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発明の名称 エレベータ制御装置及びエレベータ運転方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1712(P2007−1712A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−183399(P2005−183399)
出願日 平成17年6月23日(2005.6.23)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 野島 秀一
要約 課題
ある系統の電力変換装置の異常時に他系統電力変換装置の出力を有効に利用する。

解決手段
各系統となる隣接エレベータの直流電圧ライン間に設けた回生エネルギー供給開閉手段11P,11Nと、系統ごとにインバータ5A,5Bと電動機8A,8Bの間に設けたインバータ出力供給開閉手段12〜15と、複数の系統のインバータ出力供給開閉手段12〜15間に設けた他系電力供給開閉手段16と、一方系統が回生運転、他系統が力行運転時、回生エネルギー供給開閉手段を閉とし、回生エネルギーを他系統の直流電圧ラインに流す第1の運転制御手段18aと、電力変換装置の異常時、異常側系統のインバータ出力供給開閉手段を通して異常系統側の電力変換装置2Aから電動機8Aを切り離し、かつ他系電力供給開閉手段を閉とし、正常側インバータ5Bで得られる電力を異常系統側電動機8Aに供給する第2の運転制御手段18bとを設けたエレベータ制御装置である。
特許請求の範囲
【請求項1】
三相交流入力電源を整流するダイオードブリッジコンバータと、このダイオードブリッジコンバータで整流された整流電圧を平滑化する平滑コンデンサと、平滑された直流電圧を所望の周波数、電圧の交流電力に変換してエレベータ駆動用電動機に供給するインバータと、前記直流電圧が所定の電圧を越えた場合に回生運転時の回生エネルギーを抵抗で消費させるエネルギー消費回路とを備えた電力変換装置を、複数のエレベータの系統ごとに設けられたエレベータ制御装置において、
前記複数の系統の直流電圧ライン間に跨って設けられた回生エネルギー供給開閉手段と、
前記系統ごとに前記インバータと前記電動機との間に設けられたインバータ出力供給開閉手段と、
前記複数の系統のインバータ出力供給開閉手段間に設けられた他系電力供給開閉手段と、
運転パターンに従って一方の系統が回生運転、他方の系統が力行運転の場合、前記回生エネルギー供給開閉手段を閉状態に設定し、前記一方の系統に発生する回生エネルギーを前記他方の系統の前記直流電圧ラインに供給する第1の運転制御手段と、
何れかの系統の電力変換装置の構成用品が異常と検出された場合、異常側系統のインバータ出力供給開閉手段を通して異常系統側の電力変換装置から電動機を切り離し、かつ前記他系電力供給開閉手段を閉状態に設定し、正常系統側の前記インバータで得られる交流電力を異常系統側の電動機に供給する第2の運転制御手段と
を備えたことを特徴とするエレベータ制御装置。
【請求項2】
三相交流入力電源を整流する回生機能付きコンバータと、この回生機能付きコンバータで整流された整流電圧を平滑化する平滑コンデンサと、平滑された直流電圧を所望の周波数、電圧の交流電力に変換し、エレベータを運転する電動機に供給するインバータとを備えた電力変換装置を、複数のエレベータの系統ごとに設けられたエレベータ制御装置において、
前記直流電圧が所定の電圧を越えた場合に前記回生機能付きコンバータをインバータの機能に変換し、回生運転時の回生エネルギーを前記三相交流入力電源側に還流させる手段と、
複数の系統の直流電圧ライン間に跨って設けられた回生エネルギー供給開閉手段と、
前記系統ごとに前記インバータと前記電動機との間に設けられたインバータ出力供給開閉手段と、
前記複数の系統のインバータ出力供給開閉手段間に設けられた他系電力供給開閉手段と、
運転パターンに従って一方の系統が回生運転、他方の系統が力行運転の場合、前記回生エネルギー供給開閉手段を閉状態に設定し、前記一方の系統に発生する回生エネルギーを前記他方の系統の前記直流電圧ラインに供給する第1の運転制御手段と、
何れかの系統の電力変換装置の構成用品が異常と検出された場合、異常側系統のインバータ出力供給開閉手段を開とし、異常系統側の電力変換装置から電動機を切り離し、かつ前記他系電力供給開閉手段を閉状態に設定し、正常系統側の前記インバータで得られる交流電力を異常系統側の電動機に供給する第2の運転制御手段と
を備えたことを特徴とするエレベータ制御装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のエレベータ制御装置において、
前記第2の運転制御手段は、何れかの系統の電力変換装置の構成用品が異常と検出された場合、異常系統側のインバータ出力供給開閉手段を通して異常系統側の電動機から電力変換装置を切り離し、かつ正常系統側の電動機が停止中の場合には正常系統側のインバータ出力供給開閉手段を通して当該正常系統側の電動機を切り離し、正常系統側の前記インバータで得られる交流電力を異常系統側の電動機のみに供給する手段を設けたことを特徴とするエレベータ制御装置。
【請求項4】
三相交流入力電源を整流するダイオードブリッジコンバータと、このダイオードブリッジコンバータで整流された整流電圧を平滑化する平滑コンデンサと、平滑された直流電圧を所望の周波数、電圧の交流電力に変換して電動機に供給するインバータと、前記直流電圧が所定の電圧を越えた場合に回生運転時の回生エネルギーを抵抗で消費させるエネルギー消費回路とを備えた電力変換装置を、複数のエレベータの系統ごとに設けられたエレベータ制御装置において、
前記複数の系統の直流電圧ライン間に跨って設けられた回生エネルギー供給開閉手段と、
前記系統ごとに前記インバータと前記電動機との間に設けられたインバータ出力供給開閉手段と、
運転パターンに従って一方の系統が回生運転、他方の系統が力行運転の場合、前記回生エネルギー供給開閉手段を閉状態に設定し、前記一方の系統に発生する回生エネルギーを前記他方の系統の前記直流電圧ラインに供給する第1の運転制御手段と、
