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発明の名称 シート給送装置及び記録装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−161377(P2007−161377A)
公開日 平成19年6月28日(2007.6.28)
出願番号 特願2005−357294(P2005−357294)
出願日 平成17年12月12日(2005.12.12)
代理人 【識別番号】100078846
【弁理士】
【氏名又は名称】大音 康毅
発明者 中村 隆夫
要約 課題
シートの幅方向の複数箇所に給送ローラを配置する記録装置において、一部の給送ローラのみでシートを給送する場合にシートと接触しない給送ローラが圧板に接触しても、給送ローラの外周のローラゴムの削れや、給送ローラの駆動源の負荷増大を防ぐことを可能にする。

解決手段
圧板21に積載されたシートPを送り出す給送ローラと、圧板に積載されたシートを給送ローラに対して圧接又は離間させるための圧接離間手段(リリースカム31及び突起部21c)と、を備え、シートの幅方向の少なくとも2箇所に給送ローラ5r、7rを設け、少なくとも1箇所の給送ローラ7rが他の給送ローラ5rに対して独立動作と同期動作とを切り替え可能である構成とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
積載手段に積載されたシートに当接して該シートを送り出す給送手段と、前記積載手段に積載されたシートを前記給送手段に対して圧接又は離間させるための圧接離間手段と、を備えるシート給送装置において、
前記給送手段は前記シートの幅方向の少なくとも2箇所に設けられ、
前記給送手段のうちの少なくとも1箇所の給送手段が他の給送手段に対して独立動作と同期動作とを切り替え可能であることを特徴とするシート給送装置。
【請求項2】
前記給送手段は、1つの駆動手段により回転制御されることを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。
【請求項3】
前記給送手段のうちの少なくとも1箇所の給送手段は、他の給送手段が回転しているときに駆動を解除できることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート給送装置。
【請求項4】
前記駆動手段の回転方向を切り替えることにより、前記独立動作と前記同期動作を切り替えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート給送装置。
【請求項5】
画像情報に基づいて記録ヘッドによりシートに画像を記録する記録装置において
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート給送装置を備えた記録装置。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、積載手段に積載されたシートに当接して該シートを送り出す給送手段と、積載手段に積載されたシートを給送手段に対して圧接又は離間させるための圧接離間手段と、を備えるシート給送装置、並びに記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置は、画像情報に基づいて紙、布、プラスチックシート、OHP用シート等の記録媒体に画像(文字や記号等を含む)を記録していくように構成されている。この記録装置における記録方式にはシリアルタイプとラインタイプがある。シリアルタイプは、記録ヘッドを記録媒体に沿って移動させる主走査と記録媒体の紙送り(副走査)とを交互に繰り返しながら画像を記録していく方式である。一方、ラインタイプは、記録媒体の幅方向に延びる長尺の記録ヘッドを用いることにより、一括して1ライン分を記録しながら記録媒体の紙送り(副走査)のみで画像を記録していく方式である。
【0003】
