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発明の名称 トーションビーム式サスペンション及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−69674(P2007−69674A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−256811(P2005−256811)
出願日 平成17年9月5日(2005.9.5)
代理人 【識別番号】100082500
【弁理士】
【氏名又は名称】足立 勉
発明者 安藤 将司 / 藤田 千城 / 十代田 哲夫
要約 課題
製造が容易なトーションビームを得る。

解決手段
トーションビーム4は、加熱硬化用熱延鋼板からトーションビーム4に応じたブランク21を形成し、ブランク21の両端を端末成形した後、ブランク21をプレス成形によりパイプ状に成形すると共に、ブランク21の突き合わせ箇所を溶接してパイプ23に形成する。その後、プレス成形によりパイプ32の軸方向の中間をパイプ23の径方向内側に潰して凹部12を形成すると共に、溶接によるビード22は凹部12の外側に配置し、プレス成形後に焼鈍した。
特許請求の範囲
【請求項1】
一端が車体に揺動可能に支持され他端に車輪を回転可能に支持する左右のトレーリングアームと、該左右のトレーリングアームを連結するトーションビームとを備えたトーションビーム式サスペンションにおいて、
前記トーションビームは、両端を端末成形した鋼板ブランクから突き合わせ箇所を溶接してパイプに形成し、前記パイプの軸方向の中間を前記パイプの径方向内側に潰して凹部を形成すると共に、前記溶接によるビードは前記凹部の外側に配置し、残留応力除去の熱処理を施したことを特徴とするトーションビーム式サスペンション。
【請求項2】
一端が車体に揺動可能に支持され他端に車輪を回転可能に支持する左右のトレーリングアームと、該左右のトレーリングアームを連結するトーションビームとを備えたトーションビーム式サスペンションにおいて、
前記トーションビームは、鋼板から前記トーションビームに応じたブランクを形成し、該ブランクの両端を端末成形した後、前記ブランクをプレス成形によりパイプ状に成形すると共に、前記鋼板の突き合わせ箇所を溶接して前記パイプに形成し、その後、プレス成形により前記パイプの軸方向の中間を前記パイプの径方向内側に潰して凹部を形成すると共に、前記溶接によるビードは前記凹部の外側に配置し、前記プレス成形後に焼鈍したことを特徴とするトーションビーム式サスペンションの製造方法。
【請求項3】
前記鋼板は、加熱硬化用熱延鋼板で、該加熱硬化用熱延鋼板は、重量%で、C:0.05〜0.20%、Si:0.01〜0.8 %、Mn:0.5〜2.5%、P:0.005〜0.1%、S:0.01%以下、Al:0.01〜0.08%、Ti:0.08〜0.20%を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなり、フェライト及び体積率で30〜90%のベイナイトからなる組織を有することを特徴とする請求項2に記載のトーションビーム式サスペンションの製造方法。
【請求項4】
前記焼鈍は550℃から700℃の温度範囲であることを特徴とする請求項3に記載のトーションビーム式サスペンションの製造方法。
【請求項5】
前記焼鈍は600℃から650℃の温度範囲であることを特徴とする請求項3に記載のトーションビーム式サスペンションの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、一端が車体に揺動可能に支持され他端に車輪を回転可能に支持する左右のトレーリングアームを連結するトーションビームを備えたトーションビーム式サスペンション及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、トーションビーム式サスペンションに用いられるトーションビームには、車両重量の増加や運動性能の向上にともなって、より一層の耐久性の向上が求められている。このようなものとして、特許文献1にあるように、高い強度の微量合金鋼や多相鋼からなるパイプから成形され、パイプを冷間成形加工によって、パイプの中央を二重壁のU字状断面に形成する。その後、パイプを850℃〜960℃の間の温度で焼きなまし処理を行い、次に、Ac3点を上回る温度により水中で焼き入れしてから、約280℃の温度で20分の時間にわたって焼戻しする。更に、このパイプの表面をショットピーニングしてから、両端等を必要な形状に形成したものが提案されている。
