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発明の名称 シートベルト用リトラクター
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−45317(P2007−45317A)
公開日 平成19年2月22日(2007.2.22)
出願番号 特願2005−231621(P2005−231621)
出願日 平成17年8月10日(2005.8.10)
代理人 【識別番号】100089233
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 茂明
発明者 香川 正光
要約 課題
安定したロック機構の起動を確保すると共に、ノイズの軽減を図ったシートベルト用リトラクターを提供する。

解決手段
緊急ロック起動装置4は、ホルダー10と、ホルダー10の凹状部に配置されると共に所定値を越える加速度変化に反応して揺動するセンサーウエイト11と、ホルダー10に回転可能に支承される軸部を有すると共にセンサーウエイト11の揺動に従い回転してロック機構5を起動させるセンサーレバー12とを備える。ケーシング3にロック機構5が収納されると共にセンサーレバー12の回動範囲規制状態で緊急ロック起動装置4が収納される。センサーレバー12の非回転時にロッククラッチ体6の回転を許容し、かつセンサーレバー12の回転時にロッククラッチ体6の外周面に噛合する範囲で、センサーレバー12にケーシング3に接離自在に当接する当接リブ12gを設けた。
特許請求の範囲
【請求項1】
一対の相対向する側板にそれぞれ通孔が設けられた断面略コ字状に形成されたハウジングと、前記一対の側板の通孔に挿通してハウジングに回転可能に支承され、ウエビングが巻き取られると共に、ウエビングを巻き取る方向に回転付勢された巻取ドラムと、車両緊急時に巻取ドラムのウエビング引き出し方向への回転を抑止するロック機構と、車両の急激な加速度変化に反応してロック機構を起動させる緊急ロック起動装置とを備え、
前記ロック機構は、前記ハウジングの一方の通孔内周面に形成されたロック歯と、そのロック歯の内側で巻取ドラムに備えられたロックベース部と、ロックベース部の外周面より出没自在に突出してロック歯に噛合されるパウルと、ロックベース部の外側面側に隣接して巻取ドラムに対して相対回転可能に取り付けられると共にウエビング引き出し方向に付勢された状態でロックベース部と同期回転可能に取り付けられ、緊急ロック起動装置の作動によるロックベース部との相対回転によりパウルを突出させるロッククラッチ体とを備え、
前記緊急ロック起動装置は、底面に凹状部を有する箱形のホルダーと、該ホルダーの凹状部に配置されると共に所定値を越える加速度変化に反応して揺動する慣性質量体と、ホルダーに回転可能に支承される軸部を有すると共に前記慣性質量体の揺動により押動されて前記軸部の軸心回りに回転してロッククラッチ体の外周面と噛合するセンサーレバーとを備え、
ロック機構が配設されたハウジングの一方の側面に取り付けられると共に、緊急ロック起動装置を収納してセンサーレバーの回転を規制するケーシングを備えたシートベルト用リトラクターにおいて、
前記センサーレバーの非回転時に前記ロッククラッチ体の回転を許容し、かつセンサーレバーの回転時にロッククラッチ体の外周面に噛合する範囲で、前記ケーシングまたは前記センサレバーの少なくともいずれか一方に、他方に接離自在に当接する当接リブを設けたことを特徴とするシートベルト用リトラクター。
【請求項2】
請求項1に記載のシートベルト用リトラクターにおいて、
前記ロッククラッチ体は外周面にラチェット歯を形成したラチェットホイールを有し、
前記センサーレバーと前記ケーシングとが前記当接リブを介して当接したとき、前記センサーレバーは前記ラチェットホイールのラチェット歯の歯先と歯元との略中間部位に噛合するように前記当接リブの高さを設定していることを特徴とするシートベルト用リトラクター。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のシートベルト用リトラクターにおいて、
前記当接リブは弾性変形可能であることを特徴とするシートベルト用リトラクター。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のシートベルト用リトラクターにおいて、
