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発明の名称 ハイブリッド電気自動車の制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−245805(P2007−245805A)
公開日 平成19年9月27日(2007.9.27)
出願番号 特願2006−68900(P2006−68900)
出願日 平成18年3月14日(2006.3.14)
代理人 【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
発明者 緒方 誠 / 木内 達雄
要約 課題
電動機の出力が制限された場合であっても、必要な駆動力を確保して運転フィーリングの低下を防止することができるようにしたハイブリッド電気自動車の制御装置を提供する。

解決手段
エンジン2の駆動力と電動機6の駆動力とが複数の前進変速段を有する自動変速機8を介して車両の駆動輪16に伝達可能であって、出力可能な最大トルクとして予め定められた上限トルクを電動機6が出力困難となる所定状態が検出されたときには、上記所定状態が検出されないときに使用する変速マップと比較して、車両の運転状態の変化に応じたダウンシフトが早めに行われると共に、車両の運転状態の変化に応じたアップシフトが遅めに行われる制御マップを用いて自動変速機8を制御する。
特許請求の範囲
【請求項1】
エンジンの駆動力と電動機の駆動力とが複数の前進変速段を有する自動変速機を介して車両の駆動輪に伝達可能なハイブリッド電気自動車の制御装置において、
出力可能な最大トルクとして予め定められた上限トルクを上記電動機が出力困難となる所定状態であることを検出する出力制限検出手段と、
所定の変速マップに基づき上記車両の運転状態の変化に応じて上記自動変速機の変速段を切換制御し、上記出力制限検出手段によって上記所定状態が検出されたときには、上記出力制限検出手段によって上記所定状態が検出されないときに使用する変速マップと比較して、上記車両の運転状態の変化に応じたダウンシフトが早めに行われると共に、上記車両の運転状態の変化に応じたアップシフトが遅めに行われる制御マップを用いて上記自動変速機を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とするハイブリッド電気自動車の制御装置。
【請求項2】
上記出力制限検出手段は、上記電動機の出力可能なトルクが実際に上記上限トルクより小さい制限トルクに制限されたときに、上記所定状態にあると検出することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。
【請求項3】
上記電動機に電力を供給するバッテリの充電率を検出する充電率検出手段を更に備え、
上記出力制限検出手段は、上記充電率検出手段によって検出された上記バッテリの充電率が所定の下限充電率より低下したときに、上記所定状態にあると検出することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。
【請求項4】
上記出力制限検出手段は、上記バッテリが出力することのできる電力の上限である許容出力値が所定出力よりも低下したときに上記所定状態にあると検出することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。
【請求項5】
上記制御手段は、上記出力制限検出手段によって上記所定状態が検出された場合には、車両発進開始時における上記自動変速機の変速段を第1変速段とする変速マップを使用する一方、上記出力制限検出手段によって上記所定状態が検出されない場合には、車両発進開始時における上記自動変速機の変速段を上記第1変速段より高速側の第2変速段とする変速マップを使用することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はハイブリッド電気自動車の制御装置に関し、特にエンジンの駆動力と電動機の駆動力とがそれぞれ車両の駆動輪に伝達可能なハイブリッド電気自動車の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、エンジンと電動機とを車両に搭載し、エンジンの駆動力と電動機の駆動力とをそれぞれ車両の駆動輪に伝達可能とした、いわゆるパラレル型ハイブリッド電気自動車が開発され実用化されている。
このようなパラレル型ハイブリッド電気自動車として、クラッチを接続してエンジンと電動機の両方から駆動輪に駆動力を伝達可能とした状態と、クラッチを切断して電動機の駆動力のみを駆動輪に伝達可能とした状態とに切り換えられるようにしたハイブリッド電気自動車が、例えば特許文献1によって提案されている。
【0003】
そして、特許文献1に示されるハイブリッド電気自動車においては、電動機の出力トルクが何らかの理由により制限され、車両の走行に必要な要求トルクに対して電動機の出力トルクが不足する場合にはエンジンを始動して、エンジンからも出力トルクを得ることにより、必要な駆動力を確保できるようにしている。
また、回生制動時に回生制動トルクが制限されている場合には、変速機の変速比を変更することにより電動機の回転数を上昇させ、電動機のトルクを低減することによって電動機を保護するようにしている。
