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発明の名称 車両乗上制御システム及び車両乗上制御方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−30609(P2007−30609A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−214464(P2005−214464)
出願日 平成17年7月25日(2005.7.25)
代理人 【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
発明者 宮島 孝幸
要約 課題
車輪が段差部に乗り上げた際に確実に突上げ感を小さくすることができるようにする。

解決手段
道路における段差部を認識する段差部認識処理手段と、車両の予想走行軌跡を算出する予想走行軌跡算出処理手段と、予想走行軌跡に基づいて車輪の段差部への乗上げが予測されるかどうかを判断する乗上判定処理手段と、車輪の段差部への乗上げが予測される場合に、車両支持機構の動作を制御する車両支持機構制御処理手段とを有する。予想走行軌跡に基づいて車輪の段差部への乗上げが予測されるかどうかが判断され、乗上げが予測される場合に、車両支持機構の動作が制御されるので、車輪が段差部に乗り上げた際に確実に突上げ感を小さくすることができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
道路における段差部を認識する段差部認識処理手段と、車両の予想走行軌跡を算出する予想走行軌跡算出処理手段と、前記予想走行軌跡に基づいて車輪の段差部への乗上げが予測されるかどうかを判断する乗上判定処理手段と、車輪の段差部への乗上げが予測される場合に、車両支持機構の動作を制御する車両支持機構制御処理手段とを有することを特徴とする車両乗上制御システム。
【請求項2】
前記道路の所定の撮影領域を撮影する撮像装置を有するとともに、前記段差部認識処理手段は、前記撮像装置によって撮像された撮影領域の画像データに対して画像処理を行い、道路における段差部を認識する請求項1に記載の車両乗上制御システム。
【請求項3】
地図データを取得する情報取得処理手段を有するとともに、前記段差部認識処理手段は、前記地図データによって車両の周辺の道路について道路形状を取得し、取得された道路形状に基づいて道路における段差部を認識する請求項1に記載の車両乗上制御システム。
【請求項4】
前記画像データに基づいて、車両と段差部との間の距離を算出する距離算出処理手段を有するとともに、前記乗上判定処理手段は、前記予想走行軌跡及び前記距離に基づいて車輪の段差部への乗上げが予測されるかどうかを判断する請求項2に記載の車両乗上制御システム。
【請求項5】
前記距離、前記予想走行軌跡及び車両情報に基づいて、車輪が段差部に乗り上げる時刻を算出する推定乗上時刻算出処理手段を有するとともに、前記車両支持機構制御処理手段は、前記時刻で車両支持機構の動作を制御する請求項4に記載の車両乗上制御システム。
【請求項6】
前記車両支持機構制御処理手段は、車両支持機構に応力が加わったときに変形に抗する度合いを表す耐変形指標を変更する請求項1に記載の車両乗上制御システム。
【請求項7】
前記段差部への乗上げが予測される車輪に対応させて、照射装置の配光を制御する配光制御処理手段を有する請求項1に記載の車両乗上制御システム。
【請求項8】
現在地を検出する現在地検出部を有するとともに、前記乗上判定処理手段は、現在地に基づいて車輪の段差部への乗上げが予測されるかどうかを判断する請求項1に記載の車両乗上制御システム。
【請求項9】
前記予想走行軌跡算出処理手段は、各車輪ごとの予想走行軌跡を算出する請求項1に記載の車両乗上制御システム。
【請求項10】
道路における段差部を認識し、車両の予想走行軌跡を算出し、該予想走行軌跡に基づいて車輪の段差部への乗上げが予測されるかどうかを判断し、車輪の段差部への乗上げが予測される場合に、車両支持機構の動作を制御することを特徴とする車両乗上制御方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両乗上制御システム及び車両乗上制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、地図データ等に基づいて道路の状況を取得し、取得した道路の状況に応じてサスペンションの特性を制御し、例えば、路面上の段差を通過するときの突上げ感を小さくするようにした車両制御システムが提供されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2000−322695号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の車両制御システムにおいては、道路の状況を取得することができる場合には、突上げ感を小さくすることができるが、道路の状況を取得することができない場合には、突上げ感を小さくすることができない。
【0004】
例えば、狭い路地に沿って車両を走行させているときに、変則的な形状を有する交差点等において車両を右左折させようとする場合、旋回の初動位置の適正な位置からのずれ、前後の車輪の内輪差等によって、道路の路肩において、車輪が車道と歩道との間に形成される段差部に乗り上げてしまうことがある。その場合、一方の車輪だけが乗り上げることが多く、突上げ感を小さくすることができない。
【0005】
本発明は、前記従来の車両制御システムの問題点を解決して、車輪が段差部に乗り上げた際に確実に突上げ感を小さくすることができる車両乗上制御システム及び車両乗上制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、本発明の車両乗上制御システムにおいては、道路における段差部を認識する段差部認識処理手段と、車両の予想走行軌跡を算出する予想走行軌跡算出処理手段と、前記予想走行軌跡に基づいて車輪の段差部への乗上げが予測されるかどうかを判断する乗上判定処理手段と、車輪の段差部への乗上げが予測される場合に、車両支持機構の動作を制御する車両支持機構制御処理手段とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、予想走行軌跡に基づいて車輪の段差部への乗上げが予測されるかどうかが判断され、車輪の段差部への乗上げが予測される場合に、車両支持機構の動作が制御されるので、車輪が段差部に乗り上げた際に確実に突上げ感を小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】
図1は本発明の第1の実施の形態における車両制御システムを示す図である。
【0010】
