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発明の名称 シート給送装置及び画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−15836(P2007−15836A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−201561(P2005−201561)
出願日 平成17年7月11日(2005.7.11)
代理人 【識別番号】100090538
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 恵三
発明者 古谷 衣美
要約 課題
剛性の高いシート、又、シート間の摩擦係数が大きいシートにおいても搬送不良の起こらない安定した給送を行うことができるシート給送装置を提供すること。

解決手段
シート支持手段と、給送回転体と、分離回転体と、を有し、給送回転体とシートとの接触位置における給送回転体の接線と接触部における接線とがなす給送回転体側に形成された角度が鈍角であるように、シート支持手段、給送回転体、分離回転体が配置されているシート給送装置において、接触部より分離回転体側に配置され、給送回転体に送り出されたシートを接触部へと導く搬送ガイド手段を有し、搬送ガイド手段は、前記接触部におけるガイド面よりも接触部のシート給送方向の上流側を給送回転体側に突出させた突出ガイド部を有し、その形状が給送回転体及び分離回転体の幅領域と、その外側とで形状が異なることを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
シートを支持する変位可能なシート支持手段と、シート支持手段に支持されたシートに圧接し、シートを搬送する方向に回転してシートを給送するためのシート給送回転体と、シート給送回転体に圧接し、
前記給送手段から送り出されたシートを1枚ずつに分離するためにシートを戻す方向に回転する分離回転体と、を有し、シート給送回転体とシートの接触位置における給送回転体の接線と前記接触部における接線とが交わることでなす、給送回転体側に形成された角度が鈍角であるように、シート支持手段、急送回転体、分離回転体が配置されているシート給送装置において、
前記接触部より分離回転体側に配置され給送回転体に送り出されたシートを前記接触部へと導く搬送ガイド手段を有し、シート給送装置において、搬送ガイド手段は、前記接触部におけるガイド面よりも前記接触部のシート給送方向の上流側を給送回転体側に突出させた突出ガイド部を有し、突出ガイドはシート給送回転体の幅の内側と、シート給送回転体の幅の外側で形状が異なることを特徴とするシート給送装置。
【請求項2】
突出ガイドはシート回転体の幅の内側よりシート給送回転体の外側の方が、シート回転体回転中心に近いことを特徴とする請求項1記載のシート給送装置。
【請求項3】
突出ガイドのシート給送回転体の外側の突出部分は、シート給送回転体の幅方向に対し、一定間隔の隙間を有することを特徴とする請求項1又は2記載のシート給送装置。
【請求項4】
突出ガイドは一部が金属の薄い板材で構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のシート給送装置。
【請求項5】
搬送ガイドの一部を形成する金属の板材のエッジがシート面と触れないような形状を取ることを特徴とする請求項3記載のシート給送装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載のシート給送装置を備えた画像形成装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ等の画像形成装置や、シートに形成された画像情報を読み取る画像読取装置におけるシート給送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図13に中板100と給紙ローラ101、分離ローラ102を用いた連続給紙可能なシート給送装置の概略断面図と、分離ガイド103の概略斜視図を示す。
【0003】
分離ローラ102の近傍はシート幅方向に均一な断面で形成される分離ガイド103が、給紙ローラ101と所定のトルクでシートを戻す方向に回転する分離ローラ102と給紙ローラ101とが接触しているシート挟持部としての分離ニップ部から一定の距離をおいて設けられ、分離ニップ部に対する分離ガイド103のシート給送方向上流側は、中板100が解除された状態において、中板100に積載されているシート先端が突き当たるように、中板100に対して略垂直な突き当て部103aを形成している。
【0004】
分離ガイド103は、分離ローラ102がガイド面103bから突出して所定の圧で給紙ローラ101と挟持するように開口部103cを設けている。給紙ローラ101のシート給送方向の下流側には引抜きローラ104が設けられ、給紙ローラ101から給送されたシートを更に下流方向に搬送する。
【0005】
給紙動作は、中板100が給紙ローラ101に接触する方向に移動することで、中板100に積載されているシートが給紙ローラ101に圧接し、給紙ローラ101によって送り出されたシート先端が分離ガイド103に沿って分離ニップ部に搬送される。
【0006】
シートは引抜きローラ104に向けて搬送され、2枚目以下のシートが分離ニップ部に送られてきた場合は、所定の戻しトルクで回転する分離ローラ102により中板100方向に戻されて、複数枚のシートが給送されるのを防止している。分離ニップ部にシート1枚のみが挟持された状態では分離ローラ102は給紙ローラ101の回転力によって搬送方向に回転する。