上記記録装置では、カセット等に積載収納された記録媒体としてのシートを1枚ずつ分離して画像形成部へ給送するためのシート給送装置が設けられている。このシート給送装置として、圧板上に積載されたシートをばねで給送ローラに付勢し、給送ローラを回転することで最上層の一枚を分離給送するタイプのものが使用されている。このタイプのシート給送装置では、給送の際にシートの斜行を起こりにくくするために、シート幅方向の2箇所に給送ローラを配置することがある(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平07−165338号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の2箇所に給送ローラを配置する構成の自動給送装置では、A4サイズ等の幅の広いシートは2個の給送ローラに接触させて給送できる。しかしながら、はがきやL判等の小サイズのシートの場合は1個の給送ローラのみしか接触せず、この1個の給送ローラのみで給送する場合がある。小サイズのシートを少数枚積載して給送するなどの場合に1個の給送ローラのみで給送すると、シートと接触していない方の給送ローラが圧板と接触しやすくなる。給送ローラが圧板に接触すると、給送ローラの外周面を構成するゴムが削られたり、モータに大きな負荷がかかるなどの不都合が生じる。
【0005】
本発明はこのような技術的課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、シートの幅方向の複数箇所に給送ローラを配置する場合に、一部の給送ローラのみでシートを給送する場合でも、シートと接触しない給送ローラのゴムの削れや、駆動源の負荷増大を防ぐことができるシート給送装置及び記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するため、積載手段に積載されたシートに当接して該シートを送り出す給送手段と、前記積載手段に積載されたシートを前記給送手段に対して圧接又は離間させるための圧接離間手段と、を備えるシート給送装置において、前記給送手段は前記シートの幅方向の少なくとも2箇所に設けられ、前記給送手段のうちの少なくとも1箇所の給送手段が他の給送手段に対して独立動作と同期動作とを切り替え可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のシート給送装置によれば、複数の給送手段のうちの少なくとも1箇所の給送手段が他の給送手段に対して独立動作と同期動作とを切り替え可能である構成とするので、一部の給送ローラのみでシートを給送する場合でも、シートと接触しない給送ローラのゴムの削れや、駆動源の負荷増大を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を具体的に説明する。なお、各図面を通して同一符号は同一又は対応部分を示すものである。図1は本発明を適用したシート給送装置を備えた記録装置の一実施形態の斜視図である。図2は図1の記録装置の待機状態の側面断面図である。図3は本発明によるシート給送装置の第1の実施形態の正面図である。図4の本発明によるシート給送装置の第1の実施形態の待機状態の側面図である。図5は本発明によるシート給送装置の第1の実施形態における給送ローラユニットの斜視図である。なお、本実施形態では、記録装置が、記録ヘッドからシートへインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置である場合を例に挙げて説明する。
【0009】
図1〜図4において、記録装置100は、画像情報に基づいて記録ヘッドにより記録媒体であるシートに画像を記録するものである。この記録装置は、シート給送装置10、送紙部50、排紙部60、画像形成部70及び回復系80などを備えている。これらの各構成部は装置本体2に組み込まれている。シート給送装置10は、装置本体2に対して30度〜60度の角度で取り付けられたベース部材11と、ベース部材に回動自在に取り付けられた圧板21と、圧板にスライド可能に装着された可動サイドガイド19と、給送ローラユニット30と、を備えている。圧板21は、記録媒体であるシートPを積載する積載手段を構成する。給送ローラユニット30はシートPを1枚ずつ分離して送り出すものであり、給送ローラユニット30の給送ローラ(後述する複数の給送ローラ5r、7rのそれぞれ)はシートPを送り出す給送手段を構成する。
【0010】
