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発明の名称 車体傾斜装置、車体傾斜方法及び鉄道車両
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−253893(P2007−253893A)
公開日 平成19年10月4日(2007.10.4)
出願番号 特願2006−83756(P2006−83756)
出願日 平成18年3月24日(2006.3.24)
代理人 【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
発明者 柿沼 博彦 / 佐藤 巌 / 井原 禎之 / 佐藤 頼光 / 稲場 匡 / 平山 真明 / 河野 行伸 / 佐々木 君章 / 鴨下 庄吾 / 徳田 憲暁 / 榎本 衛 / 風戸 昭人
要約 課題
車体の傾斜角を高精度に制御する。

解決手段
台車2上の車体10を傾斜させる車体傾斜装置3は、台車2上で車体10を支持する振子梁31と、台車2に対して振子梁31を傾斜させる第1アクチュエータ4と、振子梁31に対して車体10を傾斜させる第2アクチュエータ5と、第1アクチュエータ4及び第2アクチュエータ5に対する目標傾斜角をそれぞれ算出し、各目標傾斜角に基づいて第1アクチュエータ4及び第2アクチュエータ5を制御する制御装置6とを備える。第2アクチュエータ5は、振子梁31及び車体10の間に介在する空気ばね50と、空気ばね50中の作動流体を移動させることによって振子梁31に対して車体10を傾斜させる流体ポンプ51とを有する。制御装置6は、同一地点の線路に対して、第2アクチュエータ5の制御を第1アクチュエータ4の制御よりもn秒だけ先に行う。
特許請求の範囲
【請求項1】
進行方向に走行する台車に対し、当該台車上の車体を、前記進行方向と交差する平面内で傾斜させる車体傾斜装置において、
前記台車及び前記車体の間に介在し、前記台車上で前記車体を支持する振子梁と、
前記平面内で前記台車に対して前記振子梁を傾斜させる第1アクチュエータと、
前記平面内で前記振子梁に対して前記車体を傾斜させる第2アクチュエータと、
未走行区間の線路の形状に関する未走行線路データに基づいて前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータに対する目標傾斜角をそれぞれ算出し、各目標傾斜角に基づいて前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータを制御する制御装置とを備え、
前記第2アクチュエータは、
前記振子梁及び前記車体の間に介在する流体ばねと、
前記流体ばね中の作動流体を移動させることによって、前記平面内で前記振子梁に対して前記車体を傾斜させる流体ポンプとを有し、
前記制御装置は、同一地点の線路に対して、前記第2アクチュエータの制御を前記第1アクチュエータの制御よりも所定の時間間隔だけ先に行うことを特徴とする車体傾斜装置。
【請求項2】
請求項1記載の車体傾斜装置において、
前記制御装置は、前記台車に対する前記車体の傾斜角を、前記第1アクチュエータに対する目標傾斜角にフィードバックすることを特徴とする車体傾斜装置。
【請求項3】
請求項2記載の車体傾斜装置において、
前記制御装置は、
ローパスフィルタを通過する周波数成分の傾斜角変化のみをフィードバックに用いることを特徴とする車体傾斜装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の車体傾斜装置において、
前記流体ばねは、空気ばねであることを特徴とする車体傾斜装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の車体傾斜装置において、
前記第1アクチュエータは、伸縮によって車体を傾斜させる液圧シリンダを有することを特徴とする車体傾斜装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の車体傾斜装置によって車体の傾斜角度を制御することを特徴とする車体傾斜方法。
【請求項7】
請求項1〜5の何れか一項に記載の車体傾斜装置を備えることを特徴とする鉄道車両。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両の車体を傾斜させる車体傾斜装置、車体傾斜方法及び鉄道車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、振子式の鉄道車両は、図4(a)に示すように、傾斜可能な振子梁100を介して車体101を台車102上に支持しており、線路の曲線部を走行する際には、車体101を振子梁100に追従させて曲線部の内側に傾斜させるようになっている。