図において、10は制御部であり、該制御部10は、所定の変速比で変速を行うパワートレイン、例えば、自動変速機としての無段変速機(CVT)、有段変速機(オートマチックトランスミッション)、電動駆動装置等の制御を行ったり、他の各種の制御を行ったりする。そのために、前記制御部10は、演算装置としてのCPU21、該CPU21が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM22、制御用のプログラムのほか、目的地までの経路の探索、経路案内等を行うための各種のプログラムが記録されたROM23、各種のデータ、プログラム等を記録するために使用される図示されないフラッシュメモリ等を備える。
【0011】
そして、14は情報端末、例えば、車両に搭載された車載装置としてのナビゲーション装置、63はネットワーク、51は情報提供者としての情報センタであり、前記制御部10、ナビゲーション装置14、ネットワーク63、情報センタ51等によって車両制御システムが構成される。
【0012】
前記ナビゲーション装置14は、現在地を検出する現在地検出部としてのGPS(グローバルポジショニングシステム)センサ15、地図データのほかに各種の情報が記録された情報記録部としてのデータ記録部16、入力された情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部17、自車方位を検出する方位検出部としての方位センサ18、操作者である運転者が操作することによって所定の入力を行うための第1の入力部としての操作部34、図示されない画面に表示された画像によって各種の表示を行い、運転者に通知するための第1の出力部としての表示部35、音声によって所定の入力を行うための第2の入力部としての音声入力部36、音声によって各種の表示を行い、運転者に通知するための第2の出力部としての音声出力部37、及び通信端末として機能する送受信部としての通信部38を備え、前記ナビゲーション処理部17に、GPSセンサ15、データ記録部16、方位センサ18、操作部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38が接続される。
【0013】
また、前記ナビゲーション処理部17には、前記制御部10、運転者によるアクセルペダルの操作をアクセル開度で検出するエンジン負荷検出部としてのアクセルセンサ42、運転者によるブレーキペダルの操作をブレーキ踏込量で検出する制動検出部としてのブレーキセンサ43、車速を検出する車速検出部としての車速センサ44、図示されない車輪に配設され、車両を支持する図示されないサスペンション、スタビライザ等の車両支持機構45、照射装置としての図示されないヘッドライトの配光を行うための配光装置46、車両の前端の所定の箇所に取り付けられ、車両の前方を監視する前方監視装置48、車両の側縁の所定の箇所(例えば、サイドミラー)に取り付けられ、車両の側方を撮影する撮像装置49(49F、49B、49L、49R)、ステアリングホイールに配設され、車両の舵(だ)角を検出する舵角検出部としてのステアリングセンサ50等が接続される。なお、アクセルセンサ42、ブレーキセンサ43等は運転者による車両の操作情報を検出するための操作情報検出部を構成する。
【0014】
前記GPSセンサ15は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することによって地球上における現在地を検出し、併せて時刻を検出する。本実施の形態においては、現在地検出部としてGPSセンサ15が使用されるようになっているが、該GPSセンサ15に代えて、前記ステアリングセンサ50、図示されない距離センサ、高度計等を単独で、又は組み合わせて使用することもできる。また、前記方位センサ18としてジャイロセンサ、地磁気センサ等を使用することができる。
【0015】
前記データ記録部16は、地図データファイルから成る地図データベースを備え、該地図データベースに地図データが記録される。該地図データには、交差点に関する交差点データ、ノードに関するノードデータ、道路リンクに関する道路データ、探索用に加工された探索データ、施設に関する施設データ等が含まれるほか、地物に関する地物データが含まれる。
【0016】
前記地物は、運転者に各種の走行上の情報を提供したり、各種の走行上の案内を行ったりするために道路上に設置、又は形成された表示物であり、表示線、路上標識、横断歩道、マンホール、信号機等から成る。前記表示線には、車両を停止させるための停止線、各レーンを区分する車両通行帯境界線、駐車スペースを表す区画線等が含まれ、前記路上標識には、各レーンにおける進行方向を矢印によって表す通行区分標識、「止まれ」等のように一時停止箇所を予告する案内標識等が含まれる。そして、前記地物データには、各地物の位置を座標等で表す位置情報、各地物をイメージで表す画像情報等が含まれる。なお、前記一時停止箇所には、非優先道路から優先道路への進入箇所、踏切、赤信号が点滅する交差点等が含まれる。
【0017】
また、前記道路データとして、道路上の各レーンごとに付与されたレーン番号、レーンの位置情報等から成るレーンデータが含まれる。前記データ記録部16には、所定の情報を音声出力部37によって出力するためのデータも記録される。
【0018】
さらに、前記データ記録部16には、統計データファイルから成る統計データベース、走行履歴データファイルから成る走行履歴データベース等が形成され、前記統計データファイルに統計データが、前記走行履歴データファイルに走行履歴データが、いずれも実績データとして記録される。
【0019】
前記統計データは、過去に提供された交通情報の実績、すなわち、履歴を表す履歴情報であり、情報提供者としてのVICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の図示されない道路交通情報センタ等によって過去に提供された交通情報、及び国土交通省によって提供された道路交通センサスによる交通量を表すデータである道路交通センサス情報、国土交通省によって提供された道路時刻表情報等を単独で、又は組み合わせて使用し、必要に応じて、加工し、統計処理を施すことによって作成される。なお、前記統計データに、渋滞状況を予測する渋滞予測情報等を加えることもできる。その場合、前記統計データを作成するに当たり、履歴情報に、日時、曜日、天候、各種イベント、季節、施設の情報(デパート、スーパーマーケット等の大型の施設の有無)等の詳細な条件が加えられる。
【0020】
前記統計データのデータ項目には、各道路リンクについてのリンク番号、走行方向を表す方向フラグ、情報の種類を表す情報種別、所定のタイミングごとの渋滞度、前記各道路リンクを走行したときの、所定のタイミングごとの所要時間を表すリンク所要時間、該リンク所要時間の各曜日ごとの平均的なデータ(例えば、曜日平均データ)等から成る。
【0021】
また、走行履歴データは、情報センタ51によって複数の車両、すなわち、自車又は他車から収集され、各車両が走行した道路における車両の走行の実績、すなわち、走行実績を表す実績情報であり、走行データに基づいてプローブデータとして算出され、蓄積される。
