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発明の名称 集電装置の揚力制御構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−252114(P2007−252114A)
公開日 平成19年9月27日(2007.9.27)
出願番号 特願2006−73439(P2006−73439)
出願日 平成18年3月16日(2006.3.16)
代理人 【識別番号】100104064
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 岳人
発明者 吉田 和重
要約 課題
安価で簡易な構造によって集電舟に作用する揚力の変動を低減し集電性能を向上させることができる集電装置の揚力制御構造を提供する。

解決手段
(B)に示すように集電舟8に作用する接触力Cが標準値よりも大きくなると、シリンダ室14aからシリンダ室15aに作動流体が流入し、連結部11bを中心として揚力可変翼11aがA1方向に回転する。その結果、集電舟8を上昇させる方向に作用する揚力Lが低下して、接触力Cが低下し接触力Cが略一定に保たれる。一方、(C)に示すように、集電舟8に作用する接触力Cが標準値よりも小さくなると、シリンダ室16aからシリンダ室14aに作動流体が流入し、連結部12bを中心として揚力可変翼12aがA2方向に回転する。その結果、集電舟8を上昇させる方向に作用する揚力Lが増加して、接触力Cが増加し接触力Cが略一定に保たれる。
特許請求の範囲
【請求項1】
集電装置に作用する揚力を制御する集電装置の揚力制御構造であって、
前記集電装置の集電舟に作用する揚力を可変する揚力可変部と、
前記集電舟のすり板と電車線との間に作用する接触力を前記揚力可変部に作動流体を通じて伝達してこの揚力可変部を駆動する駆動部と、
を備える集電装置の揚力制御構造。
【請求項2】
請求項1に記載の集電装置の揚力制御構造において、
前記駆動部は、前記接触力が増加したときには前記集電舟を上昇させる方向に作用する揚力が低下するように前記揚力可変部を駆動し、前記接触力が低下したときには前記集電舟を上昇させる方向に作用する揚力が増加するように前記揚力可変部を駆動すること、
を特徴とする集電装置の揚力制御構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の集電装置の揚力制御構造において、
前記揚力可変部は、
前記接触力が増加したときには前記集電舟を上昇させる方向に作用する揚力を低下させる下降用揚力可変部と、
前記接触力が低下したときには前記集電舟を上昇させる方向に作用する揚力を増加させる上昇用揚力可変部とを備えること、
を特徴とする集電装置の揚力制御構造。
【請求項4】
請求項3に記載の集電装置の揚力制御構造において、
前記駆動部は、
前記接触力が変化するとシリンダ室の容積が変化して前記作動流体の流体圧を変化させる第1のシリンダ部と、
前記作動流体の流体圧を受けて前記上昇用揚力可変部を駆動するための駆動力を発生する第2のシリンダ部と、
前記作動流体の流体圧を受けて前記下降用揚力可変部を駆動するための駆動力を発生する第3のシリンダ部と、
前記第1のシリンダ部と前記第2及び第3のシリンダ部との間で前記作動流体が流れる流路とを備えること、
を特徴とする集電装置の揚力制御構造。
【請求項5】
請求項4に記載の集電装置の揚力制御構造において、
前記第1のシリンダ部の受圧面積は、前記第2及び前記第3のシリンダ部の受圧面積よりも大きいこと、
を特徴とする集電装置の揚力制御構造。
【請求項6】
請求項3に記載の集電装置の揚力制御構造において、
前記駆動部は、
前記接触力が増加するとシリンダ室の容積が減少し、前記接触力が低下するとこのシリンダ室の容積が増加して、前記作動流体の流体圧を変化させる第1のシリンダ部と、
前記接触力が増加するとシリンダ室の容積が増加し、前記接触力が低下するとこのシリンダ室の容積が減少して、前記作動流体の流体圧を変化させる第2のシリンダ部と、
前記作動流体の流体圧を受けて前記下降用揚力可変部を駆動するための駆動力を発生する第3のシリンダ部と、
前記作動流体の流体圧を受けて前記上昇用揚力可変部を駆動するための駆動力を発生する第4のシリンダ部と、
前記第1のシリンダ部と前記第3のシリンダ部との間で前記作動流体が流れる第1の流路と、
前記第2のシリンダ部と前記第4のシリンダ部との間で前記作動流体が流れる第2の流路とを備えること、
を特徴とする集電装置の揚力制御構造。
【請求項7】
請求項6に記載の集電装置の揚力制御構造において、
前記第1及び前記第2のシリンダ部の受圧面積は、前記第3及び前記第4のシリンダ部の受圧面積よりも大きいこと、
を特徴とする集電装置の揚力制御構造。
【請求項8】
請求項1又は請求項2に記載の集電装置の揚力制御構造において、
前記揚力可変部は、前記接触力が増加したときには前記集電舟を上昇させる方向に作用する揚力を低下させ、前記接触力が低下したときには前記集電舟を上昇させる方向に作用する揚力を増加させる昇降用揚力可変部を備えること、
を特徴とする集電装置の揚力制御構造。
【請求項9】
請求項8に記載の集電装置の揚力制御構造において、
前記駆動部は、
前記接触力が変化するとシリンダ室の容積が変化して前記作動流体の流体圧を変化させる第1のシリンダ部と、
前記作動流体の流体圧を受けて前記昇降用揚力可変部を駆動するための駆動力を発生する第2のシリンダ部と、
前記第1のシリンダ部と前記第2のシリンダ部との間で前記作動流体が流れる流路とを備えること、
を特徴とする集電装置の揚力制御構造。
【請求項10】
請求項9に記載の集電装置の揚力制御構造において、
前記第1のシリンダ部の受圧面積は、前記第2のシリンダ部の受圧面積よりも大きいこと、
を特徴とする集電装置の揚力制御構造。
【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の集電装置の揚力制御構造において、
前記揚力可変部は、前記揚力を可変する揚力可変翼を備えること、
