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発明の名称 液体運搬船、船舶
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−153064(P2007−153064A)
公開日 平成19年6月21日(2007.6.21)
出願番号 特願2005−349354(P2005−349354)
出願日 平成17年12月2日(2005.12.2)
代理人 【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
発明者 杉村 忠士
要約 課題
船の船体とタンクや上部構造等、異種材料の接合を、外観を損なうことなく確実に接合することのできる液体運搬船、船舶を提供することを目的とする。

解決手段
継ぎ手部材14を、船体側固定部材13、タンク側固定部材15の間に介在させ、同材料である継ぎ手部材14の下部14Aと船体側固定部材13、継ぎ手部材14の上部14Bとタンク側固定部材15を、通常の溶接によって接合することで、船体とタンクとを、容易かつ確実に接合する。このとき、爆着等の他の手法に比較して接合強度の高い摩擦撹拌接合によって継ぎ手部材14を形成することで、船体側固定部材13、継ぎ手部材14、タンク側固定部材15を、突出部の無い、一体的に連続した筒状、スカート状とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
船体と、
前記船体上に設けられて液体を収容し、前記船体とは融点の異なる材料で形成されたタンクと、
前記船体と前記タンクを接合する接合部材とを備え、
前記接合部材は、前記船体に溶接により接合され、前記船体と同材料で形成された第一のプレートと、前記タンクに溶接により接合され、前記タンクと同材料で形成された第二のプレートとを備え、前記第一のプレートおよび前記第二のプレートは、前記タンクと前記船体とを結ぶ面内に位置した状態で一体に接合されていることを特徴とする液体運搬船。
【請求項2】
前記第一のプレートと前記第二のプレートは、双方の端部を付き合わせた状態で摩擦撹拌接合によって一体に接合されていることを特徴とする請求項1に記載の液体運搬船。
【請求項3】
前記接合部材は、リング状をなし、前記船体と前記タンクの間に介在するよう設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の液体運搬船。
【請求項4】
前記接合部材は、短冊状の前記第一のプレートおよび前記第二のプレートをC字状に曲げ、前記第一のプレートの両端部の合わせ目、前記第二のプレートの両端部の合わせ目が、摩擦撹拌接合により接合されることで、リング状とされていることを特徴とする請求項3に記載の液体運搬船。
【請求項5】
船体を構成する板状の第一の部材と、
前記第一の部材に接合され、前記第一の部材とは融点の異なる材料で形成された板状の第二の部材と、
前記第一の部材と前記第二の部材を接合する接合部材とを備え、
前記接合部材は、前記第一の部材に溶接により接合され、前記第一の部材と同材料で形成された第一のプレートと、前記第二の部材に溶接により接合され、前記第二の部材と同材料で形成された第二のプレートとを備え、前記第一のプレートと前記第二のプレートは摩擦撹拌接合により一体に接合され、かつ、前記第一のプレートおよび前記第二のプレートの少なくとも一方は、前記第一の部材または前記第二の部材に連続する面内に位置するよう設けられていることを特徴とする船舶。
【請求項6】
前記第二の部材は、前記船体上に設けられる前記船舶の上部構造を構成することを特徴とする請求項5に記載の船舶。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、異種材料からなる部材どうしの接合箇所を有する、液体運搬船、船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
周知の通り、船の船体は、金属材料で形成されるのが主流である。このような船は、船体自体は鉄やステンレス等の鋼材によって形成されるものの、例えばLNG(液化天然ガス)タンカーにおけるタンクや、機動力が要求される巡視艇等は上部構造は、アルミ系材料で形成される。
【0003】