【特許文献1】特許第3368248号(第3頁、実施例1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記構成のシート給送装置で剛性が高くシート間の摩擦係数の大きいシートを給送すると、図13で示すように、シートが分離ニップ部に進入する時に2枚目以降のシートも同時にニップ部に進入しようとし、シート先端が分離ローラ102の外周面に対して分離ローラ102の中心方向(法線方向)に突き当たり、分離ローラ102に矢印F方向の力を加え、分離ローラ102を給紙ローラ101から離れる方向に押し下げてしまう。
【0008】
分離ローラ102が給紙ローラ101から離れ、2枚目以下のシートの先端が分離ローラ102に突き当たった状態では、給紙ローラ101と分離ローラ102とでシートを挟持する挟持力、即ち分離ローラ102が給紙ローラ101に圧接する分離圧が大幅に減少してしまう。分離圧が減少することで分離ローラ102は給紙ローラ101の回転及び最上部のシートの搬送に連れ回りできなくなり、所定トルクで戻し方向に回転しようとする。それにより給紙ローラ101はシートを先に送れなくなり、引抜きローラ104にシートを搬送することができなくなってしまう。
【0009】
又、分離ニップ部からシートが搬送された場合でも、シートの剛性が高いと分離ローラ102を給紙ローラ101から離れる方向に押し下げた状態でシートが搬送されることになる。つまり、シートは矢印F方向に沈み込もうとする方向に搬送されることになる。分離ガイド103は、分離ローラ102のローラ幅分だけ開口部103cを設けているため、沈み込んだシート先端が分離ガイド103の開口部103cの端部103dに突き当たってしまい、ジャムとなる恐れがあった。
【0010】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、その目的は、剛性の高いシート、又、シート間の摩擦係数が大きいシートにおいても搬送不良の起こらない安定した給送を行うことのできるシート給送装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、シートを支持する変位可能なシート支持手段と、前記シート支持手段に支持されたシートと接触し、回転することでシートを送り出す給送回転体と、前記給送回転体と接触して接触部を形成し、前記給送回転体により送り出されたシートを分離するために前記シートを戻す方向へ回転可能な分離回転体と、を有し、前記給送回転体とシートとの接触位置における前記給送回転体の接線と前記接触部における接線とがなす前記給送回転体側に形成された角度が鈍角であるように、前記シート支持手段、前記給送回転体、前記分離回転体が配置されているシート給送装置において、前記接触部より前記分離回転体側に配置され、前記給送回転体に送り出されたシートを前記接触部へと導く搬送ガイド手段を有し、前記搬送ガイド手段は、前記接触部におけるガイド面よりも前記接触部のシート給送方向の上流側を前記給送回転体側に突出させた突出ガイド部を有し、その形状が給送回転体及び分離回転体の幅領域と、その外側とで形状が異なることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、剛性が高く、シート間の摩擦係数が高いシートであっても、薄く摩擦係数の高いシートであっても、何れの場合も設定を変えることなく、重送や不送りすることなく確実に給送することができることを可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0014】
<実施の形態1>
次に、本発明の一実施形態に係るシート給送装置について、これを画像形成装置としての複写機に用いた例で詳細に説明する。
【0015】
最初に、本発明のシート給送装置を備えた画像形成装置の概要について説明を行う。
【0016】
図1は画像形成装置である複写機の概略断面図である。同図において、1は複写機本体であり、複写機本体1の上部には固定して設けられた透明ガラス板から成る原稿台2が設けられている。3は原稿圧着板であり、原稿台2の所定の位置に画像面を下向きにして載置された原稿Oを押圧固定する。
【0017】
原稿台2の下側には原稿Oを照明するランプ4と、照明した原稿Oの光像を感光ドラム12に導くための反射ミラー5,6,7,8,9,10及び結像レンズ11とから成る光学系が設けられている。尚、ランプ4及び反射ミラー5,6,7は矢印a方向に所定の速度で移動して原稿Oを走査する。
【0018】
給紙部は、複写機本体1に内蔵されたシートカセット30,31,32,33に積載されたシートを、画像形成部に給送するカセット給紙部34,35,36,37と、給紙トレイ74から連続して種々の材質、種々のサイズのシートを画像形成部に給送する給紙部(以下、マルチ給紙部と称する)51,53,55,70が設けられている。
【0019】
画像形成部は、感光ドラム12と、該感光ドラム12の表面に均一な帯電を施すための帯電器13と、該帯電器13により帯電された感光ドラム12の表面に前記光学系から照射される光像により形成された静電潜像を現像して、シートSに転写すべきトナー像を形成するための現像器14と、感光ドラム12の表面に現像されたトナー像をシートSに転写するための転写帯電器19と、感光ドラム12からトナー像が転写されたシートSを分離するための分離帯電器20と、感光ドラム12に残留したトナーを除去するためのクリーナ26とを有している。
【0020】
画像形成部の下流側には、トナー像が転写されたシートSを搬送するための搬送部21と、該搬送部21により搬送されるシートS上の像を永久画像として定着するための定着器22が設けられている。又、定着器22で像が定着されたシートSを複写機本体1から排出するための排出ローラ24が設けられており、更に、複写機本体1の外側には排出ローラ24で排出されたシートSを受け取るための排出トレイ25が設けられている。