を特徴とする集電装置の揚力制御構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、集電装置に作用する揚力を制御する集電装置の揚力制御構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の集電装置(従来技術1)は、架線のトロリ線と接触するすり板と、このすり板を支持する集電舟と、この集電舟に作用する揚力を検出する揚力センサと、集電舟の後縁で上昇及び下降するフラップと、このフラップを昇降駆動する駆動装置と、揚力センサの出力信号に基づいて駆動装置を制御する制御装置などを備えている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術1では、揚力センサによって集電舟に作用する揚力を検出して、この揚力を打ち消すようにフラップが昇降するように駆動装置を制御装置が制御している。
【0003】
従来の集電装置(従来技術2)は、集電舟の前縁部の上側に形成された上側空気孔と、集電舟の前縁部の下側に形成された下側空気孔と、上側空気孔と接続する上側空気管と、下側空気孔と接続する下側空気管と、上側空気管からの空気の吐き出し量及び吸い込み量を調整する上側絞り弁と、下側空気管からの空気の吐出し量及び吸い込み量を調整する下側絞り弁と、上側空気管及び下側空気管に接続される空気だめと、上側空気管及び下側空気管に圧縮空気を供給するとともに上側空気管及び下側空気管から空気を吸い込むコンプレッサなどを備えている(例えば、特許文献2参照)。この従来技術2では、集電舟に作用する揚力を減少させるときには、下側空気孔からの空気の吐き出し量を増加させるか、上側空気孔からの空気の吸い込み量を減少させている。一方、この従来技術2では、集電舟に作用する揚力を増加させるときには、上側空気孔からの空気の吐き出し量を増加させるか、下側空気孔からの空気の吸い込み量を減少させている。
【0004】
【特許文献1】特開平6-245309号公報
【0005】
【特許文献2】特開2000-270403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術1では、駆動装置や制御装置などを設置するための空間を集電舟内に確保する必要がある。このため、小型の集電舟内に収納可能なように駆動装置や制御装置などをさらに小型にする必要があり、集電装置への組み込みが困難になってしまう問題点がある。また、従来技術1では、駆動装置や制御装置などを電気的に絶縁する必要があり、製造に手間がかかるとともに集電装置が複雑になってしまう問題点があった。
【0007】
従来技術2では、上側空気孔や下側空気孔から吐き出す圧縮空気によって、集電舟の周囲の空気の流れを制御する必要がある。このため、上側空気孔や下側空気孔に外部からの空気を供給する空気だめやコンプレッサなどを設置する場所を確保する必要があるとともに、機構が複雑になってしまう問題点があった。また、従来技術2では、コンプレッサから空気孔へ集電装置に沿って空気管路を配管しこれらの部材を電気的に絶縁する必要があり、配管作業や設置作業に手間がかかるという問題点があった。
【0008】
この発明の課題は、安価で簡易な構造によって集電舟に作用する揚力の変動を低減し集電性能を向上させることができる集電装置の揚力制御構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図3〜図8に示すように、集電装置(3)に作用する揚力(±L)を制御する集電装置の揚力制御構造であって、前記集電装置の集電舟(8)に作用する揚力を可変する揚力可変部(11,12;29)と、前記集電舟のすり板(7)と電車線(1a)との間に作用する接触力(C)を前記揚力可変部に作動流体を通じて伝達してこの揚力可変部を駆動する駆動部(13)とを備える集電装置の揚力制御構造(10;19;20;27;28;32)である。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の集電装置の揚力制御構造において、図3〜図6に示すように、前記駆動部は、前記接触力が増加したときには前記集電舟を上昇させる方向に作用する揚力(L)が低下するように前記揚力可変部を駆動し、前記接触力が低下したときには前記集電舟を上昇させる方向に作用する揚力(L)が増加するように前記揚力可変部を駆動することを特徴とする集電装置の揚力制御構造(10;19;20;27)である。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の集電装置の揚力制御構造において、図3〜図6に示すように、前記揚力可変部は、前記接触力が増加したときには前記集電舟を上昇させる方向に作用する揚力を低下させる下降用揚力可変部(11)と、前記接触力が低下したときには前記集電舟を上昇させる方向に作用する揚力を増加させる上昇用揚力可変部(12)とを備えることを特徴とする集電装置の揚力制御構造(10;19;20;27)である。
【0012】
請求項4の発明は、請求項3に記載の集電装置の揚力制御構造において、図3及び図4に示すように、前記駆動部は、前記接触力が変化するとシリンダ室(14a)の容積が変化して前記作動流体の流体圧を変化させる第1のシリンダ部(14)と、前記作動流体の流体圧を受けて前記上昇用揚力可変部を駆動するための駆動力を発生する第2のシリンダ部(15)と、前記作動流体の流体圧を受けて前記下降用揚力可変部を駆動するための駆動力を発生する第3のシリンダ部(16)と、前記第1のシリンダ部と前記第2及び第3のシリンダ部との間で前記作動流体が流れる流路(17)とを備えることを特徴とする集電装置の揚力制御構造(10;19)である。
【0013】
請求項5の発明は、請求項4に記載の集電装置の揚力制御構造において、前記第1のシリンダ部の受圧面積は、前記第2及び前記第3のシリンダ部の受圧面積よりも大きいことを特徴とする集電装置の揚力制御構造である。
【0014】
