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発明の名称 水圧転写加飾面付きリッド
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−191031(P2007−191031A)
公開日 平成19年8月2日(2007.8.2)
出願番号 特願2006−10932(P2006−10932)
出願日 平成18年1月19日(2006.1.19)
代理人 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘
発明者 福田 聖二
要約 課題
必要なリッド基体表面にのみ塗膜を水圧転写して加飾面を形成する。

解決手段
リッド基体5は、天板部11と、天板部11外周縁から天板部11裏側に向かって屈曲して延出する前方側板部13aとを備えている。前方側板部13a裏面には、前方側板部13a表面とその延出端で交差して天板部11表面に対して所定の傾斜角度α1で傾斜する傾斜面27が形成されている。傾斜面27と前方側板部13a表面との交差部29は、水圧転写時に塗膜7を切断可能なように鋭角に形成されている。水圧転写により形成された加飾面9と非加飾面との境界部が交差部29に設けられている。
特許請求の範囲
【請求項1】
リッド基体表面に塗膜の水圧転写により加飾面が形成され、リッド開状態で裏面が目視可能な水圧転写加飾面付きリッドであって、
上記リッド基体は、天板部と、該天板部外周縁から天板部裏側に向かって屈曲して延出する側板部とを備え、
上記側板部裏面には、該側板部表面とその延出端で交差して上記天板部表面に対して所定の傾斜角度で傾斜する傾斜面が形成され、
該傾斜面と上記側板部表面との交差部は、水圧転写時に塗膜を切断可能なように鋭角に形成され、
水圧転写により形成された加飾面と非加飾面との境界部が上記交差部に設けられていることを特徴とする水圧転写加飾面付きリッド。
【請求項2】
請求項1に記載の水圧転写加飾面付きリッドにおいて、
傾斜面は天板部表面に対して45°以上で傾斜していることを特徴とする水圧転写加飾面付きリッド。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、リッド基体表面に塗膜の水圧転写により加飾面が形成された水圧転写加飾面付きリッドの改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、基体表面に塗膜の水圧転写により加飾面を形成して装飾体を得ることが行われている。この水圧転写の要領は、水溶性フィルムに塗膜が形成された転写フィルムを水面に浮かべて上記水溶性フィルムを溶解させ、水面に浮かんでいる塗膜に基体表面を押し当てて該基体を水中に没入させることにより、没入時に受ける水圧で基体表面に塗膜を転写して加飾面を形成するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−300297号公報(第3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述の如く基体表面に塗膜を水圧転写する際、塗膜が基体表面にだけでなく基体裏面にまで回り込んで付着する。基体裏面にまで回り込んで付着する塗膜は引き伸ばされたり、一部が千切れたりして付着するため見栄えが悪く、基体裏面が人目に触れないような構造の装飾体の場合には、塗膜が基体裏面に回り込んで付着してもさほど問題はないが、装飾体が開閉式のリッドである場合、リッド基体裏面に回り込んで付着した塗膜がリッド開状態で人目に触れて意匠性が低下する。この場合、リッド基体裏面に付着した塗膜をリッド基体と同色に着色する補修作業を行っているため、本来必要でない余分な補修作業が必要で手間が掛かる。
【0004】
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、必要なリッド基体表面にのみ塗膜を水圧転写して加飾面を形成することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、この発明は、リッド基体表面の加飾面に隣接する非加飾面の形状を工夫したことを特徴とする。
