米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 車両 -> 芦森工業株式会社

発明の名称 エアバッグ装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−15542(P2007−15542A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−198743(P2005−198743)
出願日 平成17年7月7日(2005.7.7)
代理人 【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
発明者 嶋▲崎▼ 善夫 / 嘉村 誠一郎 / 佐々木 航 / 谷山 裕之
要約 課題
エアバッグの組み付け作業時に保持部材がエアバッグの外周部及び周縁部をしっかりと保持して、その組み付け作業時間を低減するエアバッグ装置を提供すること。

解決手段
エアバッグ10を折り畳み収納状態に保持しエアバッグ10の外周側面を押さえて、少なくともエアバッグ10の展開初期にインフレーター30から発生するガスによるエアバッグ側面方向の膨張展開を抑制するための保持部材14と、インフレーター30から発生するガスを、エアバッグ10の展開初期に膨張する部分の近傍まで整流して案内するガス整流部材12′とからなるエアバッグ装置において、前記保持部材14が織布よりなり、該織布の前記エアバッグ10の展開初期に膨張する部分に対応する箇所に、前記インフレーター30から発生するガス圧により破断する破断予定部14kを備えることを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
インフレーターと、インフレーターと連通しインフレーターから発生するガスにより膨張するエアバッグと、エアバッグを折り畳み収納状態に保持しエアバッグの外周側面を押さえて、少なくともエアバッグの展開初期にインフレーターから発生するガスによるエアバッグ側面方向の膨張展開を抑制するための保持部材と、インフレーターから発生するガスを、エアバッグの展開初期に膨張する部分の近傍まで整流して案内するガス整流部材とからなるエアバッグ装置において、
前記保持部材が織布よりなり、該織布の前記エアバッグの展開初期に膨張する部分に対応する箇所に、前記インフレーターから発生するガス圧により破断する破断予定部を形成することを特徴とするエアバッグ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエアバッグ装置において、
前記エアバッグの展開初期に膨張する部分が前記ガス整流部材により案内されたガスにより膨張展開することを特徴とするエアバッグ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のエアバッグ装置において、
前記破断予定部がミシン目で形成されることを特徴とするエアバッグ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のエアバッグ装置において、
前記保持部材の前記破断予定部の先端に破断停止部を形成することを特徴とするエアバッグ装置。
【請求項5】
請求項4に記載のエアバッグ装置において、
前記破断予定部が前記織布の中心から放射状に形成されていることを特徴とするエアバッグ装置。
【請求項6】
請求項5に記載のエアバッグ装置において、
前記破断停止部が前記織布の中心から同円周上に形成されていることを特徴とするエアバッグ装置。
【請求項7】
請求項1乃至3の何れかに記載のエアバッグ装置において、
前記保持部材の略中心に固定具の孔を有することを特徴とするエアバッグ装置。
【請求項8】
請求項7に記載のエアバッグ装置において、
前記保持部材の破断予定部の大きさがエアバッグ装置の略中央部に設けられた装飾部材の直径より大きいことを特徴とするエアバッグ装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のエアバッグ装置に関するものであり、詳細にはエアバッグを保持する保持部材に関する。
【背景技術】
【0002】
ステアリング装置の中央部分に配置されたエアバッグ装置として、そのエアバッグ装置の中央部分に装飾用部材と、その外周には裏面にティアラインが形成されたエアバッグカバーと、該エアバッグカバー内に折り畳まれたエアバッグを保持し、その略中央にエアバッグの膨張展開を容易にする開口部が形成された保持部材とが収納されている、本出願人が先に出願した特願2005−168867の先願発明がある。
【0003】
図17は前記先願発明であるエアバッグ装置のステアリングホイールの正面図であり、図18は図17のI−I部位の横断面図である。エアバッグ装置MRは、図17及び18に示すように車両のステアリングホイール中央部に組込まれるものであり、装飾用部材40、エアバッグ10、及びエアバッグカバー16を備えている。なお、本明細書においては便宜上乗員側を表側、この反対側を裏側という。
このエアバッグ装置MRは、車両のステアリングホイール50Rの中央部に組込まれるものであり、装飾用部材40R、エアバッグ10R、及びエアバッグカバー16Rを備えている。
【0004】
このエアバッグ10Rはエアバッグ本体部10Raとその本体部10Raの延び出し長さを規制する筒状のテザーベルト11Raからなるが、乗員側方向に蛇腹状に折り畳まれた状態でエアバッグカバー16R内に収納されている。そして、エアバッグ10Rは、エアバッグ10Rの外周側面を押さえてエアバッグ側面方向の膨張展開を抑制するように保持部材14Rで覆われている。また、エアバッグ本体部10Raと保持部材14Rとは、このエアバッグ10R内に挿入されたクッションリング22Rによりベースプレート24Rに固定されている。また、エアバッグカバー16Rはこれらを覆うようにしてベースプレート24Rに固定されている。
【0005】
一方、筒状のテザーベルト11Raの端部はエアバッグカバー16Rの乗員側面に形成された凹部16Raの背面側に位置して、前記装飾部材40Rの裏面側に突出した取付ボルト40Raを連結部材20Rにナットで固定することにより、これらの部材間に挟持されている。折り畳まれたエアバッグ10Rを保持する保持部材14Rは、その中央部に円形の開口部14Rhを備えており(図19参照)、その開口部14Rh中に前記40Rの筒状外周部が挿入された状態でエアバッグカバー16Rに収納されている。また、連結部材20Rの端部は前記クッションリング22Rとベースプレート24Rとの間に挟持されて、ベースプレート24Rに対して固定されている。なお、後に詳説するが、符号12R´はガス整流部材である。
【0006】
図19は前記保持部材14Rの展開図である。この保持部材14Rの中央部にはエアバッグが膨張展開をし易くするための開口部14Rhが形成されている。
