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発明の名称 長尺画像を用いた鉄道施設検査方法及びその装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−223474(P2007−223474A)
公開日 平成19年9月6日(2007.9.6)
出願番号 特願2006−47227(P2006−47227)
出願日 平成18年2月23日(2006.2.23)
代理人 【識別番号】100089635
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 守
発明者 太田 勝
要約 課題
移動する鉄道車両にカメラを搭載し、鉄道施設の状態を的確に検査することができる長尺画像を用いた鉄道施設検査方法及びその装置を提供する。

解決手段
長尺画像を用いた鉄道施設検査装置において、移動する鉄道車両に搭載されるカメラと、前記鉄道車両に搭載され、鉄道施設を監視する別の種類のセンサーと、前記カメラ及び処理装置で取得される長尺画像と前記センサーで取得される時系列データとを同期させ、鉄道施設を検査する処理装置とを具備する。
特許請求の範囲
【請求項1】
移動する鉄道車両に搭載されるカメラで、鉄道施設の画像を撮影し、該撮影された画像から処理装置を用いて前記鉄道施設の長尺画像を生成し、該長尺画像を予め記憶された参照データと比較して、前記鉄道施設の検査を行うことを特徴とする長尺画像を用いた鉄道施設検査方法。
【請求項2】
請求項1記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査方法において、前記鉄道施設の長尺画像は、前記カメラの各画像フレームの中心から部分画像を選択し、その部分画像を組み合わせることにより生成することを特徴とする長尺画像を用いた鉄道施設検査方法。
【請求項3】
請求項2記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査方法において、前記画像フレームの部分画像幅は前記鉄道車両の移動量を基準にして選択することを特徴とする長尺画像を用いた鉄道施設検査方法。
【請求項4】
請求項3記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査方法において、前記鉄道車両の移動量が大きい場合には部分画像幅を広くとり、移動量が小さい場合には狭くとることを特徴とする長尺画像を用いた鉄道施設検査方法。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査方法において、前記カメラ及び処理装置で生成される長尺画像が軌道を撮影した画像であることを特徴とする長尺画像を用いた鉄道施設検査方法。
【請求項6】
請求項1から4の何れか1項記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査方法において、前記カメラ及び処理装置で生成される長尺画像がトンネルの内面を撮影した画像であることを特徴とする長尺画像を用いた鉄道施設検査方法。
【請求項7】
請求項1から4の何れか1項記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査方法において、前記カメラ及び処理装置で生成される長尺画像が橋梁を撮影した画像であることを特徴とする長尺画像を用いた鉄道施設検査方法。
【請求項8】
請求項1から4の何れか1項記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査方法において、前記カメラ及び処理装置で生成される長尺画像がプラットホームを撮影した画像であることを特徴とする長尺画像を用いた鉄道施設検査方法。
【請求項9】
請求項1から4の何れか1項記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査方法において、前記カメラ及び処理装置で生成される長尺画像が鉄道沿線の法面を撮影した画像であることを特徴とする長尺画像を用いた鉄道施設検査方法。
【請求項10】
移動する鉄道車両に搭載されるカメラ及び処理装置で長尺画像を生成すると同時に、前記カメラとは別の種類のセンサーで別の種類の情報を得て、前記センサーからの情報を前記長尺画像と同期させて正規化を行い、前記長尺画像と組み合わされた情報を取得することを特徴とする長尺画像を用いた鉄道施設検査方法。
【請求項11】
請求項10記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査方法において、前記センサーで移動する鉄道車両に搭載されるパンタグラフと架線のしゅう動する音、振動、離線、またはアーク光を検査することを特徴とする長尺画像を用いた鉄道施設検査方法。
【請求項12】
