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発明の名称 シート給送装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−15777(P2007−15777A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−196129(P2005−196129)
出願日 平成17年7月5日(2005.7.5)
代理人 【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
発明者 鈴木 義章 / 森永 和幸
要約 課題
2つのシート積載部を有し、それら2つのシートは共通の給紙機構によって給紙される系において、給紙機構の小型化と給紙動作の安定化を両立できるシート給送装置を提供する。

解決手段
ASFベース80には原稿12を支持積載するための原稿積載台85が回転可能に取り付けられている。原稿積載台85の支点位置85aは、圧板82の支点位置82aよりも給紙方向上流側で、かつASFベース80のベース面80aから所定の距離を有して回転中心を設けているので、原稿12と記録紙2がセットされている時の圧板82の上下に伴う原稿積載台85の回動角度が、圧板82の回転角度と比較して小さくなっている。
特許請求の範囲
【請求項1】
第1シートの束と第2シートの束を略平行に積載保持するためのベース部材と、前記第1シート又は前記第2シートを1枚ずつ搬送路に給送するための給送ローラとを有するシート給送装置において、
前記第1シートを積載する第1シート積載台であって、前記ベース部材に回転自在に取り付けられ、待機時には前記給送ローラとの間に隙間を空けて保持され、シート給送時には前記給送ローラに向けて押圧される第1シート積載台と、
前記第1シート積載台のシート積載方向上方に前記第1シート積載台に対し所定の隙間を持って配置された、前記第2シートを積載する第2シート積載台とを有し、
前記第2シート積載台は、前記第1シート積載台の回転支点よりもシート給送方向上流側で回転支点を持つように前記ベース部材に回転可能に支持されていることを特徴とするシート給送装置。
【請求項2】
第1シートの束と第2シートの束を略平行に積載保持するためのベース部材と、前記第1シート又は前記第2シートを1枚ずつ搬送路に給送するための給送ローラとを有するシート給送装置において、
前記第1シートを積載する第1シート積載台であって、前記ベース部材に回転自在に取り付けられ、待機時には前記給送ローラとの間に隙間を空けて保持され、シート給送時には前記給送ローラに向けて押圧される第1シート積載台と、
前記第1シート積載台のシート積載方向上側に前記第1シート積載台に対し所定の隙間を持って配置された、前記第2シートを積載する第2シート積載台と、
前記第2シート積載台のシート給送方向下流側端部に回転可能に軸支され、前記第1シート積載台と前記給送ローラの間に前記第2シートの束を導くためのガイド部材とを有し、
前記第2シート積載台は、前記第1シート積載台の回転支点よりもシート給送方向上流側で回転支点を持つように前記ベース部材に回転可能に支持されていることを特徴とするシート給送装置。
【請求項3】
前記ガイド部材は前記第1シート積載台に対してシート積載方向上方に所定の距離だけ離れて保持されるように規制され、シート幅方向において前記給紙ローラと前記第1のシート束積載台が当接する位置を逃げた位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のシート給送装置。
【請求項4】
前記第1シートは記録媒体であり、前記第2シートは原稿であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のシート給送装置。
【請求項5】
前記第1シートと前記第2シートはともに記録媒体であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のシート給送装置。
【請求項6】
前記第2シート積載台に前記第2シートの束が積載されたときに該第2シートの束と当接し、可動するシート当接部材と、
前記シート当接部材と連動する連動部材と、
前記連動部材の作動によってシート検知信号を発生する検知信号発生部とをさらに備え、
前記検知信号発生部は前記第1シート及び前記第2シートの積載範囲外に固定配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のシート給送装置。
【請求項7】
前記第2シート積載台は、前記第2シートの束のシート幅方向基準面および下面を支持するホルダ部を有し、前記シート当接部材は該ホルダ部材に回転可能に保持されていることを特徴とする請求項6に記載のシート給送装置。
【請求項8】
前記ホルダ部材に回転可能に保持された前記シート当接部材の回転中心は、前記第2シート積載台のシート積載方向上方に位置していることを特徴とする請求項7に記載のシート給送装置。
【請求項9】
前記連動部材は、前記第2シート積載台が回動しても、前記検知信号発生部に対して正常に機能するように設定されていることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載のシート給送装置。
【請求項10】
前記シート当接部材と前記連動部材は、ギアの噛み合いによって連動することを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載のシート給送装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の画像を読取る読取手段と記録媒体に画像を記録(印字)する記録手段とを一体的に備えた画像読取記録装置に関する。詳細には、例えば、ファクシミリなどの画像読取記録装置に備えられた、シートである原稿又は記録媒体を読取手段又は記録手段に給送するシート給送装置の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小型化及びコストダウンを目的として原稿と記録紙の搬送路の一部を共通にしたファクシミリ装置が提案されている。図16はその構成の一例を示したものである。この例においては更なる小型化を実現するために、給紙ローラ304、分離ローラ303を共通化し、さらに給紙・分離された原稿または記録紙が共通搬送路を通過する装置となっている。圧板308(記録紙積載面)に積載された記録紙301の積載方向上方には原稿302を積載するための原稿積載台309を有し、この原稿積載台309が、圧板308に固定配置され、圧板308の回動と共に上下に移動可能となっている。給紙ローラ304によって搬送された記録紙または原稿は、共通の搬送ローラ310で搬送され、搬送ローラ310の搬送方向下流に配置された読取り部または記録部に達する(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−203513号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記に述べた従来例における系では、前記原稿積載台は給紙ローラに対して離間、接触を繰り返す圧板に対して所定の距離を保ちつつ略平行状態で圧板に対して固定配置されていた。このような系は、記録紙のセット可能枚数が多く確実に原稿積載台との距離を確保したい場合、また原稿積載台上方に原稿積載台の十分な移動可能空間が確保できる場合においては効果が得られていた。