何れかの系統の電力変換装置の構成用品が異常と検出された場合、異常系統側のインバータ出力供給開閉手段を開状態とし、異常系統側の電力変換装置から電動機を切り離す第2の運転制御手段と、
前記複数の系統の電動機の駆動軸間に設けられ、前記第2の運転制御手段によって前記何れかの系統の電力変換装置の構成用品が異常と検出された場合、外部からの操作力または前記第2の運転制御手段からの動作制御信号に基づき、前記複数の系統の電動機の駆動軸間を連結し、正常系統側の電動機を用いて異常系統側の電動機を駆動可能にする動力伝達手段と
を備えたことを特徴とするエレベータ制御装置。
【請求項5】
三相交流入力電源を整流する回生機能付きコンバータと、この回生機能付きコンバータで整流された整流電圧を平滑化する平滑コンデンサと、平滑された直流電圧を所望の周波数、電圧の交流電力に変換して電動機に供給するインバータとを備えた電力変換装置を、複数のエレベータの系統ごとに設けられたエレベータ制御装置において、
前記直流電圧が所定の電圧を越えた場合に前記回生機能付きコンバータをインバータの機能に変換し、回生運転時の回生エネルギーを前記三相交流入力電源側に還流させる手段と、
複数の系統の直流電圧ライン間に跨って設けられた回生エネルギー供給開閉手段と、
前記系統ごとに前記インバータと前記電動機との間に設けられたインバータ出力供給開閉手段と、
運転パターンに従って一方の系統が回生運転、他方の系統が力行運転の場合、前記回生エネルギー供給開閉手段を閉状態に設定し、前記一方の系統に発生する回生エネルギーを前記他方の系統の前記直流電圧ラインに供給する第1の運転制御手段と、
何れかの系統の電力変換装置の構成用品が異常と検出された場合、異常系統側のインバータ出力供給開閉手段を開とし、異常系統側の電力変換装置から電動機を切り離す第2の運転制御手段と、
前記複数の系統の電動機の駆動軸間に設けられ、前記第2の運転制御手段によって前記何れかの系統の電力変換装置の構成用品が異常と検出された場合、外部からの操作力または前記第2の運転制御手段からの動作制御信号に基づき、前記複数の系統の電動機の駆動軸間を連結し、正常系統側の電動機を用いて異常系統側の電動機を駆動可能にする動力伝達手段と
を備えたことを特徴とするエレベータ制御装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項3の何れか一項のエレベータ制御装置を用いて、
前記回生エネルギー供給開閉手段、前記インバータ出力供給開閉手段及び前記他系電力供給開閉手段である主接点と連動する補助接点を取り込むとともに、前記複数系統のエレベータの停止時に外部から入力されるシミュレーション情報に従って接点開閉制御指令を出力する接点開閉制御指令出力ステップと、
この接点開閉制御指令出力ステップによる接点開閉制御指令に従って前記回生エネルギー供給開閉手段、前記インバータ出力供給開閉手段及び前記他系電力供給開閉手段を任意選択的に開閉動作し、前記補助接点の動作から主接点の動作不良を検出する動作異常確認ステップと、
この動作異常確認ステップによって少なくとも1つの主接点の動作不良を検出したとき、当該主接点が異常であることを外部に発報し、該当する主接点を持つ前記開閉手段の交換を促す異常発報ステップと
を有することを特徴とするエレベータ運転方法。
【請求項7】
請求項1ないし請求項5の何れか一項のエレベータ制御装置を用いて、
一方の系統のエレベータ乗りかごが停電によって階間に停止した場合、前記回生エネルギー供給開閉手段を閉状態に設定するとともに、他方の系統の電動機を回生運転し、前記一方の系統の電動機を力行運転し、当該一方の系統の乗りかごを最寄り階まで運転することを特徴とするエレベータ運転方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチかごエレベータまたは隣接する複数台のエレベータの運転中に何れか一方の系統の電力変換装置の構成用品に不具合が発生した場合、他方の系統の電力変換装置から出力される電力を用いて運転を継続するエレベータ制御装置及びエレベータ運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数台のエレベータを運転するエレベータ制御装置としては、エレベータの負荷容量が比較的小さい場合、図9に示すようなダイオードブリッジコンバータを用いたエレベータ制御装置が用いられている。同図において、101は商用三相交流入力電源、102A,102Bは三相交流電圧を整流するダイオードブリッジコンバータ、103A,103Bはダイオードブリッジコンバータ102A,102Bで整流された整流電圧のリプルを平滑化して直流電圧とし、直流電圧ラインPa,Na間、Pb,Nb間にそれぞれ出力する平滑コンデンサ、104A,104Bは直流電圧ラインPa−Na間、Pb−Nb間の直流電圧を任意の周波数の交流電力に変換するインバータである。なお、直流電圧ラインPa,Na間には抵抗器105A及び半導体スイッチング素子106Aからなるエネルギー消費回路が接続されている。また、直流電圧ラインPb,Nb間にも抵抗器105B及び半導体スイッチング素子106Bからなるエネルギー消費回路が接続されている。107A,107Bはインバータ104A,104Bで変換された任意の周波数の交流電力の供給を受けて回転駆動し、図示しない乗りかごを昇降運転するためのエレベータ駆動用電動機である。
【0003】
このようなエレベータ制御装置においては、コントローラ108A,108Bがそれぞれ直流電圧ラインPa,Na間、Pb,Nb間に現れる直流電圧を検出し、この検出された直流電圧が所定の電圧値を越えたときにエレベータが回生運転であると判断し、半導体スイッチング素子106A,106bをオンする。そして、電動機107A,107Bで発電された回生エネルギーを抵抗器105A,105Bで熱消費させている。
【0004】
また、複数台のエレベータを運転するエレベータ制御装置としては、エレベータの負荷容量が比較的大きい場合、図10に示すような回生機能付きコンバータを用いたエレベータ制御装置が用いられている。なお、同図において、図9と同一部分には同一符号を付して説明する。このエレベータ制御装置は、ダイオードブリッジコンバータ102A,102Bに代えて、回生機能付きコンバータ109A,109Bを設けた構成である。
