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発明の名称 プロペラシャフト支持構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−145161(P2007−145161A)
公開日 平成19年6月14日(2007.6.14)
出願番号 特願2005−342016(P2005−342016)
出願日 平成17年11月28日(2005.11.28)
代理人 【識別番号】100120226
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 知浩
発明者 岩野 和巨
要約 課題
ブーツをプロペラシャフトに組み付けるときの部品の部品点数を低減でき、かつブーツの組み付けを少ない工程で容易に行いブーツの組付性を安定させることができるプロペラシャフト支持構造を提供する。

解決手段
ストッパーピース46にはブーツ28の軸側シール端部が取り付けられていることにより、ストッパーピース46を連結シャフト16に圧入すると同時にブーツ28も連結シャフト16に取り付けることができる。これにより、ストッパーピース46の圧入工程の終了と同時にブーツ28の組付工程も終了するため、プロペラシャフト支持構造10の組付工数(組付工程)を低減でき、組付けが容易になる。
特許請求の範囲
【請求項1】
回転可能なプロペラシャフトと、前記プロペラシャフトを回転可能に支持するセンターベアリングと、前記プロペラシャフトに圧入され前記センターベアリングをプロペラシャフト軸方向に対して位置決め固定するストッパーピースと、前記プロペラシャフトの外周に配置されたブーツと、を有するプロペラシャフト支持構造であって、
前記ストッパーピースには、前記ブーツの軸側シール端部又はその近傍が取り付けられていることを特徴とするプロペラシャフト支持構造。
【請求項2】
前記ストッパーピースの径方向外側は、前記ブーツの軸側シール端部又はその近傍で覆われていることを特徴とする請求項1に記載のプロペラシャフト支持構造。
【請求項3】
前記ブーツの軸側シール端部又はその近傍には、前記センターベアリング側への水又は異物の浸入を防止するフランジ部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプロペラシャフト支持構造。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等に用いられるプロペラシャフト支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のプロペラシャフト支持構造には、プロペラシャフトを回転可能に支持するセンターベアリングが用いられている。このセンターベアリングは、プロペラシャフトの外周面に接触するインナーレースと、インナーレースの径方向外側に回転可能に配置された鋼球と、鋼球の径方向外側に配置されインナーレースとの間で鋼球を回転可能に支持するアウターレースと、で構成されている。また、このセンターベアリングのプロペラシャフト軸方向一方側には、ストッパーピースがプロペラシャフトに圧入されるようにして配置されている。また、ストッパーピースの近傍にはゴム製のブーツが設けられている。このブーツの一方の端部はブーツアダプタに固着されており、ブーツの他方の端部はプロペラシャフトの外周面に接触している。そして、ブーツの他方の端部にはブーツバンドが取り付けられており、このブーツバンドによりブーツがプロペラシャフトに対して固着されている(下記特許文献1参照)。
【0003】
上記プロペラシャフト支持構造の組付方法として、プロペラシャフトにストッパーピースが圧入された後、ブーツアダプタに取り付けられたブーツがプロペラシャフトに挿入されて、所定の位置で、ブーツの他方の端部がブーツバンドにより締め付けられてプロペラシャフトに固着される。
【特許文献1】特開2000−177416号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記プロペラシャフト支持構造では、ブーツをプロペラシャフトに固着するためにブーツバンドが必要となり、部品点数が増加する問題がある。また、ブーツをブーツバンドによりプロペラシャフトに組み付ける方法では、ブーツバンドの締め付け具合によりブーツのプロペラシャフトに対する固着度(組付精度)にばらつきが生じ、ブーツの安定した締め付けが困難となる問題がある。また、上記組付方法では、アダプタに取り付けられたブーツをプロペラシャフトに挿入する工程と、ブーツをブーツバンドで締め付ける工程とがそれぞれ必要となり、組立工数が増加し、作業効率の低下や作業負担の増大が生じる問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情を考慮し、ブーツをプロペラシャフトに組み付けるときの部品の部品点数を低減でき、かつ、ブーツの組み付けを少ない工程で容易に行いブーツの組付性を安定させることができるプロペラシャフト支持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、回転可能なプロペラシャフトと、前記プロペラシャフトを回転可能に支持するセンターベアリングと、前記プロペラシャフトに圧入され前記センターベアリングをプロペラシャフト軸方向に対して位置決め固定するストッパーピースと、前記プロペラシャフトの外周に配置されたブーツと、を有するプロペラシャフト支持構造であって、前記ストッパーピースには、前記ブーツの軸側シール端部又はその近傍が取り付けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、ストッパーピースにはブーツの軸側シール端部又はその近傍が取り付けられていることにより、ストッパーピースをプロペラシャフトに圧入すると同時にブーツもプロペラシャフトに取り付けることができる。