この保持部材14Rは織布製で略正方形の形状であり、略正方形の4辺の中心と対角線上の端辺に前記クッションリング22Rのボルト22Rdに係合する8個の孔14Rah、14Rbhが設けられている。保持部材14Rの前記開口部14Rhの直径は、エアバッグカバー16Rの凹部16Ra及び装飾用部材40Rの直径より大きく、折り畳まれたエアバッグがその隙間を通過できるように形成されている。
【0007】
図20は折り畳まれたエアバッグ10Rを保持部材14Rで保持した状態を示す斜視図である。中央の孔は前記取付ボルト40Raに挿通するための筒状テザーベルト11Raの孔11Rahであり、保持部材14Rの開口部14Rh内の筒状テザーベルト11Raが折り畳まれた状態で保持部材14Rに保持されている。保持部材14Rの開口部14Rhの周辺で保持されているエアバッグ部分を周縁部といい、保持部材14Rの外周で保持されているエアバッグ部分を外周部という。この保持部材14Rは、折り畳まれたエアバッグ10Rの外周部と周縁部を保持してエアバッグ10Rの折り畳み状態の崩れを防止するものである。
【0008】
しかし、折り畳まれたエアバッグ10Rを該保持部材14Rで包装する時に、保持部材14Rの開口部14Rhで保持される折り畳まれたエアバッグ10Rの周縁部が、その開口部14Rhで適切に保持されていない場合がある。または、適切に保持されている場合であっても、例えば、エアバッグカバー16Rへこの折り畳まれたエアバッグ10Rを収納する時に、エアバッグ10Rの周縁部がこのエアバッグカバー16Rと接触し、前記折り畳まれたエアバッグ10Rが保持部材14Rの開口部14Rhから外れて収納される場合がある。いったんエアバッグカバー16R内にこの状態で収納されると、保持部材14Rのエアバッグ保持状態を確認できないために、エアバッグ10Rの展開性能に悪影響を及ぼす虞がある。そのために、周縁部が開口部14Rhで保持されるように注意を払いながら包装し、その後、この周縁部が前記エアバッグカバー16Rと接触して開口部14Rhから外れないように注意を払いながらエアバッグカバー16Rに格納しているために、エアバッグ10Rの組み付け作業であるこの包装作業と収納作業に時間がかかっている。
【0009】
もし、このような状態で保持部材14Rに保持されたエアバッグ10Rは、インフレーター30Rの作動時に、折り畳まれたエアバッグ10Rの折り畳み状態が崩れ、ガス吐出孔30Raの孔より上方のエアバッグ部分がエアバッグ展開方向に一気に押し出され、エアバッグカバー16R裏面に設けられたティアラインを破断して、これらのエアバッグ部分が運転席側に大きく飛び出してしまう状況が発生し、展開性能に悪影響を及ぼす。
【特許文献1】特願2005−168867
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記先願発明の問題を解決すべくなされたものであって、その目的は、エアバッグの組み付け作業時に保持部材がエアバッグの外周部及び周縁部をしっかりと保持して、その組み付け作業時間を低減するエアバッグ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を達成するために、請求項1の発明は、インフレーターと、インフレーターと連通しインフレーターから発生するガスにより膨張するエアバッグと、エアバッグを折り畳み収納状態に保持しエアバッグの外周側面を押さえて、少なくともエアバッグの展開初期にインフレーターから発生するガスによるエアバッグ側面方向の膨張展開を抑制するための保持部材と、インフレーターから発生するガスを、エアバッグの展開初期に膨張する部分の近傍まで整流して案内するガス整流部材とからなるエアバッグ装置において、前記保持部材が織布よりなり、該織布の前記エアバッグの展開初期に膨張する部分に対応する箇所に、前記インフレーターから発生するガス圧により破断する破断予定部を形成することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のエアバッグ装置において、前記エアバッグの展開初期に膨張する部分が前記ガス整流部材により案内されたガスにより膨張展開することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のエアバッグ装置において、前記破断予定部がミシン目で形成されることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載のエアバッグ装置において、前記保持部材の前記破断予定部の先端に破断停止部を形成することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4に記載のエアバッグ装置において、前記破断予定部が前記織布の中心から放射状に形成されていることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5に記載のエアバッグ装置において、前記破断停止部が前記織布の中心から同円周上に形成されていることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載のエアバッグ装置において、前記保持部材の略中心に固定具の孔を有することを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項7に記載のエアバッグ装置において、前記保持部材の破断予定部の大きさがエアバッグ装置の略中央部に設けられた装飾部材の直径より大きいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
保持部材がミシン目からなる破断予定部を有することにより、エアバッグの組み付け作業時に保持部材がエアバッグの外周部及び周縁部をしっかりと保持することができ、エアバッグの折り畳み状態が崩れることがなく、また、エアバッグをエアバッグカバーに組み付ける作業時間が低減でき、更に、エアバッグの展開初期時に容易に保持部材が破断してエアバッグがスムーズに展開できる。
そして、前記保持部材が破断停止部を有するので、エアバッグの展開初期時に破断予定部が破断した際、この破断予定部のミシン目が更に延びて保護部材を切断するのを防ぐことができ、また、前記展開初期にエアバッグの膨張する部分が容易に展開できる。
更に、破断予定部のミシン目のつなぎ目が4辺の中心にある孔にボルトを係合するために引っ張る位置にあるので、4箇所の係合状態が均衡して保たれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本実施形態の保持部材を用いるエアバッグ装置について添付図面を参照して説明する。図1はエアバッグ装置Mの横断面図である。このエアバッグ装置Mは、先願発明のエアバッグ装置MRと同様に車両のステアリングホイール中央部に組込まれるものであり、装飾用部材40、エアバッグ10、及びエアバッグカバー16等を備えており、エアバッグカバー16にはエアバッグ本体部10aとその本体部10aの延び出し長さを規制する筒状のテザーベルト11aからなるエアバッグ10が、乗員側方向に蛇腹状に折り畳まれた状態でエアバッグカバー16内に収納されている。そして、エアバッグ10は、エアバッグ10の外周側面を押さえてエアバッグ側面方向の膨張展開を抑制するように、保持部材14で覆われている。