【特許文献1】特開2004−162670号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のハイブリッド電気自動車では、車両の駆動時に電動機のトルクが制限され要求トルクに対して電動機のトルクが不足する場合には、エンジンを始動することによってこの不足を補うようにしているため、エンジンの始動及び停止が繰り返され、エンジンの始動停止に伴う振動や騒音が発生したり、エンジンが始動されて必要なトルクが得られるようになるまでに時間遅れが生じて一時的に駆動力不足となったりして運転フィーリングが低下するという問題がある。
【0005】
特に車両発進時には、電動機のみによるスムーズな発進が行えなくなる可能性が高くなる上、上記駆動力不足による運転フィーリングの低下が顕著なものとなる。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電動機の出力が制限された場合であっても、必要な駆動力を確保して運転フィーリングの低下を防止することができるようにしたハイブリッド電気自動車の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明のハイブリッド電気自動車の制御装置は、エンジンの駆動力と電動機の駆動力とが複数の前進変速段を有する自動変速機を介して車両の駆動輪に伝達可能なハイブリッド電気自動車の制御装置において、出力可能な最大トルクとして予め定められた上限トルクを上記電動機が出力困難となる所定状態であることを検出する出力制限検出手段と、所定の変速マップに基づき上記車両の運転状態の変化に応じて上記自動変速機の変速段を切換制御し、上記出力制限検出手段によって上記所定状態が検出されたときには、上記出力制限検出手段によって上記所定状態が検出されないときに使用する変速マップと比較して、上記車両の運転状態の変化に応じたダウンシフトが早めに行われると共に、上記車両の運転状態の変化に応じたアップシフトが遅めに行われる制御マップを用いて上記自動変速機を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする(請求項1)。
【0007】
このように構成されたハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、出力可能な最大トルクとして予め定められた上限トルクを電動機が出力困難となる所定状態であることを出力制限検出手段によって検出すると、上記所定状態が検出されないときに比べ、車両の運転状態の変化に応じた自動変速機のダウンシフトが早めに行われると共に、アップシフトが遅めに行われる。
【0008】
具体的には、上記ハイブリッド電気自動車の制御装置において、上記出力制限検出手段は、上記電動機の出力可能なトルクが実際に上記上限トルクより小さい制限トルクに制限されたときに、上記所定状態にあると検出することを特徴とする(請求項2)。
また具体的には、上記ハイブリッド電気自動車の制御装置において、上記電動機に電力を供給するバッテリの充電率を検出する充電率検出手段を更に備え、上記出力制限検出手段は、上記充電率検出手段によって検出された上記バッテリの充電率が所定の下限充電率より低下したときに、上記所定状態にあると検出することを特徴とする(請求項3)。
【0009】
また具体的には、上記ハイブリッド電気自動車の制御装置において、上記出力制限検出手段は、上記バッテリが出力することのできる電力の上限である許容出力値が所定出力よりも低下したときに上記所定状態にあると検出することを特徴とする(請求項4)。
また、これらのハイブリッド電気自動車の制御装置において、上記制御手段は、上記出力制限検出手段によって上記所定状態が検出された場合には、車両発進開始時における上記自動変速機の変速段を第1変速段とする変速マップを使用する一方、上記出力制限検出手段によって上記所定状態が検出されない場合には、車両発進開始時における上記自動変速機の変速段を上記第1変速段より高速側の第2変速段とする変速マップを使用することを特徴とする(請求項5)。
【0010】
このように構成されたハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、車両の発進時に出力制限検出手段によって上記所定状態が検出された場合には、自動変速機の変速段が第1変速段とされて車両の発進が開始される。また、車両の発進時に出力制限検出手段によって上記所定状態が検出されない場合には、自動変速機の変速段が上記第1変速段よりも高速側の第2変速段とされて車両の発進が開始される。
【発明の効果】
【0011】
本発明のハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、出力可能な最大トルクとして予め定められた上限トルクを電動機が出力困難となる所定状態であることが検出されると、上記所定状態が検出されないときに比べ、車両の運転状態の変化に応じた自動変速機のダウンシフトが早めに行われると共に、アップシフトが遅めに行われるようにしたので、電動機が上記上限トルクまで出力できない状態であっても、車両の駆動に必要な駆動力を確保することが可能となり、良好な運転性能を維持して駆動力不足による運転フィーリングの低下を防止することができる。
【0012】