請求項6の発明は、請求項3に記載の集電装置の揚力制御構造において、図5及び図6に示すように、前記駆動部は、前記接触力が増加するとシリンダ室(21a)の容積が減少し、前記接触力が低下するとこのシリンダ室の容積が増加して、前記作動流体の流体圧を変化させる第1のシリンダ部(21)と、前記接触力が増加するとシリンダ室(22a)の容積が増加し、前記接触力が低下するとこのシリンダ室の容積が減少して、前記作動流体の流体圧を変化させる第2のシリンダ部(22)と、前記作動流体の流体圧を受けて前記下降用揚力可変部を駆動するための駆動力を発生する第3のシリンダ部(23)と、前記作動流体の流体圧を受けて前記上昇用揚力可変部を駆動するための駆動力を発生する第4のシリンダ部(24)と、前記第1のシリンダ部と前記第3のシリンダ部との間で前記作動流体が流れる第1の流路(25)と、前記第2のシリンダ部と前記第4のシリンダ部との間で前記作動流体が流れる第2の流路(26)とを備えることを特徴とする集電装置の揚力制御構造(20;27)である。
【0015】
請求項7の発明は、請求項6に記載の集電装置の揚力制御構造において、前記第1及び前記第2のシリンダ部の受圧面積は、前記第3及び前記第4のシリンダ部の受圧面積よりも大きいことを特徴とする集電装置の揚力制御構造である。
【0016】
請求項8の発明は、請求項1又は請求項2に記載の集電装置の揚力制御構造において、図7及び図8に示すように、前記揚力可変部は、前記接触力が増加したときには前記集電舟を上昇させる方向に作用する揚力を低下させ、前記接触力が低下したときには前記集電舟を上昇させる方向に作用する揚力を増加させる昇降用揚力可変部(29)を備えることを特徴とする集電装置の揚力制御構造(28;32)である。
【0017】
請求項9の発明は、請求項8に記載の集電装置の揚力制御構造において、前記駆動部は、前記接触力が変化するとシリンダ室(14a)の容積が変化して前記作動流体の流体圧を変化させる第1のシリンダ部(14)と、前記作動流体の流体圧を受けて前記昇降用揚力可変部を駆動するための駆動力を発生する第2のシリンダ部(30)と、前記第1のシリンダ部と前記第2のシリンダ部との間で前記作動流体が流れる流路(31)とを備えることを特徴とする集電装置の揚力制御構造である。
【0018】
請求項10の発明は、請求項9に記載の集電装置の揚力制御構造において、前記第1のシリンダ部の受圧面積は、前記第2のシリンダ部の受圧面積よりも大きいことを特徴とする集電装置の揚力制御構造である。
【0019】
請求項11の発明は、請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の集電装置の揚力制御構造において、前記揚力可変部は、前記揚力を可変する揚力可変翼(11a,12a,29a)を備えることを特徴とする集電装置の揚力制御構造である。
【発明の効果】
【0020】
この発明によると、安価で簡易な構造によって集電舟に作用する揚力の変動を低減し集電性能を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る集電装置の揚力制御構造を備える集電装置を模式的に示す構成図である。図2は、この発明の第1実施形態に係る集電装置の揚力制御構造を模式的に示す構成図である。図3は、この発明の第1実施形態に係る集電装置の揚力制御構造の揚力可変部及び駆動部を模式的に示す構成図であり、図3(A)は接触力が標準値であるときの状態を示し、図3(B)は接触力が標準値よりも大きくなったときの状態を示し、図3(C)は接触力が標準値よりも小さくなったときの状態を示す。
【0022】
図1〜図3に示す架線1は、線路上空に架設される架空電車線であり、所定の間隔をあけて支持点で支持されている。トロリ線1aは、集電装置3のすり板7が接触する電線であり、集電装置3のすり板7が接触移動することによって車両2に負荷電流を供給する。車両2は、電車又は電気機関車などの電気車であり、例えば高速で走行する新幹線などの鉄道車両である。車体2aは、乗客を積載し輸送するための構造物である。
【0023】
図1に示す集電装置3は、トロリ線1aから電力を車両2に導くための装置であり、台枠4と、枠組5と、舟支え部6と、すり板7と、集電舟(舟体)8と、すり板支持部9と、揚力制御構造10などを備えている。台枠4は、枠組5を支持して車体2aの屋根上のがい子に設置される部分であり、枠組5は集電舟8を支持した状態で上下方向に動作可能なリンク機構である。舟支え部6は、集電舟8を架線1に対して水平に押上げるとともに、図示しないばねによる緩衝作用を与える機構部であり、台枠4が備える図示しない押上げ用ばねによって上方に押上げられる。図1に示す集電装置3は、車両2の進行方向に対して非対称であり、空力的性能から高速使用時には一方向だけで使用可能なシングルアーム式パンタグラフの例である。
【0024】
すり板7は、集電舟8に取り付けられトロリ線1aと接触する部材である。すり板7は、図1〜図3に示すように、車両2の進行方向と直交する方向に伸びた金属製又は炭素製の板状部材であり、集電舟8にすり板支持部9を介して取り付けられ支持されている。
【0025】
集電舟8は、すり板7及びすり板支持部9を取り付ける部分である。集電舟8は、一般にトロリ線1aと直交する方向に伸びた弓形で細長い金属製の部材であり、軌道面と平行に配置され架線1の長さ方向と直交して配置されている。集電舟8には、図1及び図2に示すように、この集電舟8を上昇させる方向を正とする揚力L、又はこの集電舟8を下降させる方向を負とする揚力−Lが作用する。集電舟8は、図1〜図3に示すように揚力制御構造10を備えている。
【0026】
すり板支持部9は、すり板7を弾性支持する部分である。すり板支持部9は、すり板7と集電舟8との間に配置されており、上端部がすり板7に連結され、下端部が集電舟8に連結された状態で集電舟8内に収容されている。すり板支持部9は、すり板7と集電舟8とが相対変位可能なように集電舟8にすり板7を支持するばねなどの弾性体であり、図3(A)に示すようにすり板7とトロリ線1aとの間に作用する接触力Cが予め定められた標準値であるときに中立位置に位置するように設定されている。すり板支持部9は、図3(B)に示すように、集電舟8に作用する接触力Cが標準値よりも大きくなると縮み、図3(C)に示すように集電舟8に作用する接触力Cが標準値よりも小さくなると伸びる。
