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発明の名称 シート搬送装置および画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−15858(P2007−15858A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2006−157466(P2006−157466)
出願日 平成18年6月6日(2006.6.6)
代理人 【識別番号】100090538
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 恵三
発明者 松本 直 / 岩永 芳春
要約 課題
複数の搬送ローラ間に捲回されたベルトが回動走行中に片寄ったり蛇行などして部材同士が擦れることにより、磨耗や損傷を受けるのを防止して信頼性の高いシート搬送装置および画像形成装置を提供する。

解決手段
無端状のベルトが片寄り走行したり、蛇行したときにベルトがベルト制御ローラの両端部のベルト当接検出部に当接し、ベルトがベルト当接検出部に与える摩擦力によって、ベルト制御ローラを中央部の支軸を支点にしてベルトの走行位置を矯正する方向に変位させ、それによって、ベルトを適正位置に戻す。
特許請求の範囲
【請求項1】
記録媒体のシートを搬送する無端状のベルトと、
前記ベルトを張架する複数の回転ローラのうちの少なくとも1つであり、前記ベルトの片寄り走行および蛇行による不正走行を矯正するためのベルト制御ローラと、
前記ベルト制御ローラの回転軸線を角度可変にローラ長さの中央部を変動支点にして支持するローラ支持部材と、
前記平ベルトが不正走行したときにベルト本体が当接して摩擦するように前記ベルト制御ローラの両端部に設けられた第1および第2のベルト当接検出部と、を備え、
前記第1のベルト当接検出部と第2のベルト当接検出部の前記ベルト本体との摩擦力の差によって、前記ベルト制御ローラが前記ローラ支持部材を支点に変動して回転軸線を角度変位させるよう構成したことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記ローラ支持部材に対して、前記第1および第2のベルト当接検出部が等しい距離に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記ベルト制御ローラの回転軸線を前記複数の回転ローラのそれぞれ回転軸線に平行となる定常位置にむかって付勢する付勢手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート搬送装置と、前記シート搬送装置から搬送されてきたシートに画像を記録する画像形成部と、を備えてなっていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
移動するベルトに接触しながら従動回転するローラと、
前記ローラを回転可能に支持する支持部材と
前記ローラが回転軸方向を変えることができるように前記支持部材を回動可能に支持する支持手段と、
前記支持部材と一体的に回動するように設けられ、前記ベルトが所定の位置から第1の側方にずれるほどベルトから大きな摩擦力を受ける第1の摩擦部材と、
前記支持部材と一体的に回動するように設けられ、前記ベルトが所定の位置から前記第1の側方とは反対方向の第2の側方にずれるほどベルトから大きな摩擦力を受ける第2の摩擦部材と、
前記ベルトのずれを修正するように前記ローラの回転軸の向きを変えるために、前記第1の摩擦部材と第2の摩擦部材の少なくとも一方がベルトから受ける摩擦力によって前記支持部材が回動することを特徴とするベルト案内装置。
【請求項6】
前記第1および第2の摩擦部材は回転しないように前記支持部材に固定されていることを特徴とする請求項5に記載のベルト案内装置。
【請求項7】
前記第1の摩擦部材は前記ベルトが前記所定の位置から前記第1の側方にずれるほど前記ベルトと接触する面積が大きくなることを特徴とする請求項5に記載のベルト案内装置。
【請求項8】
前記第2の摩擦部材は前記ベルトが前記所定の位置から前記第2の側方にずれるほど前記ベルトと接触する面積が大きくなることを特徴とする請求項5に記載のベルト案内装置。
【請求項9】
前記第1および第2の摩擦部材は前記ローラの側方に配置されていることを特徴とする請求項5に記載のベルト案内装置。
【請求項10】
前記支持部材の回動中心から前記ローラの両端までの距離は等しいことを特徴とする請求項5に記載のベルト案内装置。