また、上記所定状態が検出されないときには、電動機が上限トルクを出力できない状態を考慮した変速マップを使用する必要がないので、電動機を搭載せずにエンジンのみを駆動源とする車両の自動変速機と比較して早めにシフトアップを行うことが可能となる。この結果、エンジンと電動機を併用して車両の駆動を行った場合に、車両の駆動に必要な駆動力を得ながらエンジンの燃費を向上させることができる。
【0013】
また、請求項2のハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、電動機の出力可能なトルクが実際に上記上限トルクより小さい制限トルクに制限されたときに、上記所定状態にあると検出するようにしたので、電動機が上限トルクを出力できない状態を的確に検出して変速マップを切り換えることができる。
また、請求項3のハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、バッテリの充電率が所定の下限充電率より低下したときに、上記所定状態にあると検出するようにしたので、バッテリの充電率低下によって電動機の出力が実際に低下するのを予測して変速マップを切り換えることが可能となり、変速マップの切り換え遅れに伴う一時的な駆動力不足を防止することができる。
【0014】
また、請求項4のハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、バッテリが出力することのできる電力の上限である許容出力値が所定出力よりも低下したときに上記所定状態にあると検出するようにしたので、バッテリの許容出力値の低下によって電動機の出力が実際に低下するのを予測して変速マップを切り換えることが可能となり、変速マップの切り換え遅れに伴う一時的な駆動力不足を防止することができる。
【0015】
また、請求項5のハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、車両の発進時に上記所定状態が検出された場合には、自動変速機の変速段が第1変速段とされて車両の発進が開始されるようにしたので、電動機が上限トルクを出力することができなくても車両の発進に必要な駆動力を確保することができ、車両発進時の駆動力不足による運転性能及び運転フィーリングの低下を防止することができる。
【0016】
また、車両の発進時に上記所定状態が検出されない場合には、自動変速機の変速段が第1変速段よりも高速側の第2変速段とされて車両の発進が開始されるようにしたので、スムーズな発進が可能となると共に、変速段の切り換え回数を減らすことによりスムーズな加速が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は本発明の一実施形態であるハイブリッド電気自動車1の制御装置の要部構成図である。ディーゼルエンジン(以下エンジンという)2の出力軸にはクラッチ4の入力軸が連結されており、クラッチ4の出力軸は永久磁石式同期電動機(以下電動機という)6の回転軸を介して前進変速段(以下では単に変速段という)が5段の自動変速機(以下変速機という)8の入力軸が連結されている。また、変速機8の出力軸はプロペラシャフト10、差動装置12及び駆動軸14を介して左右の駆動輪16に接続されている。
【0018】
従って、クラッチ4が接続されているときには、エンジン2の出力軸と電動機6の回転軸の両方が、変速機8を介して駆動輪16と機械的に接続可能となり、クラッチ4が切断されているときには電動機6の回転軸のみが変速機8を介して駆動輪16と機械的に接続可能となる。
電動機6は、バッテリ18に蓄えられた直流電力がインバータ20によって交流電力に変換されて供給されることによりモータとして作動し、その駆動トルクが変速機8によって適切な速度に変速された後に駆動輪16に伝達されるようになっている。また、車両減速時には、電動機6が発電機として作動し、駆動輪16の回転による運動エネルギが変速機8を介し電動機6に伝達されて交流電力に変換されることにより回生制動トルクを発生する。そして、この交流電力はインバータ20によって直流電力に変換された後、バッテリ18に充電され、駆動輪16の回転による運動エネルギが電気エネルギとして回収される。
【0019】
一方、エンジン2の駆動トルクは、クラッチ4が接続されているときに電動機6の回転軸を経由して変速機8に伝達され、適切な速度に変速された後に駆動輪16に伝達されるようになっている。従って、エンジン2の駆動トルクが駆動輪16に伝達されているときに電動機6がモータとして作動する場合には、エンジン2の駆動トルクと電動機6の駆動トルクとがそれぞれ変速機8を介して駆動輪16に伝達されることになる。即ち、車両の駆動のために駆動輪16に伝達されるべき駆動トルクの一部がエンジン2から供給されると共に、残部が電動機6から供給される。
【0020】
また、バッテリ18の充電率(以下SOCという)が低下してバッテリ18を充電する必要があるときには、電動機6が発電機として作動すると共に、エンジン2の駆動力の一部を用いて電動機6を駆動することにより発電が行われ、発電された交流電力をインバータ20によって直流電力に変換した後にバッテリ18に充電するようにしている。
車両ECU22(制御手段)は、車両やエンジン2の運転状態、及びエンジンECU24、インバータECU26並びにバッテリECU(充電率検出手段)28からの情報などに応じて、クラッチ4の接続・切断制御及び変速機8の変速段切換制御を行うと共に、これらの制御状態や車両の発進、加速、減速など様々な運転状態に合わせてエンジン2や電動機6を適切に運転するための統合制御を行う。
