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発明の名称 車両用エアバッグ装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−216733(P2007−216733A)
公開日 平成19年8月30日(2007.8.30)
出願番号 特願2006−36975(P2006−36975)
出願日 平成18年2月14日(2006.2.14)
代理人 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
発明者 山田 誠之 / 竹中 研一 / 深渡瀬 修 / 鈴木 慎哉
要約 課題
乗員頭部拘束時に左右のエアバッグの乗員側先端部の開きを抑制することにより、乗員頭部拘束性能の更なる向上を図る。

解決手段
助手席用エアバッグ32は左側エアバッグ44及び右側エアバッグ46を含んで構成されており、両者は内側の側面中央側にて内側ストラップで相互に連結されていると共に、内側ストラップよりも乗員側でかつ上面側に複数の上部ストラップ70によって相互に連結されている。従って、乗員頭部拘束時に乗員頭部が上部ストラップ70から受ける反力は極めて小さく、かつ左側エアバッグ44の先端部と右側エアバッグ46の先端部とが左右に開くのも防止できる。
特許請求の範囲
【請求項1】
車両衝突時にガスを噴出するガス供給手段と、
前記ガス供給手段からガスの供給を受けて乗員に対して前方左側で膨張展開する第1エアバッグ及び乗員に対して前方右側で膨張展開する第2エアバッグと、
前記第1エアバッグと前記第2エアバッグとを側面中央側で車両幅方向に連結する連結部材と、
前記第1エアバッグと前記第2エアバッグとを前記連結部材よりも乗員側でかつバッグ上面側で車両幅方向に連結し、乗員頭部拘束時に第1エアバッグの乗員側先端部と第2エアバッグとの乗員側先端部とが車両幅方向に離間する動きを規制する規制手段と、
を有することを特徴とする車両用エアバッグ装置。
【請求項2】
前記規制手段は、所定の幅に設定された一又は二以上の帯状のストラップであり、
当該ストラップを第1エアバッグ及び第2エアバッグの折り線に沿って配置すると共に両端部を第1エアバッグ及び第2エアバッグに固定した、
ことを特徴とする請求項1記載の車両用エアバッグ装置。
【請求項3】
前記規制手段は、所定の幅に設定された一又は二以上の帯状のストラップであり、
当該ストラップの一端部を第1エアバッグに固定すると共に当該ストラップの他端部を第2エアバッグに固定し、
さらに、当該ストラップを予め平面視で傾斜した状態で配置した、
ことを特徴とする請求項1記載の車両用エアバッグ装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右一対のエアバッグを備えた車両用エアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、左右一対のエアバッグを有する助手席用エアバッグ装置において、左右のエアバッグをストラップでバッグ幅方向に相互に連結することにより、左右のエアバッグが互いに離間する方向へ開くのを防止する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−244005号公報
【特許文献2】特開2004−256016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記先行技術による場合、ストラップをバッグ側面の中央に設定しているが、車両衝突時に乗員頭部が接触する部分は拘束時に車両幅方向に開く傾向があり、乗員頭部拘束性能を更に向上させることが望まれる。
【0004】