【0022】
前記走行履歴データのデータ項目は、各道路リンクを走行したときの、所定のタイミングごとのリンク所要時間、各道路リンクを走行したときの、所定のタイミングごとの渋滞度等から成る。なお、前記統計データに、走行履歴データを加えることができる。また、本実施の形態において、渋滞度は、渋滞の度合いを表す渋滞指標として使用され、渋滞、混雑及び非渋滞の別で表される。
【0023】
前記データ記録部16は、前記各種のデータを記録するために、ハードディスク、CD、DVD、光ディスク等の図示されないディスクを備えるほかに、各種のデータを読み出したり、書き込んだりするための読出・書込ヘッド等の図示されないヘッドを備える。前記データ記録部16にメモリカード等を使用することができる。
【0024】
本実施の形態においては、前記データ記録部16に、前記地図データベース、統計データベース、走行履歴データベース等が配設されるようになっているが、情報センタ51において、前記地図データベース、統計データベース、走行履歴データベース等を配設することもできる。
【0025】
また、前記ナビゲーション処理部17は、ナビゲーション装置14の全体の制御を行う制御装置としての、かつ、演算装置としてのCPU31、該CPU31が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM32、制御用のプログラムのほか、目的地までの経路の探索、経路案内等を行うための各種のプログラムが記録されたROM33、各種のデータ、プログラム等を記録するために使用される図示されないフラッシュメモリを備える。
【0026】
本実施の形態においては、前記ROM33に各種のプログラムを記録し、前記データ記録部16に各種のデータを記録することができるが、プログラム、データ等をディスク等に記録することもできる。この場合、ディスク等から前記プログラム、データ等を読み出してフラッシュメモリに書き込むことができる。したがって、ディスク等を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。また、前記自動変速機制御部10の制御用のプログラム、データ等も前記ディスク等に記録することができる。さらに、通信部38を介して前記プログラム、データ等を受信し、ナビゲーション処理部17のフラッシュメモリに書き込むこともできる。
【0027】
前記操作部34は、運転者が操作することによって、走行開始時の現在地を修正したり、出発地及び目的地を入力したり、通過点を入力したり、通信部38を作動させたりするためのものであり、前記操作部34として、表示部35とは独立に配設されたキーボード、マウス等を使用することができる。また、前記操作部34として、前記表示部35に形成された画面に画像で表示された各種のキー、スイッチ、ボタン等の画像操作部をタッチ又はクリックすることによって、所定の入力操作を行うことができるようにしたタッチパネルを使用することができる。
【0028】
前記表示部35としてディスプレイが使用される。そして、表示部35に形成された各種の画面に、車両の現在地を自車位置として、車両の方位を自車方位として表示したり、地図、探索経路、該探索経路に沿った案内情報、交通情報等を表示したり、探索経路における次の交差点までの距離、次の交差点における進行方向を表示したりすることができるだけでなく、前記画像操作部、操作部34、音声入力部36等の操作案内、操作メニュー、キーの案内を表示したり、FM多重放送の番組等を表示したりすることができる。
【0029】
また、音声入力部36は、図示されないマイクロホン等によって構成され、音声によって必要な情報を入力することができる。さらに、音声出力部37は、図示されない音声合成装置及びスピーカを備え、音声出力部37から、前記探索経路、案内情報、交通情報等が、例えば、音声合成装置によって合成された音声で出力される。
【0030】
前記通信部38は、前記道路交通情報センタから送信された現況の交通情報、一般情報等の各種の情報を、道路に沿って配設された電波ビーコン装置、光ビーコン装置等を介して電波ビーコン、光ビーコン等として受信するためのビーコンレシーバ、FM放送局を介してFM多重放送として受信するためのFM受信機等を備える。なお、前記交通情報には、渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況情報等が含まれ、一般情報には、ニュース、天気予報等が含まれる。また、前記ビーコンレシーバ及びFM受信機は、ユニット化されてVICSレシーバとして配設されるようになっているが、別々に配設することもできる。
【0031】
前記交通情報は、情報の種別を表す情報種別、メッシュを特定するためのメッシュ番号、二つの地点(例えば、交差点)間を連結する道路リンクを特定し、かつ、上り/下りの別を表すリンク番号、該リンク番号に対応させて提供される情報の内容を表すリンク情報を含み、例えば、交通情報が渋滞情報である場合、前記リンク情報は、前記道路リンクの始点から渋滞の先頭までの距離を表す渋滞先頭データ、渋滞度、渋滞区間を前記渋滞の先頭から渋滞の末尾までの距離を表す渋滞長、道路リンクを走行するのに必要な時間を表すリンク所要時間等から成る。
【0032】
そして、通信部38は、前記情報センタ51から、前記地図データ、統計データ、走行履歴データ等のデータのほか、交通情報、一般情報等の各種の情報をネットワーク63を介して受信することができる。
【0033】
そのために、前記情報センタ51は、サーバ53、該サーバ53に接続された通信部57、情報記録部としてのデータベース(DB)58等を備え、前記サーバ53は、制御装置としての、かつ、演算装置としてのCPU54、RAM55、ROM56等を備える。また、前記データベース58に、前記データ記録部16に記録された各種のデータと同様のデータ、例えば、前記地図データ、統計データ、走行履歴データ等が記録される。さらに、情報センタ51は、前記道路交通情報センタから送信された現況の交通情報、一般情報等の各種の情報、及び複数の車両(自車又は他車)から収集した走行履歴データをリアルタイムに提供することができる。
【0034】
また、前記車両支持機構45は、左前輪、右前輪、左後輪及び右後輪の各車輪ごとに配設され、それぞれ独立して車両を支持し、走行に伴って路面から受ける衝撃を吸収する前記サスペンションを備えるほかに、左後輪と右後輪との間(後方の左右の車輪間)及び左前輪と右前輪との間(前方の左右の車輪間)に配設され、左右の車輪間のロッドのねじれを利用して車両のローリングを吸収する前輪側及び後輪側の前記スタビライザを備える。
【0035】
そして、前記配光装置46は、ヘッドライトの光軸の傾きを変更し、光を照射する。
【0036】
