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発明の名称 エアバッグ装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−99103(P2007−99103A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−292161(P2005−292161)
出願日 平成17年10月5日(2005.10.5)
代理人 【識別番号】100089233
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 茂明
発明者 山路 直樹 / 橋爪 智樹 / 添本 和彦 / 森谷 圭介
要約 課題
正常な乗車姿勢では迅速にエアバッグを膨張展開させることができ、かつ、OOPの状態の場合に、なるべく早い段階でより大量のガスを排気できるようにすること。

解決手段
エアバッグ本体20の開口部28hに、非排気状態と排気状態との間で状態変更自在とされた排気状態切替部材30が取付けられると共に、エアバッグ本体20の内周部の一部と排気状態切替部材30とに連結され、エアバッグ本体20が正規形状に膨張展開した状態で、排気状態切替部材30をエアバッグ本体20内に導入するように引込む長さに設定されたテザーベルト40を備えている。
特許請求の範囲
【請求項1】
排気状態切替部材が設けられたエアバッグ本体と、
前記エアバッグ本体内にガスを供給するインフレータと、
を備え、
前記排気状態切替部材はベントホールを有し、前記ベントホールと共に前記エアバッグ本体内に導入されて前記インフレータ作動時における前記エアバッグ本体内のガス排気を抑制する非排気状態と、前記ベントホールと共に前記エアバッグ本体外に導出されて前記ベントホールを通じて前記エアバッグ本体内のガスを排気可能にする排気状態との間で状態変更自在に構成され、
前記エアバッグ本体の内周部の一部と前記排気状態切替部材とを連結するように連結部材が設けられ、前記インフレータ作動時に前記エアバッグ本体が正規形状に膨張展開した状態で、前記連結部は、前記インフレータからのガス供給による膨張展開力を受けて前記エアバッグ本体の内周部の一部と前記排気状態切替部材との間で引張られて、前記排気状態切替部材を非排気状態にするように引込む長さに設定された、エアバッグ装置。
【請求項2】
請求項1記載のエアバッグ装置であって、
前記排気状態切替部材が前記エアバッグ本体外に導出された状態で、前記エアバッグ本体及び前記排気状態切替部材が折畳まれている、エアバッグ装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のエアバッグ装置であって、
前記エアバッグ本体に、排気用開口が形成されている、エアバッグ装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載のエアバッグ装置であって、
前記排気状態切替部材は、展開形態における前記エアバッグ本体の側方部分に設けられている、エアバッグ装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載のエアバッグ装置であって、
前記ベントホールは、前記排気状態切替部材を前記エアバッグ本体に取付けた部分からから離れた位置に形成された、エアバッグ装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載のエアバッグ装置であって、
前記排気状態切替部材は、一対の帯状布の一端部を前記エアバッグ本体に取付けると共に、前記両帯状布の他端部を接合して、その両側開口を前記ベントホールに仕上げたものである、エアバッグ装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれかに記載のエアバッグ装置であって、
前記排気状態切替部材の先端側両側部が前記連結部材に連結されている、エアバッグ装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両乗員を保護するためのエアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の衝突時等の緊急時に乗員を保護する装置として、種々のエアバッグ装置が提案されている。エアバッグ装置は、車両が衝突した時等にインフレータによってエアバッグにガスを充填することにより、エアバッグが膨張して乗員を保護する構造とされている。
【0003】