【0027】
図1〜図3に示す揚力制御構造10は、集電装置3に作用する揚力±Lを制御する構造である。揚力制御構造10は、トロリ線1aとすり板7との間に作用する接触力Cを制御する構造であり、すり板支持部9の変位量(撓み量)に応じて集電舟8に作用する揚力±Lを変化させ集電装置3の接触力Cを制御する。揚力制御構造10は、図1〜図3に示すように、揚力可変部11,12と駆動部13などを備えている。揚力制御構造10は、図3(B)に示すように、集電舟8に作用する接触力Cが標準値よりも大きくなったときには、この集電舟8を下降させる方向の揚力−Lをこの集電舟8に作用(集電舟8を上昇させる方向の揚力Lを低下)させて接触力Cを低下させる。一方、揚力制御構造10は、図3(C)に示すように、集電舟8に作用する接触力Cが標準値よりも小さくなったときには、この集電舟8を上昇させる方向の揚力Lをこの集電舟8に作用(集電舟8を上昇させる方向の揚力Lを増加)させて接触力Cを増加させる。
【0028】
揚力可変部11,12は、集電舟8に作用する揚力±Lを可変する部分である。揚力可変部11は、図3(B)に示すように、接触力Cが増加したときには集電舟8を上昇させる方向に作用する揚力Lを低下させる下降用揚力可変部であり、図1〜図3に示すように集電舟8の下面側の後縁部寄りに配置されている。一方、揚力可変部12は、図3(C)に示すように、接触力Cが低下したときには集電舟8を上昇させる方向に作用する揚力Lを増加させる上昇用揚力可変部であり、図1〜図3に示すように集電舟8の上面側の後縁部寄りに配置されている。揚力可変部11,12は、図2及び図3に示すように、揚力可変翼11a,12aと連結部11b,12bなどを備えている。揚力可変翼11aは、集電舟8を下降させる方向の揚力−Lを可変する翼(フラップ)であり、揚力可変翼12aは集電舟8を上昇させる方向の揚力Lを可変する翼(フラップ)である。連結部11bは、集電舟8の下面側の後縁部寄りに揚力可変翼11aを回転自在に連結する部分であり、連結部12bは集電舟8の上面側の後縁部寄りに回転自在に連結する部分である。
【0029】
駆動部13は、すり板7とトロリ線1aとの間に作用する接触力Cを揚力可変部11,12に作動流体を通じて伝達してこの揚力可変部11,12を駆動する部分である。駆動部13は、接触力Cが増加したときには集電舟8を上昇させる方向に作用する揚力Lが低下するように揚力可変部11を駆動し、接触力Cが低下したときには集電舟8を上昇させる方向の揚力Lが増加するように揚力可変部12を駆動する。駆動部13は、図2及び図3に示すように、シリンダ部14〜16と、流路17と、昇降機構部18などを備えている。
【0030】
シリンダ部14は、接触力Cが変化するとシリンダ室14aの容積が変化して作動流体の流体圧を変化させる部分である。シリンダ部14は、作動流体が流入及び流出するシリンダ室14aと、このシリンダ室14a内を移動するピストン14bと、このピストン14bと一体となって移動可能でありすり板7の下面に回転自在に連結されるピストンロッド14cなどを備えている。シリンダ部14は、図3(A)に示すように、接触力Cが標準的であるときにはシリンダ室14a内の標準位置(例えば、中間位置)にピストン14bが位置している。シリンダ部14は、図3(B)に示すように、接触力Cが増加するとシリンダ室14a内の標準位置からピストン14bが下方に移動してこのシリンダ室14aの容積が小さくなり、図3(C)に示すように接触力Cが低下するとシリンダ室14a内の標準位置からピストン14bが上方に移動してこのシリンダ室14aの容積が大きくなる。
【0031】
シリンダ部15は、作動流体の流体圧を受けて揚力可変部11を駆動するための駆動力を発生する部分であり、シリンダ部16は作動流体の流体圧を受けて揚力可変部12を駆動するための駆動力を発生する部分である。シリンダ部15,16は、シリンダ部14と同一構造であり、以下ではシリンダ部15,16側の部材でシリンダ部14側の部材と対応する部材については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。シリンダ部15は、揚力可変翼11aの上面に回転自在に連結されるピストンロッド15cを備えており、シリンダ部16は昇降機構部18のリンク部材18bに回転自在に連結されるピストンロッド16cを備えている。シリンダ部15,16は、図3(A)に示すように、接触力Cが標準的であるときにはシリンダ室15a,16a内の標準位置(例えば、中間位置)にピストン15b,16bが位置している。シリンダ部15は、図3(B)に示すように、接触力Cが増加するとシリンダ室15a内の標準位置からピストン15bが下方に移動してこのシリンダ室15aの容積が大きくなり、シリンダ部16は図3(C)に示すように接触力Cが低下するとシリンダ室16a内の標準位置からピストン16bが下方に移動してこのシリンダ室16aの容積が小さくなる。図2及び図3に示すように、シリンダ部15,16の受圧面積(ピストン15b,16bの受圧面積)は、シリンダ部14の受圧面積(ピストン14bの受圧面積)よりも小さく形成されている。
【0032】
流路17は、シリンダ部14とシリンダ部15,16との間で作動流体が流れる部分である。流路17は、例えば、圧縮性流体である空気などの気体が作動流体として流れる配管であり、一方の端部がシリンダ部14のシリンダ室14aに接続されており、他方の端部が二つに分岐してシリンダ部15のシリンダ室15aとシリンダ部16のシリンダ室16aとにそれぞれ接続されている。
【0033】
昇降機構部18は、揚力可変部12を昇降動作させる部分である。昇降機構部18は、図2及び図3に示すように、シリンダ部16のピストンロッド16cの進退動作を揚力可変翼12aの回転動作に変換するてこ機構であり、リンク部材18a,18bなどを備えている。リンク部材18aは、上端部が揚力可変翼12aの下面に回転自在に連結される部材である。リンク部材18bは、支点Oを回転中心として集電舟8に回転自在に連結される部材であり、一方の端部にリンク部材18aの下端部が回転自在に連結され、他方の端部にピストンロッド16cの上端部が回転自在に連結されている。
