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発明の名称 シートベルト用リトラクター
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−161001(P2007−161001A)
公開日 平成19年6月28日(2007.6.28)
出願番号 特願2005−357290(P2005−357290)
出願日 平成17年12月12日(2005.12.12)
代理人 【識別番号】100089233
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 茂明
発明者 中岡 孝寿 / 桜井 章生
要約 課題
部品点数の削減を図ると共に、ワイヤーによるエネルギー吸収荷重のバリエーションにも容易に対応できる構造のシートベルト用リトラクターを提供することにある。

解決手段
巻取ドラム2の一端部に相対回転不能に結合されトーションバー4と、巻取ドラム2のフランジ部2b側面に対向して配置されると共にトーションバー4の他端部に相対回転不能に結合されたプレート体21と、巻取ドラム2のフランジ部2bとプレート体21との相互間に介在され、屈曲路に沿って引出操作されるワイヤー22とを備える。前記フランジ部2bに、ワイヤー22の一端部が取り付けられるワイヤー固定部24が備えられると共にワイヤー22が巻き取られる巻取部25が備えられ、プレート体21に、フランジ部2bにおける径方向外方を囲繞する周壁部21bが備えられ、該周壁部21bに屈曲路が備えられている。
特許請求の範囲
【請求項1】
ウエビングが巻装された巻取ドラムと、
巻取ドラムに嵌挿されてその一端部が巻取ドラムの一端部に相対回転不能に結合されると共にウエビング巻取方向に回動付勢されたトーションバーと、
車両緊急時に作動してトーションバーの他端部のウエビング引出方向の回転を阻止する緊急ロック機構と、
巻取ドラムの他端部側面に対向して配置されると共にトーションバーの他端部に相対回転不能に結合されたプレート体と、
巻取ドラムの他端部側面とプレート体との相互間に介在されその一端が前記巻取ドラムの他端部側面に設けられたワイヤー固定部に取り付けられると共に、巻取ドラムとプレート体の相対回転によりプレート体に一体形成された屈曲路に沿って摺動され前記巻取ドラムの他端部側面の巻取部に巻き取られるワイヤーとを備え、
車両緊急時の緊急ロック機構作動後、所定値以上の引出力が前記ウエビングに作用した際、前記トーションバーのねじれ変形と、前記プレート体と前記巻取ドラムとの相対回転により前記屈曲路から摺動される前記ワイヤーの摺動抵抗とによる衝撃エネルギー吸収下、ウエビングの引き出しが許容されるシートベルト用リトラクターにおいて、
前記プレート体に、前記巻取ドラムの他端部における径方向外方を囲繞する周壁部が備えられ、該周壁部に前記屈曲路が備えられていることを特徴とするシートベルト用リトラクター。
【請求項2】
請求項1に記載のシートベルト用リトラクターにおいて、
前記ワイヤー固定部が、前記屈曲路のワイヤー引出口に近接配置されていることを特徴とするシートベルト用リトラクター。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のシートベルト用リトラクターにおいて、
前記ワイヤーの終端に面取りが施されていることを特徴とするシートベルト用リトラクター。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のシートベルト用リトラクターにおいて、
前記屈曲路が、ワイヤー引込口から単一の屈曲部を介して前記ワイヤー引出口に至る屈曲経路とされていることを特徴とするシートベルト用リトラクター。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のシートベルト用リトラクターにおいて、