このようなエアバッグ装置においては、衝突時等に瞬時にエアバッグ内にガスを充填して膨張展開する必要がある。このため、膨張展開中においてエアバッグ内からガスがなるべく漏れないようにする必要がある。
【0004】
一方、車両乗員が通常の乗車姿勢よりも前傾した姿勢等、非正常な乗車姿勢(out of position、以下”OOP”という)をとっている場合がある。このような場合には、エアバッグが膨張展開を開始した比較的初期の段階で、エアバッグが乗員に当接する。このため、膨張展開開始後比較的初期の段階で、エアバッグ内のガスを外部に排気して、エアバッグから乗員に加わる力を緩和すると共に、衝撃によって乗員に加わった衝撃を吸収する必要がある。
【0005】
このようなOOP対策を施したエアバッグ装置として、特許文献1に開示のものがある。特許文献1では、ベントホールを閉じるように蓋部材を糸で縫いつけている。また、蓋部材とエアバッグ内周部とを繋ぐようにテザーベルトを設けている。そして、OOPの場合等に、エアバッグが非正規形状に膨張展開すると、テザーベルトがピンと張った状態となり、蓋部材を縫いつけている糸が切断してベントホールが開くようになっている。
【0006】
【特許文献1】特開2005−153726号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記エアバッグ装置では、OOP状態において、エアバッグ内全体で内圧が十分に高まり、さらに、エアバッグ全体が非正規形状に大きく膨張展開した後になって、ベントホールが開く構成となっている。従って、ベントホールが開くのが遅れ気味となり易い。
【0008】
そこで、本発明は、正常な乗車姿勢では迅速にエアバッグを膨張展開させることができ、かつ、OOPの状態の場合に、なるべく早い段階でより大量のガスを排気できるようにした技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係るエアバッグ装置は、排気状態切替部材が設けられたエアバッグ本体と、前記エアバッグ本体内にガスを供給するインフレータと、を備え、前記排気状態切替部材はベントホールを有し、前記ベントホールと共に前記エアバッグ本体内に導入されて前記インフレータ作動時における前記エアバッグ本体内のガス排気を抑制する非排気状態と、前記ベントホールと共に前記エアバッグ本体外に導出されて前記ベントホールを通じて前記エアバッグ本体内のガスを排気可能にする排気状態との間で状態変更自在に構成され、前記エアバッグ本体の内周部の一部と前記排気状態切替部材とを連結するように連結部材が設けられ、前記インフレータ作動時に前記エアバッグ本体が正規形状に膨張展開した状態で、前記連結部は、前記インフレータからのガス供給による膨張展開力を受けて前記エアバッグ本体の内周部の一部と前記排気状態切替部材との間で引張られて、前記排気状態切替部材を非排気状態にするように引込む長さに設定されたものである。
【0010】
この場合に、前記排気状態切替部材が前記エアバッグ本体外に導出された状態で、前記エアバッグ本体及び前記排気状態切替部材が折畳まれていてもよい。
【0011】
また、前記エアバッグ本体に、排気用開口が形成されていてもよい。
【0012】
さらに、前記排気状態切替部材は、展開形態における前記エアバッグ本体の側方部分に設けられていてもよい。
【0013】
また、前記ベントホールは、前記排気状態切替部材を前記エアバッグ本体に取付けた部分から離れた位置に形成されていてもよい。
【0014】
また、前記排気状態切替部材は、一対の帯状布の一端部を前記エアバッグ本体に取付けると共に、前記両帯状布の他端部を接合して、その両側開口を前記ベントホールに仕上げたものであってもよい。
【0015】
さらに、前記排気状態切替部材の先端側両側部が前記連結部材に連結されていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