【請求項11】
前記支持部材の回動中心から前記第1の摩擦部材までの距離は、前記支持部材の回動中心から前記第2の摩擦部材までの距離と等しいことを特徴とする請求項5に記載のベルト案内装置。
【請求項12】
前記第1の摩擦部材から第2の摩擦部材までの距離は前記ベルトの幅より大きいことを特徴とする請求項5に記載のベルト案内装置。
【請求項13】
前記第1の摩擦部材から第2の摩擦部材までの距離は前記ベルトの幅以下であることを特徴とする請求項5に記載のベルト案内装置。
【請求項14】
記録媒体を搬送するベルトと、
前記ベルトを支持する複数のローラと、
移動する前記ベルトに接触しながら従動回転する制御ローラと、
前記制御ローラを回転可能に支持する支持部材と、
前記制御ローラが回転軸方向を変えることができるように前記支持部材を回動可能に支持する支持手段と、
前記支持部材と一体的に回動するように設けられ、前記ベルトが所定の位置から第1の側方にずれるほどベルトから大きな摩擦力を受ける第1の摩擦部材と、
前記支持部材と一体的に回動するように設けられ、前記ベルトが所定の位置から前記第1の側方とは反対方向の第2の側方にずれるほどベルトから大きな摩擦力を受ける第2の摩擦部材と、
前記ベルトのずれを修正するように前記制御ローラの回転軸の向きを変えるために、前記第1の摩擦部材と第2の摩擦部材の少なくとも一方がベルトから受ける摩擦力によって前記支持部材が回動することを特徴とする記録媒体搬送装置。
【請求項15】
記録媒体を搬送するベルトと、
前記ベルトを支持する複数のローラと、
前記ベルトによって搬送される記録媒体に画像を記録する記録手段と、
移動する前記ベルトに接触しながら従動回転する制御ローラと、
前記制御ローラを回転可能に支持する支持部材と、
前記制御ローラが回転軸方向を変えることができるように前記支持部材を回動可能に支持する支持手段と、
前記支持部材と一体的に回動するように設けられ、前記ベルトが所定の位置から第1の側方にずれるほどベルトから大きな摩擦力を受ける第1の摩擦部材と、
前記支持部材と一体的に回動するように設けられ、前記ベルトが所定の位置から前記第1の側方とは反対方向の第2の側方にずれるほどベルトから大きな摩擦力を受ける第2の摩擦部材と、
前記ベルトのずれを修正するように前記制御ローラの回転軸の向きを変えるために、前記第1の摩擦部材と第2の摩擦部材の少なくとも一方がベルトから受ける摩擦力によって前記支持部材が回動することを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
ベルトを移動するように駆動する駆動ローラと、
移動するベルトに接触しながら従動回転するローラと、
前記ローラを回転可能に支持する支持部材と
前記ローラが回転軸方向を変えることができるように前記支持部材を回動可能に支持する支持手段と、
前記支持部材と一体的に回動するように設けられ、前記ベルトが所定の位置から第1の側方にずれるほどベルトから大きな摩擦力を受ける第1の摩擦部材と、
前記支持部材と一体的に回動するように設けられ、前記ベルトが所定の位置から前記第1の側方とは反対方向の第2の側方にずれるほどベルトから大きな摩擦力を受ける第2の摩擦部材と、
前記ベルトのずれを修正するように前記ローラの回転軸の向きを変えるために、前記第1の摩擦部材と第2の摩擦部材の少なくとも一方がベルトから受ける摩擦力によって前記支持部材が回動することを特徴とするベルト駆動装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトを案内する装置に関し、特にベルトの片寄り防止制御機構を備えたベルト案内装置に関するものである。また本発明はベルトの片寄り防止制御機構を備えたベルト案内装置を用いたベルト駆動装置、およびベルト案内装置を用いた搬送装置および、搬送装置を有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラー画像を出力する画像形成装置の場合、中間転写ベルトと呼ばれる無端状の平ベルトを駆動するベルト駆動装置が用いられている。複数色の像担持体である複数の感光体ドラムにトナー画像を担持させ、このトナー画像を被記録紙であるシート上に転写する前に、感光体ドラムから一旦中間転写ベルトの表面に転写し、その転写画像をシートに一括転写するようにした装置が周知である。
【0003】
また、従来より、ベルト駆動装置は記録媒体としてのシートを搬送するシート搬送装置にも用いられている。