前記ワイヤーの配置位置に対応する前記プレート体に、少なくとも1つの内部視認用開口部が形成されていることを特徴とするシートベルト用リトラクター。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両緊急時における初期段階のウエビングの引き出しを抑えて乗員の移動を抑制し、乗員に作用するエネルギーを吸収するエネルギー吸収機構を備えたシートベルト用リトラクターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両等の座席に備えられるシートベルト装置は、ウエビングが緊急ロック機構を備えたリトラクターに巻き取られるように構成されている。そして、衝突時等においては、その衝撃力による加速度変化を感知して緊急ロック機構が作動し、ウエビングが巻装された巻取ドラムの回転を阻止することによりウエビングの引き出しを阻止し、乗員を拘束して保護するように構成されている。
【0003】
また、ウエビングに作用する引出力が予め設定された所定値を越えた場合には、トーションバーのねじれ変形等を利用して、ウエビングを所定荷重下で引き出させることにより乗員に生じる衝撃エネルギーを吸収するエネルギー吸収機構を備えたシートベルト用リトラクターも提案されている。
【0004】
この種のシートベルト用リトラクターとして、例えば、ウエビングが巻装される巻取ドラムと、巻取ドラムに挿通されその一端側が巻取ドラムに一体的に結合されたトーションバーと、トーションバーの他端側に一体的に結合されたロッキングベースと、車両緊急時にロッキングベースと係合してウエビング引出方向への回転を阻止する緊急ロック機構と、緊急ロック機構作動後のウエビングに所定の荷重を付加しながらウエビングの引き出しを許容するエネルギー吸収機構とを備えた構造のものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
そして、車両緊急時の緊急ロック機構作動後、所定値以上の引出力がウエビングに作用した場合には、エネルギー吸収機構におけるトーションバーのねじれ変形と、巻取ドラムとロッキングベース側との相対回転の際、トーションバーのロッキングベース側で相対回転不能に結合されたプレート体と巻取ドラムとの双方に係合するワイヤーの屈曲路からの引出抵抗とにより、ウエビングに所定の荷重を付加しながらウエビングの引き出しを許容し、衝撃エネルギーの吸収を行う構造とされていた。
【0006】
【特許文献1】特開2003−341473号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献1に開示のシートベルト用リトラクターの構造によれば、巻取ドラムのフランジ部側面に形成された収容凹部内にプレート体が配置され、プレート体の外方に位置する巻取ドラムのフランジ部部分に、ワイヤーが引出操作される屈曲路が設けられ、プレート体にワイヤーの一端部が取り付けられるワイヤー固定部が備えられると共に、ワイヤーが巻き取られる巻取部が備えられ、プレート体と巻取ドラムとの相対回転により、ワイヤーが屈曲路に沿って摺動案内されて巻取部に巻き取られる方式とされ、フランジ部の収容凹部にプレート体が収容配置され、リテーナによりその組付け状態が保持される構造とされていた。
【0008】
従って、ワイヤー部分を覆うためのリテーナが必要とされ、部品点数の増加を招いていた。
【0009】
また、ワイヤーの引出抵抗に基づくエネルギー吸収荷重のバリエーションを図る場合には、屈曲路の各種変形が考えられるが、この場合、大形部品である巻取ドラムを各種製作することが必要となり、対応が面倒であった。
【0010】
そこで、本発明の解決しようとする課題は、部品点数の削減を図ると共に、ワイヤーによるエネルギー吸収荷重のバリエーションにも容易に対応できる構造のシートベルト用リトラクターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するための技術的手段は、ウエビングが巻装された巻取ドラムと、巻取ドラムに嵌挿されてその一端部が巻取ドラムの一端部に相対回転不能に結合されると共にウエビング巻取方向に回動付勢されたトーションバーと、車両緊急時に作動してトーションバーの他端部のウエビング引出方向の回転を阻止する緊急ロック機構と、巻取ドラムの他端部側面に対向して配置されると共にトーションバーの他端部に相対回転不能に結合されたプレート体と、巻取ドラムの他端部側面とプレート体との相互間に介在されその一端が前記巻取ドラムの他端部側面に設けられたワイヤー固定部に取り付けられると共に、巻取ドラムとプレート体の相対回転によりプレート体に一体形成された屈曲路に沿って摺動され前記巻取ドラムの他端部側面の巻取部に巻き取られるワイヤーとを備え、車両緊急時の緊急ロック機構作動後、所定値以上の引出力が前記ウエビングに作用した際、前記トーションバーのねじれ変形と、前記プレート体と前記巻取ドラムとの相対回転により前記屈曲路から摺動される前記ワイヤーの摺動抵抗とによる衝撃エネルギー吸収下、ウエビングの引き出しが許容されるシートベルト用リトラクターにおいて、前記プレート体に、前記巻取ドラムの他端部における径方向外方を囲繞する周壁部が備えられ、該周壁部に前記屈曲路が備えられている点にある。