このような構成の船を製作するに際しては、船体自体を形成する鋼材と、船体上に設けられるタンクや上部構造等を形成するアルミ系材料とが異種材料であるため、2つの材料間で融点が異なり、溶接を用いることができないために、その接合が大きな課題となっている。そこで、予め、爆着等の異種材料の接合に適した手法により、2つの材料を接合した継ぎ手を製作しておき、この継ぎ手を介し、2つの材料を接合することができる(例えば、特許文献1参照。)。継ぎ手と2つの材料は、同材料どうしの接合となるため、それぞれ通常の溶接によって容易に接合できるのである。
【0004】
【特許文献1】特開2002−66754号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、爆着によって製作する継ぎ手は、爆着のために用いる装置の関係上、現状では最大でも1m程度の長さのものしかない。したがって、接合部には多数の継ぎ手が並ぶことになり、外観が損なわれるという問題がある。
また、爆着の際に十分な加圧力を得るため、継ぎ手は、プレートを2枚重ね合わせたような状態で接合されたものとなる。また、接合後においても、十分な接合強度を確保するために、所定の面積が必要となる。したがって、船体やタンク、上部構造等、板材の端部どうしの接合部分に上記の継ぎ手を用いると、図6に示すように、接合すべき異種材料の2つの材料1、2に対し、継ぎ手3は略直交する面内に位置することになり、接合部にフランジ状の突起ができることになる。また、このような継ぎ手3は、湾曲した部材に適用しにくく、湾曲した部材を接合するには、複数の継ぎ手3を間隔を隔てて配置するしかなく、これも外観を損なうという問題がある。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、船の船体とタンクや上部構造等、異種材料の接合を、外観を損なうことなく確実に接合することのできる液体運搬船、船舶を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと、本発明の液体運搬船は、船体と、船体上に設けられて液体を収容し、船体とは融点の異なる材料で形成されたタンクと、船体とタンクを接合する接合部材とを備えている。異種材料からなる船体とタンクは、通常の溶接等では接合することができず、予め、船体と同材料で形成された第一のプレートと、タンクと同材料で形成された第二のプレートとを備え、これら第一のプレートと第二のプレートが一体に接合された構成の接合部材を用いる必要がある。この接合部材を用れば、第一のプレートを船体に溶接により接合し、第二のプレートをタンクに溶接により接合することができ、現場での作業も容易に行える。このとき、接合部材は、第一のプレートおよび第二のプレートが、タンクと船体とを結ぶ面内に位置するような状態となるものを用いるのが好ましい。これにより、爆着を用いた継ぎ手のように、継ぎ手(接合部材)が側方に突出することなく、しかも十分な接合強度を得ることができる。
このような接合部材を得るには、第一のプレートと第二のプレートの十分な接合強度を確保できるのであれば、いかなる接合手法を用いても良いが、第一のプレートおよび第二のプレートが、タンクと船体とを結ぶ面内に位置するような状態で十分な接合強度を確保するには、第一のプレートと第二のプレートを、双方の端部を付き合わせた状態で摩擦撹拌接合によって一体に接合するのが好ましい。
タンクを船体に接合する場合、接合部材は、リング状をなし、船体とタンクの間に介在するよう設けるのが好ましい。このような接合部材は、前記のように接合された短冊状の第一のプレートおよび第二のプレートをC字状に曲げ、第一のプレートの両端部の合わせ目、第二のプレートの両端部の合わせ目を、それぞれ摩擦撹拌接合により接合することで、リング状とすることができる。
【0007】
本発明は、液体運搬船以外の様々な船舶にも適用することができる。すなわち、本発明の船舶は、船体を構成する板状の第一の部材と、第一の部材に接合され、第一の部材とは融点の異なる材料で形成された板状の第二の部材と、第一の部材と第二の部材を接合する接合部材とを備え、接合部材は、第一の部材に溶接により接合され、第一の部材と同材料で形成された第一のプレートと、第二の部材に溶接により接合され、第二の部材と同材料で形成された第二のプレートとを備え、第一のプレートと第二のプレートは摩擦撹拌接合により一体に接合され、かつ、第一のプレートおよび第二のプレートの少なくとも一方は、第一の部材または第二の部材に連続する面内に位置するよう設けられていることを特徴とする。また、第二の部材は、いかなる用途のものとすることもできるが、船体上に設けられる船舶の上部構造を構成するものとすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、船の船体とタンクや上部構造等、異種材料の接合を、外観を損なうことなく確実に接合することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