【0004】
図12、図13にシート搬送装置にベルト駆動装置を用いた画像形成装置の従来例を示す。この場合の搬送ベルト131は、従動ローラ132、駆動ローラ134およびベルト調整ローラ135のローラ間に張架されて矢印方向へ回動走行する。ベルト調整ローラ135は搬送ベルト131に所定の張力を付与する機能を有すると同時に、ベルト蛇行を矯正用として装備された回転ローラである。搬送ベルト131には、櫛歯状の電極が搬送方向と直角をなすベルト幅方向に平行に設けられ、またシートとの接触領域にて吸着力を発生させる中間抵抗層が表面に設けられている。さらに、搬送ベルト131のベルト幅両端部には給電手段136と除電手段137が設けられ、上記櫛歯状の電極に接触して高電圧を印加することによって静電吸着力を発生させる。すなわち、搬送ベルト131上にシートを吸着させてブレないようにすることで、画像形成部の記録ヘッド107に対応する適正な位置に送り込む。すなわち、ベルト上にてシートに位置ずれが生じていると画像ムラなどの原因となるため、そうした位置ずれ防止のためにシートを搬送ベルト131上に静電吸着させて搬送する。
【0005】
また、搬送ベルト131の片寄り走行を監視するために、ベルト幅両端にフォトインタラプタなど光学式のベルト検出センサ138が設置され、このベルト検出センサ138からの検出信号に基づいて、図13に示す制御装置156はベルト片寄り量(蛇行量)を制御する。ベルト調整ローラ135はローラ軸受155に回転可能に支持され、このローラ軸受155をモータ157の駆動で変動させるようになっている。モータ157をオンオフさせる駆動信号は制御装置156から送信される。
【0006】
このベルト片寄り防止制御機構の場合、図15に示すように、ベルト調整ローラ135の奥部一端側を支点にして手前他端側を回動させ、搬送方向に対して回転軸線C−Cを変位させるようになっている。ベルト調整ローラ135がぶれずに他のローラの回転軸線に平行となっている場合、搬送ベルト131は図中符号A0点→B0点まで移動してローラスラスト方向へは変移量(寄り変移量)は発生しない。ベルト調整ローラ135の回転軸線C−Cがぶれると、搬送ベルト131はA1→B1へ移動して寄り変移量ΔX1が発生し、あるいはA2→B2への移動時は寄り変移量ΔX2が発生して、搬送ベルト131を手前側に矯正移動させる。ベルト検出センサ138はそうした寄り変移量を検出し、制御装置156によってベルト調整ローラ135を設定した変移量だけ移動させることで、搬送ベルト131の走行姿勢を適正に矯正する。
【0007】
ところで、搬送ベルト131が高速走行すると、片寄る速度も増大するために破損などの原因になり易い。図14(a),(b)はそうした問題にむけて提案された従来構造の一例を示す。ベルト調整ローラ135の両端にはそれぞれ検出部材140が独立して回転可能に設けられ、回転軸線上に設けたギア144が検出部材140に同期して動くように一体形成されている。ベルト調整ローラ135は支持ブラケット143に支持されている。この支持ブラケット143にはラックギア143が設けてあり、このラックギア143をローラ回転軸線上の上記ギア144に噛合させている。支持ブラケット143はベルトに張力を加えるために張力ばね145を介してフレームに取り付けられており、X方向にばね力を加えることで一定のテンションをベルト131に付与している。
【0008】
この他にもベルトの蛇行を修正する機能を有するベルト駆動装置として、特許文献1に開示されたものもある。
【特許文献1】特公平6−99055号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、かかる従来のベルト片寄り防止機構の場合、解決すべき次の問題点がある。図14で示したように、ベルト調整ローラ135の回転軸線C−Cを角度変位させて、中間転写ベルト131の片寄り制御を行うと、ベルト調整ローラ135がスラスト方向へ力を受けるため、ベルト調整ローラ135とその軸受との部材間でスラスト方向への摩擦力で磨耗が生じる。
【0010】