【0021】
そして車両ECU22は、このような制御を行う際に、アクセルペダル30の踏込量を検出するアクセル開度センサ32や、車両の走行速度を検出する車速センサ34及び電動機6の回転数を検出する回転数センサ36の検出結果に基づき、要求駆動トルク並びに要求減速トルクを演算し、これら要求駆動トルク及び要求減速トルクを満足するように、エンジン2が発生するトルク及び電動機6が発生するトルクを設定している。
【0022】
エンジンECU24は、エンジン2の始動・停止制御やアイドル制御、或いは排ガス浄化装置(図示せず)の再生制御など、エンジン2自体の運転に必要な各種制御を行うと共に、車両ECU22によって設定されたエンジン2に必要とされるトルクをエンジン2が発生するよう、エンジン2の燃料の噴射量や噴射時期などを制御する。
一方、インバータECU26は、車両ECU22によって設定された電動機6が発生すべきトルクに基づきインバータ20を制御することにより、電動機6をモータ作動または発電機作動させて運転制御する。また、電動機6やインバータ20の温度を検出する温度センサ(図示せず)からの出力信号を受けて、電動機6の温度を車両ECU22に送っている。
【0023】
バッテリECU28は、バッテリ18の温度や、バッテリ18の電圧、インバータ20とバッテリ18との間に流れる電流などを検出すると共に、これらの検出結果からバッテリ18のSOCを求め、求めたSOCを検出結果と共に車両ECU22に送っている。
このように構成されたハイブリッド電気自動車1において、車両を走行させるために車両ECU22を中心として行われる制御の概要は以下の通りである。
【0024】
まず、車両が停車状態にあってエンジン2が停止しており、チェンジレバー(図示せず)がニュートラル位置にあるときに運転者がスタータスイッチ(図示せず)によってエンジン2を始動する操作を行うと、車両ECU22は変速機8がニュートラル位置となって電動機6と駆動輪16との機械的な接続が遮断されていると共にクラッチ4が接続されていることを確認した後、インバータECU26に対してエンジン2の始動に必要な電動機6の駆動トルクを指示すると共に、エンジンECU24にエンジン2を運転するよう指示する。
【0025】
インバータECU26は車両ECU22からの指示に基づき、電動機6をモータ作動させて駆動トルクを発生させ、エンジン2をクランキングし、エンジンECU24がエンジン2への燃料の供給を開始することによりエンジン2が始動する。エンジン2の始動完了後は、車両ECU22がクラッチ4を切断し、エンジン2はアイドル運転を行う。
このようにしてエンジン2を始動した後、車両が停止状態にあるときには、クラッチ4が切断されており、エンジン2はアイドル運転状態にある。そして、運転者がチェンジレバーをドライブ位置などに操作すると、車両ECU22はクラッチ4を切断すると共に変速機8の変速段を変速マップに従って発進開始時の変速段とする。そして、運転者がアクセルペダル30を踏み込むと、車両ECU22はアクセル開度センサ32によって検出されたアクセルペダル30の踏込量に応じ、車両を発進させるために駆動輪16に伝達すべき駆動トルクを求め、この駆動トルクと変速機8で使用中の変速段とに基づき電動機6の出力トルクを設定する。
【0026】
インバータECU26は、車両ECU22が設定した電動機6の出力トルクに応じてインバータ20を制御し、バッテリ18の直流電力がインバータ20によって交流電力に変換されて電動機6に供給される。電動機6は交流電力が供給されることによってモータ作動して駆動力を発生し、電動機6の駆動力は変速機8を介して駆動輪16に伝達され、車両が発進する。
【0027】
車両が発進加速して電動機6の回転数がエンジン2のアイドル回転数の近傍まで上昇すると、クラッチ4を接続してエンジン2の駆動力を駆動輪に伝達することが可能となり、車両ECU22は更なる車両の加速及びその後の走行のために、駆動輪16に伝達すべき駆動トルクを求める。そして、この駆動トルクを変速機8で使用中の変速段や車両の運転状態に応じてエンジン2の出力トルクと電動機6の出力トルクとに適切に振り分け、エンジンECU24やインバータECU26に指示すると共に、必要に応じて変速機8やクラッチ4を制御する。
【0028】
エンジンECU24及びインバータECU26は車両ECU22が設定した出力トルクを受けて、エンジン2及び電動機6をそれぞれ制御し、クラッチ4が接続されているときにはエンジン2及び電動機6の出力トルクが変速機8を介して駆動輪16に伝達される一方、クラッチ4が切断されているときには電動機6が発生した出力トルクが変速機8を介して駆動輪16に伝達され車両が走行する。
【0029】
また、このとき車両ECU22は、アクセル開度センサ32によって検出されたアクセルペダル30の踏込量や車速センサ34によって検出された走行速度などの車両の運転状態に応じ、変速機8の変速段を適宜切換制御すると共に、変速段の切り換えに合わせてエンジン2や電動機6のトルクを適切に制御するよう、エンジンECU24及びインバータECU26に対して指示すると共にクラッチ4の断接を制御している。
【0030】