これにより、ストッパーピースの圧入工程の終了と同時にブーツの組付工程も終了するため、プロペラシャフト支持構造の組付工数(組付工程)を低減でき、組付けが容易になる。また、従来のプロペラシャフト支持構造に用いられていたブーツバンドが不要となるため、部品点数を削減できる。さらに、ブーツの軸側シール端部又はその近傍がストッパーピースに取り付けられているため、ブーツのプロペラシャフトに対する組付精度が向上する。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプロペラシャフト支持構造において、前記ストッパーピースの径方向外側は、前記ブーツの軸側シール端部又はその近傍で覆われていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、ストッパーピースの径方向外側はブーツの軸側シール端部又はその近傍で覆われていることにより、プロペラシャフトやストッパーピースに対するシール性を向上させることができる。これにより、プロペラシャフトやストッパーピースに泥水や雨水などが直接接触することがないため、プロペラシャフトやストッパーピースに錆等が発生することを防止できる。また、プロペラシャフトやストッパーピースに飛石などが衝突することがないため、プロペラシャフトやストッパーピースが不意に破損してしまうことを防止できる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のプロペラシャフト支持構造において、前記ブーツの軸側シール端部又はその近傍には、前記センターベアリング側への水又は異物の浸入を防止するフランジ部が形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、ブーツの軸側シール端部又はその近傍にはセンターベアリング側への水又は異物の浸入を防止するフランジ部が形成されていることにより、センターベアリングに対するシール性を向上させることができる。これにより、センターベアリングに泥水や雨水などが直接接触することがないため、センターベアリングに錆等が発生することを防止できる。また、センターベアリングに飛石などが衝突することがないため、センターベアリングが不意に破損してしまうことを防止できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ブーツをプロペラシャフトに組み付けるときの部品の部品点数を低減でき、かつ、ブーツの組み付けを少ない工程で容易に行いブーツの組付性を安定させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の一実施形態に係るプロペラシャフト支持構造について、図面を参照して説明する。
【0014】
図1に示すように、本実施形態のプロペラシャフト支持構造10は、FFベースの内燃機関側に位置する略円筒状の第1プロペラシャフト12を備えている。この第1プロペラシャフト12の一端(前端)には、クロスジョイント(図示省略)を介して内燃機関の出力側に連結されている。
【0015】
また、プロペラシャフト支持構造10は、後輪側に位置する略円筒状の第2プロペラシャフト14を備えている。この第2プロペラシャフト14の後端は、自在継手(図示省略)を介して差動装置(図示省略)に連結されている。また、第1プロペラシャフト12と第2プロペラシャフト14との間には、第1プロペラシャフト12と第2プロペラシャフト14と同様にプロペラシャフトを構成し両者を連結する連結シャフト16が設けられている。
【0016】
この第1プロペラシャフト12の他端(後端)にはトリポード自在継手18のアウターレース20が形成されている。また、連結シャフト16の前部にはインナー軸部22が形成されている。このインナー軸部22には放射状に突出した3個の軸受けに相当するトリポード24が設けられており、この各トリポード24がアウターレース20の内周面に軸方向(図1中矢印X方向)に沿って形成された3条の溝条(図示省略)に摺動自在に嵌合してトリポード自在継手18を構成し等速の動力伝達が実現される。
【0017】
また、アウターレース20は有底円筒状をなし、アウターレース20の底壁20Aに対して反対側の開口はアダプタ26が取り付けられている。また、このアダプタ26には、ブーツ28の一方側端部が取り付けられている。
【0018】
また、連結シャフト16は、センターベアリング32により回転自在に支持されている。このセンターベアリング32は環状支持部材34の環状弾性体36により支持されており、環状支持部材34は車体側に固定されるブラケット38に支持されている。
【0019】
このように連結シャフト16は環状支持部材34及びセンターベアリング32により車体側に支持されており、その後方(図1中矢印R方向)には径が拡大された後側拡径部40が形成されている。この後側拡径部40には、第2プロペラシャフト14の前端が摩擦溶着されている。
【0020】