【0021】
続いて、上記画像形成装置のマルチ給紙部について詳細に説明を行う。
【0022】
図2はマルチ給紙部及びドラム部の断面図、図3はマルチ給紙部の駆動展開図(平面図)である。複写機本体1には、シート束Sを積載支持するマルチ給紙トレイ74が設けられている。マルチ給紙トレイ74には、トレイ74上のシートSの有無を検知するフォトインタラプタ等から構成されるシート検知センサ82が設けられている。
【0023】
又、シート支持手段である中板70は、前後側板63,64に対して、支点部70a,70bを支点として揺動自在に設けられており、加圧離間手段である揺動バネ72a,72b(72)によって図2の時計回り方向(給紙ローラ51に加圧する方向)のモーメントが付勢されているが、後で詳細に説明する加圧離間部によって適宜、給送回転体である給紙ローラ51に対して支持しているシートを圧接(図2破線の状態)及び圧接解除(図2実線の状態)させるようになっている。
【0024】
又、中板70の先端部の給紙ローラ51との当接部にはシートSの重送を防止するとともに、中板70の給紙ローラ51への圧接時の衝撃を緩衝するためのフェルト71が設けられている。
【0025】
給送回転体としての給紙ローラ51は、給紙ローラ軸52に固定されており、給紙ローラ軸52は、回動自在に前側板63及び後側板64に軸支されている。
【0026】
更に、給紙ローラ軸52の奥側端部には給紙駆動ギア65及び連結手段としての駆動伝達ギア57が固定されている。給紙ローラ軸52の駆動伝達ギア57とアイドラギア61で駆動が接続される相手側の駆動ギア58は、分離ローラ軸54に固定されているため、分離ローラ軸54は、給紙ローラ軸52の回転に同期して給紙ローラ軸52とは同一方向に回転する。又、給紙駆動ギア65の対向噛合位置には、給紙駆動ギア65と噛合可能であり、非噛合部である2箇所の切欠部80a,80b(図4参照)を有する伝達手段である制御ギア80が設けられている。
【0027】
又、制御ギア80には中板70に支持されているシートを給紙ローラ51へ圧接又は圧接解除させるための加圧離間手段であるカム80cが一体に設けられている。
【0028】
カム80cには中板70の奥側に一体に設けられ後側板64に設けられた孔64aを貫通してカム80cの当接位置まで延出させるようにした、加圧離間手段であるカムフォロア70cが当接するようになっており、これによって中板70の図2における時計回り方向の回転が規制されている。又、制御ギア80は、定量回転手段であるバネクラッチ68が設けられた駆動軸90に固定されている。そして、バネクラッチ68は、バネクラッチ68の制御用ソレノイド69をT1(Sec)ONすることによって1回転制御するようになっており、通常は給紙駆動ギア65の対向位置には制御ギア80の切欠部80aが位置するようにバネクラッチ68及び切欠部80aの位相角が選択されている。
【0029】
これによって、初期状態においては給紙駆動ギア65、給紙ローラ軸52、給紙ローラ51は、トルクリミッタ62の回転負荷が作用するものの、何れの方向へも自由に回転できるようになっている。
【0030】
給紙ローラ51のシート搬送方向下流側には、搬送手段である引抜きローラ対55が設けられている。引抜き駆動ローラ55aの駆動軸は不図示の軸受けによって前後側板63,64にそれぞれ回転自在に軸支され、その端部には電磁クラッチで構成した引抜きクラッチ60が設けられており、ギア59,60aを介して引抜きモータM2からの駆動を接断できるように構成されている。
【0031】
又、引抜き駆動ローラ55aに対向して、引抜き従動ローラ55bが不図示の軸受け部材を介し、バネ56a,56b(56)によって引抜き駆動ローラ55aに加圧されている。
【0032】
分離ローラ軸54には、所定のトルクを発生するトルクリミッタ62を介在させて分離回転体としての分離ローラ53が回動自在に設けられている。分離ローラ53は、給紙ローラ51に対向するように設けられ、図示しない軸受けを介在させたバネ73a,73b(73)によって給紙ローラ51に所定の分離圧で圧接するように構成されている。
【0033】
尚、トルクリミッタ62のトルク値及び分離ローラ53の揺動バネ73a,73bは、給紙ローラ51と分離ローラ53によって形成されるニップ内にシートが1枚のみ存在する状態、又はシートが無い状態では分離ローラ53が摩擦力により給紙ローラ51に追従するように(給紙ローラ51が停止している時は停止するように)、ニップ内にシートが2枚以上存在する場合のみ、分離ローラ53が逆転し、戻し力を発生するようにそれぞれトルク値、分離圧が選択されている。
【0034】
又、分離ローラ53と中板70の間には使用者がシートを給紙トレイにセットする際の突き当て部となり、シートガイドでもある搬送ガイド手段としての分離ガイド78が固定されている。又、分離ガイド78にはシートの先端を給紙ローラ51と分離ローラ53によって形成されるニップへ案内するためのポリエチレンシートやSUS材等の薄板で形成した補助ガイドである搬送ガイド手段としての分離補助ガイド75が設けられている。これにより、シートの先端が分離ローラ53に突き当たって、シートの先端が捲れたり折れたりすること、分離ローラが押し下げられて分離圧が低減することを防止している。
【0035】
そして、前記給送ローラ51とシートとの接触位置における前記給送ローラ51の接線と、給送ローラ51と分離ローラ53との接触部(ニップ)における接線とが交わることで前記給送ローラに対向する側に形成された角度が鈍角になるように、前記中板70、給送ローラ51、分離ローラ53が配置されている。