【0006】
具体的には、この発明は、リッド基体表面に塗膜の水圧転写により加飾面が形成され、リッド開状態で裏面が目視可能な水圧転写加飾面付きリッドを対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0007】
すなわち、請求項1に記載の発明は、上記リッド基体は、天板部と、該天板部外周縁から天板部裏側に向かって屈曲して延出する側板部とを備え、上記側板部裏面には、該側板部表面とその延出端で交差して上記天板部表面に対して所定の傾斜角度で傾斜する傾斜面が形成され、該傾斜面と上記側板部表面との交差部は、水圧転写時に塗膜を切断可能なように鋭角に形成され、水圧転写により形成された加飾面と非加飾面との境界部が上記交差部に設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、傾斜面は天板部表面に対して45°以上で傾斜していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明によれば、水圧転写に際し、側板部裏面の傾斜面が外側方に向かって前下がりにならないように、天板部を上記傾斜面の天板部表面に対する傾斜角度以下に傾けた状態でリッド基体を水中に没入させることにより、塗膜がリッド基体表面全体に付着するが上記傾斜面には付着せず、この状態で該傾斜面に付着していない塗膜は上記傾斜面と側板部表面との鋭角な交差部で切断されてリッド基体から分離され、必要なリッド基体表面にのみ塗膜が水圧転写されて加飾面が形成される。したがって、リッド開状態で傾斜面が人目に触れても塗膜が傾斜面に付着していないので、補修作業をすることなく見栄えの良い意匠性に優れたリッドとすることができる。
【0010】
さらに、上述の如く天板部を傾斜面の天板部表面に対する傾斜角度以下に傾けた状態でリッド基体を水中に没入させることにより、加飾面の主体を構成する天板部側に気泡の巻込みを防止でき、良好な加飾面を有するリッドとすることができる。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に記載の効果を確実に得ることができることに加えて、リッド基体を大きく傾けて水中に深く没入させずに済み、塗膜の流動変形をなくして所期の目的とする意匠を確実に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0013】
図1〜4はこの発明の一実施形態に係る水圧転写加飾面付きリッド1を示し、本例では自動車のリヤコンソールに形成された小物入れ用ボックス3のリッド1である場合を例示するが、これに限らず、他のリッドにも適用できるものである。なお、水圧転写とは、水以外の液体を用いる液圧転写をも含む概念である。
【0014】
上記リッド1はその主体をなす樹脂製リッド基体5を備え、該リッド基体5表面には塗膜7の水圧転写により加飾面9が形成されている。上記リッド基体5は、平面視略矩形の天板部11と、該天板部11の四辺外周縁から天板部11裏側に向かってそれぞれ屈曲して延出する前方側板部13a、後方側板部13b及び両側方側板部13cの4つの側板部13a〜13cとを備えている。上記前方側板部13a及び後方側板部13bは共に外側方に向かって前下がりに傾斜し、上記両側方側板部13cは共に天板部11に対して直角に垂下している。また、上記両側方側板部13cの後方寄りには、軸孔15aを有するヒンジ部15が一体に垂設されている。上記前方側板部13aの基端側裏面には係合溝部17が形成されている。一方、上記天板部11の後方寄り裏面には、ネジ挿入孔19aを有するボス部19が一体に突設されている。そして、上記前方側板部13aの係合溝部17に樹脂製パネル材21の一端を挿入係合させた状態で、ネジ23を上記パネル材21のネジ挿通孔(図示せず)を経てボス部19のネジ挿入孔19aにねじ込むことにより、パネル材21で天板部11の裏面を覆っている。このようにパネル材21が組み付けられたリッド1は、ヒンジ軸25をヒンジ部15の軸孔15aに挿入して上記ボックス3に上下方向に開閉可能に取り付けられるようになっている。なお、上記ヒンジ軸25には捻りコイルバネ(図示せず)が装着され、該捻りコイルバネの付勢力によりリッド1の前方側板部13a延出端をボックス3の開口側段部3aに当接させてリッド閉状態(図3実線参照)を確保する一方、リッド1の後方側板部13b延出端をボックス3底面のストッパ3bに当接させてリッド開状態(図3仮想線参照)を確保し、このリッド開状態でリッド1裏面が目視可能になっている。