【0004】
しかしながら、給紙機構の小型化のため給紙ローラの径を小さくする場合は、給紙ローラに対する原稿と記録紙の接触角度が異なることによる給紙不良が発生していた。また装置全体の小型化のために原稿積載台上方に原稿積載台の十分な移動可能空間が確保できない系においては、原稿積載台が圧板に固定される系は不利であった。
【0005】
そこで本発明は、2つのシート積載部を有し、それら2つのシートは共通の給紙機構によって給紙される系において、給紙機構の小型化と給紙動作の安定化を両立したシート給送装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、第1シートの束と第2シートの束を略平行に積載保持するためのベース部材と、前記第1シート又は前記第2シートを1枚ずつ搬送路に給送する給送ローラとを有するシート給送装置において、前記第1シートを積載する第1シート積載台であって、前記ベース部材に回転自在に取り付けられ、待機時には前記給送ローラとの間に隙間を空けて保持され、シート給送時には前記給送ローラに向けて押圧される第1シート積載台と、前記第1シート積載台のシート積載方向上方に前記第1シート積載台に対し所定の隙間を持って配置された、前記第2シートを積載する第2シート積載台と、を有し、前記第2シート積載台は、前記第1シート積載台の回転支点よりもシート給送方向上流側で回転支点を持つように前記ベース部材に回転可能に支持されていることを特徴とする。
【0007】
上記のとおりの構成では、第2シート積載台は、第1シート積載台の回転支点よりもシート給送方向上流側で回転支点を持つようにベース部材に回転可能に支持されているので、第2シート積載台は、第1シート積載台と独立して回動動作を行うことが可能である。このため、給送ローラが小さくなっても、給送ローラに対して第1シートと第2シートを互いにできる限り近い接触角度にすることができ、安定したシート給送が可能となる。また、第1シート積載台が給送ローラに向けて押圧された状態においても、第2シート積載台の回転量は第1シート積載台の回転量に比べ大きくならないので、積載された第2シートの束の乱れが少なく、第2シートの給送動作の安定化につながる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、2つのシート積載部を有し、それら2つのシートは共通の給紙機構によって給紙される系において、給紙機構の小型化と給紙動作の安定化を両立できるシート給送装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0010】
ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態に係るシート給送装置を備えた画像読取記録装置の一例であるファクシミリ装置の構成を示す断面図である。
【0012】
同図に示されるファクシミリ装置100には、シートである記録紙2および原稿12がセットされている。ファクシミリ装置100は、シートである記録紙2に画像を記録するインクカートリッジ1を備えた画像記録装置部101と、シートである原稿12の画像を読取る画像読取部28を備えた画像読取装置部102と、セットされた複数枚の記録紙2または原稿12をそれぞれ1枚づつ分離し画像記録部1Aまたは画像読取部28に搬送する自動給紙部103から構成されている。
【0013】
(自動給紙部)
まず、自動給紙部103について説明する。
【0014】
原稿12および記録紙2をセットしない時の自動給紙部103を模式的に示す斜視図を図2に、原稿12および記録紙2をセットしない時の自動給紙部103の断面図を図3に示す。
【0015】
図1〜図3において、自動給紙部103のフレーム(枠組み)となるASFベース80は、ベース面80aと、右側板80bと、左側板80cと、セット時に原稿12および記録紙2の先端を突き当てる先端基準面80dと、通紙面80eで構成されている。第1給紙ローラ81はプリンタカバー29に軸受を介して回転可能に取り付けられている。圧板82はASFベース80の右側板80bと左側板80cに回転可能に取り付けられている。圧板82の裏面とASFベース80のベース面80aとの間に取り付けられた圧板ばね83によって、圧板82は第1給紙ローラ81側に付勢されており、給紙時は記録紙2または原稿12の束を第1給紙ローラ81に向けて押圧するための押圧部材として機能し、給紙時以外は後述するコントロールカム97a(図7,8)と圧板制御レバー(不図示)で押し下げられている。また、圧板82と第1給紙ローラ81の間には原稿12および記録紙2をセットする隙間があり、圧板82が記録紙積載台として機能する。コントロールカム97a(図7,8)の回転により第1給紙ローラ81に対して圧板82が付勢または離間するようになっている。圧板82の先端部上面には分離パット84が貼り付けてあり、給紙時の付勢状態で分離パット84と第1給紙ローラ82が対向する位置関係になっている。
【0016】