【0036】
次に、給紙ローラ51及び中板70における伝達手段及び加圧離間手段の構成について詳細な説明を行う。
【0037】
先に述べたように、給紙駆動ギア65の対向噛合位置には、給紙駆動ギア65と噛合可能な第1ギア部80d、第2ギア部80e、2箇所の切欠部80a,80bと、中板70が給紙ローラ51に対して圧接及び圧接解除を行うためのカム80cが一体に構成された制御ギア80が設けられている。制御ギア80は、先に述べた通り、バネクラッチ68とソレノイド69によって1回転制御が可能な構成となっている。尚、バネクラッチ68の構成は本発明の本質に関わらないので、詳細な説明は省略する。
【0038】
制御ギア80は、初期状態においては、第1切欠部80aが給紙駆動ギア65に対向するようにバネクラッチ68の位相角や第1切欠部80aの形状及び位置が選択されているため、給紙ローラ軸52は、シート給送方向及びその逆方向の何れもにも回転自在である。
【0039】
又、カム80cは、中板70の端部に設けられたカムフォロア70cに当接し、初期状態においては中板70を揺動バネ72に抗して離間するように、カム形状及び切欠部80aとの位相角が選択されている。このため、使用者がシート束をセットする際には、中板70は給紙ローラ51への押圧を解除され離間しており、容易に分離ガイド78に当接するまでシート束をセットすることが可能となっている。
【0040】
続いて、以上の伝達手段及び加圧離間手段による給紙及び分離の動作について説明する。
【0041】
ソレノイド69をT1(Sec)だけONするとバネクラッチ68の作用により、制御ギア80が回転を開始する。制御ギア80が図4の反時計回り方向に回転を開始し、先ず、カム80cが中板離間位置から中板加圧位置θ1へと回転する。それに従っててカム80cとカムフォロア70cが離間して、中板70が給紙ローラ51に押圧するように変位する。これによって、給紙トレイ74に積載されたシート束の最上部のシートSが給紙ローラ51に圧接される(図4(b)及び図5(b)の状態)。
【0042】
更に、制御ギア80がθ2まで回転すると、制御ギア80に設けられた第1ギア部80dが給紙駆動ギア65に噛合し、給紙駆動ギア65は所定角度A°だけ回転する。この回転に従って、給紙ローラ51はA°回転し、シート束の最上部のシートSは所定量L1だけ送り出される(以降、ここまでの給紙動作を「プレ給紙動作」と称する)(図4(c),(d)及び図5(c),(d)の状態)。
【0043】
尚、このプレ給紙動作による送り量L1は、給紙ローラ51の外径をDとすると、
L1=A°×π×D/360° … (式A)
で与えられる。
【0044】
プレ給紙時のシート送り量L1は、シート分離ガイド78から給紙ローラ51と分離ローラ53によって形成されるニップまでの距離Laよりも多く搬送し、且つ、ニップ位置から引抜きローラ対55までの距離Lbよりも小さい送り量となるように第1ギア80dの歯数が選択されている。又、この時の給紙駆動ギア65の回転速度は給紙ローラ51によるシート送り速度が引抜きローラ対55やレジストローラ対81による送り速度と同等になるように、給紙モータM1の回転速度や駆動を伝達する伝達ギア68a等の各ギアの歯数、ローラ径等が選択されている。
【0045】
制御ギア80がθ3まで回転を続けて、給紙駆動ギア65の対向噛合位置に第2切欠部80bが到達すると(図4(d)及び図5(d)の状態)、給紙駆動ギア65には駆動が伝達されなくなり、給紙ローラ51は一旦回転を停止する。尚、上記の通り、第1ギア80dの歯数が選択されているので、シートSの給紙開始時の位置がどこであろうとプレ給紙動作によってL1だけ給紙されたシートSの先端をニップから引抜きローラ対55の間で確実に一旦停止させることができる。
【0046】
その後、制御ギア80がθ4まで回転し、カム80cが中板離間位置へ戻ると、カム80cとカムフォロア70cが当接して、中板70は、給紙ローラ51に対する押圧を解除される(図4(e)及び図5(e)の状態)。
【0047】
更に、制御ギア80がθ5まで回転し、次に制御ギア80の第2ギア部80eと給紙駆動ギア65が噛合することによって(図4(f)及び図5(f)の状態)、給紙駆動ギア65の回転が再開され、所定角度B°だけ回転し、この回転に伴って給紙ローラ51によるシート搬送が再開される(以降、このプレ給紙後の給紙動作を「再給紙」と称する)。
【0048】
尚、このときの給紙ローラ51による送り量L2は、
L2=B°×π×D/360° … (式B)
となる。
【0049】
再給紙による送り量L2はプレ給紙動作によって引抜きローラ対55の手前まで搬送されたシートSの先端を、少なくとも引抜きローラ対55に確実に受け渡す分であり、且つ、レジストローラ対81には到達しない量になるように、第2ギア部80eの歯数が選択されている。
【0050】
制御ギア80の回転が更に進行し、給紙駆動ギア65の対向位置に第1切欠部80aが到達した時に、給紙駆動ギア65は駆動力を受けなくなり、給紙ローラ51は駆動を伝達されなくなる。そして、制御ギア80は、回転を終了し、初期位置で停止する(図4(g)及び図5(g)の状態)。
【0051】
以下に、プレ給紙されたシートSを引抜きローラ対55に到達する前に一旦停止させる理由を述べる。
【0052】
給紙ローラ51は、制御ギア80と給紙駆動ギア65が噛合していないため、回転を停止している。そのために、送り量L1だけ送られたシートSはその状態を保って、停止している。この間に、カム80cがカムフォロア70cに当接することで中板70を押し下げる。上記のプレ給紙動作によって重送したシートSが給紙ローラ51と分離ローラ53のニップ間にある場合、分離ローラ53が分離動作を行った後、所定時間回転を停止していた給紙ローラ51は、再給紙動作を開始し、引抜きローラ対55までシートSを搬送する。