【0015】
この発明の特徴として、上記前方側板部13a裏面の基部を除く部分には、該前方側板部13a表面とその延出端で交差して上記天板部11表面に対して45°以上の傾斜角度α1で傾斜する傾斜面27が形成されている。傾斜面27をこのような傾斜角度α1に設定したのは、水圧転写時に塗膜7が傾斜面27に付着しないようにすること、加飾面9の主体を構成する天板部11側に気泡を巻き込まないようにすること、及び水面に浮かんでいる塗膜7の流動変形をなくすこと等のためである。また、該傾斜面27と上記前方側板部13a表面との交差部29は、水圧転写時に塗膜7を切断可能なように鋭角に形成され、該交差部29先端には乗員が触ったときの感触を和らげるに足りる最小の曲率半径Rが例えば0.5mmのアールで付けられている。さらに、水圧転写により形成された加飾面9(塗膜7が形成されたリッド基体5表面)と、非加飾面(塗膜7が形成されていないリッド基体5裏面)との境界部が上記交差部29に設けられている。
【0016】
上記両側方側板部13cにも、上記前方側板部13aと同様に傾斜面27が形成されている。つまり、上記両側方側板部13c裏面の基部を除く部分には、該側方側板部13c表面とその延出端で交差して上記天板部11表面に対して45°以上の傾斜角度α1で傾斜する傾斜面27が形成されている。また、該傾斜面27と上記側方側板部13c表面との交差部29は、水圧転写時に塗膜7を切断可能なように鋭角に形成され、該交差部29先端には曲率半径Rが例えば0.5mmのアールで付けられている。さらに、水圧転写により形成された加飾面9(塗膜7が形成されたリッド基体5表面)と、非加飾面(塗膜7が形成されていないリッド基体5裏面)との境界部が上記交差部29に設けられている。なお、後方側板部13bはリッド開状態で奥まった位置にあって外部から見え難いため、該後方側板部13bには上述の如き傾斜面27は形成されていない。
【0017】
次に、リッド基体5表面に塗膜7を水圧転写する要領を図5〜7を参照しつつ説明する。以下に括弧書で付した番号は水圧転写工程の順番を示す。
(1) PVA(ポリビニルアルコール)等の水溶性材料からなる水溶性フィルムに非水溶性の塗膜7が形成された転写フィルムを塗膜7が上を向くようにして水Wの水面w1に浮かべる。この状態で、上記塗膜7に図示しないスプレー装置を用いてキシレンや他の溶剤等を接着剤として吹き付ける。しばらくすると、水溶性シートが水Wに完全に溶解して塗膜7のみが水面w1に浮かんでいる状態となる(図5参照)。このタイミングを見計らってリッド基体5を表面が下に向いた状態で上記塗膜7の上方に配置して下方へゆっくりと移動させる。この際、リッド基体5の天板部11を傾斜面27の天板部11表面に対する傾斜角度α1以下(45°以下)に傾け、つまり水面w1に対して45°以下の傾斜角度α2に傾ける。この状態で、前方側板部13a及び両側方側板部13cの傾斜面27は、天板部11表面に対して45°以上の傾斜角度α1で傾斜しているので、外側方に向かって前下がりにならず、水面w1に対して平行になっているか、内側方に向かって前下がりになっている。本例では、傾斜面27は内側方に向かって前下がりになっている。
(2) 水面w1に浮かんでいる塗膜7に上記傾斜姿勢のリッド基体5表面を押し当て、リッド基体5を下方へ移動させて水中に没入させる。このリッド基体5を水中に没入させる過程(図6参照)で、塗膜7が水圧によりリッド基体5表面に押し付けられて密着して水圧転写される。この段階では、水面w1に浮かんでいる塗膜7とリッド基体5表面に水圧転写された塗膜7とは、水圧で湾曲している変形部7aで連結されていて未だ切り離されていない。また、前方側板部13aの傾斜面27は、上述の如く内側方に向かって前下がりになっているため、上記変形部7aは傾斜面27に接触していない。