前記当接リブを前記センサーレバーに設けたことを特徴とするシートベルト用リトラクター。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の急激な加速度の変化に反応する緊急ロック起動装置を備えたシートベルト用リトラクターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両等の座席に備えられるシートベルト装置は、ロック機構を備えたリトラクターにウエビングが巻き取られるように構成されている。そして、衝突時等においては、その衝撃力による急激な加速度の変化を感知して緊急ロック起動装置が作動して、ロック機構を起動させ、ウエビングの巻装された巻取ドラムの回転を阻止することによりウエビングの引き出しを阻止し、乗員を拘束して保護するように構成されている(例えば、特許文献1または特許文献2参照。)。
【0003】
即ち、緊急ロック起動装置は、底面に凹状部を有する箱形のホルダーと、ホルダーの凹状部に配置されると共に所定値を越える加速度変化に反応して揺動する球状の慣性質量体と、ホルダーに回転可能に支承される軸部をその一方の端部に有すると共に慣性質量体の揺動に従い前記軸部の軸心回りに回転してロック機構を起動させるセンサーレバーとを備えた構造とされていた。
【0004】
そして、シートベルト用リトラクターの一方の側面に備えられたケーシングに、ロック機構が収納されると共に緊急ロック起動装置が収納され、緊急ロック起動装置のセンサーレバーがロック機構のラチェットホイールのラチェット歯に噛合することによって、ウエビングが巻装されている巻取ドラムの回転を阻止し、ここに、ウエビングの引き出しを阻止し、乗員を拘束して保護するように構成されていた。
【0005】
一方、慣性質量体は、車両の衝突時等の緊急時に限らず、通常の走行時における振動等によっても揺動するため、このような揺動によりセンサーレバーが軸部の軸心回りに回転されてケーシング内面等に衝突して、異音を発生し、耳障りなノイズとなっていた。
【0006】
そこで、このようなノイズの軽減を図った緊急ロック起動装置として、センサーボールを受け留める凹状体を有するセンサーハウジングと、センサーハウジングに枢軸的に取り付けられ、センサーボールの上にあたるキャップを有したセンサーレバーとを備え、キャップと凹状体とは各々、センサーハウジングに対して、少なくとも1つの細長いウェブを介して結合され、そのウェブが通常使用時の振動により弾性的に変形可能とされて、ノイズの発生を軽減した構造のものがある(例えば、特許文献3参照。)。
【0007】
【特許文献1】特開2003−212085号公報
【特許文献2】特開2003−212086号公報
【特許文献3】特開平5−193442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記特許文献3に開示のノイズの軽減構造によれば、実際の衝突時等における緊急時に作動する場合、センサーボールが移動するだけでなく、車両の振動で細長いウェブも弾性変形するため、センサーレバーのロック位置がずれて感知が遅れることにより、リトラクターにおけるロック機構の作動自体が遅れてしまうおそれがある。
【0009】
また、車両の長期間の使用により、このような車両の振動によるウェブの弾性変形が長期間にわたっている場合、緊急ロック起動装置を構成する各部材の相互の位置関係が変位してしまい、センサーレバーのロック位置が変位してロック機構の起動が不安定になるおそれもある。
【0010】
そこで、本発明の解決しようとする課題は、安定したロック機構の起動を確保すると共に、ノイズの軽減を図ったシートベルト用リトラクターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するための技術的手段は、一対の相対向する側板にそれぞれ通孔が設けられた断面略コ字状に形成されたハウジングと、前記一対の側板の通孔に挿通してハウジングに回転可能に支承され、ウエビングが巻き取られると共に、ウエビングを巻き取る方向に回転付勢された巻取ドラムと、車両緊急時に巻取ドラムのウエビング引き出し方向への回転を抑止するロック機構と、車両の急激な加速度変化に反応してロック機構を起動させる緊急ロック起動装置とを備え、前記ロック機構は、前記ハウジングの一方の通孔内周面に形成されたロック歯と、そのロック歯の内側で巻取ドラムに備えられたロックベース部と、ロックベース部の外周面より出没自在に突出してロック歯に噛合されるパウルと、ロックベース部の外側面側に隣接して巻取ドラムに対して相対回転可能に取り付けられると共にウエビング引き