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発明の名称 シート情報出力装置、シート処理装置、および画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−50938(P2007−50938A)
公開日 平成19年3月1日(2007.3.1)
出願番号 特願2005−235178(P2005−235178)
出願日 平成17年8月15日(2005.8.15)
代理人 【識別番号】100082337
【弁理士】
【氏名又は名称】近島 一夫
発明者 川崎 岳彦 / 金子 典夫
要約 課題
シート情報の検知誤差が小さく、しかも、シートに負担が少なく、損傷を与えにくいシート情報出力装置を提供する。

解決手段
印加部材1に対向配置される受け部材3に平行溝の凹部4を形成する。平行溝の両側面に傾斜面3cが形成され、溝幅をW、溝深さをd、支持部3a高さにおける印加部材1の直径をsとしたとき、(W−s)/2>5dの関係が成立しており、印加部材1のエッジと凹部4の溝縁との間に、シートPのたわみの変形量に対して十分な距離を設けている。凹部4に支持されたシートがせん断の無理な変形を受けることなく、安定な検知が行える。
特許請求の範囲
【請求項1】
シートに対して外力を印加する印加部材と、
前記印加部材に対向配置されて、シートを介して前記外力を受ける受け部材と、
前記印加部材または前記受け部材に配置され、前記外力印加に対応した信号を出力する出力手段と、を備えたシート情報出力装置において、
前記受け部材は、前記外力の印加位置に凹部を有し、
前記凹部は、前記印加位置のシートを両持ちして中空に支持する支持部と、前記支持部の内側に設けられた傾斜面と、前記支持部から後退させた底面と、を有し、
前記支持部によって両持ちされる最小長さをW、前記支持部から前記底面までの深さをd、前記印加部材と前記凹部の底面とが接触した際の、前記底面からの高さdにおける、前記印加部材の前記最小長さ方向の長さをsと定めたとき、
前記W、前記s、前記dが、(W−s)/2>5dの関係を満たすことを特徴とするシート情報出力装置。
【請求項2】
前記傾斜面の傾斜角度は、前記印加部材と前記底面との間にシートを挟み込んだ際にシートが接触しない角度範囲であることを特徴とする請求項1記載のシート情報出力装置。
【請求項3】
前記支持部と前記傾斜面との接続部分が面取りされていることを特徴とする請求項1または2記載のシート情報出力装置。
【請求項4】
前記凹部は、前記受け部材をシートの搬送方向に貫通した平行溝であって、前記平行溝の内縁に前記傾斜面が接続していることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載のシート情報出力装置。
【請求項5】
前記搬送方向の上流側で、前記受け部材のシート接触面に、前記上流側へ向かってシート面から遠ざかる逃げ面を形成したことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載のシート情報出力装置。
【請求項6】
シートの厚さをtと定めたとき、前記t、前記W、前記dが、0<d<10tの関係と、10t<W<1000tの関係とを満たすことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載のシート情報出力装置。
【請求項7】
前記印加部材は、先端部に少なくとも前記最小長さ方向の曲面を形成した棒材であることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載のシート情報出力装置。
【請求項8】
前記曲面の曲率半径は、前記印加部材が前記受け部材に当接させたシートの曲率半径よりも小さいことを特徴とする請求項7記載のシート情報出力装置。
【請求項9】
シートに対して外力を印加する印加部材と、
前記印加部材に対向配置されて、シートを介して前記外力を受ける受け部材と、
前記印加部材または前記受け部材に配置され、前記外力印加に対応した信号を出力する出力手段と、
前記出力手段の出力に基づいてシート情報を識別する制御手段と、を備えたシート情報出力装置において、
前記受け部材は、前記外力の印加位置に凹部を有し、
前記凹部は、前記印加位置のシートを両持ちして中空に支持する支持部と、前記支持部の内側に設けられた傾斜面と、前記支持部から後退させた底面と、を有し、
前記支持部によって両持ちされる最小長さをW、前記支持部から前記底面までの深さをd、また、前記印加部材を前記底面に接触させた状態における前記印加部材の前記支持部高さ断面での前記最小長さ方向の長さをsと定めたとき、
前記W、前記s、前記dが、(W−s)/2>5dの関係を満たすことを特徴とするシート情報出力装置。
【請求項10】
シートに対して外力を印加する印加部材と、
前記印加部材に対向配置されて、シートを介して前記外力を受ける受け部材と、
前記印加部材または前記受け部材に配置され、前記外力印加に対応した信号を出力する出力手段と、
前記出力手段の出力に基づいて前記所定の処理に関する条件を調整する制御手段を備えたシート処理装置において、
前記受け部材は、前記外力の印加位置に凹部を有し、
前記凹部は、前記印加位置のシートを両持ちして中空に支持する支持部と、前記支持部の内側に設けられた傾斜面と、前記支持部から後退させた底面と、を有し、
前記支持部によって両持ちされる最小長さをW、前記支持部から前記底面までの深さをd、また、前記印加部材を前記底面に接触させた状態における前記印加部材の前記支持部高さ断面での前記最小長さ方向の長さをsと定めたとき、
前記W、前記s、前記dが、(W−s)/2>5dの関係を満たすことを特徴とするシート処理装置。
【請求項11】
シートに対して外力を印加する印加部材と、
前記印加部材に対向配置されて、シートを介して前記外力を受ける受け部材と、
前記印加部材または前記受け部材に配置され、前記外力印加に対応した信号を出力する出力手段と、
前記出力手段の出力に基づいて前記画像形成に関する条件を調整する制御手段と、を備えた画像形成装置において、
前記受け部材は、前記外力の印加位置に凹部を有し、
前記凹部は、前記印加位置のシートを両持ちして中空に支持する支持部と、前記支持部の内側に設けられた傾斜面と、前記支持部から後退させた底面と、を有し、
前記支持部によって両持ちされる最小長さをW、前記支持部から前記底面までの深さをd、また、前記印加部材を前記底面に接触させた状態における前記印加部材の前記支持部高さ断面での前記最小長さ方向の長さをsと定めたとき、
前記W、前記s、前記dが、(W−s)/2>5dの関係を満たすことを特徴とする画像形成装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに外力を加えて、シート越しの押圧力(衝撃力)を検知することにより、紙や樹脂シート等のシート材に関する情報を取得するシート情報出力装置に関する。また、取得した情報に基づいて所定の出力処理を行うシート情報出力装置、シート処理装置、および画像形成装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
近年、取り扱うシートの種類を自動判別して処理条件を調整するシート処理装置や画像形成装置の開発、研究が進められている。これに伴って、シートに外力を加えてシート越しの押圧力(衝撃力)を検知することにより、紙や樹脂シート等のシート材に関する情報を取得するシート情報出力装置が提案されている。
【0003】
特許文献1には、シート材のたわみ量を計測して、そのたわみ剛性を識別するシート情報出力装置が示される。ここでは、シートの両側を搬送ローラで挟んだ状態で搬送して、そのまま変位計を通過させて剛性を検知する。
【0004】
