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発明の名称 旋回抵抗調整装置及び鉄道用車両
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−216876(P2007−216876A)
公開日 平成19年8月30日(2007.8.30)
出願番号 特願2006−41090(P2006−41090)
出願日 平成18年2月17日(2006.2.17)
代理人 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
発明者 前橋 栄一 / 小笠 正道
要約 課題
乗客の人数や重量に左右されない安定した摩擦力を得ることができ、そのため急曲線を容易に曲がることができるとともに、高速直進時に安定して走行することができる旋回抵抗調整装置及び鉄道用車両を提供すること。

解決手段
互いに回転可能に連結された車体2と台車3との間の旋回抵抗を調整する旋回抵抗調整装置4であって、前記車体2又は前記台車3のいずれか一方に設けられ、前記一方の回転中心軸Lの周りに設けられた円周状接触面18と、他方に設けられ、前記回転中心軸Lに交差する方向から前記円周状接触面18に接触する接触子20と、を備えることを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
互いに回転可能に連結された車体と台車との間の旋回抵抗を調整する旋回抵抗調整装置であって、
前記車体又は前記台車のいずれか一方に設けられ、前記一方の回転中心軸の周りに設けられた円周状接触面と、
他方に設けられ、前記回転中心軸に交差する方向から前記円周状接触面に接触する接触子と、を備えることを特徴とする旋回抵抗調整装置。
【請求項2】
前記接触子を、前記交差する方向に移動させる移動手段と、
この移動手段を制御する制御部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の旋回抵抗調整装置。
【請求項3】
速度又は振動の少なくとも一方を検出する検出手段を備え、
前記制御部が、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記移動手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の旋回抵抗調整装置。
【請求項4】
前記台車がボルスタレス台車であって、
前記接触子と前記移動手段とが複数設けられ、
前記移動手段がシリンダを備えており、
これらシリンダが、互いに連通していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の旋回抵抗調整装置。
【請求項5】
互いに回転可能に連結された車体及び台車と、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の旋回抵抗調整装置と、を備えることを特徴とする鉄道用車両。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、LRT(Light Rail Transit)など、特に路面電車などの車体と台車との間の旋回抵抗調整装置及び鉄道用車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、路面電車などの鉄道用車両は、箱型の車体と、車輪を有する台車とを備えており、これら車体と車体とが回転可能に連結されて構成されている(例えば、特許文献1参照。)。これら鉄道用車両には、以下のような側受け式台車が連結されたものがある。すなわち、図12に示すように、台車102は、輪軸105によって互いに連結された車輪103と、輪軸105を支持する本体部104とを備えており、この本体部104の上面の中央部には、支持凹部108が形成されている。さらに、本体部104の上面には、支持凹部108を挟んで対向して配された擦り板式の台車用側受け部107とが形成されている。
【0003】
また、車体101の下面には、その中央から垂下する中心ピン109が形成されており、さらに中心ピン109を挟んで対向して配された車体用側受け部112が形成されている。中心ピン109は、支持凹部108に嵌合されており、これら中心ピン109と支持凹部108とにより、車体荷重の多くが支持されている。また、車体用側受け部112は、台車用側受け部107に接触することにより、残りの車体荷重を支持するようになっている。このような構成のもと、中心ピン109の軸線Lを回転中心として、車体101と台車104とが互いに回転可能に連結されている。
【0004】