また、トリポード自在継手18を構成するトリポード24は、その内環42がインナー軸部22にスプライン嵌合されて固定されており、インナー軸部22の回転と共に一体回転するように構成されている。このトリポード24がアウターレース20の内周面の溝条に嵌合してインナー軸部22と共にアウターレース20内に挿入されると、インナー軸部22とトリポード24の前方(図1中矢印F方向側)にアウターレース20の底壁20Aが対向した状態となっている。
【0021】
また、図1に示すように、センターベアリング32の軸方向一方側には、金属性のストッパーピース46が設けられている。このストッパーピース46は環状に形成されており、ストッパーピース46は連結シャフト16に圧入されてセンターベアリング32を位置決め保持している。
【0022】
ここで、ストッパーピース46の外周面には、ブーツ28の軸側シール端部が取り付けられている。このブーツ28の軸側シール端部のストッパーピース46に対する取付けは、例えば接着剤などにより相互に接着させる他、ブーツ28を加熱してブーツ28をストッパーピース46に熱溶着させることにより実現される。これにより、アダプタ26とセンターベアリング32との間は、ブーツ28によりシールされた構成になっている。このため、水(外部からのはね水、どろ水や雨水)又は異物(例えば、飛石など)がプロペラシャフトを構成する連結シャフト16やストッパーピース46に浸入、衝突することを防止できる。
【0023】
また、ブーツ28の軸側シール端部には、フランジ部28Aがブーツ28と一体形成されている。このフランジ部28Aは、センターベアリング32に対してプロペラシャフト軸方向側に対向するよう位置に設けられている。また、このフランジ部28Aは断面L字型に形成されており、フランジ部28Aの先端部が環状弾性体36の凹部側に挿入された状態となっている。このため、フランジ部28Aにより、水(例えば、外部からのはね水、どろ水や雨水)又は異物(例えば、飛石など)がセンターベアリング32に接触することを簡易に防止できる。
【0024】
次に、本実施形態のプロペラシャフト支持構造10の作用について説明する。
【0025】
図1に示すように、ストッパーピース46にはブーツ28の軸側シール端部又はその近傍が一体的に連結されて取り付けられていることにより、ストッパーピース46を連結シャフト16に圧入すると同時にブーツ28も連結シャフト16に取り付けることができる。これにより、ストッパーピース46の圧入工程の終了と同時にブーツ28の組付工程も終了するため、プロペラシャフト支持構造10の組付工数(組付工程)を低減でき、組付けが容易になる。また、従来のプロペラシャフト支持構造に用いられていたブーツバンドが不要となるため、部品点数も削減できる。さらに、ブーツ28の軸側シール端部又はその近傍がストッパーピース46に取り付けられているため、ブーツ28の連結シャフト16に対する組付精度が安定する。
【0026】
特に、ストッパーピース46の径方向外側はブーツ28の軸側シール端部又はその近傍で覆われていることにより、連結シャフト16やストッパーピース46に対するシール性を向上させることができる。これにより、連結シャフト16やストッパーピース46に泥水や雨水などが直接付着することがないため、連結シャフト16やストッパーピース46に錆等が発生することを防止できる。また、連結シャフト16やストッパーピース46に走行中の飛石などが衝突することがないため、連結シャフト16やストッパーピース46が不意に破損してしまうことを防止できる。
【0027】
また、ブーツ28の軸側シール端部又はその近傍にはセンターベアリング32側への水又は異物の浸入を防止するフランジ部28Aが形成されていることにより、センターベアリング32に対するシール性を向上させることができる。これにより、センターベアリング32に泥水や雨水などが接触することがないため、センターベアリング32に錆等が発生することを防止できる。また、センターベアリング32に走行中の飛石などが衝突することがないため、センターベアリング32が不意に破損してしまうことやセンターベアリング32の回転性能の劣化を防止できる。
【0028】
次に、第1実施形態に係るプロペラシャフト支持構造の変形例について説明する。
【0029】
図2に示すように、本変形例のプロペラシャフト支持構造50は、ブーツ52の折り返し量を、第1実施形態のプロペラシャフト支持構造50のブーツ28と比較して少なくするとともに、アダプタ26に替えてブーツ52の一部に金属リング54を配置させたものである。このブーツ52も、ブーツ28と同様に、フランジ部52Aが形成されている。
【0030】
本変形例によっても、ブーツ52を連結シャフト16に組み付けるブーツバンドが不要となり、かつ、ブーツ52の組み付けを少ない工程で容易に行いブーツ52の組付性を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態に係るプロペラシャフト支持構造の部分的な断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るプロペラシャフト支持構造の変形例の部分的な断面図である。
【符号の説明】
【0032】
10、50 プロペラシャフト支持構造
12 第1プロペラシャフト(プロペラシャフト)
14 第2プロペラシャフト(プロペラシャフト)
16 連結シャフト(プロペラシャフト)
28、52 ブーツ
28A、52A フランジ部
32 センターベアリング
46 ストッパーピース




 

 


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