【0014】
先願発明のエアバッグ装置MRの保持部材14Rがその中央部に開口部を備えるに対して、本発明のエアバッグ装置Mの保持部材は、その中央部にガス圧により破断する破断予定部を備える点が相違するだけで、他のエアバッグ装置の部材及びその配置は同じである。即ち、先願発明の保持部材14Rがその開口部にエアバッグカバー凹部16a及び装飾用部材40の一部が挿入されているのに対して(図18参照)、本発明の保持部材14は、図1に示すように、折り畳まれたエアバッグ10を包んだ状態で前記エアバッグカバー凹部16aと連結部材20との間に挟持されている。
【0015】
以下に前記ベースプレート24、連結部材20及びクッションリング22の構造について説明する。
図2は図1に示すベースプレート24の裏面を示す斜視図である。ベースプレート24は、略円板状に形成されており、その中央部にインフレ一夕を嵌装可能な孔24hが形成されると共に、4個のエアバッグカバー用取付片24aとベースプレート24自体の取り付けのための一対の取付片24bが前記円板面から切り起こし形成されている。このベースプレート24は、インフレーター30、エアバッグ10及び前述した装飾用部材40を一体的に固定し、且つ前記一対の取付片24bは、ステアリングホイールに固定するためのものである。
【0016】
前記インフレーター30は、概略厚円板状に形成されており、所定の衝撃検知時にガスを吐出可能なように構成されている。このインフレーター30のガス吐出孔30aが形成されたインフレーター上方部分がベースプレート24の孔24hを貫通し、かつ、インフレーター30の厚さ方向略中間部に形成されたフランジ部をベースプレート24裏面側に密接させるようにして、ベースプレート24の取付孔24cを介して、クッションリング22と共に固定される。即ち、インフレーター30のガス吐出孔30aがベースプレート24の表側に突出配置された状態で固定され、該インフレーター30からの吐出ガスが、ベースプレート24の表側で吐出されるようになっている。
【0017】
図3は図1に示す連結部材20の斜視図である。連結部材20は、取付ボルト40aが嵌合する孔20ahを備えた中央部20aと、その両側にこれと略直角に折曲形成された脚部20bと、更に脚部20bに略直角に折曲形成された取付足20cとからなる板状の金属片で構成されている。また、該取付足20cには、後述するクッションリング22の取付孔22a及びベースプレート24の取付孔24cに対応した取付孔20eが形成されており、クッションリング22に形成されたボルト22dによって共締めされるようになっている。
【0018】
図4Aは図1に示すクッションリング22の正面図、図4Bはその一部を断面で示した側面図を示す。クッションリング22は、図4Aに示すように略矩形状をなし、その中央部にはインフレーター30の挿入孔22hが設けられ、且つこの挿入孔22hの周りの各隅部にはクッションリング22をベースプレート24に取り付けるためのボルト22dがその裏面側に設けられている。また、クッションリング22の裏面は、ベースプレート24の表面側にエアバッグ10を介して当接可能な当接面22bを構成すると共に、この当接面22bには、その側面図である図5Bから明らかなように、例えば絞り加工で形成された凹状部22cが形成されている。この凹状部22cの絞りは、クッションリング22を連結部材20に連結したとき、この連結部材20の取付足20cの厚さに略等しい深さに形成されている。
【0019】
図5A及び5Bを参照してエアバッグ10を説明する。
図5Aは膨張状態のエアバッグ10内部を示す透視斜視図であり、図6Bは同エアバッグ10の非膨張状態を示す斜視図である。尚、簡易化のため筒状テザーベルト11a内の40等、そして、該装飾部材40と結合されたインフレーター30等は図示していない。エアバッグ本体部10aは、2枚の略円形状の布の外周縁部同士を縫い合わせることにより扁平な球状(楕円体状)に展開可能な袋状に形成されている。エアバッグ本体部10aの表側の略中央部には、エアバッグカバー16の凹部16aが挿入される円形状の切欠部10hが、そして、その裏側の略中央部には、インフレーターと連通して発生するガスをエアバッグ内部へ導入するためのインフレーター取付口10ahが形成されると共に、そのインフレーター取付口10ahの周辺部10dにクッションプレート22のボルト22d(図5B参照)を通すための4個の小孔10bが形成されている。
【0020】
このエアバッグ10のインフレーター取付口10ah周縁には、インフレーターの発生する熱や衝撃的な圧力からエアバッグを保護する保護部材12がこの周辺部10dに重ねられて縫合されている。本実施形態においては、この保護部材12をガスの流出方向を整流して、エアバッグの展開初期に膨張する部分(保持部材14の円形の破断予定部から展開するエアバッグ部分)の近傍までガスを案内する機能を有するガス整流部材としても使用している。
【0021】
図5Aに示すように、保護部材12は例えば織布製で、その形状は中心が中空の同心円形で、その中空の内周の直径は、インフレーター取付口10ahの内周の直径と同じであり、その外周の直径は、例えば内周の直径の3倍以上の大きさで作成されている。この保護部材12を前記インフレーター取付口10ahへ取り付ける際には、前記保護部材12の内周縁を前記インフレーター取付口10ahの周縁と合わせて周辺部10dの外周部10d′及びその同心円の外周部12a′と共に縫合する。この保護部材12は、熱やガス圧の衝撃を保護する保護部材とエアバッグ10の折り畳み収納後にガスを整流する整流部材としての機能を有している。なお、この保護部材12は1枚でもよいが、2枚以上であってもよいし、ガス整流部材はこれらの保護部材12の1枚又は複数枚を利用してもよい。
【0022】
エアバッグ10は、エアバッグ本体10aとエアバッグ10の延び出し長さを規制する筒状テザーベルト11aから構成されており、該エアバッグ本体10aは2枚の略円形状の基布(表面部分の基布と背面部分の基布)の外周縁部同士を縫い合わせて縫製部10cを設け、縫製したエアバッグの内外面を反転することにより扁平な球状(楕円体状)に展開可能な袋状に形成される。
【0023】
