Warning: copy(.htaccess): failed to open stream: Permission denied in /home/jp321/public_html/header.php on line 8
エレベータのロープ制振装置及びロープ制振装置の取付構造 - 東芝エレベータ株式会社
米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 包装;運搬 -> 東芝エレベータ株式会社

発明の名称 エレベータのロープ制振装置及びロープ制振装置の取付構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1711(P2007−1711A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−183397(P2005−183397)
出願日 平成17年6月23日(2005.6.23)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 荻本 真也
要約 課題
制振性能を損なわずに小型化を実現でき、機械室内の適宜なスペースを設置可能とする。

解決手段
機械室内にマシンビーム3を介して設置される巻上機7に掛け渡されたロープ9の揺れを抑制するロープ制振装置であって、ロープ9の整列方向と直交する方向に所定距離を隔てて対峙された取付ベース21と、対峙された取付ベース21に対して、ロープ9からほぼ等距離を有し、かつ水平方向に移動可能に支持された複数のローラ22と、各ローラ22の軸23と取付ベース21の所定個所の支持部材27との間に設けられ、ローラ22の水平移動に伴って伸縮動作を行うダンパー29とを設け、揺れによってロープ9がローラ22に接触したとき、ローラ22が水平方向に移動し、当該ローラ22の軸23を通してダンパー29に収縮させる構造である。
特許請求の範囲
【請求項1】
エレベータの機械室内に少なくともマシンビームを介して設置される巻上機に掛け渡されたロープの揺れを抑制するエレベータのロープ制振装置において、
前記巻上機から吊り下げられたロープの整列方向と直交する方向に所定の距離を隔てて対峙された取付ベースと、
この対峙された取付ベースに対して、前記整列されたロープからほぼ等しい所定の距離を有し、かつ水平方向に移動可能に支持された複数のローラと、
各ローラの各軸と前記取付ベースの所定個所に設けられた支持部材との間に設けられ、前記ローラの水平移動に伴って伸縮動作を行うダンパーとを備えたことを特徴とするエレベータのロープ制振装置。
【請求項2】
エレベータの機械室内に少なくともマシンビームを介して設置される巻上機に掛け渡されたロープの揺れを抑制するエレベータのロープ制振装置において、
前記巻上機から吊り下げられたロープの整列方向と直交する方向に所定の距離を隔てて対峙された取付ベースと、
この対峙された取付ベースに対して、前記整列されたロープからほぼ等しい所定の距離を有し、かつ水平方向に移動可能に支持された複数のローラと、
これらローラの各軸端から互いに反対側ローラの軸端方向に延在されたバーと、
このバーにおける前記ローラ各軸端とは反対側の端部に異なる高さで設けられたローラ側ダンパー取付ベースと、
各ローラ側ダンパー取付ベースと相対するように前記取付ベースの所定の個所に設けられたベース側ダンパー取付ブラケットと、
互いに異なる高さの各ローラ側ダンパー取付ベースと各ベース側ダンパー取付ブラケットとの間に設けられ、前記ローラの水平移動に伴って伸縮動作を行うダンパーとを備えたことを特徴とするエレベータのロープ制振装置。
【請求項3】
前記機械室の機械室床上に前記請求項1または請求項2に記載のロープ制振装置を取付けることを特徴とするロープ制振装置の取付構造。
【請求項4】
前記機械室に所定の距離を隔てて並行に設置された前記マシンビームの下部側に互いに下向きで対峙するように制振装置取付ブラケットを取付け、これら制振装置取付ブラケット間に前記請求項1または請求項2に記載のロープ制振装置を取付けることを特徴とするロープ制振装置の取付構造。
【請求項5】