したがって、本発明の目的は、複数のローラ間に捲回された無端状のベルトが回動走行中に片寄ったり蛇行などして部材同士が擦れることにより、磨耗や損傷を受けるのを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明のシート搬送装置は、記録媒体のシートを搬送する無端状のベルトと、ベルトを張架する複数の回転ローラのうちの少なくとも1つであり、ベルトの片寄り走行および蛇行による不正走行を矯正するためのベルト制御ローラと、ベルト制御ローラの回転軸線を角度可変にローラ長さの中央部を変動支点にして支持するローラ支持部材と、ベルトが不正走行したときにベルト本体が当接して摩擦するようにベルト制御ローラの両端部に設けられた第1および第2のベルト当接検出部と、を備え、第1のベルト当接検出部と第2のベルト当接検出部のベルト本体との摩擦力の差によって、ベルト制御ローラがローラ支持部材を支点に変動して回転軸線を角度変位させるよう構成したことを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の画像形成装置は、上記構成のシート搬送装置を有し、このシート搬送装置から搬送されてきたシートに画像を記録する画像形成部と、を備えてなっていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、不正走行するベルト本体が適正位置に戻って走行するよう矯正することができる。それによって、ベルト本体とローラ軸受など部材同士の擦れによる磨耗を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明によるシート搬送装置および画像形成装置のそれぞれ好適な一実施形態について図を参照して詳細に説明する。なお、本発明の主旨を顕著に反映できる画像形成装置の具体例として、インクジェット記録装置とこれに装備されるシート搬送装置の各実施形態について説明する。
【0015】
図1に示すように、インクジェット記録装置1の本体内部には給紙部2、搬送ベルト3および排紙部4などからなるシート搬送装置が備わっている。搬送ベルト3によって搬送される記録媒体であるシートPに記録手段としての記録ヘッド7によってカラー画像が形成される。この場合のシート搬送装置は上記各部材や各装置からなる自動給紙装置の他、さらに手差し給紙装置を備えた例が示されている。
【0016】
給紙部2には、カセット本体23の内部にシートPの束を載せて収容する圧板21が設けられ、またシートPを回転摩擦力でもってピックアップして1枚ずつカセット外へ送り出す給紙ローラ22が回転可能に軸支されている。圧板21はシート繰り出し方向の後端部で回転支軸を介してカセット本体23に回動可能に軸支されている。厚板21の裏側に装着された圧板ばね24は、最上位のシートPを給紙ローラ22に押し付ける方向へ付勢している。また、給紙ローラ22に対向する圧板21の部位には、シートPが一度に数枚重なり合って搬送されてしまういわゆる重送を防止するために、人工皮など摩擦係数の大きい材質からなる分離パッドが設けられている。
【0017】
さらに、カセット本体23にはシートPの一方向の角部を覆い、シートPを一枚ずつ分離するための分離爪、圧板21と給紙ローラ22との当接を解除するリリースカム(いずれも図示略)が設けられている。待機状態においては、リリースカムが圧板21を所定位置まで押し下げており、圧板21は給紙ローラ22と当接しない位置に離間する。この状態で駆動ローラ34からの駆動力が歯車などを介して給紙ローラ22およびリリースカムに伝達される。それにより、リリースカムが圧板21から離れると圧板21が上昇し、給紙ローラ22とシートPとが当接し、給紙ローラ2が回転して最上位のシートPをピックアップして給紙を開始し、分離爪によって1枚ずつシートPを分離して搬送ベルト3へと搬送する。給紙ローラ22はシートPを搬送ベルト3に送り込むまで回転し、再びシートPが給紙ローラ22から離間した待機状態となって駆動ローラ34からの駆動力がオフになる。なお、手差し給紙装置に備わる給紙ローラ90は、手差しトレイ91上にセットされたシートPを記録命令の信号に従って給紙し、搬送ベルト3へ搬送する。
【0018】
給紙部2から搬送されてきたシートPは、搬送ベルト3の手前に位置する一対のレジストローラ44のニップ部に先端を当接させて一定のループ形状を形成した状態で停止し、斜行が矯正される。装置本体に内蔵された主制御装置(図示略)から出力された印字開始の指示信号によって、レジストローラ44が回転するとシートPは搬送ベルト3に送られる。
【0019】