【0005】
このエレベータ制御装置は、コントローラ108A,108Bがそれぞれ直流電圧ラインPa,Na間、Pb,Nb間に現れる直流電圧を検出し、この検出された直流電圧が所定の電圧値を越えたときにエレベータが回生運転であると判断する。そして、コントローラ108A,108Bは、回生機能付きコンバータ109A,109Bをインバータとして機能させることにより、電動機107A,107Bで発電される回生エネルギーを商用三相交流入力電源101である客先電源側に還流させる。
【0006】
従って、以上のようなエレベータ制御装置は、回生運転時に発生した回生エネルギーを抵抗器105A,105Bで消費させるか、或いは客先電源側に還流して他の電力設備機器で利用させる方法である。しかし、これらの方法を利用して回生エネルギーを抵抗器で消費させるか、或いは客先電源側に還流する過程にて、エレベータ制御装置の例えばインバータ104A,104Bや半導体スイッチング素子106A,106Bに故障,短絡,地絡などの異常が発生することがあり、異常系統側のエレベータの乗りかごが停止し、エレベータを利用できなくなってしまう。
【0007】
よって、従来の他のエレベータ制御装置としては、インバータの不具合によるエレベータの運転停止を回避するために、インバータを2組設けるか、或いはコンバータ及びインバータをそれぞれ2組設け、同一の電流指令を2組のインバータに与え、各インバータから得られる電力を一台の電動機に供給する技術が提案されている。なお、電動機には、各インバータに対応して2巻線が設けられている。
【0008】
このエレベータ制御装置は、何れか一方のインバータに不具合が発生した場合、他の正常なインバータを用いて、乗りかごを1/2の運転速度で運転する運転方法である(特許文献1)。
【特許文献1】特開平3−036991号公報(図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、以上のようなエレベータ制御装置は、インバータのみ、或いはコンバータ及びインバータを2組用意することから、エレベータ制御装置全体の構成が複雑、かつ大型化し、設備費用が高騰する問題がある。また、電動機は、各インバータに対応してそれぞれ独立した2つの巻線を装備する必要があるので、特注的な製品となり、価格に大きく跳ね返ってくる問題がある。
【0010】
さらに、このエレベータ制御装置は、一台のエレベータにおけるインバータ等の異常による停止回避手段があって、エレベータごとにそれぞれコンバータ及びインバータを2組用意する必要があり、他の系統のエレベータとの間で協働しながら運転するものではない。
【0011】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたもので、マルチかごエレベータまたは隣接するエレベータの運転中に何れか一方のエレベータの電力変換装置に不具合が発生した場合、隣接する他方のエレベータの電力変換装置の出力を利用して異常系統側の電動機を駆動するエレベータ制御装置及びエレベータ運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明は、三相交流入力電源を整流するダイオードブリッジコンバータと、このダイオードブリッジコンバータで整流された整流電圧を平滑化して直流電圧とし、直流電圧ライン間に出力する平滑コンデンサと、この直流電圧ライン間の直流電圧をPWM制御し、所望の周波数、電圧の交流電力に変換してエレベータ駆動用電動機に供給するインバータと、前記直流電圧が所定の電圧を越えた場合に半導体スイッチング素子をオンし、回生運転時の回生エネルギーを抵抗で消費させるエネルギー消費回路とを備えた電力変換装置を、マルチかごエレベータまたは隣接するエレベータの系統ごとに設けられたエレベータ制御装置において、前記複数の系統の直流電圧ライン間に跨って設けられた回生エネルギー供給開閉手段と、前記系統ごとに前記インバータと前記電動機との間に設けられたインバータ出力供給開閉手段と、前記複数の系統のインバータ出力供給開閉手段間に設けられた他系電力供給開閉手段と、運転パターンに従って一方の系統が回生運転、他方の系統が力行運転の場合、前記回生エネルギー供給開閉手段を閉状態に設定し、前記一方の系統に発生する回生エネルギーを前記他方の系統の前記直流電圧ラインに供給する第1の運転制御手段と、前記複数系統の電力変換装置の構成用品の動作状態を監視し、何れかの系統の電力変換装置の構成用品が異常と検出された場合、異常側系統のインバータ出力供給開閉手段を通して異常系統側の電力変換装置から電動機を切り離し、かつ前記他系電力供給開閉手段を閉状態に設定し、正常系統側の前記インバータで得られる交流電力を異常系統側の電動機に供給する第2の運転制御手段とを設けたエレベータ制御装置である。
【0013】
この発明は以上のような構成とすることにより、運転パターンに従って一方の系統が回生運転、他方の系統が力行運転の場合、一方の系統に発生する回生エネルギーを他方の系統の直流電圧ラインに供給し、力行運転に利用する。また、第2の運転制御手段は、何れかの系統の電力変換装置の構成用品が異常と検出された場合、異常系統側の電力変換装置から電動機を切り離し、かつ正常系統側のインバータで得られる交流電力を異常系統側の電動機に供給し、異常系統のエレベータの運転を継続する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、マルチかごエレベータまたは隣接するエレベータの運転パターンから一方の系統のエレベータが回生運転であり、かつ他方の系統のエレベータが力行運転であるとき、回生運転時に発生する回生エネルギーを他方の系統のエレベータが力行運転に有効に利用できる。
【0015】
また、本発明によれば、マルチかごエレベータまたは隣接するエレベータの運転中に何れか一方のエレベータの電力変換装置に不具合が発生した場合、隣接する他系統のエレベータの電力変換装置の出力を利用して異常系統側の電動機を駆動できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1はダイオードブリッジコンバータを用いた本発明に係るエレベータ制御装置の第1の実施形態を示す構成図である。