前記機械室に所定の距離を隔てて並行に設置された前記マシンビームの下部側に前記ロープの接触時に移動する前記ローラの移動方向と直交する方向に長孔を施すとともに、前記両マシンビームの長孔に対して互いに下向きで対峙するように制振装置取付ブラケットを固定部材によって取付け、これら制振装置取付ブラケット間に前記請求項1または請求項2に記載のロープ制振装置を取付けることを特徴とするロープ制振装置の取付構造。
【請求項6】
前記機械室に所定の距離を隔てて並行に設置された前記マシンビームの下部側にそれぞれ下向きで対峙するように制振装置取付ブラケットをレールクリップを用いて取付け、これら制振装置取付ブラケット間に前記請求項1または請求項2に記載のロープ制振装置を取付けることを特徴とするロープ制振装置の取付構造。
【請求項7】
前記機械室に所定の距離を隔てて並行に設置された前記マシンビームの下部からそれぞれ上向きで対峙するように制振装置取付ブラケットを取付け、これら制振装置取付ブラケット間に前記請求項1または請求項2に記載のロープ制振装置を取付けることを特徴とするロープ制振装置の取付構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロープの振動を抑制するエレベータのロープ制振装置及びロープ制振装置の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータシステムは、昇降路上部の機械室内に巻上機が設置され、当該巻上機に掛け渡されたメインロープが機械室床のロープ案内口を通って昇降路内に吊下されている。そして、メインロープの一端部に乗りかご、当該メインロープの他端部にカウンタウェイトが吊り下げられている。
【0003】
ところで、近年、超高層建物の建設が増加の方向にあるが、これに伴ってエレベータ乗りかごの昇降行程が高くなればなるほど、乗りかごを吊り下げるメインロープの長さが長くなる。一方、乗りかごの走行中に何らかの原因,例えば巻上機に微細な振動が発生した場合、ロープの長さが長くなればなるほど、巻上機から伝わった微細な振動がメインロープの全長にわたって伝播して大きな揺れが発生する。その結果、メインロープが昇降路内の機器に接触したり、昇降路内機器の取付ブラケットに引っかかったりする。また、メインロープの揺れにより、乗りかご内の乗り心地が悪くなったり、昇降路に隣接するホテルなどの居室(部屋)が振動したり、騒音の原因となっている。
【0004】
そこで、メインロープの振動を防ぐために、昇降路内にメインロープの揺れを抑制するための図8に示すようなロープ制振装置100が取り付けられている。同図において、101は昇降路上部の機械室に設置される巻上機、102はそらせシーブ、103は巻上機101及びそらせシーブ102に跨って掛け渡されたメインロープである。メインロープ103の両端部は、機械室床104のロープ案内口105を通って昇降路内に落とされ、乗りかご106及びカウンタウェイト107を吊り下げている。108a及び108bは昇降路内の両側に配置されるガイドレールである。
【0005】
ロープ制振装置100は、乗りかご106の上昇走行禁止域となる昇降路上部に配置され、ガイドレール108a、108bに跨るように架設された支持枠110と、ロープ案内口105から落下するメインロープ103から等距離位置となる前記支持枠110上に設置された支持部材111と、各支持部材111に回動可能に軸支され、メインロープ103を挟み込むように斜め上方に首振り可能に延在されたアーム112と、これらアーム112の先端部に回転可能に取り付けられ、両側からメインロープ103を挟み込むローラ113と、ばね114とで構成されている。各ばね114は、各アーム112の先端部と支持枠110との間に取付けられ、常時両ローラ113によってメインロープ103を挟み込むように作用させ、メインロープ103の振動を抑制する構造となっている(特許文献1)。
【特許文献1】実開昭51−146648号公報(図2参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、以上のようなロープ制振装置100は、機械室床104から所定距離隔てた下部位置に設置されていることから、次のような問題が指摘されている。
【0007】