図5Bから分かるように、2枚の略円形状の基布の大きさは略同じである。そして、エアバッグ10は、図5Aのエアバッグの延び出し方向(図中上方)にほぼ全長を伸ばした状態から、上下に圧縮するように蛇腹状に折り畳まれてエアバッグカバー16内に収納されている。このときエアバッグ本体10aだけでなく筒状テザーベルト11aもその筒長方向に蛇腹状に折り畳まれる。なお、前記ほぼ全長を伸ばした状態において、前記筒状テザーベルト11aの長さは、前記表面部分の基布のエアバッグ本体10aの長さ及び背面部分の基布のエアバッグ本体10aの長さに略等しい。
【0024】
次に、上述したエアバッグ10が図5Aのエアバッグの延び出し方向(図中上方)にほぼ全長を伸ばした状態から、上下に圧縮するように蛇腹状に折り畳む方法について以下に説明する。このエアバッグ10を折り畳むのにはエアバッグ折り畳み機を用いて行う。図6A乃至6Gはそのエアバッグ折り畳み機を用いてエアバッグを折り畳む操作手順を示す概念図であり、その概念図を用いてエアバッグの折り畳みの操作手順を説明する。
【0025】
このエアバッグ折り畳み機60は、図6Aに示すように、円柱状の筒状テザーベルト11aを支持する支持具62及びそれと同軸でかつ外側にエアバッグ10を収納する外筒シリンダ63を有するテーブル61と、前記支持具62の垂直上方位置に該支持具62と等しい外径を有し、テザーベルト11aの上端を支持具62との間に挟持する円柱状の挟持具64(図6C参照)を支持する支持部(図示せず)とから成っている。前記支持具62の外径はクッションリング22の挿入孔22hの内径より小さいので、後述するように前記支持具62が前記挿入孔22hを挿通して上昇することができる。
【0026】
エアバッグ10は、エアバッグ10の周辺部10d(図5A参照)に形成された4個の小孔10bに、図6Aに示すようにクッションリング22のボルト22dが挿通されていて、そのボルト22dを前記テーブル61の支持具62の外周上端面に設けられた4個の孔に係合して固定し、前記挿入孔22hを挿通して上昇した支持具62の頭部が筒状テザーベルト11aの筒中に挿入された状態で、その外方にはエアバッグ本体10aが平らな状態でテーブル61上に置かれる。
【0027】
図6Bに示すように、図6Aに示した支持具62の頭部がクッションリング22の挿入孔22hを挿通して筒状テザーベルト11aの筒中に挿入された状態から、さらに該筒状テザーベルト11aの下端を押し上げると、エアバッグ本体10aも追随して押し上げられる。
【0028】
既述したように、前記筒状テザーベルト11aの長さは、エアバッグ本体10aの長さの略半分に等しいので、支持具62はテーブル61から該筒状テザーベルト11aの長さの最大限約3倍の高さの位置まで上昇してその位置で停止して、この支持具62の先端部にある凸部に前記筒状テザーベルト取付孔11ahを手作業で挿通して、筒状テザーベルト11aを位置決めする。
【0029】
図6Cに示すように、挟持具64が下降して前記位置合わせされた筒状テザーベルト11aを該支持具62及び挟持具64で挟持し、その挟持状態を維持して支持具及び挟持具62、63が下降する。図6Dに示すように、支持具62及び挟持具64が筒状テザーベルト11aの半分の長さの位置まで下降したところで動作を停止して、図6Dに示すように、手作業で外側のエアバッグ本体10aを上方向に引っ張り上げる。これにより、筒状テザーベルト11aがその略中間の位置で折り畳まれる。
【0030】
図6Eに示すように、テーブル61から外筒シリンダ63が前述の筒状テザーベルト11aの上端の挟持位置まで上昇して、エアバッグ10を外筒シリンダ63と支持具62との間に収納する。図6Fに示すように、その位置で外筒シリンダ63の左右方向から左右対称で半円形の穴を有する2枚のプレート65が外筒シリンダ63の上端を左右方向から摺動して挟持具64の下端部に設けられた嵌合溝(図示せず)に嵌合する。
【0031】
図6Gに示すように、この状態で支持具62、挟持具64及び外筒シリンダ63を同時に下降することにより、折り畳まれた筒状テザーベルト11aは自身が重なった状態でエアバッグ本体10aと一緒に圧縮されながら蛇腹状に折り畳まれる。エアバッグ10の圧縮が終了する(図H参照)と、前記プレート65を取り除いた後に、支持具62、挟持具64及び外筒シリンダ63が同時に元の位置に戻りエアバッグ10の折り畳み作業を終了する。
【0032】
なお、エアバッグ10の全長を伸ばした状態において、筒状テザーベルト11aの長さをエアバッグ本体10aの長さの略半分に等しいものとして、エアバッグ10の長さを説明したが、本発明はこの長さに限定されるものではなく、前記支持具62の停止する位置、支持具62及び挟持具64が下降して停止する位置は、エアバッグ10の長さに応じてその位置が決定されるものである。
【0033】
図7Aは本発明の第1実施形態である保持部材14のエアバッグ10を覆う前の展開図である。この保持部材14は織布製で略正方形の形状であり、その中央には円形の取付ボルト挿入孔14hhが設けられ、略正方形の4辺の中心と対角線上の端辺に前記クッションリング22のボルト22dに係合する8個の孔14ah、14bhが設けられている。保持部材14の前記取付ボルト挿入孔14hhは、後で詳細に説明するが、保持部材14で覆われたエアバッグ10をエアバックカバー16に収納する際に、図2に示した取付ボルト40aに挿通するための孔である。符号14hは、保持部材に設けられたミシン目からなる略円形の破断予定部であり、エアバッグ10の展開初期時に破断を容易にするためのものであり、その破断予定部の大きさは、エアバッグカバー16の凹部16aの直径より大きければよい。前記略円形の破断予定部のミシン目は切れ目が長くつなぎ目が短く、そのつなぎ目はその略円形上の4等分された位置に形成されている。
なお、前記破断予定部の大きさは、装飾部材40の直径より大きければ、エアバッグ10の展開初期時に折り畳まれたテザーベルト11aが前記装飾部材40に接触することがなく、スムーズに展開することができる。
【0034】
図7Bはエアバッグ10を覆う前の保持部材14と、既述したエアバッグ折り畳み機60で折り畳まれたエアバッグ10の裏側の斜視図である。折り畳まれたエアバッグ10から突出するクッションリング22のボルト22dに前記保持部材14の4辺の中心にある4個の小孔14ahを係合する。その後に対角線上に位置する孔14bhを対向する2カ所のボルト22dに全て係合する。その係合の際に、破断予定部14hのミシン目のつなぎ目が前記4辺の中心にある孔14ahに前記ボルト22dを係合するために引っ張る位置にあるので、4箇所の係合状態が均衡して保たれる。
【0035】
図7Cは折り畳まれたエアバッグ10を保持部材14で覆った状態を示す斜視図である。エアバッグ10を保持部材14で覆う際には、図6Aに示した前記筒状テザーベルト取付孔11ahが保持部材14の取付ボルト挿入孔14hhと重なるようにしてエアバッグ10を覆う。エアバッグ10が破断予定部14h内の保護部材14により完全に覆われている。
【0036】