同図において、1は商用三相交流入力電源であって、当該入力電源1にはマルチかごエレベータまたは隣接するエレベータを構成する各エレベータに対応して複数系統の電力変換装置2A,2Bが接続されている。ここで、マルチかごエレベータとは、エレベータの輸送効率を上げる目的から、1つの昇降路内に複数の乗りかごがそれぞれ独立して運転するエレベータである。
【0017】
一方の系統の電力変換装置2Aは、入力電源1から供給される三相交流電圧を整流するダイオードブリッジコンバータ3Aと平滑コンデンサ4Aとインバータ5Aと抵抗6A及び半導体スイッチング素子7Aからなる第1のエネルギー消費回路とで構成される。他方の系統の電力変換装置2Bは、入力電源1から供給される三相交流電圧を整流するダイオードブリッジコンバータ3Bと平滑コンデンサ4Bとインバータ5Bと抵抗6B及び半導体スイッチング素子7Bからなる第2のエネルギー消費回路とで構成される。
【0018】
平滑コンデンサ4A,4Bは、コンバータ3A,3Bで整流された整流電圧のリプルを平滑化して直流電圧とし、直流電圧ラインPa,Na間、Pb,Nb間に出力する機能をもっている。インバータ5Aは、順逆変換可能な電力変換機能を有し、直流電圧ラインPa,Na間に現れる直流電圧をPWM(パルス幅変調)制御し、任意の周波数の交流電力に変換し、エレベータ駆動用電動機8Aに供給する。また、インバータ5Bは、順逆変換可能な電力変換機能を有し、直流電圧ラインPb,Nb間に現れる直流電圧をPWM制御し、任意の周波数の交流電力に変換し、エレベータ駆動用電動機8Bに供給する。第1のエネルギー消費回路は、直流電圧ラインPa,Na間に抵抗6Aと半導体スイッチング素子7Aとがシリアルに接続され、半導体スイッチング素子7Aをオンし、回生運転時の回生エネルギーを抵抗6Aで熱消費させる機能をもっている。第2のエネルギー消費回路は、直流電圧ラインPb,Nb間に抵抗6Bと半導体スイッチング素子7Bとがシリアルに接続され、半導体スイッチング素子7Bをオンし、回生運転時の回生エネルギーを抵抗6Bで熱消費させる機能をもっている。
【0019】
各エレベータ駆動用電動機8A,8Bの回転軸にはそれぞれ巻上シーブ(図示せず)が接続されている。各巻上シーブには主索(図示せず)が掛け渡され、主索の一端部には乗りかごが吊り下げられ、主索の他端部にはカウンタウェイトが吊り下げられている。
【0020】
また、複数系統の電力変換装置2A,2Bの直流電圧ラインPa及びPbの間と、直流電圧ラインNa及びNbの間には連動的に開閉動作する例えば電磁接触器などの開閉接点11P,11Nからなる回生エネルギー供給開閉手段が接続されている。
【0021】
さらに、一方の系統の電力変換装置2Aを構成するインバータ5Aと電動機8Aとの間には例えば電磁接触器などの複数の開閉接点12と13をシリアル接続した第1のインバータ出力供給開閉手段が接続されている。他方の系統の電力変換装置2Bを構成するインバータ5Bと電動機8Bとの間にも同様に例えば電磁接触器などの複数の開閉接点14と15をシリアル接続した第2のインバータ出力供給開閉手段が接続されている。そして、開閉接点12及び開閉接点13の接続共通部と開閉接点14及び開閉接点15の接続共通部との間には例えば電磁接触器などの開閉接点16が接続されている。開閉接点16は他系電力供給開閉手段を構成する。
【0022】
18はCPUで構成されたマイクロコンピュータなどのエレベータ運転制御部である。エレベータ運転制御部18は、図示されていないが運転パターンに従ってインバータ5A,5BをPWM制御すると共に、直流電圧ラインPa−Na間、Pb−Nb間の直流電圧が所定の電圧値を越えたときに回生運転であると判断し、対応するエネルギー消費回路を構成する半導体スイッチング素子7A,7Bをオン制御する機能を持っている。
【0023】
また、エレベータ運転制御部18は、第1の運転制御手段18a及び第2の運転制御手段18bが設けられている。第1の運転制御手段18aは、運転パターンに従って一方の系統の電動機例えば8Aが回生運転、他方の系統の電動機例えば8Bが力行運転の場合、開閉接点11P,11Nを閉とするための開閉制御指令を開閉駆動制御部19に送出し、回生エネルギー供給開閉手段である開閉接点11P,11Nを閉状態に設定する。これにより、一方の系統の電力変換装置2Aの直流電圧ラインPa,Na間に発生する回生エネルギーを他方の系統の電力変換装置2Bの直流電圧ラインPb,Nb間に供給し、力行運転の電動機8bの駆動に使用する。
【0024】
さらに、第2の運転手制御手段18bは、インバータ5A,5Bや半導体スイッチング素子7A,7Bの故障、短絡,地絡などの異常を検出し、その異常系統の電力変換装置2Aまたは2Bに基づき、所定の動作順序に基づいて開閉接点12〜16を開閉制御するための開閉制御指令を開閉駆動部19に送出する。開閉駆動部19は、エレベータ運転制御部18からの開閉制御指令に基づいて開閉接点12〜16を選択的に切り離し及び投入する機能を持っている。
【0025】
20はエレベータを設置する建物の管理人室、監視室或いは保守員が待機するサービスセンタなどに設置される監視装置である。
【0026】
次に、以上のようなエレベータ制御装置の動作について図2及び図3を参照して説明する。
【0027】
(1) インバータ5A,5B及び半導体スイッチング素子7A,7Bが正常な状態にある場合の一動作例について(図2参照)。
【0028】
エレベータ運転制御部18は、運転開始とともに、所定の運転指令を出力し、開閉駆動部19を通して各開閉接点11P、11N,12〜16を図示する開閉状態に初期設定する(S1)。エレベータ運転制御部18は、初期設定後、図示されていないが、予め定める運転パターンに従ってインバータ5A,5Bに対してPWM制御を実施し、直流電圧ラインPa−Na間及び直流電圧ラインPb−Nb間に現れる直流電圧をそれぞれ任意の周波数の交流電力に変換し、電動機8A,8Bに供給し、エレベータを昇降運転する(S2)。
【0029】