可動サイドガイド19は圧板21に対してシート給送方向と交差する方向にスライド可能である。積載されるシートは、サイズが異なる場合でも、可動サイドガイド19によりベース部材11の一方の側壁部12Aの内壁面で構成されるシート基準面13に突き当てられる。圧板21は、ベース部材11の両側壁部12A、12Bの上部(又は先端部)に設けられた回動軸21b(図3)を中心に回動自在に支持されるとともに、給送ローラユニット30と対向する位置に設けられたばね22により該給送ローラユニットに向けて付勢されている。
【0011】
図1〜図5において、給送ローラユニット30は、シートの幅方向所定間隔をおいた2箇所に配置された左給送ローラ5rと右給送ローラ7rを備えている。圧板21の給送ローラユニット30と対向する部位には、給送ローラユニットに向けて突出した突起部21cが設けられている。給送ローラユニット30には、給送ローラ5rと一体的に回転するリリースカム31が設けられている。給送ローラ5rの回転に伴ってリリースカムの先端部31aで突起部21cを押圧することにより、圧板21を圧板ばね22に抗して押し下げる(離間させる)ことができる。リリースカム31と圧板ばね22により、圧板21に積載されたシートPを左給送ローラ5rと右給送ローラ7rに対して圧接又は離間させる圧接離間手段が構成される。
【0012】
図3及び図4において、ベース部材11の搬送方向下流側の端部には固定分離爪17が設けられ、給送ローラにより送り出されるシートを1枚ずつに分離することができる。また、圧板21の各給送ローラと対向する部位には、人工皮などの摩擦係数が比較的大きい材質からなる分離パッド23が設けられている。分離パッド23は、給送ローラ5r、7rのそれぞれの厚肉部32と対向する位置に設けられ、シート給送時の重送などの発生を防止している。
【0013】
図1及び図2において、シート給送装置10から1枚ずつ分離給送されるシートPは、送紙部50へ搬送され、この送紙部によって画像形成部70へ搬送される。送紙部50は、搬送ローラ36と、ピンチローラばね40により搬送ローラに押圧されるピンチローラ37と、PE(紙端)センサ42とを備えている。PEセンサ42はシャーシ3に固定されている。また、シャーシ3には、PEセンサばね43により弱い力で矢印E方向に付勢されているPEセンサレバー41が取り付けられている。PEセンサ42は、PEセンサレバー41の矢印E方向と逆方向の移動を検知する。
【0014】
シート給送装置10から送られてきたシートPがプラテン46に沿って搬送され、このシートの先端がPEセンサレバー41を矢印Eと逆の方向へ押すと、これをPEセンサ42が検知する。そして、この検知信号を不図示の制御手段に入力する。なお、この制御手段は、PEセンサ42からの検知信号により、シートPの先端を検出し、これに基づいて搬送ローラ36を回転させ、シートを正確に記録開始位置まで搬送する。画像形成部70を構成する記録ヘッド49は、キャリッジ軸51に沿って往復移動可能に案内支持されたキャリッジ48に搭載されている。キャリッジ48は、シャーシ3に取り付けられたキャリッジモータ53により、キャリッジモータとアイドルプーリ56との間に張架されたタイミングベルト55を介して往復駆動される。
【0015】
画像を形成する際は、キャリッジと共に記録ヘッド49を紙幅方向に移動させることにより1ライン分の記録を行い、1ライン分の記録を終えた後搬送ローラ36を回転させて所定ピッチの紙送りを行う。このような1ライン分の記録と所定ピッチの紙送りを交互に繰り返すことで、シートPの全体に画像が形成される。画像を形成されたシートは、排紙部60により装置本体外へ排出される。排紙部60は、排紙ローラ59と拍車61でシートを挟持し、伝達ローラ62を介して伝達される搬送ローラ36の駆動力で排紙ローラ59を回転させることにより、シートを装置本体外へ搬送排出する。
【0016】
本実施形態の記録装置は、記録ヘッド49の微細な吐出口からインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置である。そのため、記録領域を外れた所望位置(例えば記録ヘッドのホームポジション)に、記録ヘッドの目詰まりを予防したり、目詰まりを解消するための回復系80が設けられている。この回復系80は、吐出口を覆うキャップ、吐出面をクリーニングするためのワイパー、キャッピング状態で吐出口からインクを吸引して吐出口内のインクをリフレッシュするための吸引ポンプなどで構成されている。