出し方向に付勢された状態でロックベース部と同期回転可能に取り付けられ、緊急ロック起動装置の作動によるロックベース部との相対回転によりパウルを突出させるロッククラッチ体とを備え、前記緊急ロック起動装置は、底面に凹状部を有する箱形のホルダーと、該ホルダーの凹状部に配置されると共に所定値を越える加速度変化に反応して揺動する慣性質量体と、ホルダーに回転可能に支承される軸部を有すると共に前記慣性質量体の揺動により押動されて前記軸部の軸心回りに回転してロッククラッチ体の外周面と噛合するセンサーレバーとを備え、ロック機構が配設されたハウジングの一方の側面に取り付けられると共に、緊急ロック起動装置を収納してセンサーレバーの回転を規制するケーシングを備えたシートベルト用リトラクターにおいて、前記センサーレバーの非回転時に前記ロッククラッチ体の回転を許容し、かつセンサーレバーの回転時にロッククラッチ体の外周面に噛合する範囲で、前記ケーシングまたは前記センサレバーの少なくともいずれか一方に、他方に接離自在に当接する当接リブを設けた点にある。
【0012】
また、前記ロッククラッチ体は外周面にラチェット歯を形成したラチェットホイールを有し、前記センサーレバーと前記ケーシングとが前記当接リブを介して当接したとき、前記センサーレバーは前記ラチェットホイールのラチェット歯の歯先と歯元との略中間部位に噛合するように前記当接リブの高さを設定している構造としてもよい。
【0013】
さらに、前記当接リブは弾性変形可能である構造としてもよい。
【0014】
また、前記当接リブを前記センサーレバーに設けた構造としてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のシートベルト用リトラクターによれば、センサーレバーの非回転時にロッククラッチ体の回転を許容し、かつセンサーレバーの回転時にロッククラッチ体の外周面に噛合する範囲で、ケーシングまたはセンサレバーの少なくともいずれか一方に、他方に接離自在に当接する当接リブを設けた構造とされているため、当接リブによってセンサーレバーとケーシングとの相互間の隙間が小さくなり、通常走行時における振動等によるセンサーレバーの揺動により、ケーシング側に衝突しても異音の発生を抑制することができ、ノイズの軽減が図れる。
【0016】
また、特許文献3のように振動により弾性変形する細長状のウェブもなく、安定したロック機構の起動を確保できる利点もある。
【0017】
さらに、ロッククラッチ体は外周面にラチェット歯を形成したラチェットホイールを有し、センサーレバーとケーシングとが当接リブを介して当接したとき、センサーレバーはラチェットホイールのラチェット歯の歯先と歯元との略中間部位に噛合するように当接リブの高さを設定している構造とすれば、センサーレバーとラチェットホイールとの歯先同士が当接するまでは、当接リブは他方側に干渉しないため、ロック機能の起動を確実に確保できる。
【0018】
また、当接リブは弾性変形可能である構造とすれば、センサーレバーとラチェットホイールとの歯先同士が当接した後に、当接リブが弾性変形することで、センサーレバーの歯先がラチェットホイールの歯元まで移動することでより確実に噛合することができ、ロック機構の起動をより安定して得ることができる。
【0019】
さらに、当接リブをセンサーレバーに設けた構造とすれば、容易に製造できるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明すると、図1ないし図6は、シートベルト用リトラクター1における本実施形態の要部であるハウジング2の一側面に備えられた樹脂成形体よりなるケーシング3や、ケーシング3に設けられたホルダー収容部3aに収容される緊急ロック起動装置4を示しており、リトラクター1自体の全体構造は、従来の特許文献1や特許文献2に開示の構造と略同様に構成されているため、その詳細な説明は省略する。
【0021】
即ち、前記ハウジング2は、図7に示されるように、一対の相対向する側板2aにそれぞれ通孔2bが設けられた断面略コ字状に形成されており、巻取ドラム14が前記一対の側板2aの通孔2bに挿通されると共にハウジング2に回転可能に支承されている。そして、この巻取ドラム14にウエビングが巻装されると共に、巻取機構15により巻取ドラム14はウエビングを巻き取る方向に常時回転付勢された構造とされている。
【0022】
この巻取機構15は、巻取ドラム14の軸部に連結される連結軸16と、該連結軸16に一端部か係止される渦巻バネ等からなる巻取付勢機構17と、この巻取付勢機構17を収容するバネケース18とを備えており、側板2aの外面側に配設固定されている。