特許文献2には、シートに外力(打撃)を加えて、シート越しの押圧力(衝撃力)を検知することにより、紙や樹脂シート等のシートに関する物理的な情報を取得するシート情報出力装置が示される。ここでは、小さな浅い窪みを形成した受け部材に対向させて印加部材が配置され、印加部材が浅い窪みで支持されたシート面に打ち出される。そして、窪みの縁で中空支持されたシートに印加部材が衝突すると、シートはたわみ変形した後に、窪みの底面で受け止められて圧縮変形する。受け部材には、衝撃力を検知する圧電センサが配置され、圧電センサの出力に基づいてシートの物理情報が識別される。
【0005】
【特許文献1】特開平05−95447号公報
【特許文献2】特開2004−26486号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のシート情報出力装置は、シート自身のカールや変形による変位量が誤差として加算されるため、また、搬送中のシートの波うちやバタツキが誤差となるため、シートの剛性に基づくたわみ量をうまく分離できず、シートの剛性の識別誤差が大きい。
【0007】
特許文献2のシート情報出力装置は、溝部と印加部材とにおける形状と寸法との組み合わせによっては、シートに過剰な屈曲を与えて、たわみ変形の抵抗力の検知誤差が増して、シートの剛性の識別誤差が大きくなる可能性がある。また、溝部の形状によっては、シートに過剰なせん断力や摩擦力が作用して、シートが局所的に変形したり、表面に擦り傷を残したり、折り目が付いたり等、シートに損傷を与える可能性がある。
【0008】
本発明は、シート情報の検知誤差が小さく、しかも、シートに負担が少なく、損傷を与えにくいシート情報出力装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のシート情報出力装置は、シートに対して外力を印加する印加部材と、前記印加部材に対向配置されて、シートを介して前記外力を受ける受け部材と、前記印加部材または前記受け部材に配置され、前記外力印加に対応した信号を出力する出力手段とを備えたシート情報出力装置である。そして、前記受け部材は、前記外力の印加位置に凹部を有し、前記凹部は、前記印加位置のシートを両持ちして中空に支持する支持部と、前記支持部の内側に設けられた傾斜面と、前記支持部から後退させた底面とを有し、前記支持部によって両持ちされる最小長さをW、前記支持部から前記底面までの深さをd、前記印加部材と前記凹部の底面とが接触した際の、前記底面からの高さdにおける、前記印加部材の前記最小長さ方向の長さをsと定めたとき、前記W、前記s、前記dが、(W−s)/2>5dの関係を満たしている。
【発明の効果】
【0010】
本発明のシート情報出力装置は、凹部で支持されたシートに印加部材を衝突させて局所的な外力を印加した際に、最初に印加部材が凹部へシートを押し込んでシートが屈曲変形し、続いて印加部材がシートを介して凹部の底面へ衝突してシートが圧縮変形する。これにより、最初に屈曲変形に伴うシートの曲げ抵抗が検知手段によって検知され、続いて、圧縮変形に伴うシートの圧縮抵抗が検知手段によって検知される。
【0011】
そして、シートの曲げ抵抗によって減速された速度で、印加部材がシートを圧縮するので、圧縮抵抗のピーク高さを検知することによって、シートの曲げ抵抗、ひいてはシートの弾性やシートの剛性等を評価できる。
【0012】
また、曲げ抵抗と圧縮抵抗とのうち、都合の良いほうを選択して検知/識別することにより、片方だけに頼る場合よりも、広い弾性、剛性の範囲で、正確なシート情報検知が可能である。言い換えれば、シートの曲げ抵抗とシートの圧縮抵抗との両方を検知/識別するので、事情によっては、誤差の大きくなる片方を捨てることにより、正確で間違いの少ないシート情報検知が可能である。
【0013】
また、シートを介して印加部材を受け止める凹部に傾斜面を設けるとともに、シートが両持ちされる最小長さを、この最小長さ方向における印加部材の長さや凹部の深さに比べて、十分広くしているので、凹部に押し込まれたシートの曲がりや摩擦力が過剰にならない。そして、印加部材のエッジと凹部の溝幅Wの縁との間に、たわみの変形量に対して十分な距離を設けることで、シートがこの部分でせん断の無理な変形を受けることなく、安定な検知が行える。
【0014】
また、せん断や摩擦による永久変形を排除して、シートの剛性や摩擦係数に関係なく、印加部材を衝突させた際のシートの変形状態を再現性高く繰り返せるので、検知されたシート情報のばらつきや誤差が小さくなって、正確なシート情報検知が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態であるシート情報出力装置30を説明する。シート情報出力装置30は、静電写真方式の画像形成装置に搭載されて、画像形成されるシートの剛性を検知するものである。しかし、本発明は、シートの物理的な情報を検知したり材料の種別を検知したりする単独の測定装置として実施してもよい。また、他の画像形成方式の画像形成装置、例えばインクジェットプリンタ、孔版印刷装置等に搭載してもよく、画像形成装置以外のシート処理装置や各種事務機等に搭載してもよい。
【0016】
また、本実施形態に示す限定的な構成部材、電子回路等とその組み合わせは、可能な選択肢の一例に過ぎず、本発明は、これらの代替的な構成部材の一部または全部を組み合わせて実施することも当然に可能である。
【0017】
以下の説明におけるシートとは、薄板状の物全体を意味しており、所定寸法にカットされたもの、ロール状に巻かれた物など、供給される形態は問わない。また、一枚の物であっても、二枚以上を重ねたり、貼り合せたりしたものでもよい。とりわけ、本実施形態を適用して効果の大きな対象としては、記録媒体(例えば、普通紙、光沢紙、コート紙、再生紙、OHPなど)や原稿である。また、シートに関する情報とは、シートの種別や、シートの密度や、シートの厚さや、シートの凹凸や、シートの状態変化や、印刷状態や、重送の有無、残数などを意味しており、剛性には限定されない。シートの状態変化とは、水分の吸収や乾燥による変化、力学的な力による弾性変形や塑性変形(伸び、屈曲、つぶれ、破断、折れ曲がりなど)である。また、シートに加えられた張力や圧縮力による物理特性の変化、振動、繊維や塗工材など、シートの構成物の欠落、シートへの異物の付着、インクやトナーやコーティング材等の付着状態、その他シート処理装置において必要とされる情報を全て含む。
【0018】
本実施形態では、印加部材1による2回の打撃を受け部材3で2回受け止めて、2回の衝撃を検知しているが、これは模式的に示したに過ぎない。実際の装置においては、特許文献2に示されるように、印加部材1は1回だけ打ち込まれてもよく、3回以上の衝突と反跳を繰り返して、受け部材3側で1回以上の衝撃を検知してもよい。
【0019】
本実施形態では、印加部材1を凹部4に打ち込んで、受け部材3側で応力検知した例を説明しているが、凹部4を形成した受け部材3と印加部材1とは、どちらをシートPに衝突させて、どちらで応力検知してもよい。
【0020】
<シート情報出力装置>
図1は本発明の一実施形態のシート情報出力装置における構成の説明図、図2は受け部材と印加部材との形状の説明図、図3はシート情報検知のフローチャート、図4はシートを介した衝撃検知過程の説明図である。図5はシート情報出力装置の出力波形の説明図、図6はシート剛性の測定結果の説明図、図7は受け部材3の斜視図、図11は受け部材と印加部材との別の形状例の説明図である。図4中、(a)はシートに外力が印加され始めた状態、(b)はシートが屈曲変形する状態、(c)はシートが圧縮変形する状態である。図5中、(a)はシートPなし時の出力波形、(b)はシートPに外力印加した際の出力波形である。
【0021】
図1に示すように、本実施形態のシート情報出力装置30は、シートPの表面に印加部材1を衝突させて、外力検知部2でシートP越しの衝撃を受け止めて、外力検知部2から衝撃力に応じた出力を取り出す。
【0022】
シート情報出力装置30の台座8の上には、左右一対の下シートガイド10が固定され、下シートガイド10に対向させて、下シートガイド10の上方に上シートガイド9が配置される。シートPは、下シートガイド10と上シートガイド9との間隔を、図中、手前側から奥側へ向かって搬送される。