【0017】
図3、図4及び図5において、給送ローラユニット30は、ローラ軸部5とローラホルダ部7で構成されている。ローラ軸部5には、ローラ軸5cと左給送ローラ5rと軸ギア5gが一体に設けられている。また、ローラホルダ部7には、中空軸7cと右給送ローラ7rとホルダギア7gが一体に設けられている。ローラ軸5cの右側寄り部分は、ローラホルダの中空軸7cの内部を貫通しており、ローラホルダの右側から突出している。このローラ軸5cの突出端部に軸ギア5gが固定されている。ローラ軸部5及びローラホルダ部7は互いに同芯関係で嵌合されており、ローラホルダ部7はローラ軸部5に対して独立して回転動作可能に構成されている。なお、ローラ軸5cの右側突出端部(軸ギア5gの左側隣接部位)に、圧板ばね22と共働して圧板21を圧接離間させるための前記リリースカム31が固定されている。
【0018】
ローラ軸部5は、ローラ軸5cの両端部で、ベース部材11の両側壁部12A、12Bに設けられた軸受孔により回転自在に軸支されている。以上の構成により、ローラ軸部5に設けられた左給送ローラ5rと、ローラホルダ部7に設けられた右給送ローラ7rは、同軸で独立回転可能である。また、左給送ローラ5rと右給送ローラ7rは、同断面同形状をしており、実質的に同じ構成を有する。すなわち、各給送ローラ5r、7rには、シートPが圧接される外周面に切り欠き部5a(7aは不図示)が形成されている。また、各給送ローラ5r、7rの外周面には、弾性体であるローラゴム67が巻装されている。このようなローラゴムを装着することにより、各給送ローラの外周面に弾性体層が形成されている。
【0019】
また、ローラ軸部5の軸ギア5gとローラホルダ7のホルダギア7gは同軸で独立回転可能であり、これらのギア形状は同様の要目仕様を有する。従って、これらのギア5g、7gは、いずれも、1回転で給送分離動作が完結される。なお、各給送ローラ5r、7gの側面近傍には、ローラゴム67よりも小径で、自由回転可能なローラコロ75が設けられている。このローラコロは、給紙時以外にシートPが給紙ローラのローラゴム67に接触することによる画像の乱れあるいは給送ローラ5r、7gの位置ずれを防ぐためのものである。また、圧板ばね22に抗して圧板21の突起部21cを押圧するリリースカム31が取り付けられた位置はホルダギア7gの近傍でもある。リリースカム31を左給送ローラ5rや右給送ローラ7rと共に回転させることにより、給送ローラの回転に連動して圧板21を圧接離間させることができる。
【0020】
図6は図4のシート給送装置の駆動伝達機構がホルダギアのみへ駆動伝達している状態を示す斜視図である。図7は図4のシート給送装置の駆動伝達機構が軸ギア及びホルダギアの両方へ駆動伝達している状態を示す斜視図である。給送ローラユニット30の各給送ローラ5r、7rは1つの駆動源(図1中の給送モータ47)により回転制御される。図4、図6及び図7において、給送モータからの回転駆動は振子ホルダ29の揺動中心に軸支された太陽ギア28に伝達される。振子ホルダ29の両側部分には太陽ギア28と噛み合う衛生ギア25、26が軸支されている。
【0021】
本実施形態では、一方の衛星ギア25は、ローラ軸部5の軸ギア5g及びローラホルダ部7のホルダギア7gの両方と噛み合い可能であり、太陽ギア28からの駆動を軸ギア5g及びホルダギア7gの両方に伝達可能である。もう一方の衛星ギア26は、衛星ギア25と同じギアであり、アイドラギア27と噛み合い可能である。このアイドラギアは、ローラホルダ7のホルダギア7gと噛み合っている。従って、衛星ギア26は、太陽ギア28からの駆動をアイドラギア27を介してホルダギア7gへのみ伝達可能である。このような駆動伝達機構を介して、給送モータ47によって給送ローラユニット30の左給送ローラ5r、右給送ローラ7r及びリリースカム31が駆動される。
【0022】