【0023】
前記ケーシング3のホルダー収容部3aと連なって設けられたロック機構収容部3bには、ウエビング引き出し方向の巻取ドラム14の回転を抑止してウエビングの引き出しを停止させるロック機構5が収容されている。
【0024】
このロック機構5は、従来同様、ハウジング2の一方の通孔2b内周面にその周方向に沿ってノコ歯状に形成されたロック歯2cと、そのロック歯2cの内側で前記巻取ドラム14の一側部に一体的に設けられたロックベース部20と、ロックベース部20の外周面より出没自在に突出して前記ロック歯2cに噛合されるパウル21と、ロックベース部20の外側面側に隣接して巻取ドラム14に対して相対回転可能に取り付けられると共に戻しバネ22によりウエビング引き出し方向に付勢された状態でロックベース部20と同期回転可能に取り付けられ、ロックベース部20との相対回転によりパウル21を突出させるロッククラッチ体6とを備える。従って、ロッククラッチ体6は巻取ドラム14と同行回転すべく連結された構造とされている。また、ロッククラッチ体6には、パウル21に突設された連動ピン21aが嵌合状とされて摺動案内されるガイド溝6aが形成されており、ロックベース部20とロッククラッチ体6との相対回転により連動ピン21aがガイド溝6aに沿って摺動案内され、この摺動案内によりパウル21がロックベース部20の外周面より出没自在に突出して側板2aのロック歯2cに噛合する構造とされている。
【0025】
前記ロッククラッチ体6の外周部には、外周面にラチェット歯7aが形成された筒状のラチェットホイール7が一体に備えられている。そして、このラチェットホイール7の回転が阻止されることにより、ロッククラッチ体6の回転を阻止し、ひいては巻取ドラム14のウエビング引き出し方向の回転を阻止して、ウエビングの引き出しを停止させる構造とされている。
【0026】
また、ロッククラッチ体6にはロックアーム8が揺動自在に支持されており、このロックアーム8の揺動により、ロックアーム8の係止爪部8aが、ケーシング3におけるロック機構収容部3bの内面側に筒状に突設された係止筒部3cの係止歯部3dに、係脱自在に係止されることによってもロッククラッチ体6の回転が阻止されるように構成されている。なお、図7において、23はロックアーム8の不用意な揺動を規制するセンサーバネ、24はウエビングが係止されるロックピン、25はプロテクタ、26はキャップである。
【0027】
前記緊急ロック起動装置4は、上面開放で、底面に下方向に凹面状となる凹状部10aを有する箱形の樹脂成形体からなるホルダー10と、ホルダー10の凹状部10aに載置状に配置されると共に所定値を超える加速度に反応して揺動する慣性質量体としてのスチール材等からなる球状のセンサーウエイト11と、ホルダー10に回転可能に支承された適宜弾性を有する樹脂成形体からなるセンサーレバー12とを備えている。
【0028】
センサーレバー12は、その上部における一方の端部に両側方に突出状となる軸部12aがそれぞれ設けられている。そして、ホルダー10の一方の端部における両側部にそれぞれ上方突出状に形成された支持壁部10bの各支持孔10cに、センサーレバー12の前記各軸部12aがそれぞれ嵌合され、ここに、センサーレバー12はホルダー10に前記軸部12a回りに回転可能に支承された構造とされている。
【0029】
また、センサーレバー12における前記軸部12aよりもさらに端縁寄りには、回転規制片12bが下向きに延設されており、センサーレバー12の軸部12a回りの回転により、ホルダー10の側壁面10dに当接して、センサーレバー12の回動範囲を規制し、ホルダー10とセンサーレバー12との相互間の隙間からセンサーウエイト11が離脱しないように構成されている。
【0030】
さらに、センサーレバー12の他方の端部は、下向きに所定長さ延設されたアーム部12cを備え、そのアーム部12cの下端部は、前記ラチェットホイール7のラチェット歯7aに係脱自在に噛合される噛合歯としてのロック爪12dとされている。
【0031】
また、センサーレバー12には、凹状部10aに配置されたセンサーウエイト11の上部を覆うべく、いわゆる椀状の上カバー部12eが備えられた構造とされている。
【0032】