【0012】
また、前記ワイヤー固定部が、前記屈曲路のワイヤー引出口に近接配置されている構造としてもよい。
【0013】
さらに、前記ワイヤーの終端に面取りが施されている構造としてもよい。
【0014】
また、前記屈曲路が、ワイヤー引込口から単一の屈曲部を介して前記ワイヤー引出口に至る屈曲経路とされる構造としてもよい。
【0015】
さらに、前記ワイヤーの配置位置に対応する前記プレート体に、少なくとも1つの内部視認用開口部が形成されている構造としてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明のシートベルト用リトラクターによれば、プレート体に、巻取ドラムの他端部における径方向外方を囲繞する周壁部が備えられ、該周壁部に屈曲路が備えられている構造とされており、プレート体でワイヤー部分を包み込む構造となり、別途、ワイヤーを覆うための従来のようなリテーナが不要となり、部品点数の削減が図れる。
【0017】
そして、ワイヤーの摺動抵抗に基づくエネルギー吸収荷重のバリエーションを図る場合には、各種変形の屈曲路を有するプレート体を各種製作すればよく、巻取ドラムに比較して小形部品であるため、各種バリエーションにも容易に対応できる利点がある。
【0018】
また、ワイヤー固定部が、屈曲路のワイヤー引出口に近接配置されている構造とすれば、ワイヤーの長さを有効利用でき、屈曲路からの摺動抵抗による衝撃エネルギー吸収効果が、より効率よく発揮することができる。
【0019】
さらに、ワイヤーの終端に面取りが施されている構造とすれば、ワイヤーの終端における屈曲路での引っ掛かりが有効に防止できるため、屈曲路からのワイヤーの引出操作過程におけるエネルギー吸収荷重が安定して得られる利点がある。
【0020】
また、屈曲路が、ワイヤー引込口から単一の屈曲部を介してワイヤー引出口に至る屈曲経路とされている構造とすれば、ワイヤーのしごき箇所が最小化された単純な屈曲路となるため、屈曲路からのワイヤーの引出操作過程におけるエネルギー吸収荷重が安定して得られる利点がある。
【0021】
さらに、ワイヤーの配置位置に対応するプレート体に、少なくとも1つの内部視認用開口部が形成されている構造とすれば、内部視認用開口部を通じてワイヤーの装着の有無およびワイヤーの線径が確認でき、組付けミスが有効に防止できると共に、組付け後の確認も行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明すると、図1はシートベルト用リトラクター1の全体構成を示す概略分解斜視図であり、図2はその要部拡大分解斜視図である。そしてこのリトラクター1は、車両等の座席に備えられるシートベルト装置に適用されるものであり、通常状態では、シートベルトとしてのウエビングを引出操作自在に収容している。そして、車両衝突時等の緊急時には、乗員を効果的に拘束するため、弛みを除去するようにウエビングを巻取り、その後、乗員に加わる衝撃を緩和するようにウエビングを徐々に繰り出し可能に構成されている。
【0023】
本実施形態におけるのリトラクター1は、ウエビングが巻装されるアルミ材等から形成された巻取ドラム2を備え、その軸心方向両端部には径方向に張出形成されたフランジ部2a、2bを有しており、その一方のフランジ部2a側に形成された結合孔部には、スチール材等からなる結合体3が相対回転不能に圧入固定される。
【0024】
そして、第1のエネルギー吸収機構を構成するトーションバー4が巻取ドラム2内に嵌挿されて、その一端部が圧入固定された前記結合体3にスプライン結合され、ここに、トーションバー4と巻取ドラム2とが一端部で互いに相対回転不能に結合された構造とされる。
【0025】