(3) リッド基体5をさらに下方へ移動させて水中に完全に没入させる(図7参照)。これにより、塗膜7がリッド基体5表面全体に水圧転写される。この際、上記塗膜7の変形部7aが水中に引っ張られるため、その引張力でリッド基体5側の塗膜7と切断され、水面w1に浮かんでいる塗膜7とリッド基体5表面に水圧転写された塗膜7とが切り離され、前方側板部13a及び両側方側板部13cの傾斜面27に塗膜7の変形部7aが付着せず、リッド基体5表面にだけ塗膜7の水圧転写により加飾面9が形成されたリッド1が得られる。その後は、水圧が加飾面9全体に均等に掛かるようにリッド1を水平姿勢にして水中から引き上げる。
【0018】
このように、この実施形態では、前方側板部13a及び両側方側板部13c裏面に天板部11表面に対して45°以上の傾斜角度α1で傾斜する傾斜面27を形成し、水圧転写に際し、上記傾斜面27が外側方に向かって前下がりにならないように、天板部11を上記傾斜面27の天板部11表面に対して45°以下の傾斜角度α2に傾けて、リッド基体5を水中に没入させるようにしている。したがって、リッド基体5の水没状態で、水面w1に浮いている塗膜7とリッド基体5表面に水圧転写されている塗膜7との連結部分で水圧により湾曲している変形部7aから上記傾斜面27が離れる方向に傾いているため、上記変形部7aを傾斜面27に付着しないようにした状態で、上記傾斜面27と前方側板部13a及び両側方側板部13c表面との鋭角な交差部29で切断してリッド基体5から分離でき、塗膜7をリッド基体5表面にだけ水圧転写して加飾面9を形成し、かつ傾斜面27に付着しないように確実にすることができる。これにより、リッド開状態で傾斜面27が人目に触れても、上記切断された塗膜7の変形部7aが傾斜面27に付着していないので、補修作業をすることなく見栄えの良い意匠性に優れたリッド1を簡単に得ることができる。
【0019】
さらに、上記の実施形態では、上述の如く天板部11を傾斜面27の天板部11表面に対して45°以下の傾斜角度α2に傾けた状態でリッド基体5を水没させているので、加飾面9の主体を構成する天板部11側に気泡の巻込みを防止でき、良好な加飾面9を有するリッド1とすることができる。
【0020】
また、上記の実施形態では、リッド基体5を大きく傾けて水中に深く没入させずに済み、塗膜7の流動変形をなくして所期の目的とする意匠を確実に得ることができる。
【0021】
なお、前方側板部13a表面の傾斜を図8に示すように、上記の実施形態よりも大きくし、これに合わせて傾斜面27を前方側板部13a裏面全体に形成してもよい。この際、交差部29先端に曲率半径R1が例えば0.5mmのアールと、これよりも大きな曲率半径R2のアールとが連続したいわゆるダブルアールを形成し、乗員が触ったときの違和感をさらになくすようにしている。
【産業上の利用可能性】
【0022】
この発明は、リッド基体表面に塗膜の水圧転写により加飾面が形成された水圧転写加飾面付きリッドについて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】リッド先端側部分を拡大して示す断面図である。
【図2】自動車のリヤコンソールに形成された小物入れ用ボックスのリッドの斜視図である。
【図3】図2のA−A線における断面図である。
【図4】図2のB−B線における断面図である。
【図5】水面に浮かんだ塗膜の上方にリッド基体を配置した状態を示す断面図である。
【図6】リッド基体を水中に没入させる過程で塗膜をリッド基体表面に水圧転写させている状態を示す断面図である。
【図7】リッド基体を完全に水中に没入させて塗膜をリッド基体表面全体に水圧転写させた状態を示す断面図である。
【図8】変形例の図1相当図である。
【符号の説明】
【0024】
1 リッド
5 リッド基体
7 塗膜
9 加飾面
11 天板部
13a 前方側板部
13c 側方側板部
27 傾斜面
29 交差部
α1 傾斜面の天板部表面に対する傾斜角度




 

 


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