図8は、本発明によるシート給送装置の第1の実施形態で、図4の待機状態から、給送ローラユニットの回転によりリリースカムが圧板の突起部に沿って移動を開始したときの状態を示す側面図である。図9は、図8の状態から給送ローラユニットが回転してリリースカムが圧板の突起部から外れたときの状態を示す側面図である。図10は、図2の記録装置において圧板に積載されたシートが給送ローラに圧接したときの状態を示す側面断面図である。図11は、図10の状態から給送ローラが回転することでシートが送紙部へ向けて給送される状態を示す側面断面図である。図12は、図4の状態から給送ローラが1回転近く回転することでリリースカムが再び圧板の突起部の押し下げる状態を示す側面断面図である。図13は、図2の状態から給送ローラユニットが1回転して再び待機状態に戻って圧板上のシートと給送ローラとの圧接が解除されるとともに、給送されたシートが送紙部によって画像形成部を通して搬送される状態を示す側面断面図である。
【0023】
次に、図1〜図13を参照しながら、上述の構成を有するシート給送装置10の給紙開始から給紙終了までの動作について説明する。まず、ユーザの操作によるホストから記録動作指令により圧板21上のシートPの幅を判別する。すなわち、シートPの幅が左給送ローラ5r及び右給送ローラ7rの2つの給送ローラの両方を跨がるか、あるいは左給送ローラ5rには届かない幅であるかを判別する。両方の給送ローラ5r、7rに跨がる場合は、給送モータ47の正転方向の駆動力が太陽ギア28に伝達され、振子ホルダ29が図示の反時計回りに揺動する。これにより、衛星ギア25が軸ギア5g及びホルダギア7gの両方に噛み合い、これら両方のギァに駆動が伝達されることで、左給送ローラ5r及び右給送ローラ7rの両方が同期動作(同期回転駆動)される。
【0024】
そして、ローラホルダ7の回転に伴ってリリースカム31が回転すると、リリースカム31の先端部31aが図8に示すように圧板21の突起部21cに沿って移動し、やがて図9に示すように圧板21の突起部21cから外れる。このようにリリースカム31が圧板21の突起部21cから外れると、圧板バネ22の付勢力により圧板21が回動軸21bを中心に図示時計回り(矢印C方向)に回動する。これにより、図10に示すように、圧板21に積載されたシートPは左給送ローラ5r及び右給送ローラ7rの角部5A、7Aに圧接される。この後、左給送ローラ5r及び右給送ローラ7rが矢印B方向に回転することで、圧板ばね22の付勢力により左給送ローラ5r及び右給送ローラ7rとシートPとの間に生じる摩擦力によって、シートPは矢印D方向に給送される。このとき、シートPの先端角部が固定分離爪17(図9)に引っ掛かることで、シートPは1枚ずつに分離される。
【0025】
次いで、図11に示すように、左給送ローラ5r及び右給送ローラ7rがさらに矢印B方向に回転すると、給送ローラ外周のローラゴム67とシートPとの間の摩擦力によりシートPは送紙部50へ向けて矢印D方向へ搬送される。送紙部へ送り込まれたシートは、搬送ローラ36及びピンチローラ37によって画像記録部70を通して搬送されることになる。左給送ローラ5r及び右給送ローラ7rがシートを送り出して1回転近く回転すると、図12に示すようにリリースカム31の先端部31aが再び圧板21の突起部21cを押圧する。これにより、圧板21を圧板バネ22のばね力に抗しながら図示反時計回り(矢印C方向と反対の方向)に回動させて給送ローラから離間する方向へ押し下げられる。すなわち、図13に示すように、圧板21を離間方向へ移動させることで、圧板上のシートPと左給送ローラ5r及び右給送ローラ7rとの圧接が解除される。
【0026】
このとき、1枚に分離されたシートP1の先端は、図13に示すようにすでに送紙部50の搬送ローラ36とピンチローラ37とにより挟持されており、搬送ローラの回転により像形成部70の記録開始位置まで移動している。また、シート給送装置10は、図13の状態では、前述した図2の待機状態と同じ状態になっている。この状態は、この後、給送モータ47が作動してシート給送装置10が再度給送動作を開始するまで保持される。また、この状態では、圧板21は圧板ばね22の付勢力に抗して押し下げられているので、シートPの補充を容易に行うことができる。
【0027】