【0053】
シートSを一旦停止させることにより、プレ給紙から再給紙にかけての一連の動作タイミングを常時一定とすることができる。それにより、シート搬送の安定性を高めることができる。又、中板70に支持されているシートの圧接解除時にシートSは停止しているため、シートSの先端位置を高精度で制御でき、給紙ローラ51と分離ローラ53のニップ位置から引抜きローラ対55までの距離を短縮できる。このことにより、装置の小型化が実現できる。
【0054】
給紙ローラ51に押圧していた中板70を離間させた後に、分離動作を行えるため、確実且つ安定したシート分離を実現する。
【0055】
次に、図6に示すフローチャートと図7に示すタイミングチャートを用いてマルチ給紙部からの給紙動作について説明する。
【0056】
給紙トレイ74上にシート束が積載された状態で、不図示のスタートボタンが押されると、引抜きモータM2、給紙モータM1がそれぞれ回転を開始し(step1)、CPU40(図1参照)からは引抜きクラッチ60のONの信号が発信される(step2)。
【0057】
次に所定時間経過後、CPU40からの信号でソレノイド69をT1(Sec)ONさせ(step3)、制御ギア80の1回転制御を開始させる。この動作によって、先ほど詳細に説明したように、先ず、中板70に支持されているシートが給紙ローラ51に圧接する。次に、給紙ローラ51が所定角A°だけ回転し、トレイ74に積載された最上部のシートSが中板70の加圧力及び給紙ローラ51の表面の摩擦力によって所定量L1だけ送り出される(プレ給紙動作)。
【0058】
このとき、分離ローラ軸54は、給紙ローラ軸52と同期して給紙ローラ軸52と同方向に回転するため、分離ローラ53にはトルクリミッタ62によって発生されるトルクにより、所定の戻し力が発生する。シートが給紙ローラ51と分離ローラ53のニップ部に進入する前や、シートが1枚だけ給紙された場合、分離ローラ53を搬送方向へ回そうとする摩擦力が戻し力を上回るため、分離ローラ53は、給紙ローラ51に倣って給紙方向へ連れ回る。それに対し、シートが2枚以上重なって給紙された場合(いわゆる重送)、戻し力がシート間の摩擦力を上回るため、分離ローラ53は、重送したシートを中板70方向に戻すように作用する。
【0059】
ところで、上記のプレ給紙動作において、シートが重送された場合は、前述のように分離ローラ53が重送したシートを戻すように作用はするが、このとき、中板70が揺動バネ72によって給紙ローラ51を押圧しているため、分離ローラ53による分離動作を阻害し、重送したシートを戻すことができない可能性がある。
【0060】
しかし、制御ギア80が更に回転することにより給紙駆動ギア65と制御ギア80の第2切欠部80bが対向し、給紙ローラ51の回転が停止した後にカム80cとカムフォロア70cが当接することで給紙ローラ51に圧接していた中板70に支持されているシートを離間させることができる。
【0061】
制御ギア80の回転が更に進行すると、給紙ローラ51が再給紙動作を始めるため、一旦停止していたシートSの搬送が再開され、シートSの先端が引抜きローラ対55に受け渡される。そして、再給紙動作によって給紙ローラ51による所定量L2の搬送がなされた後、制御ギア80が1回転を終了し給紙ローラ51への駆動伝達は停止するが、引抜きローラ対55の回転が継続しているため、シートSはレジストローラ対81まで搬送される。
【0062】
尚、このとき、制御ギア80の第1切欠部80aは、給紙駆動ギア65の対向位置にあるため、給紙ローラ51は無負荷の状態である。そのため、給紙ローラ51は、引抜きローラ対55によって搬送されているシートSにより、回転力を受け、シートSの後端が給紙ローラ51と分離ローラ53のニップ間を通過するまで給紙ローラ51は連れ回り(空転)する。
【0063】
この引き抜き動作時においては、中板70は給紙ローラ51から離間しているため、次に給送すべきシートは給紙ローラ51から摩擦力は受けない。そのため、次に給送すべきシートは重送しにくいのではあるが、万一、次のシートが連れ送りされてしまっても、給紙ローラ51の回転動作中は給紙ローラ軸52に連結されている分離ローラ軸54が常にシート給送方向と逆方向に回転しており、且つ、中板70が給紙ローラ51への押圧を解除され、離間しているので、その時点でトルクリミッタ62の作用により、分離ローラ53が逆転を開始して重送したシートを戻すことができ、重送を確実に防止することができる。
【0064】
又、給紙ローラ51と分離ローラ53のニップでシートが詰まった場合や、引抜きローラ対55のニップにシートが噛み込まれている際に、何らかの要因や故障等によりジャムを生じた場合、制御ギア80の非噛合部と給紙駆動ギア65が対向位置にあるため、給紙ローラ51はどちらの方向にも自由に回転できる。そのため、ジャムしたシートを搬送方向と逆方向に引抜くことが可能となり、ジャム処理が非常に容易となる。
【0065】
これは、制御ギア80が欠歯部を有するギアであり、更に給紙ローラ51と分離ローラ53の駆動を連結して、ワンウェイクラッチ等の回転を規制する手段を必要としない構成のため達成できたものである。
【0066】
つまり、給紙駆動ギア65と制御ギア80が噛合を解除している場合は、給紙ローラ軸52は回転がフリーになっており、シートの搬送方向及びその逆方向の何れにも自由に回転できる。そのため、ジャムしたシートを容易に搬送方向と逆方向に引抜くことができる。
【0067】
又、搬送ローラ対55によってシートが引抜かれている場合は、給紙ローラ51は、連れ回りし、その回転が駆動伝達ギア57を介して分離ローラ軸54に伝達されて分離ローラ軸54は常時シートを戻す方向に回転させておくことができる。