また、上記の鉄道用車両には、車体と車体とが以下のように連結されたものもある。すなわち、図13に示すように、台車102´の本体部104´の上面には、その中央に支持凹部108´が形成されている。支持凹部108´の周囲には擦り板110が設けられている。また、車体101´の下面には、その中央から下方に突出する大径心皿113が形成されている。この大径心皿113の下端面の中央には心皿棒114が形成されている。そして、大径心皿113の下端面のうち、心皿棒114の周囲には、擦り板115が設けられている。心皿棒114は支持凹部108´に嵌合されており、大径心皿113の擦り板115が台車102´側の擦り板110に接触している。このような構成のもと、心皿棒114の軸線Lを回転中心として、車体101´と台車104´とが互いに回転可能に連結されている。
【0005】
ここで、路面電車などの軌道は、半径100m以下の急曲線となることがあるため、図14に示すように、前輪軸105aと後輪軸105bとの間の距離(ホイールベース)WBを、短くするのが一般的である。すなわち、ホイールベースWBを長くすると、急曲線を曲がることができなくなってしまうため、路面電車では小軸距離台車が利用される。しかし、ホイールベースWBが短いと、直進時に蛇行動(台車ヨーイング)が発生し易くなるため、高速直進には不向きとなる。
【0006】
そこで、小軸距離台車を用いながら、高速直進時にのみ、車体と台車との摩擦旋回抵抗を増大させて、蛇行動を発生させないようにすることが考えられる。そうすれば、ホイールベースWBが短いため急曲線を容易に曲がることができ、さらに高速直進時には安定走行が可能となる。
【特許文献1】特開2003−72543号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のような側受け式台車では、図12に示す車体101の乗客の人数や重量によって車体101全体の荷重が変わってしまう。そのため、乗客の人数や重量という不確定な要素によって摩擦力が変わってしまい、摩擦旋回抵抗を高精度に増減させることができないという問題がある。また、車体用側受け部112と台車用側受け部107とを局所的に接触させているため、それら車体用側受け部112と台車用側受け部107とが摩耗し易くなり、車両の利用年月によって摩擦力が変わってしまう。
【0008】
また、上記のような大径心皿113(図13に示す)を有する台車では、大径心皿113の擦り板114と、台車102´の擦り板110との接触面積を大きくすることにより、それら擦り板110,114の摩耗を抑制することができるものの、依然として、乗客の人数や重量によって摩擦力が変わってしまうという問題がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、乗客の人数や重量に左右されない安定した摩擦力を得ることができ、そのため急曲線を容易に曲がることができるとともに、高速直進時に安定して走行することができる旋回抵抗調整装置及び鉄道用車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明に係る旋回抵抗調整装置は、互いに回転可能に連結された車体と台車との間の旋回抵抗を調整する旋回抵抗調整装置であって、前記車体又は前記台車のいずれか一方に設けられ、前記一方の回転中心軸の周りに設けられた円周状接触面と、他方に設けられ、前記回転中心軸に交差する方向から前記円周状接触面に接触する接触子と、を備えることを特徴とする。
【0011】
この発明に係る旋回抵抗調整装置においては、前記回転中心軸に交差する方向から接触子が円周状接触面に接触する。このとき、接触子と円周状接触面との間において摩擦力が生じる。
これにより、車体の荷重に影響されることなく、円周状接触面に対する接触子の、前記回転中心軸に交差する方向からの押圧力に応じて摩擦力を生じさせることができる。
【0012】
また、本発明に係る旋回抵抗調整装置は、前記接触子を、前記交差する方向に移動させる移動手段と、この移動手段を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
この発明に係る旋回抵抗調整装置においては、制御部によって移動手段が制御され、この移動手段により、接触子が前記交差する方向に移動する。すなわち、制御部の制御のもと、移動手段を介して、接触子が前記方向に移動する。
これにより、円周状接触面に対する接触子の押圧力を高精度に制御することができる。そのため、円周状接触面と接触子との間の摩擦力を制御することができ、台車と車体との摩擦旋回抵抗を高精度に制御することができる。
【0014】
また、本発明に係る旋回抵抗調整装置は、速度又は振動の少なくとも一方を検出する検出手段を備え、前記制御部が、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記移動手段を制御することを特徴とする。
【0015】
