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発明の名称 軌道回路による列車在線検知方法及びその装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−38792(P2007−38792A)
公開日 平成19年2月15日(2007.2.15)
出願番号 特願2005−224238(P2005−224238)
出願日 平成17年8月2日(2005.8.2)
代理人 【識別番号】100079201
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 光正
発明者 寺田 夏樹 / 佐藤 和敏
要約 課題
レールの錆による列車短絡抵抗の増加の影響を受けることなく、列車在線検知を確実に行うことができ、降雨時の受信レベル低下に基づく誤検知を防止する。

解決手段
レールに錆が多く発生する区間においては、隣接する軌道回路のうち列車の進行方向後方の軌道回路からの列車検知信号に基づいて、当該軌道回路の列車検知判定レベルを上げるようにした。
特許請求の範囲
【請求項1】
レールに錆が多く発生する区間においては、隣接する軌道回路のうち列車の進行方向後方の軌道回路からの列車検知信号に基づいて、当該軌道回路の列車検知判定レベルを上げることを特徴とする列車在線検知方法。
【請求項2】
雨天時は、後方の軌道回路からの列車検知信号に基づいて当該軌道回路の列車検知判定レベルを上げる機能を休止し、通常の列車検知判定レベルを用いることを特徴とする請求項1に記載の列車在線検知方法。
【請求項3】
少なくとも錆が多く発生する区間の各軌道回路の受信器に、後方の軌道回路の受信器から列車検知信号を受信したときに列車検知判定レベルを上げる手段と、列車在線を検知したときに列車検知信号を前方の軌道回路の受信器に送信する手段とを備えたことを特徴とする列車在線検知装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道回路を用いる列車在線検知方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
軌道回路による列車在線検知装置は、図6に示すように、レール1を一定区間に区切り、その一端から送信器2で送信し、他端で受信器3で受信しており、その区間に列車がいないときは受信器3が信号電流を受信して動作しているが、その区間に列車4が進入すると、車軸5によりレール間が短絡して信号電流が受信器3まで流れなくなるため、受信器3は復旧するので、この受信器の動作・復旧により列車の在線を検知するようにしたものである。
【0003】
軌道回路における受信器の受信レベルは、列車の有無のほか、レール間電圧や天候(雨天)や錆の有無などの様々な原因により種々変動する。雨天時は、レール間の電流の漏れが大きくなり、受信する信号電流の減衰も大きくなるため、列車が存在しなくても列車在線と誤検知する可能性がある。これを回避するため、一般的に、雨天時の信号電流の減衰により受信器が復旧しないように受信器の列車検知判定レベルを設定している。
【0004】
ところで、レールに錆が多く発生した場合は、列車短絡抵抗が高くなる。この列車短絡抵抗が短絡感度(受信器を復旧させることができるレール間短絡抵抗の最大値)を超える状態になると、図7に示すように、列車が在線するにもかかわらず、受信器の受信レベルL2が前記列車検知判定レベルL5より下方まで低下しないため、列車検知が不能である。
【0005】
そこで、従来、錆による列車短絡抵抗の増大による列車検知不能に対して、種々の対策が提案されている。例えば、非特許文献1及び特許文献1参照。
【非特許文献1】鉄道と電気技術 1993.10 VOL.4 No.10
【特許文献1】特開平5−8727号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非特許文献1には、高電力軌道回路化、レール間電圧上昇対策、他周波重畳の3つの対策が開示されている。しかし、これらは、いずれも軌道回路に新たな電気回路などの設備を付加する必要があり、また、各軌道回路に高電力又はレール間電圧を常時印加し、あるいは、他周波を常時重畳する必要があるため、設備コストと運用コストがかかるという問題がある。
【0007】
また、特許文献1のものは、次の構成を有する。すなわち、隣接する軌道回路のうち列車の進行方向後方の軌道回路の送電電流、前方の軌道回路の軌道リレー電圧を測定し、その測定値がそれぞれ定格電流、定格電圧に対してどの程度増減しているかを表示するディスプレイを有する第1列車在線検知用監視部を、それぞれ順次隣接する軌道回路に沿って複数個設置し、それら複数個の第1列車在線検知用監視部からのそれぞれの測定値を表示するディスプレイを有する第2列車在線検知用監視部を第1列車在線検知用監視部と伝送端末機を介して接続して保守区に設置してなるものである(特許文献1段落0004)。