また、トーションバー4の他端部には、車両衝突時等の緊急時にシートベルトの引き出しを阻止するための緊急ロック機構5の一部部品を構成するロッキングベース6が相対回転不能に結合されている。
【0026】
前記巻取ドラム2を回転自在に支持するハウジング体7は、車体側に固定される背板7aとその両側縁より互いに対向して延設された側板7bとを備え、両側板7b間で巻取ドラム2が回転自在に支持される構造とされている。
【0027】
即ち、巻取ドラム2の一端部は、巻取ドラム2に連結固定された結合体3が、一方の側板7bに形成された通孔に貫通状とされて適宜、支持構造を介して回転自在に支持される構造とされている。また、巻取ドラム2の他端部は、他方の側板7bに形成された通孔に貫通状とされるトーションバー4が適宜、支持構造を介して回転自在に支持される構造とされている。
【0028】
そして、一方の側板7bには、結合体3を貫通したトーションバー4の一端が常時係合して巻取ドラム2をウエビング巻取方向に常時付勢する巻取バネ機構8や、車両緊急時に結合体3に係合して巻取ドラム2を巻取方向に回転させ、ウエビングの緩みを除去するプリテンショナー機構9を備え、他方の側板7bには、車両緊急時にロッキングベース6に備えられたパウル10が径方向外方に突出して、側板7bの通孔内周面にその周方向に沿ってノコ歯状に形成されたロック歯7cに係合し、巻取ドラム2のウエビング引出方向の回転を阻止する前記緊急ロック機構5を備える構造とされている。
【0029】
なお、上記のような緊急ロック機構5、巻取バネ機構8、プリテンショナー機構9としては、従来の機構を適宜採用すればよく、例えば、本実施形態においては、緊急ロック機構5は、巻取ドラム2のウエビング引出方向の回転を阻止するためのロッキングベース6やパウル10等からなるロック機構部11と、車両の急激な加速度の変化に反応してロック機構部11を起動させるための第1ロック起動機構部12と、ウエビングの急激な引き出しに反応してロック機構部11を起動させるための第2ロック起動機構部13とを備え、巻取バネ機構8は、トーションバー4の一端が連結される渦巻きバネ等が収容された構造とされ、プリテンショナー機構9は、車両の緊急時にガス発生器を作動させ、このガスの圧力を利用してトーションバー4の一端部を介して巻取ドラム2をウエビング巻取方向に回転させる機構であり、ガス発生器が収容されたシリンダ部14と、ガス発生器のガス圧を受けてシリンダ部14内を移動するラック15と、このラック15と噛合して回転すると共に巻取ドラム2とクラッチローラ16を介して連動回転可能なピニオンギヤ体17と、ラック15の移動案内路を形成するカバー体18と、これらをハウジング体7の側板7bに取り付けるクラッチ支持ベース19とを備えた構造とされている。
【0030】
また、前記巻取ドラム2の他端部側のフランジ部2bとロッキングベース6との相互間には、第2のエネルギー吸収機構が備えられており、第2のエネルギー吸収機構は、ロッキングベース6に相対回転不能に結合される、言い換えれば、トーションバー4の他端部に相対回転不能に結合されるプレート体21と、巻取ドラム2の他方のフランジ部2bとプレート体21との間に配置されたステンレス等の金属材からなる線材状のワイヤー22とを備える。
【0031】
即ち、プレート体21は、図5や図6にも示されるように、アルミ材等の金属材により略リング板状に構成され、その外側面に周方向に所定間隔を有して突設された複数の係止爪21aが、ロッキングベース6に形成された周方向複数の係止凹部6aにそれぞれ嵌合されることにより、プレート体21とロッキングベース6とが相対回転不能に結合される構造とされている。
【0032】
また、プレート体21に対向する巻取ドラム2のフランジ部2b側面には、図3および図6にも示されるように、ワイヤー22の一端部を取り付けて保持するための屈曲溝構造とされたワイヤー固定部24や、フランジ部2bの周方向に沿って前記ワイヤー固定部24位置に続いて備えられたワイヤー22が巻き取られる巻取部25が一体形成されている。
【0033】
そして、ワイヤー固定部24の対向面には、図3に示されるように、3組の対向するリブ26がワイヤー固定部24の深さ方向に沿って設けられており、対向するリブ26間距離、即ちリブ26位置におけるワイヤー固定部24の溝幅が、ワイヤー22の外径よりも僅かに小さくなるように構成されている。
【0034】