【0034】
次に、この発明の第1実施形態に係る集電装置の揚力制御構造の作用を説明する。
図1に示すように、車両2が矢印方向に走行して、図3(B)に示すように集電舟8に作用する接触力Cが標準値よりも大きくなると、集電舟8に対して相対的にすり板7が下降して、すり板7と一体となってピストンロッド14cも下降する。その結果、シリンダ室14a内をピストン14bが下方に移動してシリンダ室14aの容積が小さくなる。このため、シリンダ室14a内の作動流体の流体圧が上昇して、シリンダ室14aから流路17に作動流体が流入し、流路17からシリンダ室15a,16aに作動流体が流入しようとする。
【0035】
このとき、集電舟8の上面に揚力可変翼12aが接触しているため、シリンダ室16aに作動流体が流入してピストンロッド16cを上昇させようとしても、リンク部材18bが支点Oを中心として回転不能である。このため、作動流体が流路17からシリンダ室16aに流入せずに、シリンダ室14aからシリンダ室15aに流路17を通過して作動流体が流入する。シリンダ室15aに作動流体が流入すると、シリンダ室15a内の流体圧が上昇して、シリンダ室15a内をピストン15bが下降し、ピストンロッド15cもピストン15bと一体となって下降して、連結部11bを中心として揚力可変翼11aがA1方向に回転する。その結果、集電舟8を上昇させる方向に作用する揚力Lが低下して、接触力Cが低下し接触力Cが略一定に保たれる。
【0036】
一方、図3(C)に示すように、集電舟8に作用する接触力Cが標準値よりも小さくなると、集電舟8に対して相対的にすり板7が上昇して、すり板7と一体となってピストンロッド14cも上昇し、シリンダ室14a内をピストン14bが上方に移動する。その結果、シリンダ室14aの容積が大きくなるため、シリンダ室14a内の作動流体の流体圧が下降して、シリンダ室15a,16aから流路17を通過してシリンダ室14aに作動流体が流入しようとする。
【0037】
このとき、集電舟8の下面に揚力可変翼11aが接触しているため、シリンダ室15aから作動流体が流出してピストンロッド15cを上昇させようとしても、ピストンロッド15cが上昇不能である。このため、作動流体がシリンダ室15aから流路17に流入せずに、シリンダ室16aからシリンダ室14aに流路17を通過して作動流体が流入する。作動流体がシリンダ室16aから流出すると、シリンダ室16a内の流体圧が下降して、シリンダ室16a内をピストン16bが下降する。その結果、リンク部材18aが支点Oを中心として矢印方向に回転してリンク部材18bが上昇し、連結部12bを中心として揚力可変翼12aがA2方向に回転する。その結果、集電舟8を上昇させる方向に作用する揚力Lが増加して、接触力Cが増加し接触力Cが略一定に保たれる。
【0038】
この発明の第1実施形態に係る集電装置の揚力制御構造には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、集電舟8に作用する揚力±Lを揚力可変部11,12が可変し、すり板7とトロリ線1aとの間に作用する接触力Cを揚力可変部11,12に作動流体を通じて伝達してこの揚力可変部11,12を駆動部13が駆動する。このため、すり板7に作用する接触力Cを直接用いて、この接触力Cによって作動流体を介して揚力可変部11,12を駆動させ、集電舟8に作用する揚力±Lを制御することができる。その結果、非常に簡易な構造によって集電装置3の集電性能を向上させることができる。
【0039】
(2) この第1実施形態では、接触力Cが増加したときには集電舟8を上昇させる方向に作用する揚力Lが低下するように揚力可変部11を駆動部13が駆動し、接触力Cが低下したときには集電舟8を上昇させる方向に作用する揚力Lが増加するように揚力可変部12を駆動部13が駆動する。このため、揚力±Lを簡単に制御して接触力Cを略一定に保つことができる。
【0040】
(3) この第1実施形態では、接触力Cが増加したときには集電舟8を下降させる方向の揚力Lを揚力可変部11が減少させ、接触力Cが低下したときに集電舟8を上昇させる方向の揚力Lを揚力可変部12が増加させる。このため、揚力±Lを制御するときに下降用の揚力可変部11と上昇用の揚力可変部12とをそれぞれ切り替えて、接触力Cを略一定に保つことができる。
【0041】
(4) この第1実施形態では、接触力Cが変化するとシリンダ室14aの容積が変化して作動流体の流体圧をシリンダ部14が変化させ、この作動流体の流体圧を受けて揚力可変部11,12を駆動するための駆動力をシリンダ部15,16が発生し、シリンダ部14とシリンダ部15,16との間で作動流体を流路17が流している。このため、安価で簡単な構造によって揚力±Lを簡単に制御し、接触力Cを略一定に保つことができる。
【0042】
(5) この第1実施形態では、シリンダ部14の受圧面積がシリンダ部15,16の受圧面積よりも大きい。このため、シリンダ部15,16のシリンダ室15a,16a内の作動流体の流体圧が変動しても、この流体圧の変動によってシリンダ部14のピストンロッド14cが動作するのを可能な限り防ぐことができる。その結果、揚力可変部11,12が気流を受けて変動したときに、この揚力可変部11,12の変動がシリンダ部15,16から作動流体を通じてシリンダ部14に伝達されて、すり板7が変動するのを可能な限り防止することができる。
【0043】
(6) この第1実施形態では、揚力±Lを揚力可変翼11a,12aが可変する。このため、簡単な構造の揚力可変翼11a,12aを集電舟8に設置することによって、揚力±Lを簡単に制御することができる。
【0044】
(第2実施形態)
図4は、この発明の第2実施形態に係る集電装置の揚力制御構造の揚力可変部及び駆動部を模式的に示す構成図であり、図4(A)は接触力が標準値であるときの状態を示し、図4(B)は接触力が標準値よりも大きくなったときの状態を示し、図4(C)は接触力が標準値よりも小さくなったときの状態を示す。以下では、図1〜図3に示す部分と同一の部分については、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