(1) ロープ制振装置100の保守点検時、保守員は、乗りかご106の上部に乗った状態で点検用リモコンを操作し、乗りかご106を昇降路上部方向に走行させながら、ロープ制振装置100に近づく。しかし、乗りかご106は、エレベータの設置規則などで定める上昇走行禁止域115に到達したとき、非常止めスイッチが動作し、乗りかごが上昇走行しないように自動的に電源が切れてしまう。この状態においては、乗りかご106上の保守員の手がロープ制振装置100まで届かない。そこで、予め昇降路の壁などに梯子を設置し、保守員が乗りかご106から梯子に移って這い上がり、ロープ制振装置100の支持枠110などに移り、或いは梯子上段からロープ制振装置100の保守点検を行っている。従って、ロープ制振装置100の保守点検作業は非常に危険な状態ある。
【0008】
(2) また、保守員の足場が不安定な状態にあることから、満足な保守点検作業ができない。
【0009】
(3) さらに、昇降路内にロープ制振装置100を設置することから、新たに機械室床104からロープ制振装置100までの距離を確保する必要があり、その分だけ昇降路を長くするか、昇降路上部の機械室の高さを抑える必要があり、エレベータ設備用品の取付け上の制約が生じてくる問題がある。
【0010】
(4) さらに、ロープ制振装置100は、ばね114の収縮力を利用して、各アーム112を所定方向に首振りさせ、メインロープ103に対して常時ローラ113を所定の押圧力で押付ける構造となっているので、メインロープ103やローラ113が損傷を受け易い問題がある。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、制振性能を損なわずに小型化を実現でき、機械室内の適宜なスペースを利用して設置可能とし、取付け作業性・保守時の安全性を確保するエレベータのロープ制振装置及びロープ制振装置の取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1) 上記課題を解決するために、本発明は、エレベータの機械室内に少なくともマシンビームを介して設置される巻上機に掛け渡されたロープの揺れを抑制するエレベータのロープ制振装置において、前記巻上機から吊り下げられたロープの整列方向と直交する方向に所定の距離を隔てて対峙された取付ベースと、この対峙された取付ベースに対して、前記整列されたロープからほぼ等しい所定の距離を有し、かつ水平方向に移動可能に支持された複数のローラと、各ローラの各軸と前記取付ベースの所定個所に設けられた支持部材との間に設けられ、前記ローラの水平移動に伴って伸縮動作を行うダンパーとを設けたエレベータのロープ制振装置である。
【0013】
この発明は以上のような構成とすることにより、巻上機等の振動によって揺れの伴ったロープがローラに接触すると、当該ローラが水平方向に進退可能に移動する構造となるので、ロープ制振装置自体の高さが小さくなり、全体としてロープ制振装置を小型化できる。その結果、機械室内の適宜なスペース、例えば巻上機の設置構造物の適宜な空間を利用して取付けることが可能となる。また、ローラが水平方向に進退可能に移動したとき、その移動に伴う力が当該ローラの軸を通してダンパーに伝達する。その結果、ダンパーは移動に伴う力を吸収しつつ緩やかにローラを移動させるので、ロープの揺れを徐々に抑制するように作用する。
【0014】
(2) また、本発明に係るエレベータのロープ制振装置は、巻上機から吊り下げられたロープの整列方向と直交する方向に所定の距離を隔てて対峙された取付ベースと、この対峙された取付ベースに対して、前記整列されたロープからほぼ等しい所定の距離を有し、かつ水平方向に移動可能に支持された複数のローラと、これらローラの各軸端から互いに反対側ローラの軸端方向に延在されたバーと、このバーにおける前記ローラ各軸端とは反対側の端部に異なる高さで設けられたローラ側ダンパー取付ベースと、各ローラ側ダンパー取付ベースと相対するように前記取付ベースの所定の個所に設けられたベース側ダンパー取付ブラケットと、互いに異なる高さの各ローラ側ダンパー取付ベースと各ベース側ダンパー取付ブラケットとの間に設けられ、前記ローラの水平移動に伴って伸縮動作を行うダンパーとを設けた構成である。
【0015】
この発明は以上のような構成とすることにより、ロープ制振装置自体の高さだけでなく、横幅も短くなり、さらに小型化を実現することが可能となる。よって、前記(1)と同様に機械室内の適宜なスペース、例えば巻上機の設置構造物の適宜な空間を利用して取付けることが可能となる。