さらに、前記前方監視装置48は、レーザレーダ、ミリ波レーダ等のレーダ、超音波センサ等、又はそれらの組合せから成り、先行して走行している車両である先行車両を監視したり、一時停止箇所、障害物等を監視したりする。また、前方監視装置48は、自車周辺情報として先行車両に対する相対的な車速を表す相対速度、一時停止箇所に対する接近速度、障害物に対する接近速度等を検出したり、車間距離、車間時間等を算出したりする。
【0037】
前記撮像装置49は、車両の前端に配設された撮像装置49F、後端に配設された撮像装置49B、左右のサイドミラーに配設された撮像装置49L、49R等を備え、CCD素子から成り、自車の側方を監視するために、光軸を斜め下方に向けて取り付けられ、左右の路肩のほかに、道路脇の建造物、構造物等を被撮影物として撮影し、撮影された被撮影物の画像データを発生させ、CPU21に送る。該CPU21は、前記画像データを読み込み、画像データに対して画像処理を行うことによって、画像中の前記各被撮影物を認識対象物として認識する。本実施の形態においては、撮像装置49としてCCD素子が使用されるが、C−MOS素子等を使用することができる。
【0038】
なお、前記車両制御システム、制御部10、ナビゲーション処理部17、CPU21、31、54、サーバ53等は、単独で又は二つ以上組み合わせることによってコンピュータとして機能し、各種のプログラム、データ等に基づいて演算処理を行う。また、データ記録部16、RAM22、32、55、ROM23、33、56、データベース58、フラッシュメモリ等によって記録媒体が構成される。そして、演算装置として、CPU21、31、54に代えてMPU等を使用することもできる。
【0039】
次に、前記構成の車両制御システムをナビゲーションシステムとして利用したときの基本動作について説明する。
【0040】
まず、運転者によって操作部34が操作され、ナビゲーション装置14が起動されると、CPU31の図示されないナビ初期化処理手段は、ナビ初期化処理を行い、GPSセンサ15によって検出された自車の現在地、方位センサ18によって検出された自車方位を読み込むとともに、各種のデータを初期化する。次に、前記CPU31の図示されないマッチング処理手段は、マッチング処理を行い、読み込まれた現在地の軌跡、及び現在地の周辺の道路を構成する各道路リンクの形状、配列等に基づいて、現在地がいずれの道路リンク上に位置するかの判定を行うことによって、現在地を特定する。
【0041】
また、前記CPU31の図示されないレーン検出処理手段は、レーン検出処理を行い、撮像装置49F、49Bからの画像データに基づいて認識された地物と、データ記録部16から読み出された地物データとを照合させることによって、自車が走行しているレーン、すなわち、走行レーンを検出する。
【0042】
なお、前記レーン検出処理手段は、前記地磁気センサのセンサ出力を読み込み、該センサ出力に基づいて、道路上の所定のレーンにマンホール等の強磁性体から成る被検出物があるかどうかを判断し、判断結果に基づいて走行レーンを検出することもできる。さらに、高精度のGPSセンサ15を使用し、現在地を精度よく検出し、検出結果に基づいて走行レーンを検出することができる。また、必要に応じて、表示線の画像データに対して画像処理を行うのと同時に、地磁気センサのセンサ出力、現在地等を組み合わせて、走行レーンを検出することができる。
【0043】
続いて、CPU31の図示されない情報取得処理手段は、情報取得処理を行い、前記地図データを、データ記録部16から読み出して取得するか、又は通信部38を介して情報センタ51等から受信して取得する。なお、地図データを情報センタ51等から取得する場合、前記情報取得処理手段は、受信した地図データをフラッシュメモリに書き込む。
【0044】
そして、前記CPU31の図示されない表示処理手段は、表示処理を行い、前記表示部35に各種の画面を形成する。例えば、表示処理手段の地図表示処理手段は、地図表示処理を行い、表示部35に地図画面を形成し、該地図画面に周囲の地図を表示するとともに、現在地を自車位置として、車両の方位を自車方位として表示する。
【0045】
したがって、運転者は、前記地図、自車位置及び自車方位に従って車両を走行させることができる。
【0046】
また、運転者が操作部34を操作して目的地を入力すると、CPU31の図示されない目的地設定処理手段は、目的地設定処理を行い、目的地を設定する。なお、必要に応じて出発地を入力し、設定することもできる。また、あらかじめ所定の地点を登録しておき、登録された地点を目的地として設定することができる。続いて、運転者が操作部34を操作して探索条件を入力すると、CPU31の図示されない探索条件設定処理手段は、探索条件設定処理を行い、探索条件を設定する。
【0047】
このようにして、目的地及び探索条件が設定されると、CPU31の図示されない経路探索処理手段は、経路探索処理を行い、前記現在地、目的地、探索条件等を読み込むともに、データ記録部16から探索データ等を読み出し、現在地、目的地及び探索データに基づいて、現在地で表される出発地から目的地までの経路を前記探索条件で探索し、探索経路を表す経路データを出力する。このとき、各道路リンクごとに付与されたリンクコストの合計が最も小さい経路が探索経路とされる。
【0048】
また、道路に複数のレーンが形成されている場合で、かつ、走行レーンが検出されている場合、前記経路探索処理手段は、レーン単位の探索経路を探索する。その場合、前記経路データにはレーン番号等も含まれる。
【0049】
続いて、前記CPU31の図示されない案内処理手段は、案内処理を行い、経路案内を行う。そのために、前記案内処理手段の経路表示処理手段は、経路表示処理を行い、前記経路データを読み込み、該経路データに従って前記地図画面に探索経路を表示する。レーン単位の探索経路が探索されている場合は、所定の地点、例えば、案内交差点において、レーン単位の経路案内が行われ、交差点拡大図に走行レーンが表示される。また、必要に応じて、前記案内処理手段の音声出力処理手段は、音声出力処理を行い、音声出力部37から探索経路を音声で出力して経路案内を行う。
【0050】
なお、前記情報センタ51において経路探索処理を行うことができる。その場合、CPU31は現在地、目的地、探索条件等を情報センタ51に送信する。該情報センタ51は、現在地、目的地、探索条件等を受信すると、CPU54の図示されない経路探索処理手段は、CPU31と同様の経路探索処理を行い、データベース58から探索データ等を読み出し、現在地、目的地及び探索データに基づいて、出発地から目的地までの経路を前記探索条件で探索し、探索経路を表す経路データを出力する。続いて、CPU54の図示されない送信処理手段は、送信処理を行い、前記経路データをナビゲーション装置14に送信する。したがって、ナビゲーション装置14において、前記情報取得処理手段が情報センタ51からの経路データを受信すると、前記案内処理手段は、前述されたような経路案内を行う。
【0051】