【0003】
このような鉄道車両における車体101の傾斜方式として、走行速度や線路形状に応じて車体101の傾斜角を制御する制御付き振子方式がある。この制御付き振子方式の鉄道車両では、台車102に対して車体101を傾斜させるアクチュエータとして、振子梁100及び台車102に連結された空気圧シリンダ等のシリンダ103が用いられている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0004】
ところで、上記の鉄道車両においては、振子梁100の傾斜のみによって車体101を傾斜させているため、図4(a)に2点鎖線で示すように、車体101の重心Gが中心線Iに対して左右に変位し過ぎて車輪104が脱線を起こすおそれがある。また、車体101が左右に変位して線路脇の構造物と干渉しやすくなるため、車体101の寸法、いわゆる車両限界を小さくする必要が生じてしまう。
【0005】
そのため、近年の鉄道車両では、図4(b)に示すように、車体101を傾斜させるアクチュエータとして、シリンダ103の他に、振子梁100及び車体101の間に介在して振動を緩和するための空気ばね105等が用いられている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平10−129478号公報
【特許文献2】特開昭61−108053号公報
【特許文献3】特開2005−193773号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、空気ばね105等の流体ばねには、制御に対する応答性が低いという欠点があるため、上記特許文献3の鉄道車両においてシリンダ103と空気ばね105とを同様のタイミングで制御して車体101を傾斜させると、空気ばね105の動作遅れに起因して車体101の傾斜制御が遅れる結果、傾斜制御の精度が低下してしまう。
【0007】
本発明の課題は、従来と比較して車体の傾斜角を高精度に制御することができる車体傾斜装置、車体傾斜方法及び鉄道車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、進行方向に走行する台車に対し、当該台車上の車体を、前記進行方向と交差する平面内で傾斜させる車体傾斜装置において、
前記台車及び前記車体の間に介在し、前記台車上で前記車体を支持する振子梁と、
前記平面内で前記台車に対して前記振子梁を傾斜させる第1アクチュエータと、
前記平面内で前記振子梁に対して前記車体を傾斜させる第2アクチュエータと、
未走行区間の線路の形状に関する未走行線路データに基づいて前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータに対する目標傾斜角をそれぞれ算出し、各目標傾斜角に基づいて前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータを制御する制御装置とを備え、
前記第2アクチュエータは、
前記振子梁及び前記車体の間に介在する流体ばねと、
前記流体ばね中の作動流体を移動させることによって、前記平面内で前記振子梁に対して前記車体を傾斜させる流体ポンプとを有し、
前記制御装置は、同一地点の線路に対して、前記第2アクチュエータの制御を前記第1アクチュエータの制御よりも所定の時間間隔だけ先に行うことを特徴とする。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、制御装置は同一地点の線路に対して第2アクチュエータの制御を第1アクチュエータの制御よりも所定の時間間隔だけ先に行うので、応答性の低い流体ばねを第2アクチュエータが備える場合であっても、車体の傾斜制御の遅れを防止することができる。よって、従来と比較して車体の傾斜角を高精度に制御することができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の車体傾斜装置において、
前記制御装置は、前記台車に対する前記車体の傾斜角を、前記第1アクチュエータに対する目標傾斜角にフィードバックすることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、制御装置は台車に対する車体の傾斜角を第1アクチュエータに対する目標傾斜角にフィードバックするので、車体の傾斜角の目標値と実際の傾斜角とのずれを補正することができる。また、応答性の低い第2アクチュエータの目標傾斜角にフィードバックする場合と比較して、フィードバックの実効性を高めることができる。従って、車体の傾斜角をより高精度に制御することができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の車体傾斜装置において、