【0016】
(3) また、本発明に係るロープ制振装置の取付構造は、以上のようなロープ制振装置が小型化されたことにより、機械室の機械室床上に取付けることが可能となり、ロープ制振装置の保守点検時の安全性、作業性を向上させることが可能となる。
【0017】
また、本発明に係るロープ制振装置の取付構造は、機械室に所定の距離を隔てて並行に設置されたマシンビームの下部側に互いに下向きで対峙するように制振装置取付ブラケットを取付け、これら制振装置取付ブラケットに前述したロープ制振装置を取付けることにより、ロープ制振装置の取付け作業性、保守時の安全性を向上させることが可能となる。
【0018】
さらに、本発明に係るロープ制振装置の取付構造は、機械室に所定の距離を隔てて並行に設置された前記マシンビームの下部側に前記ロープの接触時に移動する前記ローラの移動方向と直交する方向に長孔を施すとともに、前記両マシンビームの長孔に対して互いに下向きで対峙するように制振装置取付ブラケットを固定部材によって取付け、これら両制振装置取付ブラケット間に前述したロープ制振装置を取付けることにより、ロープ制振装置の取付け作業性、保守時の安全性を向上させることが可能となる。
【0019】
さらに、機械室に所定の距離を隔てて並行に設置された前記マシンビームの下部側にそれぞれ下向きで対峙するように制振装置取付ブラケットをレールクリップを用いて取付け、これら両制振装置取付ブラケット間にロープ制振装置を取付けてもよい。
【0020】
さらに、機械室に所定の距離を隔てて並行に設置された前記マシンビームの下部からそれぞれ上向きで対峙するように制振装置取付ブラケットを取付け、これら両制振装置取付ブラケット間に前述したロープ制振装置を取付けてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、制振性能を損なわずに小型化を実現でき、機械室内の適宜なスペースを利用して設置でき、かつ据付作業性、保守時の安全性を確保できるエレベータのロープ制振装置及びロープ制振装置の取付構造を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1ないし図3は本発明に係るエレベータのロープ制振装置における第1の実施の形態を説明する図である。図1はエレベータのロープ制振装置を含むエレベータシステムの構成図、図2はロープ制振装置の上面図、図3はロープ制振装置のダンパー取付け部の詳細を示す図である。
【0023】
これらの図において、1は昇降路上部の機械室床、2は機械室床1上に例えば方形状をなすように突き出した任意高さの例えば断面エ形状をなす突出部(オーバーハング)、3は突出部2上に少なくとも所定の距離を隔てて並行に配置された例えば断面エ形状をなす所定長さのマシンビームである。これらマシンビーム3上には防振ゴム4を介して防振スタンド5が配置されている。
【0024】
防振スタンド5には巻上シーブ6を連結した巻上機7が設置されている。8はそらせシーブである。これら巻上シーブ6及びそらせシーブ8には複数本のメインロープ9が掛け渡され、メインロープ9の一端部には昇降路内を昇降する乗りかご10が吊り下げられ、メインロープ9の他端部には乗りかご10と重量バランスを取るためのカウンタウェイト11が吊り下げられている。12a,12bは昇降する乗りかご10の両側部をガイドするために昇降路の上下方向に敷設されるガイドレールである。なお、機械室床1のメインロープ9の通る部分にはロープ案内口13が形成されている。
【0025】
さらに、機械室床1とマシンビーム3との間の空間部分であって、かつ乗りかご10を吊り下げるメインロープ9を通すロープ案内口13の近傍にはロープ制振装置20が据付けられる。
【0026】
ロープ制振装置20は具体的には図2に示すように構成される。ロープ制振装置20は、ロープ案内口13を通る複数本のメインロープ9の整列方向と直交する方向に対峙するようにローラ取付面部21aを有する断面L字状の取付ベース21がネジ止めその他の取付け手段で機械室床1に固定される。そして、これら取付ベース21のローラ取付面部21a間には整列するメインロープ9からほぼ等しい距離を隔てて2つのローラ22が配置されている。各ローラ22は、それぞれ両端部から軸23が突設され、対応するローラ取付面部21aに形成された長孔24(図3(a)参照)を通って取付ベース21に支持されている。なお、ローラ取付面部21aに長孔24を設けた理由は、ローラ22がメインロープ9に対して進退可能な方向,つまり図3(a)に示すA,B矢印方向に所定の範囲で自由に移動可能にする為である。なお、図3は、ロープ制振装置20が上下左右とも対象であるので、その1/4のみ図示し、他の3/4は省略してある。