本発明は上記事実を考慮し、乗員頭部拘束時に左右のエアバッグの乗員側先端部の開きを抑制することにより、乗員頭部拘束性能の更なる向上を図ることができる車両用エアバッグ装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の本発明は、車両衝突時にガスを噴出するガス供給手段と、前記ガス供給手段からガスの供給を受けて乗員に対して前方左側で膨張展開する第1エアバッグ及び乗員に対して前方右側で膨張展開する第2エアバッグと、前記第1エアバッグと前記第2エアバッグとを側面中央側で車両幅方向に連結する連結部材と、前記第1エアバッグと前記第2エアバッグとを前記連結部材よりも乗員側でかつバッグ上面側で車両幅方向に連結し、乗員頭部拘束時に第1エアバッグの乗員側先端部と第2エアバッグとの乗員側先端部とが車両幅方向に離間する動きを規制する規制手段と、を有することを特徴としている。
【0006】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の車両用エアバッグ装置において、前記規制手段は、所定の幅に設定された一又は二以上の帯状のストラップであり、当該ストラップを第1エアバッグ及び第2エアバッグの折り線に沿って配置すると共に両端部を第1エアバッグ及び第2エアバッグに固定した、ことを特徴としている。
【0007】
請求項3記載の本発明は、請求項1記載の車両用エアバッグ装置において、前記規制手段は、所定の幅に設定された一又は二以上の帯状のストラップであり、当該ストラップの一端部を第1エアバッグに固定すると共に当該ストラップの他端部を第2エアバッグに固定し、さらに、当該ストラップを平面視で傾斜した状態で配置した、ことを特徴としている。
【0008】
請求項1記載の本発明によれば、車両衝突時になると、ガス供給手段によってガスが噴出され、第1エアバッグ及び第2エアバッグに供給される。これにより、第1エアバッグが乗員に対して前方左側に膨張展開されると共に、第2エアバッグが乗員に対して前方右側に膨張展開されて、乗員の両肩付近が拘束される。このとき、第1エアバッグと第2エアバッグとは連結手段によって側面中央側で車両幅方向に連結されているため、乗員の両肩付近を拘束した際に第1エアバッグと第2エアバッグとが車両幅方向に大きく離間するのが防止される。
【0009】
ここで、本発明では、第1エアバッグと第2エアバッグとを上記連結部材よりも乗員側でかつバッグ上面側で車両幅方向に連結する規制手段を設けたので、乗員頭部は第1エアバッグの乗員側先端部と第2エアバッグの乗員側先端部との間に形成される充分な大きさの空間を利用して所定のエネルギー吸収がなされる。のみならず、規制手段を設けたことにより、乗員頭部拘束時に乗員頭部が規制手段から受ける反力は殆ど生じないか、極めて小さくなる。さらに、規制手段によって第1エアバッグの乗員側先端部と第2エアバッグの乗員側先端部とが車両幅方向に離間する(左右に開く)動きが規制されるので、乗員頭部に対する拘束性能が良好に発揮される。
【0010】
請求項2記載の本発明によれば、規制手段が所定の幅に設定された一又は二以上のストラップで構成されており、当該ストラップを第1エアバッグ及び第2エアバッグの折り線に沿って配置したので、第1エアバッグ及び第2エアバッグの折り畳み前の平面展開状態においてストラップが折り線を跨ぐことはない。従って、第1エアバッグ及び第2エアバッグの折り畳み時にストラップが一回の折り畳みで折り返されて二枚重ねになることはない。このため、第1エアバッグ及び第2エアバッグの折り畳み後の形態が嵩張らない。
【0011】
しかも、第1エアバッグ及び第2エアバッグは手作業で折り畳まれるが、この際、ストラップを折り畳みの起点として折り畳んでいくことができる。
【0012】
請求項3記載の本発明によれば、規制手段が所定の幅に設定された一又は二以上のストラップで構成されており、当該ストラップを平面視で傾斜した状態で配置したので、ウインドシールドガラスのラウンド形状等に対応させることができる。つまり、車両衝突時の反力はピラーやウインドシールドガラスによって受け持たれる。そのため、例えば、右ハンドル車の助手席であれば、乗員側から見て左側に膨張展開する第1エアバッグの方が第2エアバッグよりも乗員側へ突出するように変形する。
【0013】