【0045】
図4に示す揚力制御構造19は、図3に示す揚力制御構造10とは異なり、下降用の揚力可変部11が集電舟8の上面側の後縁部寄りに配置されており、上昇用の揚力可変部12が集電舟8の下面側の後縁部寄りに配置されている。例えば、集電舟8の形状、大きさ、集電舟8と揚力可変翼11a,12aとの位置関係などが原因となって、揚力±Lを増減させる方向が図3に示す揚力制御構造10とは逆になることがある。この場合には、集電舟8に作用させる揚力±Lの向きが揚力制御構造10とは異なるため、揚力可変翼11a,12aの動作を逆にする必要がある。揚力制御構造19は、図4(B)に示すように、接触力Cが増加したときには集電舟8を上昇させる方向に作用する揚力Lが低下するように、集電舟8の上側の揚力可変翼11aをA2方向に回転させる。揚力制御構造19は、図4(C)に示すように、接触力Cが低下したときには集電舟8を上昇させる方向に作用する揚力Lが増加するように、集電舟8の下側の揚力可変翼12aをA1方向に回転させる。この第2実施形態には、第1実施形態と同様の効果がある。
【0046】
(第3実施形態)
図5は、この発明の第3実施形態に係る集電装置の揚力制御構造の揚力可変部及び駆動部を模式的に示す構成図であり、図5(A)は接触力が標準値であるときの状態を示し、図5(B)は接触力が標準値よりも大きくなったときの状態を示し、図5(C)は接触力が標準値よりも小さくなったときの状態を示す。
【0047】
図5に示す揚力制御構造20は、揚力可変部11,12と駆動部13などを備えており、駆動部13はシリンダ部21〜24と流路25,26などを備えている。揚力制御構造20は、図1〜図4に示す揚力制御構造10とは異なり、4本のシリンダ部21〜24と2本の流路25,26とを備えており、昇降機構部18が省略されている。
【0048】
シリンダ部21は、接触力Cが増加するとシリンダ室21aの容積が減少し、接触力Cが低下するとシリンダ室21aの容積が増加して、作動流体の流体圧を変化させる部分である。シリンダ部22は、シリンダ部21とは逆に、接触力Cが増加するとシリンダ室22aの容積が増加し、接触力Cが低下するとシリンダ室22aの容積が減少して、作動流体の流体圧を変化させる部分である。シリンダ部21,22は、いずれも同一構造であり、作動流体が流入及び流出するシリンダ室21a,22aと、このシリンダ室21a,22a内を移動するピストン21b,22bと、このピストン21b,22bと一体となって移動可能でありすり板7の下面に回転自在に連結されるピストンロッド21cなどを備えている。シリンダ部21,22は、図5(B)に示すように、接触力Cが標準値よりも増加すると、シリンダ室21a,22a内を標準位置からピストン21b,22bが下方に移動するため、シリンダ室21aの容積が小さくなるとともにシリンダ室22aの容積が大きくなる。一方、シリンダ部21,22は、図5(C)に示すように、接触力Cが標準値よりも低下すると、シリンダ室21a,22a内を標準位置からピストン21b,22bが上方に移動するため、シリンダ室21aの容積が大きくなるとともにシリンダ室22aの容積が小さくなる。
【0049】
シリンダ部23は、作動流体の流体圧を受けて揚力可変部11を駆動するための駆動力を発生する部分であり、シリンダ部24は作動流体の流体圧を受けて揚力可変部12を駆動するための駆動力を発生する部分である。シリンダ部23は、ピストンロッド23cが揚力可変翼11aの上面に回転自在に連結されており、シリンダ部24はピストンロッド24cが揚力可変翼12aの下面に回転自在に連結されている。シリンダ部23,24は、図3に示すシリンダ部14,15と同一構造であり、以下ではシリンダ部23,24側の部材でシリンダ部14,15側の部材と対応する部材については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。シリンダ部23は、図5(B)に示すように、接触力Cが標準値よりも増加すると、シリンダ室23a内を標準位置からピストン23bが下方に移動するためこのシリンダ室23aの容積が大きくなる。シリンダ部24は、図5(C)に示すように、接触力Cが標準値よりも低下すると、シリンダ室24a内を標準位置からピストン24bが上方に移動するためこのシリンダ室24aの容積が大きくなる。図5に示すように、シリンダ部23,24の受圧面積(ピストン23b,24bの受圧面積)は、シリンダ部21,22の受圧面積(ピストン21b,22bの受圧面積)よりも小さく形成されている。
【0050】
流路25は、シリンダ部21とシリンダ部23との間で作動流体が流れる部分であり、流路26はシリンダ部22とシリンダ部24との間で作動流体が流れる部分である。流路25,26は、図3に示す流路17と同様に空気などの圧縮性流体が作動流体として流れる配管である。流路25は、一方の端部がシリンダ部21のシリンダ室21aに接続されており、他方の端部がシリンダ部23のシリンダ室23aに接続されている。流路26は、一方の端部がシリンダ部22のシリンダ室22aに接続されており、他方の端部がシリンダ部24のシリンダ室24aに接続されている。この発明の第3実施形態には、第1実施形態と同様の効果がある。
【0051】
次に、この発明の第3実施形態に係る集電装置の揚力制御構造の作用を説明する。
図5(B)に示すように、集電舟8に作用する接触力Cが標準値よりも大きくなると、集電舟8に対して相対的にすり板7が下降して、すり板7と一体となってピストンロッド21cも下降する。その結果、シリンダ室21a内をピストン14bが下方に移動して、シリンダ室21aの容積が小さくなるとともに、シリンダ室22a内をピストン14bが下方に移動して、シリンダ室22aの容積が大きくなる。このため、シリンダ室21a内の作動流体の流体圧が上昇して、シリンダ室21aから流路25に作動流体が流入し、シリンダ室23aに作動流体が流入する。また、シリンダ室22a内の作動流体の流体圧が下降して、シリンダ室24aから流路26を通過してシリンダ室22aに作動流体が流入しようとする。
【0052】