請求項10記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査方法において、前記センサーで鉄道車両が通過するトンネルの内面の形状を計測し、車両とトンネルのクリアランスやトンネルの変形、ひび割れを検査することを特徴とする長尺画像を用いた鉄道施設検査方法。
【請求項13】
請求項10記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査方法において、前記センサーで車両の振動を計測し、軌道の敷設状態を検査することを特徴とする長尺画像を用いた鉄道施設検査方法。
【請求項14】
(a)移動する鉄道車両に搭載されるカメラと、
(b)前記カメラで撮影した鉄道施設の画像から長尺画像を生成し、前記鉄道施設の検査を行う処理装置とを具備することを特徴とする長尺画像を用いた鉄道施設検査装置。
【請求項15】
(a)移動する鉄道車両に搭載されるカメラと、
(b)前記鉄道車両に搭載され、鉄道施設を監視する前記カメラとは別の種類のセンサーと、
(c)前記カメラで取得した画像から長尺画像を生成し、前記長尺画像と前記センサーで取得されるデータとを同期させて正規化を行い、鉄道施設の検査データを取得する処理装置とを具備することを特徴とする長尺画像を用いた鉄道施設検査装置。
【請求項16】
請求項15記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査装置において、前記センサーは前記鉄道車両のパンタグラフと架線のしゅう動する音、振動、離線、またはアーク光を検査するセンサーであることを特徴とする長尺画像を用いた鉄道施設検査装置。
【請求項17】
請求項15記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査装置において、前記センサーは前記鉄道車両が通過するトンネルの内面の形状を計測するセンサーであることを特徴とする長尺画像を用いた鉄道施設検査装置。
【請求項18】
請求項15記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査装置において、前記センサーは軌道の敷設状態を検査する振動センサーであることを特徴とする長尺画像を用いた鉄道施設検査装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺画像を用いた鉄道施設検査方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ビデオ画像を、連続した繋ぎ目のない、かつ歪みの少ないパノラマ画像に変換し、それをデータベース化するシステムが提案され、広範なため一度に全体を見通すことができない検査対象として、例えば、道路や送電線などの外観を検査することが開示されている(下記特許文献1)。
【0003】
一方、鉄道関係の分野でも、鉄道車両や鉄道施設を点検するために可視化する、画像の利用が考えられている。
【特許文献1】特開2003−9144号公報
【特許文献2】WO 01/15081 A2号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来のシステムでは、広範なため一度に全体を見通すことができない検査対象を、単に、連続した繋ぎ目のない、かつ歪みの少ないパノラマ画像に変換してデータベース化している。
【0005】
一方、鉄道関係の分野では、鉄道施設の長尺画像と他の種類のデータとを組み合わせることで、メンテナンスのために、鉄道施設の状態を検査する研究が進められている。
【0006】
本発明は、上記状況に鑑みて、移動体としての鉄道車両にカメラを搭載し、鉄道施設の状態を的確に検査することができる長尺画像を用いた鉄道施設検査方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕長尺画像を用いた鉄道施設検査方法において、移動する鉄道車両に搭載されるカメラで、鉄道施設の画像を撮影し、この撮影された画像から処理装置を用いて前記鉄道施設の長尺画像を生成し、この長尺画像を予め記憶された参照データと比較して、前記鉄道施設の検査を行うことを特徴とする。
【0008】
〔2〕上記〔1〕記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査方法において、前記鉄道施設の長尺画像は、前記カメラの各画像フレームの中心から部分画像を選択し、その部分画像を組み合わせることにより生成することを特徴とする。
【0009】
〔3〕上記〔2〕記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査方法において、前記画像フレームの部分画像幅は前記鉄道車両の移動量を基準にして選択することを特徴とする。
【0010】
〔4〕上記〔3〕記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査方法において、前記鉄道車両の移動量が大きい場合には部分画像幅を広くとり、移動量が小さい場合には狭くとることを特徴とする。