そして、探索経路上に案内交差点が存在する場合、車両が案内交差点より所定の距離(例えば、X〔m〕)だけ手前の経路案内地点に到達すると、前記案内処理手段の交差点拡大図表示処理手段は、交差点拡大図表示処理を行い、地図画面の所定の領域に前述されたような交差点拡大図を形成し、交差点拡大図による経路案内を行い、該交差点拡大図に、案内交差点の周辺の地図、探索経路、案内交差点において目印になる施設等の陸標、レーン単位の経路案内が行われている場合には走行レーン等を表示する。また、必要に応じて、前記音声出力処理手段は、音声出力部37から、例えば、「この先X〔m〕で左方向です。」のような音声を出力し、経路案内を行う。
【0052】
ところで、例えば、狭い路地に沿って車両を走行させているときに、変則的な形状を有する交差点、駐車場の出入口等において車両を右左折させようとする場合、旋回の初動位置の適正な位置からのずれ、前後の車輪の内輪差等によって、道路における段差部、例えば、道路の路肩において車道と歩道との間に形成される段差部に乗り上げてしまうことがある。また、道路の左端の走行レーンにおいて車両を左折させようとする場合、道路の右端の走行レーンにおいて車両を右折させようとする場合等にも、車両が段差部に乗り上げてしまうことがある。なお、本実施の形態において、段差部は、車道から歩道にかけて垂直に立ち上がるもののほかに、車道から歩道にかけて傾斜して立ち上がるものが含まれる。
【0053】
このような場合、一方の車輪だけが段差部に乗り上げることが多く、車両が左右方向に揺れ、突上げ感を覚えてしまう。
【0054】
そこで、本実施の形態においては、CPU21の図示されない乗上制御処理手段は、乗上制御処理を行い、所定の車輪が段差部に乗り上げるのを予測し、車両支持機構45の動作を制御し、車両が左右方向に揺れるのを抑制し、突上げ感を小さくするようにしている。
【0055】
図2は本発明の第1の実施の形態における乗上制御処理手段の動作を示すフローチャート、図3は本発明の第1の実施の形態における撮影領域を説明する図、図4は本発明の第1の実施の形態における撮影領域の画像の例を示す図、図5は本発明の第1の実施の形態における撮像装置の取付状態を示す図、図6は本発明の第1の実施の形態における撮像装置の取付状態の詳細を示す図、図7は本発明の第1の実施の形態における車両の旋回パターンを示す図、図8は本発明の第1の実施の形態における段差部への乗上状態の例を示す第1の図、図9は本発明の第1の実施の形態における段差部への乗上状態の例を示す第2の図、図10は本発明の第1の実施の形態におけるサスペンションの特性図である。なお、図10において、横軸にピストン速度を、縦軸に減衰力を採ってある。
【0056】
本実施の形態においては、車両Wh1の左のサイドミラーMLに撮像装置49Lが、右のサイドミラーMRに撮像装置49Rが配設され、例えば、撮像装置49Lは、道路64の路肩において車道65と歩道66との間に形成される段差部Ld1を含む撮影領域AR1を撮影する。その結果、撮影領域AR1の画像データによって、図4に示されるような、画像領域AS1が形成される。該画像領域AS1は、上縁ed1、下縁ed2、左側縁ed3及び右側縁ed4によって包囲された領域にマトリックス状に形成された画素から成る。
【0057】
そのために、まず、乗上制御処理手段の走行状態判定処理手段は、走行状態判定処理を行い、自車が走行中であるかどうかを判断する。自車が走行中である場合、乗上制御処理手段の画像認識処理手段としての段差部認識処理手段は、画像認識処理としての段差部認識処理を行い、撮像装置49から送られた撮影領域AR1の画像データを読み込むことによって取得し、該画像データに対してエッジ検出等の画像処理を行い、前記画像領域AS1内における認識対象物としての段差部Ld1を認識し、検出する。
【0058】
続いて、前記乗上制御処理手段の距離算出処理手段は、距離算出処理を行い、画像中における段差部Ld1の位置に基づいて、車両Wh1と実際の段差部Ld1との間の距離、本実施の形態においては、撮像装置49から実際の段差部Ld1までの距離Laを算出する。
【0059】
ところで、図5及び6において、fは撮像装置49の焦点、Raは路面、hは路面Raからの焦点fまでの距離で表される撮像装置49の高さ(厳密には焦点fの高さであるが、実質的に撮像装置49の高さを表す。)である。また、E1は焦点fから直下に向けて延びるライン、E2は画像領域AS1の下縁ed2を示すライン、E3は撮像装置49の光軸、E4は焦点fから段差部Ld1に向けて延びるライン、E5は焦点fから消失点に向けて延びるライン、E6は画像領域AS1の上縁ed1を示すラインである。
【0060】
そして、P1はラインE1と路面とが交差する直下点、P2はラインE2と路面Raとが交差する下縁点、P3は光軸E3と路面Raとが交差する光軸点、P4はラインE4と路面とが交差する段差部点、L1は直下点P1と下縁点P2との間の距離、L2は直下点P1と光軸点P3との間の距離、Laは直下点P1と段差部点P4との間の距離、Lfは焦点距離である。なお、撮像装置49を構成するCCD素子と焦点fとの間の距離は、無視することができるので、前記距離Laは実質的に撮像装置49と段差部Ld1との間の水平方向の距離を表す。
【0061】
また、θ1は画像領域AS1を垂直方向の角度で表す垂直画角、θ2は光軸E3とラインE2、E6との成す角度、すなわち、半画角であり、該半画角θ2は、
θ2=θ1/2
である。そして、θ3は撮像装置49の俯角、θ4は光軸E3とラインE4との成す角度である。なお、段差部Ld1が画像領域AS1の中心より下縁ed2側に存在している場合、角度θ4は正の値を採るが、段差部Ld1が画像領域AS1の中心より上縁ed1側に存在している場合、角度θ4は負の値を採る。
【0062】
また、61は撮像装置49に配設された撮像素子としてのCCD素子、Pcは画像領域AS1上の中心から段差部Ld1までの画素の数、Pdは画像領域AS1上の中心から下縁ed2までの画素の数である。
【0063】
ところで、図5において、
tan(θ3−θ2)=L1/h
であるので、
tanθ2=(h・tanθ3−L1)/(h+L1・tanθ3)……(1)
になる。また、
tan(θ3−θ4)=La/h
であるので、距離Laは、
La=h・(tanθ3−tanθ4)
/(1+tanθ3・tanθ4)……(2)
になる。
【0064】
ここで、各画素がユニットサイズρを有するので、
tanθ2=Pd・ρ/Lf ……(3)
tanθ4=Pc・ρ/Lf
であるので、
tanθ4=Pc・tanθ2/Pd ……(4)
になる。したがって、前記式(4)に式(1)のtanθ2を代入すると、
tanθ4=Pc・{(h・tan3θ−L1)
/(h+L1・tan3θ)}/Pd ……(5)
になる。
【0065】
したがって、式(2)に式(5)のtanθ4を代入すると、距離Laを、距離L1、数Pc、Pd、高さh及び俯角θ3で表すことができる。ここで、距離L1、高さh及び俯角θ3は撮像装置49の取付状態で決まり、数Pc、Pdは撮像装置49の仕様で規定されるので、前記距離Laを算出することができる。