前記巻取ドラム2のフランジ部2bに対向するプレート体21の外周部には、図1、図2、図5および図6に示されるように、フランジ部2bにおけるワイヤー固定部24や巻取部25の径方向外方を周方向に沿って囲繞する周壁部21bが突出状に備えられている。そして、この周壁部21bの一箇所に径方向外方に膨出状とされる周壁膨出部21cが備えられ、該周壁膨出部21cにおけるフランジ部2b側の側面には、ワイヤー22が摺動案内される溝構造の屈曲路28が形成されている。
【0035】
この屈曲路28は、図5に示されるように、周壁部21b内面側における一方のワイヤー引込口28aから途中の単一の屈曲部28bを介して他方のワイヤー引出口28cに至る略V字状の屈曲経路とされている。
【0036】
また、前記ワイヤー22は、その一端部に図4や図7に示されるように、巻取ドラム2におけるフランジ部2bのワイヤー固定部24の溝形状に沿った屈曲状の固定位置屈曲部22aが備えられる共に、該固定位置屈曲部22aに連続して、プレート体21の屈曲路28に沿った屈曲状の摺動位置屈曲部22bが備えられており、その他の部分は巻取部25の外周に沿った円弧状に構成されている。
【0037】
そして、図7に示されるように、巻取ドラム2におけるフランジ部2bのワイヤー固定部24にワイヤー22一端部の固定位置屈曲部22aが押し込まれてが収容保持され、ワイヤー22の摺動位置屈曲部22bがプレート体21における周壁膨出部21cの屈曲路28に沿って配置された状態で、図1や図6に示されるように、フランジ部2bの外側面側をプレート体21で覆い、ロッキングベース6とプレート体21との係止状態で、その組付け状態が保持される構造とされている。ここに、ワイヤー22部分や巻取部25部分がプレート体21で包み込まれた状態となっている。この際、図7に示されるように、屈曲路28のワイヤー引出口28cに、フランジ部2bのワイヤー固定部24が近接配置された構造とされている。
【0038】
また、プレート体21の周壁部21bには、ワイヤー22の配置位置に対応して、適宜大きさの内部視認用開口部21dが形成されており、内部視認用開口部21dを通じてワイヤー22の装着の有無やワイヤー22の線径が視認可能な構造とされている。
【0039】
本実施形態は以上のように構成されており、その動作について説明すると、通常のシートベルト使用時においては、ウエビングの引き出し時や巻き取り時に、トーションバー4と共に巻取ドラム2やプレート体21が一体に回転される。
【0040】
そして、衝突等の車両緊急時に緊急ロック機構5やプリテンショナー機構9が作動すると、ロッキングベース6のウエビング引出方向の回転が阻止されると共に、巻取ドラム2がウエビングの巻取方向に回転されてウエビングの緩みが除去される。この際、ウエビングに負荷が作用し、所定値以上の引出力がウエビングに作用した場合、トーションバー4のロッキングベース6と反対側の一端部側が回転され、トーションバー4のねじれ変形が開始され、このトーションバー4のねじれ変形に伴って巻取ドラム2がウエビング引出方向に回転し、第1のエネルギー吸収機構としてのトーションバー4による衝撃エネルギーの吸収がなされる。
【0041】
またこの際、ロッキングベース6とプレート体21とも相対回転不能に結合されているため、巻取ドラム2とプレート体21との相互間においても相対回転が生じ、第2のエネルギー吸収機構による衝撃エネルギーの吸収がなされる。
【0042】
即ち、第2のエネルギー吸収機構においては、図7に示される巻取ドラム2とプレート体21との初期状態より、巻取ドラム2がウエビング引出方向Pに相対回転されていく。
【0043】
そして、巻取ドラム2の回転に伴って、図8に示されるように、巻取ドラム2のワイヤー固定部24に一端部が固定保持されたワイヤー22が、プレート体21の屈曲路28を通じて順次しごかれながら引き出されていく。この蛇行状とされた屈曲路28をワイヤー22が変形しながら通過する際、図10に示されるような各接点部29a、29b、29cにおいて、ワイヤー22との相互間で摺動抵抗が生じると共にワイヤー22自体による屈曲抵抗が生じ、これら摺動抵抗および屈曲抵抗によって衝撃エネルギーの吸収がなされる。
【0044】