一方、ユーザの操作によるホストから記録動作指令により圧板21上のシートPの幅を判別し、圧板21上のシートPの幅が狭く両方の給送ローラ5r、7rに跨がらない場合は次のように動作する。すなわち、左給送ローラ5rを使わないで給送できる場合は、給送モータ47を逆転駆動する。給送モータ47の逆転方向の駆動力が太陽ギア28に伝達されると、振子ホルダ29が図示の時計回りに揺動する。これにより、衛星ギア26がアイドラギア27と噛み合い、アイドラギア27を介してホルダギア7gのみに同方向(矢印B方向)の駆動が伝達され、右給送ローラ7rのみが給送方向に独立動作(回転駆動)される。
【0028】
この際、振子ホルダ29にはギアストッパが設けられており、給送モータ47の逆転により衛星ギア26とアイドラギア27が噛み合うと同時に軸ギア5gの回転は阻止される。このため、不意な回転がある場合でも、ローラ軸部5及び左給送ローラ5rが回転することはない。このように、本実施形態では、駆動手段である給送モータ47の回転方向を切り替えることにより、左給送ローラ5rに対する右給送ローラ7rの独立動作と同期動作を切り替えるように構成されている。
【0029】
以上説明した実施形態では、シートPの幅方向の2箇所に給送手段である左給送ローラ5r及び右給送ローラ7rを設け、一方の給送手段5rに対して他方の給送手段7rを独立動作と同期動作とを切り替え可能であるように構成されている。かかる構成によれば、一方の給送ローラ7rのみでシートを給送する場合でも、シートと接触しない方の給送ローラ5rの外周に装着されたローラゴム6が圧板と擦れて削れるという不都合を無くすことができる。また、給送ローラ5rはシートと接触しない場合でも回転自在であるので、圧板21に接触したとしても駆動源である給送モータ47の負荷が増大することはない。
【0030】
また、本実施形態では、一方の(少なくとも1箇所の)給送手段5rは、他の給送手段7rが回転しているときに駆動を解除できるように構成されている。上述の実施形態によれば、幅の狭い小さいシートを少量積載の状態で給送される場合、使用しない方の左給送ローラ5rのローラゴム67が圧板21に接触したとしても、この給送ローラ5rは滑りや摺擦のない状態で自由に従動回転(又は転動)するだけである。このため、ローラゴム67が削れることを防ぐことが可能である。さらに、圧板21に接触しても必要トルクが増大することがなく、給送モータ47の負荷が過大になることもない。また、2個の給送手段である給送ローラ5r、7rは、1つの駆動手段である給送モータ47により回転制御されるので、簡単かつ安価な構成で上述の作用効果を実現できるシート給送装置が得られる。
【0031】
本実施形態を実際に実施した構成では、紙幅方向における各給送ローラの位置を、左給送ローラ5rではシート基準面13から165mmの位置に選定し、右給送ローラ7rではシート基準面13から約45mm近傍の位置に選定した。この場合、シートPの幅が両方の給送ローラ5r、7rに跨がるサイズは、幅広のA3用紙(297mm幅)やA4用紙(210mm幅)等である。一方、幅が小さく一方の給送ローラ7rのみで給送されるサイズは、A5用紙(148mm幅)やはがき(100mm)等である。
【0032】
図14は本発明によるシート給送装置の第2の実施形態を斜め前方から見て示す斜視図である。図14において、圧板21の上には仕切板90で仕切られた2つのビン91、92が形成されている。これらのビンは、それぞれ簡易型のシート積載部を構成するものである。仕切板90より圧板21側のビン92は、第1の実施形態における圧板21と同様のサイズのシートPを積載するための積載手段である。一方、仕切板90より給送ローラ5r、7r側(前面側)のビン91は、上記ビン92よりも小さいサイズのシートを積載可能な積載手段である。仕切板90は、不図示の回転軸を中心に回動自在に取り付けられている。本実施形態のシート給送装置は、以上の点で第1の実施形態のものと相違しており、その他の点では同じ構成を有している。
【0033】
図14の構成においては、ビン91に積載されたシートが優先して給送され、ビン92に積載されたシートはビン91のシートが全て無くなった後で給送される。ビン91のシートP1を給送するのに必要な給送ローラへの圧板21の圧接力は、ビン92に積載されたシートP2の先端部分P2Sを介してシートP1に伝達される。ビン92に何も積載されない場合は、圧板21がビン91のシートP1の先端部分P1Sを直接押圧することにより圧板圧が得られる。ビン92に積載されたシートP2の給送は、ビン91にシートが無い場合に行われる。そして、仕切板90の長さは、ビン92に積載されたシートP2の最上位のシートを給送する際に、このシートが仕切板90に当接しない寸法に選定されている。