【0023】
左右一対の下シートガイド10の間隔に、受け部材3が配置され、受け部材3の上方に印加部材1が配置される。印加部材1は、受け部材3の凹部4に対向配置され、駆動機構25によって凹部4へ向かって打ち込まれる。受け部材3は、台座8の中央に固定した固定材7の上に配置され、受け部材3と固定材7との間隔に感圧素子5が配置される。
【0024】
図2に示すように、受け部材3には、シートPの搬送方向に貫通した平行溝である凹部4を形成してある。受け部材3の支持部3aの内縁3bに傾斜面3cが接続され、左右の傾斜面3cは、垂直部を経て底面3eに連絡している。凹部4は、凹部4の深さd、溝幅W、印加部材1の直径sとした時に、
(W−s)/2>5d
の関係を満たしている。つまり、凹部4の深さdに比べて、凹部4の溝幅Wが十分広くなっている。
【0025】
また、図11に示すように、印加部材1の先端に、凹部4に対して大きな曲面やテーパを持たせた場合には、前記直径sは、先端から高さdの断面における溝幅方向の長さである。言い換えれば、印加部材1を底面3eに接触させた状態における支持部3a面での印加部材1の断面直径である。
【0026】
また、凹部4における傾斜面3cの傾き角度は、印加部材1によって底面3eにシートPが押圧された際に、シートPが傾斜面3cに接触しない範囲に定めてある。同様に、印加部材1の先端には、円筒面Rを形成して、印加部材1によって底面3eにシートPが押圧された際に、シートPが印加部材1の縁に強く押し付けられないようにしてある。
【0027】
また、傾斜面3cと支持部3aとが接続する内縁3bは、屈曲変形するシートPの両持ちスパンが変化しない程度の小さな曲率半径の円筒面として、不必要な摩擦の原因となるナイフエッジの形成を回避している。
【0028】
<シート情報検知手順>
制御部21は、シートPを下シートガイド10に搬送して受け部材3上に位置決めし、駆動機構25を作動させて、シートPに印加部材1を打ち込む。感圧素子5は、受け部材3を介した上方からの押圧力を受け、最初にシートPのたわみ抵抗力、続いて圧縮抵抗力に応じた電気信号を出力する。感圧素子5の出力は、変換回路23によって押圧力に応じた電圧信号に変換され、処理回路22によって電圧信号のピーク値を検知される。制御部21は、このピーク値に基づいてシートPの剛性を識別する。
【0029】
駆動機構25によって打ち込まれた印加部材1は、図3に示すように、シートPに接触してシートPを下方へ押圧する(S10)。すると、シートPが下方へ屈曲して(S20)、感圧素子5によってたわみ反力(応力)が検知される(S21)。その後、シートPのたわみが凹部4の底面3eに達すると(S30)、シートPが印加部材1と受け部材3とに挟まれてシートPが圧縮変形し(S40)、感圧素子5によってシートPの圧縮反力(応力)が検知される。
【0030】
シートPが下方へ屈曲する過程(S20:図3)では、図4の(a)に示すように、印加部材1に押圧されて、シートPが、受け部材3のシート支持部3aに接触した後に、図4の(b)に示すように、シートPが凹部4(図2)へ押し込まれて、下方へ屈曲変位する。このとき、シートPと受け部材3の内縁3bとが接触して、受け部材3を下方へ付勢し、感圧素子5に圧力が発生する。
【0031】
シートPが圧縮変形する過程(S40:図3)では、図4の(c)に示すように、凹部4(図2)の底面3eにシートPが接触する。そして、シートPと受け部材3との接触箇所(底面3e)において、シート材が圧縮されて、受け部材3を下方へ付勢し、感圧素子5に圧力が発生する。
【0032】
ところで、シートPの材質や外力の大きさ、溝の形状などによっては、図4に示すような変形とならない場合がある。例えば、シートが硬過ぎる場合、図4の(b)に示すシートPが屈曲する過程で、印加部材1が大きな反発力を受けて、凹部4の底面3eに衝突する前に跳ね返されることがある。図4の(c)に示すシートPが圧縮変形する過程で、感圧素子5に小さな圧力しか発生しないこともある。
【0033】
これらの場合、図4の(c)に示す、シートPが圧縮変形する過程が事実上無くなって、圧縮変形する過程での感圧素子5の出力を用いたシート情報の検知は不可能となる。しかし、既に、シートPが一定以上の剛性を有すると言う情報を得ており、図4の(b)に示すシートPが屈曲する過程で感圧素子5に大きな圧力が発生するので、シートPが屈曲する過程での感圧素子5の出力に基づいて、さらに詳細なシート情報を検知できる。
【0034】
逆に、シートPが柔らかすぎる場合、図4の(b)に示すシートPが屈曲する過程で感圧素子5にほとんど圧力が発生せず、ノイズレベル以下の出力しか得られない場合がある。この場合は、既にシートPが柔らかいという情報を得ており、図4の(c)に示すシートPが圧縮変形する過程で感圧素子5に大きな圧力が発生するので、シートPが圧縮変形する過程での感圧素子5の出力に基づいて、さらに詳細なシート情報を検知できる。
【0035】
つまり、凹部4を形成した受け部材3を採用することによって、感圧素子5の出力の波形解析やピーク検知を行うことなく、簡単にシートPの剛性を3段階、すなわち、1.圧縮過程で感圧素子5から出力が得られないほど硬い、2.屈曲過程で感圧素子5から出力が得られないほど柔らかい、3.その中間レベルに識別できる。そして、1.圧縮過程で感圧素子5から出力が得られないほど硬い場合には屈曲過程での出力を用いて、また、2.屈曲過程で感圧素子5から出力が得られないほど柔らかい場合には圧縮過程での出力を用いて、それぞれの範囲で詳細なシート情報を検知できる。
【0036】
言い換えれば、厚い紙で曲げ剛性の大きなシートPは、紙のエネルギ吸収分が大きいので、受け部材3から感圧素子5へ伝達される応力は小さくなり、最大電圧は小さくなる。一方、薄い紙で曲げ剛性の小さなシートPは、紙のエネルギ吸収分が小さいので、受け部材3から感圧素子5へ伝達される応力は大きくなり、最大電圧は大きくなる。
【0037】
このように、印加部材1がシートPに与える衝撃エネルギが同じであっても、シートPの坪量(坪量=単位面積当たりの重さ)やシート材料等によって、シートPの曲げ方向の剛性が異なるためシートの種類によって最大電圧も異なって出力される。
【実施例1】
【0038】
実施例1のシート情報出力装置30の外力検知部2は、以下のようにした。受け部材3として、図7に示した形状の、ステンレス材(SUS316)の幅15mm、長さ10mm、厚さ1.5mmの板材に、凹部4として、溝幅Wが10mm、長さLが10mm、深さdが0.3mmのテーパ溝を形成した。凹部4の側壁部の縁には、10%の勾配で幅0.5mmの傾斜面3cを設けた。さらに、受け部材3の片側の端には、緩やかな傾斜構造からなる逃げ面3fを設けた。
【0039】
感圧素子5としては、圧電体であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を銀電極により上下を挟み込んだ構造のものを用い、圧電体のサイズは長さ5mm、幅3mm、厚さ0.3mmとした。固定材7としては、ステンレス材(SUS316)の幅15mm、長さ10mm、厚さ1.5mmの板材を用いた。
【0040】
このような受け部材3、感圧素子5、固定材7は、相互にエポキシ樹脂を主成分とする接着剤で貼りあわせ、さらに固定材7を台座8に接着した。台座8は、室温近傍で硬度の安定性の高い高耐熱性の樹脂に、不図示の金属ウエイトを埋め込んだものを用いた。金属ウエイトは、印加する外力に対して台座を含む素子部に十分な慣性質量を付与して、出力信号を安定せる効果がある。
【0041】
図1に示すように、台座8は、不図示のダンパー(Oリング状のゴム材)を介して、シート処理装置(不図示)の筐体に固定される。台座8には、下シートガイド10を設け、下シートガイド10に対向させて上シートガイド9を設けた。
【0042】