【特許文献1】特開2001−123227号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
こうした従来のものでは、左右のトレーリングアームとトーションビームとを連結する際、トーションビームの両端を左右のトレーリングアームの外形形状に応じて成形加工しなければならない場合がある。例えば、左右のトレーリングアームをパイプから成形加工している場合、左右のトレーリングアームの外形形状は曲面であり、この曲面形状に応じてトーションビームの両端を円弧状に加工しなければならない。
【0004】
しかしながら、断面円形のパイプからトーションビームを成形すると、トーションビームの両端を、左右のトレーリングアームの外形形状に応じて成形する際、トーションビームの両端の成形が煩雑であるという問題があった。
【0005】
また、焼きなまし、焼き入れ、焼戻しの複数回の熱処理工程を実施しなければならない。しかも、焼入れ処理を施すために表面に酸化スケールが付着してしまい、ショットピーニング処理によってスケールを除去する工程を必要とするなど多くの工程を必要とし、高コスト、低生産性となる。また、焼入れ工程とショットピーニング工程では歪の発生が避けられず、寸法精度に優れた製品を作製することが困難であった。
【0006】
本発明の課題は、十分な耐久性を有すると共に、製造が容易で高生産性を確保でき、寸法精度にも優れたトーションビーム式サスペンション及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を達成すべく、本発明は課題を解決するため次の手段を取った。即ち、
一端が車体に揺動可能に支持され他端に車輪を回転可能に支持する左右のトレーリングアームと、該左右のトレーリングアームを連結するトーションビームとを備えたトーションビーム式サスペンションにおいて、
前記トーションビームは、両端を端末成形した鋼板ブランクから突き合わせ箇所を溶接してパイプに形成し、前記パイプの軸方向の中間を前記パイプの径方向内側に潰して凹部を形成すると共に、前記溶接によるビードは前記凹部の外側に配置し、残留応力除去の熱処理を施したことを特徴とするトーションビーム式サスペンションがそれである。
【0008】
また、一端が車体に揺動可能に支持され他端に車輪を回転可能に支持する左右のトレーリングアームと、該左右のトレーリングアームを連結するトーションビームとを備えたトーションビーム式サスペンションにおいて、
前記トーションビームは、鋼板から前記トーションビームに応じたブランクを形成し、該ブランクの両端を端末成形した後、前記ブランクをプレス成形によりパイプ状に成形すると共に、前記鋼板の突き合わせ箇所を溶接して前記パイプに形成し、その後、プレス成形により前記パイプの軸方向の中間を前記パイプの径方向内側に潰して凹部を形成すると共に、前記溶接によるビードは前記凹部の外側に配置し、前記プレス成形後に焼鈍したことを特徴とするトーションビーム式サスペンションの製造方法がそれである。
【0009】
更に、前記鋼板は、加熱硬化用熱延鋼板で、該加熱硬化用熱延鋼板は、重量%で、C:0.05〜0.20%、Si:0.01〜0.8 %、Mn:0.5〜2.5%、P:0.005〜0.1%、S:0.01%以下、Al:0.01〜0.08%、Ti:0.08〜0.20%を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなり、フェライト及び体積率で30〜90%のベイナイトからなる組織を有してもよい。前記焼鈍は550℃から700℃の温度範囲が好ましく、特に、前記焼鈍は600℃から650℃の温度範囲であることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明のトーションビーム式サスペンションは、トーションビームが、両端を端末成形した鋼板ブランクから突き合わせ箇所を溶接してパイプに形成し、パイプを径方向内側に潰して凹部を形成すると共に、ビードを凹部の外側に配置し、残留応力除去の熱処理を施して形成したので、トレーリングアームとトーションビームとの連結が簡単になり、製造が容易であると共に、耐久性も向上するという効果を奏する。しかも、成形後に焼入れややショットピーニングを施す必要がなく、寸法精度を改善できる。
【0011】
