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発明の名称 鉄道車両の車内騒音の低減方法及び装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−99102(P2007−99102A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−292124(P2005−292124)
出願日 平成17年10月5日(2005.10.5)
代理人 【識別番号】100089635
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 守
発明者 瀧上 唯夫 / 朝比奈 峰之 / 阿久津 勝則
要約 課題
確実、かつ効果的に台車枠の振動を抑え、車内騒音を低減することができる鉄道車両の車内騒音の低減方法及び装置を提供する。

解決手段
鉄道車両の車内騒音の低減装置において、台車枠側はり1の中央の上面に配置される第1のピエゾ素子7と、台車枠側はりの中央の側面に配置される第2のピエゾ素子8と、前記第1のピエゾ素子7及び又は第2のピエゾ素子8の電極に接続される負荷回路とを備え、台車枠の振動エネルギーを電気的エネルギーに変換して前記負荷回路で熱エネルギーとして散逸させ、台車枠の振動を低減する。
特許請求の範囲
【請求項1】
台車枠側はりの中央の上面及び又は下面及び又は側面にそれぞれピエゾ素子を貼り付け、台車枠の振動に伴い前記ピエゾ素子の電極から出力される電気的出力を前記ピエゾ素子の電極に接続される負荷回路により熱エネルギーとして散逸させ、台車枠の振動を低減することを特徴とする鉄道車両の車内騒音の低減方法。
【請求項2】
(a)台車枠側はりの中央の上面又は下面に配置される第1のピエゾ素子と、
(b)台車枠側はりの中央の側面に配置される第2のピエゾ素子と、
(c)前記第1のピエゾ素子及び又は第2のピエゾ素子の電極に接続される負荷回路とを備え、
(d)台車枠の振動エネルギーを電気的エネルギーに変換して前記負荷回路で熱エネルギーとして散逸させ、台車枠の振動を低減することを特徴とする鉄道車両の車内騒音の低減装置。
【請求項3】
請求項2記載の鉄道車両の車内騒音の低減装置において、前記負荷回路は、第1のピエゾ素子用と第2のピエゾ素子用の2回路を具備することを特徴とする鉄道車両の車内騒音の低減装置。
【請求項4】
請求項2記載の鉄道車両の車内騒音の低減装置において、前記負荷回路は、第1のピエゾ素子用及び第2のピエゾ素子用の1回路を具備することを特徴とする鉄道車両の車内騒音の低減装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両の車内騒音の低減方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、鉄道車体の軽量化に伴い車内騒音の低減は重要な課題となっている。
【0003】
これまで、本願出願人は、車両の車室を画成する壁、床、天井などの板状構造体にピエゾ素子を貼り付けて、該ピエゾ素子を制御することにより、前記板状構造体の振動又はそれから放出される音を制御し、前記室内の騒音を低減することを研究してきた(下記特許文献1)。
【0004】
さらに、研究を進めた結果、数十〜数百Hzの周波数帯域の騒音は台車を加振源とする固体伝播音の寄与が高いということが分かった。
【特許文献1】特願2004−102456号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本願発明者らは、台車枠にピエゾ素子を貼付し、負荷回路を接続することによって、台車枠の振動を抑え、車内騒音を低減する方法を研究した結果、有効なピエゾ素子を用いた台車枠の振動低減方法及び装置を開発するに至った。
【0006】
本発明は、上記状況に鑑みて、確実、かつ効果的に台車枠の振動を抑え、車内騒音を低減することができる鉄道車両の車内騒音の低減方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
〔1〕鉄道車両の車内騒音の低減方法において、台車枠側はりの中央の上面及び又は下面及び又は側面にそれぞれピエゾ素子を貼り付け、台車枠の振動に伴い前記ピエゾ素子の電極から出力される電気的出力を前記ピエゾ素子の電極に接続される負荷回路により熱エネルギーとして散逸させ、台車枠の振動を低減することを特徴とする。
【0008】
〔2〕鉄道車両の車内騒音の低減装置において、台車枠側はりの中央の上面又は下面に配置される第1のピエゾ素子と、台車枠側はりの中央の側面に配置される第2のピエゾ素子と、前記第1のピエゾ素子及び又は第2のピエゾ素子の電極に接続される負荷回路とを備え、台車枠の振動エネルギーを電気的エネルギーに変換して前記負荷回路で熱エネルギーとして散逸させ、台車枠の振動を低減することを特徴とする。
【0009】
〔3〕上記〔2〕記載の鉄道車両の車内騒音の低減装置において、前記負荷回路は、第1のピエゾ素子用と第2のピエゾ素子用の2回路を具備することを特徴とする。