この発明のエアバッグ装置によると、排気状態切替部材が設けられたエアバッグ本体と、前記エアバッグ本体内にガスを供給するインフレータと、を備え、前記排気状態切替部材はベントホールを有し、前記ベントホールと共に前記エアバッグ本体内に導入されて前記インフレータ作動時における前記エアバッグ本体内のガス排気を抑制する非排気状態と、前記ベントホールと共に前記エアバッグ本体外に導出されて前記ベントホールを通じて前記エアバッグ本体内のガスを排気可能にする排気状態との間で状態変更自在に構成され、前記エアバッグ本体の内周部の一部と前記排気状態切替部材とを連結するように連結部材が設けられ、前記インフレータ作動時に前記エアバッグ本体が正規形状に膨張展開した状態で、前記連結部は、前記インフレータからのガス供給による膨張展開力を受けて前記エアバッグ本体の内周部の一部と前記排気状態切替部材との間で引張られて、前記排気状態切替部材を非排気状態にするように引込む長さに設定されているため、エアバッグ本体が正規形状に膨張展開する場合には、少なくとも途中で排気状態切替部材がエアバッグ本体内に向けて引込まれる。このため、正規形状への膨張展開途中では、エアバッグ本体からのガス排気をなるべく少なくして、迅速にエアバッグ本体を膨張展開させることができる。また、OOPの場合には、エアバッグ本体の膨張展開途中段階で乗員がエアバッグ本体に当接するため、連結部材が弛んだ状態のままでエアバッグ本体の内圧が上昇し、排気状態切替部材が外部に導出されたままで又は外部に導出されて、排気状態切替部材は排気状態になる。これにより、OOPの場合には、なるべく早い段階でより大量のガスを排気できる。
【0017】
また、前記排気状態切替部材が前記エアバッグ本体外に導出された状態で、前記エアバッグ本体及び前記排気状態切替部材が折畳まれていると、OOPの場合に、排気状態切替部材が非排気状態から排気状態に状態変更する過程を省略することができ、より早い段階で大量のガスを排気できる。
【0018】
さらに、前記エアバッグ本体に、排気用開口が形成されていると、この排気用開口と上記排気状態切替部材との組合わせにより、多彩な排気パターンの設定が可能となる。
【0019】
また、前記排気状態切替部材が、展開形態における前記エアバッグ本体の側方部分に設けられていると、排気状態切替部材とフロントガラス、インダッシュパネル等に干渉することを防止でき、より安定した排気を行える。
【0020】
また 前記ベントホールが、排気状態切替部材をエアバッグ本体に取付けた部分から離れた位置に形成されていると、非排気状態で、より確実にガス排出を防止することができる。
【0021】
また、前記排気状態切替部材は、一対の帯状布の一端部を前記エアバッグ本体に取付けると共に、前記両帯状布の他端部を接合して、その両側開口を前記ベントホールに仕上げたものであると、簡易でかつ低コストなエアバッグ装置を製造できる。
【0022】
また、前記排気状態切替部材の先端側両側部が前記連結部材に連結されていると、排気状態切替部材をより安定してエアバッグ本体内に導くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、この発明の実施形態に係るエアバッグ装置について説明する。図1はエアバッグ装置の膨張展開途中の状態を示す図であり、図2はエアバッグ装置の膨張展開完了後の状態を示す図であり、図3及び図4は排気状態にある排気状態切替部材を示す図であり、図5及び図6は非排気状態にある排気状態切替部材を示す図である。
【0024】
このエアバッグ装置10は、車両の助手席前方にあるダッシュボードに組込まれ、車両の衝突時等に助手席乗員前方に展開して、助手席乗員を受止めて衝撃を吸収する装置である。もちろん、本発明は、助手席用のエアバッグ装置に限らず、ステアリング装置に組込まれる運転席用のエアバッグ等にも適用可能である。
【0025】
本エアバッグ装置10は、排気状態切替部材30が設けられたエアバッグ本体20と、と、連結部材としてのテザーベルト40と、インフレータ12とを備えている。
【0026】
エアバッグ本体20は、膨張展開可能な袋状に形成されており、すくなくとも一つの開口部28hを有している。より具体的には、エアバッグ本体20は、筒状に形成された基布部22とその基布部22の両側開口を閉塞するように接合された一対の側布部24とを有している。基布部22は、略帯状の布の両端縁部を縫い合せることで略筒状に形成される。また、側布部24は、基布部22の側方開口を閉塞可能な広がり形状を有している。そして、略筒状に形成された基布部22の両側開口周縁部に、それぞれ側布部24の縁部を縫いつける等して接合することで、エアバッグ本体20が形成されている。ここでは、エアバッグ本体20は、側面視楕円状の筒状に膨張展開するように構成されている。
【0027】
また、このエアバッグ本体20には、ガス導入用孔26hと、ガス排出用の第2のベントホール27hと、ガス排出用の開口部28hとが形成されている。
【0028】
ガス導入用孔26hは、基布部22の一側部、ここでは、展開形態でダッシュボードに対向する部分に形成されている。このガス導入用孔26h部分にインフレータ12が取付けられる。そして、車両の衝突時等にインフレータ12で発生したガスがガス導入用孔26hを通ってエアバッグ本体20内に導入される構成となっている。