【0068】
上記動作によってシートSの先端は、停止しているレジストローラ対81のニップへ向けて搬送される。レジストローラ対81の上流側には、図2に示すように、フォトインタラプタ等で構成されているシート検知センサ82が配設されており、シートSの先端を検知して(step4)、センサ82とレジストローラ対81までの距離に対応した時間を計時するCPU40に設けられた図示しないタイマー手段により、引抜きローラ対55とレジストローラ対81の間に適正なループを形成すべく(図5(h)の状態参照)、引抜きクラッチ60の停止タイミングを制御する信号を発している(step6)。
【0069】
このループがシートSの斜行送りを矯正する手段として形成されるのは公知のことである。更に、シートSは感光ドラム12若しくは画像を露光する光学装置等より発せられた画像先端同期信号により、レジストローラ対81を回転させることで、シートSが再び搬送され、感光ドラム12上に送り込まれて、トナー像がその表面に転写される。
【0070】
そしてシートSの後端がシート検知センサ82を抜けてから所定時間T2(Sec)経過して、シートSの後端が確実にレジストローラ対81のニップを通過してからレジストクラッチ83(図2参照)をOFFさせる(step9,10,11)。尚、トナー像がその表面に転写されたシートSは、定着器22により画像が定着されて排紙トレイ25に排出される。
【0071】
以下、同様の動作を設定枚数終了するまで繰り返し(step12)、設定枚数が終了すると、引抜きクラッチ60をOFFした後に(step13)、給紙モータM1、引抜きモータM2をそれぞれ停止し(step14)、終了する。
【0072】
次に、分離ニップ部近傍の構成及びシートの挙動について図8〜図11を参照して説明する。
【0073】
図8は搬送ガイド手段を構成する分離ガイド78及び分離補助ガイド75の詳細斜視説明図、図9は分離ニップ部近傍の詳細断面説明図である。
【0074】
本実施の形態に示した中板70は、給紙ローラ51と分離ローラ53との当接位置に生じるニップ線に対して角度が付けられており、中板70に支持されているシートSを給紙ローラ51に圧接させた場合、給紙ローラ51によって送り出されるシートSは、分離ローラ53に突き当たり、そこからニップ線方向へと向きを変えて搬送される。
【0075】
上記シートをガイドするために、分離ローラ53の周囲にはシートガイドとしての分離ガイド78が設けられ、分離ガイド78の分離ローラ53近傍には補助ガイドとしての分離補助ガイド75が設けられている。
【0076】
尚、図8では説明のため、搬送ガイド手段を構成する分離ガイド78と分離補助ガイド75を分割して示しているが、実際は図9等で示すように、以下で説明する分離ガイド78の突き当て部78aに、分離補助ガイド75の突き当て部75aが密着するように両面テープや接着剤等の固定部材を用いて固定されている。
【0077】
分離ガイド78は、シート搬送方向の上流側がシートSを給紙トレイに積載する際にシート先端を突き当てるための突き当て部78aを形成すると共に、給紙ローラ51と分離ローラ53によって形成されるニップ線に対して略平行な搬送ガイド部78bを形成する。搬送ガイド部78bは、分離ローラ53よりローラ幅があり、補助ガイド75の上面まで張り出ている給紙ローラ51との間隔Aを確保している。又、搬送ガイド部78bの更にシート搬送方向の下流側は分離ローラ53側に折り曲がった曲折部を有している。
【0078】
分離ガイド78は、突き当て部78aと搬送ガイド部78bに分離ローラ53に対して接触しない充分な余裕を設けて切欠部78cを設けてある。切欠部78cの分離ローラ幅の範囲は、搬送されたシートが分離ローラを押し下げて、切欠部78c方向へ沈み込んでもスムーズに下流に搬送されるように、シート搬送方向の下流側が切り欠かれ、シート先端が引っ掛からないようになっている。
【0079】
分離ガイド78の上面は、分離補助ガイド75で分離ローラ53と給紙ローラ51が接触するニップ部近傍に位置している。分離補助ガイド75は、SUS材等の薄板で形成されることで分離ニップ部近傍までシートを案内できるようになっている。
【0080】
分離補助ガイド75のシート搬送方向の上流側は分離ガイド78の突き当て部78aに設けられている分離ローラ53の切欠部を覆うため、補助突き当て部75aが分離ガイドの突き当て部78aと平行に設けられている。
【0081】
分離補助ガイド75の分離ニップ部のシート搬送方向上流部は、中央部とその外側で形状が異なる。
【0082】
中央部はニップ線に対して平行な平行ガイド面75bに対して給紙ローラ幅だけ高く持ち上げ、分離ローラ53及び給紙ローラ51に対してそれぞれ適切な間隔を設けた突出ガイド部としての上流部ガイド面75dを形成している。このとき、給紙ローラ51との間隔Bは、部品公差や軸受のがた等を含めて最上部のシートがニップ部に進入してきた時に搬送抵抗にならない最小限の距離をとり、分離ローラ53との間隔Cは、部品公差や軸受のがた等により相対位置関係が変化した場合でも分離ローラ53と上流部ガイド面75dが接触しない最小限の距離を取って設定されている。尚、具体的には間隔Aは0.6mm〜0.9mm、間隔Bは1〜2mm、間隔Cは1〜1.5mm程度に設定するのが分離性能の点からみて好ましい。
【0083】
上流部ガイド面75dは、平行ガイド面75bよりも、高さ方向において給紙ローラ51に近い位置にあるため、上流部ガイド面75dのニップ側の端部を、給紙ローラ51の円周面及び分離ニップ部に近接して設けることができる。
【0084】