下シートガイド10と上シートガイド9とは、シートPを挟み込んで、受け部材3に対して接触する位置に位置決めしており、少なくとも外力印加の期間は、シートPに張力を付与して不要なうねりを除去している。
【0043】
受け部材3に対向する位置には、シート材Pに外力を印加するための印加部材(ハンマ)1を配置した。印加部材1は、ステンレス材(SUS316)を用いて、質量4g、シートPに衝突する先端側には、半径20mmの球面加工を施した。
【0044】
印加部材1は、外力印加時以外は、その先端がシートPから約2mm離れた位置に保持されるが、外力印加に際して駆動機構25により加速され、シートPに外力として衝撃力を与える。駆動機構25は、回転式軸受で支持された印加部材1を、不図示のモータとカムにて加速する構成とした。
【0045】
実施例1では、1回のシート情報検知について2回、外力を印加する。1回目の外力印加は印加部材1を0.5m/秒に加速してシートPに衝突させた。1回目の外力印加後、一旦印加部材1をシートPより離し、さらにその後、2回目の外力印加を行う。2回目の外力印加は、印加部材1を0.2m/秒に加速してシートPに衝突させた。2回目の外力印加後、印加部材1は、シートPから離れた最初の位置に復帰する。1回目の外力印加と2回目の外力印加とは、シートPがおよそ0.2m/秒で図の奥向きに相当する向きに搬送されている状態で行い、2回の外力印加の間隔は0.1秒とした。
【0046】
実施例1のシート情報出力装置30の動作について説明する。まず、シートPがない状態で、上記の条件にて受け部材3に印加部材1を2回衝突させて、外力印加を行った。その際の感圧素子5(変換回路23)からの出力電圧(以下「シートPなし時の信号」と記載)は、制御部21に付与した記憶部にメモリされる。シートPなし時の信号は、後述するシートPを狭み込んだ際の出力と比較する基準信号として用いる。実施例1では、図5の(a)に示すように、11.0Vのピーク値を持つ電圧波形が得られた。
【0047】
シートPなし時の信号は、シート情報出力装置30自体の状態検知としても用いる。例えば、シートPなし時の信号の値が所定の範囲を越えた場合は、シート情報出力装置30の異常と判定する。そして、故障表示や調整もしくは交換の指令を出したり、あるいはシート情報出力装置30を使用しないモードにシート処理装置(不図示)の動作を切り替えたりする処置が実行される。
【0048】
また、シートPとして紙類を使用する際は、紙から発生する塵芥(以下、紙粉と記載)が付着したり、あるいはレーザービームプリンタや複写機などの粉体のトナーを用いる装置の場合は飛散したトナーが付着したりして、シート情報出力装置30の性能低下を招くことがある。しかし、シートPがない状態での外力印加によって適当な振動を発生させることにより、紙粉やトナーを脱落させてクリーニングを行うこともできる。
【0049】
次に、シートPを挟み込んだ状態で、上記の条件にて、受け部材3に印加部材1を2回衝突させて、外力印加を行った。実施例1では、図5の(b)に示すように、3.5Vのピーク値を持つ電圧波形が得られた。ここでは、一例として、外力印加は1回目の外力印加条件で、シートPは、複写機用紙(Xerox社、PREMIUM MULTIPURPOSE 4024 PAPER 75g/m)の例を示す。
【0050】
図5の(b)中、領域Aは、印加部材1の先端が受け部材3の凹部4に入って底面3eに衝突する以前のシートPがたわみ変形している時間領域、領域Bは、凹部4の底面3eにシートPを挟んで印加部材1が衝突した後の時間領域である。
【0051】
領域Aにおいては、発生電圧が漸増する出力が得られる。これは、図4の(b)に示すように、シートPが徐々に屈曲変形し、それに応じて感圧素子5に加わる圧力も漸増する事による発生電圧である。実施例1では、領域Aの終端付近での発生電圧が0.32Vであることを領域Aの特徴量として検出した。なお、領域Aでは、シートPの屈曲抵抗によって印加部材1が減速するので、図5の(a)に示すシートPなし時に比べて領域Aは長くなる。
【0052】
図5の(b)に示すように、領域Bでは、ピーク状の発生電圧が生じすぐに減衰している。これは、図4の(c)に示すように、印加部材1がシートPを挟んで受け部材3と衝突し、さらに反跳して離れる挙動に対応している。この際、シートPは、その厚み方向に押しつぶされる方向に変形し、圧縮の機械特性が反映された出力が得られる。実施例1では、領域Bのピークでの発生電圧が3.50Vであることを領域Bの特徴量として検出した。
【0053】
さらに、同様にして、2回目の外力印加における出力波形を処理した。出力波形の線図は省略するが、2回目の外力印加では、領域Aの特徴量である終端付近での発生電圧が0.20V、領域Bの特徴量であるピークでの発生電圧が1.20Vであった。
【0054】
図6に、実施例1のシート情報出力装置30により、各種のシートPのたわみ剛性を計測した例を示す。図6では、実施例1のシート情報出力装置30において、各種のシートPに対して上記の外力印加と出力検知とを行い、図5の(b)に示す領域Bのピーク出力電圧(V)と、そのシートPの剛性の実測値とを比較している。
【0055】
なお、図6では、4gの印加部材1を0.2m/sec.でシートP材に衝突させた際のピーク電圧と、熊谷理機工業株式会社製・ガーレーステフネステスターにより計測した実測値(単位mgf)とを比較している。ただし、図5の(b)に示す出力波形に対して電気的なフィルタにより不要な周波数帯をカットするなどの処理を行っているので、ピーク値自体は、図5の(b)に示されるよりも小さくなっている。
【0056】
実施例1のシート情報出力装置30は、図6に示したような、外力検知部2からの出力電圧の値を、シートPの剛性H(こわさ)に対応する信号に変換して出力する。シートPの剛性H等の特性情報は、適当な端子電圧(たとえば0V〜5V)に分配して変換出力したり、あるいは適当な表示装置により表示出力したりする。実施例1では、シートPの剛性Hは、A、Bを定数として、図6に示した出力電圧Vpより、おおむね以下の式にて変換できる。
【0057】
剛性H(mgf)=A×出力電圧Vp(V)+B
図6の例では、Aは約−667、Bは約―400である。
【0058】
なお、シートPが紙の場合、漉きむらなどにより厚みなどに分布があることなどに起因して、出力電圧Vpは上記の値に対して数%のばらつきを持つが、必要に応じて複数回の検知における値を平均化してより高精度に判定することも可能である。
【0059】
また、以上述べた実施形態1のシートPの変形について、シートPのたわみがシートPの幅方向X、シート材の厚み方向Yとして、その断面方向に対して、Y=AXとなる変形となっていることは、高速度撮影画像を解析することにより検証した。観察方法は、シートPに予め升目状のグリッドラインを印刷し、斜め上方より高速度カメラ(株式会社フォトロン製・FASTCAM−512PCI NOTEPACK型)によって撮影した。撮影画像におけるグリッドラインの変形を時間的に解析して、印加部材1による外力印加に際して、シートPの溝構造上の部分が、Y=AXのラインでの変形となっていることを確認した。
【実施例2】
【0060】
実施例2では、シート情報出力装置30をレーザービームプリンタに搭載した実施例を説明する。実施例2のレーザービームプリンタでは、シート情報出力装置30を、シート搬送経路内のシートカセットと転写ユニットとの間に敷設し、さらに、処理回路22はプリンタ内の制御回路に設置した。マイコン制御装置である制御回路は、画像形成に先立たせて、シートカセットからシートPを取り出して、下シートガイド10と上シートガイド9との間隔に搬送する。そして、第1実施例と同様に、シートPを受け部材3上に位置決めして、印加部材1をシートPに打ち出し、シート情報を検知する。
【0061】