【0029】
第2のベントホール27hは、展開形態におけるエアバッグ本体20の両側部、即ち、側布部24に形成されている。この第2のベントホール27hは、常時開口した状態となっている。そして、エアバッグ本体20の膨張展開の途中ではその展開速度に大きな影響を与えない程度にガスを排出している。また、エアバッグ本体20が完全に膨張展開した状態で、衝撃によって乗員がエアバッグ本体20を押込むと、その押込力を受けて第2のベントホール27hから徐々にガスが排出され、当該乗員の衝撃を吸収するようになっている。
【0030】
なお、この第2のベントホール27hの形成位置及び数、形状は、上記例に限られない。また、後述するように排気状態切替部材30が、エアバッグ本体20が完全に膨張展開した状態で、ガスを排出する機能をも有している場合には、第2のベントホール27hを省略してもよい。
【0031】
ガス排出用の開口部28hは、基布部22の一側部、ここでは、展開形態でガス導入用孔26hの前方斜め上方の位置(フロントウインドウと対向する位置)に形成されている。また、ここでは、開口部28hは、エアバッグ本体20の幅方向に沿って延びる長孔状に形成されている。もっとも、開口部28hは、長孔状に限られず、円穴状、略多角形孔状に形成されていてもよい。
【0032】
排気状態切替部材30は、第1のベントホール32hを有する部材であり、上記エアバッグ本体20における開口部28hに設けられている。この排気状態切替部材30は、第1のベントホール32h形成部分と共にエアバッグ本体20外に導出された状態では、第1のベントホール32hを通じてエアバッグ本体20内のガスを排気可能な排気状態となる(図1、図3及び図4参照)。一方、排気状態切替部材30は、第1のベントホール32h形成部分と共にエアバッグ本体20内に導入された状態では、開口部28hを閉塞するように覆ってエアバッグ本体20内のガス排気を抑制する非排気状態となる(図2、図5及び図6参照)。そして、後述するテザーベルト40による引込力やエアバッグ本体20の内圧によって、これらの両状態間で状態変更可能に構成されている。
【0033】
より具体的に説明すると、排気状態切替部材30は、一対の帯状布32を有している。一対の帯状布32の一端部(基端部)は、エアバッグ本体20内で開口部28hの周縁部を囲むように縫いつけられている。なお、排気状態切替部材30は、エアバッグ本体20の外面で該エアバッグ本体20に縫いつけられていてもよい。また、一対の帯状布32の他端部(先端部)は、その幅方向に沿って略全体に亘って互いに縫い合されて接合されている。さらに、一対の帯状布32の両側部は、その基端部だけ縫い合されて接合されており、その他の部分は縫い合されない開口状態となっている。そして、一対の帯状布32の両側部のうち非縫い合せ部分で囲まれる部分をもって、第1のベントホール32hが構成されている。なお、一対の帯状布32の両側部の基端は所定長に亘って縫い合されているため、開口部28hと第1のベントホール32hとは連続した位置関係にはなく、互いに離れた位置に形成されていることになる。
【0034】
また、一対の帯状布32の幅寸法は、上記開口部28hの幅寸法よりも大きく設定されており、従って、排気状態切替部材30の幅寸法も開口部28hの幅寸法よりも大きく設定されている。そして、エアバッグ本体20の内部から外部へ又はその逆に移動する場合には、排気状態切替部材30がその幅方向に縮小するように変形しつつ開口部28h内をくぐり抜けるようになり、所定の抵抗が作用するようになっている。これにより、後述するテザーベルト40による引込力やエアバッグ本体20に所定以上の内圧が作用していない場合等に、排気状態切替部材30が不用意に状態変更することを防止するようにしている。
【0035】
テザーベルト40は、上記エアバッグ本体20の内周部の一部と排気状態切替部材30とに連結された細長い連結部材である。このテザーベルト40は、エアバッグ本体20が正規形状(図2参照)に膨張展開した状態で、インフレータ12からのガス供給による膨張展開力を受けてエアバッグ本体20の内周部の一部と排気状態切替部材30との間で引張られた状態となり、排気状態切替部材30をエアバッグ本体20内に導入するように引込む長さに設定されている。
【0036】
より具体的には、テザーベルト40は、細長い帯状に形成されている。
【0037】