この発明に係る旋回抵抗調整装置においては、検出手段により、台車及び車体の速度又は振動の少なくとも一方が検出され、この検出結果に基づいて、制御部により移動手段が制御される。
これにより、台車及び車体の速度又は振動の少なくとも一方により、台車と車体との摩擦旋回抵抗を高精度に制御することができる。
【0016】
また、本発明に係る旋回抵抗調整装置は、前記台車がボルスタレス台車であって、前記接触子と前記移動手段とが複数設けられ、前記移動手段がシリンダを備えており、これらシリンダが、互いに連通していることを特徴とする。
【0017】
この発明に係る旋回抵抗調整装置においては、シリンダによって、接触子がシリンダから出没する方向に移動する。このとき、複数のシリンダが互いに連通していることから、一のシリンダから突出する方向に一の接触子が移動すると、その分、他のシリンダに没する方向に他の接触子が移動する。すなわち、複数の接触子が浮動状態におかれ、円周状接触面に対する接触子の押圧力を維持しながら、前記交差する方向の位置のみが変化する。
これにより、車体が台車に対して、進行方向の左右に移動したときでも、押圧力を維持することができ、旋回抵抗力を高精度に制御することができる。
【0018】
また、本発明に係る鉄道用車両は、互いに回転可能に連結された車体及び台車と、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の旋回抵抗調整装置と、を備えることを特徴とする。
【0019】
この発明に係る鉄道用車両においては、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の旋回抵抗調整装置と同様の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、円周状接触面に対する接触子の、前記回転中心軸に交差する方向からの押圧力に応じて摩擦力を生じさせることができることから、乗客の人数や重量に左右されない安定した摩擦力を得ることができ、そのため急曲線を容易に曲がることができるとともに、高速直進時に安定して走行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(実施形態1)
以下、本発明の第1実施形態における鉄道用車両について、図面を参照して説明する。
図1において、符号1は鉄道用車両を示すものである。
鉄道用車両1は、例えば路面電車として利用されるものである。
【0022】
鉄道用車両1は、矩形箱型に延びる車体2と、平面視して略H形状の台車3と、これら車体2と台車3との間の摩擦旋回抵抗を調整する旋回抵抗調整装置4とを備えている。
台車3は、輪軸7によって互いに連結された車輪6と、輪軸7を支持する本体部8とを備えている。前後の輪軸7の距離であるホイールベースは、半径100m以下の急曲線でも容易に曲がることができる程度に短く設定されており、すなわち、台車3は、いわゆるボギー小軸距離台車として利用されるものである。本体部8の上面8aの中央には、支持凹部12が形成されている。また、上面8aには、支持凹部12を挟んで対向させて、一対の台車用側受け部11が設けられている。台車用側受け部11の天面には、それぞれ擦り板11aが設けられている。
【0023】
車体2の下面には、台車用側受け部11に対向する位置に一対の車体用側受け部15が設けられており、これら車体用側受け部15の下面には、それぞれ擦り板15aが設けられている。これら擦り板11a,15aは互いに接触している。
本実施形態における旋回抵抗調整装置4は、車体2の下面中央に設けられた車輪状の摺動心皿16を備えている。この摺動心皿16の外周面18は、円周状接触面として機能するものである。摺動心皿16の下端面中央には、心皿棒17が設けられており、この心皿棒17が支持凹部12に嵌合されている。これにより、車体2と台車3とは、心皿棒17の軸線(回転中心軸)Lを中心として、互いに回転可能に連結されている。
【0024】
また、本実施形態における旋回抵抗調整装置4は、台車3の上面8aに、支持凹部12を挟んで対向して設けられた一対のアクチュエータ(移動手段)21を備えている。アクチュエータ21は、円筒状の本体部からなる空気アクチュエータである。アクチュエータ21は、上面8aの延在方向に沿って、支持凹部12の深さ方向、すなわち軸線Lに直交する方向(台車3の幅方向W)に向けられて設置されている。一対のアクチュエータ21は、幅方向Wに向けられて同一軸線上に対向配置されている。一対のアクチュエータ21の後端部はそれぞれ台車用側受け部11に接触している。アクチュエータ21の先端には、レジン、鋳鉄又は焼結合金からなる制輪子(接触子)20が設けられている。制輪子20には、内側に窪んだ内方円周面30が形成されている。そして、アクチュエータ21を駆動することにより、一対の制輪子20は、互いに接近・離隔する方向に、移動するようになっている。すなわち、車体2が台車3に設置されると、摺動心皿16が一対の制輪子20の間に配置され、この状態で制輪子20を互いに接近させるように移動させると、内方円周面30と外周面18とが全長にわたって接触するようになっている。