また、プラテン30は搬送ベルト3のベルト本体31を内側から支えて平坦に保持して下方への変位を規制する。プラテン30はベルト本体31上のシートPが画像記録部(画像形成部)の各色用記録ヘッド7(Y,M,C,K)に対応する適正位置に送り込まれるよう補佐する部材である。また、従動ローラ32と対向する位置には、ベルト本体31に従動して回転せしめられる吸着ローラ33がベルト本体31に当接して設けられている。吸着ローラ33はばね(図示略)によってベルト本体31に圧接されることで、シートPを記録ヘッド部へと誘導する。さらに、搬送ベルト3の上流側には、シートPをレジストローラ44に案内する上ガイド27と下ガイド28が設けられている。従動ローラ32の記録紙搬送方向における下流側には画像情報に基づいて画像を記録する記録手段としての記録ヘッド7が設けられている。
【0020】
レジストローラ44によって送り出されたシートPは、従動ローラ32と吸着ローラ33とによって搬送される。その際、搬送されてきたシートPの先端をPEセンサレバー(図示略)で検出することで、シートPへの記録位置を算定できるようにしている。
【0021】
記録ヘッド7は、シートPの搬送方向と直交する方向に複数のノズルが配列されたラインタイプのインクジェット記録ヘッドが用いられる。シートPの搬送方向の上流側から7K(黒),7C(シアン),7M(マゼンタ)および7Y(イエロー)の順に各色の記録ヘッドが所定間隔で配置されている。それら各記録ヘッド7K,7C,7M,7Yはヘッドホルダ7Aに保持させて取り付けられている。それら記録ヘッドはヒータによってインクを加熱して膜沸騰させ、膜沸騰による気泡の成長または収縮で生じる圧力変化によって記録ヘッドのノズルからインクを吐出し、シートP上に画像を形成する。記録ヘッド7は記録動作中のノズル面とシートPとの距離(紙間)を設定できる。記録ヘッド7は停止時に上昇し、キャップ8がスライドして記録ヘッド7のノズル面をキャップし、インク固着を防ぐようになっている。
【0022】
排紙部4は、排紙ローラ41と拍車42とによって構成され、記録ヘッド7で画像記録されたシートPは、排紙ローラ41と拍車42とに挟まれて搬送され、排紙トレイ43へと排出される。排紙ローラ41は伝達手段を介して駆動ローラ34から回転を受けて駆動する。拍車42は記録後の印字面を転走するためにシートPとの接触面積は小さく、記録後の印字面に接触してもシートP上の記録画像がぶれたりして乱れないようにする部材である。
【0023】
図2および図3に示すように、搬送ベルト3は上面にシートPを吸着して搬送する無端状のベルト本体31を有し、ベルト本体31は従動ローラ32、駆動ローラ34およびベルト制御ローラ35といった複数のローラ間に捲回して張架され、駆動ローラ34から回転動力を受けて回動走行する。従動ローラ32と駆動ローラ34は装置フレーム39に回転可能に軸支されている。
【0024】
ベルト制御ローラ35は、本発明の要旨であるベルト走行調整機構の主要部材であり、ベルト本体35に接触しながら従動回転し、ベルト本体31に適度な張力を付与するテンションローラ機能を有する。同時に、ベルト制御ローラ35はベルト本体31の片寄り走行や蛇行走行等の不正走行が発生したとき、それを矯正する機能を有する。ベルト制御ローラ35の両端は装置フレーム39に揺動可能に設けられた支持部材としての制御ローラフレーム71に回転可能に軸支されている。
【0025】
図5(a)〜(c)において、制御ローラフレーム71の両端部でベルト制御ローラ35の側方に摩擦部材として、円筒形状の第1および第2のベルト当接検出部70a,70bが回動不能に設けられている。ベルト制御ローラ35は、それらベルト当接検出部70a,70bを介して制御ローラフレーム71に回転可能に支持されている。ベルト制御ローラ35は、ベルト本体31が回動走行することでそれに従動して回転せしめられる。ベルト当接検出部70a,70bはベルト本体31に接触して摩擦力が生じるようなローラと同一曲率の円筒形状となっており、ベルト本体31が片寄って走行したり蛇行して走行するとベルト当接検出部70a,70bのどちらか一方に接触するようになっている。ベルト当接検出部70a,70bの表面のベルト本体31と接触可能な領域は、後述するベルト本体31の片寄り制御のためにベルト制御ローラ35を移動させるため必要な力を発生するのに十分な摩擦係数となっている。本実施形態にあっては、ベルト制御ローラ35は耐磨耗性ゴムで成形されたものであり、ベルト本体31との摩擦係数kは0.2〜0.5である。
【0026】