〔第一の実施形態〕
図1は、本発明を適用したLNGタンカー(液体運搬船、船舶)におけるタンクの支持部の構成を示す図である。
この図1に示すように、LNGタンカーは、船体(第一の部材)10上に、LNGを収容するためのタンク(第二の部材)11を所定数備えた構成となっている。
船体10は、鉄系、ステンレス系材料等の鋼材から形成されている。これに対しタンク11は、アルミ系材料等の軽金属から形成され、これによって船体10とタンク11は、融点が互いに異なる異種材料によって形成されている。
タンク11は、一般に略球状をなしており、その下部が、筒状あるいは円錐台形状の支持スカート12によって支持された状態で船体10に取り付けられている。
【0010】
図2に示すように、支持スカート12は、船体10側からタンク11側に向けて、船体側固定部材13、継ぎ手部材(接合部材)14、タンク側固定部材15を備えて構成される。
船体側固定部材13、継ぎ手部材14、タンク側固定部材15はそれぞれ円筒状、リング状をなしており、このうち、船体10に溶接により一体に固定される船体側固定部材13は船体10と同材料で形成され、タンク11に溶接により一体に固定されるタンク側固定部材15はタンク11と同材料で形成されている。
継ぎ手部材14は、下部(第一のプレート)14Aが船体10、船体側固定部材13と同材料で形成され、上部(第二のプレート)14Bがタンク11、タンク側固定部材15と同材料で形成されている。下部14A、上部14Bはそれぞれリング状で、異種材料からなる下部14Aと上部14Bとは、摩擦撹拌接合によって接合されている。これにより、下部14Aと上部14Bの間には、摩擦撹拌接合によって下部14Aの材料と上部14Bの材料とが混在した接合部14Cが存在している。
【0011】
図3(a)に示すように、このような継ぎ手部材14は、下部14A、上部14Bを形成すべく、継ぎ手部材14の円周に相当した長さを有する短冊状の2枚のプレートP1、P2を並べて突き合わせ、双方のプレートP1、P2を突き合わせた部分に沿って、摩擦撹拌接合用のツールを回転させながら移動させていく。このとき、最終的に下部14Aを形成するプレートP1と、上部14Bを形成するプレートP2は、ツールによって融点以下の温度で機械的に材料が撹拌され、これによって異種材料からなる2枚のプレートP1、P2は摩擦撹拌接合される。
これによって、2枚のプレートP1、P2が接合されて一体化され、短冊状の1枚のプレートPが形成されるので、この後、このプレートPをローラ等を用いた機械加工によってC字状に丸め、継ぎ目の部分14Dを接合し、これによって、図3(b)に示すようなリング状の継ぎ手部材14を得る。図3(c)に示すように、この継ぎ目の部分14D、すなわちプレートP1の両端部の合わせ目、プレートP2の両端部の合わせ目は、同材料どうしが隣り合うことになるので、通常の溶接等の接合手段を用いることができる。またこの部分においても、摩擦撹拌接合を用いることもできる。この場合、下部14Aを形成することになる部分の継ぎ目と、上部14Bを形成することになる継ぎ目とは材料が異なるため、摩擦撹拌接合の条件(ツールの種類、回転速度、移動速度等)が異なることがある。その場合、下部14Aを形成することになる部分と、上部14Bを形成することになる部分とで、条件を切り替えるのが好ましい。
【0012】
なお、上記では、短冊状の2枚のプレートP1、P2を摩擦撹拌接合によって接合した後、これをリング状に丸めて継ぎ手部材14を得るようにしたが、下部14Aを形成すべきリング状の部材と、上部14Bを形成すべきリング状の部材を、それぞれの材料によって形成した後、これら2つのリング状の部材同士を摩擦撹拌接合によって接合し、継ぎ手部材14を得るようにすることも可能である。
【0013】
このようにして得られる継ぎ手部材14を、船体側固定部材13、タンク側固定部材15の間に介在させることで、継ぎ手部材14の下部14Aと船体側固定部材13、継ぎ手部材14の上部14Bとタンク側固定部材15は、同材料であるので、通常の溶接によって容易かつ確実に接合することができる。
そして、継ぎ手部材14は、リング状であるため、船体側固定部材13、継ぎ手部材14、タンク側固定部材15を、突出部の無い、一体的に連続した筒状、スカート状とすることができ、外観に優れたものとなる。これは、爆着等の他の手法に比較して接合強度の高い摩擦撹拌接合によって継ぎ手部材14を形成することで、継ぎ手部材14の板厚でも下部14Aと上部14Bの十分な接合強度を確保できるからである。