【0011】
〔5〕上記〔1〕から〔4〕の何れか1項記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査方法において、前記カメラ及び処理装置で生成される長尺画像が軌道を撮影した画像であることを特徴とする。
【0012】
〔6〕上記〔1〕から〔4〕の何れか1項記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査方法において、前記カメラ及び処理装置で生成される長尺画像がトンネルの内面を撮影した画像であることを特徴とする。
【0013】
〔7〕上記〔1〕から〔4〕の何れか1項記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査方法において、前記カメラ及び処理装置で生成される長尺画像が橋梁を撮影した画像であることを特徴とする。
【0014】
〔8〕上記〔1〕から〔4〕の何れか1項記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査方法において、前記カメラ及び処理装置で生成される長尺画像がプラットホームを撮影した画像であることを特徴とする。
【0015】
〔9〕上記〔1〕から〔4〕の何れか1項記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査方法において、前記カメラ及び処理装置で生成される長尺画像が鉄道沿線の法面を撮影した画像であることを特徴とする。
【0016】
〔10〕長尺画像を用いた鉄道施設検査方法において、移動する鉄道車両に搭載されるカメラ及び処理装置で長尺画像を生成すると同時に、前記カメラとは別の種類のセンサーで別の種類の情報を得て、前記センサーからの情報を前記長尺画像と同期させて正規化を行い、前記長尺画像と組み合わされた情報を取得することを特徴とする。
【0017】
〔11〕上記〔10〕記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査方法において、前記センサーで移動する鉄道車両に搭載されるパンタグラフと架線のしゅう動する音、振動、離線、またはアーク光を検査することを特徴とする。
【0018】
〔12〕上記〔10〕記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査方法において、前記センサーで鉄道車両が通過するトンネルの内面の形状を計測し、車両とトンネルのクリアランスやトンネルの変形、ひび割れを検査することを特徴とする。
【0019】
〔13〕上記〔10〕記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査方法において、前記センサーで車両の振動を計測し、軌道の敷設状態を検査することを特徴とする。
【0020】
〔14〕長尺画像を用いた鉄道施設検査装置において、移動する鉄道車両に搭載されるカメラと、このカメラで撮影した鉄道施設の画像から長尺画像を生成し、前記鉄道施設の検査を行う処理装置とを具備することを特徴とする。
【0021】
〔15〕長尺画像を用いた鉄道施設検査装置において、移動する鉄道車両に搭載されるカメラと、前記鉄道車両に搭載され、鉄道施設を監視する前記カメラとは別の種類のセンサーと、前記カメラで取得した画像から長尺画像を生成し、この長尺画像と前記センサーで取得されるデータとを同期させて正規化を行い、鉄道施設の検査データを取得する処理装置とを具備する。
【0022】
〔16〕上記〔15〕記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査装置において、前記センサーは前記鉄道車両のパンタグラフと架線のしゅう動する音、振動、離線、またはアーク光を検査するセンサーであること特徴とする。
【0023】
〔17〕上記〔15〕記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査装置において、前記センサーは前記鉄道車両が通過するトンネルの内面の形状を計測するセンサーであることを特徴とする。
【0024】
〔18〕上記〔15〕記載の長尺画像を用いた鉄道施設検査装置において、前記センサーは軌道の敷設状態を検査する振動センサーであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、移動体としての鉄道車両にカメラを搭載し、鉄道施設の状態を的確に検査することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の長尺画像を用いた鉄道施設検査方法及びその装置は、移動する鉄道車両に搭載されるカメラと、前記鉄道車両に搭載され、鉄道施設を撮影する前記カメラとは別の種類のセンサーと、前記カメラで撮影された画像から長尺画像を生成し、この長尺画像と前記センサーで取得されるデータとを同期させて、正規化を行い、鉄道施設の検査データを取得する処理装置とを具備する。よって、鉄道施設の状態を的確に検査することができる。