【0066】
本実施の形態においては、前記式(4)に式(1)のtanθ2を代入するようになっているが、式(3)のtanθ2を代入することができる。ところが、前記数Pc、Pd及びユニットサイズρは、撮像装置49の仕様によって規定されるので、撮像装置49の公差、撮像装置49への陽の当たり具合等によってtanθ2の値が変動し、距離Laの算出精度が低くなってしまう。一方、式(1)のtanθ2は、距離L1、高さh及び俯角θ3で表されるので、tanθ2の値が変動することはなく、距離Laの算出精度を高くすることができる。
【0067】
続いて、前記乗上制御処理手段の車両情報取得処理手段は、車両情報取得処理を行い、車速センサ44(図1)から車速を、ステアリングセンサ50から舵角を、ブレーキセンサ43からブレーキ踏込量を車両情報として読み込み、取得する。そして、前記乗上制御処理手段の予想走行軌跡算出処理手段は、予想走行軌跡算出処理を行い、運転者がステアリングホイールを回転させ始めたタイミングから、所定の周期ごとに前記舵角に基づいて車両Wh1の予想走行軌跡、本実施の形態においては、左前輪の予想走行軌跡ρfl、右前輪の予想走行軌跡ρfr、左後輪の予想走行軌跡ρrl、右後輪の予想走行軌跡ρrrを算出する。図7においては、左前輪の予想走行軌跡ρflを表す。各予想走行軌跡ρfl、ρfr、ρrl、ρrrは、算出する時点において読み込まれた舵角に応じて決まる円で表され、舵角によって異なる径を有する。
【0068】
続いて、前記乗上制御処理手段の乗上判定処理手段は、乗上判定処理を行い、前記距離La及び予想走行軌跡ρfl、ρfr、ρrl、ρrrに基づいて、各車輪について、段差部Ld1への乗上げが予測されるかどうかを判断する。図8においては、狭い路地に沿って車両Wh1を走行させているときに、交差点で車両Wh1を左折させる場合であり、左前輪及び左後輪の乗上げが予測される。また、図9においては、駐車場の出入口等において車両Wh1を左折させる場合であり、全車輪の乗上げが予測される。
【0069】
そして、前記乗上制御処理手段の推定乗上時刻算出処理手段は、推定乗上時刻算出処理を行い、前記GPSセンサ15から時刻を読み込み、該時刻、車速、ブレーキ踏込量、距離La及び予想走行軌跡ρfl、ρfr、ρrl、ρrrに基づいて、所定の周期ごとに、乗上げが予測される車輪、すなわち、乗上輪が段差部Ld1に乗り上げる時刻を、推定乗上時刻として推定し、算出する。なお、前記推定乗上時刻算出処理手段は、撮像装置49の位置と各車輪の位置との関係が分かっているので、前記距離Laに基づいて、予想走行軌跡ρfl、ρfr、ρrl、ρrr上における各車輪と段差部Ld1との距離を算出し、該距離に基づいて前記推定乗上時刻を算出する。
【0070】
また、前記乗上制御処理手段の車両支持機構制御処理手段は、車両支持機構制御処理を行い、車両支持機構45の動作、本実施の形態においては、サスペンションの動作を制御する。ところで、サスペンションは、スプリング機能及びダンパ機能を備え、図10に示されるような特性を有する。
【0071】
すなわち、車両Wh1の振動を減衰させるための減衰力が0〔N〕であるラインLxを基準にしたとき、サスペンションの縮み側において減衰力は負の値を、サスペンションの伸び側において減衰力は正の値を採る。そして、矢印f、m方向において減衰係数が小さくなり、サスペンションのスプリング機能は柔らかく、矢印g、n方向において減衰係数が大きくなり、サスペンションのスプリング機能は固くなる。なお、ラインhmin、kminは、減衰係数を最も小さくしたときの、ラインhmax、kmaxは、減衰係数を最も大きくしたときの特性を表す。
【0072】
また、ピストン速度は、サスペンションの動きの良さを表し、ピストン速度が低いほどサスペンションの動きは悪くなり、ピストン速度が高いほどサスペンションの動きは良くなる。
【0073】
したがって、前記車両支持機構制御処理手段は、乗上げが予測される車輪、すなわち、乗上輪について、推定乗上時刻で、又はその直前で、乗上輪に配設されたサスペンションの減衰係数を小さくするか、又はピストン速度を低くして減衰力(絶対値)を小さくし、他の車輪について、減衰力(絶対値)を変更しないことによって、車両Wh1に振動が発生するのを抑制する。
【0074】
本実施の形態において、前記車両支持機構制御処理手段は、他の車輪について減衰力(絶対値)を変更しないようになっているが、他の実施の形態において、乗上輪について減衰力(絶対値)を小さくし、他の車輪について、サスペンションの減衰係数を大きくするか、又はピストン速度を高くして減衰力(絶対値)を大きくすることができる。また、本実施の形態においては、減衰力を変更するために減衰係数又はピストン速度を変更するようになっているが、減衰力を変更するために減衰係数及びピストン速度を変更することができる。
【0075】
また、本実施の形態においては、サスペンションの動作を制御することによって車両支持機構45の動作を制御するようになっているが、スタビライザの動作を制御することによって車両支持機構45の動作を制御することができる。その場合、前記車両支持機構制御処理手段は、乗上げ輪に関与するスタビライザの反発係数(ロッドのねじれ係数)を変更し、小さくする。なお、乗上げ輪に関与しないスタビライザの反発係数は、変更しないか、大きくすることができる。
【0076】
なお、前記減衰係数によって第1の耐変形指標が、ピストン速度によって第2の耐変形指標が、反発係数によって第3の耐変形指標が構成され、第1〜第3の耐変形指標は、車両支持機構45に応力が加わったときに変形に抗する度合いを表し、小さいほど車両支持機構45に応力が加わったときに変形しやすく、大きいほど車両支持機構45に応力が加わったときに変形しにくい。
【0077】
このように、段差部Ld1への乗上げが予測される場合に、車両支持機構45の動作が制御され、減衰係数、ピストン速度、反発係数等が小さくされるので、乗上げに伴って乗上輪に加わる応力を吸収することができる。したがって、車輪が段差部Ld1に乗り上げた際に確実に突上げ感を小さくすることができる。
【0078】
また、乗上輪に加わる応力が吸収されるので、車両Wh1が傾くのを抑制することができる。したがって、車両Wh1に振動が発生するのを抑制することができる。
【0079】
そして、乗上輪以外の他の車輪について、減衰係数、ピストン速度、反発係数等を大きくした場合には、他の車輪が、乗上輪に加わる応力の影響を受けることがないようにすることができるので、乗上げに伴って車両Wh1に振動が発生するのを一層抑制することができる。
【0080】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 自車が走行中であるかどうかを判断する。自車が走行中である場合はステップS2に進み、走行中でない場合は処理を終了する。