このとき、集電舟8の上面に揚力可変翼12aが接触しているため、シリンダ室24aから作動流体が流出不能であり揚力可変翼12aが回転不能である。このため、作動流体が流路26からシリンダ室22aに流入せずに、シリンダ室21aからシリンダ室23aに作動流体が流入し、連結部11bを中心として揚力可変翼11aがA1方向に回転する。その結果、集電舟8を上昇させる方向に作用する揚力Lが低下して、接触力Cが低下し接触力Cが略一定に保たれる。
【0053】
一方、図5(C)に示すように、集電舟8に作用する接触力Cが標準値よりも小さくなると、集電舟8に対して相対的にすり板7が上昇して、すり板7と一体となってピストンロッド21cも上昇する。その結果、シリンダ室21a内をピストン21bが上方に移動してシリンダ室21aの容積が大きくなるとともに、シリンダ室22a内をピストン22bが上方に移動してシリンダ室22aの容積が小さくなる。シリンダ室22a内の作動流体の流体圧が上昇して、シリンダ室22aから流路26に作動流体が流入し、シリンダ室23aに作動流体が流入する。また、シリンダ室21a内の作動流体の流体圧が下降して、シリンダ室23aから流路25を通過してシリンダ室21aに作動流体が流入しようとする。
【0054】
このとき、集電舟8の下面に揚力可変翼11aが接触しているため、シリンダ室23aから作動流体が流出不能であり揚力可変翼11aが回転不能である。このため、作動流体がシリンダ室23aから流路25に流入せずに、シリンダ室22aからシリンダ室24aに作動流体が流入し、連結部12bを中心として揚力可変翼12aがA2方向に回転する。その結果、集電舟8を上昇させる方向に作用する揚力Lが増加して、接触力Cが増加し接触力Cが略一定に保たれる。
【0055】
(第4実施形態)
図6は、この発明の第4実施形態に係る集電装置の揚力制御構造の揚力可変部及び駆動部を模式的に示す構成図であり、図6(A)は接触力が標準値であるときの状態を示し、図6(B)は接触力が標準値よりも大きくなったときの状態を示し、図6(C)は接触力が標準値よりも小さくなったときの状態を示す。
【0056】
図6に示す揚力制御構造27は、図5に示す揚力制御構造20とは異なり、上昇用の揚力可変部11が集電舟8の上面側の後縁部寄りに配置されており、下降用の揚力可変部12が集電舟8の下面側の後縁部寄りに配置されている。例えば、集電舟8の形状、大きさ、集電舟8と揚力可変翼11a,12aとの位置関係などが原因となって、揚力±Lを増減させる方向が図5に示す揚力制御構造20とは逆になることがある。この場合には、集電舟8に作用させる揚力±Lの向きが揚力制御構造20とは異なるため、揚力可変翼11a,12aの動作を逆にする必要がある。このため、図6に示す揚力制御構造27は、図5に示す揚力制御構造20とは異なり、シリンダ部21とシリンダ部23との間で作動流体が流路25を流れ、シリンダ部22とシリンダ部24との間で作動流体が流路26を流れる。その結果、揚力制御構造27は、図6(B)に示すように、接触力Cが増加したときには揚力可変翼11aをA2方向に回転させ、図6(C)に示すように接触力Cが低下したときには揚力可変翼12aをA1方向に回転させる。この第4実施形態には、第2実施形態と同様の効果がある。
【0057】
(第5実施形態)
図7は、この発明の第5実施形態に係る集電装置の揚力制御構造の揚力可変部及び駆動部を模式的に示す構成図であり、図7(A)は接触力が標準値であるときの状態を示し、図7(B)は接触力が標準値よりも大きくなったときの状態を示し、図7(C)は接触力が標準値よりも小さくなったときの状態を示す。
【0058】
図7に示す揚力制御構造28は、駆動部13と揚力可変部29などを備えており、駆動部13はシリンダ部14,30と流路31などを備えている。揚力制御構造28は、図1〜図6に示す揚力制御構造10,19,20,27とは異なり1つの揚力可変部29を備えており、図1〜図4に示す昇降機構部18が省略されている。
【0059】
揚力可変部29は、図7(B)に示すように、接触力Cが増加したときには集電舟8を上昇させる方向の揚力Lを低下させ、図7(C)に示すように接触力Cが低下したときには集電舟8を上昇させる方向の揚力Lを増加させる昇降用揚力可変部である。揚力可変部29は、図1〜図6に示す揚力可変部11,12とは異なり集電舟8の後縁部に配置されている。揚力可変部29は、図1〜図6に示す揚力可変部11,12と同一構造であり、以下では揚力可変部29側の部材で揚力可変部11,12側の部材と同一の部材については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0060】
シリンダ部30は、作動流体の流体圧を受けて揚力可変部29を駆動するための駆動力を発生する部分である。シリンダ部30は、シリンダ室30a内をピストン30bが移動可能であり、このピストン30bと一体となって移動可能なピストンロッド30cの先端部が揚力可変翼29aに回転自在に連結されている。シリンダ部30の受圧面積は、シリンダ部14の受圧面積よりも小さく形成されており、流路31はシリンダ部14とシリンダ部30との間で作動流体が流れる部分である。この第5実施形態では、第1実施形態及び第3実施形態の効果に加えて、構造をより一層簡単にすることができる。
【0061】
次に、この発明の第5実施形態に係る揚力制御構造の作用を説明する。
図7(A)に示すように、集電舟8に作用する接触力Cが標準値よりも大きくなると、集電舟8に対してすり板7が相対的に下降して、シリンダ室14aの容積が小さくなる。その結果、シリンダ室14a内の作動流体の流体圧が上昇し、シリンダ室14aから流路31に作動流体が流入する。このため、シリンダ室30a内の流体圧が上昇して、シリンダ室30a内をピストン30bが上昇し、連結部29bを中心として揚力可変翼29aがA1方向に回転する。その結果、集電舟8を上昇させる方向に作用する揚力Lが低下して、接触力Cが低下し接触力Cが略一定に保たれる。
【0062】