【0008】
その動作は、次のとおりである。すなわち、列車が前方の軌道回路に進入すると、隣接する軌道回路間で列車の進行方向後方の軌道回路の送電電流が定格電流より増加し、かつ前方の軌道回路の軌道リレー電圧より減少する。列車が前方の軌道回路に在線していると、前方の軌道回路の軌道リレー電圧が定格電圧より減少し、かつ送電電流が定格電流より増加する。さらに、列車が前方の軌道回路を進出すると、前方の軌道回路の軌道リレー電圧が定格電圧に復帰し、かつ送電電流が定格電流に復帰する。これらの電流、電圧は第1列車在線検知用監視部で測定され、ディスプレイに表示される。また、第2列車在線検知用監視部にも表示されるので、保守員はディスプレイに表示された測定電流、電圧を監視することにより、列車がどの軌道回路に在線しているかを検知することができる(特許文献1段落0005)。
【0009】
この先行技術による効果は、次の通りである。すなわち、従来どおりの駅構内、駅中間の軌道回路の軌道リレーの動作、復旧による列車在線検知に加え、第1検知用監視部及び第2検知用監視部のディスプレイ表示を監視することによっても、列車在線を検知することができるので、軌道リレーが動作、復旧に至らなくても、それを補い、列車在線を確実に検知することができる。列車の運行回数が少なく、レールに錆が発生するところでは、列車短絡による軌道リレー電圧の減少が少なく、復旧電圧まで減少しなくてリレーが復旧しないことがあるが、この先行技術では列車在線を確実に検知することができる(特許文献1段落0017)。
【0010】
この先行技術は、列車の進行方向後方の軌道回路の送電電流と前方の軌道回路の軌道リレー電圧とを測定する必要があり、その測定値が定格電流、定格電圧に対してどの程度増減しているかを表示するディスプレイを有する第1列車在線検知用監視部を、それぞれ順次隣接する軌道回路に沿って複数個設置するほか、それら複数個の第1列車在線検知用監視部からのそれぞれの測定値を表示するディスプレイを有する第2列車在線検知用監視部を第1列車在線検知用監視部と伝送端末機を介して接続して保守区に設置する必要があるので、高額の設備コストがかかる。また、送電電流及び軌道リレー電圧の測定値を定格電流及び定格電圧とを監視し、比較し、その変動状態から列車がどの軌道回路に在線するかを判断しなければならないので、保守員の負担が大きく、とくに軌道回路への進入時点と軌道回路からの進出時点を誤判断するおそれがある。
【0011】
本発明は、上記の点に鑑みてなさたものである。レールの錆に基づく列車短絡抵抗の増加により、車軸短絡によっても受信器の受信レベルが前記列車検知判定レベル以下に低下しない場合の対策として、列車検知判定レベルを上げてやれば、検知はしやすくなるが、降雨時は、レールから大地に信号電流が漏れるため受信レベルが下がるので、列車が在線しないにもかかわらず、在線を誤検知する状況が発生しやすい。そのため、いたずらに列車検知判定レベルを上げるのは好ましくない。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、レールの錆発生による列車短絡抵抗の増加の影響を受けることなく、列車在線検知を確実に行うことができ、しかも、降雨時の受信レベル低下に基づく誤検知を防止することができる列車在線検知方法及び列車在線検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明方法は、レールに錆が多く発生する区間においては、隣接する軌道回路のうち列車の進行方向後方の軌道回路が列車の在線を検知しているときに限り、当該軌道回路の列車検知判定レベルを上げることを特徴としている(請求項1)。
後方の軌道回路が列車在線を検知していることを条件として当該軌道回路の列車検知判定レベルを上げるので、錆により列車短絡抵抗が増加しているために車軸短絡に伴う受信レベル低下の程度が少なくても、在線を検知することができる。すなわち、後方の軌道回路が列車を検知したことと、当該軌道回路の受信レベルが上げられた列車検知判定レベル以下になったこととが論理積条件を満たすときに、列車の在線が検知される。
【0013】
後方の軌道回路が列車在線を検知したことを条件として当該軌道回路の列車検知判定レベルを通常レベルから高レベルに切り替える機能を常時用いる場合は、降雨時は、レール間の電流の漏れにより信号電流が減衰し、受信レベルが容易に列車検知判定レベルまで低下しやすいので、後方に隣接する軌道回路が列車の在線を検知したときは、当該軌道回路に列車が進入してなくとも、列車在線を誤検知する虞がある。これを防止するため、雨天時は、列車検知判定レベルを通常レベルから高レベルに切り替える機能を休止し、通常レベルを維持するように構成することが望ましい(請求項2)。
