは、図13に示す機械室の床面2、あるいは、その床面下に敷設された配線ダクト4などである。
【0047】
ここで、第2の実施形態において、ケーブル固定装置21の底部つまり固定プレート32の底面に、振動を防止するための防振部材41が設けられている。この防振部材41は、例えばゴムなどの弾性体からなる。
【0048】
このように、固定プレート32の底面に防振部材41を配しておくことで、ケーブルが大きく振動した場合でも、その振動がケーブル固定装置21を介してケーブル設置面30に伝搬することを防ぐことができる。その結果、ケーブルの振動がケーブル固定装置21を介してケーブル設置面30に広がって大きな騒音を招くといった問題を解消できる。
【0049】
なお、防振部材41としては、ゴムなどの弾性体に限定されるものではない。要は、ケーブルの振動がケーブル固定装置21を介してケーブル設置面30に伝わることを抑制可能な部材であれば、どのようなものであっても良い。ただし、例えば粘土などのように可塑性を有する部材は除かれる。
【0050】
また、この防振部材41は、図4に示した多段支持型のケーブル固定装置や、図5に示した矩形状の溝部を有するケーブル固定装置にも適用可能であり、この場合も上記同様の効果が得られる。
【0051】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について、図8および図9を参照して説明する。
【0052】
図8は本発明の第3の実施形態に係るケーブル固定装置21の構成を示す図、図9はケーブル固定装置21を図8のA−A方向から見た場合の構成を示す図である。なお、図中のケーブル22a〜22cは、図1に示したA系統の三相ケーブル20aまたはB系統の三相ケーブル20bに対応している。
【0053】
上記第1の実施形態(図3および図4)と同じ部分には同一符号を付し、その詳しい説明は省略するものとする。ケーブル固定装置21は、2つの固定プレート31,32からなり、それぞれの当接面に半円形状の溝33a〜33c、34a〜34cを有する。これらの溝33a〜33c、34a〜34cは、固定プレート31と固定プレート32とを重ね合わせたときにケーブル22a〜22cを横一列に挟持するための円形状の溝部を構成する。これらの溝部にケーブル22a〜22cを挟み込み、固定プレート31と固定プレート32を締付ボルト35にて締め付け、アンカーボルト36によってケーブル設置面30に固定する。ケーブル設置面30とは、図13に示す機械室の床面2、あるいは、その床面下に敷設された配線ダクト4などである。
【0054】
ここで、第3の実施形態では、ケーブル固定装置21の底部つまり固定プレート32の底面に振動を防止するための防振部材41が設けられていることに加え、さらに溝33a〜33c、34a〜34cの表面に密着性を高めるための密着部材42が設けられている。防振部材41は、例えばゴムなどの弾性体からなる。また、密着部材42についても素材的には防振部材41と同様であり、例えばゴムなどの弾性体からなる。
【0055】
このように、固定プレート32の底面に防振部材41を配しておくことで、ケーブルが大きく振動した場合でも、その振動がケーブル固定装置21を介してケーブル設置面30に伝搬することを防ぐことができる。その結果、ケーブルの振動がケーブル固定装置21を介してケーブル設置面30に広がって大きな騒音を招くといった問題を解消できる。
【0056】
また、ケーブル固定部位である溝33a〜33c、34a〜34cの表面に密着部材42を配しておくことで、ケーブルの振動をより緩和できる。さらに、固定時にケーブルに傷を付けずに固定できると共に、ケーブルが溝部に接触して損傷することを防止することができる。
【0057】
なお、防振部材41としては、ゴムなどの弾性体に限定されるものではない。要は、ケーブルの振動がケーブル固定装置21を介してケーブル設置面30に伝わることを抑制可能な部材であれば、どのようなものであっても良い。ただし、例えば粘土などのように可塑性を有する部材は除かれる。
【0058】
また、密着部材42についても、ゴムなどの弾性体に限定されるものではない。要は、ケーブルと溝部との密接性を高めることのできる部材であれば、どのようなものであっても良い。ただし、例えば粘土などのように可塑性を有する部材は除かれる。
【0059】
また、この防振部材41および密着部材42は、図4に示した多段支持型のケーブル固定装置や、図5に示した矩形状の溝部を有するケーブル固定装置にも適用可能であり、この場合も上記同様の効果が得られる。特に、図5に示した矩形状の溝部に密着部材42を適用すれば、矩形状の溝部とケーブルとの隙間を埋めて密着性を高めることができる。
【0060】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について、図10および図11を参照して説明する。
【0061】