また、巻取ドラム2の回転に伴って、最終的に図9に示されるように、ワイヤー22の他端部である終端22cが屈曲路28から離脱した時点で、この第2のエネルギー吸収機構による衝撃エネルギーの吸収作用が終了し、以降はトーションバー4のねじれ変形による衝撃エネルギーの吸収のみとなる。
【0045】
なお、図11ないし図13に示されるように、ワイヤー22の終端22cが屈曲路28を通過する際、終端22cのかど部が屈曲路28の壁面に引っ掛かり、屈曲路28の壁面を引っ掻くことにより引っ掻き荷重を生じるおそれがあるため、図14に示されるように、ワイヤー22の終端22cにC面もしくはR面の面取り22dを施しておけば、上記のような引っ掻き荷重の発生が有効に防止できる。
【0046】
以上のように、車両緊急時に緊急ロック機構が作動してロッキングベース6の回転が阻止された状態で、ウエビング引出方向Pにウエビングに所定値以上の引出力が作用すると、巻取ドラム2がウエビング引出方向Pに回転し、トーションバー4による第1のエネルギー吸収機構とワイヤー22等による第2のエネルギー吸収機構との双方により、車両緊急時における衝撃エネルギーを吸収する。
【0047】
この際におけるエネルギー吸収機構によるエネルギーの吸収特性は、図15に示されるように、衝撃エネルギーの吸収開始当初は第1のエネルギー吸収機構と第2のエネルギー吸収機構との双方により衝撃エネルギーが吸収され、その後、第1のエネルギー吸収機構のみによる衝撃エネルギーの吸収となり、車両緊急時におけるエネルギー吸収機構による衝撃エネルギーの吸収開始直後の初期段階におけるエネルギー吸収を、より効率よく行うことができる。
【0048】
そして、本実施形態においては、巻取ドラム2のフランジ部2b側面に、ワイヤー22の一端部である固定位置屈曲部22aが取り付け固定されると共に、ワイヤー22が巻き取られる巻取部25が備えられた構造とされ、プレート体21側に屈曲路28を備えると共に、プレート体21でワイヤー22部分を包み込む構造としているため、別途、ワイヤー22を覆うための従来のようなリテーナが不要となり、部品点数の削減が図れ、構造の簡素化が図れる利点がある。
【0049】
また、ワイヤー22の摺動抵抗に基づくエネルギー吸収荷重のバリエーションを図る場合には、各種変形の屈曲路28を有するプレート体21を各種製作すればよく、巻取ドラム2に比較して小形部品であるため、高荷重のエネルギー吸収荷重が必要な場合等のような各種バリエーションにも容易に対応できる利点がある。
【0050】
さらに、ワイヤー22の線径の違いによってもエネルギー吸収荷重のバリエーションに対応可能であり、この場合、巻取ドラム2におけるワイヤー固定部24のリブ26の突出量を溝深さ方向に対して漸次大きくなるように段階的に形成しておけば、前記のような各種バリエーションにも容易に対応できる。
【0051】
また、ワイヤー固定部24が、屈曲路28のワイヤー引出口28cに近接配置されている構造であり、ワイヤー22の長さを有効利用でき、屈曲路28からの摺動抵抗による衝撃エネルギー吸収効果が、より効率よく発揮することができる。
【0052】
さらに、屈曲路28が、ワイヤー引込口28aから単一の屈曲部28bを介してワイヤー引出口28cに至る屈曲経路とされているため、ワイヤー22のしごき箇所が最小化された単純な屈曲路28となり、複数の屈曲部28bを有している場合と比較して、屈曲路28からのワイヤー22の引出操作過程におけるエネルギー吸収荷重が安定して得られる利点がある。
【0053】
特に、ワイヤー22の終端22cに面取り22dを施すことによって、ワイヤー22の終端22cにおける屈曲路28内壁面との引っ掛かりが有効に防止できるため、屈曲路28からのワイヤー22の引出操作過程におけるエネルギー吸収荷重が終始安定して得られる利点がある。
【0054】
また、ワイヤー22の配置位置に対応するプレート体21の周壁部21bに、内部視認用開口部21dが形成されているため、内部視認用開口部21dを通じてワイヤー22の装着の有無およびワイヤー22の線径が確認でき、組付けミスが有効に防止できると共に、組付け後の確認も行える。この際、ワイヤー22の種類による衝撃エネルギーの吸収荷重等に応じて、色の変更や目印等を付しておく構造とすれば、吸収荷重や吸収ストローク等の確認も行え、この点からも組付けミスが有効に防止できる。
【0055】