【実施例】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0028】
図1は本発明の実施例を示す長尺画像(SLIm:Super Long Imaging)を用いた鉄道施設の検査装置の模式図、図2は鉄道施設の長尺画像の取得原理を示す図、図3はその結果得られた長尺画像を用いた鉄道施設を示す図、図4はその鉄道施設の検査装置のブロック図である。
【0029】
まず、図4において、1は鉄道車両、2はその鉄道車両1に搭載されるカメラ、3はそのカメラ2からの情報を処理する処理装置、4はカメラ2からの情報を編集する鉄道施設(ここでは軌道10)の長尺画像の編集部、5はその編集部4で編集された鉄道施設の長尺画像、6は予め記憶されている鉄道施設の参照データ、5Aは長尺画像データから特徴を抽出する特徴抽出部、6Aは参照データ6から特徴を抽出する特徴抽出部、7は特徴抽出部5A,6Aで抽出された長尺画像データの特徴と参照データの特徴とを比較する比較部、8はその比較結果の判定部、9はその判定結果の出力部である。
【0030】
図2及び図4を参照しながら鉄道施設の長尺画像の取得について説明する。
【0031】
ここでは、鉄道施設としての軌道10を撮影するため、鉄道車両1の軌道10を上面から撮影できるような位置にカメラ2を搭載する。このとき、カメラ2のファインダーを覗きながらカメラの焦点、絞り、画角を調整する。特に、鉄道施設としての軌道10は、カメラ2の画像フレーム2Aの端と常に平行であるように調整する。また、本発明を効率よく機能させるためには、撮影される画像が、撮影対象を法線方向から捉えるように、カメラ2の取付位置、画角などを精確に設定する。
【0032】
そこでまず、鉄道車両1を軌道10上で走行させる。すると、図2(a)に示すように、処理装置3が各画像フレーム2Aの中心から部分画像2Bを選択し、その部分画像2Bが組み合わせられて、図2(b)に示すような軌道10の全体画像(鉄道施設の長尺画像データ2C)が作成される。
【0033】
このようにして生成された鉄道列車の軌道10の長尺画像を、図3に示す。
【0034】
そこで、図4に示すように、その軌道10の取得された長尺画像5を処理装置3で作成し、予め記憶されている参照データ6を長尺画像から特徴を抽出する特徴抽出部5Aと参照データから特徴を抽出する特徴抽出部6Aを介して比較部7で比較し、判定部8で軌道10に異常などが生じていないかを判定して、出力部9からその検査結果情報を得ることができる。
【0035】
ここでは、鉄道施設として軌道を例に挙げて説明したが、このほかにもかかる鉄道施設の長尺画像を用いて各種の鉄道施設の検査を行うことができる。以下に、各種の鉄道施設の検査方法について述べる。
【0036】
(1)架線の集電面の検査
図5は本発明の実施例を示す架線の集電面の検査の模式図である。
【0037】
この図において、11は架線、12は鉄道車両、13はカメラ、14は処理装置、15は編集部、16はその編集部15で編集された鉄道施設の長尺画像、16Aは長尺画像データから特徴を抽出する特徴抽出部、17は予め記憶されている鉄道施設の参照データ、17Aは参照データ17から特徴を抽出する特徴抽出部、18は長尺画像データの特徴と参照データの特徴とを比較する比較部、19はその比較結果の判定部、20はその判定結果の出力部である。
【0038】
この実施例では、鉄道車両12にカメラ13を搭載し、パンタグラフが接触する架線11の接触面の画像を取得する。したがって、その架線11の波状磨耗などの異常磨耗や損傷などを検査することができる。
【0039】
図5において、架線11の画像を処理装置14に取り込んで長尺画像データを作成し、その抽出した長尺画像データの特徴と、参照データの特徴とを比較部18で比較し、架線11の波状磨耗などの異常磨耗や損傷などを判定部19で判定し、その結果情報を出力部20から得ることができる。このように、取得される長尺画像を用いて架線の検査を行うことができる。
【0040】
(2)トンネルの検査
図6は本発明の実施例を示すトンネルの検査装置の模式図である。
【0041】
この図において、21はトンネル、22は鉄道車両、23はカメラ、24は処理装置、25は編集部、26はその編集部25で編集された鉄道施設の長尺画像、26Aは長尺画像データから特徴を抽出する特徴抽出部、27は予め記憶されている鉄道施設の参照データ、27Aは参照データ27から特徴を抽出する特徴抽出部、28は長尺画像データの特徴と参照データの特徴とを比較する比較部、29はその比較結果の判定部、30はその判定結果の出力部である。
【0042】
この実施例では、鉄道施設としてのトンネル21の内面を撮影するように、鉄道車両22にカメラ23を搭載し、トンネル21の画像を取得する。
【0043】