シート情報出力装置30でシート情報を検知されたシートPは、続いて、転写ユニットを含む画像形成プロセス部へ搬送されて画像形成に供される。レーザービームプリンタの制御回路は、画像形成プロセス部をプログラム制御してシートPに画像を形成する。制御回路は、出力波形のピーク値に基づいてシートPの剛性を識別し、画像形成プロセス部における処理条件を最適化する。例えば、シートPの剛性に適応した搬送速度・現像条件・定着条件(温度や温度分布)等を決定する。これにより、シートPに最適な記録モードでシートPに対して印字、印刷等の画像形成が実行される。
【0062】
実施例2のレーザービームプリンタでは、シートに最適な印刷条件で印刷を行った。印刷条件として制御したのは、定着器の加熱のために供給する電力である。シートPのたわみ剛性に関与するシートPの特性は、主なものだけで、厚み、ヤング率、含水率、縦目/横目の違いなどである。これらは、シートPの物理的な特性、すなわち熱物性や電気特性とも関連性が非常に高いので、実施例2のような制御が可能となる。このようにしたところ、トナーの定着も良好で適正な画像が形成されたと共に、紙カールの少ない良好な印刷を行うことが出来た。
【0063】
なお、画像形成プロセス部には、不図示の感光体ドラムを含む各種機構、装置、それらを駆動する多数のモータ、アクチュエータ、制御用のセンサが配置されて制御回路に接続されている。しかし、レーザービームプリンタの詳細な構成や制御については、本発明の主題から多少隔たるため、詳細な説明は省略する。
【0064】
<構成部材の詳細な説明>
以下、本実施形態のシート情報出力装置30の各要素について説明する。図8は別の実施形態の受け部材の斜視図、図9はさらに別の実施形態の受け部材の斜視図、図10は別の実施形態のシート情報出力装置の構成の説明図である。各図中、図1〜図7と共通する構成には、共通の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0065】
図1に示すように、印加部材1は、金属製の棒等で形成されて所定の質量を有し、バネにより加速する等して所定の速度でシートPに衝突し、シートPと外力検知部2とに衝撃を与える。印加部材1の質量は、シートPの測定対象となる面積の重量に対して1/10乃至10倍程度が好ましく、一例として100g/m程度の坪量のLetterサイズ(約215.9×279.4mm)紙を検知対象とする場合は、0.5g乃至50gの範囲が好ましい。
【0066】
また、衝突速度は、シート材を変形させるのに十分な値とする。上記範囲の検知対象であれば、印加部材1の質量や、重力などの加速度の有無にもよるが、0.05m/sec.乃至5m/sec.の範囲が好ましい。もちろん、検知対象がより薄い場合は、印加部材1の質量・衝突速度ともにより小さな値をとるし、検知対象がより厚い場合は、より大きな値をとる。いずれの場合でも、シートPの破壊が起こらない範囲、より好ましくはシートPに打痕や折れ曲がりなどが起こらない範囲で決定される。
【0067】
また、印加部材1は、シートPと当接する先端部に曲面を有する棒材からなることが好ましい。印加部材1は、シートPに対して法線方向より当たることが、シートPにねじれなどの不要な変形を与えずに安定した変形を与える上で好ましい。また、棒材とすることで直進性の制御が容易となり、さらに先端部に曲面を設けることで組立公差などの影響で角度がずれた場合でもシートPとの接触面積が安定する。
【0068】
さらに、印加部材1は、凹部4の最狭部の中央近傍に対してシートPを屈曲変位させる構成であることが好ましい。中央近傍とすることで、シートPの両側の変形量が概ね等しくなり、挙動が安定するため、より精度の高い検知が可能となる。ただし、正確に中央である必要はなく、組立公差等による若干のずれは許容されることは言うまでもない。
【0069】
さらに、印加部材1の、先端部の曲面Rの曲率半径は、シートPが変形により屈曲する曲率半径に比べて十分小さいことが好ましい。このようにすることで、印加部材1のエッジがシート材Pに直接接触して、不安定な変形を起こすことを防止できる。
【0070】
本実施形態における好ましい態様として、板バネで片持ちされたハンマ型の印加部材によって、複数回の連続した外力印加を行うことが挙げられる。これは、例えば、多段のカムなどでバネに蓄えたエネルギを複数回にわたって解放することで、複数回の衝突を連続的に起こさせる機構等などで実現できる。
【0071】
それぞれの衝突に際して外力の値(たとえば衝突速度)を同一とした場合、外力検知部2の出力平均を取る等の統計処理を行って情報の精度を高めることができる。また、それぞれの衝突に際して外力の値を異ならせた場合、衝突ごとにシート材の反応が異なる為、より多面的な情報を得ることができる。
【0072】
印加部材1は、固体の機械部品をシートPに接触させてシートPに外力を加えるものが好ましい。ただし、空気等の流体を吹き付けるような構成のものでも良い。印加部材1の駆動源は、機械的あるいは電磁気的エネルギにより印加部材1を駆動するようにしたもの、例えば、重力、ばねなどの機械的手段、モータやソレノイドやボイスコイルなどの電磁気的な手段、カム、シャフト、歯車などの変換機構を組み合わせてもよい。最も好ましい形態例としては、回転式軸受で支持されたハンマを、モータとカムにて加速する構成が挙げられる。
【0073】
外力印加の方法としては、本実施形態のように、1.離れた位置からシートPに印加部材1を衝突させる方法以外に、2.シートPに印加部材1を接触させた状態のままで、印加部材1からシートPに衝撃力を加える方法を挙げることができる。つまり、シート情報検知の過程で、必ず一度は印加部材1、シートP、受け部材3が同時に接触する必要があるが、それ以外の時間は夫々の位置関係は任意に設定して構わない。
【0074】
また、印加部材1による外力の印加は、また、本実施形態のように、1.搬送されてきたシートPを一旦停止させた状態で行う方法以外に、2.シートPがカセットやストッカに収納されて静止した状態や、3.シート材を搬送している移動中の状態で行う方法もある。
【0075】
搬送している移動状態のシートPに外力を加えた場合、印加部材1とシートP表面が擦れ合うので、シートPの表面状態を検知することも可能となる。一方、停止させている状態のシートPに外力を加えた場合、外力検知部2において、シートPの移動に伴うノイズ成分を低減することが可能である。従って、必要とする情報の種類と精度とによって、外力を印加する場所や状態を適宜設計、制御すればよい。
【0076】
また、外力としては、1種類の外力だけを用いても、複数種類の外力を用いても良い。また、1回の外力印加だけでシートPの情報取得を行っても、複数回の外力印加を行うことによりシートPの情報取得をしても良い。外力印加を複数回行った場合(つまり、1種類の外力を複数回印加したり、複数種類の外力を異なるタイミングで印加したりした場合)には、上述したように、複数回のデータが得られるために識別精度もより高くなる。なお、外力印加を複数回行う場合には、一旦加えた外力によるシートPの揺れが十分減衰した後、あるいは、ある所定値以下になった後に次の外力を加えるのが好ましい。
【0077】
外力検知部2は、少なくとも、受け部材3と感圧素子5とを有し、受け部材3には凹部4を有する。本実施形態で言うところの受け部材3とは、印加部材1からの外力を直接、またはシートPを介して受け止め、感圧素子5に伝播させる部材であり、なおかつ、所定の寸法を有する凹部4により、外力印加によって変形するシートPの変形量を所定の範囲で制限して、シートPの機械特性(屈曲、圧縮)を精度良く検知できる。
【0078】
受け部材3と感圧素子5とは、その面同士が接合されている。ただし、本実施形態の機能を発現するには、受け部材3と感圧素子5とは必ずしも別部材を接合したものである必要はない。例えば、受け部材3が感圧素子5の一部となるように構成されていたり、受け部材3と感圧素子5とが何らかの中間伝播部材を介して結合されていたりする構成でも同じ効果が得られる。つまり、外力検知部2は、必要に応じて固定材7に接合される。
【0079】