図3に示すように、ASFベース80には原稿12を支持積載するための原稿積載台85が回転可能に取り付けられている。原稿積載台85の支点位置85aは、圧板82の支点位置82aよりも給紙方向上流側で、かつASFベース80のベース面80aから所定の距離を有して回転中心を設けているので、原稿12と記録紙2がセットされている時の圧板82の上下に伴う原稿積載台85の回動角度が、圧板82の回転角度と比較して小さくなっている。そのため、圧板82の上下運動によっても原稿12の積載状態が乱れることが減少し、給紙動作の信頼性向上につながった。また、圧板82が第1給紙ローラ81に対して圧接状態にある時に、記録紙2もしくは、記録紙2の上にセットされた原稿12は、互いにできうる限り近い角度で第1給紙ローラ81に接触した方が給紙性能に差がでずに安定した給紙が可能である。本実施系においては原稿積載台85を回動方式にしたことで、自重で最下端に下がることができるので、第1給紙ローラ81に対して屈曲が生じつつ原稿12が付勢されるという状態がなくなった。すなわち、第1給紙ローラ81に対する原稿12と記録紙2の接触角度が非常に近くなり給紙の安定化につながった。また、原稿積載台85が圧板82に固定された場合に比べ、少ないスペースで済むというメリットがある。原稿積載台85は、待機状態においてベース面80aからの所定の距離を保つような当接面を有し、圧板82の一部と当接している。また、原稿積載台85の上端部は、原稿積載台85の下方に積載されている記録紙2が、カード、ハガキなどといった小サイズ紙でもユーザが出し入れしやすいよう、中央部がへこんだ形状となっている。
【0017】
原稿積載台85の下端部には、給紙方向への原稿12のガイド部材となる原稿ブリッジ86が回転可能に取り付けられており、原稿積載台85をASFベース80に取り付けた状態で原稿ブリッジ86の先端は圧板82の記録紙積載面82bと所定の隙間が空くようにASFベース80の凹部80fに規制されつつ、原稿ブリッジ86全体で原稿12の下面を保持する。原稿ブリッジ86は、第1給紙ローラ81および第2給紙ローラ75からローラ軸方向で外れた位置にあるので、記録紙2の給紙搬送時には、回転運動によって記録紙搬送経路から退避可能なように先端の長さが設定されている。
【0018】
まず、記録紙2だけをセットした場合は、図1に示される状態から原稿12を取り除いた状態となる。後述するコントロールカム97a(図7,8)により圧板82が第1給紙ローラ81に付勢される方向に回転すると記録紙2の束の最上位の紙と第1給紙ローラ81が接触する。このとき、原稿ブリッジ86は最上位の記録紙2の上面部にあるが用紙幅方向で第1給紙ローラ81、分離ローラ93を逃げた位置にあるため第1給紙ローラ81のローラ面より上方に待避し、分離の邪魔にならないようになっている。
【0019】
次に、図1に示すように原稿12と記録紙2の両方をセットした場合、後述するカムにより圧板82が第1給紙ローラ81に付勢される方向に回転すると、最上位の原稿12は記録紙2を介して第1給紙ローラ81に付勢される。このとき、原稿ブリッジ86は記録紙2と原稿12の間に挟まれた状態になるが、図3に示す通り分離パット84は記録紙積載面82bより突出しており、かつ原稿ブリッジ86は用紙幅方向で第1給紙ローラ81を逃げているため、原稿12に余計な変形を与えることなく所定の付勢力が原稿12と第1給紙ローラ81の間に作用するようになっている。
【0020】
次に、原稿12だけをセットした場合、圧板82が第1給紙ローラ81に付勢される方向に上昇すると原稿12の束の最上位の紙と第1給紙ローラ81が接触する。このとき、原稿ブリッジ86は圧板82と原稿12の間に挟まれた状態になるが、分離パット84は記録紙積載面82bより突出しているため、ちょうど分離パット84と原稿ブリッジ86が同じ高さになり、かつ原稿ブリッジ86は用紙幅方向で第1給紙ローラ81を逃げているために、原稿に余計な変形を与えることなく所定の付勢力が原稿12と第1給紙ローラ81の間に作用するようになっている。もし、分離パット84と記録紙積載面82bが同じ高さになっていると、第1給紙ローラ81に原稿12を付勢するために、原稿ブリッジ86の厚さの分だけ原稿12を幅方向で変形させる必要があり、付勢力が原稿12を変形させるために使われてしまい第1給紙ローラ81に適正な付勢力が働かなくなってしまい不送りになる。
【0021】
ASFベース80には記録紙2と原稿12を支持するためのシートトレイ8が回転可能に固定されている。シートトレイ8は、記録紙2または原稿12のシートを積載しない時にシート積載面を覆うように閉じることが可能であり、埃がシート積載面上に堆積することを防いでいる。ASFベース80には、サイドガイド90が、図2に示されるように第1給紙ローラ81による記録紙2の搬送方向と交差する矢印C方向にスライド可能に取り付けられている。また、原稿積載台85にも原稿スライダ30が矢印C方向にスライド可能に取り付けられている。記録紙2をセットする場合、ASFベース80に形成されたASFベースの右側板80bに記録紙2の右端を突き当てて、左端をサイドガイド90で規制し、先端を先端基準面80dで支持し、記録紙全体をシートトレイ8と圧板82の記録紙積載面82bとで支持している(図1,図2)。一方、原稿12をセットする場合、記録紙2と同じくASFベース80に形成されたASFベース右側板80bに原稿12の右端を突き当てて、左端を原稿スライダ30で規制し、先端を先端基準面80dで支持し、原稿全体をシートトレイ8と原稿積載台85と原稿ブリッジ86とで支持している(図1,図3)。
【0022】
図4及び図5に、原稿12が原稿積載台85にセットされているかを検知する原稿検知手段320の構成を示す。
【0023】
図4、図5に示すように、原稿積載台85の右端下方には、原稿検知手段320が、原稿積載台85に対して回転可能に支持されている。原稿検知手段320は、原稿ホルダ121と、セットされた原稿12の積載方向上方に回転中心を有する原稿検知第1部材122と、原稿検知第2部材123と、原稿検知基板124から構成されている。また、原稿ホルダ121は、原稿12の右端(基準側)と下面を支持し、そして一部上面を覆うように具備されている。更に詳細に説明すると、原稿検知第1部材122(シート当接部材)は軸形状を有し、一端はセットされた原稿12と当接可能な当接面122aを具備し、また他端は平歯車部122bを有する。原稿検知第2部材123(連動部材)は、同じく軸形状を有し、一端にシート積載面の範囲外に固定配置された原稿検知基板124上に実装されたフォトインタラプタを遮光状態または非遮光状態にさせる遮光面125を具備し、また他端に原稿検知第1部材121の平歯車部122bと噛合する平歯車部123bを有する。原稿12が挿入されると、原稿検知第1部材122が原稿12との当接によって図5(a)のA方向に示すような上方へ逃げるような回転運動を行う。本実施例では原稿検知手段320の平歯車部122bと123bは減速比1:1で噛合されているので、原稿検知第1部材122が回転した分、原稿検知第2手段123も図5(b)のB方向へ回転する。その結果、遮光面125がフォトインタラプタを遮光状態から非遮光状態へ変える仕組みになっている。本実施例においては原稿検知第1部材122と原稿検知第2部材123を係合させているので、原稿当接部材と原稿検知信号発生部の配置の自由度が増し、回転支点等に関して最適な系をとることができた。また、原稿ホルダ121が形成する原稿基準面に原稿12が突き当てられるため、原稿ホルダ12に保持された原稿検知第1部材122を確実に原稿12と当接させることができ、検知機構の信頼性が向上した。