図7Dは図7Cの保持部材14で覆ったエアバッグ10の裏面図である。保護部材12は折り畳まれたエアバッグ10の内部に蛇腹状に入り込んでいるので、これらを一旦引き出して図7D(若しくは図1)のように折り畳まれたエアバッグ10の内周に沿うように配置してある。このように配置することにより、保護部材12はガス整流部材としての機能を発揮する。以下、前記一旦引き出して図7D(若しくは図1)のように折り畳まれたエアバッグ10の内周に沿うように配置した保護部材12をガス整流部材12′と呼ぶ。そして、前記保持部材14で覆うことにより前記挿入孔14hhと重ねられた前記筒状テザーベルト取付孔11ahが、インフレーター取付口10ahの略中心、換言すれば、エアバッグの展開初期に膨張する部分の近傍まで形成されたガス整流部材12′の略中央に配置される。既述した前記インフレーター取付口10ahに取り付けられたガス整流部材12′は、図7Dに示すように、折り畳まれて保持部材14で保持された状態では、表面が幾重にも折り畳まれた襞12aが形成される。
【0037】
一方、上記保持部材14で保持されたエアバッグ10がエアバッグカバー16に収納された状態では、図1に示すように、前記ガス整流部材12′は、エアバッグ10のインフレーター取付口10ahを挟持するクッションリング22から、エアバッグの展開初期に膨張する部分である折り畳まれた筒状テザーベルト11aの先端の近傍まで、エアバッグ10の内壁に沿うように表側方向に延出している。この状態の前記ガス整流部材12′の形状は筒状である。このガス整流部材12′は、このように、幾重にも折り畳まれた襞12aが表面に形成されているので、エアバッグ10のインフレーター取付口10ahの周辺の熱やガス圧の衝撃を保護する保護部材として大きな効果を有し、さらに、その形状が筒状であるので、ガスを整流する整流部材としての機能を有している。
【0038】
エアバッグ10の裏側からは折り畳み時に挿入しておいたクッションリング22のボルト22dが、インフレーター取付部周縁から突出した状態になっている。上記した保持部材14の構造によりエアバッグ10を覆うことで、エアバッグ10の外周側面が押さえつけられるので、エアバッグ10の展開初期にインフレーターから発生するガスによるエアバッグ10側面方向の膨張展開を抑制することができる。
【0039】
上記実施形態では、パイロ式のインフレーターを用いたホーンスイッチ付きエアバッグ装置M1の保持部材14を説明したが、次に、パイロ式、ハイブリッド、ストーアード式のインフレーターを用いたエアバッグ装置の保持部材を説明する。
【0040】
図8は第2実施形態の保持部材の展開図である。図8Aの保持部材14Aは、第1実施形態の保持部材14と同様に織布製で略正方形の形状であり、符号14Ahは、保持部材14Aに設けられたミシン目からなる略円形の一部からなる破断停止部であり、その略円形の中心から前記4辺の中心にある孔に向かって上下左右に十字形のミシン目からなる破断予定部14Akが形成されている。
【0041】
このミシン目は切れ目及びつなぎ目の長さが略同一の短いものが形成されている。前記円形の一部からなる破断停止部14Ahは、エアバッグの展開初期時に破断予定部14Akが破断した際、この破断予定部14Akの十字型ミシン目が更に延びて保護部材14Aを切断するのを防ぐと共に、前記展開初期に膨張する部分が展開を容易にするためのものである。
【0042】
図8Bは第2実施形態の他の保持部材14Bの展開図である。この保持部材14Bは前記保持部材14Aの破断予定部14Ak及び破断停止部14Ahのミシン目部分の数が各々4から倍の8に増えた点を除いて、前記保持部材14Aと同じ形状のものである。このように破断予定部14Akの数が増えることにより、前記展開初期に膨張する部分の展開するスピードが早まる。
【0043】
図9Aは第3実施例の保持部材14Cの展開図である。この保持部材14Cはその中心から上下左右に十字形のミシン目からなる破断予定部14Ckが形成されており、前記保持部材14Aの破断停止部14Ahの代わりに小孔14Chが保持部材14Cに形成されている。この小孔14Chは前記破断停止部14Ahの機能と同様の十字型ミシン目が更に延びて保護部材14Cを切断するのを防ぐためのものである。
【0044】
図9Bは第3実施例の他の保持部材14Dの展開図である。この保持部材14Dは前記保持部材14Cの破断予定部14Ck、破断停止部14Chのミシン目部分の数が各々4から倍の8に増えた点を除いて、前記保持部材14Cと同じ形状のものである。このように破断予定部14Ckの数が増えることにより、前記展開初期に膨張する部分の展開するスピードが早まる。
なお、上記第2及び第3実施形態に係る保持部材の破断予定部の形状を十字型及び8個の放射形状のものとして説明したが、本発明はこの形状に限定されるものではなく、保持部材の中心に対して対応した放射状形状であればよく、その形状はインフレーターの型式、ガス容量等に応じてその形状が決められるものである。
【0045】
図10は前記インフレーター取付口10ahの周辺部10dを保護する周辺保護部材70の展開図である。この周辺保護部材70は織布製でその表面にはシリコンゴムがコーティングされている。該周辺保護部材ス70は略円形の形状であり、その中央にはインフレーター30を挿入する挿入孔70ahが設けられ、その外方円周上に前記ボルトを挿通する4個の孔70bが形成されている。この周辺保護部材70は、クッションリング22の裏側から連結部材20を嵌め込まれ、両部材20、22で挟持し固定される際に、インフレーター取付口10ahの周辺部10dが前記連結部材20のエッジにより損傷するのを防ぐためのものである。
【0046】
なお、上記図7Bで示した、エアバッグ10を保持部材20で覆う手順では、この周辺保護部材70を省略して説明したが、前記4辺の中央にあるボルト22dに係合する保持部材14の孔14ahを前記ボルト22dに係合する前に、前記ボルト22dに前記周辺保護部材70の孔70bを挿通して載置した後に、エアバッグ10を保持部材20で覆う。
【0047】
保護部材12の材質がエアバッグ10と同様に織布製である場合には、既述したようにインフレーター取付口10ahの周辺部10dに所定の幅の布を重ねて縫い合わせた保護部材12を円筒状に配置すればよい。保護部材12の長さは、エアバッグ10の展開初期に膨張する部分の近傍に届く長さが必要であり、例えば折り畳まれた筒状テザーベルト11aの先端に届く長さが望ましい。
【0048】
保護部材12の材質がエアバッグ10の材質と異なる材料、例えば合成樹脂製シートでもよく、ガスを整流する機能を発揮でき、柔軟性のある材質のものであれば使用できる。この場合、エアバッグ10と合成樹脂製シートとを適宜の手段で固着すればよい。保護部材12をエアバッグ10に固着せずに、別体のものとして実施することもできる。別体の場合、合成樹脂製シートに限定されずに金属製のものでもよい。その場合にもインフレーターのガスがエアバッグの展開初期に膨張する部分にのみガスが流れるように整流すればよい。そして、前記クッションリング22のボルト22dに一体的に締結してもよいし完全に別体として取り付けてもよい。またベースプレート24に溶接や深絞りで形成してもよい。
