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発明の名称 車体構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−38855(P2007−38855A)
公開日 平成19年2月15日(2007.2.15)
出願番号 特願2005−225513(P2005−225513)
出願日 平成17年8月3日(2005.8.3)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 牧原 博明 / 松下 活己
要約 課題
本発明は、運転者に違和感を発生させずに、車両斜め前方の視界領域が拡げられる車体構造を提供する。

解決手段
本発明は、フロントウインド部材5の車幅方向両側を支持するフロントピラー14には、下部側だけを車体内側へ凹ませた構造15を採用した。同構造15により、運転者から車両斜め前方を視認するときの視界からフロントピラー14の下部が退かれる。これにより、車両斜め前方には、死角のない、広い視界αが確保される。
特許請求の範囲
【請求項1】
車体の車室内空間の前部に配置されたフロントウインド部材と、
前記フロントウインド部材の車幅方向両側に配置され、前記フロントウインド部材の車幅方向側部を支持するフロントピラーとを有し、
前記フロントピラーが、前記フロントピラーの下部側だけを車体内側へ凹ませて構成されることを特徴とする車体構造。
【請求項2】
前記フロントピラーは、該ピラーの一部に、下部を車体前後方向内側へ反らせて凹ませ、上部側を車体前後方向外側へ反らせたS形部分を形成してなることを特徴とする請求項1に記載の車体構造。
【請求項3】
前記フロントピラーの上端部は、車体のルーフ部の骨格を構成する第1骨格部材に対して車体前後方向から滑らかに連続してつながり、同下端部は車体のフロント部の骨格を構成する第2骨格部材に対して車体前後方向から滑らかに連続してつながることを特徴とする請求項2に記載の車体構造。
【請求項4】
前記フロントピラーは、内部に該フロントピラーの全長にならって補強部材が配設されることを特徴とする請求項1に記載の車体構造。
【請求項5】
前記フロントウインド部材は、該部材の側部に、前記凹ませたフロントピラー部分に収まるウインド部を有していることを特徴とする請求項1に記載の車体構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロントピラーを改良した車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車(車両)は、車両前方の視界を確保するために、従来、図7および図8に示されるように乗員が乗り込む車室内空間a(車体f内に形成される空間)の前部にフロントウインド部材bを設けることが行なわれている。そのフロントウインド部材bのほとんどは、車体fのフロント部gからルーフ部cへ立ち上がる一対のフロントピラーdを用いて、車幅方向両側部を支持させている。なお、kは、フロントピラーdに設けた三角窓を示す。
【0003】
一般に、フロントピラーdは、フロントウインド部材bの側部を支えるために、図8に示されるように運転席hに着座している運転者iよりも前方に配置される。
【0004】
ところで、運転者iは、自動車の運転中、安全性の確保のため、車両の斜め前方を視認することが多い(左折や右折、またカーブを曲がるとき)。
【0005】
ところが、フロントピラーdは、運転者iのアイポイントjから見ると、ルーフ部cから斜め前方下側へ向って張り出すように視認される。このため、運転者iが、例えば車両斜め前方の歩行者などを見るために、車両の斜め前方を視認する場合、視界の中にフロントピラーdの下部が張り出すので、斜め前方の視界βに死角が発生する。
【0006】
これは、近年のフロントウインド部材bが、車両前方へ大きく張り出して前面のウインド面の傾斜を強く(倒れ角度:小)する傾向のために、どうしてもフロントピラーdの下部は、運転席fから前方の遠ざかった地点に配置されやすく、同下部が、運転者iの視界、すなわち運転者iのアイポイントjから車両斜め前方を視認するときの視界βの中に大きく張り出しやすい状況となっていることにもよる。
【0007】
しかも、フロントピラーdは、衝突安全性の確保から、太い部材が用いられる傾向にあり(剛性強度の確保のため)、ピラー自体の構造の面からも、フロントウインド部材bの斜め前方の視界が損なわれやすい。
【0008】
こうした車両斜め前方の視認性を高める手立てとして、特許文献1に開示されているように全体を車体内側に反らせたフロントピラーを、運転者のアイポイントより車両後方へ配置して、斜め前方から死角をなくすようにした構造が提案されている。