この点に配慮し、本発明では、ストラップを予め平面視で傾斜した状態で配置したので、第1エアバッグに対する第2エアバッグの展開挙動は以下のようになる。すなわち、右ハンドル車を想定した場合、第1エアバッグがウインドシールドガラス等による拘束を受けながら膨張展開した直後のときには、第2エアバッグは予定した位置よりも車両幅方向内側へより大きく膨らんだ状態、つまり車両幅方向内側かつ車両前方側へ傾いた状態で膨張展開している。このとき、予め傾斜した状態で配置されたストラップは、第2エアバッグの傾き分に応じた量だけ第2エアバッグへの固定点である他端部が車両前方側へ変位しており、概ね車両幅方向に沿った状態となる。その後、本発明では、ストラップが予め傾斜した状態で配置されているため、ストラップが予め設定された元の傾斜状態に戻ろうとして、車両幅方向内側へ膨らんだ第2エアバッグを車両幅方向外側、つまり第1エアバッグ側へ引き戻そうとする。その結果、第2エアバッグが第1エアバッグ側へ引き寄せられて(即ち、車両幅方向内側へ膨らんだ第2エアバッグの展開形状が矯正されて)、第1エアバッグと略平行に膨張した形状になる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置は、第1エアバッグと第2エアバッグとを連結部材よりも乗員側でかつバッグ上面側で車両幅方向に連結する規制手段を設けたので、乗員頭部拘束時に左右のエアバッグの乗員側先端部の開きを効果的に抑制することができ、その結果、乗員頭部拘束性能の更なる向上を図ることができるという優れた効果を有する。
【0015】
請求項2記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置は、一又は二以上のストラップを第1エアバッグ及び第2エアバッグの折り線に沿って配置する構成としたので、折り畳み後のエアバッグの容積が増加するのを抑制することができると共に折り畳み作業の容易化を図ることができるという優れた効果を有する。
【0016】
請求項3記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置は、規制手段が所定の幅に設定された一又は二以上のストラップで構成されており、当該ストラップを予め平面視で傾斜した状態で配置したので、ウインドシールドガラスのラウンド等も考慮に入れて乗員頭部保護性能を最適化することができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図1〜図6を用いて、本発明に係る車両用エアバッグ装置の実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。
【0018】
(助手席用エアバッグ装置10の全体構成)
図1には、本実施形態に係る助手席用エアバッグ装置10の要部の平面図が示されている。また、図2には、当該助手席用エアバッグ装置10の展開状態の概略斜視図が示されている。さらに、図3には、当該助手席用エアバッグ装置10の車両搭載状態の拡大縦断面図が示されている。
【0019】
これらの図に示されるように、助手席用エアバッグ装置10は、インストルメントパネル12における頂壁部12Aの助手席側に配設されている。助手席用エアバッグ装置10は、機能部品が収容されたエアバッグモジュール14と、当該エアバッグモジュール14の上端開放部を閉塞するエアバッグドア16と、を主要部として構成されている。
【0020】
エアバッグドア16は、インストルメントパネル12における頂壁部12Aの裏面側に配置されており、前後に展開する一対の展開部16A、16Bと、これらの一対の展開部16A、16Bの裏面から略車両下方側へ延出されると共に取付用開口部20が形成された脚部16C、16Dと、を備えている。展開部16A、16Bと脚部16C、16Dとはヒンジ部16E、16Fを介して連結されている。また、エアバッグドア16には、展開部16A、16Bを前後に展開させるべく、底面視で略H型とされて所定値以上のバッグ膨張圧が作用することにより破断する(インビジブルタイプの)ティアライン18が設定されている。
【0021】