エレベータ運転制御部18は、所定の制御周期ごとにインバータ5A,5B及び半導体スイッチング素子7A,7Bが正常か否かを判断する(S3)。エレベータ運転制御部18は、インバータ5A,5B及び半導体スイッチング素子7A,7Bが故障、短絡,地絡等によった異常であると判断した場合は後記する。
【0030】
以下、ここでは、インバータ5A,5B及び半導体スイッチング素子7A,7Bが正常な状態にあると判断した場合について説明する。
エレベータ運転制御部18の第1の運転制御手段18aは、インバータ5A,5B及び半導体スイッチング素子7A,7Bが正常であると判断した場合、予め定める運転パターンに基づき、複数の系統の電動機8A,8Bの運転状態を判断する。第1の運転制御手段18aは、例えばA系統の電動機8Aが回生運転、B系統の電動機8Bが力行運転か(S4)、A系統の電動機8Aが力行運転、B系統の電動機8Bが回生運転か(S5)、或いはA系統の電動機8Aが回生運転か(S6)、B系統の電動機8Bが回生運転かを判断する(S7)。
【0031】
ここで、A系統の電動機8Aが回生運転・B系統の電動機8Bが力行運転、またはA系統の電動機8Aが力行運転・B系統の電動機8Bが回生運転の場合には回生運転による回生エネルギーを隣接する他の系統のエレベータに還流するための開閉制御指令を開閉駆動部19に送出し、開閉接点11P,11Nを閉状態に設定する。すなわち、回生エネルギー供給開閉手段をオンする(S8)。これにより、例えばA系統の電動機8Aの回生運転時、直流電圧ラインPa,Na間に現れる回生エネルギーをB系統の電力変換装置2Bの直流電圧ラインPb,Nb間に流し、電動機8Bの力行運転に用いる。
【0032】
そして、回生エネルギー供給開閉手段をオンした後、ステップS4に戻り、再び各電動機8A,8Bの運転状態を判断しながら、前述する一定の条件のもとに回生エネルギーを有効に利用する。
【0033】
また、エレベータ運転制御部18の第1の運転制御手段18aは、A系統の電動機8Aが回生運転・B系統の電動機8Bが力行運転、A系統の電動機8Aが力行運転・B系統の電動機8Bが回生運転の何れにも属していない場合、例えば直流電圧ラインPa,Na間の直流電圧と所定の電圧値とを比較し、直流電圧が所定の電圧値を越えている場合には、回生エネルギー供給開閉手段がオンしている場合にはオフとした後、図示されていないがA系統の電動機8Aの回生エネルギーを消費させるためにエネルギー消費回路である半導体スイッチング素子7Aをオンし、抵抗6Aで熱消費させる(S6,S9)。B系統の電動機8bの回生エネルギーを消費させる場合は半導体スイッチング素子7Bをオンし、抵抗6Bで熱消費させる処理する(S7,S9)。そして、スイッチング素子7Aまたは7Bのオンを継続するか否かを判断し(S10)、継続する場合にはステップS6に戻って同様の処理を繰り返す。
【0034】
さらに、エレベータ運転制御部18の第1の運転制御手段18aは、前述した判断ステップS4〜S7で何れもNOと判断された場合またはステップS10でNOと判断された場合、エレベータの運転継続かを判断し(S11)、運転継続する場合にはステップS2に戻って同様の処理を繰り返し実行する。
【0035】
(2) インバータ5A,5Bまたは半導体スイッチング素子7A,7Bが異常と判断された場合の一動作例について(図3参照)。
【0036】
エレベータ運転制御部18の第2の運転制御手段18bは、インバータ5A,5Bや半導体スイッチング素子7A,7Bの動作状態を常時監視しており、前述したステップS3にてインバータ5A,5Bや半導体スイッチング素子7A,7Bから故障、短絡、地絡等による異常状態を検出した場合、A系統のインバータ5AまたはA系統の半導体スイッチング素子7Aaが異常か、或いはB系統のインバータ5Bまたは半導体スイッチング素子7Bが異常か否かを判断する(S21,S28)。
【0037】
(2−1) A系統のインバータ5AまたはA系統の半導体スイッチング素子7Aが異常となった場合。
【0038】
エレベータ運転制御部18の第2の運転手制御手段18bは、A系統のインバータ5AまたはA系統の半導体スイッチング素子7Aが異常であると判断した場合、その異常情報を監視装置20に通報した後(S22)、回生エネルギー供給開閉手段である開閉接点11P,11Nを開状態とするための開閉制御指令を開閉駆動部19に送出する(S23)。開閉駆動部19は、開閉制御指令に基づいて開閉接点11P,11Nを開状態に設定し、他のB系統のエレベータから電気的に分離する。引き続き、エレベータ運転制御部18の運転手制御手段18bは、現在B系統に属する電動機8Bが停止中か否かを判断し(S24)、現在電動機8Bが停止中である場合にはインバータ出力供給開閉手段を構成する開閉接点12,15を開、他系電力供給開閉手段を構成する開閉接点16を閉とするための開閉制御指令を開閉駆動部19に送出する(S25)。開閉駆動部19は、エレベータ運転制御部18から開閉制御指令に基づいて開閉接点12,15を開状態に設定し、かつ開閉接点16を閉状態に設定する。
【0039】
これにより、A系統のインバータ5AまたはA系統の半導体スイッチング素子7Aの異常に際し、正常なB系統に属する電動機8Bが運転停止中にあれば、正常なB系統の電力変換装置2Bのインバータ5Bで変換された任意周波数の交流電力が開閉接点14,16,13を通って異常とするA系統の電動機8Aに供給する。
【0040】
一方、ステップS24において、B系統の電動機8Bが運転中の場合、エレベータ運転制御部18の第2の運転制御手段18bは、インバータ出力供給開閉手段を構成する開閉接点12を開、他系電力供給開閉手段を構成する開閉接点16を閉とするための開閉制御指令を開閉駆動部19に送出する(S26)。開閉駆動部19は、エレベータ運転制御部18からの開閉制御指令に基づいて開閉接点12を開状態に設定し、異常とされたA系統の電力変換装置2Aから電動機8Aを切り離し、かつ開閉接点16を閉状態に設定して正常であるA系統の電力変換装置2Bの出力を両電動機8A,8bに供給する。
【0041】
そして、エレベータ運転制御部18の第2の運転制御手段18bは、インバータ5Aまたは半導体スイッチング素子7Aの異常が回復したか判断し(S27)、回復した場合には図2のステップS2に戻る。
【0042】