受け部材3、感圧素子5、固定材7等の材質と形状を適宜選択することで、外力検知部2の素子特性を適宜決定する。好ましい例としては、感圧素子5として圧電セラミックス板を用い、受け部材3及び固定材7に、感圧素子5よりも十分に高い剛性を有する材料を用い、印加部材1による外力で、感圧素子5が主に厚み方向に圧縮される変形モードをとる構成とする。
【0080】
また、感圧素子5として圧電セラミックスを用いる別の好ましい例としては、印加部材1による外力で、受け部材3がたわみ変形するのに応じて、感圧素子5が主に伸縮する変形モードをとる構成形態である。このような構成形態としては、受け部材3に、感圧素子5をたわみ変形させる程度の弾性を有する弾性体を用いるとともに、固定材7に例えばゴムなどの弾性変形をする材料を用いる形態や、固定材7で感圧素子5の一端のみを固定する形態がある。
【0081】
感圧素子5からは配線6が引き出される。配線6は、感圧素子5に不要な拘束を与えないように柔軟性の高い物を用いる。
【0082】
外力検知部2は、適宜台座8に固定される。台座8は、高い剛性を有し、温度安定性の高い物が好ましく、材質は金属や樹脂から適宜選択される。また、振動を適当に制動するため、防振材を敷設することも好ましい。防振材の設置位置は、不要な振動を制動できればどこでも良い。
【0083】
受け部材3は、印加される外力に対して十分な耐久性があり、外力を一定以上感圧素子5に伝播することができる材料で構成される。好ましいものは、金属、樹脂材料、などである。
【0084】
受け部材3に設ける凹部4は、印加部材1による外力印加によって、シートPを凹部4内に屈曲変位させることができる形状とする。凹部4は、図2に示すように、受け部材3のシートPに対向する面にテーパ溝を形成して構成してもよい。この場合、外力印加によって、シートPを凹部4内に屈曲変位させ、さらに底面3eにシート材面を押し当てることができる。凹部4の断面形状は、矩形でも、鋸型でも、曲面でもよく、適宜用途に応じて設計する。
【0085】
凹部4は、また、本実施形態のような溝型には限定されず、奥行き方向に長さが限られた窪み形状としてもよい。例えば、図9に示すように、受け部材3Eならびに凹部4Eとして、板状部材に幅W、長さL、深さdの矩形の穴状の窪みを設けてもよい。なお、窪みを構成する4つの矩形辺の起立面と上面との間には、不図示の傾斜面または面取りが形成されている。
【0086】
また、図8に示すように、受け部材3Dならびに凹部4Dとして、板状部材に溝幅W、長さL、深さdのテーパ溝型の溝を形成し、凹部4の側壁部の縁に傾斜面3cを設けてもよい。
【0087】
凹部4は、深さd、溝幅Wが、検知対象となるシートPの厚さtに対して、それぞれ、0<d<10t、10t<W<1000t、の範囲であることが好ましい。このようにすることで、シート材に不可逆な変形を与えずに、たわみ剛性を安定に計測することが出来る。
【0088】
傾斜面3cは、シートPとの摩擦により、凹部4の側壁部の縁が磨耗して形状が変化し、溝幅W、長さL、深さdの関係が変化するが、この磨耗による凹部4の寸法変動を実質的に抑制する目的で設けてある。具体的な設計は、実施例中で詳述する。傾斜面3cは、5%乃至20%の勾配であることが好ましい。
【0089】
第1実施形態として説明した図7の例は、図8の例に、さらに、逃げ面3fを追加したものである。図7の例は、特に搬送されているシート材の情報を検知する場合に用いるものである。逃げ面3fは、受け部材3のシートPの進行方向に相対する面(シートPの先端が向かってくる面)に設け、シートPの先端と受け部材3の衝突による過大な力を逃がす為に設けている。図7に示す例では、高速に搬送されるシートPでも、感圧素子5やシートPの破損を防止し、安定したシート情報検知が可能になる効果がある。
【0090】
感圧素子5は、圧力や振動などの機械的作用を、電気信号に変換する素子である。機械的作用を電気信号に変換する素子(電気機械変換)の例としては、半導体ダイヤフラム型、静電容量型、弾性体ダイヤフラム型、圧電型等の素子を利用可能である。しかし、好ましい物として、圧電特性を有する無機材料あるいは有機材料を利用できる。例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)やPLZT、BaTiO、PMN−PT(Pb(Mg1/3Nb2/3)O−PbTiO)などの無機材料や有機圧電体材料が利用可能である。圧電素子を用いた場合には、外力は電圧信号として検出される。ここでいう、外力検知手段は、検知素子自体が直接露出している場合や被覆等されている場合も含む。
【0091】
感圧素子5は、電気信号の代りに光信号を出力するものでもよい。この場合も、光信号は電気信号に変換して識別処理されるので、センサとしては同じことである。機械的作用を光信号に変換する素子としては、部材の機械的動きにより部材からの光の反射や、部材からの透過や偏光が変動する事を利用した素子を用いる。例えば、レーザ光を部材に当てて部材からの反射光の方向変化を受光素子(分割フォトダイオードなど)で読み取ることで部材の運動を読み取る方法がある。また、二光束のレーザ光を部材に当ててその干渉から部材の運動速度を読み取る方法(いわゆる「レーザドップラー速度計」)がある。
【0092】
固定材7は、受け部材3の押圧力に対抗して感圧素子5を圧縮する。固定材7を適当に選択することで、シートPの情報をより高効率に検知できる。以下、感圧素子5として圧電セラミックスの薄板を用いた場合の例で説明する。
【0093】
例えば、固定材7としてシートPに印加した力で変形を起こすような弾性体、もしくは粘弾性体(ゴムなど)を用いることが可能である。この場合、感圧素子5及び受け部材3は、実質的にユニモルフ素子として動作し、主にたわみ変形を起こして比較的高い電圧を得ることができるので、信号処理のS/Nが向上する効果がある。
【0094】
また、例えば、固定材7として剛体を用いることが可能である。この場合、感圧素子5は主に圧縮変形を起こすが、印加された力に対して感圧素子5が全体に圧縮される為、比較的外力の加わる場所による発生電圧の差が小さくて済み、例えば、素子組立の公差等による出力振動の個体差が抑制できる効果がある。
【0095】
また、固定材7として、温度や湿度など環境の変化で、硬度や粘弾性や抵抗率などの特性が適当に変化するものを選択することも可能である。この場合、出力を環境に応じて変えることができるので、シートPの環境変化による出力の変動を補正することもできる。
【0096】
従って、固定材7は、外力印加や外部からの振動によって不要な共振を起こさない形状に設計されることが好ましく、さらには、ゴムなどのダンパーで外部と振動が遮断されていることが好ましい。
【0097】
また、固定材7は、外力の印加による反発に対抗するため、ある程度以上の慣性質量を有することが好ましく、少なくとも印加部材1よりも大きな質量を必要とし、印加部材1の5倍以上の質量を有することが好ましい。
【0098】
下シートガイド10は、受け部材3に対して適当な位置に配置されて、シートPを受け部材3上の所定高さに位置決める。上シートガイド9と下シートガイド10とは、シートPを挟み込む機構であって、シートPの情報検知に際して、シートPと受け部材3との間隔を所定の範囲に制御する。上シートガイド9と下シートガイド10とは、シートPの搬送途中でシートPの情報を検知する際など、シートPのバタツキ等、不要な振動を抑える。
【0099】
言い換えれば、シートPの高さを位置決める下シートガイド10に組み合わせて上シートガイド9を配置することにより、シート情報検知に際して、シートPの高さ変位を所定の範囲に制御できる。これにより、印加部材1によってシートPに与える変形量をより安定化することができる。
【0100】
上シートガイド9は、シートPを適宜変位させる力を発生させるばねやソレノイドなどのアクチュエータ、及びシートPの振動を抑えるためゴムなどの防振材や慣性質量をもつウエイトなどの制振機構で適宜構成される。シートPと接触する部分は摩擦が少なく、耐磨耗性の高い材質で構成される。また、シートPは、張力がない緩んだ状態だと不要なうねりやたわみが生じるので、安定した情報検知を可能とすべく、上シートガイド9は、シートPに対して適当な張力を与える構成が好ましい。