【0049】
その後のエアバッグ装置M1の組み立て作業は上述した作業と同じである。既述したように保護部材12の長さは、エアバッグの展開初期に膨張する部分の近傍に届く長さが必要であり、望ましくは折り畳まれた筒状テザーベルト11aの先端に届く長さが必要である。
【0050】
図11Aはエアバッグカバー16の斜視図である。エアバッグカバー16は、図示のように合成樹脂により略椀状に形成されており、その中央部分に既に述べたように装飾用部材40を収容するための凹部16aを備えている。
このエアバッグカバー16は、その取付片24aを介してベースプレート24にリベットで固定される。なお、エアバッグカバー16の凹部16aに装飾用部材40を取り付けた状態では、図2に示すように、その装飾用部材40の表面は、エアバッグカバー16の表面と略面一状態となる。
【0051】
図11Bはエアバッグカバーの裏面図である。図示のように、このエアバッグカバー16の裏面には、エアバッグ10の膨張展開に際して、連結部材20によって固定された中央の凹部16aを残して割裂可能な溝状のティアライン(Ll〜L4、Lc)が形成されている。即ち、エアバッグカバー16の裏面には、エアバッグの膨張圧力を受けると凹部16aを残して複数個のカバー片16bに分割できるように、凹部16aの周りに円形のティアラインLc、及びこのティアラインLcから放射状に延びた複数、例えば4個のティアランLl〜L4から成る一連のティアラインが設けられている。また、エアバッグカバー16は、エアバッグ10の膨張時に各カバー片16bに分割され、かつ、それぞれが独立に開放できるようにリベットで固定されている。
【0052】
以上の構成において、インフレーター30が作動しエアバッグ10がガス圧により膨張展開すると、その力でエアバッグカバー16が装飾用部材40周りのティアラインL部分で押し割られ、割れたカバー片が椀状の中央の凹部16aを残してそれぞれ外側に開き、前述したように、完全に切り離されてそれぞれが独立して開放する。
【0053】
図12は、開放した状態の各カバー片16bを乗員側からみた図である。図示のように、エアバッグカバー16は、エアバッグ10の展開時に各カバー片16bに分割されることで、エアバッグ10が保持部材14の破断予定部14hを通過した後は側面方向への展開を阻害しないようになっている。尚、簡易化のためエアバッグ等を図示していない。
なお、上記の実施態様では、保持部材14で保持されたエアバッグ10をエアバッグカバー16内に収納している例を示したが、エアバッグ10を保持部材14で保持する代わりに、エアバッグカバー16だけで保持して収納することもできる。この場合には、エアバッグカバー16の側面が図11で示したようにエアバッグ10の展開後に割裂することがなく、図8Aにおいて詳述したように、保持部材14の略円形の破断予定部14hにより形成される開口部のような形状のティアラインをエアバッグカバー16内に形成することにより、保持部材14を用いることなくエアバッグ10をエアバッグカバー16だけで保持して収納することができる。そのエアバッグカバー16内に形成する開口部形状のティアラインは、前記ガス整流部材12′がガスを整流して案内するエアバッグの展開初期に膨張する部分の対向する位置に設ける。
【0054】
ここで、エアバッグ装置M1の組立手順について図2乃至4、図7及び11を参照して説明する。
組立時には、エアバッグカバー16に予めクッションリング22がその内部に収納され保持部材14で包装されたエアバッグ10を、エアバッグカバー16の孔16ahとエアバッグ10の筒状テザーベルト取付孔11ahとの位置を合わせて収納する。そして、連結部材20をその中央部の孔20ahと前記筒状テザーベルト取付孔11ahの位置とが一致するようにエアバッグ10中に挿入すると共に、図8Dで示したエアバッグ10中に挿入されたクッションリング22の凹状部22cから突出しているボルト22dに、連結部材20の孔20eを挿入して取付足20cを前記凹状部22cに嵌め込む。
【0055】
そして、表側から装飾用部材40の取付ボルト40aをエアバッグカバー16の凹部16aの孔16ahに挿通することにより、その孔16ahの位置に合わせて配置されている、前記エアバッグカバー16の孔16ah、エアバッグ10の筒状テザーベルト取付孔11ah及び連結部材20の中央部の孔20ahの各孔を前記取付ボルト40aが挿通する。この取付ボルト40aにナットを螺合させことにより、前記取付ボルト挿入孔14hh及び筒状テザーベルト取付孔11ahが、エアバッグカバー16の凹部16aと連結部材20の中央部20aとの間で挟持固定される。
【0056】
次に、クッションリング22のボルト22dにベースプレート24の孔24cを挿通して両部材22及び24を重ねて、ベースプレート24をエアバッグカバー16に嵌合し、さらにボルト22dにインフレーター30を填め込みボルト22dにナットを螺合させる。これにより前記インフレーター取付口10ah及び保護部材12がクッションリング22と連結部材20との間で挟持固着される。これにより図2に示すエアバッグ装置M1の組立が完了する。
【0057】
このエアバッグ装置M1の展開動作について図13A及びBを参照して説明する。
まず、車両衝突時等による衝撃検知により、インフレーター30が点火されて該インフレーター30でガスが生成され、このガスがエアバッグ10内に導入される。エアバッグカバー16は、エアバッグ10が膨張し始めるとその力を受けて、ティアラインLl〜L4及びLcに沿って、つまり中央の凹部16aを残して割れ、各エアカバー片16bは放射状に拡開する。
【0058】
エアバッグカバー16が割れた後、前記エアバッグ10が膨張し始める初期段階では、図13Aに示すように、エアバッグ10内にガスが導入されると、展開初期に膨張を開始するエアバッグ10の基布の中央部と筒状テザーベルト11aとが縫い合わされた縫製部11cから膨張展開しながら、該筒状テザーベルト11aが前記凹部16aを包み込みながらエアバッグ10の表面部分が乗員側に膨張する。この膨張の際には、該筒状テザーベルト11aが筒長手方向に折り畳まれているので、延び出しの際にほとんど抵抗を受けない。前記縫製部11cから膨張展開するとき、エアバッグ10は保持部材14の破断予定部14hを通過して抵抗を受けながら乗員側に展開する。従って、ある程度の内圧を保持した状態で膨張しながら折り畳み収納状態が途中部分で崩れることが無く、乗員側の表面部分から順に乗員側に展開して行くことになる。
【0059】