前記制御装置は、
ローパスフィルタを通過する周波数成分の傾斜角変化のみをフィードバックに用いることを特徴とする。
ここで、ローパスフィルタとは、所定周波数以下の周波数成分のみを通過させるフィルタである。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、制御装置はローパスフィルタを通過する周波数成分の傾斜角変化のみをフィードバックに用いるので、第1アクチュエータや第2アクチュエータの共振周波数成分がフィードバックされて発振が生じるのを防止することができる。よって、車体を安全に傾斜させることができる。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の車体傾斜装置において、
前記流体ばねは、空気ばねであることを特徴とする。
請求項4記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の車体傾斜装置において、
前記第1アクチュエータは、伸縮によって車体を傾斜させる液圧シリンダを有することを特徴とする。
【0016】
ここで、液圧シリンダの圧力伝達媒体である液体は、空気圧シリンダの圧力伝達媒体である空気よりも圧縮性が小さいため、応答速度や周波数応答特性に優れた性質を有している。このような液体としては、一般に用いられる作動油の他、水とグリコールとの混合液などがある。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、第1アクチュエータは液圧シリンダを有するので、空気圧シリンダを備える場合と比較して、応答速度や周波数応答特性など、車体の傾斜角の制御性能が高まる。従って、車体の傾斜角をより高精度に制御することができる。
【0018】
請求項6記載の発明は、車体傾斜方法において、
請求項1〜5の何れか一項に記載の車体傾斜装置によって車体の傾斜角度を制御することを特徴とする。
請求項6記載の発明によれば、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0019】
請求項7記載の発明は、鉄道車両において、
請求項1〜5の何れか一項に記載の車体傾斜装置を備えることを特徴とする。
請求項7記載の発明によれば、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1〜7の何れか一項に記載の発明によれば、従来と比較して車体の傾斜角を高精度に制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る鉄道車両1の概略構成を示す模式図である。
この図に示すように、振子式の鉄道車両1は、線路上を進行方向X(図の表裏方向)に走行する台車2を備えている。
【0022】
台車2は、2つの車輪20,20を連結した車軸21を複数有している。車軸21の上部には軸ばね22,22が配設されており、これら軸ばね22,22は、車軸21の振動を緩和した状態で台車枠23を支持している。台車枠23の上部には車体10が配設されており、本発明に係る車体傾斜装置3によって左右方向Yに傾斜可能な状態となっている。
【0023】
この車体傾斜装置3は、台車枠23の上部に配設された振子装置30,30と、振子装置30,30の上部に配設された振子梁31とを備えている。
振子装置30,30は、振子梁31を支持するものであり、当該振子梁31を台車2に対して左右方向Yに傾斜させることができるようになっている。なお、本実施の形態においては、振子装置30,30として、進行方向Xと垂直な平面内で回転可能なローラが用いられている。
振子梁31は、車体10を支持する略半円柱状の部材であり、曲面部が下側となるように配設されて、当該曲面部において下方の振子装置30,30と当接している。
【0024】
この振子梁31と上述の台車枠23とには、車体10を傾斜させる第1アクチュエータ4が連結されている。第1アクチュエータ4は、伸縮することによって台車2に対して振子梁31を左右方向Yに傾斜させる液圧シリンダ40を有している。ここで、液圧シリンダ40の圧力伝達媒体である液体は、空気圧シリンダの圧力伝達媒体である空気よりも圧縮性が小さいので、応答速度や周波数応答特性に優れた性質を有している。そのため、第1アクチュエータ4が空気圧シリンダを備える場合と比較して、車体傾斜装置3による車体10の傾斜制御性能は高くなっている。なお、このような液圧シリンダ40としては、例えば、特開2004−291897号公報に開示のものを用いることができる。
【0025】
また、振子梁31と車体10とには、車体10を傾斜させる第2アクチュエータ5が連結されている。第2アクチュエータ5は、空気ばね50,50及び流体ポンプ51を備えている。