そして、凹状部10aに載置状に配置されたセンサーウエイト11とその周囲を囲繞するホルダー10の周壁部10eとは、周方向全周にわたって適宜隙間を有しており、所定値を越える加速度によりセンサーウエイト11が凹状部10aより移動してその隙間の範囲で揺動可能に構成されている。そして、このセンサーウエイト11の揺動により上カバー部12eはセンサーウエイト11により押し上げられ、ここに、センサーレバー12は軸部12a回りにアーム部12c側を上方に押動させる構造とされている。
【0033】
また、ケーシング3のホルダー収容部3aには互いに対向する装着溝3eが形成されており、ホルダー10の下面に設けられたスライド脚部10fを装着溝3eに対して側方より摺動嵌合させることにより、ホルダー収容部3aに緊急ロック起動装置4が収容保持される構造とされている。さらに、ホルダー10の支持壁部10bの上端部には、ホルダー収容部3aの周縁部に当接して緊急ロック起動装置4の嵌合位置を規制するストッパ部10gが突設されており、ホルダー収容部3aには緊急ロック起動装置4の嵌合状態で緊急ロック起動装置4の側面を覆う蓋部3fが開閉操作自在に備えられている。
【0034】
そして、ホルダー収容部3aに緊急ロック起動装置4が嵌合された後、蓋部3fを閉じた状態として、ハウジング2の一側面に装着される構造とされている。この装着状態で所定値を越える加速度が作用すると、センサーウエイト11が凹状部10aより移動して図5に仮想線で示されるように、センサーレバー12を上方に押動させ、図3や図4に示されるように、センサーウエイト11の移動によって押動されたセンサーレバー12のロック爪12dが、ラチェットホイール7のラチェット歯7aに係脱自在に噛合する構造とされている。
【0035】
また、センサーレバー12におけるアーム部12cの長さ方向中間部には、ロック機構収容部3b側に張り出された段部12fが形成され、ケーシング3には、この段部12fやアーム部12cの上面部に接離自在に当接して、センサーレバー12のラチェットホイール7に対する噛合方向の回動範囲を適宜規制すべく回動ストッパー部3g、3hが張り出し状に備えられている。
【0036】
そして特に本実施形態においては、段部12fの上面には、1条の当接リブ12gが段部12fの張り出し方向に沿って一体に形成されている。従って、図3や図4に示されるように、センサーレバー12の回転により当接リブ12gが回動ストッパー部3gに接離自在に当接することにより、センサーレバー12のラチェットホイール7に対する噛合方向の回動が規制される構造とされている。
【0037】
また、この当接リブ12gが回動ストッパー部3gに当接した状態では、図4に示されるように、センサーレバー12のロック爪12dがラチェットホイール7のラチェット歯7aにおける歯先と歯元との略中間部位置まで回転されるように構成されている。
【0038】
そして、車両の衝突や急ブレーキ等の緊急時における急激な加速度の変化が発生した場合には、その加速度の変化に反応して凹状部10a上よりセンサーウエイト11が揺動して移動し、このセンサーウエイト11の移動に伴ってセンサーレバー12がセンサーウエイト11により上方に押動され、センサーレバー12は軸部12a回りに回転される。
【0039】
このセンサーレバー12の回転によりそのロック爪12dがラチェットホイール7のラチェット歯7aに噛合されると、ロッククラッチ体6の回転が停止されるため、ウエビングに引き出し方向の負荷が作用すれば、戻しバネ22の付勢力に抗してロックベース部20がウエビングの引き出し方向に相対的に回転する。
【0040】
このロックベース部20の回転に伴って、ロックベース部20に保持されたパウル21の連動ピン21aが、ガイド溝6a内を摺動移動する。この摺動移動に伴って、パウル21はロックベース部20より径方向外方に突出移動され、ハウジング2の側板2aに形成されたロック歯2cに噛合し、その後のロックベース部20、即ち巻取ドラム14の回転が阻止され、ウエビングの引き出しが停止され、ここに、ロック機構5が作動した状態が得られる。
【0041】
また、急激な加速度の変化が解除されると、センサーウエイト11は重力作用により、ホルダー10のもとの安息位置である凹状部10a上中央に戻され、これに伴ってセンサーレバー12も回転して初期位置に戻され、ウエビングの引き出しや巻き取りが可能な初期状態に復帰する。
【0042】
一方、ウエビングに作用する引き出し方向の負荷も解除されるため、前記戻しバネ22の付勢力等によりロッククラッチ体6はロックベース部20に対して相対回転され、この回転によりガイド溝6a内の連動ピン21aは初期位置に戻され、ここに、パウル21は埋没状態に戻され、パウル21とロック歯2cとの噛合が解除される。そして、ウエビングの引き出しや巻き取りが可能な初期状態に復帰する。