【0024】
本実施系では、原稿検知手段320は原稿積載台85に回転可能に支持されているので、記録紙2のセット挿入もしくは圧板82の動きによって、支持母体である原稿積載台85とともに原稿検知手段320全体が揺動する場合がある。しかし、その様な揺動によって原稿検知第2部材123が、原稿検知基板124に対して図5(b)のC方向に動いても遮光状態を保ったままでいられるよう、遮光面125の長さが調節されている。つまり、原稿積載台85が揺動しても、遮光面125は原稿検知基板124のフォトインタラプタに対して非遮光状態にならず、原稿のセット時だけ正常に機能するようになっている。また、原稿ホルダ121の下面121aと当接面122aの先端部122cは記録紙2の給紙動作においても積載された記録紙2および圧板82と干渉が起きないような長さに調整されている。
【0025】
このように原稿検知第2部材123は、原稿検知第1部材122と連動しシートの積載範囲よりもシート幅方向外側でフォトインタラプタの遮光動作を行うので、自動給紙部の小型化につながった。
【0026】
次に、自動給紙部103における分離機構について説明を行う。図6は自動給紙部103の分離機構部を示す斜視図である。図3、図6からわかるように、第1給紙ローラ81と分離パット84のニップ位置よりシート搬送方向下流で第2給紙ローラ75とニップするように分離ローラ93が配置されている。分離ローラ93は分離ローラホルダ94にトルクリミッタを介して軸支されている。分離ローラホルダ94はASFベース80の通紙面80eの裏面に回転可能に軸支されており、給紙時には分離ローラホルダ94とASFベース80に引掛けられた図示しない分離ローラバネとにより分離ローラ93が第2給紙ローラ75に付勢され、給紙時以外は解除カムレバー96により分離ローラ93と第2給紙ローラ75が離反するようになっている。解除カムレバー96は軸部分96aとこの軸の両サイドに形成された駆動カム96bと従動カム96cから構成され、ASFベース80の通紙面80eの裏面と左側板80cに回転可能に軸支されている。分離ローラホルダ94には駆動カム96bに対応する従動面94aがあり、解除カムレバー96がD方向に所定の角度だけ回転すると駆動カム96bが従動面94aを押して分離ローラホルダ94がF方向に回転し、分離ローラ93と給紙ローラ81が離反する仕組みになっている(図6の(a),(b))。また、解除カムレバー96は後述するコントロールギア97(図8)の駆動カムが係合することで回転する。分離ローラ93の表面は、給紙ローラ75,81と同程度の摩擦係数を持つようにゴムや発泡ウレタンなどで構成されている。
【0027】
上記トルクリミッタのトルクと分離ローラ93の付勢力と各ローラ75,93の摩擦係数の関係は以下のように作用するように設定されている。第2給紙ローラ75と分離ローラ93の間に原稿12、記録紙2が入っていない時はローラ間の摩擦力がトルクリミッタのトルクを超えるため第2給紙ローラ75の回転が分離ローラ93に伝達され分離ローラ93が回転する。第2給紙ローラ75と分離ローラ93の間に1枚の原稿12または記録紙2が入った場合は、原稿12または記録紙2を介して伝達された摩擦力(ローラと紙の摩擦力)がトルクリミッタのトルクを超えるため分離ローラ93が回転し、用紙は第2給紙ローラ75の回転によって搬送される。また、2枚以上の原稿12または記録紙2が重なって第2給紙ローラ75と分離ローラ93の間に入った場合は、原稿12または記録紙2を介して伝達される摩擦力(紙と紙の摩擦力)がトルクリミッタのトルクより小さいため分離ローラ93は停止し、一番上の紙だけが第2給紙ローラ75によって搬送され、それ以外の紙は第2給紙ローラ75と分離ローラ93のニップ部98で停止する。
【0028】
上述したように、分離ローラ93と第2給紙ローラ75で複数枚の原稿12および記録紙2を分離搬送するとき、2枚目以降の紙は分離ローラ93と第2給紙ローラ75のニップ部98付近で停止している。この位置に紙が残っていると、次に給紙した時や付足しで紙をセットした時に正常に給紙動作ができなくなるため、ニップ部98にある紙をセット位置まで戻す必要がある。そのため紙戻し機構を設けている。図7はその紙戻し機構による紙の戻し動作を示す概略断面図である。この図に示すように、紙戻し機構はASFベース80の通紙面80eの裏側に回転可能に軸支された戻しレバー133と、戻しレバー133を動作させるコントロールカム97aで構成されている。戻しレバー133は図示しない軸部と複数の爪部で構成され、軸の一端に爪制御カム134(図8)が取付けられている。爪制御カム134は図示しないバネによりE方向に付勢されており、爪制御カム134に形成された従動部134aと後述するコントロールギア97(図8)と同位相で回転するコントロールカム97aにより戻しレバー133は以下の図7の(a),(b),(c)の3種類のポジションを取り得る。
【0029】
図7(a)は、給送動作の待機時での戻しレバー133の位置を示している。給送動作の待機時は、通紙経路内に戻しレバー133の先端部を侵入させてストッパとして作用させることにより、記録紙2および原稿12のセット時に紙の先端部が自動給紙部103の奥まで不用意に入り込んでしまうことを防止している。
【0030】
図7(b)は爪制御カム134の従動部134aがコントロールギア97のコントロールカム97aから外れた状態であり、戻しレバー133は図示しない付勢ばねの付勢力によって矢印H方向に回転し、用紙が引っ掛からないように通紙面80eより下へ完全に待避している。
【0031】
図7(c)は戻しレバー133が図7(a)の状態から矢印G方向に少し回転した位置であり、給送動作が開始した直後およびニップ部98にある紙をセット位置に戻したときの状態を示している。給送動作の開始直後では、給送待機中に新たに記録紙2または原稿12を積載されている可能性があるため、その用紙先端を所定の先端基準面80dまで戻す動作を行う。戻しレバー133がこの位置(図7(c)に示す位置)にくると、先行していた記録紙2または原稿12の先端は完全に先端基準面80dまで押し戻される。第2給紙ローラ75と分離ローラ93のニップ部98にある記録紙2は戻しレバー133の動作によって紙先端を押されてセット位置まで戻されるが、このとき記録紙2は立った状態で積載されているため自重に反して斜め上方に持ち上げられるように戻される。このとき、紙の剛性が弱いと記録紙2は上方向にずれず、先端だけが戻されて途中で折れ曲がる可能性がある。しかし、インクジェット記録装置の記録で一般的に使われる厚さ100μm程度の紙であれば途中で折れ曲がることなくセット位置まで戻される。しかしながら、原稿12に関しては伝票などの60μm程度の薄い紙を通紙する場合があり、戻しレバー133によって押し戻されるときに、下方向に空間があると折れ曲がる場合がある。そこで、本実施例では上述した原稿ブリッジ86で下方向の空間を規制する通紙面を形成し薄い紙が折れ曲がることなくセット位置まで戻せるようにしている。