【0026】
空気ばね50,50は、鉄道車両1における左右方向Yの両端部において振子梁31と車体10との間に介在し、車体10の振動を緩和している。なお、本実施の形態においては、空気ばね50の共振周波数は0.7〜1Hz程度となっている。そのため、この帯域の周波数で振子梁31と車体10とが上下方向やロール方向に相対移動すると、空気ばね50が発振するようになっている。
【0027】
流体ポンプ51は、空気ばね50,50の内部の作動流体、つまり空気を移動させて空気ばね50,50をそれぞれ膨張・収縮させることにより、振子梁31に対して車体10を左右方向Yに傾斜させるものである。
【0028】
なお、この第2アクチュエータ5は、図2に示すように、所定帯域の周波数成分のみを通過させるローパスフィルタ65を介して車体10を傾斜させるようになっている。このローパスフィルタ65は、第2アクチュエータ5による車体10の傾斜角変化のうち、前記所定帯域とは異なる帯域の傾斜角変化を除去するようになっている。
【0029】
以上の第1アクチュエータ4及び第2アクチュエータ5には、制御装置6が接続されている。この制御装置6は、目標傾斜角演算部60と、第1コントローラ61及び第2コントローラ62とを備えている。
【0030】
目標傾斜角演算部60は、図3に示すように、未走行線路の形状に基づいて、台車2に対する振子梁31の傾斜角の目標値(以下、第1目標傾斜角とする)と、振子梁31に対する車体10の傾斜角の目標値(以下、第2目標傾斜角とする)とを算出し、第1コントローラ61,第2コントローラ62に送信するものである。
【0031】
より詳細には、目標傾斜角演算部60は、所定時間経過後に鉄道車両1が走行するべき未走行区間の線路の形状に関する未走行線路データをデータベース63から取得し、この未走行線路データや、鉄道車両1の走行速度などに基づいて第1目標傾斜角及び第2目標傾斜角を事前に、つまり、当該未走行区間を走行する前に決定するようになっている。また、この目標傾斜角演算部60は、同一地点の未走行線路に対する第1目標傾斜角,第2目標傾斜角を第1コントローラ61,第2コントローラ62に送信するにあたり、第1コントローラ61に第1目標傾斜角を送信するタイミングよりも、第2コントローラ62に第2目標傾斜角を送信するタイミングをn秒(nは正の値)だけ前倒しするようになっている。
【0032】
なお、このような目標傾斜角演算部60における目標傾斜角の演算手法には、例えば、特開2004−291898号公報や、特開2004−291897号公報、特開昭61−108053号公報などに開示の手法を用いることができる。また、「n秒」の長さの算出には、例えば、鉄道車両1が走行する軌道の線形や、鉄道車両1の走行速度、車体10の重量、空気ばね50の内容積、空気ばね50の有効断面積、空気ばね50,50の間隔、流体ポンプ51の元圧、空気ばね50と流体ポンプ51との間などの配管の長さ、この配管に用いられる空気制御バルブ(図示せず)またはオリフィス(図示せず)の特性、第2コントローラ62に対して設定されるパラメータの値などを用いることができ、「n秒」の長さとしては、例えば2秒などを用いることができる。また、本実施の形態においては、同一地点の線路に対する第1目標傾斜角と第2目標傾斜角とが等しくなっているが、異なることとしても良い。また、データベース63は制御装置6の内部に設けられることとしても良いし、外部に設けられることとしても良い。
【0033】
第1コントローラ61は、目標傾斜角演算部60によって設定された第1目標傾斜角に基づいて第1アクチュエータ4を制御するものである。この第1コントローラ61は、液圧シリンダ40の伸縮量、つまり台車2に対する振子梁31の傾斜角と、台車2に対する車体10の実際の傾斜角とをそれぞれ前記第1目標傾斜角にフィードバックするようになっている。
【0034】
第1コントローラ61には、所定帯域の周波数成分のみを通過させるローパスフィルタ64が接続されている。このローパスフィルタ64は、台車2に対する車体10の実際の傾斜角が第1コントローラ61によって第1目標傾斜角にフィードバックされるときに、前記所定帯域とは異なる帯域の傾斜角変化を除去するようになっている。なお、本実施の形態においては、ローパスフィルタ64は、0.2Hz以下の周波数成分の傾斜角変化のみを通過させるようになっている。
【0035】
第2コントローラ62は、目標傾斜角演算部60によって設定された第2目標傾斜角に基づいて第2アクチュエータ5を制御するものである。この第2コントローラ62は、左右の空気ばね50,50の高さの偏差、つまり振子梁31に対する車体10の傾斜角を前記第2目標傾斜角にフィードバックするようになっている。
【0036】
続いて、鉄道車両1における車体傾斜方法、即ち、本発明に係る車体傾斜方法について説明する。