また、トーションビーム式サスペンションの製造方法によると、トーションビームは、鋼板からトーションビームに応じたブランクを形成し、ブランクの両端を端末成形した後、ブランクをプレス成形によりパイプ状に成形すると共に、鋼板の突き合わせ箇所を溶接してパイプに形成し、その後、プレス成形によりパイプを径方向内側に潰して凹部を形成すると共に、ビードは凹部の外側に配置し、プレス成形後に焼鈍するので、一般的なプレス成形等により容易に形成でき、製造が容易であると共に、焼鈍処理により残留応力も除去でき、耐久性も向上するという効果を奏する。更に、鋼板に加熱硬化用熱延鋼板を用いると、加工性に優れ、焼鈍処理により、強度が向上するので、成形が容易で、耐久性が向上するという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図2に示すように、1は左のトレーリングアームで、トレーリングアーム1は、本実施形態では、断面円形の中空状のパイプを曲げ加工して形成されている。左のトレーリングアーム1と、これと左右対称の右のトレーリングアーム2とがトーションビーム4により連結されている。両トレーリングアーム1,2は、左右対称であるので、本実施形態では、以下、左のトレーリングアーム1を中心に説明する。
【0013】
左のトレーリングアーム1の一端には、カラー6が溶接により固定されている。カラー6を介して、図示しない車体に左のトレーリングアーム1が揺動可能に支持される。また、トレーリングアーム1の他端側外周には、キャリア8が溶接により固着されている。キャリア8は、断面コ字状に折り曲げ形成されて、車輪を回転可能に支持する図示しないスピンドルを取り付けるための嵌合孔10がキャリア8に形成されている。
【0014】
トーションビーム4は、図3に示すように、パイプ状の材料から形成されており、トーションビーム4の両端は、左右トレーリングアーム1,2の外周形状に応じた切欠4a,4bが形成されている。この切欠4a,4bが左右トレーリングアーム1,2の中間の外周に接触されて、その周囲が溶接されている。
【0015】
トーションビーム4の軸方向の中間は、その外周が内側に窪まされて、凹部12が形成されている。凹部12は内壁面が互いに接触するように窪まされて、二重壁が断面略U字状に形成されている。尚、本実施形態では、車体の上方に向かって凹部12が窪まされ、下方に凹部12が開口しているが、これに限らず、車体の後方に向かって凹部12が窪まされ、前方に凹部12が開口するように形成してもよい。
【0016】
トーションビーム4は、鋼板として加熱硬化用熱延鋼板が用いられており、加熱硬化用熱延鋼板は、本実施形態では、重量%で、C:0.05〜0.20%、Si:0.01〜0.8 %、Mn:0.5〜2.5%、P:0.005〜0.1%、S:0.01%以下、Al:0.01〜0.08%、Ti:0.08〜0.20%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなり、フェライトおよび体積率で30〜90%のベイナイトからなる組織を有する。
【0017】
前記鋼成分として、さらにNb:0.01〜0.1%、及び/又は下記の第1群〜第3群中の少なくとも1群から選んだ1種以上の成分を含有することができる。
第1群;V:0.01〜0.5%
第2群;Cr:0.05〜0.8%、Mo:0.05〜1.0%、B:0.0005〜0.01%
第3群;Ca:0.005%以下、希土類元素:0.05%以下
まず、成分限定理由について説明する。単位は全て重量%である。
C:0.05〜0.20%
Cは鋼の強化に効果を有する。冷間加工後の熱処理時にTi等と結合して強度を高めるのに必要であり、また伸びフランジ性にとって好ましいベイナイトを形成するためにも必要な元素であり、このためには0.05%以上添加する必要がある。しかし、過多に添加すると延性の劣化が著しく、溶接性も低下するので、その上限を0.20%とする。望ましい範囲は0.07〜0.15%である。
Si:0.01〜0.8 %
Siは固溶強化元素として引張強さの向上に非常に有効であるが、過度の添加は表面性状や化成処理性を悪化させるため、0.8%を上限とする。
Mn:0.5〜2.5%
Mnも固溶強化元素であり引張強さの向上に有効であるほか、粗大なパーライトの生成を抑制し、ベイナイトを生成させるために必要な元素である。この効果を有効に発揮させるには0.5%以上添加する必要があるが、過多に添加すると、延性を低下させるだけでなく溶接性を害するので、その上限を2.5%とする。
P:0.005〜0.1%
Pは鋼の強度を向上させる働きがあるが、過度の添加は加工性、靱性を劣化させるため、下限を0.005%、上限を0.1%とする。
S :0.01%以下
Sは延性を劣化させるため少ないほどよく、本発明では伸びフランジ性の改善のため0.01%以下とする。
Al:0.01〜0.08%