【0034】
例えば、ビン91に小数枚のはがきを積載し、ビン92に多数枚のA4サイズのシートを積載した場合、まずビン91のはがきを給送すべきである。一方、ビン92に積載されたA4サイズのシートの最上面のシートが左給送ローラ5rに接触すると、このA4サイズのシートも給送される可能性がある。そこで、このような場合を考慮して、給送モータ47を逆転させて振子ホルダ29を図4中の時計回りに揺動させる。これにより、衛星ギア26を介してホルダギア7gのみに回転駆動を伝達し、右給送ローラ7rのみを回転させることで、ビン92のシートを給送するという誤給送を防止することができる。
【0035】
給送モータ47を逆転させることで右給送ローラ7rのみで給送する場合には、次の2つの場合がある。1つは、ビン91に積載されているシートを給送する場合である。もう1つは、ビン91にシートが積載されておらず、ビン92に積載されたシートを右給送ローラ7rのみで給送する場合である。つまり、ユーザの操作によるホストからの記録動作の指令が、右給送ローラ7rのみで給送するシート幅の小さいシートに記録する指令である場合となる。
【0036】
ここで、ユーザの誤設定による給紙不良を防止するために、2つのシート幅センサを設けることが望ましい。その場合の1つのセンサは、ビン91に積載されたシートが左給送ローラ5r及び右給送ローラ7rの両方を使用して給送する幅であるか否かを判別するセンサ(光学的センサなど)である。もう1つのセンサは、ビン92にシートが積載されているか否かを判別するセンサである。このような2つのセンサを設けることにより、給送不良を防止することができ、良好なシート給送を確保することができる。
【0037】
以上説明した第2の実施形態によっても、シートPの幅方向の2箇所に左給送ローラ5r及び右給送ローラ7rを設け、一方の給送手段5rに対して他方の給送手段7rを独立動作と同期動作とを切り替え可能であるように構成されている。従って、第2の実施形態によっても、幅の狭い小さいシートを少量積載の状態で給送される場合、使用しない方の左給送ローラ5rのローラゴム67が圧板21に接触したとしても、この給送ローラ5rは滑りや摺擦のない状態で自由に従動回転(又は転動)するだけである。このため、ローラゴム67が削れることを防ぐことが可能である。さらに、圧板21に接触しても必要トルクが増大することがなく、給送モータ47の負荷が過大になることもない。また、2個の給送手段である給送ローラ5r、7rは、1つの駆動手段である給送モータ47により回転制御されるので、簡単かつ安価な構成で上述の作用効果を実現できるシート給送装置が得られる。
【0038】
第2の実施形態を実際に実施した構成でも、紙幅方向における各給送ローラの位置を、左給送ローラ5rではシート基準面13から165mmの位置に選定し、右給送ローラ7rではシート基準面13から約45mm近傍の位置に選定した。この場合、シートPの幅が両方の給送ローラ5r、7rに跨がるサイズは、幅広のA3用紙(297mm幅)やA4用紙(210mm幅)等である。一方、幅が小さく一方の給送ローラ7rのみで給送されるサイズは、A5用紙(148mm幅)やはがき(100mm)等である。
【0039】
なお、以上の各実施形態では、2個の給送ローラを設ける場合を例示して説明したが、本発明は3個以上の給送ローラを用いる場合にも同様に適用することができ、同様の作用効果を奏するものである。例えば、上述の実施形態におけるローラ軸部5に設ける給送ローラの数とローラホルダ部7に設ける給送ローラの数は必要に応じて自由に選定できるものである。従って、本発明は、給送ローラをシートの幅方向の少なくとも2箇所設け、これらの給送ローラのうちの少なくとも1箇所(1つ)の給送ローラを他の給送ローラに対して独立動作と同期動作とを切り替え可能にする構成もその範囲内に含むものである。
【0040】