図10は本発明の第4の実施形態に係るケーブル固定装置51の構成を示す図、図11はケーブル固定装置51を図10のA−A方向から見た場合の構成を示す図である。なお、図中のケーブル22a〜22cは、図1に示したA系統の三相ケーブル20aの三相ケーブルに対応している。また、ケーブル23a〜23cは、図1に示したB系統の三相ケーブル20bに対応している。
【0062】
上記第1〜第3の実施形態では、ケーブル固定装置21がA系統とB系統の三相ケーブルを別々に固定する構成であった。これに対し、第4の実施形態におけるケーブル固定装置51はA系統の三相ケーブルとB系統の三相ケーブルをまとめて固定可能な構成を有する。
【0063】
すなわち、図10に示すように、ケーブル固定装置51は多段支持型構成であり、3つの固定プレート52〜53からなる。これらの固定プレート52〜53は、例えば金属からなる。ここでは、1段目の固定プレート52と2段目の固定プレート53とでB系統のケーブル23a〜23cを3本一組で挟持し、2段目の固定プレート53と3段目の固定プレート54とでA系統のケーブル22a〜22cを3本一組で挟持する例が示されている。
【0064】
図11に示すように、固定プレート52と固定プレート53との当接面には、ケーブル挟持用の溝部55a〜55cを構成する半円形状の溝が所定の間隔D2を空けて形成されている。同様に、固定プレート53と固定プレート54との当接面に対しても、ケーブル挟持用の溝部56a〜56cを構成する半円形状の溝が所定の間隔D2を空けて形成されている。
【0065】
溝部55a〜55cと溝部56a〜56cは、それぞれにケーブル外形に略等しい円形をなし、互いに上下交互に配設されている。これらの間隔D2は少なくともD1以上である(D2≧D1)。これは、各ケーブルをあまり近づけて固定すると、互いの電磁力が干渉し合って、大きな振動が生じる可能性があるためである。
【0066】
なお、ケーブル固定装置51の奥行きサイズ(図10に示す長手方向の長さD3)については特に限定されないが、他の実施形態と同様に設置スペースなどの問題もあるため、ある程度の長さ(例えば、横幅と同じサイズ)の範囲内で設計されているものとする。
【0067】
また、ケーブル固定装置51の底部つまり3段目の固定プレート54の底面には、上記第2の実施形態で説明した防振部材41が設けられている。さらに、ケーブル固定装置51の溝部55a〜55c、溝部56a〜56cの表面には、上記第3の実施形態で説明した密着部材42が設けられている。
【0068】
このような構成のケーブル固定装置51を複数個用いて、A系統のケーブル22a〜22cとB系統のケーブル23a〜23cに沿って一定間隔配置することで、両系統の三相ケーブルをまとめて固定する。
【0069】
すなわち、例えば下段の溝部56a〜56cにA系統のケーブル22a〜22cを挟み込むようにして固定プレート53と固定プレート54とを重ね合わせる。また、上段の溝部55a〜55cにB系統のケーブル23a〜23cを挟み込むようにして固定プレート52と固定プレート53とを重ね合わせる。この状態で、各固定プレート52〜54を締付ボルト57にて締め付け、フランジ部54aに設けられるアンカーボルト58によってケーブル設置面30に固定する。ケーブル設置面30とは、図13に示す機械室の床面2、あるいは、その床面下に敷設された配線ダクト4などである。
【0070】
このように、多段支持型のケーブル固定装置51を用いて両系統の三相ケーブルをまとめて挟持してケーブル設置面30に固定することでも、上記第1の実施形態と同様に、電動機11の駆動時に振動を伴う電磁力がケーブルに作用した場合に、その振動をケーブル固定装置51の挟持力で抑制することができる。その結果、従来のようにケーブルの振動が床面全体に伝搬して大きな騒音を招いたり、また、ケーブル同士がぶつかり合って損傷するといったことを防止できる。
【0071】
また、固定プレート54の底面に防振部材41を配しておけば、ケーブルが大きく振動した場合でも、その振動がケーブル固定装置51を介してケーブル設置面30に伝搬することを防ぐことができる。その結果、ケーブルの振動がケーブル固定装置51を介してケーブル設置面30に広がって大きな騒音を招くといった問題を解消できる。
【0072】
また、ケーブル固定部位である溝部の表面に密着部材42を配しておけば、ケーブルの振動をより緩和できる。また、ケーブルに傷を付けずに固定できると共に、ケーブルが溝部に接触して損傷することを防止できる。
【0073】
さらに、このケーブル固定装置51では、A系統とB系統の三相ケーブルをまとめて固定することができるので、限られた設置スペース内で各ケーブルを効率的に固定できるといった利点がある。
【0074】
なお、上記第4の実施形態では、ケーブル固定装置51の溝部55a〜55c,溝部56a〜56cを円形状としたが、図5に示したような矩形状としても良い。矩形状の溝部とした場合には、密着部材42を介在させることで、ケーブルとの密着性を高めることができる。
【0075】