【0010】
〔4〕上記〔2〕記載の鉄道車両の車内騒音の低減装置において、前記負荷回路は、第1のピエゾ素子用及び第2のピエゾ素子用の1回路を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、台車枠にピエゾ素子を貼付し、負荷回路を接続することによって振動エネルギーを熱エネルギーとして散逸し、台車枠の振動を抑え、車内騒音を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の鉄道車両の車内騒音の低減方法は、台車枠側はりの中央の上面及び又は下面及び又は側面にそれぞれピエゾ素子を貼り付け、台車枠の振動に伴い前記ピエゾ素子の電極から出力される電気的出力を前記ピエゾ素子の電極に接続される負荷回路により熱エネルギーとして散逸させ、台車枠の振動を低減する。
【実施例】
【0013】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明の実施例を示す台車枠のピエゾ素子の貼付位置を示す図であり、図1(a)はその上面図、図1(b)はその側面図である。
【0015】
これらの図において、1は台車枠の両側に配置される側はり、2は車輪、3は車軸、4は軸箱、5は枕はり、6は空気ばね、7は台車枠側はり1の上面に貼付されるピエゾ素子、8は台車枠側はり1の側面に貼付されるピエゾ素子である。
【0016】
台車を加振源とする固体伝播音はヨーダンパ、牽引リンクを伝って鉄道車両の床や腰板などを振動させ、車内に音として放出される。このため、台車枠の振動を抑えることによって車内騒音を低減することができる。
【0017】
そこで、台車枠の振動を抑えるために、変形することにより電圧が発生するピエゾ素子に着目した。ピエゾ素子7を台車枠側はり1の上面に、ピエゾ素子8を台車枠側はり1の側面にそれぞれ貼付し、それらのピエゾ素子7,8の電極に回路を接続する。台車枠側はり1が振動すると、ピエゾ素子7,8が変形し、電圧が発生する。これにより、ピエゾ素子7,8の電極に接続した回路に電流が流れ、抵抗によってジュール熱として散逸される。つまり、機械的なエネルギーが電気エネルギーに変換され、最終的に熱エネルギーとして散逸され、台車枠の振動を低減することができる。
【0018】
ここで、ピエゾ素子は、台車枠の最適な位置に貼付する。すなわち、台車枠側はり1に振動加速度ピックアップや歪みゲージを設置し、その測定値をモード解析して、得られた振動モードの腹の位置または曲率の大きい位置を貼付位置として設定した。具体的には、図1に示すように、台車枠側はり1の空気バネ6周辺の上面(又は下面)および側面にそれぞれ貼り付けるのが望ましい。また、ここでは、台車枠側はり1の上面及び側面の2箇所に貼り付けているが、1箇所だけに貼り付けるようにしてもよい。
【0019】
図2は本発明にかかるピエゾ素子とその接続回路の等価回路図(その1)であり、図2(a)はそのL−R回路、図2(b)は合成インダクタンス回路である。図3は本発明にかかるピエゾ素子とその接続回路の等価回路図(その2)であり、図3(a)はその−C−R回路、図3(b)は近似積分回路である。
【0020】
図2(a)において、11,12はピエゾ素子の等価回路を表し、11はピエゾ素子7,8から発生する電圧源、12はピエゾ素子7,8のキャパシタンスCp、13はピエゾ素子7,8に接続されるインダクタンスL、14はインダクタンスLに直列に接続される可変抵抗Rである。
【0021】
図2(b)において、21,22はピエゾ素子の等価回路を表し、21はピエゾ素子7,8から発生する電圧源、22はキャパシタンスCp、23は抵抗R2 、24は可変抵抗R、25は抵抗R2 と可変抵抗R間に接続される第1の差動増幅器OP1、26はキャパシタンスC、27は可変抵抗R1 、28は可変抵抗R1 の出力端子と可変抵抗Rの第1の差動増幅器OP1側の端子間に接続される第2の差動増幅器OP2、29は抵抗R3 、30は抵抗r(=抵抗R3 )であり、第1の差動増幅器OP1と第2の差動増幅器OP2にはそれぞれ電源+15Vと−15Vが接続されている。
【0022】
図3(a)において、31,32はピエゾ素子の等価回路を表し、31はピエゾ素子7,8から発生する電圧源、32はピエゾ素子7,8のキャパシタンスCp、33はその電圧源31に接続されるキャパシタンス−C、34はキャパシタンス−Cに直列に接続される可変抵抗Rである。
【0023】
図3(b)において、41は可変抵抗R、42はスイッチSW、43,45は抵抗Rb 、44は第3の差動増幅器OP3、46は可変抵抗R1 、47は第4の差動増幅器OP4、48はキャパシタンスC2 、49は可変抵抗R2 であり、第3の差動増幅器OP3には電源+15Vと−15Vが、第4の差動増幅器OP4には電源+VCCと−VCCが接続されている。
【0024】