また、図5(c)に示すように、ベルト当接検出部70a,70bから外側へ突出しているベルト制御ローラ35の端部の軸35aは可動駒35bに形成された軸受に回転可能に支持されている。可動駒35bは制御ローラフレーム71の両端に設けられた二股のガイド部にそって矢印B方向に移動可能に支持されている。ばね72は可動駒35Bを矢印Bの方向に付勢しベルト本体31に張力(1.0kgf〜15kgf(9.8N〜147N))を付与する。本実施形態においては、4.0kgf(39.2N)の張力を付与することによって安定した高精度搬送を実現している。制御ローラフレーム71にはベルト制御ローラ35のスラスト方向であるローラ幅の中心部(ベルト制御ローラ35の長手方向の中央部)に支軸73が設けられている。ベルト制御ローラ35を角度可変に支持するように支軸73はブラケット74に設けられた軸受に回動自在に軸支されている。制御ローラフレーム71は支軸73を回動中心として回動可能である。制御ローラフレーム71の回動中心からベルト制御ローラ35の一方の端部までの距離が、制御ローラフレーム71の回動中心からベルト制御ローラ35の他方の端部までの距離と等しくなるように支軸73が配置されている。ベルト当接検出部70a,70bは制御ローラフレーム71と一体的に回動可能である。ブラケット74は装置フレーム39に取り付けられている。ベルト制御ローラ35は支軸73を中心(変動支点)として、図6中の符号X1,X2で示す方向に揺動可能である。第1および第2の当接検出部70a,70bは支軸73の軸心から等距離に配置されている。
【0027】
また、制御ローラフレーム71の両端部には付勢手段としての圧縮ばね75がフレーム39との間に装着され、ベルト制御ローラ35の回転軸線が駆動ローラ34と従動ローラ32の回転軸線に平行となる定常位置(復帰位置)へ復帰する方向へ付勢している。圧縮ばね75は、後述する蛇行制御においてベルト制御ローラ35を移動させるのに必要なベルト当接検出部70a,70bで発生する摩擦力の大きさを調整する。圧縮ばね75は、特に配置されていなくても蛇行制御に問題が生じるものではない。
【0028】
各図にはベルト制御ローラ35に対してベルト本体31の巻き付け角度が約180°で接触している構造例が示されている。但し、そうした巻き付け角度に限定されるものではなく、図10(a),(b)に示すように、約90°程度の巻き付け角度の場合でも制御理論に関しては違いがない。ただ発生する摩擦力が異なるために摩擦係数の調整などが必要である。
【0029】
図7(a)〜(c)および図8(a)〜(c)に示すように、ベルト巻き付け角度180°の場合、張力ばね72によって4kgf(39.2N)の張力tが例えば約幅350mmのベルト本体31に付与されている。この場合、ベルト制御ローラ35と接触する面において作用する抗力Nは円形状であるためどの位置でも等しく、結果N=tになる。この状態においてベルト本体31に駆動が与えられ移動すると、ベルト制御ローラ35はベルト本体31に従動して回転する。ベルト当接検出部70a,70bはベルト制御ローラ35と同一面を形成して回動しないように固定されているために移動するベルト本体31との摩擦により摩擦力が生じる。その摩擦力は、ベルト背面とベルト当接検出部70a,70bの接触面との摩擦係数をμとすると、f1=μN1で表され、接触点において接線進行方向に摩擦力を生じる。ベルト当接検出部70a,70bは支軸73を中心に回転可能な制御ローラフレーム71の両端部に取り付けられているため、軸73と直交した回転平面において移動可能である。ベルト当接検出部の接触点に生じる摩擦力の回転平面方向成分を接触範囲で積分することでベルト制御ローラ35を変移させる力Fを得ることになる。
【0030】
支軸73の軸受74に玉軸受を用いることによって、4kgf(39.2N)の張力で張った幅350mmのベルト本体31を支持する制御ローラフレーム71を、ベルト当接検出部に発生す摩擦力の回転面方向成分である10gf(98N)の力Fで制御可能となっている。張力、軸受による抵抗力、ベルト幅等により必要とする移動させる力Fが異なるため、ベルト当接検出部70での摩擦力を最適にすることが大切である。耐久性などを考慮すれば、ベルト当接検出部70での摩擦力が小さいほうが有利なため、できるだけ移動に必要な力Fを小さくすることが望ましい。
【0031】