ところで、電動機6にはその仕様により電動機6が連続して出力可能な最大トルクとして上限トルクが定められており、電動機6からトルクを出力させる際には出力トルクがこの上限トルクを超えることのないように制御を行う。しかしながら、バッテリ18のSOCが何らかの理由により極度に低下した場合や、寒冷地でバッテリ18や電動機6の温度が大きく低下したような場合などでは、電動機6から上限トルクの出力トルクを得ることができないことがある。また、バッテリ18や電動機6或いはインバータ20の温度が過度に上昇した場合にも、これらを保護するために電動機6の出力が上限トルクより小さい制限トルク以下に制限される。
【0031】
車両ECU22は、このような場合にも駆動輪16に必要な駆動力が伝達されるようにするため、車両の運転状態に応じた変速機8の変速段制御を行う際に使用する変速マップを切り換えて使用している。
この車両ECU22による変速マップの切換制御は図2に示すフローチャートに従い所定の制御周期で行われる。
【0032】
切換制御が開始されると、ステップS1では電動機6が上限トルクを出力困難であるか否かを判定する(出力制限検出手段)。
車両ECU22は、上述のようにバッテリECU28から送られてくる情報に基づき、バッテリ18のSOCが極度に低下したことを検知した場合や、バッテリ18の温度が大きく低下していることを検知した場合には、それぞれの場合に応じて電動機6の出力トルクを上限トルクより小さな制限トルク以下に制限する。また、このような場合のほかに、バッテリECU28及びインバータECU26から送られてくる情報に基づき、バッテリ18や電動機6或いはインバータ20の温度が過度に上昇したことを検知した場合にも、それぞれの場合に応じて電動機6の出力トルクを上限トルクより小さな制限トルク以下に制限する。そしてステップS1では、このような出力トルクの制限が行われる状況にあるときに、電動機6が上限トルクを出力困難であると判定する。
【0033】
ステップS1で電動機6が上限トルクを出力可能であると判定した場合にはステップS2に進んでシフトアップ用変速マップSU1及びシフトダウン用変速マップSD1を選択する一方、電動機6が上限トルクを出力困難であると判定した場合にはステップS3に進んでシフトアップ用変速マップSU2及びシフトダウン用変速マップSD2を選択し、その制御周期を終了する。
【0034】
このようにしてステップS1の判定を制御周期毎に繰り返すことにより、電動機6が上限トルクを出力困難であるか否かに応じて適宜シフトアップ用変速マップSU1及びシフトダウン用変速マップSD1の組合せ、又はシフトアップ用変速マップSU2及びシフトダウン用変速マップSD2の組合せを選択するようにしている。
これら変速マップは、いずれもアクセル開度センサ32によって検出されたアクセルペダル30の踏込量と車速センサ34によって検出された走行速度とに応じて変速機8の変速段のシフトアップ及びシフトダウンを行う際に使用される。
【0035】
図3は、これらの変速マップのうち、シフトアップ用変速マップSU1を示しており、アクセルペダル30の踏み込み量と走行速度とに応じて、2速から3速へのシフトアップ線(2→3)、3速から4速へのシフトアップ線(3→4)及び4速から5速へのシフトアップ線(4→5)が設定されている。
従って、車両運転状態の変化によりアクセルペダル30の踏み込み量と走行速度とによって定まる点が2速から3速へのシフトアップ線を図の左方から右方へと横切ると、車両ECU22は変速機8の変速段を2速から3速へとシフトアップする。また、3速から4速へのシフトアップ線及び4速から5速へのシフトアップ線についても同様であり、アクセルペダル30の踏み込み量と走行速度とによって定まる点が各シフトアップ線を図の左方から右方に横切ったときにそれぞれ対応するシフトアップが行われる。
【0036】
なお、このシフトアップ用変速マップSU1は、電動機6の出力トルクが併用されることから、電動機を搭載せずにエンジンのみを駆動源とする車両に適用される自動変速機の変速マップと比較して、シフトアップが早めに行われるような設定となっている。この結果、エンジン2と電動機6とを併用して車両の駆動を行った場合に、車両の駆動に必要な駆動力を得ながらエンジン2の燃費を向上させることができるようになっている。
【0037】
また、図3に示すように、電動機6が上限トルクを出力可能な場合には、最低変速段が2速であって、車両の発進時には変速段を2速として車両の発進が開始される。従って、本実施形態では2速の変速段が本発明の第2変速段に相当する。
これに対し、図4はシフトアップ用変速マップSU2を示しており、アクセルペダル30の踏み込み量と走行速度とに応じて、1速から2速へのシフトアップ線(1→2)、2速から3速へのシフトアップ線(2→3)、3速から4速へのシフトアップ線(3→4)及び4速から5速へのシフトアップ線(4→5)が図中に実線で示すようにして設定されている。
【0038】
このマップを使用した場合にも、シフトアップ用変速マップSU1の場合と同様にしてシフトアップが行われるが、図4に示すようにシフトアップ用変速マップSU2には、シフトアップ用変速マップSU1にはない1速から2速へのシフトアップ線が設定されている。即ち、電動機6が上限トルクを出力困難な場合には、最低変速段が1速となり、車両の発進時には変速段を1速として車両の発進が開始される。従って、本実施形態では1速の変速段が本発明の第1変速段に相当する。
【0039】