ステップS2 取得した画像データから段差部Ld1を認識する。
ステップS3 段差部Ld1までの距離Laを算出する。
ステップS4 画像情報を取得する。
ステップS5 予想走行軌跡ρfl、ρfr、ρrl、ρrrを算出する。
ステップS6 乗上げが予測されるかどうかを判断する。乗上げが予測される場合はステップS7に、予測されない場合は処理を終了する。
ステップS8 推定乗上時刻を算出する。
ステップS9 車両支持機構45の動作を制御し、処理を終了する。
【0081】
ところで、本実施の形態においては、制御部10において乗上制御処理が行われるようになっているが、ナビゲーション処理部17において、所定の車輪が段差部Ld1に乗り上げるのを予測し、車両支持機構45の動作を制御することができる。そのために、ナビゲーション装置14において、CPU31の図示されない乗上制御処理手段は、乗上制御処理を行う。
【0082】
次に、ナビゲーションシステムを使用するようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0083】
図11は本発明の第2の実施の形態における乗上制御処理手段の動作を示すフローチャートである。
【0084】
まず、前記乗上制御処理手段は、マッチング処理が行われているかどうかを判断し、マッチング処理が行われている場合、前記乗上制御処理手段の道路形状取得処理手段は、道路形状取得処理を行い、マッチング処理において特定された現在地を読み込むとともに、前記情報記録部としてのデータ記録部16(図1)から交差点データ、道路データ等を読み出し、自車の周辺の道路形状を取得する。なお、該道路形状としては、例えば、自車の周辺に交差点がある場合には、交差点における道路の形状が、自車の周辺に駐車場の出入口がある場合には、該出入口における道路の形状が取得される。
【0085】
次に、前記乗上制御処理手段の走行状態判定処理手段は、自車が走行中であるかどうかを判断する。自車が走行中である場合、前記走行状態判定処理手段は、自車が、道路における左右端の走行レーンを走行しているかどうかを判断する。
【0086】
ところで、前記段差部認識処理手段は、自車が道路における左端の走行レーンを走行している場合、撮像装置49Lから送られた前記撮影領域AR1(図3)の画像データを読み込むことによって取得し、画像データに対してエッジ検出等の画像処理を行い、前記画像領域AS1(図4)内における認識対象物としての段差部Ld1を認識し、検出する。また、自車が道路における右端の走行レーンを走行している場合、段差部認識処理手段は、撮像装置49Rから送られた画像データを読み込むことによって取得し、画像データに対してエッジ検出等の画像処理を行い、前記画像領域AS1内における認識対象物としての段差部Ld1を認識し、検出する。
【0087】
続いて、前記乗上制御処理手段の距離算出処理手段は、画像中における段差部Ld1の位置に基づいて、撮像装置49から実際の段差部Ld1までの距離Laを算出する。
【0088】
続いて、前記乗上制御処理手段の車両情報取得処理手段は、車速センサ44から車速を、ステアリングセンサ50から舵角を、ブレーキセンサ43からブレーキ踏込量を車両情報として読み込む。そして、前記乗上制御処理手段の予想走行軌跡算出処理手段は、運転者がステアリングホイールを回転させ始めたタイミングから、所定の周期ごとに前記舵角に基づいて車両Wh1(図8)の予想走行軌跡、本実施の形態においては、前記予想走行軌跡ρfl、ρfr、ρrl、ρrrを算出する。なお、本実施の形態においては、ステアリングセンサ50によって舵角を検出するようになっているが、方位センサ18として使用されるジャイロセンサによって検出された角速度に基づいて舵角を検出(算出)することができる。
【0089】
続いて、前記乗上制御処理手段の乗上判定処理手段は、前記現在地、距離La及び予想走行軌跡ρfl、ρfr、ρrl、ρrrに基づいて、各車輪について、段差部Ld1への乗上げが予測されるかどうかを判断する。
【0090】
そして、前記乗上制御処理手段の推定乗上時刻算出処理手段は、前記GPSセンサ15から時刻を読み込み、該時刻、現在地、車速、ブレーキ踏込量、距離La及び予想走行軌跡ρfl、ρfr、ρrl、ρrrに基づいて、所定の周期ごとに推定乗上時刻を算出する。この場合、各車輪が段差部Ld1に乗り上げる順序も算出される。なお、本実施の形態において、現在地は、GPSセンサ15が配設された車両Wh1上の位置を表すので、前記乗上判定処理及び推定乗上時刻算出処理において、GPSセンサ15の位置と撮像装置49の位置との関係が考慮される。
【0091】
続いて、前記乗上制御処理手段の車両支持機構制御処理手段は、車両支持機構45の動作、本実施の形態においては、サスペンションの動作を制御する。
【0092】
このように、本実施の形態においては、乗上判定処理手段は、前記現在地、距離La及び予想走行軌跡ρfl、ρfr、ρrl、ρrrに基づいて、各車輪について、段差部Ld1への乗上げが予測されるかどうかを判断するようになっているので、判断結果の精度を高くすることができる。また、推定乗上時刻算出処理手段は、時刻、現在地、車速、ブレーキ踏込量、距離La及び予想走行軌跡ρfl、ρfr、ρrl、ρrrに基づいて、所定の周期ごとに推定乗上時刻を算出するようになっているので、推定乗上時刻の算出精度を高くすることができる。
【0093】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 マッチング処理が行われているかどうかを判断する。マッチング処理が行われている場合はステップS12に進み、行われていない場合は処理を終了する。
ステップS12 自車周辺の道路形状を取得する。
ステップS13 自車が走行中であるかどうかを判断する。自車が走行中である場合はステップS14に進み、走行中でない場合は処理を終了する。
ステップS14 自車が左右端の走行レーンを走行しているかどうかを判断する。自車が左右端の走行レーンを走行している場合ステップS15に進み、走行していない場合は処理を終了する。
ステップS15 取得した画像データから段差部Ld1を認識する。
ステップS16 段差部Ld1までの距離Laを算出する。
ステップS17 画像情報を取得する。
ステップS18 予想走行軌跡ρfl、ρfr、ρrl、ρrrを算出する。
ステップS19 乗上げが予測されるかどうかを判断する。乗上げが予測される場合はステップS20に、予測されない場合は処理を終了する。
ステップS20 推定乗上時刻を算出する。
ステップS21 車両支持機構45の動作を制御し、処理を終了する。
【0094】
ところで、前記各実施の形態においては、所定の車輪が段差部Ld1に乗り上げる際に、車両支持機構45の制御を行うようにしているが、所定の車輪が段差部Ld1に乗り上げる際に、車両Wh1が傾くと、乗上輪側のヘッドライトのビームが傾いてしまい、車両Wh1の周辺を均等に照射することができなくなってしまう。