【0101】
<処理回路、シート処理装置>
図5にシート情報出力装置30(変換回路23)が出力する電圧波形の例を示す。図5の(a)は、シートPなしの場合の出力波形であり、図5の(b)は、シートPを挟んだ場合の出力波形である。ここでは、シートPとして、紙(Xerox社、PREMIUM MULTIPURPOSE 4024 PAPER 75g/m)用いている。
【0102】
図5の(b)に示すように、シートPを挟んだ場合は、上述したシートPが屈曲変形する過程の領域Aにおいて発生電圧が漸増する出力が発生する。そして、続くシートPが圧縮変形する過程の領域Bになって出力電圧が急激に立ち上がってピークを形成し、すぐに減衰する。これは、シート材が徐々に屈曲変形した後に印加部材1がシートPを挟んで受け部材3と衝突し、さらに反跳して離れる挙動に対応している。しかし、図5の(a)に示すように、シートPなしの場合は、領域Aにおいては電圧が発生しておらず、領域Bになって電圧が発生する。
【0103】
本実施形態で検知している信号は、シートPが受け部材3に直接接触した際に、感圧素子5より発生する電圧信号である。印加部材1による外力印加で、図5の(b)に示すように、感圧素子5からは、最初に領域Aの信号が出力され、引き続いて領域Bの信号が出力される。領域Aでは、シートPのたわみに伴って印加部材1が減速する過程で、凹部4の内縁3b(図2)に力が伝播して感圧素子5が圧縮される。また、領域Bでは、引き続いて凹部4の底面3eにシートPを押し当てることにより感圧素子5が圧縮される。これらは、それぞれがシートPのたわみ剛性を反映している。
【0104】
図5の(b)に示した出力波形から、領域Aと領域Bの波形を処理回路22により処理して、特徴量を抽出して出力する。処理回路22にて抽出することが好ましい情報としては、例えば漸増率や立ち上がり、ピーク電圧(最大発生電圧)、振幅や周波数成分、ピーク幅、微分値、積分値、減衰などである。もちろん、領域Aの特徴量のみを抽出したり、領域Bの特徴量のみを抽出したりしても構わないし、いずれかの特徴量のみを情報として使用しても良いことは言うまでもない。
【0105】
また、図5の(a)に示すシートPなしの場合の出力波形は、シート情報出力装置30の状態を検知する情報として用いられる。具体的には、シート情報出力装置30の固体差、磨耗やその他の原因による劣化の判断材料となる。また、環境(特に温度、湿度)や振動や電気ノイズ等の外乱による変動、後述するシート処理装置やシート情報出力装置への組み込み時の誤差等により、シート情報出力装置30の出力信号の状態が変動することも検知できる。
【0106】
このようにしてシート情報出力装置30の状態を検知した信号は、シートPの情報を検知する際の基準情報として用いられる。基準情報は以下のように用いる。例えば、基準情報のデータ値とシートPを挟んだ場合のデータ値との比や差分、偏差等を取ることで、補正を行って、検知精度を向上できる。また、基準情報が一定範囲を越えたり、あるいは基準情報を複数回取得した際の値のばらつきが一定範囲を越えたりした場合に、シート情報出力装置の異常であると判断し、警報を発したり、必要な処置を自動的に施したりできる。さらに、基準情報が一定範囲に収まるように、シート情報出力装置30それ自体の動作を制御する(たとえば印加する外力の強度を変更したり、出力に対してバイアスを与えたり)ことも可能である。
【0107】
本実施形態の制御部21では、上記特徴量を予めシートPの信号が記録されたテーブルと照らし合わせて、シートPの種別や型番、状態変化、印刷状態、重送などを判定した情報として出力させてもよい。そして、シートPの信号が、環境条件、搬送の状態などに応じて異なる場合は、夫々に対応した複数のテーブルを用意してこれをもとに判定を行うと良い。
【0108】
また、本実施形態の制御部21では、上記特徴量の値自体を判定情報としても良いし、上記特徴量に所定の変換を行った値を判定情報としても良い。また、シートPの信号が、環境条件、搬送の状態などに応じて異なる場合は、値を補正する処理を行っても良い。
【0109】
また、本実施形態の制御部21では、上記特徴量、もしくは特徴量より判定した結果を、所定の計算式によりシート情報に対応する制御値に変換して出力することもできる。例えば画像形成装置100の一例である電子写真装置では、感圧素子5の最大発生電圧に応じて定着器の加熱のための電力を制御するパラメータ値を出力することができる。シートPに関して、別の手段(たとえば人為的にセットされる用紙型番の入力や、別途設けられたシート検知センサからの信号など)をあわせて判定してもよい。さらに、シートPに関する情報を取得するには、必ずしも全てを処理回路22において判定する必要はなく、外力検知部2にて検出される信号に基づき人が判定しても構わない。
【0110】
本実施形態のシート情報出力装置30を搭載可能なシート処理装置は、画像形成装置、画像読取装置、情報記録装置、情報読取装置、シート材の搬送装置等である。シート処理装置では、シート情報出力装置30が検知したシート情報に応じて、マイコン制御装置のCPU等がシートPの処理の制御を行う。例えば、画像形成条件の調整、搬送に用いるローラの押圧力や搬送条件の調整、印字の中止、記録媒体の搬送の停止、警告信号の発生などを行うことができる。CPUとしては、シート処理装置の内部に設けたものを用いても、外部に設けたものを用いても良いが、内部に設けたものを用いた場合には、外部とのデータ信号の送受信を省略できる。
【0111】
ところで、本実施形態のシート情報出力装置30は、図2に示すように、印加部材1により凹部4の底面3eまでシートPをたわませるので、シートPの最大たわみ量が距離dとなる。そして、たわみ量dと、シートPの中空支持された溝幅Wとの関係は、
d=A×W (A:定数)
となるように凹部4が設計されている。
【0112】
本実施形態において検知対象となる紙や樹脂シートなどのシートPは、弾性体としての性質が主であるが、与えた変形に対して戻りが非線形性を有する粘弾性体としての性質もある。すなわち、たわみ剛性を計測する際に、過剰な屈曲やせん断するような変形を与えた場合、その変形がなかなか戻らず、場合によっては実質的に不可逆な変形となって、シートに変形や損傷を与えてしまう。さらに、たわみ剛性を計測する際にも、このような非線形性が現れると、得られた値に誤差が多くなる。このため、シートPは極力弾性体として変形させることが好ましく、上述した(W−s)/2>5dの関係に加えて、たわみ量Y=A×(たわみ長さX)の関係も満たしていることが好ましい。
【0113】
そして、シートPのたわみ変位が生じる領域全体にたわみ量Y=A×(たわみ長さX)の変形が与えられるのが好ましい。しかし、実際には、印加部材1の衝突箇所から離れるほどに検知信号への影響が低下するので、シートPのたわみ変位は、シートPの一部に生じれば良く、検知に関係が低いシートPの周縁部や、固定部、さらにはシートPと印加部材1が直接接触している部分や凹部4の縁、さらにそれらの近傍などは除外して考えてかまわない。
【0114】
<比較例のシート情報出力装置>
本実施形態のシート情報出力装置30では、凹部4が受け部材3に形成した溝である。ただし、凹部4は、図10に示すように、受け部材3と下シートガイド10との間に高さの差を設けた構成に置き換えてもよい。ただし、この場合は、印加部材1がシートPを屈曲変形させて受け部材3に衝突するまでの期間は、感圧素子5に圧力が及ばないので、シートPの圧縮変形に対応する出力波形だけが検知される。また、図10に示したシート情報出力装置30Bでは、下シートガイド10のスパンが長いため、シートPの張力がばらついて感圧素子5の最大出力の再現性が十分には得られない。また、シートPに大きな張力を付与して印加部材1を衝突させた場合、下シートガイド10の内縁でシートPに折り目がつく可能性がある。