【0027】
さらに、ローラ取付面部21aには各軸23の貫通部分を補強する補強板25が固着されている。補強板25については、ローラ取付面部21aと同様に長孔が形成され、各軸23が可動できるようになっている。
【0028】
また、各軸23の先端下部側には当該軸23の長手方向に直交する方向にシャフト取付ブラケット26が固定されている。そして、各シャフト取付ブラケット26と各取付ベース21の両縁部に固定されたダンパー取付ブラケット27との間にそれぞれダンパー取付ピン28a,28bを支持軸として例えば油圧,空気圧シリンダーなどのダンパー29が接続されている。
【0029】
次に、以上のようなロープ制振装置20の動作について説明する。
先ず、ロープ制振装置20は、従来のように昇降路内上部ではなく、機械室床1とマシンビーム3との間の空間部分に据付ける。この空間部分に据付け可能となった理由は、各ダンパー29及び軸取付ブラケット26を通して2つのローラ22を水平方向に移動可能としたので、ロープ制振装置20自体の高さが大幅に低くなり、全体として小型化に実現したことにより、機械室床1とマシンビーム3との間の適宜な空間部分を利用して据付け可能となった為である。
【0030】
そして、ロープ制振装置20は、メインロープ9に振動を伴わない場合、図2に示すように2つのローラ22はメインロープ9からある程度の余裕をもった状態で設定されているので、メインロープ9はローラ22に接触していない。
【0031】
しかしながら、何らかの原因でメインロープ9に振動が生じてある揺れ幅を越えた場合、メインロープ9がローラ22と接触し、外側に押し出そうとする力が該当ローラ22に作用する。このとき、当該ローラ22から突出する軸23も同時に外側に作用する力を受ける。その結果、軸23は、ローラ取付け面部21aに形成される長孔24に沿って図3(a)のA方向またはB方向に移動するが、このときダンパー29がメインロープ9による力を吸収しつつ緩やかにローラ22を外側に移動させる。つまり、ダンパー29は、図3(a)に示すストロークCを収縮させつつメインロープ9の振れを抑制するように働く。
【0032】
さらに、メインロープ9が反対方向である内側方向に振れた場合、ダンパー29は、メインロープ9の振れに従ってストロークCを伸長しながら元に戻っていく。
【0033】
そして、メインロープ9がローラ22から離れた後、反対側のローラ22と接触し、同様に外側に向かって押し出す力が作用する。つまり、各ローラ22端部のダンパー29は、交互に前述した一連の伸縮動作を繰り返すことにより、メインロープ9の遥動を抑制する。従って、ダンパー29は、メインロープ9の遥動を抑制するとともに、ローラ22によるメインロープ9の遥動を抑制するときにメインロープ9にかかる大きな荷重を徐々に逃がす働きをする。
【0034】
従って、以上のような実施の形態によれば、2つのローラ22がメインロープ9から力を受けた際、ダンパー29を伸縮させつつローラ22を水平方向に移動させるので、ロープ制振装置20自体の高さが低くなり、全体として小型化に実現することができる。これにより、機械室床1とマシンビーム3との間の適宜な空間部分を有効に利用し、ロープ制振装置20を据付けることが可能となる。その結果、ロープ制振装置20における保守点検は、機械室内の他の設備機器と同時に進めることが可能であり、しかも足場の良い機械室内の作業であることから、安全に作業を進めることが可能となり、また十分に納得のいく保守点検作業を実施できる。
【0035】
なお、ロープ制振装置20は、機械室床1とマシンビーム3との間の適宜な空間部分を利用して据付けるので、他のエレベータ設備用品などの取付けに影響を与えることもなくなる。
【0036】
なお、上記実施の形態では、各ローラ22の両側に取付けた軸23の先端側下部に軸取付ブラケット26を固定したが、例えば軸23先端側外周部に例えば90°間隔ごとに所定個数のねじ孔を形成しておけば、ローラ22表面の摩耗状態に応じ、ローラ22を90°回転させた後、該当軸23先端下部のネジ孔を利用して軸取付ブラケット26をネジ止めする構成であってもよい。