【0032】
自動給紙部103のシート搬送方向下流側には、図1に示すように、原稿12を検知するためのDEセンサレバー118と、記録紙2を検知するためのPEセンサレバー21と、画像記録装置部101および画像読取装置部102で記録および読取動作を行うために所定の速度で紙を搬送するための紙搬送部と、記録および読取動作が行われた紙を装置外に排出するための排紙部が設けられている。紙搬送部は、金属軸とゴムローラからなる搬送ローラ10と、搬送ローラ10に付勢されている紙幅方向に複数配置されたピンチローラ16とで構成されている。排紙部は、プラスチックの軸にエラストマーを一体で成型した排紙ローラ17と、排紙ローラ17に付勢されている拍車A18および対向部材のない状態で保持される拍車B23で構成される。
【0033】
PEセンサレバー21の先端には、コロ711(図8)が通紙方向に回転可能に支持されており、記録紙2の裏面と擦れることで回転可能となっている。このコロ711により、記録紙2が先端頭出しのために通紙方向とは逆方向に搬送されたとしても、PEセンサレバー21と記録紙2の摩擦力によって記録紙2にPEセンサレバー21が食い込むという不具合をなくすことができた。
【0034】
図8に示すように、自動給紙部103の駆動機構部として、ASFベース80の右側板80bには、駆動基板ユニット60が配設されており、駆動モータ20、減速ギアA606、減速ギアB607、太陽ギア617、図示しないタイマギア、コントロールギア97、コントロールカム97aが配置されている。このように駆動モータ20からの駆動は、コントロールギア97まで伝達されている。
【0035】
次に、自動給紙部103の各構成部品の動作についてタイミングチャートを用いて説明する。図9は、自動給紙部103から原稿12もしくは記録紙2を給紙し、読取もしくは記録を開始するまでの動作を示すタイミングチャートである。
【0036】
圧板82の位置、戻しレバー133の位置、分離ローラ93の位置、白基準押し上げレバー710の位置、及びトルクリミッタ、PEセンサレバー21、DEセンサレバー118、ASF(自動シート給送)の初期化レバー703のON/OFFを示している。本給紙動作はコントロールギア97の1回転で原稿および記録紙を1枚給紙するようになっているため、図9において横軸は後述するコントロールギア97およびコントロールカム97aの1回転分の回転角(0°〜360°)になっている。
【0037】
図9において、一番左の状態は、図1に示した待機状態を示している。待機状態から一連の動作がスタートする。この時には、圧板82は第1給紙ローラ81から離間した位置、すなわち離間位置に保持され、戻しレバー133は図7(a)に示される位置にある。また、分離ローラ93は第2給紙ローラ75から退避した位置(図6(b))、すなわち退避位置にあり、第1給紙ローラ81の位相を検出する初期化レバー703はOFF(フォトインタラプタから外れた状態)になっている。
【0038】
コントロールギア97が角度Aまで回転すると、分離ローラ93が退避位置から圧接位置へと移動を開始し、まもなく第2給紙ローラ75と分離ローラ93が圧接される。
【0039】
コントロールギア97が角度Bまで回転すると、戻しレバー133が図7(b)のように通紙面80eから下方に退避した位置に移動する。
【0040】
コントロールギア97の回転角が角度Cで、圧板82が第1給紙ローラ81側へ移動し始める。
【0041】
コントロールギア97の回転角が角度Dで、圧板82上に積載された原稿12の束のうち最上位にある原稿12が第1給紙ローラ81に圧接される。圧接されると、最上位から数枚の原稿が第2給紙ローラ75と分離ローラ93とのニップ部98に搬送される。このニップ部98で最上位の一枚のみが分離され、シート搬送方向下流に搬送される。
【0042】
コントロールギア97の角度E付近で原稿先端がDEセンサーレバー118に到達し、センサをONにする。また、圧板82の離間動作が終了され、圧板82が第1給紙ローラ81から離れる。
【0043】
コントロールギア97の角度F付近では、待機時に不揃いになった可能性のある記録紙・原稿の先端を先端基準面80dまで戻し始める。分離ローラ93は、第2給紙ローラ75から退避を始め、戻しレバー133の戻し作業を確実にする。
【0044】
コントロールギア97の角度Gで、分離ローラ93に掛けられているトルクが解除され、この角度以降分離ローラ93はコロとして作用する。
【0045】
コントロールギア97の角度Hで、前述の戻しレバー133は待機状態に戻りつつあり、また分離ローラ93は第2給紙ローラ75に対して圧接状態に戻る。
【0046】
コントロールギア97の角度Iで原稿は画像読取部28に達する。
【0047】
コントロールギア97の角度J付近で原稿先端はPEセンサレバー21に到達し、センサをONにする。その後約30度回転した角度で搬送ローラ10とピンチローラ16とのニップに到達する。
【0048】
コントロールギア97の角度K付近で分離ローラ93は第2給紙ローラ75から再び離間を始め、また離間動作が終了した時点でトルクリミッタにトルクがかかり始める。分離ローラ93が第2給紙ローラ75から離間されると、自動給紙部103による搬送は終了するが、分離された原稿は搬送ローラ10とピンチローラ16とによってかみ込まれているため引き続き搬送が行われる。
【0049】
ここにおいて、原稿給紙の場合、コントロールギア97の角度K付近でコントロールカム97aは回転を停止し、以降は、搬送ローラ10によって原稿搬送が続けられる。
【0050】
一方、記録紙給紙の場合は、コントロールギア97の角度L付近で回転を停止し、以降は、搬送ローラ10によって記録紙搬送が続けられる。その際、後述する白基準押し上げレバー710の作用により、白基準部材25(図1)が共通搬送路から退避するように回動するようコントロールカム97aが構成されている。
【0051】