また、図中にはシフトアップ用変速マップSU1の各シフトアップ線を点線で示すが、これらシフトアップ線に対し、シフトアップ用変速マップSU2の対応するシフトアップ線はいずれも、同じアクセルペダル30の踏み込み量に対して、より高速側でシフトアップが行われるようになっている。即ち、シフトアップ用変速マップSU2を用いた場合には、シフトアップ用変速マップSU1を用いた場合よりも車両の運転状態の変化に応じたシフトアップが遅めに行われることになる。
【0040】
図5は、電動機6が上限トルクを出力可能な場合に選択されるシフトダウン用変速マップSD1を示しており、アクセルペダル30の踏み込み量と走行速度とに応じて、5速から4速へのシフトダウン線(4←5)、4速から3速へのシフトダウン線(3←4)及び3速から2速へのシフトダウン線(2←3)が設定されている。
従って、車両運転状態の変化によりアクセルペダル30の踏み込み量と走行速度とによって定まる点が5速から4速へのシフトダウン線を図の右方から左方へと横切ると、車両ECU22は変速機8の変速段を5速から4速へとシフトダウンする。また、4速から3速へのシフトダウン線及び3速から2速へのシフトダウン線についても同様であり、アクセルペダル30の踏み込み量と走行速度とによって定まる点が各シフトダウン線を図の右方から左方へ横切ったときにそれぞれ対応するシフトダウンが行われる。
【0041】
また、電動機6が上限トルクを出力可能な場合には、図5に示すように2速までしかシフトダウンが行われず、前述したとおり次の車両の発進時には変速段を2速として車両の発進が開始される。
これに対し、図6は電動機6が上限トルクを出力困難な場合に選択されるシフトダウン用変速マップSD2を示しており、アクセルペダル30の踏み込み量と走行速度とに応じて、5速から4速へのシフトダウン線(4←5)、4速から3速へのシフトダウン線(3←4)、3速から2速へのシフトダウン線(2←3)及び2速から1速へのシフトダウン線(1←2)が図中に実線で示すようにして設定されている。
【0042】
このマップを使用した場合にも、シフトダウン用変速マップSD1の場合と同様にしてシフトダウンが行われるが、図6に示すようにシフトダウン用変速マップSD2には、シフトダウン用変速マップSD1にはない2速から1速へのシフトダウン線が設定されている。従って、電動機6が上限トルクを出力困難な場合には、1速までシフトダウンが行われ、前述したとおり次の車両の発進時には変速段を1速として車両の発進が開始される。
【0043】
また、図中にはシフトダウン用変速マップSD1の各シフトダウン線を点線で示すが、これらシフトアップ線に対し、シフトダウン用変速マップSD2の対応するシフトダウン線はいずれも、同じアクセルペダル30の踏み込み量に対して、より高速側でシフトダウンが行われるようになっている。即ち、シフトダウン用変速マップSD2を用いた場合には、シフトダウン用変速マップSD1を用いた場合よりも車両の運転状態の変化に応じたシフトダウンが早めに行われることになる。
【0044】
このように設定された各変速マップを選択して使用することにより、駆動輪16への駆動力の伝達は次のようにして行われる。
電動機6が上限トルクを出力可能であって、変速マップの切換制御によってシフトアップ用変速マップSU1及びシフトダウン用変速マップSD1が選択された場合には、前述のようにして運転者が車両の発進操作を行うと、車両ECU22はクラッチ4を切断すると共に、選択した変速マップに従って変速機8の変速段を2速とする。そして、車両ECU22がアクセルペダル30の踏込量に応じて設定した駆動輪16に伝達すべき駆動トルクから変速段が2速のときの電動機6の出力トルクを設定し、設定された電動機6の駆動トルクに従い、インバータECU26がインバータ20を制御することにより、電動機6の駆動力が変速機8を介して駆動輪16に伝達され、車両が発進する。
【0045】
このように、電動機6が上限トルクを出力可能な場合には、変速機8の変速段を2速として電動機6により車両を発進させるようにしたので、車両のスムーズな発進を可能とすることができる。
車両が発進加速して電動機6の回転数がエンジン2のアイドル回転数の近傍まで上昇すると、クラッチ4を接続してエンジン2の駆動力を駆動輪に伝達することが可能となり、車両ECU22は更なる車両の加速及びその後の走行のために、駆動輪16に伝達すべき駆動トルクを決定する。そして、この駆動トルクから変速機8で使用中の変速段に応じてエンジン2及び電動機6から出力すべき要求トルクを求め、この要求トルクを車両の運転状態に応じてエンジン2側と電動機6側に適切に振り分ける。
【0046】
車両ECU22が要求トルクをエンジン2及び電動機6に振り分ける際には、エンジン2の出力トルクをエンジン2の回転数に応じて先に決定し、エンジン2の出力トルクが要求トルクに不足する場合にはその不足分を電動機6の出力トルクする。このとき、エンジン2の出力トルクはエンジン2の排ガス特性を考慮して比較的エンジン回転数の低い領域ではNOx排出量の少ない所定の許容トルク以下のトルク領域に制限している。従って、要求トルクが許容トルクを上回るまではエンジン2のみによって要求トルクが得られるように制御が行われ、要求トルクが許容トルクを上回るとエンジン2から許容トルクを出力すると共に不足分が電動機6から出力されるように制御が行われる。
【0047】
また、このようにして車両が走行する際に、車両ECU22は選択したシフトアップ用変速マップSU1及びシフトダウン用変速マップSD1に基づき、アクセル開度センサ32が検出したアクセルペダル30の踏み込み量や車速センサ34が検出した走行速度の変化に応じて変速機8の変速段をシフトアップしたりシフトダウンしたりすると共に必要に応じてクラッチ4を制御する。