一方、エアバッグモジュール14は、図示しないインパネリインフォース等の強度部材にブラケットを介して支持された略箱体形状のエアバッグケース22を備えている。エアバッグケース22の前後の壁にはフック状の係止部24が設けられており、この係止部24にエアバッグドア16の脚部16C、16Dに形成された取付用開口部20が係止されることにより、エアバッグドア16がエアバッグケース22に取り付けられている。
【0022】
エアバッグケース22の底壁部22Aにおける前後方向の中央部には、断面形状が下凸の半円形状とされた凹部26が形成されている。この凹部26内に略円柱形状に形成されたガス供給手段としてのインフレータ28が収容されている。さらに、インフレータ28の上方側には、インフレータ28から噴出されたガスによって膨張しエアバッグドア16を展開させ、助手席に着座している乗員側へ向けて膨出される助手席用エアバッグ32が折り畳み状態で収容されている。
【0023】
助手席用エアバッグ32の後述する根元部48にはインフレータ28からのガスが供給されるガス供給用開口部が形成されており、このガス供給用開口部の内側に金属製のリテーナ36が装着されている。リテーナ36は略矩形の枠状に形成された外周部36Aと、この外周部36Aの内側に形成された中空半円筒形状の本体部36Bと、によって構成されている。この本体部36Bがインフレータ28の上半分に被嵌されて、リテーナ36の外周部36Aから車両下方側へ突出されたボルト38にナット40が螺合されることにより、インフレータ28がエアバッグケース22の底壁部22Aの凹部26にリテーナ36と共に固定されている。なお、リテーナ36の本体部36Bには複数の開口部42が形成されており、ガスを整流するディフューザとしても機能するようになっている。
【0024】
また、インフレータ28の周壁部の所定位置には、図示しない複数のガス噴出孔が所定の配列で形成されている。さらに、インフレータ28は、車体前部の所定位置に配置された図示しないフロントエアバッグセンサ及び車室中央部に配置された図示しないセンタエアバッグセンサによって前面衝突状態が検知された場合に図示しないエアバッグECUによって作動され、複数のガス噴出孔からガスを噴出するようになっている。
【0025】
(助手席用エアバッグ32の構成)
次に、上記インフレータ28から噴出されたガスによって膨張される助手席用エアバッグ32の構造について説明する。
【0026】
助手席用エアバッグ32は、助手席に着座した乗員の前方左側に膨張し主として乗員の左肩を受け止める第1エアバッグとしての左側エアバッグ44と、当該乗員の前方右側に膨張し主として乗員の右肩を受け止める第2エアバッグとしての右側エアバッグ46と、これらの左側エアバッグ44の根元部分と右側エアバッグ46の根元部分とを相互に連通する根元部48と、を備えている。
【0027】
左側エアバッグ44及び右側エアバッグ46は、側面視で見た場合には、前端側が窄まり後端側が車両上下方向に広がる形状を成している。また、左側エアバッグ44及び右側エアバッグ46の外側中央部付近には、乗員を受け止めた際に内部のガスを排出してバッグ内圧を下げるためのベントホール50(図2参照)がそれぞれ設けられている。
【0028】
一方、左側エアバッグ44の根元部分と右側エアバッグ46の根元部分とを相互に連通する根元部48は、言わば左側エアバッグ44と右側エアバッグ46との共用スペースであり、かかる根元部48内にインフレータ28から噴出されたガスが供給されることにより、後述する折り畳み方法によって折り畳まれた助手席用エアバッグ32が膨張されるようになっている。
【0029】
助手席用エアバッグ32は、車両搭載状態においてエアバッグケース22内の車両後方側に、左側エアバッグ44及び右側エアバッグ46がロール折りを主体として(一例として、この実施形態では、蛇腹折り一回にロール折り二回)折り畳まれてこの状態で(エアバッグ折り畳み部62として)収納されている。さらに、車両搭載状態においてエアバッグケース22内の車両前方側に、残りの根元部48が弛まされて(弛み部49)エアバッグ折り畳み部62に寄り添うように起こされている。更に弛み部49の先端部49Aは、エアバッグ折り畳み部62側へ蛇腹折り(一例として、この実施形態では、蛇腹折り一回)されている。