分離補助ガイド75の分離ニップ部のシート搬送方向の上流側の給紙ローラ51のローラ幅の両外側部は、給送ローラ幅から間隔tをおいて、中央部ガイドに対し、シート搬送方向の下流に向かうに従って給紙ローラ51側に更に近づくように傾斜している持ち上げ傾斜面75eを構成している。
【0085】
図9に示すように、75eは給紙ローラの外側に位置するため、75dより更に給紙ローラに近づき、断面で見た場合には給送ローラとオーバーラップすることもできる。そして、分離ローラに向かって突入してくるシートを、より給紙ローラに近づけることで、中央部の75dのみの場合よりも、剛性の高いシートに対して搬送力が向上する。但し、給送ローラとの断面からのオーバーラップ量が大きかったり、給紙ローラ51とのローラ幅方向の間隔tが狭いと、給紙ローラと搬送補助ガイド75eの間にシートが挟まれて、重送した場合に、分離ローラ53によって重送シートを戻すことができなくなるので、注意が必要である。
【0086】
又、75e及び75dの搬送方向下流側の先端はエッジがシートの下面に接すると、重送した場合に、重送シートを分離する抵抗となるので、先端エッジがシートに触れることがないように、先端をR形状にすることが望ましい。
【0087】
このような構成で分離ニップ部近傍の搬送ガイドを形成することにより、シートの挙動は以下で説明するようになる。
【0088】
先ず、厚さの薄い剛性の低いシートを給送する場合について説明する。シート先端は給紙ローラ51の回転に連れ回りしている分離ローラの外周面に先端が突き当たり、給紙ローラ51の回転に従ってシートが湾曲しながら分離ニップ部に案内される。分離ニップ部では重送してきたシートを分離ローラ53が所定トルクで戻し方向に回転することで分離し、最上位のシートのみを給送する。
【0089】
そして、分離ニップ部のニップ線、つまり接触部の接線に対して略平行にシートが搬送され、分離ニップ部のシート搬送方向の下流側に設けられている引抜きローラ対55へと搬送される。
【0090】
次に、剛性の高い厚紙等の厚手のシートが給送された場合について図10及び図11を参照して説明する。尚、図10、図11(a)は分離ローラ53のローラ幅方向中央の分離ニップ部近傍の断面図であり、図11(b)は切欠部に落ち込むように湾曲したシート先端を二点鎖線で表した図である。
【0091】
剛性の高い厚手のシートが中板70の変位により給紙ローラ51に圧接し、給紙ローラ51の回転を受けてシート先端が分離ローラ53の外周面に突き当たる。このとき、分離補助ガイド75の上流部ガイド面75d,75eが給紙ローラ51の外周面に近接した位置に設けられているため、重送してきたシートのうち、最上位のシートに近いシート以外はこの上流部ガイド面75d,75eにより塞き止められる。
【0092】
この上流部ガイド面75d,75eによって重送して分離ニップ部に進入しようとするシートの枚数が減少し、分離ローラ53に突き当たるシート束全体としての剛性を弱め、更に分離ローラ53に突き当たる角度を小さくする。
【0093】
つまり、シートをより分離ローラ53の接線に近い方向に当接させることで、シートが分離ローラ53に付与する、分離ローラ53が給紙ローラ51から離れる方向に働く力を大幅に減少させることができる。これは上流部ガイド面75d,75eが給紙ローラ51の円周面及び分離ニップ部に近接して設けることにより得られる効果である。
【0094】
分離ローラ53に突き当たったシート先端は僅かに湾曲しながら分離ニップ部に進入し、2枚目以下のシートは分離ローラ53により分離される(図10参照)。
【0095】
つまり、シートは、分離ニップ部の上流側の上流部ガイド面75d,75eによりシートの先端側を、給紙ローラ51側に変位させ、シートの搬送方向をなるべくニップ線、即ち給紙ローラ51と分離ローラ53との接線に等しくなるようにしているため、分離ローラ53が給紙ローラ51に付与する分離圧の減少を防ぐことができ、安定した給紙が行える。
【0096】
又、分離ローラ53のシート搬送方向の下流側の直後では、分離ガイド78が切り欠かれているため、図11(b)に示すように、シートがその切欠部75cにおいて分離ローラ53側にシートが潜り込むように湾曲する場合がある。
【0097】
しかし、分離ローラ幅の範囲において分離ガイド78が切欠部78cを設けているため、湾曲したシート先端が分離ガイド78cによってすくい上げられ、問題なく搬送することができる。
【0098】
又、本実施の形態は、給紙ローラに中板を加圧することでシートを分離ニップ部に搬送するシート給送装置について説明したが、給紙ローラの上流にピックアップローラを設けてシートを分離ニップ部まで送り出すシート給送装置に適用しても良い。
【0099】
又、本実施の形態では、本発明を適用したシート給送装置をマルチ給紙部に適用した例に挙げて説明したが、勿論、カセット給紙部やデッキ給紙部において本シート給送装置を採用することも可能である。
【0100】
又、本実施の形態においては、本発明のシート給送装置を画像形成装置としての複写機に適用した例として説明したが、これに限定されず、例えば、本発明のシート給送装置のシート搬送方向の下流側に、シートに記録されている画像情報を読み取る画像読取部を設けることにより、画像読取装置とすることも可能である。
【0101】
尚、図9には給紙ローラ51、分離ローラ53、分離補助ガイド75のそれぞれの間隔をA,B,Cとして規定し、給紙分離動作を適切に行う上での好適な距離設定を説明したが、上述した通り、部品公差や軸受のがた等により、装置組み立て時に好適な距離を確保することが難しい場合がある。そこで、本発明では、装置組み立て時、若しくは装置設置後に生じた不具合等をユーザやサービスマンが調整可能なように以下に説明する給紙ローラ51の位置決め手段を設けている。
【0102】