テザーベルト40の一端部は、排気状態切替部材30の先端部に連結されている。ここでは、排気状態切替部材30の先端側両側部がテザーベルト40に連結されている。すなわち、テザーベルト40の一端部は、排気状態切替部材30の先端部と略同じ幅寸法に形成されている。ここでは、テザーベルト40の先端部は、略Y字状に広がる形状に形成されている。そして、その略Y字状に広がる両端部が、排気状態切替部材30の先端部の両側に縫いつけられている。これにより、テザーベルト40は、排気状態切替部材30の先端側両側部を引張るようにして、排気状態切替部材30をエアバッグ本体20内に引込むようになっている。
【0038】
また、テザーベルト40の他端部は、エアバッグ本体20の内周部に縫いつける等して取付けられている。ここでは、テザーベルト40の他端部は、エアバッグ本体20の内周部のうち上記開口部28hに対向する位置に取付けられている。
【0039】
また、テザーベルト40の長さは、エアバッグ本体20が正規形状に展開膨張した状態で、排気状態切替部材30をエアバッグ本体20内で略直線状に引張るような長さ寸法に設定されている。従って、エアバッグ本体20の展開途中で、エアバッグ本体20の内圧に抗して排気状態切替部材30は徐々にエアバッグ本体20内に引込まれるようになる。
【0040】
このように構成されたエアバッグ装置は、インフレータ12と合体組付された状態で、車両の助手席前方のダッシュボード内に折畳まれた形態で収容されている。この際、排気状態切替部材30は、エアバッグ本体20外に導出された態様で折畳まれていてもよいし、エアバッグ本体20内に導入された態様で折畳まれていてもよい。ここでは、前者の態様で折畳まれているという構成で説明し、その場合のメリットについても後述する。
【0041】
そして、車両衝突時等には、インフレータ12で発生したガスがガス導入用孔26hを通ってエアバッグ本体20内に導入される。
【0042】
ここで、助手席乗員が背中を背もたれに接触させた正常な乗車姿勢で着座している場合には、図1に示すような途中形態を経て膨張展開をする。なお、この状態では、インフレータからのガスはエアバッグ本体20内に向けて噴出されているため、排気状態切替部材30を介したガスの排出は問題とならない程度に小さい。
【0043】
そして、膨張展開するに従って、排気状態切替部材30がエアバッグ本体20内に導かれるようになる。排気状態切替部材30がエアバッグ本体20内に導かれると、図5及び図6に示すように、排気状態切替部材30は、第1のベントホール32hをほぼ閉じた状態でエアバッグ本体20内で開口部28hを閉塞するように覆う非排気状態となる。これにより、ガス排気をなるべく少なくした状態で、図2に示す正規形状に迅速に膨張展開する。
【0044】
そして、ほぼ完全に膨張展開したエアバッグ本体20が、車両衝突の衝撃によって前方に移動する助手席乗員を受止める。エアバッグ本体20が乗員を受止めた後、ベントホール32hからガスが排気されることで、乗員の衝撃を徐々に吸収する。勿論、この際、エアバッグ本体20が乗員の衝撃を受止めてその乗員側部分が縮小するように変形し、もって、テザーベルト40が弛んで内圧により排気状態切替部材30がエアバッグ本体20外に導出されることで、その排気状態切替部材30を介してガスが導入されてもよい。
【0045】
一方、助手席乗員が前屈み姿勢になっている場合等を含むOOPの場合には、図1に示すように、エアバッグ本体20が膨張展開する途中形態でエアバッグ本体20が乗員に当接する。これにより、エアバッグ本体20の膨張が妨げられる。これにより、テザーベルト40が弛んだままの状態で、エアバッグ本体20内の内圧が上昇する。すると、排気状態切替部材30はエアバッグ本体20外にあるので、図3及び図4に示すように、エアバッグ本体20内のガスは開口部28hから排気状態切替部材30内を通って第1のベントホール32hから外部に排気されるようになる。つまり、エアバッグ本体20が正規形状に展開する場合以外の形状では、排気状態切替部材30は排気状態になる。
【0046】
なお、当初の折畳み形態で、排気状態切替部材30がエアバッグ本体20内にある場合には、テザーベルト40が弛んだままの状態で、OOPによりエアバッグ本体20の膨張が妨げられた状態でエアバッグ本体20内の内圧が上昇することで、その内圧により排気状態切替部材30がエアバッグ本体20外に押出されるようになる。そして、上記と同様にガスが排出されるようになる。
【0047】
上記により、エアバッグ本体20の膨張展開によって乗員に加わる力を緩和することができる。また、車両の衝突衝撃によって乗員に加わった衝撃をも吸収しつつ排気状態切替部材30を経由したガス排出を継続することができる。
【0048】