ところで、図13Aは、筒状テザーベルト11aがその全長を延ばしきった状態を示している。乗員側に裏面部分の一部が膨張展開しているが、エアバッグ10の2枚の略円形状の布の外周円部同士を縫い合わせた縫製部10cの位置がステアリングホイール50の近傍にあり、裏面部分の他の部分は保持部材14の中にまだ収納されている。エアバッグがある程度膨張した後は、図13Bに示すように、前記縫製部10cの位置が右から左に移動して筒状テザーベルト11aの中心線のほぼ中央に移動して、扁平な球状形状になり膨張展開を完了する。符号12′はガス整流部材である。
【0060】
このように筒状テザーベルト11aが全長延び出して停止するのに伴い、エアバッグ10の乗員側への展開が停止するような挙動を示すのは、割裂の力を得るためにエアバッグカバー16内でエアバッグ内圧が一時的に大きくなって、エアバッグカバー16の割裂直後に、その内圧により前述した筒状テザーベルト11aが急速に延び出し、この動きに連れてエアバッグ10が延び出すが、展開と同時にエアバッグ10の容積は急激に増大するため内圧は急速に低下する。その際、その慣性力でエアバッグ10自体は延び出そうとするが、筒状テザーベルト11aの延び出しの停止と保持部材14の抵抗により、十分に内圧が上昇するまで、エアバッグ10が乗員側へ展開するのを停止するという挙動が発生する。
【0061】
尚、エアバッグ装置M1においては、その後における乗員側への展開速度は、エアバッグ10の中央部が乗員側へ移動できないため、保持部材14内に残ったエアバッグ部分の延び出しに比し、実際には半分に減速されて、乗員に対する加害性が筒状テザーベルト11aの無いものと比べるとさらに減少する。
この効果は、エアバッグ装置M1における筒状テザーベルト11aに限らず、通常の平坦な筒状テザーベルトを設けた場合においても同様である。
【0062】
図13はエアバッグ装置M1の、エアバッグ10の展開状態を示す図である。従来技術のエアバッグ10の展開状態と対比するために同じ時間でのエアバッグの展開状態を説明する。
【0063】
次に、助手席用エアバッグ装置M2について説明をする。図14に示すように、このエアバッグ装置M2は、折り畳まれたエアバッグ10Aと、エアバッグ10にガスを供給するインフレーター30Aと、エアバッグ10A及びインフレーター30Aを収納する略四角筒形状のエアバッグカバー16Aとから構成されている。なお、エアバッグ装置M2は、前述のエアバッグ装置M1における同一の部材と略同様の構成であり、同一の符号の末尾にAをつけた符号を付してエアバッグ装置M2の構成を説明する。
【0064】
このエアバッグカバー16Aは、略四角筒形状の頭部の裏面に、2個のカバー片16Abに開閉できるように、H字形状に配置されたティアラインLAが設けられ、この2個のカバー片16Abがそれぞれ図面からみて、上端側と下端側とをヒンジ部16Aeとして、上下両側に開くように、構成されている。また、前記四角柱状の頭部の裏面側には、2個のカバー片16Abの配置位置を囲むように、下方へ突出する略四角筒形状の連結壁部16Afが配設されている。
【0065】
連結壁部16Afにおける上下方向で対向する壁部の所定位置に複数の係止孔16Agが貫通されている。これらの係止孔16Agには、ベースプレート24Aに形成された係止爪24Adが挿入され、係止爪24Adが連結壁部16Afに係止されることとなる。各係止爪24Adの連結壁部16Afへの係止は、連結壁部16Afとベースプレート24Aとの連結状態を確保して、膨張時のエアバッグ10Aが、円滑に、2個のカバー片16Abを押し上げてティアラインLAを破断できるようにするためである。
【0066】
ベースプレート24Aは、図14に示すように、上端側に長方形状の開口を有した板金製の略直方体状に形成され、長方形板状の底壁部24Aeと、底壁部24Aeの外周縁から略四角筒形状に、エアバッグカバー16Aの上方へ延びる側壁部24Afとを備えて構成されている。底壁部24Aeは、左右方向に長く延びた長方形板状に形成されており、中央に、インフレーター30Aの上部側を下方からエアバッグカバー16A側の上方へ挿入可能な円形に開口したインフレーター取付口24Ahを備えている。
【0067】
底壁部24Aeのインフレーター取付口24Ahの周縁には、図14に示すように、クッションリング22Aの各ボルト22Adを挿通可能な取付孔22Agが形成されている。また、底壁部24Aeには、図14に示すように、ベースプレート24Aを車両のボディ60側に連結させるブラケット32が、底壁部24Aeの左右両側部位の下面側に固定されている。各ブラケット32には、ボルトを螺合させるためのナットが固着されている。ボディ60側には、リインフォースメント60aから延びるブラケット60bが配設され、ボルトは、ブラケット60bの取付座を貫通して、ナットに螺合されている。各ボルトのナットへの締め付けにより、エアバッグ装置M1がボディ60側に取付固定されている。
【0068】
次に、エアバッグ装置M2の組立手順について図14及び図15を参照して説明する。
図15はガス整流部材12A′、エアバッグ10A及び保持部材14Aの挟持固定状態を示す拡大図である。エアバッグ装置M2で用いられるエアバッグ10Aは、前記筒状テザーベルト11aが装備されていた点を除いて、エアバッグ装置M1のエアバッグ10と同様に、図7A乃至Dで説明したクッションリング22Aを内装した折り畳まれたエアバッグ10Aが保持部材14Aで覆われている。エアバッグカバー16A内に前記保持部材14Aで覆われたエアバッグ10Aを収納して、クッションリング22Aのネジ部22Adにベースプレート24Aのインフレーター取付口24Ahを挿通してクッションリング22Aにベースプレート24Aを重ねると共に、エアバックカバー16Aの係止孔16Agにベースプレート24Aの係止爪24Adを挿入して係止して、ベースプレート24の裏側からナットを螺合させる。
【0069】
その後にベースプレート24A、クッションリング22A及びインフレーター30Aとをねじ止めする。これにより前記ガス整流部材12A′、エアバッグ10A及び保持部材14Aがクッションリング22Aとベースプレート24Aとの間で挟持固着され、エアバッグ装置M2の組立が完了する。なお、エアバッグ装置M2のエアバッグカバー16Aの形状は、これに限定されるものでなく、エアバッグ装置M2を取付る場所、例えば、インストルメントパネルの上面等に応じて、どの様な形状にするかは設計的に決められるものである。
【0070】
なお、エアバッグ装置M2の展開動作は、エアバッグ装置M1と比較して、テザーベルトが無いため、一時的に乗員側への展開が停止するような挙動はなく、エアバッグの乗員側に面する部分から膨張しながらある程度の内圧を保持した状態で乗員側へ膨張展開する。このようにテザーベルトが無い場合でも、ガス整流部材12A′によってエアバッグは乗員側の表面から順序よく膨張し、保持部材の14Aの破断予定部の破断された開口を通過しながら抵抗を受けて乗員側に展開するため、折り畳まれたエアバッグカバーが割裂すると同時にエアバッグ全体が飛び出して塊となって乗員に危害を与える様な挙動にはならず、パンチング現象やメンブレン現象を確実に防止できる。