【0095】
そこで、他の実施の形態において、前記乗上制御処理手段の配光制御処理手段は、配光制御処理を行い、各車輪についての、乗上げが予測されるかの判断結果を読み込み、前記配光装置46を介して、乗上輪に対応させて所定のヘッドライトの配光を制御する。
【0096】
すなわち、乗上輪が左前輪である場合、左側のヘッドライトのビームを所定の角度だけ下方に傾斜させ、乗上輪が右端輪である場合、右側のヘッドライトのビームを所定の角度だけ下方に傾斜させ、乗上輪が左後輪である場合、左側のヘッドライトのビームを所定の角度だけ上方に傾斜させ、乗上輪が右後輪である場合、右側のヘッドライトのビームを所定の角度だけ上方に傾斜させる。
【0097】
したがって、車両Wh1の周辺を均等に照射することができる。
【0098】
また、前記各実施の形態においては、車両Wh1の左右のサイドミラーML、MRに配設された撮像装置49L、Rによって車両Wh1の側方の周辺が撮影されるようになっているが、前記撮像装置49Fによって車両Wh1の前方の周辺を撮影することができる。
【0099】
その場合、乗上制御処理手段は、同様に、車両Wh1の前方の道路における、溝、凹凸等の段差部Ld1を認識対象物として認識し、撮像装置49Fから実際の段差部Ld1までの距離Laを算出し、車両Wh1の予想走行軌跡ρfl、ρfr、ρrl、ρrrを算出し、各車輪について、段差部Ld1への乗上げが予測されるかどうかを判断し、乗上輪について、車両支持機構45の動作を制御する。
【0100】
したがって、車両Wh1の前方に段差部Ld1があり、所定の車輪が段差部Ld1に乗り上げたときに、突上げ感を小さくすることができる。
【0101】
同様に、前記撮像装置49Bによって車両Wh1の後方の周辺を撮影することができる。
【0102】
その場合、乗上制御処理手段は、同様に、車両Wh1の後方の、溝、凹凸等の段差部Ld1を認識対象物として認識し、撮像装置49Bから実際の段差部Ld1までの距離Laを算出し、車両Wh1の予想走行軌跡ρfl、ρfr、ρrl、ρrrを算出し、各車輪について、段差部Ld1への乗上げが予測されるかどうかを判断し、乗上輪について、車両支持機構45の動作を制御する。
【0103】
したがって、車両Wh1の後方に段差部Ld1があり、所定の車輪が段差部Ld1に乗り上げたときに、突上げ感を小さくすることができる。
【0104】
さらに、前記各実施の形態においては、撮像装置49から取得した画像データに基づいて、撮像装置49から段差部Ld1までの距離Laを算出するようになっているが、撮像装置49に代えてレーザレーダ、ミリ波レーダ等のレーダ、超音波センサ等、又はそれらの組合せを使用し、車輪Wh1から段差部Ld1までの距離Laを算出することができる。
【0105】
ところで、前記各実施の形態において、前記段差部認識処理手段は、撮像装置49から送られた画像データを読み込み、画像処理を行って段差部を認識し、前記距離算出処理手段は、車両Wh1と実際の段差部Ld1との間の距離Laを算出するようにしているが、他の実施の形態においては、地図データによって車両Wh1の周辺の道路についての道路形状を取得し、取得された道路形状から道路における段差部Ld1を認識し、車両Wh1と実際の段差部Ld1との間の距離Laを算出することができる。
【0106】
その場合、前記段差部認識処理手段は、例えば、現在地、車両Wh1の方位等に基づいて地図データを読み込み、車両Wh1の周辺の道路についての道路形状を取得し、取得された道路形状に基づいて段差部Ld1を認識し、前記距離算出処理手段は、車両Wh1と実際の段差部Ld1との間の距離Laを算出する。
【0107】
すなわち、撮像装置を使用することなく、段差部Ld1を認識し、車両Wh1と実際の段差部Ld1との間の距離Laを算出することができる。
【0108】
また、前記各実施の形態においては、車両Wh1と実際の段差部Ld1との間の距離Laを、撮像装置49と段差部Ld1との間の距離Laによって算出するようになっているが、他の実施の形態においては、車両Wh1と実際の段差部Ld1との間の距離Laを、各車輪と段差部Ld1との距離、車両Wh1の中心位置と段差部Ld1との距離等によって算出することができる。この場合、画像領域AS1における段差部Ld1の位置、及び撮像装置49と各車輪との位置関係によって前記距離Laを算出したり、画像領域AS1における段差部Ld1の位置、及び撮像装置49と車両Wh1の中心位置との位置関係によって前記距離Laを算出したりすることができる。さらに、あらかじめ画像領域AS1の任意の位置に設定された任意の点と、各車輪又は車両Wh1の中心位置との位置関係によって前記距離Laを算出することができる。
【0109】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の第1の実施の形態における車両制御システムを示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における乗上制御処理手段の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態における撮影領域を説明する図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における撮影領域の画像の例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における撮像装置の取付状態を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における撮像装置の取付状態の詳細を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における車両の旋回パターンを示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における段差部への乗上状態の例を示す第1の図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態における段差部への乗上状態の例を示す第2の図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態におけるサスペンションの特性図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における乗上制御処理手段の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0111】
10 制御部
15 GPSセンサ
31 CPU
45 車両支持機構
46 配光装置
49、49B、49F、49L、49R 撮像装置
AR1 撮影領域
Ld1 段差部




 

 


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