【0037】
このような構成することにより、各ローラ22の寿命を大幅に延ばすことができる。
【0038】
また、上記実施の形態では、軸取付ブラケット26から斜め後方にダンパー29を配置したが、例えば軸23または軸取付ブラケット26から取付ベース21の一側方、つまりローラ22の移動方向と同一の方向にダンパー29を配置した構成であってもよい。
【0039】
(第2の実施の形態)
図4は本発明に係るエレベータのロープ制振装置の第2の実施形態を説明するための図であって、特にダンパー取付け部分の詳細を示す図である。同図(a)は上面図、同図(b)は同図(a)に示すD矢印方向を見たときの図である。また、図4は、ロープ制振装置20の左右が対象であることから、ローラ22の左側に関連するダンパー取付け部分だけを示し、当該ローラ22の右側に関連するダンパー取付け部分は省略している。
【0040】
このロープ制振装置20は、第1の実施の形態と同様に互いに対峙する関係にある2つの取付ベース21のローラ取付面部21a間に2つのローラ22a,22b(以下,ローラの可動伝達経路を明確にするために,添字a,bを便宜的に付加する)が配置され、かつこれらローラ22a,22bの両端部から突設される軸23a,23bがローラ取付面部21aに形成される長孔24a,24bを通って取付ベース21に支持されている。各ローラ22a,22bから突設された軸23a,23bはローラ取付面部21aの長孔24a,24bに沿って水平方向に移動可能になっている。なお、各軸23a,23bは図2に示す軸23の長さよりも短くなっている。
【0041】
各軸23a,23bの先端部には、それぞれ反対側の軸23b,23aの先端部方向で、かつ反対側軸23b,23aを越える位置まで延在するようにバー31a,31bが取付けられている。各バー31a,31bの先端部はそれぞれローラ22a,22bとは反対方向に逆L字状をなすように折り曲げられている。以下、この折り曲げられた平坦面部をローラ側ダンパー取付ベース32a,32bと呼ぶ。なお、各ローラ側ダンパー取付ベース32a,32bは、逆L字状部分の長さを異ならせることにより、上下の位置関係にある。つまり、図4では、ローラ側ダンパー取付ベース32aが上側位置に存在し、ローラ側ダンパー取付ベース32bが下側位置に存在し、かつ各ローラ側ダンパー取付ベース32a,23bの上面部にはローラ可動伝達子33a、33b(33bは33aの下側に隠れているので、図示せず)が取付けられている。
【0042】
一方、バー31a,31bを挟んで各ローラ22とは反対側となる取付ベース21上には先端側を所定の高さの平坦部を形成するように起立させたベース側ダンパー取付ブラケット34a,34bが取付けられている。各ベース側ダンパー取付ブラケット34a,34bの平坦部から各ローラ側ダンパー取付ベース32a,32b上のローラ可動伝達子33a、33bに当接するようにダンパー35a,35b(35bは35aの下側に隠れているので、図示せず)が設けられている。
【0043】
このような構成においては、何らかの原因でメインロープ9に振動が生じてある揺れ幅を越えた場合、メインロープ9が例えばローラ22aに接触すると、外側に押し出そうとする力が当該ローラ22aに作用する。このとき、当該ローラ22aから突出される軸23aも同時に外側に作用する力を受ける。その結果、軸23aは、ローラ取付け面部21aの長孔24aに沿って移動する。軸23aが長孔24aに沿って外側に移動すると、バー31a、ローラ側ダンパー取付ベース32a及びローラ可動伝達子33aも一体的に水平移動するので、当該ローラ可動伝達子33aによってダンパー35aが押圧される。その結果、ダンパー35aは、メインロープ9から受ける力を吸収しつつ緩やかにローラ22aを外側に移動させる。つまり、ダンパー35aは、収縮しながらメインロープ9の振れ幅を抑制する方向に働く。さらに、メインロープ9が反対方向である内側方向に振れた場合、ダンパー35aは、メインロープ9の振れに従って伸長しながら元に戻るように働く。
【0044】
また、メインロープ9がローラ22bに接触した場合、ローラ22aに接触した場合と同様にダンパー35aの真下位置に存在するダンパー35bが伸縮し、ダンパー35aと同様な働きを行う。