また、上述したケーブル固定装置21やケーブル固定装置51は、電動機の定格出力が100kW以上のインバータ装置の出力ケーブルに特に有効である。これは、電動機の定格出力が100kW以上のインバータ装置では、電磁力によるケーブルの振動が顕著に現れるからである。よって、このような大きな電力を有するインバータ装置の出力ケーブルに適用することで、駆動時のケーブル振動を抑えて快適な駆動環境を実現できる。
【0076】
また、タンデム型の電動機を駆動するインバータ装置の出力ケーブルに、上述したケーブル固定装置21やケーブル固定装置51を適用することでも良い。
【0077】
図12にタンデム型の電動機11a,11bを示す。タンデム型の電動機11a,11bは、独立した少なくとも2つ以上の巻線12a,12bが同一回転軸に縦に並んで配置される。三相ケーブル20a,20bは、インバータ装置13a,20bの出力部とタンデム型の電動機11a,11bにおける巻線12a,12bの入力部とを結線する。
【0078】
このようなタンデム型の電動機11a,11bを駆動するインバータ装置13a,20bの出力ケーブル20a,20bに対し、上述したケーブル固定装置21やケーブル固定装置51を適用した場合でも、上記各実施形態と同様にケーブル振動を抑制して、騒音を低減できるといった効果が奏せられる。
【0079】
また、本発明のケーブル固定装置は、1本のケーブルを固定する場合でも適用可能である。ただし、2本以上のケーブルが配線されている環境では、互いの電磁力が干渉し合ってより大きな振動が生じる問題がある。よって、少なくとも2本以上のケーブルを固定可能な構成としておくことが好ましい。
【0080】
さらに、本発明のケーブル固定装置は、エレベータ以外であっても、ケーブルの固定を必要とする分野であれば、その全てに適用可能である。ただし、エレベータでは、乗りかごの走行パターン(加速、定速、減速)に合わせて電動機が変則的に駆動される。それに伴い、ケーブルの振動も大きく変動する。よって、このような変則的なケーブル振動を確実に抑制する対策として、本発明のケーブル固定装置は特に有効的である。
【0081】
要するに、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】図1は本発明のケーブル固定装置が適用されるエレベータの制御システムの構成を示す図であり、多重巻線型の電動機を用いた場合のシステム構成を示す図である。
【図2】図2は本発明の第1の実施形態に係るケーブル固定装置の構成を示す図である。
【図3】図3は同実施形態におけるケーブル固定装置を図2のA−A方向から見た場合の構成を示す図である。
【図4】図4は同実施形態におけるケーブル固定装置の変形例として上下2段型のケーブル固定装置の構成を示す図である。
【図5】図5は同実施形態におけるケーブル固定装置の変形例として矩形状の溝部を有するケーブル固定装置の構成を示す図である。
【図6】図6は本発明の第2の実施形態に係るケーブル固定装置の構成を示す図である。
【図7】図7は同実施形態におけるケーブル固定装置を図6のA−A方向から見た場合の構成を示す図である。
【図8】図8は本発明の第3の実施形態に係るケーブル固定装置の構成を示す図である。
【図9】図9は同実施形態におけるケーブル固定装置を図8のA−A方向から見た場合の構成を示す図である。
【図10】図10は本発明の第4の実施形態に係るケーブル固定装置の構成を示す図である。
【図11】図11は同実施形態におけるケーブル固定装置を図10のA−A方向から見た場合の構成を示す図である。
【図12】図12は本発明のケーブル固定装置が適用されるエレベータの制御システムの構成を示す図であり、タンデム型の電動機を用いた場合のシステム構成を示す図である。
【図13】図13はエレベータのインバータ装置とケーブル振動との関係を説明するための図である。
【図14】図14は2台のインバータ装置を用いた場合のケーブル設置状態を示す図である。
【符号の説明】
【0083】
10…交流電源、11…多重巻線型の電動機、12a,12b…巻線、13a,13b…インバータ装置、14a,14b…コンバータ、15a,15b…平滑コンデンサ、16,16b…インバータ、17a,17b…コンバータ制御回路、18a,18b…インバータ制御回路、19…エレベータ制御用のコンピュータ、20a,20b…三相ケーブル、21…ケーブル固定装置、22a〜22c…ケーブル、23a〜23c…ケーブル、30…ケーブル設置面、31,32…固定プレート、32a…フランジ部、33a〜33c,34a〜34c…溝、35…締付ボルト、36…アンカーボルト、37a〜37c…円形状の溝部、38a〜38c…矩形状の溝部、41…防振部材、42…密着部材、51…ケーブル固定装置、52〜54…固定プレート、54a…フランジ部、55a〜55c,56a〜56c…溝部、57…締付ボルト、58…アンカーボルト。




 

 


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