以上のように構成されたエアバッグ装置10によると、エアバッグ本体20の開口部28hに、非排気状態と排気状態との間で状態変更自在とされた排気状態切替部材30が取付けられると共に、エアバッグ本体20の内周部の一部と排気状態切替部材30とに連結され、エアバッグ本体20が正規形状に膨張展開した状態で、排気状態切替部材30をエアバッグ本体20内に導入するように引込む長さに設定されたテザーベルトを備えているため、エアバッグ本体20が正規形状に膨張展開する場合には、少なくとも途中で排気状態切替部材30がエアバッグ本体20内に向けて引込まれる。このため、正規形状への膨張展開途中では、エアバッグ本体20からのガス排気をなるべく少なくして、迅速にエアバッグ本体20を膨張展開させることができる。
【0049】
また、OOPの場合には、エアバッグ本体の膨張展開途中段階で乗員がエアバッグ本体20に当接するため、テザーベルト40が弛んだ状態のままでエアバッグ本体20の内圧が上昇し、排気状態切替部材30は外部に導出されたままで又は外部に導出されて排気状態になる。これにより、OOPの場合には、なるべく早い段階でより大量のガスを排気できる。
【0050】
特に、排気状態切替部材30をエアバッグ本体20外に導出した状態で、エアバッグ本体20及び排気状態切替部材30を折畳むことで、OOPの場合に、排気状態切替部材30がエアバッグ本体20内の非排気状態からエアバッグ本体20外の排気状態に状態変更する過程を省略することができ、より早い段階で大量のガスを排気でき、OOP対策として有効である。
【0051】
さらに、エアバッグ本体20に、排気状態切替部材30を設けた開口部とは別に、エアバッグ本体20に排気用開口部としての第1のベントホール27hが形成されているため、それらの排気構造の組合わせによって、多彩な排気パターンの設定が可能となる。
【0052】
また、開口部28hと第1のベントホール32hとの間に縫い合せ部分が介在して、これらは互いに離れた位置に形成されているため、非排気状態で、ベントホール32hの基端部がエアバッグ本体20の内圧によって密着状に重なって一種の弁作用を果すようになり、第1のベントホール32hから開口部28hを通ってガスが漏れにくくなり、より確実にガス排出を防止できる。
【0053】
また、排気状態切替部材30は、開口部28hよりも幅広に形成された一対の帯状布32の一端部をエアバッグ本体20の開口部28hに取付けると共に、両帯状布32の他端部を接合して、その両側開口を第1のベントホール32hに仕上げたものであるため、比較的簡易構成で、低コストでエアバッグを製造できる。
【0054】
さらに、排気状態切替部材30の先端側両端部がテザーベルト40に連結されているため、テザーベルト40は、排気状態切替部材30の先端側両側部を引張るようにして、排気状態切替部材30をエアバッグ本体20内に引込む。これにより、エアバッグ本体20内で排気状態切替部材30の姿勢を安定させることができ、安定した非排気状態にすることができる。
【0055】
なお、上記実施形態では、開口部28h及び排気状態切替部材30の位置は、展開形態でガス導入用孔26hの前方斜め上方の位置(フロントウインドウと対向する位置)である例で説明したが、その位置に限られない。開口部28h及び排気状態切替部材30は、OOPの場合に、上記排気状態となって排気を妨げられない位置、例えば、OOPの場合の乗員がエアバッグ本体20に当接しない位置、即ち、エアバッグ本体20の乗員側部分を除く位置に設けられていればよい。
【0056】
例えば、図7に示す変形例では、開口部128h(開口部28hに相当)と、排気状態切替部材130(排気状態切替部材130に相当)とを、展開形態におけるエアバッグ本体120(エアバッグ本体120に相当)の側方部分に設けている。この変形例であっても、上記と同様に、エアバッグ本体20が正規形状に展開した場合にはテザーベルト40は排気状態切替部材30をエアバッグ本体20内に引込んで非排気状態とする。一方、OOPによりエアバッグ本体20の膨張展開が妨げられた場合には、テザーベルト40が弛んだままとなって排気状態切替部材30がエアバッグ本体20外で排気状態となる。このため、上記実施形態と同様の動作を実現できる。
【0057】
特に、この変形例にあっては、排気状態切替部材130を、展開形態におけるエアバッグ本体120の側方部分に設けているため、排気状態となって排気状態切替部材30がエアバッグ本体120外に飛出した場合でも、該排気状態切替部材30が車両のフロントガラスやインダッシュパネル等に干渉することを防止でき、より安定した排気を行えるというメリットがある。
【0058】