図16は、ワイヤー22の変形実施形態を示しており、屈曲路28に配置されるワイヤー22の摺動位置屈曲部22bの近傍に屈曲路28によるしごき方向と逆向きの折曲部22eが備えられた構造とされている。
【0056】
この場合、エネルギー吸収機構によるエネルギーの吸収特性は、図17に示されるように、衝撃エネルギーの吸収開始直後により大きな衝撃エネルギーの吸収効果が発揮できる利点がある。
【0057】
図18は、プレート体21の周壁膨出部21cにおける屈曲路28の変形実施形態を示しており、屈曲路28の距離を長く確保しているため、エネルギー吸収機構によるエネルギーの吸収特性は、図19に示されるように、第2のエネルギー吸収機構による衝撃エネルギーの吸収後期において、エネルギー吸収荷重がより滑らかに少なくなっていく構造とされている。
【0058】
図20および図21は、内部視認用開口部21dの別の変形実施形態を示しており、第1の実施形態においては、プレート体21の周壁部21bに孔状の内部視認用開口部21dを設けた構造を示しているが、図20に示されるように、プレート体21の平面部分に設ける構造としてもよい。この際、ワイヤー22の配置に沿って適宜間隔を有して複数の内部視認用開口部21dを設ける構造とすれば、衝撃エネルギーの吸収荷重量に応じて配置されるワイヤー22の長さや線径を確認することができる。
【0059】
また、図21に示されるように、プレート体21の周壁部21bに、ワイヤー22の配置に沿って適宜間隔を有して複数の内部視認用開口部21dを設ける構造としても、同様に、衝撃エネルギーの吸収荷重量に応じて配置されるワイヤー22の長さや線径を確認することができる。そして、各内部視認用開口部21dを切り欠き状に形成する構造とすることによって、周壁部21bに内部視認用開口部21dを容易に形成することができる。
【0060】
なお、巻取ドラム2のフランジ部2bにおけるワイヤー固定部24の形状や固定構造、プレート体21の周壁膨出部21cにおける屈曲路28の形状は、何ら上記実施形態に限られるものでなく、必要に応じて適宜変更すればよい。
【0061】
また、ワイヤー22の材質としてステンレスを例示しているが、ステンレスに限らず、鉄や銅等のその他の金属を選択してもよく、また、ワイヤー22の外径においても大径や小径等、衝撃エネルギーの吸収荷重量に応じて適宜、選択すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるリトラクターの分解斜視図である。
【図2】同要部拡大分解斜視図である。
【図3】図2のIII−III線矢視図である。
【図4】ワイヤーの側面図である。
【図5】図2のV−V線矢視図である。
【図6】巻取ドラムとプレート体との組付け状態の一部断面図である。
【図7】ワイヤーの組付け状態を示す断面側面図である。
【図8】同動作説明図である。
【図9】同動作説明図である。
【図10】要部拡大説明図である。
【図11】ワイヤーの終端における同動作説明図である。
【図12】ワイヤーの終端における同動作説明図である。
【図13】ワイヤーの終端における同動作説明図である。
【図14】ワイヤーの終端の変形例を示す説明図である。
【図15】エネルギーの吸収特性図である。
【図16】第2の実施形態におけるワイヤーの組付け状態を示す断面側面図である。
【図17】同エネルギーの吸収特性図である。
【図18】第3の実施形態におけるワイヤーの組付け状態を示す断面側面図である。
【図19】同エネルギーの吸収特性図である。
【図20】第4の実施形態におけるプレート体を示す側面図である。
【図21】第5の実施形態におけるプレート体を示す正面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 シートベルト用リトラクター
2 巻取ドラム
2a フランジ部
2b フランジ部
4 トーションバー
5 緊急ロック機構
21 プレート体
21a 係止爪
21b 周壁部
21c 周壁膨出部
21d 内部視認用開口部
22 ワイヤー
22a 固定位置屈曲部
22b 摺動位置屈曲部
22c 終端
22d 面取り
24 ワイヤー固定部
25 巻取部
28 屈曲路
28a ワイヤー引込口
28b 屈曲部
28c ワイヤー引出口




 

 


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