そして、そのトンネル21の画像を処理装置24に取り込んで長尺画像26を生成し、その抽出した長尺画像データの特徴と、参照データの特徴とを比較部28で比較し、トンネル21のクラック発生箇所などを判定部29で判定し、その検査結果情報を出力部30から得ることができる。このように、生成される長尺画像を用いて鉄道施設としてのトンネルの検査を行うことができる。
【0044】
(3)橋梁の検査
図7は本発明の実施例を示す橋梁の検査装置の模式図である。
【0045】
この図において、31は橋脚、32は橋梁・桁、33は鉄道車両、34はカメラ、35は処理装置、36は編集部、37はその編集部36で編集された鉄道施設の長尺画像、37Aは長尺画像データから特徴を抽出する特徴抽出部、38は予め記憶されている鉄道施設の参照データ、38Aは参照データ38から特徴を抽出する特徴抽出部、39Aは長尺画像データの特徴と参照データの特徴とを比較する比較部、39Bはその比較結果の判定部、39Cはその判定結果の出力部である。
【0046】
この実施例では、鉄道施設としての橋梁(桁)32を撮影するように、鉄道車両33にカメラ34を搭載し、橋梁32の画像を取得する。
【0047】
そして、その橋梁32の画像を処理装置35に取り込んで長尺画像37を生成し、その抽出した長尺画像データの特徴と、参照データの特徴とを比較部39Aで比較し、判定部39Bで橋梁32の破損箇所などを判定し、その検査結果情報を出力部39Cから得ることができる。このように、取得される長尺画像を用いて鉄道施設としての橋梁32の検査を行うことができる。
【0048】
(4)プラットホーム混雑度の検査
図8は本発明の実施例を示すプラットホーム混雑度の検査装置の模式図である。
【0049】
この図において、41はプラットホーム、42は鉄道車両、43はカメラ、44は処理装置、45は編集部、46はその編集部45で編集された鉄道施設の長尺画像、46Aは長尺画像データから特徴を抽出する特徴抽出部、47は予め記憶されている鉄道施設の参照データ、47Aは参照データ47から特徴を抽出する特徴抽出部、48は長尺画像データの特徴と参照データの特徴とを比較する比較部、49はその比較結果の判定部、50はその判定結果の出力部である。
【0050】
この実施例では、鉄道施設としてのプラットホーム41を撮影するように、鉄道車両42にカメラ43を搭載し、プラットホーム41の画像を取得する。
【0051】
そして、そのプラットホーム41の画像を処理装置44に取り込んで長尺画像46を生成し、その抽出した長尺画像データの特徴と、参照データの特徴とを比較部48で比較し、プラットホーム41の混雑度を判定部49で判定し、その検査結果情報を出力部50から得ることができる。このように、取得される長尺画像を用いて鉄道施設としてのプラットホーム41における混雑度の検査を行うことができる。
【0052】
(5)鉄道軌道の沿線の法面の検査
図9は本発明の実施例を示す鉄道沿線の法面の検査装置の模式図、図10はその鉄道沿線の法面の長尺画像を示す図である。
【0053】
これらの図において、51は鉄道沿線の法面、52は鉄道車両、53はカメラ、54は処理装置、55は編集部、56はその編集部55で編集された鉄道施設の長尺画像、56Aは長尺画像データから特徴を抽出する特徴抽出部、57は予め記憶されている鉄道施設の参照データ、57Aは参照データ57から特徴を抽出する特徴抽出部、58は長尺画像データの特徴と参照データ57の特徴とを比較する比較部、59はその比較結果の判定部、60はその判定結果の出力部である。
【0054】
この実施例では、鉄道施設としての鉄道沿線の法面51を撮影するように、鉄道車両52にカメラ53を搭載し、その鉄道軌道の沿線の法面51の画像を取得する。
【0055】
そして、その法面51の画像を処理装置54に取り込んで長尺画像56を生成し、その抽出した長尺画像データの特徴と、参照データの特徴とを比較部58で比較し、法面51の不安定度などを判定部59で判定し、その検査結果情報を出力部60から得ることができる。このように、取得される長尺画像を用いて鉄道施設として法面51における危険度の検査を行うことができる。
【0056】
次に、かかる鉄道施設の長尺画像の取得とともに、他の種類のセンサーを設けて、そのセンサーからのその長尺画像に同期する時系列データを組み合わせて鉄道施設の施設の検査を行う場合について説明する。
【0057】
図11は本発明の他の実施例を示す長尺画像を得るカメラと他の種類のセンサーを具備する鉄道施設の検査装置の模式図である。
【0058】
この図において、線路61上を走行する鉄道車両62には鉄道施設(ここでは線路61)の検査を行うカメラ63とそのカメラ63からの情報を処理する処理装置64が設けられるとともに、他の種類のセンサー66を配置している。
【0059】
図12は本発明の他の実施例を示す長尺画像を得るカメラとパンタグラフと架線がしゅう動する音、振動、離線、またはアーク光を捉えるセンサーを有する鉄道施設の検査装置の模式図である。
【0060】