図7(a)または図9に示すように、ベルト本体31の有効幅Lをベルト制御ローラ35の長さLμ以下にした場合について説明する。ベルトに蛇行が生じていない場合は、ベルトはベルト制御ローラ35の両端のベルト当接検出部70a,70bに接触しない予め決められた所定の位置を走行するので摩擦力は発生しない。それに対して、蛇行が生じた場合、図9(b)に示すように、所定の位置から図中左方向にベルト本体31が片寄りするとベルト制御ローラ35は検出部70aに接触し、左側のベルト当接検出部70aはベルト本体31からベルト本体31の進行方向の摩擦力Faを受ける。摩擦力Faによってベルト制御ローラ35を支軸73に対応する中央部を支点として時計回り方向に回転させようとするモーメントが生じる。ベルト制御ローラ35の回転軸線(回転軸方向)が摩擦力Faに応じた角度だけ時計回り方向に角度変位するとベルト制御ローラ35によって案内されているベルト本体31は右方向に移動して偏りが補正される。ベルト本体31が右方向に偏った場合は、右側のベルト当接検出部70bがベルト本体31からベルト本体31の進行方向の摩擦力Fbを受ける。摩擦力Fbによってベルト制御ローラ35が反時計回り方向に回動し、ベルト本体31は左方向に移動して偏りが補正される。
【0032】
また、図7(b)の実施形態では、ベルト本体31の有効幅Lとローラ両端部のベルト当接検出部70a,70b間の間隔距離Lμが、L≧Lμとなっている。L>Lμの場合、ベルトに蛇行が発生せず、ベルト本体31が予め決められた所定位置を走行しているときは、各ローラに対して適性位置にベルト本体31が接触して適正な位置関係に有るので、各ベルト当接検出部70a、70bは両方ともベルト本体31から摩擦力を受ける。ベルト本体31が所定位置を走行していると各ベルト当接検出部70a、70bが受ける摩擦力の差がゼロになる。ベルト本体31が一方に偏ると、偏った側のベルト当接検出部70はベルト本体31との接触面積が増加し、ベルト本体31から受ける摩擦力は偏移した距離に比例して増大する。逆に反対側のベルト当接検出部70ははベルト本体31との接触面積が減少し、受ける摩擦力は減少する。その結果、左右のベルト当接検出部70a、70bに作用する摩擦力に差が生じるために、ベルト本体31の偏りを戻す方向に制御ローラフレーム17を回動させるモーメントが発生する。図7(c)にベルト本体31の偏移量と制御ローラフレーム17を回動させる力Fの特性図を示す。図7(c)の同特性図中のグラフの傾きはベルト本体31の裏面とベルト当接検出部70a,70bとの間に生じる摩擦力によって変化する。
【0033】
そのようにして、本実施形態の蛇行制御においては、ベルト本体31の位置の偏移したときベルト当接検出部70a,70bのうち少なくとも一方がベルト本体31から摩擦力を受ける。そして、ベルト本体31の位置の偏移量に応じた大きさの力をベルト当接検出部70aまたは70bに作用させてベルト制御ローラ35の軸方向を変化させてベルト本体31の偏移を補正することができる。また、ベルト本体31とベルト当接検出部70a、70bの耐久摩擦力が低下すると特性図の線形の傾きが小さくなるため、支軸73の回動抵抗力以上の力を得ないと制御しないため、不能領域が拡大する。それを予測してベルト当接検出部70a,70b間の間隔距離Lμ寸法を設定することで対応可能である。
【0034】
ここで、図11を参照して蛇行修正時の挙動について再確認する。図11の35はベルト制御ローラで、ベルト本体はベルト制御ローラ35の紙面に対して手前側を移動するものとする。
【0035】
蛇行が生じていない場合のベルト制御ローラ35においては、ベルト本体はA0点でベルト制御ローラ35と接触してB0点で離れるまで従動して移動する。この場合ベルト本体を搬送方向に対して直角方向に移動させる力は作用しない。
【0036】
ベルト本体が左側に片寄ると、図9(b)に示すようにベルト本体31はベルト当接検出部70aの表面で滑りながら走行する。すると、ベルト本体31からベルト当接検出部70aに摩擦力Faが働きベルト制御ローラ35が図11の35Aの位置に移動する。その結果図11中のA1点でベルト制御ローラ35に接触したベルト本体31の一点は、B1点でベルト制御ローラ35から離れることになる。この際、スラスト方向への滑りが全く発生しない場合、右方向へ距離L1だけベルト本体31を搬送方向に対して直角方向へ移動させることになる。よってベルト本体の左方向の片寄りは修正される。
【0037】
逆に、ベルト本体が右方向に片寄るとベルト本体31からベルト当接検出部70bに摩擦力Fbが働き、ベルト制御ローラ35が図11の35Bの位置に移動する。図11中のB2点でベルト制御ローラ35に接触したベルト本体31の一点は、B2点でベルト制御ローラ35から離れる。よってベルト本体31は距離L2だけ左に移動し、ベルト本体31の右方向の片寄りは修正される。
【0038】
このように、ベルト本体31が蛇行した場合でも常に正常位置に復帰させるようにすることができる。
【0039】