【0014】
また、リング状の継ぎ手部材14によって、継ぎ手部材14の下部14Aと船体側固定部材13、継ぎ手部材14の上部14Bとタンク側固定部材15の溶接を、それぞれ一気に行うことができ、従来のように多数の継ぎ手を用いる場合に比較し、継ぎ手の位置決めや溶接作業の大幅な効率化を図ることができる。
さらに、継ぎ手部材14の下部14Aと船体側固定部材13、継ぎ手部材14の上部14Bとタンク側固定部材15の接合部分は、全周に連続したものとなり、多点接合とならざるを得なかった従来の手法に比較し、タンク11の船体10に対する接合強度を高めることができる。
【0015】
〔第二の実施形態〕
次に、本発明を船体と上部構造の接合部分に適用した例を示す。
図4に示すものは、船体(第一の部材)30と、船体30の甲板31上に設けられる上部構造(第二の部材)32との接合部分である。船体30および甲板31は、鉄系、ステンレス系材料等の鋼材から形成されている。これに対し、甲板31上に設けられる船室等を形成する上部構造32を構成する板材は、軽量化のため、アルミ系材料等の軽金属から形成され、これによって船体30と上部構造32は、融点が互いに異なる異種材料によって形成されている。
【0016】
船体30の甲板31と上部構造32を接合するには、上記第一の実施形態と同様、継ぎ手部材(接合部材)34が用いられる。
図5に示すように、継ぎ手部材34は、下部(第一のプレート)34Aが船体30の甲板31と同材料で形成され、上部(第二のプレート)34Bが上部構造32と同材料で形成されている。下部34A、上部34Bはそれぞれプレート状で、異種材料からなる下部34Aと上部34Bとは、摩擦撹拌接合によって接合されている。これにより、下部34Aと上部34Bの間には、摩擦撹拌接合によって下部34Aの材料と上部34Bの材料とが混在した接合部34Cが存在している。
【0017】
このような継ぎ手部材34は、下部34A、上部34Bを形成すべく、所定寸法の短冊状の2枚のプレートを並べて突き合わせ、双方のプレートを突き合わせた部分に沿って、摩擦撹拌接合用のツールを回転させながら移動させていく。このとき、最終的に下部34Aを形成するプレートと、上部34Bを形成するプレートは、ツールによって融点以下の温度で機械的に材料が撹拌され、これによって異種材料からなる2枚のプレートは摩擦撹拌接合され、継ぎ手部材34が形成される。
【0018】
形成された継ぎ手部材34を用いて甲板31と上部構造32を接合するには、甲板31上の所定位置に継ぎ手部材34をセットし、この状態で同材料からなる継ぎ手部材34の下部34Aと甲板31を溶接する。この後、継ぎ手部材34の上部34Bと、上部構造32とを溶接する。継ぎ手部材34の下部34Aと甲板31、継ぎ手部材34の上部34Bと上部構造32は、それぞれ同材料からなるので容易に溶接が行える。
【0019】
このようにして、継ぎ手部材34を、甲板31と上部構造32の間に介在させることで、船体30の甲板31、継ぎ手部材34、上部構造32を、上部構造32から継ぎ手部材34にかけて突出部が無く、一体的に連続した構成とすることができ、外観に優れたものとなる。
【0020】
なお、上記実施の形態では、継ぎ手部材14、34を用い、船体10とタンク11、船体30と上部構造32を接合するようにしたが、接合対象はこれに限るものではなく、融点の異なる異種材料であれば、いかなるものであっても良い。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施の形態におけるLNGタンカーの概略構成を示す断面図である。
【図2】船体とタンクの接合部を示す図である。
【図3】継ぎ手部材の製造過程を示す図である。
【図4】船舶の概略構成を示す断面図である。
【図5】船体の甲板と上部構造の接合部を示す図である。
【図6】従来の船体とタンクの接合部を示す図である。
【符号の説明】
【0022】
10、30…船体(第一の部材)、11…タンク(第二の部材)、12…支持スカート、13…船体側固定部材、14、34…継ぎ手部材(接合部材)、14A、34A…下部(第一のプレート)、14B、34B…上部(第二のプレート)、14C、34C…接合部、15…タンク側固定部材、31…甲板、32…上部構造(第二の部材)




 

 


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