Alは脱酸のために添加する。0.01%未満では過少であり、一方0.08%を越えて加えるとアルミナ系の介在物が増加し、加工性が劣化するので、上限を0.08%とする。
Ti:0.08〜0.20%
Tiは本加熱硬化用熱延鋼板において重要な元素である。すなわち、Mn、必要に応じて添加されるCrとともに目的とするフェライト+ベイナイト組織を得るために有効であるばかりでなく、熱延段階で固溶させたTiは、熱処理することにより微細なTiCとなって析出し、著しく強度を上昇させる効果がある。熱処理後に890N/mm2 以上の引張強度を確保するためには、0.08%以上の添加が必要であるが、過度に添加すると加工性が劣化するため、上限を0.20%とする。
【0018】
この加熱硬化用熱延鋼板は、以上の成分を必須成分とし、残部実質的にFeからなるが、さらにNb:0.01〜0.1%、及び/又は下記の第1群〜第3群中の少なくとも1群から選んだ1種以上の成分を含有することができる。
Nb:0.01〜0.1%
NbはMnと共存して熱延後の変態組織に影響を与え、Tiと同様、ベイナイト組織を得やすくする働きがある。また析出強化元素でもあるため、Tiと同様に熱延巻取時に析出を抑制することで、熱処理硬化性を発揮する。これらの効果を発揮させるためには、0.01%以上の添加が必要である。しかし、過度に添加すると、降伏比の上昇、および延性の低下を招くので、0.1%を上限とした。
第1群;V:0.01〜0.5%
Vは析出強化元素であり、Tiと同様に熱延巻取時に析出を抑制することで、熱処理硬化性を発揮する。
第2群;Cr:0.05〜0.8 %、Mo:0.05〜1.0%、B:0.0005〜0.01%
Cr、Mo、Bは焼き入れ性を向上させて、所望の組織を有利に与える元素である。この効果を有効に発揮するために各元素の下限を設定し、効果が飽和する量を経済的見地より上限とした。
第3群;Ca:0.005%以下、希土類元素:0.05%以下
Ca、希土類元素は硫化物の形態制御を通じて、延性、特に伸びフランジ性を改善する効果を有する。この効果を有効に発揮するために各元素の下限を設定し、効果が飽和する量を経済的見地より上限とした。
【0019】
次に、加熱硬化用熱延鋼板のミクロ組織について説明する。ミクロ組織はフェライトと体積率で30〜90%のベイナイトからなる。フェライトは伸びを確保するために必要であり、一方、硬質相をベイナイトで構成するのは、パーライトはベイナイトに比して伸びフランジ性に劣るうえ、その後の硬化熱処理による強度上昇が少ない。またマルテンサイトは加熱硬化用熱延鋼板の伸びフランジ性が大きく劣化するうえ、硬化熱処理時にマルテンサイトが軟質化するために加熱硬化性も低くなるからである。また、ベイナイトの体積率を30〜90%とするのは、30%未満では強度が低下するうえ、伸びフランジ性も十分ではなくなり、一方90%を越えると伸びの低下が大きくなるからである。
【0020】
次に、前述した加熱硬化用熱延鋼板から前述したトーションビーム4を製造する方法について工程順に説明する。
まず、ロール状に巻かれた加熱硬化用熱延鋼板から、図1(1)に示すように、板材準備工程により、長方形状の鋼板ブランク21を切り取る。この鋼板ブランク21の形状は、トーションビーム4を平板状に展開した形状に応じている。
【0021】
次に、図1(2)に示すように、端末成形工程により、鋼板ブランク21の長手方向両端を切り欠いて、切欠21a,21bを形成する。この切欠21a,21bの形状は、トーションビーム4の両端の切欠4a,4bに応じており、トーションビーム4を平板状に展開した形状と同じ形状に形成され、次のパイプ成形工程によりパイプ状に成形された際に、切欠21a,21bがトーションビーム4の切欠4a,4bとなる。
【0022】
続いて、図1(3)に示すように、パイプ成形工程により、鋼板ブランク21をプレス成形によりパイプ状に形成する。プレス成形では、まず、鋼板ブランク21をプレス成形によりU字状に成形し、その後、O字状に鋼板ブランク21の軸方向に沿った両端を突き合わせる。そして、図1(4)に示すように、溶接工程により、この突き合わせ箇所をレーザ溶接又はプラズマ溶接等の溶接で、軸方向に沿った直線状のビード22を有するパイプ23を形成する。
【0023】
そして、図1(5)に示すように、潰し成形工程により、プレス加工によってパイプ23の軸方向の中間をパイプ23の径方向内側に潰して、凹部12を形成する。パイプ23の両端は潰すことなく断面円形のままの形状を維持する。凹部12は、前述したように、内壁面が反対側の内壁面に接触するように窪まされて、二重壁が断面略U字状に形成される。
【0024】