これにより、B系統の電力変換装置2Bのインバータ5Bで変換された任意周波数の交流電力を1/2に分岐してA系統及びB系統の電動機8A,8Bに供給することにより、異常とされたA系統のエレベータの運転を継続することが可能である。この運転制御は、既にエレベータ運転制御部18から監視装置20に異常情報を通報しているので、保守員が現場に出向いてインバータ5Aまたは半導体スイッチング素子7Aの異常が回復するまでの運転継続を確保するための役割を果たす。
【0043】
(2−2) B系統のインバータ5BまたはB系統の半導体スイッチング素子7Bが異常となった場合。
【0044】
エレベータ運転制御部18の第2の運転制御手段18bは、ステップS21でA系統のインバータ5Aや半導体スイッチング素子7Aが異常でないと判断された場合、引き続き、B系統のインバータ5Bや半導体スイッチング素子7Bが異常であるか否かを判断する(S28)。B系統のインバータ5Bまたは半導体スイッチング素子7Bも異常でない場合にはエラー表示する(S29)。一方、B系統のインバータ5BまたはB系統の半導体スイッチング素子7Bが異常であると判断された場合、その異常情報を監視装置20に通報した後(S30)、回生エネルギー供給開閉手段を構成する開閉接点11P,11Nを開状態とするための開閉制御指令を開閉駆動部19に送出する(S31)。開閉駆動部19は、開閉制御指令に基づいて開閉接点11P,11Nを開状態に設定し、他のA系統のエレベータから電気的に分離する。
【0045】
引き続き、エレベータ運転制御部18の第2の制御手段は、現在A系統に属する電動機8Aが停止中か否かを判断し(S32)、現在電動機8Aが停止中である場合にはインバータ出力供給開閉手段を構成する開閉接点13,14を開、他系電力供給開閉手段を構成する開閉接点16を閉とするための開閉制御指令を開閉駆動部19に送出する(S33)。開閉駆動部19は、エレベータ運転制御部18からの開閉制御指令に基づいて開閉接点13,14を開状態に設定し、かつ開閉接点16を閉状態に設定する。
【0046】
これにより、B系統のインバータ5BまたはB系統のスイッチング素子7Bの異常に際し、A系統に属する電動機8Aが運転停止中であれば、A系統の電力変換装置2Aのインバータ5Aで変換された任意周波数の交流電力が開閉接点12,16,15を経てB系統の電動機8Bに供給する。
【0047】
さらに、ステップS32において、A系統の電動機8Aが運転中の場合、エレベータ運転制御部18の第2の運転制御手段18bは、開閉接点14を開、開閉接点16を閉とするための開閉制御指令を開閉駆動部19に送出する(S34)。開閉駆動部19は、エレベータ運転制御部18からの開閉制御指令に基づいて開閉接点14を開状態に設定し、かつ開閉接点16を閉状態に設定する。そして、エレベータ運転制御部18は、インバータ5Bまたは半導体スイッチング素子7Bの異常が回復したか判断し(S35)、回復した場合には図2のステップS2に戻る。
【0048】
これにより、A系統の電力変換装置2Aのインバータ5Aで変換された任意周波数の交流電力を1/2に分岐してA系統及びB系統の電動機8A,8Bに供給し、B系統のエレベータの運転を継続できる。この運転制御は、既にエレベータ運転制御部18から監視装置20に異常情報を通報しているので、保守員が現場に出向いてインバータ5Bまたは半導体スイッチング素子7Bの異常を回復するまでの運転継続を確保するための役割を果たす。
【0049】
(第2の実施の形態)
図4は本発明に係るエレベータ制御装置の第2の実施形態を示す構成図である。なお、同図において、図1と同一部分には同一符号を付して説明する。
【0050】
この実施の形態において、特に異なるところは、図1に示すエネルギー消費回路を削除するとともに、ダイオードブリッジコンバータ3A,3Bに代えて、順逆変換可能な機能を持った回生機能付きコンバータ21A,21Bを設けた構成である。その他の構成については、図1と同様であるので省略する。
【0051】
この実施の形態では、回生機能付きコンバータ21A,21Bをインバータ機能に変換し、電動機8A,8Bで発電された回生エネルギーを商用三相交流入力電源1である客先電源側に還流し、客先側の利用を委ねる例である。すなわち、第1の実施の形態では、直流電圧ラインPa,Na間、Pb,Nb間の直流電圧が所定の電圧値を越えたときに回生運転と判断し、図1に示すエネルギー消費回路を構成する半導体スイッチング素子7A,7Bをオンしたが、この実施の形態では、当該半導体スイッチング素子7A,7Bをオンする代わりに、回生機能付きコンバータ21A,21Bをインバータ機能に変換し、直流電圧ラインPa,Na間、Pb,Nb間に現れる大きな直流電圧を商用三相交流入力電源1である客先電源側に還流させるものである。
【0052】
なお、A系統のインバータ5A及びB系統のインバータ5Bの正常時及び異常時に対する開閉接点11P,11N,12〜16の開閉制御は第1の実施の形態と同様であるので、ここでは図2及び図3の説明に譲る。
【0053】
(第3の実施の形態)
図5は本発明に係るエレベータ制御装置の第3の実施形態を示す構成図である。なお、同図において、図1と同一部分には同一符号を付して説明する。
【0054】
この実施の形態において、図1と比較して異なるところは、インバータ5A,5Bと電動機8A,8Bとの間にそれぞれ電磁接触器などの開閉接点22,23(インバータ出力供給開閉手段)を設けたことにある。また、A系統の電動機8AとB系統の電動機8Bとの間に常時非連結状態にある動力伝達器24を設けたことにある。
【0055】
このエレベータ制御制御部18の第1の運転制御手段18aは、A系統のインバータ5A,半導体スイッチング素子7A及びB系統のインバータ5B,半導体スイッチング素子7Bの正常時、A系統の電動機8Aが回生運転し、B系統の電動機8Bが力行運転している場合、或いはA系統の電動機8Aが力行運転し、B系統の電動機8Bが回生運転している場合、第1の実施の形態と同様に開閉接点11P,11Nを閉状態に設定する。その結果、回生運転時のA系統の電動機8AまたはB系統の電動機8Bの回生エネルギーを隣接関係にあるB系統の電力変換装置2BまたはA系統の電力変換装置2Aに供給し、力行運転のために利用される。
【0056】