【0045】
従って、この実施の形態では、取付ベース21上に両ダンパー35a,35bを上下に重ねて配置するとともに、これらダンパー35a,35bはローラ22a,22bの移動方向と同じ方向に伸縮しながらメインロープ9の遥動を抑制する構造としたので、図2に示す斜め後方方向にダンパー29を配置した構造に較べて、ロープ制振装置20の横幅を短縮でき、さらに小型化することができる。
【0046】
(第3の実施の形態)
図5は本発明に係るロープ制振装置の取付構造を説明するための図であって、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図である。
第1及び第2の実施の形態では、小型化したロープ制振装置20を機械室床1に取付ける例を前提として説明したが、この実施の形態では、図5に示すように少なくとも所定の距離を隔てて並行に配置された2つのマシンビーム3の下部側にそれぞれ下向きで対峙する例えば断面L字状の制振装置取付ブラケット41を取付け、これら制振装置取付ブラケット41間に前述した図2または図4に示すロープ制振装置20を溶接等によって取付けた構造である。
【0047】
この実施の形態によれば、図2または図4に示すロープ制振装置20の小型化により、2つのマシンビーム3の下部側に対峙させて取付けた2つの制振装置取付ブラケット41にロープ制振装置20を取付けることができ、ロープ制振装置20の取付け作業に優れ、また機械室内でロープ制振装置20の保守点検を行うことができ、保守点検時の安全性を確保することができる。
【0048】
(第4の実施の形態)
次に、本発明に係るロープ制振装置の取付構造の他の実施の形態について説明する。
【0049】
前述した図5に示す第3の実施の形態では、据付け現場である機械室内でマシンビーム3の下部側にそれぞれ下向きで対峙するように断面L字状の制振装置取付ブラケット41を取付け、これら制振装置取付ブラケット41にロープ制振装置20を溶接付け等により取付けたものである。しかし、この取付構造は、据付現場で発生する建築誤差から生じるロープ案内口13とロープ制振装置20との相対位置を調整する範囲が著しく狭い。
【0050】
そこで、この実施の形態においては、予め機械室に持ち込む前の段階でマシンビーム3下部側のロープ制振装置20取付け相当部分に多少幅広で長目の長孔を形成した後、機械室に搬入する。そして、ロープ制振装置20を固定する断面L字状の制振装置取付ブラケット41の後端側をマシンビーム3の下部側に形成された長孔部分に設定する。このとき、建築誤差等からロープ案内口13とロープ制振装置20との間に相対誤差が生じたとき、マシンビーム3の下部側に形成された長孔に沿って制振装置取付ブラケット41のボルト穴の位置を移動させ、複数本のメインロープ9,ひいてはロープ案内口13とロープ制振装置20の2つのローラ22または22a,22bとの相対位置を決定し、マシンビーム3にボルト・ナットを用いて制振装置取付ブラケット41を締め付け固定する。
【0051】
これにより、ロープ制振装置20の工事調整時の調整幅が向上し、建築誤差により発生したメインロープ9の芯ずれなどに対しても、柔軟にロープ制振装置20の位置合わせを行って取付けることができる。
【0052】
(第5の実施の形態)
図6は本発明に係るロープ制振装置の取付構造の他の実施形態を説明するロープ制振装置取付け部の詳細を示す図である。
【0053】
前述した第4の実施の形態においては、マシンビーム3の設計段階で制振装置取付ブラケット41を取付けるための長孔の大きさ・形状及び位置を決定しなければならないこと、またロープ制振装置20を備えたエレベータシステムとロープ制振装置20を備えないエレベータシステムとのマシンビーム3の共通化が図れなくなる。つまり、ロープ制振装置20を備えたエレベータシステムで使用するマシンビーム3が特注品扱いとされ、種々の不都合な面が出てくる。
【0054】
そこで、本実施の形態では、図6に示すようにロープ制振装置20を取付ける制振装置取付ブラケット41のロープ制振装置20とは反対側端部側,つまり図示右側端部の紙面と直交する紙面奥行方向に長孔42を形成する。そして、断面エ形状のマシンビーム3の下部外側縁にレールクリップ43を噛合わせ、ボルト44及びナット45で締め付け固定する構造である。46はスペーサーである。