このように、ピエゾ素子7,8に接続する負荷回路としては、図2に示すようなインダクタンスLと抵抗Rを直列に接続する回路(L−R回路)や、図3に示すような負性キャパシタンス−Cと抵抗Rを直列に接続した回路(−C−R回路)を用いる。
【0025】
L−R回路は、図2(a)に示すように、インピーダンスLに実際にコイルを用いた回路や、図2(b)に示すように、OPアンプ25,28を用いて等価的なインダクタンスLを構成するような合成インダクダンス回路を用いる。
【0026】
また、−C−R回路には、図3(b)に示すように、近似積分回路を用いる。
【0027】
次に、ピエゾ素子を用いて台車枠を制振することによって鉄道車両の車内騒音を低減する方法の実証実験結果について説明する。
【0028】
騒音・振動加速度測定点については、台車枠の両側に配置される側はり1の空気バネ6近傍上面および側面にそれぞれ2枚(計8枚のピエゾ素子7,8)を長手方向に貼付した。また、軸箱4、台車枠の側はり1の上面及び側面に振動加速度ピックアップを設置した。
【0029】
図4にそのピエゾ素子の貼付位置、及び振動加速度ピックアップの設置位置を示す。ここで、図4(a)はその上面図、図4(b)はその側面図であり、j2は軸箱4に設置した振動加速度ピックアップ(上下)、tz3は台車枠側はり1の上面に設置した振動加速度ピックアップ(上下)、ty3は台車枠側はり1の側面に設置した振動加速度ピックアップ(左右)を示している。
【0030】
使用したピエゾ素子1枚あたりの寸法は、155mm×40mm×3mm(質量:140g)である。
【0031】
次に、測定方法について説明する。
【0032】
鉄道総研新車両試験台上の走行試験中に280km/hの速度で50秒間の定速走行を行い、車両および台車各部の振動加速度と騒音を測定した。車両の測定条件は客室出入台の扉を閉めて車外騒音の影響を低減するようにした。
【0033】
その測定結果において、2位軸箱振動加速度に対する各測定点の周波数応答関数の比較を行った。
【0034】
各測定点の走行条件とピエゾ素子の制振効果の比較を行うため、各測定点の2位軸箱振動加速度に対する周波数応答関数を以下の条件で求めた。
【0035】
(1)ピエゾ素子に何も接続しない場合(OPEN)
(2)ピエゾ素子にインダクタンスLを接続し、共振周波数を76.8Hzに調整した場合
(3)ピエゾ素子を短絡させた場合(SHORT)
の3つの条件で280km/hの速度で50秒間の定速走行を行った。台車直上1.2m車内騒音の2位軸箱振動加速度に対する周波数応答関数を図5に示す。
【0036】
この図より、ピエゾ素子とインダクタンスLの共振周波数を76.8Hzに合わせた280km/h走行時の台車直上1.2m車内騒音(n1)の周波数応答関数(図中A)は、OPEN(図中B)やSHORT(図中C)の場合と比較して低くなっていることが分かる。同様に台車枠各部の振動加速度の2位軸箱振動加速度に対する周波数応答関数についても、インダクタンスLを接続した場合、他の場合と比較して低くなる結果が得られた。
【0037】
このように、台車枠の適切な位置にピエゾ素子を配置し、台車枠の振動エネルギーを電気エネルギーに変換し、さらに熱エネルギーとして消費することにより、台車枠の機械的振動を的確に制御することができる。
【0038】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の鉄道車両の車内騒音の低減方法及び装置は、鉄道車両の車内騒音を低減するツールとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施例を示す台車枠のピエゾ素子の貼付位置を示す図である。
【図2】本発明にかかるピエゾ素子とその接続回路の等価回路図(その1)である。
【図3】本発明にかかるピエゾ素子とその接続回路の等価回路図(その2)である。
【図4】本発明の鉄道車両の車内騒音を低減する方法の実証実験におけるピエゾ素子の貼付位置と振動加速度ピックアップの設置位置を示す図である。
【図5】2位軸箱振動加速度(j2)と台車直上1.2m車内騒音(n1)の周波数応答関数を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
1 台車枠側はり
2 車輪
3 車軸
4 軸箱
5 枕はり
6 空気ばね
7 台車枠側はりの上面に貼付されるピエゾ素子
8 台車枠側はりの側面に貼付されるピエゾ素子
11,21,31 電圧源
12,22,32 キャパシタンスCp
13 インダクタンスL
14,24,34,41 可変抵抗R
23,49 抵抗R2
25 第1の差動増幅回路OP1
26 キャパシタンスC
27,46 可変抵抗R1
28 第2の差動増幅回路OP2
29 抵抗R3
30 抵抗r
33 キャパシタンス−C
42 スイッチSW
43,45 抵抗Rb
44 第3の差動増幅回路OP3
47 第4の差動増幅回路OP4
48 キャパシタンスC2




 

 


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