コントロールギア97の角度Mで、白基準押し上げレバー710が戻されて白基準部材25が共通搬送路に復帰し、給送されている最中の原稿を除く全ての原稿の先端が先端基準面80dまで給紙方向とは逆方向に搬送される。そして同時に初期化レバー703がOFFになる。
【0052】
コントロールカム97aの回転角が角度Nで、戻しレバー133が図7(a)に示される位置に戻り、すべての機構が待機状態と同じになり給紙動作が完了する。
【0053】
(画像読取部)
次に、図1、図3、図10を用いて画像読取装置部102の概要について説明する。図10は画像読取装置部102の白基準部材の構成を示す斜視図である。
【0054】
画像読取装置部102は、画像記録装置部101に対してシート搬送方向上流側で搬送路の下方に固定配置されている。前述の給紙動作によって給紙された原稿12は、第2給紙ローラ75と分離ローラ93に侠持搬送されながら、読取動作が開始される。その後、原稿先端は搬送ローラ10とピンチローラ16、拍車A18と排紙ローラ17によって侠持搬送され、装置外へ排出される。
【0055】
このように画像読取部28を記録搬送経路内に固定配置することにより、ファクシミリ装置全体の小型化と、コストダウンを実現することができた。
【0056】
ここで、画像読取部28について説明を行う。画像読取部28は、画像読取手段であるコンタクトイメージセンサ22(以下、CSという)と、CS22に対向した状態で保持される白基準部材25を備えている。CS22はASFベース80の凹部80f(図3)へ埋め込まれる形で固定保持されている。
【0057】
また、白基準部材25は白色のシートを金属板に取り付けて形成されたものであり、この金属板は白色シートを取り付ける平面と、長手方向両端部に形成された折曲部とを備えている。そして、この白基準部材25の両端には互いに同軸となる軸が嵌合状態で保持されており、この軸にASFベース80に形成された穴を係合することで、白基準部材25をCS22に対して回動可能に支持されている。通常状態においてはこの白基準部材25は、白基準付勢ばね27(図3)によりCS22側に付勢されている。このように白基準部材25は、白基準付勢ばね27によって付勢されて1枚の原稿が通過できる隙間を形成する読取りポジションと、白基準付勢ばね27に抗して白基準部材25をCS22から離間させる方向に回動させた記録ポジションをとることが可能となっている(図10におけるL方向)。また、CSカバー40(図1)を開けて、ユーザが白基準部材25を前記記録ポジションよりも更に大きく回動可能な清掃ポジションにすることによって、画像記録部1Aのインクミスト等によって白基準部材25の白色シートあるいはCS22の読取面が汚れた場合には、汚れた部分を簡単に清掃することができ、高いメンテナンス性を有する。また、白基準付勢ばね27によって白基準部材25はCS22に対して付勢力を有する。そのため、カールした原稿が搬送され、白基準部材25を持ち上げようとする力に抗してCS22の読取面に押し付けるため、画像読取部28のCS22から原稿が浮くこともなく、読取り画像の高画質化につながった。また、白基準付勢ばね27は、通紙される原稿12との摩擦によって生ずる静電気をバネ自体の電気導通性を使い他の板金部材に接触することでグランドへ逃がす働きも兼ねている。
【0058】
(画像記録部)
次に、図1,図11を参照し、画像記録装置部101について説明する。図11は画像記録装置部101を含む装置全体構成を示す概略斜視図である。
【0059】
図1において、画像記録手段であるインクカートリッジ1は、搬送部で搬送された記録紙2にインク像を記録する。画像記録部1Aは、このインクカートリッジ1からインク滴を吐出して記録するインクジェット記録方式のものである。
【0060】
図11に示すように、本装置は、インクカートリッジ1を搭載して記録紙2の搬送方向と直交する幅方向に走査するキャリッジ4を有する。このキャリッジ4には、図示しない駆動プーリと従動プーリ5とに掛け渡された無端ベルト状のタイミングベルト6が連結しており、前記駆動プーリをキャリッジ駆動モータ(不図示)によって回転駆動させることで、キャリッジ4をガイドシャフト45及びガイドレール7に沿って往復移動させることができるようになっている。そして、このようにキャリッジ4が往復移動する際、インクカートリッジ1から画像情報に応じてインク滴を吐出することにより記録紙2に画像が記録される。
【0061】
ところで、図11で示すように、キャリッジ4は通常、装置の一端(右端)の待機位置(キャッピングポジション)で待機している。このような待機位置にキャリッジ4があるとき、インクカートリッジ1の不図示の記録ヘッドは、乾燥しないよう図示しないゴム部材(ゴムキャップなど)で保護されている。また、後述する原稿画像読取動作時においても、キャリッジ4は待機位置で留まっている。
【0062】
なお、インクジェット記録方式においては、インクカートリッジ1が微細な吐出口内方への気泡や塵埃の混入、あるいはインク溶剤の蒸発に伴う増粘等によってインクが吐出できない状態、或いは記録に適さない状態となることがあるが、この場合には、図示しない記録ヘッド回復ユニットが、インクをリフレッシュするヘッド回復動作を行うことにより吐出不良要因を除去するようにしている。
【0063】
また、上述の実施形態は、記録ヘッドを主走査方向(記録シート搬送方向と交差する方向)に移動させるシリアルタイプの記録装置に、本発明を適用した構成となっている。しかし、本発明は、記録シートの幅方向の全域に渡って延在する記録ヘッドを用いて、記録シートを連続的に搬送しつつ、該記録ヘッドによって画像を記録するフルラインタイプの記録装置に対しても適用することができる。
【0064】
本発明は、このような記録ヘッドの記録方式によらず、種々の記録方式に適用できる。
【0065】
図11に示すように、ASFベース80の通紙面80eから排紙ローラ17までの通紙面としてプラテン3が備えられている。このプラテン3の紙支持面には、紙幅方向に複数のリブ38が形成されており、記録紙搬送の際には、これら複数のリブ38の上面を記録紙2が通過するようになっている。プラテン3の中央部には、縁無し記録用の補助吸収体39が埋設されており、縁無し記録の際はカラーノズルの一部が記録紙の端部からはみ出してもプラテン3上に記録を行うことはないように設定されている。ただし、ブラックノズルのシート搬送上流側の端部は、補助吸収体39から外れた位置にあるため、ブラックノズルで縁無し記録をするとプラテン3を汚してしまう結果になる。その様な不具合を避けるために、本実施形態においては、ユーザがセット可能な最大サイズ記録紙であるA4サイズ幅に記録紙スライダ(図2のサイドガイド90)を広げた時にメカニカルスイッチがONとなるような記録紙サイズ検知センサ(不図示)を設けた。そして、A4サイズよりも小さいサイズの記録紙がセットされた場合には、ブラックノズルを使用しない仕様とした。これによりプラテン記録およびプラテン記録に伴う原稿汚れといった不具合を減少させることができた。