【0030】
(本実施形態の要部構成)
ここで、本実施形態では、上述した内側ストラップ52とは別に、規制手段としての複数の上部ストラップ70を備えており、以下に詳細に説明する。
【0031】
図1及び図2に示されるように、左側エアバッグ44及び右側エアバッグ46の上面側には、合計3本の上部ストラップ70が車両幅方向に沿って平行に掛け渡されている。3本の上部ストラップ70は車両前後方向に所定の間隔をあけて配置されており、助手席用エアバッグ32の折り線P1〜P3に沿って配置されている。補足すると、上部ストラップ70の幅Bは、折り線P1〜P3のピッチTよりも短く設定されている。また、上部ストラップ70の長手方向の両端部は、左側エアバッグ44、右側エアバッグ46を構成するバッグ基布の縫製部に挿入されて基布と一緒に縫製されている。
【0032】
(作用・効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0033】
まず最初に、本実施形態に係る助手席用エアバッグ装置10の全体的な作動を概説する。図示しないフロントエアバッグセンサ及びセンタエアバッグセンサによって前面衝突状態が検出されると、エアバッグECUによってインフレータ28が作動される。インフレータ28が作動すると、インフレータ28の周壁部に形成された複数のガス噴出孔からガスが噴出される。噴出されたガスはディフューザとしても機能するリテーナ36によって整流された後に、助手席用エアバッグ32内へ流入される。
【0034】
これにより、助手席用エアバッグ32の根元部48が膨張し、バッグ内圧が所定値以上に達すると、エアバッグドア16がティアライン18に沿って破断して、車両前後方向に両開きに展開される。エアバッグドア16が展開すると、インストルメントパネル12の頂壁部12Aにバッグ膨出用開口部が形成されて、助手席用エアバッグ32が助手席側へ向けて膨出される。展開が完了した状態では、助手席用エアバッグ32の左側エアバッグ44は助手席に着座する乗員の左肩を中心に受け止め、又右側エアバッグ46は当該乗員の右肩を中心に受け止める。その結果、前面衝突時の衝撃から乗員を保護するだけでなく、助手席用エアバッグ32の展開直後に乗員を両肩等の多面で受け止め、乗員への荷重を分散させることができ、ひいては乗員への負荷を軽減することができる。
【0035】
なお、助手席用エアバッグ32が乗員側へ向けて膨張展開した際、左側エアバッグ44と右側エアバッグ46とは内側ストラップ52によって側面中央側で車両幅方向に連結されているため、乗員の両肩付近を拘束した際に左側エアバッグ44と右側エアバッグ46とが車両幅方向に大きく離間するのが防止される。
【0036】
ここで、本実施形態では、左側エアバッグ44と右側エアバッグ46とを上記内側ストラップ52よりも乗員側でかつバッグ上面側に車両幅方向に連結する複数の上部ストラップ70を設けたので、乗員頭部は左側エアバッグ44の乗員側先端部と右側エアバッグ46の乗員側先端部との間に形成される充分な大きさの空間を利用して所定のエネルギー吸収がなされる。のみならず、複数の上部ストラップ70を設けたことにより、乗員頭部拘束時に乗員頭部が当該上部ストラップ70から受ける反力は殆ど生じないか、極めて小さくなる。さらに、上部ストラップ70によって左側エアバッグ44の乗員側先端部と右側エアバッグ46の乗員側先端部とが車両幅方向に離間する(左右に開く)動きが規制されるので、乗員頭部に対する拘束性能が良好に維持される。
【0037】
以上説明したように、本実施形態に係る助手席用エアバッグ装置10によれば、乗員頭部拘束時に左側エアバッグ44及び右側エアバッグ46の乗員側先端部の開きを効果的に抑制することができ、その結果、乗員頭部拘束性能の更なる向上を図ることができる。
【0038】