このように3個以上の給送ローラを用いる場合でも、各給送ローラを1つの駆動手段(給送モータ)により回転制御する構成を同様に実現することができる。また、少なくとも1つの給送ローラを、他の給送ローラが回転しているときに駆動を解除できる構成も同様に実現することができる。さらに、駆動手段の回転方向を切り替えることにより、少なくとも1つの給送ローラを他の給送ローラに対して独立動作と同期動作とを切り替え可能にする構成も同様に実現することができる。
【0041】
また、以上の実施形態では、キャリッジに搭載した記録ヘッドをシートに対して移動させながら画像を形成するシリアルタイプの記録装置を例に挙げて説明した。しかし、本発明は、シート幅方向に延びる記録ヘッドを用いてシートの紙送りのみで画像を形成するラインタイプの記録装置に対しても同様に適用可能なものである。また、以上の実施形態では、記録装置がインクジェット記録装置である場合を説明したが、本発明は、ワイヤドット式、熱転写式、感熱式、レーザービーム式など、他の記録方式を用いる記録装置に対しても同様に適用可能なものである。さらに、本発明は、記録ヘッドの構造、走査方法、記録ヘッドの数、吐出面における吐出口の配列状態、使用するインクの種類数や性状などに関わらず、同様に適用可能であり、同様の作用効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明を適用したシート給送装置を備えた記録装置の一実施形態の斜視図である。
【図2】図1の記録装置の待機状態の側面断面図である。
【図3】本発明によるシート給送装置の第1の実施形態の正面図である。
【図4】本発明によるシート給送装置の第1の実施形態の待機状態の側面図である。
【図5】本発明によるシート給送装置の第1の実施形態における給送ローラユニットの斜視図である。
【図6】図4のシート給送装置の駆動伝達機構がホルダギアのみへ駆動伝達している状態を示す斜視図である。
【図7】図4のシート給送装置の駆動伝達機構が軸ギア及びホルダギアの両方へ駆動伝達している状態を示す斜視図である。
【図8】本発明によるシート給送装置の第1の実施形態で、図4の待機状態から、給送ローラユニットの回転によりリリースカムが圧板の突起部に沿って移動を開始したときの状態を示す側面図である。
【図9】図8の状態から給送ローラユニットが回転してリリースカムが圧板の突起部から外れたときの状態を示す側面図である。
【図10】図2の記録装置において圧板に積載されたシートが給送ローラに圧接したときの状態を示す側面断面図である。
【図11】図10の状態から給送ローラが回転することでシートが送紙部へ向けて給送される状態を示す側面断面図である。
【図12】図4の状態から給送ローラが1回転近く回転することでリリースカムが再び圧板の突起部の押し下げる状態を示す側面断面図である。
【図13】図2の状態から給送ローラユニットが1回転して再び待機状態に戻って圧板上のシートと給送ローラとの圧接が解除されるとともに、給送されたシートが送紙部によって画像形成部を通して搬送される状態を示す側面断面図である。
【図14】本発明によるシート給送装置の第2の実施形態を斜め前方から見て示す斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
2 装置本体
3 シャーシ
5 ローラ軸部
5a 切り欠き部
5c ローラ軸
5g 軸ギア
5r 左給送ローラ
7 ローラホルダ部
7a 切り欠き部
7c 中空軸
7g ホルダギア
7r 右給送ローラ
10 シート給送装置
11 ベース部材
13 シート基準面
17 固定分離爪
19 可動サイドガイド
21 圧板
21b 回動軸
21c 突起部
22 圧板ばね
25、26 衛星ギア
27 アイドラギア
28 太陽ギア
29 振子ホルダ
30 給送ローラユニット
31 リリースカム
31a 先端部
36 搬送ローラ
37 ピンチローラ
46 プラテン
48 キャリッジ
49 記録ヘッド
50 送紙部
51 キャリッジ軸
53 キャリッジモータ
55 タイミングベルト
67 ローラゴム
70 画像形成部
75 ローラコロ
90 仕切板
91 給送ローラ側のビン(シート積載部)
92 圧板側のビン(シート積載部)
100 記録装置
P シート(記録媒体)
P1 シート(ビン91)
P2 シート(ビン92)





 

 


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