【0066】
(駆動系)
ここで、図12、図13を用いてプリンタ回復ユニットのワイピング動作(記録ヘッドのインク吐出面をワイパーで拭く動作)、給紙動作、キャップの上げ下げ動作を駆動する駆動手段について詳細に述べる。
【0067】
装置が待機状態にある場合、駆動モータ20からの駆動は、減速ギアA606、減速ギアB607を介して太陽ギア617に接続されている。本実施例においては、駆動モータ20が正転(図12における時計周り方向)すると、太陽ギア617と遊星ギアA610の動きにより、遊星出力ギア612が逆転するように接続する。また、駆動モータ20が逆転すると遊星ギアB611が遊星出力ギア612と噛合し、遊星出力ギア612が正転するよう構成されている。この遊星出力ギア612は、回復ユニットに駆動が伝達されており、駆動モータ20の正転でキャップを下げる動き、およびワイパーを手前に動かす動作を実施させる。また、駆動モータ20の逆転でワイパーを後ろに戻す動きおよびキャップを上昇させる動きを行う。
【0068】
また、装置が原稿12を検知し、遊星ギアA610、遊星ギアB611の伝達を遊星出力ギア612に伝達させない中立状態をつくることで前述の回復ユニットに対して駆動を伝達させない状態を作り出し、原稿給紙搬送中には給紙動作のみを行うようにしている。その手順を詳細に説明する。前述の原稿検知手段により原稿検知基板124(図4)が信号を発生すると、制御基板500(図1)がソレノイド613を引く動作命令を下し、その結果ソレノイド613と嵌合状態にあるレバー614を引く。レバー614にはレバー軸614aが突設され(図13)、レバー614が引かれることで、レバー軸614aがロック部材615の嵌合穴を介してロック部材615を回転させる。ロック部材615もロック軸615aが突設されており、レバー614が引かれることで、振り子アーム616の凹部にロック軸615aが嵌合され、振り子アーム616は回転不可能となる。この状態では、遊星ギアA,B(610,611)のいずれも遊星出力ギア612に噛合することはない。また、この状態を機構的に保持する手段としてロック状態にあるロック部材615と係合するラッチ部材618を具備している。ラッチ部材618は、駆動系に回転可能に軸支され、バネ力によって待機状態においては図13における反時計周り方向に付勢されている。しかし、上記レバー614が引かれることでロック部材615は、前記付勢力に打ち勝ち、ラッチ部材618との嵌合状態に入る。また、ラッチ部材618は、コントロールカム97aの突起との接触によって前記付勢力と逆方向の回転動作を行う。この動作によってラッチ部材618のロック状態は外れる。レバー614には図示しないバネによって常時、レバー614を延ばす付勢力が働いているため、ロック状態が外れた瞬間にレバー614は待機状態に戻る。
【0069】
(駆動系カム)
太陽ギア617は、図示しないタイマギアを介してコントロールギア97に噛合しており、またコントロールギア97には、コントロールギア97と同位相で回転するようにコントロールカム97aが配設されている(図8)。駆動モータ20が正転方向に駆動する限りにおいては、駆動モータ20からの駆動はコントロールギア97およびコントロールカム97aに伝達されつづける。ただし、駆動モータ20が逆転する場合は、コントロールギア97に対して駆動が切れるよう前述のタイマ機構が作用する。よって、キャップクローズなどの駆動モータ逆転時にコントロールギア97が逆方向へ回転することはない。
【0070】
コントロールギア97には、コントロールカム97aの初期化を検出するための突起702(図10)が設けられている。また、コントロールカム97aには、圧板82の上下の動きを決めるための圧板制御カム部(不図示)、分離ローラ93の上下の動きを決めるための分離ローラカム溝部(不図示)が設けられている。
【0071】
まず、コントロールカム97aの初期化を検出するための突起702について説明を行う。装置が待機状態において、記録紙もしくは原稿のセットが可能となるようにコントロールギア97によって初期化を行っている。コントロールギア97の円周の一部には突起702が設けられており、その突起702が初期化レバー703(図8)を押圧する位相を設けている。その位相においてのみ初期化レバー703は図示しないフォトインタラプタから退避するように設計されており、制御基板500はその信号によってカム部の位相を初期化している。
【0072】
次に、圧板82の動きを決めるための圧板制御カム部について説明を行う。コントロールカム97aには、圧板制御カム部(不図示)が設けられており、前記圧板制御カム部と圧板制御用レバー(不図示)によって圧板バネ83の付勢力に抗して圧板82を下げたり、付勢力を開放し第1給紙ローラ81に接触するまで記録紙を押し上げる動作を行ったりしている。
【0073】
次に、分離ローラ93の動きを決めるための分離ローラカム溝部について説明を行う。コントロールカム97aには、分離ローラカム溝部(不図示)が設けられており、分離ローラ制御レバー(不図示)の端部に突設された軸部が前記分離ローラカム溝部に嵌合された状態でコントロールカム97aが回転することで、分離ローラホルダ94を第2給紙ローラ75に対して付勢または離間する状態を作る。
【0074】
次に、図14を用いて白基準部材制御カム部の動きについて説明を行う。前述の突起702と同様、コントロールギア97の円周面には白基準部材制御用突起709が突設されている。白基準部材制御用突起709が白基準押し上げレバー710を押圧する位相を設けており、記録紙給紙時はコントロールギア97が白基準押し上げレバー710を押し上げた位相で停止するように駆動モータ20の回転量が設定されている。この位相においては、図14(b)に示すように白基準押し上げレバー710は白基準部材25に設けられた接触面25aを押し上げ、白基準部材25を共通搬送路から退避させており、さらに白基準部材25の回動角度は、白基準部材25の端部が共通搬送路から十分に退避可能に構成しているので、記録時において搬送ローラ10によって搬送される記録紙2が白基準部材25から受ける抵抗(バックテンション)は無い。そのため、共通搬送路内に画像読取部28を配置した系においても、画像読取部28は影響を受けずに高画質な記録が実現できた。記録動作が終了した際には、コントロールギア97は駆動モータ20によって更に回転動作を行い、前述の突起702によって初期化動作を行う。