【0025】
また、アクチュエータ21は、制御部24によって、その駆動が制御されるようになっている。制御部24は、鉄道用車両1の速度を検出する速度センサ(検出手段)25に電気的に接続されている。このような構成のもと、速度センサ25の検出信号が制御部24に入力されると、その検出信号に応じて、アクチュエータ21の駆動を制御し、制輪子20の移動を制御するようになっている。
【0026】
次に、このように構成された本実施形態における鉄道用車両1の作用について説明する。
鉄道用車両1が、所定の軌道レール上を進行している間において、速度センサ25からの検出信号が、制御部24に入力される。そして、鉄道用車両1の速度が、時速40kmを越えると、このときの速度センサ25からの検出信号が制御部24に入力されることにより、アクチュエータ21を駆動する。すると、制輪子20が互いに接近する方向に移動する。
【0027】
これにより、あるタイミングで内方円周面30と外周面18とが接触し、内方円周面30と外周面18との間で摩擦が生じる。これにより、車体2と台車3との摩擦旋回抵抗が増大し、蛇行動などが抑制される。
このとき、従来であれば、乗客を含めた車体2全体の荷重により、摩擦力が決まるため、適時かつ高精度に摩擦力を増減させることが困難であった。本実施形態においては、車体2の荷重の方向に直交する方向、すなわち幅方向Wから内方円周面30が外周面18に接触するため、摩擦力は、車体2の荷重でなく、内方円周面30の外周面18に対する押圧力によって定まることになる。
【0028】
一方、上記のように摩擦旋回抵抗が大きい状態で、鉄道用車両1が急曲線を曲がろうとすると、車体2に対する押圧が多大となって、車輪6やレールが摩耗するだけでなく、脱線のおそれが生じる可能性もある。本実施形態においては、鉄道用車両1の速度が、時速40km超から時速40kmにまで下がると、このときの速度センサ25からの検出信号が制御部24に入力されることにより、アクチュエータ21を駆動する。すると、制輪子20が互いに離隔する方向に移動し、内方円周面30が外周面18から離れ、その間の摩擦力が生じなくなる。このときは、従来と同様に、台車用側受け部11と車体用側受け部15の擦り板11a,15aの接触による摩擦力のみとなり、適切な摩擦旋回抵抗になるように減じられる。なお、閾値を時速40kmとしたのは、鉄道用車両1が急曲線を曲がるときの時速は、40km以下となるからである。
【0029】
以上より、本実施形態における鉄道用車両1によれば、車体2の荷重に影響されることなく、外周面18に対する内方円周面30の、荷重方向に交差する方向からの押圧力に応じて摩擦力を生じさせることができる。そのため、乗客の人数や重量に左右されない安定した摩擦力を得ることができる。これによって、摩擦力を適時かつ高精度に制御することにより、急曲線を容易に曲がることができるとともに、高速直進時にも安定して走行することができる。
【0030】
また、摺動心皿16及び制輪子20を設けていることから、車輪の踏面ブレーキなどと同等な既存部品を利用することができ、コストを削減することができる。
また、車体2と台車3との間にヨーイングダンパを設けることにより、蛇行動を抑制しようとすると、車体2と台車3との相互の高さの違いや回転変位などによって、ガタや不感体が生じてしまう。特に、台車蛇行動波長の小さな小軸距離台車のヨーイングをダンパで押さえ込むのは困難である。本実施形態においては、それらガタや不感体などを発生させないだけでなく、メンテナンスのため車体2と台車3とを容易に分離することができる。
【0031】
さらに、操舵車や独立回転車輪台車などの複雑な構造を採用すると、メンテナンス負担が増大し、コスト高となってしまうが、本実施形態においては、一般的な一体輪軸方式のボギー台車を利用することができ、メンテナンスを容易にし、コストを削減することができる。
また、台車3内の軸前後支持剛性を低くした自己操舵方式を採用すれば、曲線通過性能を向上させることができるものの、直線蛇行動限界速度が下がってしまう。本実施形態においては、曲線通過性能と直線蛇行動限界速度とをともに高く維持することができる。
【0032】
なお、本実施形態においては、速度センサ25を設けるとしたが、これに限ることはなく、例えば振動センサ(検出手段)などを設けることにより、振動の大きさが、あらかじめ設定された閾値を越えたとき、摩擦力を増大させるように制御してもよい。また、速度センサ25と振動センサとをともに設置してもよい。
また、閾値を40kmとしたが、これに限ることはなく、その値は適宜変更可能である。