【特許文献1】実用新案登録第3042529号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、同構造だと、フロントピラーの一部が、運転者に対して異常に接近する状態に配置されるので、運転者に違和感を生じさせてしまう難点がある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、運転者に違和感を発生させずに、車両斜め前方の視界領域が拡げられる車体構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、フロントウインド部材の車幅方向両側を支持するフロントピラーには、下部側だけを車体内側へ凹ませた構成を採用した。
【0012】
同構成により、運転者から車両斜め前方を視認するときの視界から、死角となっていたフロントピラーの下部が退かれる。これにより、車両斜め前方には広い視界が確保される。
【0013】
請求項2に記載の発明は、さらに運転者への圧迫感を与えることなく広い視界が確保されるよう、フロントピラーの一部に、下部を車体前後方向内側へ反らせて凹ませ、上部を車体前後方向外側へ反らせたS形部分を形成した。
【0014】
請求項3に記載の発明は、上記目的に加え、車体前部から加わる衝撃エネルギーが、フロントピラーの車体骨格部材とつながる部分で集中せずに、フロントピラーを介して車体のルーフ部の骨格部材へも分散されるよう、フロントピラーの上端部は、車体のルーフ部の骨格を構成する第1骨格部材に対して車体前後方向から滑らかに連続してつながり、下端部は車体のフロント部の骨格を構成する第2骨格部材に対して車体前後方向から滑らかに連続してつながるようにした。
【0015】
請求項4に記載の発明は、上記目的に加え、さらに、一層、広い車両斜め前方の視界を確保するために、フロントピラーには、内部に該フロントピラーの全長にならって補強部材が内装した構成を用いて、フロントピラー自身を細径化するようにした。
【0016】
請求項5に記載の発明は、上記目的を達成するために、フロントウインド部材の側部に、凹んだフロントピラー部分に収まるウインド部を設けたことにある。
【発明の効果】
【0017】
請求項1および請求項5に記載の発明によれば、運転者からフロントウインド部材の斜め前方には、障害物(死角)を抑えた広い視界が確保できる。
【0018】
したがって、良好な視認性のもとで車両斜め前方を視認することができる。しかも、フロントピラーは、下部を凹ませる構造なので、フロントピラーが運転者に異常に接近することはなく、フロントピラーが運転者に違和感を与えることない。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、フロントピラーがS形となることで、フロントピラー上部による乗員への圧迫感を与えることなく、良好な視界を確保することができる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、さらに上記効果に加え、車体前部からの衝撃エネルギーを、フロントピラーと車体骨格部材とつながる部分だけでなく、フロントピラーを介してルーフ部の骨格部材へも分散させて支持することができ、衝突安全性に優れた車体を構成することができる。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、さらに上記効果に加え、補強部材がもたらすフロントピラーの細径化により、一層、広い車両斜め前方の視界を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[第1の実施形態]
以下、本発明を図1〜図4に示す第1の実施形態にもとづいて説明する。
【0023】
図1は本発明を適用した車両、例えば乗用車のフロント側の側面図を示し、図2は同自動車のフロント側を斜め上から見たときの斜視図を示し、図3は同自動車のフロント側の平断面図、図4は拡大したフロントピラー構造を示している。
【0024】
これら図1〜図4中1は、箱形の車体を示している。車体1は、乗員Mの居室を形成する車室内空間2(図3しか図示せず)をもつ。車室内空間2は、下部に配置したフロア面3(図3しか図示せず)、上部に配置したルーフ部4、前部に配置したフロントウインド部材5、後部に配置したリヤウインド部材(図示しない)などで囲まれる空間から形成される。この車室内空間2の前部には、フロント部6(本願のフロント部に相当)が形成してある。このフロント部6の内部には、図示はしないが、例えば走行源となるパワーユニットを収めたエンジンルームが形成してある。また車室空間2の車幅方向両側には、乗降口8、同乗降口8を開閉するフロントドア9およびリヤドア10が設けられていて、乗員Mが、乗降口8を通じて、フロア面5に設置した運転席11、助手席12(いずれもシート:図3しか図示せず)に着座されるようにしてある。