【0075】
(原稿読取動作)
上記構成において、原稿が給紙搬送される流れに沿ってこれらの動作を説明する。原稿積載台85に原稿12が積載されると原稿12は前述の原稿検知手段320によって検知され、装置は原稿12がセットされたことを認識する。ここで、コピーあるいは送信などの原稿読取動作が始まると、まず原稿12の給紙を行い自動給紙部103上にセットされる原稿12はセットされた最上位置の原稿だけが分離、給送され画像読取部28側に搬送される。第2給紙ローラ75と分離ローラ93によって分離された原稿12は、白基準部材25とCS(コンタクトイメージセンサ)22が取り付けられている画像読取部28を通過する。その後、原稿12の先端は搬送ローラ10とピンチローラ16とで挟持されるニップ位置へ搬送され、搬送動作が続けられる。
【0076】
(記録動作)
一方、上記構成において、記録紙が給紙搬送される流れに沿ってこれらの動作を説明する。
【0077】
自動給紙部103に記録紙2が積載されている状態で装置がコピーあるいは受信による記録動作を始めると、上述したように、まず初めに駆動モータ20が回転し、自動給紙部103上にセットされる記録紙2はセットされた最上位置の記録紙2だけが分離、給送される。記録紙2は所定量搬送され、記録紙2の先端は搬送ローラ10とピンチローラ16とで挟持されるニップ位置さらには記録位置へ搬送されるが、その途中では画像読取部28を通過する。画像読取部28は、待機状態において白基準部材25が読取面に対しある一定の隙間を持って覆われた状態となっているが、前述の通りコントロールギア97と白基準押し上げレバー710との作用によって白基準部材25は、回動によって共通搬送路から退避する。画像読取部28を通過した記録紙2は、画像読取り部28のシート搬送方向下流に記録紙2の先端を検知するPEセンサレバー21が配置されているため、検知してからの搬送ローラ10の正回転パルス数、逆回転パルス数をカウントしておくことで、後述する搬送ローラ10の動作によっても、記録紙の記録開始位置を的確に捉えることができる。
【0078】
記録紙2が搬送ローラ10に達すると、搬送ローラ10を正回転させ、記録紙2の搬送を再開すると同時に、キャリッジ駆動モータ(不図示)が回転しキャリッジ4が左右に移動しながらインクカートリッジ1の記録ヘッドが記録指令に基づいてインクを吐出し記録を行う。画像記録部1Aによって画像が形成された記録紙は拍車A18および拍車B23および排紙ローラ17によって、装置前方に排出される。2枚目以降の記録動作が続く場合には、同様の動作を繰り返して記録紙2が分離、搬送され記録動作が行われる。
【0079】
最後の記録紙が排出されると、キャリッジ4はキャッピングポジションに戻り装置はスタンバイ状態となる。
【0080】
(変形例)
上述のファクシミリ装置100の変形例として、図15に二つの給紙口を有する記録装置の断面図を示す。同図に示される記録装置150は、上述したファクシミリ装置100の画像読取装置部102を備えず、かつ、ファクシミリ装置100の自動給紙部103における原稿積載台を原稿ではなく記録紙の束をセットするものとした装置である。すなわち、図15に示すように、記録装置150は、記録媒体である第1記録紙束153又は第2記録紙束154に画像を記録するインクカートリッジ1を備えた画像記録装置部101と、第1記録紙セット部151および第2記録紙セット部152にそれぞれセットされた第1記録紙束153と第2記録紙束154をそれぞれ1枚づつ分離し画像記録部1Aに搬送する自動給紙部103および記録媒体排出機構である排紙ローラおよび拍車から構成されている。自動給紙部103、画像記録装置部101などの具体的な構成は前述したものと同じである。
【0081】
第1記録紙束153と第2記録紙束154は、同時にセット可能であるが、本例においては、共通の分離機構を用いるため、第1記録紙セット部151にセットされた第1記録紙束153がなくならない限り第2記録紙束154を給紙することはない。第1記録紙セット部151の記録紙の有無を検知する手段は、上述したファクシミリ装置100で用いた原稿検知手段320と同様の構成を用いて検知可能である。第1記録紙もしくは、第2記録紙の先端検知は、共通のPEセンサレバー21を用い、搬送は共通の搬送ローラ10を用いている。第1記録紙セット部151と第2記録紙セット部152にそれぞれセットされる記録紙は、異種媒体同士でもよく、フォト紙と普通紙などの組み合わせで用いれば、ユーザは記録紙を入替える手間がなくなる。また、記録給紙口を2つ有しながらも共通の自動給紙部、共通の搬送機構を用いたため小型化とコストダウンが実現できた。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施の形態に係るシート給送装置を備えた画像読取記録装置の一例であるファクシミリ装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】自動給紙部の構成を示す斜視図である。
【図3】自動給紙部の構成を示す断面図である。
【図4】原稿検知手段の構成を示す斜視図である。
【図5】原稿検知手段の構成を示す断面図である。
【図6】自動給紙部の分離部構成を示す斜視図である。
【図7】自動給紙部の戻しレバーの状態を示す断面図である。
【図8】自動給紙部の駆動部を示す斜視図である。
【図9】自動給紙部の動作を示すタイミングチャートである。
【図10】画像読取部の白基準部材の構成を示す斜視図である。
【図11】画像記録部を含む装置全体構成を示す概略斜視図である。
【図12】駆動モータからの伝達機構を示す概略斜視図である。
【図13】駆動切替部の構成を示す側面図である。
【図14】画像読取部の白基準部材の駆動機構を示す概略側面図である。
【図15】本発明のシート給送装置を備えた別の例である、記録装置の概略構成を示す装置断面図である。
【図16】従来の画像読取記録装置の自動給紙部を示す装置断面図である。
【符号の説明】
【0083】
2 記録紙(第1シート)
12 原稿(第2シート)
80 ASFベース(ベース部材)
81 第1給紙ローラ(給送ローラ)
82 圧板(第1シート積載台)
82 圧板の回転支点位置
85 原稿積載台(第2シート積載台)
85a 原稿積載台の回転支点位置
86 原稿ブリッジ(ガイド部材)
103 自動給紙部




 

 


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