また、閾値を越えるか否かによってオンオフ制御するものとしたが、これに限ることはなく、所定の切替ボタンにより、オンオフ制御するようにしてもよい。これにより、必要なタイミングで、運転手が適宜押圧力を切り替えることができる。また、オンオフ制御ではなく、段階的又は速度とリニアに押圧力を制御するようにしてもよい。
【0033】
また、車輪状の摺動心皿16が設けられるとしたが、これに限ることはなく、心皿自体は適宜変更可能である。例えば、図3に示すように、擦り板28を設けた従来の大径心皿27を利用してもよい。
【0034】
(実施形態2)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図4及び図5は、本発明の第2の実施形態を示したものである。
図4及び図5において、図1から図3に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点について説明する。
【0035】
本実施形態における台車3は、幅方向Wに延びる心皿受け台座32を備えている。心皿受け台座32の幅方向Wの両端には、外方円周面(円周状接触面)33が設けられている。心皿受け台座32の上面の中央には、支持凹部12が設けられており、支持凹部12の近傍には擦り板37が対向して設けられている。
また、車体2の下面には、一対のアクチュエータ21及び制輪子20が車体2の幅方向に向けられて同軸上に設けられている。また、制輪子20の間には、摺動心皿16が設けられている。摺動心皿16の下端面には、擦り板35が設けられている。
【0036】
このような構成のもと、上記と同様に、制輪子20の外方円周面33に対する押圧力を制御することによって、摩擦旋回抵抗を制御する。
これにより、上記第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0037】
(実施形態3)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図6は、本発明の第3の実施形態を示したものである。
本実施形態における台車3は、幅方向Wの両端部に押圧受け部39が設けられている。押圧受け部39は、互いに対向配置された面が円弧状に切り欠かれた内方円周面(円周状接触面)40が形成されている。また、車体2の下面には、幅方向Wに向けられた複動シリンダ(移動手段)41が設けられている。複動シリンダ41の両端には、幅方向Wに移動可能に接触子44が設けられている。接触子44の先端には、外方円周面45が設けられている。
【0038】
このような構成のもと、複動シリンダ41を介して接触子44が互いに離隔する方向に移動すると、内方円周面40に外方円周面45が長さ方向にわたって接触する。
これにより、上記第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0039】
(実施形態4)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図7は、本発明の4の実施形態を示したものである。
本実施形態においては、台車用側受け部11に押圧受け部39が設置されており、車体2の下面に、アクチュエータ類(移動手段)47が設けられている。
アクチュエータ類47は、複動シリンダ41を備えている。複動シリンダ41の一端には接触子44が設けられており、他端には、回転棒48を介して、接触子44が設けられている。回転棒48は、止め点Cを支点として回転可能に取り付けられている。
【0040】
このような構成のもと、複動シリンダ41を介して接触子44が互いに離隔する方向に移動すると、上記と同様にして、内方円周面40に外方円周面45が長さ方向にわたって接触する。
これにより、上記第3の実施形態と同様の効果を奏することができるだけでなく、既存の台車用受け部11を利用して、押圧受け部39を容易に設置することができる。
【0041】
(実施形態5)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図8及び図9は、本発明の第5の実施形態を示したものである。
本実施形態における台車3は、図8に示すように、空気バネ51を備えるボルスタレス台車である。すなわち、車体2と台車3とが空気バネ51を介して連結されており、車体2が台車3に対して、左右に横動するようになっている。なお、符号53は牽引リンクを示すものである。
【0042】
また、図9に示すように、台車3の上面8aには、一対の空気シリンダ56が設けられており、これら一対の空気シリンダ56は、連通管路57を介して互いに連通している。連通管路57には、空気調整装置(移動手段)58が接続されている。