このとき、エレベータ運転制御部18の第2の運転制御手段18bは、A系統のインバータ5A,半導体スイッチング素子7A、B系統のインバータ5B,半導体スイッチング素子7Bの動作を常時監視しており、例えばA系統のインバータ5Aまたは半導体スイッチング素子7Aから故障、短絡,地絡等による異常状態を検出した場合、開閉接点11P,11Nを開、開閉接点22を開とするための開閉制御指令を開閉駆動部19に送出する一方、A系統のインバータ5Aまたは半導体スイッチング素子7Aの異常状態を監視装置20に発報する。開閉駆動部19は、エレベータ運転制御部18から送られてくる開閉制御指令に基づき、開閉接点11P,11Nを開状態に設定し、隣接関係にあるA系統のエレベータとB系統のエレベータとを電気的に分離し、回生エネルギー供給ラインの切り離しを行う。また、開閉駆動部19は、開閉接点22を開状態に設定して異常系統の電力変換装置2Aから電動機8Aを切り離す。
【0057】
監視装置20側では、異常状態の発報を受けると、直ちに保守員が現場に出向き、動力伝達器24を連結機構を機械的に連結し、B系統の電動機8Bの動力を異常であるA系統の電動機8Aに伝達し、当該電動機8Aを回転駆動する。そして、保守員は、動力伝達器24の連結機構を機械的に連結した後、異常とされたA系統のインバータ5Aまたは半導体スイッチング素子7Aの交換を行う。
【0058】
B系統のインバータ5Bまたは半導体スイッチング素子7Bから故障、短絡,地絡等による異常状態を検出した場合には、開閉接点22に代えて開閉接点23を開状態とし、その他の動作前述した通りである。
【0059】
この実施の形態によれば、マルチかごエレベータまたは隣接するエレベータにおいて、A,B系統の電力変換装置2A,2Bの出力にそれぞれ開閉接点22,23を挿入し、かつA,B系統の電動機8A,8B間に動力伝達器24を設けたことにより、例えばA系統のインバータ5Aまたは半導体スイッチング素子7Aの異常時、異常側に属する開閉接点22を開とし、A系統の電力変換装置2Aから電動機8Aを切り離し、動力伝達器24を介して両電動機8A,8Bを接続するので、異常側に属する電動機8Aを隣接する他のB系統に属する電動機8Bで回転駆動させることが可能となる。
【0060】
なお、図5は、ダイオードブリッジコンバータ3A,3Bを用いたが、ダイオードブリッジコンバータ3A,3Bに代えて、回生機能付きコンバータ21A,21Bを用いてもよい。
【0061】
(第4の実施の形態)
図6は本発明に係るエレベータ制御装置の第4の実施形態を示す構成図である。なお、同図において、図4及び図5と同一部分には同一符号を付して説明する。
【0062】
この実施の形態は、動力伝達器24として、電気的に連結可能なクラッチなどを用い、例えばA系統のインバータ5Aまたは半導体スイッチング素子7Aの異常時、異常側に属する開閉接点22を開とし、A系統の電力変換装置2Aから電動機8Aを切り離すとともに、エレベータ運転制御部18から接続動作信号を送出し、動力伝達器24を連結させる構成である。
【0063】
その他の構成及び動作については、図5と同様であるので、その説明を省略する。また、図6は、ダイオードブリッジコンバータ3A,3Bを用いたが、ダイオードブリッジコンバータ3A,3Bに代えて、回生機能付きコンバータ21A,21Bを用いてもよい。
【0064】
(第5の実施の形態)
図7は本発明に係るエレベータ運転方法を適用したエレベータ制御装置を示す構成図である。なお、同図において、図1及び図4と同一部分には同一符号を付して説明する。
【0065】
このエレベータ制御装置は、マルチかごエレベータまたは隣接する複数台のエレベータの正常運転時またはインバータ等5A,5Aの異常時に対する開閉接点11P,11N,12〜16の開閉制御は、第1または第2の実施の形態と同様であるので、図1ないし図4の説明に譲る。
【0066】
この実施の形態では、マルチかごエレベータまたは隣接する複数台のエレベータの運転停止時、定期的に電磁接触器などの主接点である開閉接点11P,11N,12〜16の動作状態を確認し、主接点の動作不良等の異常を検出した場合、速やかに異常とされた電磁接触器などを交換し、マルチかごエレベータまたは隣接するエレベータを適切に運転することにある。
【0067】
このエレベータ制御装置において、特に異なるところは、CPUで構成され、シミュレーション処理機能を有するマイクロコンピュータなどのエレベータ運転制御部18´と、遠隔操作装置25とを設けたことにある。
【0068】
エレベータ運転制御部18´は、開閉接点11P,11N,12〜16に対する補助接点11Ps,11Ns,12s〜16sを内部に取り込み、エレベータの正常運転時またはインバータ等5a,5bの異常時の開閉指示に対する開閉接点11P,11N,12〜16の主接点の開閉状態を、補助接点11Ps,11Ns,12s〜16sの開閉信号から常時監視できるようになっている。
【0069】
エレベータ運転制御部18´は、ソフトウエア的には、接点開閉制御指令出力ステップ18Aと、動作異常確認ステップ18Bと、動作状態通知ステップ18Cとからなる。
【0070】
接点開閉制御指令出力ステップ18Aは、遠隔操作装置25から送られてくる例えば正常運転時で開閉接点11P,11Nを閉とするシミュレーション情報に基づき、エレベータの停止時または運休時に,開閉接点11P,11Nを閉とするための開閉制御指令を出力し、開閉駆動部19に送出する。シミュレーション情報とは、図3に示すようにインバータ5A,半導体スイッチング素子7Aの異常及び電動機8Bの停止時または運転時、インバータ5B,半導体スイッチング素子7Bの異常及び電動機8Aの停止時または運転時等を想定し、全ての開閉接点11P,11N,12〜16を開閉制御できるような情報である。開閉駆動部19は、接点開閉制御指令出力ステップ18Aから受け取った開閉制御指令に基づき、開閉接点11P,11Nを閉状態に設定する。
【0071】
動作異常確認ステップ18Bは、接点開閉制御指令出力ステップ18Aによる開閉制御指令に基づいて開閉接点11P,11Nの閉状態に設定するが、このとき補助接点11Ps,11Nsの動作状態から当該開閉接点11P,11Nが正常に動作しているか否か,つまり開閉接点11P,11Nの動作不良の有無を確認する。