まず、目標傾斜角演算部60は、現時点での鉄道車両1の地点を検出した後、未走行線路の形状及び鉄道車両1の走行速度に基づいて、第1目標傾斜角及び第2目標傾斜角を算出する。
【0037】
次に、目標傾斜角演算部60は、第1コントローラ61に対する第1目標傾斜角の送信タイミングよりも、第2コントローラ62に対する第2目標傾斜角の送信タイミングをn秒(nは正の値)だけ前倒しして、これら第1目標傾斜角および第2目標傾斜角を送信する。これにより、図3に示すように、同一地点の線路に対して、第2アクチュエータ5の制御が第1アクチュエータ4の制御よりもn秒だけ先に行われる。そのため、応答性の低い空気ばね50によって第2アクチュエータ5が後述のように車体10を傾斜させる場合であっても、車体10の傾斜制御の遅れが防止される。
【0038】
そして、第1目標傾斜角に基づいて第1コントローラ61が第1アクチュエータ4を動作させることにより、台車2に対して振子梁31を左右方向Yに傾斜させる。また、第2目標傾斜角に基づいて第2コントローラ62が第2アクチュエータ5を動作させることにより、振子梁31に対して車体10を左右方向Yに傾斜させる。
【0039】
このとき、第1コントローラ61が台車2に対する振子梁31の傾斜角と、台車2に対する車体10の実際の傾斜角とをそれぞれ第1目標傾斜角にフィードバックするとともに、このフィードバックにおいて、ローパスフィルタ64が台車2に対する車体10の傾斜角変化のうち、0.2Hzより大きい周波数成分を除去する。また、第2コントローラ62が振子梁31に対する車体10の傾斜角を第2目標傾斜角にフィードバックする。
【0040】
このように第1コントローラ61,第2コントローラ62が第1目標傾斜角,第2目標傾斜角にフィードバックを行うことにより、傾斜角の目標値と実際の傾斜角とのずれが補正される。また、応答性の低い第2アクチュエータ5の第2目標傾斜角にフィードバックを行う場合と比較して、フィードバックの実効性が高められる。また、ローパスフィルタ64を通過する低周波数成分の傾斜角変化のみを第1目標傾斜角に対するフィードバックに用いることにより、空気ばね50の共振周波数(本実施の形態においては0.7〜1Hz)成分が第1アクチュエータ4にフィードバックされるのが防止される。
【0041】
以上のような鉄道車両1によれば、同一地点の線路に対して第2アクチュエータ5の制御を第1アクチュエータ4の制御よりもn秒だけ先に行うので、応答性の低い空気ばね50によって第2アクチュエータ5が車体10を傾斜させる場合であっても、車体10の傾斜制御の遅れを防止することができる。
【0042】
また、制御装置6は台車2に対する車体10の傾斜角を第1目標傾斜角にフィードバックするので、車体10の傾斜角の目標値と実際の傾斜角とのずれを補正することができる。また、応答性の低い第2アクチュエータ5の第2目標傾斜角にフィードバックを行う場合と比較して、フィードバックの実効性を高めることができる。
以上より、従来と比較して、車体10の傾斜角を高精度に制御することができる。
【0043】
また、ローパスフィルタ64を通過する周波数成分の傾斜角変化のみをフィードバックに用いるので、空気ばね50の共振周波数成分が第1アクチュエータ4にフィードバックされるのを防止することができる。従って、空気ばね50で発振が生じるのを防止し、車体10を安全に傾斜させることができる。
【0044】
なお、上記実施の形態においては、第1アクチュエータ4は液圧シリンダ40を備えることとして説明したが、空気圧シリンダを備えることとしても良い。
また、第2アクチュエータ5は空気ばね50を備えることとして説明したが、流体ばねを備えることとしても良い。
また、鉄道車両1はローパスフィルタ64,65を備えることとして説明したが、何れか一方のみを備えることとしても良いし、何れも備えないこととしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る鉄道車両の概略構成を示す模式図である。
【図2】本発明に係る車体傾斜装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る車体傾斜装置の動作を説明するための図である。
【図4】従来の鉄道車両を示す模式図である。
【符号の説明】
【0046】
1 鉄道車両
2 台車
3 車体傾斜装置
4 第1アクチュエータ
5 第2アクチュエータ
6 制御装置
10 車体
31 振子梁
40 液圧シリンダ
50 空気ばね(流体ばね)
51 流体ポンプ
64 ローパスフィルタ
X 進行方向




 

 


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