このような構成のもと、空気調整装置58を駆動することにより、空気シリンダ56を介して、制輪子20が互いに接近するように幅方向Wに移動する。そして、摺動心皿16の外周面18が幅方向Wの両端から制輪子20によって押圧される。このとき、車体2が台車3に対して横動した場合、一方の制輪子20は、外周面18に押されて一方の空気シリンダ56に接近する方向に移動する。すると、一方の空気シリンダ56内の空気が押されて、その圧力が連通管路57を介して多方の空気シリンダ56に伝わる。これにより、一方の制輪子20が押された分だけ、他方の制輪子20が突出する方向に移動する。すなわち、制輪子20は、浮動型の接触子となる。そのため、車体2が横動しても、外周面18に対する内方円周面30の両押圧力を維持したまま、制輪子20や摺動心皿16のみが移動する。
【0043】
これにより、上記第1の実施形態と同様の効果を奏することができるだけでなく、車体2が台車3に対して、進行方向の左右に移動したときでも、押圧力を維持することができ、摩擦旋回抵抗を高精度に制御することができる。
【0044】
(実施形態6)
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
図10は、本発明の第6の実施形態を示したものである。
本実施形態における台車3は、ボールレース心皿61を備えるボールレース式心皿台車である。すなわち、台車3の上面中央に、円筒状のボールレース心皿61が設けられている。ボールレース式心皿台車は、円筒ベアリングを用いて、台車旋回抵抗を極限まで小さくした急曲線用台車である。
【0045】
ボールレース心皿61の外周面61aには、一対のアクチュエータ21にそれぞれ取り付けられた一対の制輪子10が押し付けられるようになっている。すなわち、ボールレース心皿61の外周面61aは、円周状接触面として機能するものである。
以上より、本実施形態における鉄道用車両1によれば、ボールレース式心皿台車を利用していることから、曲線、直線高速走行に特化した特性を併せ持たせることができる。
なお、ボールレース心皿61の外周面61aを利用するとしたが、これに代えて、内周面61bを利用するようにしてもよい。例えば、図11に示すように、ボールレース心皿61の中に、一対のアクチュエータ21及び制輪子20が配されるようにして、ボールレース心皿61の径方向外方に向けて制輪子20を内周面61bに押し付けるようにしてもよい。
【0046】
なお、上記第1から第6の実施形態において、車体2又は台車3のいずれか一方に心皿又は押圧受け部39を設け、他方に制輪子20又は接触子44を設けたが、これらを逆に配置してもよい。すなわち、いずれか一方に制輪子20又は接触子44を設け、他方に心皿又は押圧受け部39を設けてもよい。
また、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る鉄道用車両の第1の実施形態を示す正面図である。
【図2】図1の台車の要部を拡大して示す斜視図である。
【図3】図1の摺動心皿の変形例を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る鉄道用車両の第2の実施形態を示す正面図である。
【図5】図4の台車の要部を拡大して示す斜視図である。
【図6】本発明に係る鉄道用車両の第3の実施形態を示す図であって、台車の要部を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る鉄道用車両の第4の実施形態を示す図であって、台車の要部を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る鉄道用車両の第5の実施形態を示す正面図である。
【図9】図8の台車の要部を拡大して示す斜視図である。
【図10】本発明に係る鉄道用車両の第6の実施形態を示す図であって、台車の要部を示す斜視図である。
【図11】図10の旋回抵抗調整装置の変形例を示す斜視図である。
【図12】従来の鉄道用車両を示す図であって、側受け式台車の例を示す正面図である。
【図13】従来の鉄道用車両を示す図であって、大径心皿を有する例を示す正面図である。
【図14】台車が急曲線軌道を曲がるときの様子を示す説明図である。
【符号の説明】
【0048】
1 鉄道用車両
2 車体
3 台車
4 旋回抵抗調整装置
18 外周面(円周状接触面)
20 制輪子(接触子)
21 アクチュエータ(移動手段)
24 制御部
25 速度センサ(検出手段)
33 外方円周面(円周状接触面)
40 内方円周面(円周状接触面)
41 複動シリンダ(移動手段)
44 接触子
47 アクチュエータ類(移動手段)
56 空気シリンダ(シリンダ、移動手段)
58 空気調整装置(移動手段)
L 軸線(回転中心軸)




 

 


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