すなわち、ベルト制御ローラ35の両端に設けたベルト当接検出部70a,70bのいずれかに生じる摩擦力、または双方に生じる摩擦力の差を利用することで、微小な摩擦力の差で制御することが可能となる。そして、常に中間転写ベルト3の片寄りを監視し、ベルト本体31の安定した回動走行によって被転写材シートPの安定した搬送を実現することができる。
【0040】
ここで、ベルト本体31について図4にその一部断面を示す。シートPを吸着して保持しつつ回動走行するベルト本体31は、吸着力発生手段として強力な静電吸着力を発生させるようパターン配置された導電金属からなる電極60a、60bを基層62と表層61による積層構造で保護してなっている。基層62はポリエチレン、ポリカーボネート、ポリイミド等の高分子合成樹脂、表層61は最適な静電気力を発生させるために抵抗制御可能なフッ素系樹脂等の合成樹脂で無端ベルト形状を形成している。これらの層は接着剤もしくは熱溶着などの接着手段で接合されている。電極60a、60bは図に示すようにそれぞれの歯が独立して櫛歯状のパターンを形成し、ベルト搬送方向と直交する方向で向かい合うようにベルト本体31に複数設置されている。ベルト本体31の両端部においては、給電ブラシ36から電極60a、60bに高圧印加可能なように表層61を取り除き、電極60a、60bが剥き出しになるように構成されている。
【0041】
ベルト本体31を構成する基層62は、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂からなる同一シート(20μm)を複数回(5回)巻きつけ、熱溶着することで100μmの厚さのベルトが製造されている。その外側に熱硬化性の表層材をこちらも積層に巻きつけ熱溶着することでベルトが完成する。この工程において電極60を基層シートの形態において予め定められた位置に配置されるようにシート上に形成することで、ベルトの所定の厚さ位置に夫々が配置されることになる。配置するにあたっては、導電性塗料の印刷であっても、導電性樹脂を配置し同時に熱溶着してもよい。このような積層構造とすることで、成型後のベルトとしての均一化が促進され、安定した精度を確保している。
【0042】
このベルト本体31と接合する給電ブラシ36に約0.5kV〜10kVの電圧を印加させることにより、各記録ヘッド7の下方の記録位置でベルト本体31に吸着力を発生させるものである。給電ブラシ36は所定の高電圧を発生する高圧電源(図示略)に接続されている。排紙時には除電ブラシ37により電極60が除電され吸着力を失い分離されて排紙部4へと送られる。
【0043】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内であれば他の実施形態、それら各実施形態の応用例や変形例も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明による画像形成装置の一実施形態であるインクジェット記録装置を示す断面図。
【図2】本実施形態のシート搬送装置に備わる搬送ベルトを示す斜視図。
【図3】本実施形態の搬送ベルトと画像形成部との取り合いを示す断面図。
【図4】同図(a),(b)は本実施形態の搬送ベルトの断面図
【図5】同図(a)〜(c)は本実施形態のベルト制御ローラの正面図と平面図と側面である。
【図6】本実施形態の同ベルト制御ローラの動作を模式的に示す側面図。
【図7】同図(a)〜(c)は本実施形態のベルト制御ローラの正面図と平面図と特性線図。
【図8】同図(a)〜(c)は本実施形態における蛇行制御の動作概略図。
【図9】同図(a),(b)は本実施形態のベルト制御ローラの正面図と平面図である。
【図10】ベルト巻き付け角度が約90°の場合の実施形態を示す図。
【図11】ベルト蛇行を模式的に示す図。
【図12】従来例の中間転写ベルトならびにベルト制御ローラを示す斜視図。
【図13】従来例の中間転写ベルトと画像形成部との取り合いを示す断面図。
【図14】同図(a),(b)は他の従来例のベルト片寄り防止機構を示す正面図と側面図。
【図15】従来のベルト片寄り防止制御機構のベルト調整ローラの動作を示す図。
【符号の説明】
【0045】
1 インクジェット記録装置
7 記録ヘッド
31 ベルト本体
35 ベルト制御ローラ
70a ベルト当接検出部
70b ベルト当接検出部
73 支軸(ローラ支持部材)
74 軸受(ローラ支持部材)




 

 


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