【0048】
即ち、アクセルペダル30の踏み込み量と走行速度とによって定まる点が前述のように図3に示すシフトアップ用変速マップSU1のシフトアップ線を横切るとシフトアップが行われ、図5に示すシフトダウン用変速マップSD1のシフトダウン線を横切るとシフトダウンが行われる。
従って、車両が発進して加速した場合、走行速度の上昇に伴い変速機8の変速段は順次シフトアップされていくが、前述のように車両発進時の変速段が2速となっているため、発進時の変速段を1速とする場合よりも5速までのシフトアップ回数を減らしてスムーズな加速を行うことが可能となる。
【0049】
一方、電動機6が上限トルクを出力困難であって、変速マップの切換制御によりシフトアップ用変速マップSU2及びシフトダウン用変速マップSD2が選択された場合には、前述のようにして運転者が車両の発進操作を行うと、車両ECU22はクラッチ4を切断すると共に、選択した変速マップに従って変速機8の変速段を1速とする。
また、車両ECU22は、アクセルペダル30の踏込量に応じて設定した駆動輪16に伝達すべき駆動トルクから電動機6の駆動トルクを設定するが、このときには電動機6が上限トルクまでトルクを出力することができない状態にあるため、図2のステップS1での判定に使用した電動機6が上限トルクを出力困難である要因に応じて電動機6の出力トルクは上限トルクより小さい制限トルク以下に制限される。
【0050】
ところが、このとき変速機8で使用される変速段は1速であるため、変速段が2速のときと同等の駆動トルクを駆動輪16に伝達するために電動機6が出力するトルクは、変速段が2速のときよりも小さくてすむことになる。従って、電動機6の出力トルクが上限トルクより小さい制限トルク以下に制限されても、駆動輪16には車両の発進に必要な駆動力を伝達することが可能となり、車両発進時の駆動力不足による運転性能及び運転フィーリングの低下を防止することができる。
【0051】
そして、このようにして設定された電動機6の駆動トルクに従い、インバータECU26がインバータ20を制御することにより、電動機6の駆動力が変速機8を介して駆動輪16に伝達され、車両が発進する。
車両が発進加速して電動機6の回転数がエンジン2のアイドル回転数近傍まで上昇し、クラッチ4を接続してエンジン2の駆動力を駆動輪に伝達することが可能になると、車両ECU22は前述のようにして駆動輪16に伝達すべき駆動トルクを決定し、この駆動トルクからエンジン2及び電動機6から出力すべき要求トルクを求め、エンジン2側と電動機6側に適切に振り分ける。
【0052】
また、車両ECU22は選択したシフトアップ用変速マップSU2及びシフトダウン用変速マップSD2に基づき、アクセル開度センサ32が検出したアクセルペダル30の踏み込み量や車速センサ34が検出した走行速度の変化に応じて変速機8の変速段をシフトアップしたりシフトダウンしたりすると共に必要に応じてクラッチ4を制御する。
即ち、アクセルペダル30の踏み込み量と走行速度とによって定まる点が前述のようにして図4に示すシフトアップ用変速マップSU2のシフトアップ線を横切るとシフトアップが行われ、図6に示すシフトダウン用変速マップSD2のシフトダウン線を横切るとシフトダウンが行われる。
【0053】
このとき、シフトアップ用変速マップSU2及びシフトダウン用変速マップSD2はシフトアップ用変速マップSU1及びシフトダウン用変速マップSD1と比較して、アクセルペダル30の踏み込み量及び走行速度の変化に対して遅めにシフトアップが行われると共に早めにシフトダウンが行われるようになっている。従って、エンジン2及び電動機6は比較的高回転側で使用され、車両の走行のために駆動輪16に伝達すべき駆動トルクから、使用中の変速段に応じて求められるエンジン2及び電動機6の出力トルクの合計は、電動機6が上限トルクを出力可能である場合よりも小さくなる。
【0054】
従って、電動機6の出力トルクが前述のようにして上限トルクより小さい制限トルク以下に制限されても、駆動輪16には車両の走行に必要な駆動力を伝達することが可能となり、駆動力不足による運転性能や運転フィーリングの低下を防止することができる。
また、車両ECU22が要求トルクをエンジン2及び電動機6に振り分ける際には、電動機6が上限トルクを出力可能である場合と同様に、エンジン2の出力トルクをエンジン2の回転数に応じて先に決定し、エンジン2の出力トルクが要求トルクに不足する場合にはその不足分を電動機6の出力トルクする。
【0055】
このように電動機6の回転数がエンジン2のアイドル回転数近傍以上に上昇してクラッチ4を接続した後にトルクの配分を行う際、車両ECU22は図7に示すような制御マップを使用する。この制御マップは、図2に示すように電動機6の回転数と要求トルクとによってエンジン2及び電動機6のトルクの出力領域を規定するものであり、要求トルクの上限値Tmaxより下方の領域において、エンジン2のみで要求トルクを得る出力領域R1とエンジン2及び電動機6の両方により要求トルクを得る出力領域R2とに分割されている。なお、このときにはクラッチ4が接続されていることから、電動機6の回転数はエンジン2の回転数と一致している。
【0056】