また、本実施形態では、規制手段が所定の幅Bに設定された3本の上部ストラップ70で構成されており、当該上部ストラップ70を助手席用エアバッグ32の折り線P1〜P3に沿って配置したので、折り畳み前の平面展開状態において上部ストラップ70が折り線P1〜P3を跨ぐことはない。従って、助手席用エアバッグ32の折り畳み時に上部ストラップ70が一回の折り畳みで折り返されて二枚重ねになることはない。このため、助手席用エアバッグ32の折り畳み時にエアバッグ折り畳み部62が嵩張らない。従って、折り畳み後の助手席用エアバッグ32の容積が増加するのを抑制することができる。
【0039】
しかも、助手席用エアバッグ32は手作業で折り畳まれるが、この際、各上部ストラップ70を折り畳みの起点として折り畳んでいくことができる。従って、折り畳み作業の容易化を図ることができる。
【0040】
この点について補足すると、助手席用エアバッグ32は図4及び図5に示されるようにして折り畳まれていく。概説すると、図4(A)〜図4(D)に示されるように、助手席用エアバッグ32は左側エアバッグ44及び右側エアバッグ46が内側ストラップ52及び上部ストラップ70で相互に連結されているため、左側エアバッグ44及び右側エアバッグ46は左右別々に蛇腹折りされて平面視で所定幅に折り畳まれる。その後、図4(E)に示されるように、先端部側から根元部48側へロール折りで折り畳んでいき、図4(F)に示されるような最終折り畳み形状になる。なお、図4(F)に二点鎖線で示されているのは、エアバッグ折り畳み部62の折り畳み形状を保持するための保護シート72である。
【0041】
前述したように助手席用エアバッグ32は手折りで折り畳んでいくため、このような複雑な折り畳み工程を手順通りに精度良く折り畳むにはある程度の熟練度が要求されるが、本実施形態によれば、最後のロール折りの工程で上部ストラップ70を目安にして折り畳むことができる。図5(A)〜図5(D)にはロール折りの過程が示されているが、折り線P1〜P3に沿って上部ストラップ70が配置されていることにより、上部ストラップ70に合わせてロール折りしていけば、ロール間隔が不揃いになることもない。
【0042】
(他の実施形態)
図6に示されるように、この実施形態では、規制手段としての2本の上部ストラップ80が平面視で予め傾斜した状態で左側エアバッグ44及び右側エアバッグ46に取り付けられている点に特徴がある。
【0043】
より具体的には、ガス供給前の助手席用エアバッグ32を立体的に観た場合に(図4(A)に示されるような状態)、上部ストラップ80の車両幅方向外側に位置する外側端部80Aの方が車両幅方向内側に位置する内側端部80Bよりも車両前方側に位置するように斜めに傾斜した状態で、上部ストラップ80が左側エアバッグ44及び右側エアバッグ46の上面側に予め縫製されている。なお、この図6は右ハンドル車の助手席側を表現しているので、上部ストラップ80の傾斜方向が右下がりになるが、左ハンドル車の場合には上部ストラップ80の傾斜方向は逆方向になる。
【0044】
上記構成によれば、上部ストラップ80を予め平面視で傾斜した状態で配置したので、ウインドシールドガラス56のラウンド形状等に対応させることができる。つまり、前面衝突時の反力はフロントピラー82やウインドシールドガラス56によって受け持たれる。そのため、左側エアバッグ44の方が右側エアバッグ46よりも乗員側へ突出するように変形する。
【0045】
この点に配慮し、この実施形態では、2本の上部ストラップ80を予め平面視で、外側端部80Aの方が内側端部80Bよりも車両前方側に位置するように傾斜させたので、左側エアバッグ44に対する右側エアバッグ46の展開挙動は以下のようになる。
【0046】