図12(a)は給紙ローラ51周辺を給紙ローラ軸方向から見た図、図12(b)は図12(a)のA視図、図12(c)は図12(a)のB視図である。150は給紙ローラ軸52の上方に給紙ローラ軸52と平行に設けられたステーであり、前側板63及び後側板64に固定されている。尚、図12では前側板63側を省略している。
【0103】
軸受151にはローラ軸と直交し、且つ、ステー150方向に延びた位置決め手段としての位置決めアーム152が係合している。位置決めアーム152は、ステー150に設けられた穴部を通ってステー150の上方にまで突出しており、アーム152の側面には図12(a)で示したように、穴部153,154、不図示のビス穴が設けられている。尚、この穴部153,154は後に説明する曲げ部150aに設けられたピン156,157に係合し、鉛直方向にアーム152が移動可能なように長穴形状をしており、ビス穴は図12(a)の鉛直方向に長穴若しくはビス径よりも調整代分だけ大きな径を有する穴となっている。
【0104】
ステー150は、切り起こされた曲げ部150aを有し、曲げ部150aには上述した通り、ピン156,157が設けられて位置決めアーム152の穴部153,154に係合する。又、ビス穴に対応する位置に不図示のタップが切ってあり、位置決めアーム152は曲げ部150aに対してビス159で固定される。
【0105】
更に、位置決めアーム152の給紙ローラ軸線方向と直交する鉛直方向の位置の調整を容易にするため、位置決めアーム152は、ステー150の上面部150bに設けられた不図示のタップに対して、ビス155で下方向(ガイド方向)に付勢されている。このため、ビス159を緩め、位置決めアーム152の固定を解除すると、位置決めアーム152に設けられた穴部153及び154が鉛直方向に長い長穴であり、更にビス159が貫通する不図示のビス穴がビス径よりも移動可能な量だけ大きな径を有する穴であるため、位置決めアーム152の鉛直方向の移動を規制しているビス155を締めることで位置決めアーム152はガイド方向に移動可能となる。
【0106】
即ち、ビス155をステー150に対して閉める方向に回すと位置決めアーム152は矢印Y方向に移動し、ビス155をステー150に対して緩める方向に回すと矢印Y’方向に対して遊びが発生し、移動可能となる。
【0107】
上述した通り、位置決めアーム152は、給紙ローラ軸52に設けられた軸受151に係合しているため、ビス155を回すことで給紙ローラ軸52を矢印X方向又はX’方向に移動させることができる。つまり、ビス155を回して位置決めアーム152を鉛直方向(Y−Y’方向)に移動させることで給紙ローラ51の位置を変位させることが可能となる訳である。こうして給紙ローラ51の位置を変位させることにより、分離ローラ54及び分離補助ガイド75との間で設定されるシート給送に適切な間隔A,B,Cを簡単に調整することができる。
【0108】
尚、図12では給紙ローラ軸52は後側板64に片持ち支持されているため、位置決めアーム152が鉛直方向に移動すると、給紙ローラ軸52は図12(c)の矢印X−X’方向、つまり軸52が支持されている後側板64の軸受64aを支点として回動する方向に移動することとなる。
【0109】
これにより、給紙ローラ51と分離ローラ53とが接触することで形成されるニップ部がシート給送方向に対して厳密に平行とならない場合が生じるが、位置決めアーム152の鉛直方向の変位によって給紙ローラ軸52が水平に対して傾く傾斜角度は、軸受64aから給紙ローラ51までの距離に対する位置決めアーム152の鉛直方向の移動量が微小であるため、傾斜角度は非常に僅かである。よって、本構成による給紙ローラ軸52の回動方向の移動がシート給送動作に悪影響を与えることはない。
【0110】
尚、給紙ローラ軸52が前後の側板に対して支持されている場合、つまり軸の両端部をそれぞれ軸受に支持されているような構成では、給紙ローラ軸52をユニバーサルジョイントのようなローラの鉛直方向の位置を或る程度自由に変位させることができる構成とし、給紙ローラ51の両側に位置決めアーム152を設けてローラ51の両側を同じ量だけ鉛直方向に変位させるように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明に係る給送装置を備えた複写機の概略断面図である。
【図2】本発明に係る手差し給紙装置の要部断面図である。
【図3】本発明に係る手差し給紙装置の駆動展開図である。
【図4】本発明に係る制御ギアの制御時の状態を示す図である。
【図5】本発明の実施形態における手差し給紙部の制御時の状態を示す図である。
【図6】本発明の実施形態における手差し給紙時の動作のフロチャートである。
【図7】本発明の実施形態における手差し給紙時の動作のタイミングチャートである。
【図8】分離補助ガイドの斜視図である。
【図9】分離補助ガイドの詳細断面図である。
【図10】分離ニップ部の要部断面図である。
【図11】分離ニップ部の切欠き部中央における要部断面図である。
【図12】給紙ローラの位置を調整する位置決め手段の説明図である。
【図13】従来の手差し給紙部の要部断面図である。
【符号の説明】
【0112】
S シート
1 複写機本体
51 給送ローラ
53 分離ローラ
55 引き抜きローラ対
57 駆動伝達ギア
58 駆動ギア
62 トルクリミッタ
63 前側板
64 後側板
65 給紙駆動ギア
70 中板
74 給紙トレイ
75 分離補助ガイド
78 分離ガイド
80 制御ギア
150 ステー(位置決め手段)
151 軸受け
152 位置決めアーム




 

 


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