【0071】
次に、他の助手席用エアバッグ装置M3について説明をする。図16に示すエアバッグ装置M3は、前述のエアバッグ装置M1及びM2における同一の部材と略同様の構成であり、同一の符号の末尾にBをつけた符号を付している。図16は助手席用エアバッグ装置M3の概略拡大縦断面図である。エアバッグ装置M3は、折り畳まれたエアバッグ10Bと、そのエアバッグ10Bの中に収納されたガスを供給する略円柱状のインフレーター30B及び該インフレーター30Bを格納するディフューザー32Bと、エアバッグ10B及びインフレーター30Bを収納する略四角筒形状のエアバッグカバー16Bとから構成されている。
【0072】
このエアバッグカバー16Bは、略四角筒形状の頭部の裏面に、2個のカバー片16Bbに開閉できるように、H字形状に配置されたティアラインLBが設けられ、この2個のカバー片16Bbがそれぞれ図面からみて、上端側と下端側とをヒンジ部16Aeとして、上下両側に開くように、構成されている。また、前記四角柱状の頭部の裏面側には、2個のカバー片16Bbの配置位置を囲むように、下方へ突出する略四角筒形状の連結壁部16Bfが配設されている。ディフューザー32Bのエアバッグカバー16Bへの固定は、両部材32B、16Bの複数の固定位置に孔が設けられており、その孔にボルトを挿通して固定することにより行われる(図示せず)。
【0073】
前記ディフューザー32Bがインフレーター30Bと折り畳み収納されたエアバッグ10Bとの間に配置されていて、そのディフューザー32Bの膨張ガスを流出可能な複数のガス吐出口(図示せず)が配設されており、インフレーター30B作動時にはインフレーター30Bから発生するガスがディフューザー32Bの穴を通って直接折り畳み収納されたエアバッグの中央部分に圧力をかける構造になっている。
【0074】
なお、符号11Bは上述した筒状でない通常のテザーベルトであり、符号12B′はガス整流部材である。この両部材11B、12Bは、エアバッグ10Bと共に重ねた状態で前記ディフューザー32Bのエアバッグカバー16Bへの固定の際に、両部材32B、16Bの間に挿入してボルトで固定することによりエアバッグ装置に取り付けられる。また、この種のインフレーター30Bを用いるエアバッグ装置M3は、図16から分かるように、このエアバッグ10Bにはインフレーター取付口10ahを備えておらず、インフレーター30Bを挿入する連通口が設けられており、その連通口にインフレーター30Bが挿入されている。さらに、図示されていないが、エアバッグ装置として、エアバッグ内に直接インフレーターを挿入せずに、エアバッグの外からエアバッグの連通口を通してインフレーターのガスをエアバッグ内に導入する技術は周知技術である。このことから、前記エアバッグ装置M1及びM2で用いられるエアバッグ10、10Aのインフレーター取付口10ah、前記インフレーター30Bを挿入する連通口及び周知のエアバッグの連通口のそれぞれは、インフレーターのガスをエアバッグ内に導入する連通口として同じ機能を奏するので、インフレーター連通口として記載する場合は、上記インフレーター取付口、インフレーターを挿入する連通口及び周知のエアバッグの連通口を含む意味で用いられている。
【0075】
以上のように、本実施形態の保持部材14、14A及び14Bがミシン目からなる破断予定部14k、14Ak、14Bk、14Ck及び14Dkを有することにより、エアバッグ10、10A及び10Bの組み付け作業時に保持部材がエアバッグの外周部及び周縁部をしっかりと保持することができ、エアバッグの折り畳み状態が崩れことがなく、また、エアバッグをエアバッグカバー16に組み付ける作業時間が低減でき、更に、エアバッグの展開初期時に容易に保持部材が破断してエアバッグがスムーズに展開できる。
【0076】
そして、前記保持部材が破断予定部に加えて破断停止部14h、14Ah、14Bh、14Ch及び14Dhを有するので、エアバッグの展開初期時に破断予定部が破断した際、この破断予定部のミシン目が更に延びて保護部材を切断するのを防ぐことができ、また、前記展開初期にエアバッグの膨張する部分が容易に展開できる。
【0077】
更に、破断予定部14hのミシン目のつなぎ目が前記4辺の中心にある孔14ahに前記ボルト22dを係合するために引っ張る位置にあるので、4箇所の係合状態が均衡して保たれる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】エアバッグ装置のステアリングホイールに対する装着状態を示す正面図である。
【図2】図1のI−I部位の横断面図である。
【図3】ベースプレート24の裏面を示す斜視図である。
【図4】連結部材20の斜視図である。
【図5】図2に示すクッションリング22の正面図及びその一部を断面で示した側面図である。
【図6】膨張状態のエアバッグ10内部を示す透視斜視図及び同エアバッグ10の非膨張状態を示す斜視図である。
【図7】エアバッグ折り畳み機を用いてエアバッグを折り畳む操作手順を示す概念図である。
【図8】保持部材14のエアバッグ10を覆う前の展開図、折り畳まれた裏側のエアバッグ10の斜視図、エアバッグ10を保持部材14で覆った状態を示す斜視図及び保持部材14で覆ったエアバッグ10の裏面図である。
【図9】インフレーター取付口10ahの周辺部10dを保護する周辺保護部材70の展開図である。
【図10】エアバッグカバー16の斜視図及び裏面図である。
【図11】開放した状態の各カバー片16bを乗員側からみた図である。
【図12】エアバッグ装置M1の展開動作を示す図である。
【図13】エアバッグ装置M1のエアバッグ10の展開状態を示す図である。
【図14】助手席用エアバッグ装置M2を示す図である。
【図15】ガス整流部材12A′、エアバッグ10A及び保持部材14Aの挟持固定状態を示す拡大図である。
【図16】助手席用エアバッグ装置M3の概略拡大縦断面図である。
【図17】従来のエアバッグ装置を示す図である。
【図18】従来のエアバッグの展開状態を示す図である。
【図19】従来のエアバッグの収納状態を示す図である。
【図20】従来の他のエアバッグの収納状態を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
10a・・・エアバッグ本体、11a・・・筒状テザーベルト、12・・・保護部材12、12′・・・ガス整流部材、14・・・保持部材、16・・・エアバッグカバー、20・・・連結部材、22・・・クッションリング、24・・・ベースプレート、30・・・インフレーター。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013