たとえば、鉄道車両71の屋根上に音、振動、離線、またはアーク光を捉えるセンサー74を配置しておき、パンタグラフ75と架線76がしゅう動する音、振動、離線、またはアーク光を捉え、カメラ72と処理装置73から得られる架線の長尺画像と同期させて時系列データとして検出する。
【0061】
図13は本発明の他の実施例を示す長尺画像を得るカメラとトンネルの内面の形状を測定するセンサーを有する鉄道施設の検査装置の模式図である。
【0062】
トンネルの検査においては、トンネルの内面の形状を測定するセンサー84をとして用いることにより、トンネル85に発生したクラック86を検査することができる。その場合にも、トンネル85の長尺画像と同期するように、そのセンサー84から取得された時系列データをカメラ82と処理装置83で得られるトンネル85の長尺画像に組み合わせて、そのトンネル85のクラック発生部位を正確に検査することができる。
【0063】
このように、鉄道施設の検査の目的によっては、パンタグラフと架線がしゅう動する音、車両の振動などの、アナログまたはデジタルデータを、鉄道施設のフレーム画像と同期させて記録する。鉄道施設の長尺画像は処理装置で処理されるため、画像フレームの部分画像は車両移動量を基準にして選択される。移動量が大きい場合には部分画像幅は広くなり、移動量が小さい場合には幅が狭くとるなど、部分画像幅は可変である。そのような長尺画像データと他の種類のセンサーのデータを一緒に表示するにはそのセンサーからのデータを長尺画像データと同期させ、正規化する必要がある。
【0064】
他の種類のセンサーのデータが強度データの場合、正規化プロセスによってデータが変化しないため、正規化は簡単である。しかし、周波数に特徴があるデータを正規化する場合には、正規化によりデータの質が変わってしまう場合があるので、これを考慮した正規化を行う。
【0065】
また、図11におけるセンサーとして振動センサーを配置して、軌道の敷設状態を検査することもできる。
【0066】
このように、長尺画像技術を使えば、鉄道施設の全体像を捉えることができるとともに、その画像と他の種類の情報とを併せて、鉄道施設の検査を行うことができる。
【0067】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の長尺画像を用いた鉄道施設の検査方法及びその装置は、鉄道施設の各種の検査装置として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施例を示す長尺画像(SLIm:Super Long Imaging)を用いた鉄道施設の検査装置の模式図である。
【図2】本発明の実施例を示す鉄道施設の長尺画像の取得原理を示す図である。
【図3】本発明の用いた結果得られた長尺画像を用いた鉄道施設を示す図である。
【図4】本発明の実施例を示す鉄道施設の検査装置の模式図である。
【図5】本発明の実施例を示す架線の集電面の検査の模式図である。
【図6】本発明の実施例を示すトンネルの検査装置の模式図である。
【図7】本発明の実施例を示す橋梁の検査装置の模式図である。
【図8】本発明の実施例を示すプラットホーム混雑度の検査装置の模式図である。
【図9】本発明の実施例を示す鉄道沿線の法面の検査装置の模式図である。
【図10】本発明の実施例を示す鉄道沿線の法面の長尺画像を示す図である。
【図11】本発明の他の実施例を示す長尺画像を得るカメラと他の種類のセンサーを具備する鉄道施設の検査装置の模式図である。
【図12】本発明の他の実施例を示す長尺画像を得るカメラとパンタグラフと架線がしゅう動する音、振動、離線、またはアーク光を捉えるセンサーを有する鉄道施設の検査装置の模式図である。
【図13】本発明の他の実施例を示す長尺画像を得るカメラとトンネルの内面の形状を測定するセンサーを有する鉄道施設の検査装置の模式図である。
【符号の説明】
【0070】
1,12,22,33,42,52,62,71,81 鉄道車両
2,13,23,34,43,53,63,72,82 カメラ
2A 画像フレーム
2B 部分画像
2C 鉄道施設の全体画像
3,14,24,35,44,54,64,73,83 処理装置
4,15,25,36,45,55 編集部
5,16,26,37,46,56 長尺画像
5A,16A,26A,37A,46A,56A 長尺画像データから特徴を抽出する特徴抽出部
6,17,27,38,47,57 参照データ
6A,17A,27A,38A,47A,57A 参照データから特徴を抽出する特徴抽出部
7,18,28,39A,48,58 比較部
8,19,29,39B,49,59 判定部
9,20,30,39C,50,60 出力部
10 軌道
11,76 架線
21,85 トンネル
31 橋脚
32 橋梁・桁
41 プラットホーム
51 鉄道沿線の法面
61 線路
66,74 センサー
75 パンタグラフ
84 トンネルの内面の形状を測定するセンサー
86 クラック




 

 


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