【0115】
<発明との対応>
本実施形態のシート情報出力装置30は、シートPに対して外力を印加する印加部材1と、印加部材1に対向配置されて、シートPを介して外力を受ける受け部材3と、印加部材1または受け部材3に配置され、外力印加に対応した信号を出力する感圧センサ5とを備えている。そして、受け部材3は、外力の印加位置に凹部4を有し、凹部4は、外力の印加位置のシートPを両持ちして中空に支持する支持部3aと、支持部3aの内側に設けられた傾斜面3cと、支持部3aから後退させた底面3eとを有している。また、図2または図11に示すように、支持部3aによって両持ちされる最小長さをW、支持部3aから底面3eまでの深さをd、印加部材1と底面3eとが接触した状態での支持部3a高さにおける印加部材1の前記最小長さ方向の長さをsと定めたとき、W、s、dが、(W−s)/2>5dの関係を満たしている。
【0116】
従って、凹部4で支持されたシートPに印加部材1を衝突させて外力を印加した際に、最初に印加部材1が凹部4へシートPを押し込んでシートPが屈曲変形し、続いて印加部材1がシートPを介して凹部4の底面3eへ衝突してシートPが圧縮変形する。これにより、最初に屈曲変形に伴うシートPの曲げ抵抗が感圧素子5によって検出され、続いて、圧縮変形に伴うシートPの圧縮抵抗が感圧素子5によって検出される。
【0117】
そして、シートPの曲げ抵抗によって減速された速度で、印加部材1がシートPを圧縮するので、圧縮抵抗のピーク高さを検知することによって、シートPの曲げ抵抗、ひいてはシートPの弾性、シートPの剛性を評価できる。
【0118】
また、曲げ抵抗と圧縮抵抗とのうち、都合の良いほうを選択して検知/識別することにより、片方だけに頼る場合よりも、広い弾性、剛性の範囲で、正確なシート情報検知が可能である。言い換えれば、シートPの曲げ抵抗とシートPの圧縮抵抗との両方を検知/識別するので、事情によっては、誤差の大きくなる片方を捨てることにより、正確で間違いの少ないシート情報検知が可能である。
【0119】
また、シートPを介して印加部材1を受け止める凹部4に傾斜面3cを設けるとともに、凹部4の溝幅Wを、印加部材1の幅sや凹部4の深さdに比べて、十分広くしているので、凹部4に押し込まれたシートPの曲がりや摩擦力が過剰にならない。印加部材1の外径と凹部4の内縁3bとの間に、シートPのたわみ変形量に対して十分な距離を設けることで、シートPがこの部分でせん断の無理な変形を受けることなく、安定な検知が行える。
【0120】
また、シートPの剛性や摩擦係数に関係なく、シートPに印加部材1を衝突させた際のシートPの変形状態を再現性高く繰り返せるので、検知されたシート情報のばらつきや誤差が小さくなって、正確なシート情報検知が可能である。
【0121】
さらに、傾斜面3cを設けることにより、同じ両持ちスパンの受け部材3の底面3eの幅を狭くして、受け部材3の剛性を高められるので、受け部材3の変形に伴う感圧素子5の出力誤差が少なくなる。
【0122】
本実施形態のシート情報出力装置30は、傾斜面3cの傾斜角度は、印加部材1と底面3eとの間にシートPを挟み込んだ際にシートPが接触しない角度範囲である。従って、シートPが屈曲変形する過程でシートPの両持ち支持されたスパンが一定に保たれ、感圧素子5が正確な曲げ抵抗を検知できる。言い換えれば、シートPが屈曲変形する過程でシートPが傾斜面3cと接触してスパンが短くなって、感圧素子5が大きな曲げ抵抗を誤検知する心配が無い。
【0123】
また、傾斜面3cとシートPとの摩擦力や上記過大な曲げ抵抗によって印加部材1が不必要な減速を受けて、圧縮変形に伴う感圧素子5の出力波形のピークが低下することもない。
【0124】
本実施形態のシート情報出力装置30は、支持部3aと傾斜面3cとが接続する内縁3bが面取りされているので、シートが屈曲変形する際に、内縁3bでの応力集中に伴う折り目形成や永久変形を回避できる。
【0125】
本実施形態のシート情報出力装置30は、凹部4が、受け部材3をシートPの搬送方向に貫通した平行溝なので、図9に示す全周が起立した凹部4Eに比較して、搬送されるシートPとの摩擦が少なく、摩擦に伴う感圧素子5の出力ノイズを低減できる。また、シートPの搬送方向の前後の壁が無いので、印加部材1を衝突した際にシートPが前後の壁に押し付けられて、摩擦が急増することがない。そして、印加部材1の衝突後も摩擦状態が安定しているので、シートPを搬送しつつシート情報検知を行っても、感圧素子5から安定した出力波形を取り出すことができる。従って、摩擦の影響を軽減した、正確でばらつきの少ないシート情報検知が可能である。
【0126】
本実施形態のシート情報出力装置30は、搬送方向の上流側で、傾斜面3cに、上流側へ向かってシート面から遠ざかる逃げ面3fを形成している。これにより、搬送に伴ってシートPが上下動しても、また、変形したシートが通過しても、受け部材3の上流側側面とシートPとの衝突が回避され、摩擦状態も安定する。従って、これらの衝撃による感圧素子5の出力変動が少なくなり、正確でばらつきの少ないシート情報検知が可能である。
【0127】
本実施形態のシート情報出力装置30は、溝幅Wと、距離dと、シートの厚さtとが、0<d<10tの関係と、10t<W<1000tの関係とを満たすので、通常のシートPが弾性変形により屈曲変形できる範囲でシート情報検知を実行可能である。従って、屈曲変形に伴う感圧素子5の出力がシートの弾性に応じた値となり、当該出力に基づいてシートの剛性や弾性を判別可能である。従って、圧縮反力だけに頼ったシート情報検知に比較して、正確でばらつきの少ないシート情報検知が可能である。
【0128】
本実施形態のシート情報出力装置30は、印加部材1は、先端部に少なくとも溝幅W方向の曲面を形成した棒材なので、屈曲変形するシートPの表面に先端部のエッジが食い込みにくい。
【0129】
本実施形態のシート情報出力装置30は、先端部の曲面の曲率半径は、印加部材1が受け部材3に当接させたシートPの曲率半径よりも小さいので、屈曲変形するシートPの表面への先端部のエッジの食い込みを確実に防止できる。
【0130】
本実施形態の説明で掲げたシート情報出力装置、シート処理装置、レーザービームプリンタ、画像形成装置は、いずれも凹部4の溝幅Wと、印加部材1の直径sと、凹部4の深さdとが、(W−s)/2>5dの関係を満たすので、シートPのたわみ剛性の検知において、シートPのたわみを制御することによって、シートPの機械的特性を良好に検知できる。
【0131】
また、シートPの機械的特性に関する情報を良好に出力できるので、このような機械特性に応じたシートPの処理条件を最適化することが可能となり、良好なシート処理結果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】本発明の一実施形態のシート情報出力装置における構成の説明図である。
【図2】受け部材と印加部材との形状の説明図である。
【図3】シート情報検知のフローチャートである。
【図4】シートを介した衝撃検知過程の説明図である。
【図5】シート情報出力装置の出力波形の説明図である。
【図6】シート剛性の測定結果の説明図である。
【図7】受け部材の斜視図である。
【図8】別の実施形態の受け部材の斜視図である。
【図9】さらに別の実施形態の受け部材の斜視図である。
【図10】別の実施形態のシート情報出力装置の構成の説明図である。
【図11】受け部材と印加部材との別の形状例の説明図である。
【符号の説明】
【0133】
1 印加部材
2 外力検知部
3 受け部材
3a 支持部
3b 内縁
3c 傾斜面
3e 底面
3f 逃げ面
4 凹部
5 検知手段(感圧素子)
7 固定材
8 台座
9 上シートガイド
10 下シートガイド
21 制御部
23 変換回路
25 駆動機構
30 シート情報出力装置
P シート




 

 


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