【0025】
なお、上下方向に沿って配置したフロントウインド部材5は、下端が上端(ルーフ部4の前端)より、車両前部側へ張り出た状態となっている。つまり、正面のウインド面が傾斜させてある。
【0026】
但し、フロントウインド部材5の上端部は、ルーフ部4の前端縁にて支持され、下端部はフロント部7の後部にて支持させてある。
【0027】
一方、フロント部6の両側部(車幅方向両側)からは、一対のフロントピラー14が上側へ突き出ている。フロントピラー14には、いずれも閉断面の細長部材、例えば鋼板製の角筒形の部材が用いられている。フロントピラー14が、フロントウインド部材5の両側部(車幅方向)を通って、ルーフ部4の前部両側(車幅方向両側)へ延びている。そして、同フロントピラー14で、フロントウインド部材5の側部を車体1に支持させている。
【0028】
このフロントピラー14には、車両斜め前方の視界を良好にする手立てが施されている。これには、フロントピラー14の下部だけを車室内空間2側(車体内側)へ凹ませた構造が用いられている。これは、図1、図2および図4に示されるようにフロントピラー14の各一部、例えばフロントピラー14の中段に、S形部分15を形成した構造が用いてある。具体的には、例えばS形部分15は、フロントピラー14の中段から下側となる下部分(フロントピラーの下部に相当する部分)を車室内空間2側(車体内側に相当)へ弧を描くように反らせて凹ませ、反対に中段から上側となる上部分(フロントピラーの上部に相当する部分)を車体前方側(車体外側に相当)へ反らせて形成されている。なお、15aは車体内側に反らせた部分を示し、15bはそれとは反対向きの車体外側へ反らせた部分を示している。この凹んだフロントピラー14により、運転席11に着座した運転者(乗員M)が車両斜め前方を視認するときの視界αの中から、障害物(死角)となるフロントピラー14の下部を退かせている。
【0029】
またフロントウインド部材5の下部両側(車幅方向)には、図1、図2および図4に示されるように一対のサイドウインドパネル17(片側しか図示せず:本願のウインド部に相当))が一体に連ねてある。これらサイドウインドパネル17は、凹んだピラー部分15aを補う形状をなしている。つまり、サイドウインドパネル17が、フロントウインド部材5の両側部(車幅方向)から車室内空間2側へ張り出ている。これらサイドウインドパネル17が、ピラー部分15aの凹み空間に嵌まり込んでいる。そして、同ピラー部分15aでサイドウインドパネル17が支持されている。これで、ピラー部分15aの凹み空間にサイドウインド18を形成している。これにより、運転者(乗員M)から斜め前方において、障害物(死角)となるフロントピラー14下部の無い視界が得られるようにしている。
【0030】
フロントピラー14の上端部は、図4に示されるようにルーフ部4の骨格を構成する両側(車幅方向両側)のルーフサイド部材20(車体前後方向に延びる骨格部材:本願の第1骨格部材に相当)の前端部に対して、滑らかに車体前後方向から円弧を描きながら連続して連結される。同下端部は、フロント部6の骨格を構成するフロントアッパ部材21(車体前後方向に延びる骨格部材:本願の第2骨格部材に相当)の後部に対して、滑らかに車体前後方向から連続して連結されていて、各フロントピラー14と車体骨格部材の連結部が、車体前部から加わる衝撃エネルギーに耐える構造にしている。
【0031】
またフロントピラー14の内部には、図4に示されるように全長にならって補強部材、例えばパイプ部材22が挿通されている。図中22aはそのパイプ部材22の小径部分(細い部分)、22bはパイプ部材22の大径部分(太い部分)を示している。このパイプ部材22の下端部は、例えばフロントアッパ部材21の後部(あるいはフロントピラー14の下部側など)に連結され、上端部は例えばルーフサイド部材20(本願の第2骨格部材に相当)に連結されている。パイプ部材22の上端部22bを大径化すると、衝突時の荷重をフロントピラー14からルーフ部4の骨格へと分散させることができる。なお、パイプ部材22の上端部は、ルーフ部4の前縁部に配設されたクロス部材(図示しない)やルーフ部4の前後方向中間に配設されたルーフボー(図示しない)やセンターピラーの上端部(いずれも図示しない)に連結しても構わない(いずれも本願の第2骨格部材に相当)。このパイプ部材22の内装によって、フロントピラー14の全体を補強している。フロントピラー14は、この補強を利用して、細径化してある。
【0032】