その際、溶接によるビード22は、凹部12の外側となるように配置されて、プレス加工される。凹部12がプレス加工される際に、鋼板ブランク21が伸縮する箇所が存在するが、ビード22はプレス加工による伸縮の影響の小さい箇所に配置するのが好ましい。凹部12が断面略U字状であるので、ビード22は凹部12の外側で、かつ、プレス加工による伸縮の影響の小さい略直線箇所に配置するとよい。
【0025】
また、鋼板ブランク21は、冷間加工の際に優れた加工性を示し、パイプ成形工程でのプレス成形や潰し成形工程での凹部12を形成するプレス成形の加工性がよく、容易に形成できる。即ち、鋼板ブランク21は、フェライト及び体積率で30〜90%のベイナイトからなる組織としたので、加工性に優れ、プレス成形が容易にできる。
【0026】
次に、図1(6)に示すように、トーションビーム4を熱処理する。熱処理はトーションビーム4を600℃〜650℃に15分間加熱して徐冷する焼鈍処理である。焼鈍処理は無酸化連続炉において行われる。図4に示すように、前述した鋼板ブランク21から形成したトーションビーム4は550℃以上に加熱することにより、プレス成形時に生じた残留応力がほぼ0になり、700℃以上に加熱すると引張強度が低下してしまう。600℃〜650℃に15分間加熱して、徐冷することにより、鋼板ブランク21の加熱硬化性により引張強度が最も大きくなる。よって、焼鈍処理は550℃から700℃の温度範囲で、より好ましくは、600℃から650℃の温度範囲である。
【0027】
この焼鈍処理により、固溶Tiを析出させてTiCを形成し、残留応力をほぼ0とすると共に、引張強度を向上させることができるので、トーションビーム4の耐久性を向上させることができる。プレス成形を受けた部分の残留応力を100MPa以下にすると疲労強度改善効果が顕著である。即ち、残留応力を100MPa以下にする残留応力除去の熱処理を施して、トーションビーム4の耐久性を向上させる。しかも、成形後に焼入れややショットピーニングを施す必要がなく、寸法精度を改善できる。
【0028】
また、この焼鈍処理により、固溶TiをTiCとして微細均一に析出させることができる。このように加工を加えた状態で、なおかつ室温から昇温しながら析出させると非常に微細に析出するため、強度を上昇させる効果が非常に大きい。また、このように微細に多量析出させることによって転位の減少を防止し、転位密度減少による強度低下も防ぐことができ、結果として大幅な強度向上をひきおこし、トーションビーム4の耐久強度の大幅アップをもたらす。これによってトーションビーム4の耐久性が大幅に向上する。
【0029】
熱処理後、トーションビーム4を左右トレーリングアーム1,2に溶接する。その際、トーションビーム4の両端には、切欠4a,4bが形成されており、この切欠4a,4bを左右トレーリングアーム1,2の外周に合わせて接触させることにより、その接触長が長くなり、左右トレーリングアーム1,2との結合強度が向上し、横剛性を向上させることができる。
【0030】
また、ビード22は凹部12の外側で、かつ、断面略U字状の略直線箇所に配置され、サスペンションとしての使用時に、トーションビーム4に外力が加わった場合、応力が低い位置であるので、トーションビーム4の耐久性が安定する。
【0031】
更に、鋼板ブランク21の長手方向両端を切り欠いて、切欠21a,21bを形成するので、パイプ23に形成した後に、その両端の再加工が不要であり、左右トレーリングアーム1,2の外形形状に応じたトーションビーム4の切欠4a,4bを容易に形成できる。しかも、左右トレーリングアーム1,2の外形形状に応じて、鋼板ブランク21への切欠21a,21bの形状を自由に設定でき、設計の自由度が増す。
【0032】
以上本発明はこの様な実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態としてのトーションビームの製造工程を示す説明図である。
【図2】本実施形態のトーションビーム式サスペンションの斜視図である。
【図3】本実施形態のトーションビームの軸方向拡大断面図である。
【図4】本実施形態の焼鈍処理の温度と引張強度及び残留応力の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0034】
1…左トレーリングアーム 2…右トレーリングアーム
4…トーションビーム 4a,4b…切欠
6…カラー 8…キャリア
10…嵌合孔 12…凹部
21…鋼板ブランク 21a,21b…切欠
22…ビード 23…パイプ




 

 


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