【0055】
このロープ制振装置20の取付構造は、ボルト44をレールクリップ43及び制振装置取付ブラケット41の長孔42に挿通し、ボルト45で仮り締めした後、ロープ案内口13とロープ制振装置20との相対位置を調整し、最適な取付け位置を定めたときにボルト44及びナット45で締め付け固定する。
【0056】
なお、制振装置取付ブラケット41が位置決め固定された場合、マシンビーム3の下部内側平坦部に通常マシンビーム固定用ボルト穴が開いている場合には当該ボルト穴を利用し、ボルト44・ナット45を用いて、マシンビーム3に制振装置取付ブラケット41の反対側を締め付け固定する。なお、制振装置取付ブラケット41のボルト穴に相当する部分には長孔42と同様に長孔を形成する。マシンビーム3にボルト穴が開いていない場合にはマシンビーム3の下部内側平坦部と制振装置取付ブラケット41との境界部分の適宜な個所を溶接付け48とし、完全に固定する。
【0057】
従って、以上のような実施の形態においては、制振装置取付ブラケット41に対して必要な長孔42を加工するが、マシンビーム3側の加工は一切不要にすることができ、さらに第4の実施形態の長孔以上に調整範囲が広がり、設計の整合性や現場据付性が格段に向上できる。
【0058】
(第6の実施の形態)
前述した第3ないし第5の実施の形態では、マシンビーム3の下部側にそれぞれ下向きとなるように断面L字状の制振装置取付ブラケット41を取付け、これら制振装置取付ブラケット41間にロープ制振装置20を取付けた構造である。この場合、第2のマシンビーム3の下部と機械室床1との空間部分,つまり突出部2の高さ相当の空間部分にロープ制振装置20が配置されるが、例えば機械室の天井などが低い場合、それに伴ってマシンビーム3の下部と機械室床1との高さ方向の余裕度も狭くなってしまう。その結果、ロープ制振装置20と機械室床1との間で干渉し合う状態が発生し、ロープ制振装置20が取付けできなくなる。
【0059】
そこで、本実施の形態では、図7に示すようにマシンビーム3の下部側からそれぞれ上向きとなるように断面L字状の制振装置取付ブラケット41を取付け、これら制振装置取付ブラケット41間にロープ制振装置20を取付ける構造とする。
【0060】
この実施の形態によれば、必要に応じて機械室床1からの突出部(オーバーハング)2を無くすことができ、マシンビーム3と機械室床1との高さ方向の余裕度の有無によらず、ロープ制振装置20を取付けることが可能となる。
【0061】
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係るエレベータのロープ制振装置を適用したエレベータシステムの概略的な全体構成図。
【図2】本発明に係るエレベータのロープ制振装置における第1の実施形態を示す上面図。
【図3】ロープ制振装置のダンパー取付け部の詳細を示す一部分図であって、同図(a)は上面図、同図(b)は正面図。
【図4】本発明に係るエレベータのロープ制振装置における第2の実施形態を示す一部分を示す図であって、同図(a)は上面図、同図(b)は正面図。
【図5】ロープ制振装置の取付け例図。
【図6】ロープ制振装置の他の取付け例図。
【図7】ロープ制振装置のさらに他の取付け例図。
【図8】従来のエレベータのロープ制振装置を適用したエレベータシステムの概略構成図。
【符号の説明】
【0063】
1…機械室床、2…突出部、3…マシンビーム、4…防振ゴム、5…防振スタンド、6…巻上シーブ、7…巻上機、8…そらせシーブ、9…メインロープ、10…乗りかご、11…カウンタウェイト、13…ロープ案内口、20…ロープ制振装置、21…取付ベース、21a…ローラ取付面部、22,22a,22b…ローラ、23,23a,23b…軸、24,24a,24b…長孔、26…軸取付ブラケット、27…ダンパー取付ブラケット、29…ダンパー、31a,31b…バー、32a,32b…ローラ側ダンパー取付ベース、33a,33b…ローラ可動伝達子、34a,34b…ベース側ダンパー取付ブラケット、35a,35b…ダンパー、41…制振装置取付ブラケット、42…長孔、43…レールクリップ、46…スペーサー。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013