一方、図7(C)に示すように、集電舟8に作用する接触力Cが標準値よりも小さくなると、集電舟8に対して相対的にすり板7が上昇して、シリンダ室14aの容積が大きくなる。その結果、シリンダ室14a内の作動流体の流体圧が下降して、シリンダ室30aから流路31に作動流体が流入する。このため、シリンダ室30a内の流体圧が下降して、シリンダ室30a内をピストン30bが下降して、連結部29bを中心として揚力可変翼12aがA2方向に回転する。その結果、集電舟8を上昇させる方向に作用する揚力Lが増加して、接触力Cが増加し接触力Cが略一定に保たれる。
【0063】
(第6実施形態)
図8は、この発明の第6実施形態に係る集電装置の揚力制御構造の揚力可変部及び駆動部を模式的に示す構成図であり、図8(A)は接触力が標準値であるときの状態を示し、図8(B)は接触力が標準値よりも大きくなったときの状態を示し、図8(C)は接触力が標準値よりも小さくなったときの状態を示す。
【0064】
図8に示す揚力制御構造32は、図7に示す揚力制御構造28とは異なり、図8(B)に示すように、接触力Cが標準値よりも増加したときには揚力可変翼29aをA2方向に回転させ、図8(C)に示すように接触力Cが標準値よりも低下したときには揚力可変部12をA1方向に回転させる。このため、第2実施形態及び第4実施形態と同様に、揚力±Lを増減させる方向を図7に示す揚力制御構造28とは逆にすることができる。
【0065】
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、車両2が矢印方向に移動する場合を例に挙げて説明したが、車両2が矢印方向とは逆方向に移動する場合についてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、集電装置3としてシングルアーム式パンタグラフを例に挙げて説明したが、菱型パンタグラフなどの他の形式のパンタグラフ、第三軌条方式の集電装置などについてもこの発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、電車線として架空式電車線路を例に挙げて説明したが、導電性レールを使用する第三軌条式(サードレール式)電車線路についてもこの発明を適用することができる。
【0066】
(2) この実施形態では、揚力可変部11,12,29として揚力可変翼11a,12a,29aを例に挙げて説明したが、このような構造に限定するものではない。例えば、集電舟8の一部から突出して乱流を促進させ、剥離位置を遅らせる(下流側に移動させる)ような渦発生装置(ボルテックス・ジェネレータ(Vortex Generator))を揚力可変部11,12,29として利用し揚力±Lを制御することもできる。また、この実施形態では、流路17,25,26,31を空気などの圧縮性流体が作動流体として流れる場合を例に挙げて説明したが、油などの非圧縮性流体を作動流体として流すこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】この発明の第1実施形態に係る集電装置の揚力制御構造を備える集電装置を模式的に示す構成図である。
【図2】この発明の第1実施形態に係る集電装置の揚力制御構造を模式的に示す構成図である。
【図3】この発明の第1実施形態に係る集電装置の揚力制御構造の揚力可変部及び駆動部を模式的に示す構成図であり、(A)は接触力が標準値であるときの状態を示し、(B)は接触力が標準値よりも大きくなったときの状態を示し、(C)は接触力が標準値よりも小さくなったときの状態を示す。
【図4】この発明の第2実施形態に係る集電装置の揚力制御構造の揚力可変部及び駆動部を模式的に示す構成図であり、(A)は接触力が標準値であるときの状態を示し、(B)は接触力が標準値よりも大きくなったときの状態を示し、(C)は接触力が標準値よりも小さくなったときの状態を示す。
【図5】この発明の第3実施形態に係る集電装置の揚力制御構造の揚力可変部及び駆動部を模式的に示す構成図であり、(A)は接触力が標準値であるときの状態を示し、(B)は接触力が標準値よりも大きくなったときの状態を示し、(C)は接触力が標準値よりも小さくなったときの状態を示す。
【図6】この発明の第4実施形態に係る集電装置の揚力制御構造の揚力可変部及び駆動部を模式的に示す構成図であり、(A)は接触力が標準値であるときの状態を示し、(B)は接触力が標準値よりも大きくなったときの状態を示し、(C)は接触力が標準値よりも小さくなったときの状態を示す。
【図7】この発明の第5実施形態に係る集電装置の揚力制御構造の揚力可変部及び駆動部を模式的に示す構成図であり、(A)は接触力が標準値であるときの状態を示し、(B)は接触力が標準値よりも大きくなったときの状態を示し、(C)は接触力が標準値よりも小さくなったときの状態を示す。
【図8】この発明の第6実施形態に係る集電装置の揚力制御構造の揚力可変部及び駆動部を模式的に示す構成図であり、(A)は接触力が標準値であるときの状態を示し、(B)は接触力が標準値よりも大きくなったときの状態を示し、(C)は接触力が標準値よりも小さくなったときの状態を示す。
【符号の説明】
【0068】
1 架線(電車線)
1a トロリ線
2 車両
3 集電装置
7 すり板
8 集電舟
9 すり板支持部
10 揚力制御構造
11 揚力可変部(下降用揚力可変部)
12 揚力可変部(上昇用揚力可変部)
11a,12a 揚力可変翼
13 駆動部
14 シリンダ部(第1のシリンダ部)
14a シリンダ室
15 シリンダ部(第2のシリンダ部)
15a シリンダ室
16 シリンダ部(第3のシリンダ部)
16a シリンダ室
17 流路
18 昇降機構部
19,20 揚力制御構造
21 シリンダ部(第1のシリンダ部)
21a シリンダ室
22 シリンダ部(第2のシリンダ部)
22a シリンダ室
23 シリンダ部(第3のシリンダ部)
24 シリンダ部(第4のシリンダ部)
25 流路(第1の流路)
26 流路(第2の流路)
27,28 揚力制御構造
29 揚力可変部(昇降用揚力可変部)
29a 揚力可変翼
30 シリンダ部
31 流路
32 揚力制御構造
L 揚力
C 接触力




 

 


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