また、上記実施形態では、テザーベルト40、140の他端部の連結先を、エアバッグ本体20,120内における開口部28hと対向する位置であって乗員正面に向き合う位置に設けたが、必ずしもその必要はない。すなわち、排気状態切替部材30,130の取付位置である開口部28hの位置とテザーベルト40の他端部の連結位置との距離が、正規形状に展開したエアバッグ本体20,120の場合よりも、OOPの場合に途中まで展開したエアバッグ本体20,120の場合の方が小さくなる、という位置関係にあればよい。
【0059】
例えば、図7に示す変形例において、図8に示すように、テザーベルト140の連結先を、エアバッグ本体120のうち乗員側部分の斜め側方の位置にしたり、図9に示すように、テザーベルト140の連結先をエアバッグ本体120のうち乗員側部分の斜め下方に位置する等してもよい。なお、図8及び図9において、テザーベルト140の位置として想定される範囲を斜め網線で示している。
【0060】
OOPの場合には、乗員が大きく前傾姿勢をとる場合を想定しているため、エアバッグ本体120の膨張展開過程の比較的初期段階でエアバッグ本体120の膨張展開が妨げられる。このため、エアバッグ本体120が正規形状に展開して乗員に当接すると想定される乗員正面部分よりも外れた側方部分や下方又は上方部分であっても、上記位置関係を満たすと考えられる。
【0061】
図10〜図12は排気状態切替部材の変形例を示す図である。
【0062】
図10に示す排気状態切替部材230では、一対の略台形状布232の長辺側である底辺232aをエアバッグ本体20の開口部28hに縫いつけて取付けると共に、一対の略台形状布232の短辺側である上辺232b同士を縫い合せて接合している。そして、その一対の略台形状布232の上辺の接合部分に長尺状のテザーベルト240の一端部を連結している。また、一対の略台形状布232の斜辺232cで囲まれる部分により一対の第1のベントホール232h(太線部分参照)を形成している。
【0063】
図11に示す排気状態切替部材330では、一対の略台形状布332の長辺側である底辺332aをエアバッグ本体20の開口部28hに縫いつけて取付けると共に、一対の略台形状布332の両斜辺332c同士を縫い合せて接合している。そして、その一対の略台形状布332の各上辺332bに長尺状のテザーベルト340の一端部を連結している。また、その一対の略台形状布332の上辺332bで囲まれる部分により、第1のベントホール332h(太線部分参照)を形成している。
【0064】
図12に示す排気状態切替部材430では、一対の略台形状布432の長辺側である底辺432aをエアバッグ本体20の開口部28hに縫いつけて取付けると共に、一対の略台形状布432の両斜辺432c同士及び両上辺432b同士を縫い合せて接合している。そして、その一対の略台形状布432の各上辺に長尺状のテザーベルト440の一端部を連結している。また、その一対の略台形状布432の一方又は双方に穴を形成してこれを第1のベントホール432hとしている。
【0065】
これらの各変形例の場合でも、上記実施形態と同様にエアバッグ本体20内に導入され、又は、外に導出されることで、非排気、排気の状態が切替えられる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】実施形態に係るエアバッグ装置の膨張展開途中の状態を示す図である。
【図2】同上のエアバッグ装置の膨張展開完了後の状態を示す図である。
【図3】排気状態にある排気状態切替部材を示す側面図である。
【図4】排気状態にある排気状態切替部材を示す平面図である。
【図5】非排気状態にある排気状態切替部材を示す側面図である。
【図6】非排気状態にある排気状態切替部材を示す平面図である。
【図7】開口部及び排気状態切替部材の位置に関する変形例を示す図である。
【図8】テザーベルトの連結位置の一例を示す図である。
【図9】テザーベルトの連結位置の他の例を示す図である。
【図10】排気状態切替部材の変形例を示す図である。
【図11】排気状態切替部材の他の変形例を示す図である。
【図12】排気状態切替部材のさらに他の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
10 エアバッグ装置
20 エアバッグ本体
27h 第2のベントホール
28h 開口部
30 排気状態切替部材
32 帯状布
32h 第1のベントホール
40 テザーベルト




 

 


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