すなわち、左側エアバッグ44がフロントピラー82やウインドシールドガラス56等による拘束を受けながら膨張展開した直後のときには、右側エアバッグ46は予定した位置よりも車両幅方向内側へより大きく膨らんだ状態(図6の二点鎖線図示状態)、つまり車両幅方向内側かつ車両前方側へ傾いた状態で膨張展開している。このとき、予め傾斜した状態で配置された上部ストラップ80は、図6に二点鎖線で示される如く、右側エアバッグ46の傾き分に応じた量だけ内側端部80Bが車両前方側へ変位しており、概ね車両幅方向に沿った状態となる。その後、本実施形態では、上部ストラップ80が予め傾斜した状態で配置されているため、上部ストラップ80が予め設定された元の状態(即ち、図6の実線図示状態)に戻ろうとして、車両幅方向内側へ膨らんだ右側エアバッグ46を車両幅方向外側、つまり左側エアバッグ44へ引き戻そうとする。その結果、右側エアバッグ46が左側エアバッグ44側へ(図6の矢印Q方向側へ)引き寄せられて(即ち、車両幅方向内側へ膨らんだ右側エアバッグ46の展開形状が矯正されて)、左側エアバッグ44と略平行に膨張した形状(図6の実線図示状態)になる。
【0047】
上記より、この実施形態によれば、ウインドシールドガラス56のラウンド等も考慮に入れて乗員頭部保護性能を最適化することができる。
【0048】
〔本実施形態の補足説明〕
なお、上述した本実施形態では、上部ストラップ70、80を複数本設定したが、これに限らず、1本でも差し支えない。この場合においても、それなりの効果は得られる。
【0049】
また、例えば、第1実施形態では、3本の上部ストラップ70のすべてが内側ストラップ52よりも乗員側でかつバッグ上面側に配置される構成を採ったが、仮に3本のうちの最も車両前方側に配置された上部ストラップが、平面視で内側ストラップ52よりも反乗員側に配置されていたような場合の解釈であるが、その場合には残り2本の上部ストラップが本発明における規制手段に相当する。つまり、この場合、本発明の規制手段に加えてもう1本別の上部ストラップを前側に追加したものと解釈すればよく、本発明の規制手段を具備していることに変わりはない。
【0050】
さらに、上述した本実施形態では、連結手段として左側エアバッグ44の内側側面と右側エアバッグ46の内側側面とを連結する内側ストラップ52を張設したが、これに加えて、内側ストラップ52と同一直線上に左側エアバッグ44の内部及び右側エアバッグ46の内部にもそれぞれ各バッグの膨張厚さを規制するストラップを設けてもよい。
【0051】
また、上述した本実施形態では、連結手段として帯状の内側ストラップ52を用いたが、これに限らず、所定幅のタイパネルと呼ばれる規制布を張設する構成を採っても差し支えない。
【0052】
さらに、助手席用エアバッグの折り畳み方について補足すると、蛇腹折りとロール折りとの区別であるが、一回だけ180度折り返した場合、180度折り返し後に反対方向へ180度折り返す場合を「蛇腹折り」と称し、180度折り返した後、更に同一方向へ180度折り返して合計で360度の巻込みとなる場合を「ロール折り」と称している。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本実施形態に係る助手席用エアバッグ装置が作動して助手席用エアバッグが展開した状態を示す平面図である。
【図2】図1に示された助手席用エアバッグの展開状態を示す概略斜視図である。
【図3】図1に示された助手席用エアバッグ装置の内部構造を示す要部拡大縦断面図である。
【図4】本実施形態に係る助手席用エアバッグの折り畳み手順の概略を示す斜視図である。
【図5】図4に示された助手席用エアバッグの折り畳み工程においてロール折りする際の手順を示す平面図である。
【図6】上部ストラップの別の実施形態を示す図1に対応する平面図である。
【符号の説明】
【0054】
10 助手席用エアバッグ装置(車両用エアバッグ装置)
12 インストルメントパネル
28 インフレータ(ガス供給手段)
32 助手席用エアバッグ
44 左側エアバッグ(第1エアバッグ)
46 右側エアバッグ(第2エアバッグ)
52 内側ストラップ(連結手段)
62 エアバッグ折り畳み部
70 上部ストラップ(規制手段)
80 上部ストラップ(規制手段)
80A 外側端部(一端部)
80B 内側端部(他端部)
P1 折り線
P2 折り線
P3 折り線




 

 


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