【0043】
本実施形態は以上のように構成されており、センサーレバー12の軸部12a回りの回動範囲を単に、ケーシング3の回動ストッパー部3gで規制するだけでなく、センサーレバー12のアーム部12cに設けられた段部12fにさらに当接リブ12gを設ける構造としているため、当接リブ12gによってセンサーレバー12とケーシング3との相互間の隙間や相互間の接触面積が小さくなり、通常走行時における振動等によるセンサーレバー12の揺動により、センサーレバー12がケーシング側に衝突しても異音の発生を有効に抑制することができ、ノイズの軽減が図れる。
【0044】
また、センサーレバー12のロック爪12dとラチェットホイール7のラチェット歯7aとが互いに当接して噛合する位置までは、当接リブ12gは回動ストッパー部3gに干渉しないため、ロック機構5の起動を確実に確保できる利点もある。
【0045】
さらに、本実施形態においては、センサーレバー12は弾性変形可能な樹脂成形体からなるため、センサーレバー12のロック爪12dの歯先とラチェットホイール7のラチェット歯7aの歯先とが互いに当接した後に、当接リブ12gが弾性変形することで、センサーレバー12におけるロック爪12dの歯先がラチェットホイール7におけるラチェット歯7aの歯元まで移動することで噛合がより確実となり、ここに、ロック機構5の起動をより安定して得ることができる。
【0046】
しかも、当接リブ12gが弾性変形可能であることから、回動ストッパー部3gと当接リブ12gとの衝突も緩衝でき、この点からも異音の発生を抑制して、ノイズの軽減が図れる利点がある。
【0047】
また、当接リブ12gをセンサーレバー12側に設ける構造としているため、ケーシング3の回動ストッパー部3g側に当接リブを設ける場合と比較して、容易に製造できるという利点がある。
【0048】
さらには、センサーレバー12に当接リブ12gを突出状に設けた簡単な構造であり、この点からも容易に製造できる利点がある。
【0049】
図8は第2の実施形態を示しており、第1の実施形態と同様構成部分は同一符号を付し、その説明を省略する。
【0050】
即ち、本実施形態においては、アーム部12cの上面部に、対向するケーシング3の回動ストッパー部3hに接離自在に当接する1条の当接リブ12hが図7の紙面に対して前後方向に沿って一体に形成された構造とされている。そして、その他の構造は第1の実施形態と同様に構成されている。
【0051】
従って、本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0052】
なお、上記各実施形態においては、当接リブ12g、12hがセンサーレバー12側に設けられた構造を示しているが、対向するケーシング3の回動ストッパー部3g、3h側に当接リブを設ける構造としてもよく、さらにはセンサーレバー12とケーシング3との双方に当接リブを設ける構造としてもよい。また、設けられる当接リブ12g、12hの数も単一に何ら限定されない。
【0053】
さらに、巻取ドラム14の一側部にロックベース部20を一体的に備えた構造を示しているが、特許文献1にも開示のように、ロックベース部20を巻取ドラム14と別体構造とし、互いに同行回転可能に連結する構造であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるリトラクターの要部分解斜視図である。
【図2】同緊急ロック起動装置の分解斜視図である。
【図3】リトラクターの部分断面側面図である。
【図4】同要部拡大図である。
【図5】緊急ロック起動装置の側面図である。
【図6】図5のVI−VI線矢視図である。
【図7】リトラクターの分解斜視図である。
【図8】第2の実施形態を示す要部拡大図である。
【符号の説明】
【0055】
1 シートベルト用リトラクター
2 ハウジング
3 ケーシング
3a ホルダー収容部
3b ロック機構収容部
4 緊急ロック起動装置
5 ロック機構
6 ロッククラッチ体
7 ラチェットホイール
7a ラチェット歯
10 ホルダー
10a 凹状部
11 センサーウエイト
12 センサーレバー
12d ロック爪
12g 当接リブ
12h 当接リブ
14 巻取ドラム
20 ロックベース部
21 パウル




 

 


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