出力領域R1とR2との境界線は、エンジン2がその回転数において出力可能な最大トルクTeに対応している。従って、要求トルクがエンジン2の最大出力トルクを上回るまではエンジン2のみで要求トルクを得るように制御が行われ、要求トルクがエンジン2の最大出力トルクを上回るとエンジン2がそのときの最大トルクを出力する共に不足分が電動機6から出力されるように制御が行われる。
【0057】
電動機6が上限トルクを出力可能な場合には、前述したようにエンジン2の排ガス特性を考慮してエンジン2の出力トルクを許容トルク以下に制限しているが、図7にはこの許容トルクを一点鎖線によって示している。
図7に示すように、電動機6が上限トルクを出力可能な場合にはエンジン2の出力トルクを許容トルク以下に制限するのに対し、電動機6が上限トルクを出力可能な場合にはエンジン2の出力を最大トルクTeまで許容することにより、電動機6が上限トルクを出力困難である場合の方が電動機6の出力トルクを必要とする領域が低速側に縮小されることになる。
【0058】
このような出力領域を設定することによって、電動機6が上限トルクを出力困難な場合には電動機6の負担をできる限り軽減し、特にSOCの低下で電動機6の出力が制限されるような場合にSOCの更なる低下を抑制すると共に早期回復が図れるようにしている。
また、電動機6が上限トルクを出力困難な場合には、前述のようにシフトアップ用変速マップSU2及びシフトダウン用変速マップSD2が選択されることにより、エンジン2及び電動機6が高回転側で運転されるようになるが、上述のように電動機6の出力領域が縮小されると共に低速側に移行することと相俟って、電動機6に対する出力制限の影響はより小さなものとなる。
【0059】
従って、電動機6の出力が大きく制限されるような場合であっても、駆動力不足となるような事態を確実に防止することが可能となる。
以上で本発明の一実施形態に係るハイブリッド電気自動車の制御装置についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、電動機6の出力トルクが上限トルクより小さい制限トルク以下に実際に制限されるときに電動機6が上限トルクを出力困難であると判定するようにして、電動機6が上限トルクを出力困難であることを確実に検出できるようにしたが、バッテリECU28からの情報に基づき、バッテリ18のSOCが所定の下限SOC(例えば30%)より低下したときに電動機6が上限トルクを出力困難であると判定するようにしても良い。この場合、電動機6が実際に上限トルクを出力できなくなるようなSOCよりも幾分大きめのSOCを下限SOCとすることにより、電動機6の出力が実際に低下するのを予測して変速マップを切り換えることが可能となり、変速マップの切り換え遅れに伴う一時的な駆動力不足を防止することができる。
【0060】
或いは、バッテリECU28からの情報に基づき、バッテリ18がその時点で出力可能な電力の上限である許容出力値が所定出力よりも低下したときに、電動機6が上限トルクを出力困難であると判定するようにしても良い。このような場合にも、電動機6の出力が実際に低下するのを予測して変速マップを切り換えることが可能となり、変速マップの切り換え遅れに伴う一時的な駆動力不足を防止することができる。
【0061】
また、上記実施形態では、電動機6が上限トルクを出力困難な場合の車両発進時の変速段を1速とし、電動機6が上限トルクを出力可能な場合の車両発進時の変速段を2速としたが、それぞれの場合の車両発進時における変速段はこれに限られるものではなく、電動機6が上限トルクを出力困難な場合の変速段よりも電動機6が上限トルクを出力可能な場合の変速段の方が高速側であればよい。
【0062】
更に、上記実施形態では、電動機6をクラッチ4と変速機8との間に配置するようにしたが、電動機6の配置はこれに限られるものではなく、例えばエンジン2とクラッチ4との間に電動機6を配置したハイブリッド電気自動車のように、エンジン2の駆動力と電動機6の駆動力とがそれぞれ駆動輪16に伝達可能なハイブリッド電気自動車であれば同様の効果を得ることができる。
【0063】
また、上記実施形態では変速機8を前進5段の自動変速機としたが、変速段の数及び自動変速機の形式はこれに限られるものではなく、無段変速機などであっても良い。
なお、上記実施形態ではエンジン2をディーゼルエンジンとしたが、エンジン形式はこれに限られるものではなく、ガソリンエンジンなどでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施形態に係るハイブリッド電気自動車の制御装置の全体構成図である。
【図2】図1のハイブリッド電気自動車の制御装置で行われる変速マップの切換制御のフローチャートである。
【図3】シフトアップ用変速マップSU1を示す図である。
【図4】シフトアップ用変速マップSU2を示す図である。
【図5】シフトダウン用変速マップSD1を示す図である。
【図6】シフトダウン用変速マップSD2を示す図である。
【図7】電動機が上限トルクを出力困難である場合のエンジン及び電動機の出力領域を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
1 ハイブリッド電気自動車
2 エンジン
6 電動機
8 自動変速機
16 駆動輪
18 バッテリ
22 車両ECU(出力制限検出手段、制御手段)
28 バッテリECU(充電率検出手段)




 

 


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