但し、図中23はインストルメントパネル、24はハンドル、25はフロントピラー14に設けた三角窓を示す。また、図示しないが、フロントピラー14の内部にアンテナを配設する場合は、パイプ部材22の内部に収容するように構成しても良い。
【0033】
このようなフロントピラー14の下部を凹ませた構造によると、図1〜図3に示されるように運転者(乗員M)が車両斜め前方を視認したとき、同方向のフロントウインド部材5を通した視界αの中からは、フロントピラー14の下部は、無い、あるいは邪魔とならない地点にあると視認される。
【0034】
これにより、運転者(乗員M)から車両斜め前方には、図2および図3に示されるように障害物(死角)がない、広い視界αが確保できる。
【0035】
したがって、車両斜め前方は、良好な視認性のもとで視認することができる。特にフロントピラー14は、パイプ部材22(補強部材)の補強より、細径化してあるので、一層、良好な視認性が確保できる。
【0036】
そのうえ、フロントピラー14は、下部だけを凹ませたので、フロントピラー14が運転者(乗員M)に異常に接近するという問題はなく、フロントピラー14が運転者に違和感を与えることない。特にフロントピラー14の下部だけを凹ませる構造は、運転席に着座した運転者のアイポイントの水平方向より下側において、広い視界が確保されるので、視認性は良好である。しかも、フロントピラー14の下部は、車体後方側へずれて配置されるので、たとえ車両前部から人がフロントピラー14の下部へ倒れ込むことがあっても、剛性の高いフロントピラー14には、直接、当たらず、衝撃吸収性に優れたフロントウインド部材5やサイドウインド18が受けるので(座屈変形で衝撃を吸収)、安全性の面でもよい。
【0037】
また凹み構造としてフロントピラー14にS形部分15を形成する構造は、上記のように車両斜め前方に広い視界αが確保できるだけでなく、車両前部から衝撃力(衝撃エネルギー)が加わると、フロントピラー14の上端部、下端部は、ルーフ部4の骨格部材やフロント部6の骨格部材に対して、車体前後方向から滑らかに連続して連結されるので、車体前部からの衝撃力(衝撃エネルギー)が、フロントピラー14との連結部で集中せずに、フロントピラー14やルーフ部4の骨格部材へ分散させることができ、結果、衝突安全性に優れた車体1を構成できる。
【0038】
[第2の実施形態]
図5および図6は、本発明の第2の実施形態を示す。
【0039】
本実施形態は、サイドウインドパネル17に関し、第1の実施形態のようにフロントウインド部材5に一体に形成するのではなく、別体の構造で、フロントウインド部材5に設ける点を特徴としている。
【0040】
具体的には、フロントウインド部材5の両側部(車幅方向両側)に、接続具、例えば接着モール30を介して、サイドウインドパネル17を連結させたものである。
【0041】
こうしたサイドウインドパネル17付きのフロントウインド部材5を用いても、上述した第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0042】
但し、図5および図6において、第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略した。
【0043】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施しても構わない。例えば上述したいずれの実施形態も、4ドアの乗用車を挙げたが、これに限らず、他のタイプの異なる自動車に本発明を適用してもよい。また、フロントピラーは上部がフロントピラー全体のうち1/3や1/4程度でもよく、逆に下部が全体のうち1/3や1/4程度でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る車体のフロント側を示す側面図。
【図2】同車体のフロントウインド付近を示す斜視図。
【図3】同車体の平断面図。
【図4】フロントウインド部材を支持するフロントピラーの周辺を拡大して示す一部断面した斜視図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る車体のフロントウインド周辺示す斜視図。
【図6】図5中のA−A線に沿う断面図。
【図7】従来の車体のフロントピラーを説明するための側面図。
【図8】同車体の平断面図。
【符号の説明】
【0045】
1…車体、2…車室内空間、5…フロントウインド部材、14…フロントピラー、15…S形部分、15a…ピラー部分(凹ませた部分)、17…サイドウインドパネル(ウインド部)、20…ルーフサイド部材(第1骨格部材)、21…フロントアッパ部材(第2骨格部材)、22…パイプ部材(補強部材)。




 

 


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