【0072】
動作状態通知ステップ18Cは、開閉接点11P,11Nの動作不良の有無の信号を遠隔操作装置25に送信した後、例えば開閉接点11P,11Nが動作不良と確認されても、通常運転には支障が無いので、緊急停止させることなくエレベータを継続運転する。
【0073】
エレベータ運転制御部18´は、開閉接点11P,11Nの動作不良時、遠隔操作装置25に開閉接点11P,11Nが動作不良状態にあることを通知しているので、保守員が現場に出向き、エレベータの停止時に動作不良とされた例えば開閉接点11P,11Nをもつ電磁接触器などを交換することになる。
【0074】
なお、開閉接点12〜16についても、前述する一連の処理ステップに従ってシミュレーション運転を実施し、全部の開閉接点11P,11N,12〜16の動作不良の有無を確認し、その結果を遠隔操作装置25に通知するものである。
【0075】
従って、この実施の形態によれば、遠隔操作装置25からのシミュレーション情報に基づき、定期的に開閉接点11P,11N,12〜16を開閉動作させ、開閉接点11P,11N,12〜16に対する11Ps,11Ns,12s〜16sの開閉信号から主接点である開閉接点11P,11N,12〜16の動作不良の有無を確認するので、エレベータの運転が完全にダウンする前の軽度な動作不良段階で不良とされた開閉接点をもつ電磁接触器を交換することができる。
【0076】
(第6の実施の形態)
図8は本発明に係るエレベータ運転方法を適用したエレベータ制御装置の構成図である。なお、同図において、図1及び図4と同一部分には同一符号を付して説明する。
【0077】
この実施の形態は、停電によってマルチかごエレベータのかごや隣接するエレベータの乗りかごが階間で停止した場合の一例としての運転方法である。
【0078】
例えばA系統の乗りかごの上昇中に停電によって階間に停止した場合、エレベータ運転制御部18は、B系統のエレベータを下降させるように電動機8Bを回生運転し、一方、A系統のエレベータを上昇させるように電動機8Aを力行運転するとともに、開閉接点11P,11Nを閉とする開閉制御指令を開閉駆動部19に送出する。ここで、開閉駆動部19は、開閉制御指令に基づいて開閉接点11P,11Nを閉状態に設定する。その結果、回生運転時にはB系統の直流電圧ラインPb,Nb間に現れる回生エネルギーを開閉接点11P,11Nを通してA系統の直流電圧ラインPa,Na間に還流し、電動機8Aの力行運転に使用する。これにより、A系統の乗りかごを停止位置から最寄り上位階に運転して停止させることができる。
【0079】
B系統の乗りかごの上昇中に停電によって階間に停止した場合、逆にA系統のエレベータを下降させるように電動機8Aを回生運転し、一方、B系統のエレベータを上昇させるように電動機8Bを力行運転するとともに、開閉接点11P,11Nを閉とする開閉制御指令を開閉駆動部19に送出する。開閉駆動部19は、開閉制御指令に基づいて開閉接点11P,11Nを閉状態に設定する。そして、回生運転時にはA系統の直流電圧ラインPa,Na間に現れる回生エネルギーを開閉接点11P,11Nを通してB系統の直流電圧ラインPb,Nb間に還流し、電動機8Bの力行運転に使用する。
【0080】
この実施の形態によれば、マルチかごエレベータのかごまたは隣接するエレベータの乗りかごの上昇時に停電によって階間に停止した場合、他方のエレベータを回生運転し、その回生エネルギーを上昇側のエレベータの力行運転に利用し、それぞれのエレベータを最寄り階まで運転させることが可能となる。
【0081】
なお、この実施の形態は、エレベータの乗りかごの上昇時に停電によって階間に停止した例について述べたが、エレベータの乗りかごの下降時に停電によって階間に停止した場合についても同様に適用できる。つまり、下降するエレベータの電動機を回生運転し、隣接する他の系統のエレベータの電動機を力行運転し、最寄りの下位階まで運転させても良いものである。
【0082】
さらに、上記実施の形態は、開閉接点11P,11Nだけに着目して説明したが、図1、図4、図5及び図6の何れの構成のエレベータ制御装置に適用できるものであることは言うまでもない。
【0083】
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明に係るエレベータ制御装置の第1の実施形態を示す構成図。
【図2】図1に示すエレベータ制御装置の電力変換装置正常時の動作を説明する図。
【図3】図1に示すエレベータ制御装置の電力変換装置異常時の動作を説明する図。
【図4】本発明に係るエレベータ制御装置の第2の実施形態を示す構成図。
【図5】本発明に係るエレベータ制御装置の第3の実施形態を示す構成図。
【図6】本発明に係るエレベータ制御装置の第4の実施形態を示す構成図。
【図7】本発明に係るエレベータ運転方法を説明するためのエレベータ制御装置の構成図。
【図8】本発明に係る別のエレベータ運転方法を説明するためのエレベータ制御装置の構成図。
【図9】従来のダイオードブリッジコンバータを用いたエレベータ制御装置の構成図。
【図10】従来の回生機能付きコンバータを用いたエレベータ制御装置の構成図。
【符号の説明】
【0085】
1…商用三相交流入力電源、2A,2B…電力変換装置、3A,3B…ダイオードブリッジコンバータ、4A,4B…平滑コンデンサ、5A,5B…インバータ、6A,6B…抵抗、7A,7B…半導体スイッチング素子、8A,8B…電動機、11P,11N…開閉接点(回生エネルギー供給開閉手段),12〜115,22,23…インバータ出力供給開閉手段)16…開閉接点(他系電力供給開閉手段)、11Ps,11Ns,12s〜16s…補助接点、18,18´…エレベータ運転制御部、18a…第1の運転制御手段、18b…第2の運転制御手段、18A…接点開閉制御指令出力ステップ、18B…動作異常確認ステップ、18C…動作状態通知ステップ、19…開閉駆動部、20…監視装置、21a,21b…回生機能付きコンバータ、24…動力伝達器、25…遠隔操作装置。




 

 


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