これにより、雨天時も、錆対策の機能に関係なく、確実に列車在線検知を行うことができる。
【0014】
上記方法は、少なくとも錆が多く発生する区間の各軌道回路の受信器に、後方の軌道回路の受信器から列車検知信号を受信したときに列車検知判定レベルを上げる手段と、列車在線を検知したときに列車検知信号を前方の軌道回路の受信器に送信する手段とを備えることにより、実現することができる(請求項3)。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、当該軌道回路の後方に隣接する軌道回路が列車在線を検知している時に限り当該軌道回路の列車検知判定レベルを上げるので、錆により列車短絡抵抗が増加しているために車軸短絡に伴う受信レベル低下の程度が少なくても、在線を確実に検知することができ、後方の軌道回路で在線を検知していないときは、当該軌道回路の列車検知判定レベルは通常のレベルに復帰されているので、雨天時に列車在線を誤検知されることはない。
【0016】
また、請求項2の発明によれば、雨天時には後方の軌道回路が列車を検知しても、当該軌道回路の列車検知判定レベルを上げる機能が休止され、通常の列車検知判定レベルが用いられるので、後方の軌道回路が列車を検知しているが、当該軌道回路には列車が在線しないのに、雨によるレール間電流漏れにより受信レベルが低下したために列車が在線すると誤検知することが防止される。
【0017】
請求項3の発明によれば、簡単な構成により本発明方法を実現することができる。そして、受信器が電子回路で構成されている場合、電子軌道リレーを用いるものである場合のいずれにおいても、本発明方法を使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
続いて、本発明の実施の形態について、図面を用いながら説明する。
図1は、本発明方法による新しい列車検知論理の概要を示す説明図、図2は軌道回路が電子軌道リレーを用いる場合の実施例の基本的作用を概略的に説明する概念図、図3は受信器が電子回路で構成されている場合に、本発明を実施するための付加構成の一例を示すブロック図、図4は軌道回路で用いられている一般的な直流軌道リレーの構成の一例及び作用を示す図、図5は同直流軌道リレーを用いる場合の列車検知判定レベルを上げるための構成の一例を示す回路図である。
【0019】
図1において、2a、3aは当該軌道回路の送信器と受信器であり、2b、3bは当該軌道回路の列車進行方向の後方に隣接する軌道回路の送信器と受信器である。そして、各受信器3a,3bは、それぞれ当該軌道回路の後方の軌道回路の受信器が列車検知信号を出力した場合にそれをも受信できるように構成されている。従って、当該軌道回路が設けられている区間に列車が進入すると、その列車の後尾部がまだ後方に隣接する軌道回路に残っているから、後方の軌道回路の受信器から当該軌道回路の受信器に列車検知信号が入力されて、その軌道回路の受信器の列車検知判定レベルが図7のL2よりも高いレベルに上げられる。そのため、当該軌道回路に列車が進入したときにレールから受信器3aに入力する信号電流の受信レベルの低下が錆により少なくても、その受信レベルが上げられた列車検知判定レベル以下であれば、列車の進入を検知することができる。
【0020】
当該軌道回路の後方の軌道回路のレールにも多くの錆が発生している場合は、その後方の軌道回路はさらに後方の軌道回路の列車検知条件を順次取り込む必要があるが、通常は、錆が多く発生する区間は長距離に渡ることはないので、その錆発生が多い区間の後方に隣接する軌道回路の受信器から前方の軌道回路の受信器への列車検知信号の送信を開始させるようにしても良い。
また、列車が停車する駅の軌道回路では、列車短絡抵抗が少なく、通常の列車検知判定レベルで確実に列車在線を検知できるので、その駅の軌道回路の受信器から錆による影響が発生しやすい軌道回路まで、列車検知信号を順次前方の軌道回路の受信器に送信するようにしてもよい。
【0021】
軌道回路が電子軌道リレーを用いる場合は、本発明を実施するために、図2に示すように、電子軌道リレーTRには、次のような基本的構成が備えられる。電源Pから入力する定電圧電源に基づいてレール1から入力する軌道電圧と大小比較判定するための3種類の基準入力が作成されるように構成されている。このうち2つは列車検知の判定に用いるものであり、1つは、従来と同様の通常の列車検知判定レベル(基準入力1)であり、もう1つは、本発明の目的達成のために通常の列車検知判定レベルよりも高く設定された列車検知判定レベル(基準入力2)である。そして、二つの基準入力は、当該軌道回路の後方の軌道回路から列車検知信号tr1を受信したか否かにより、使用されるものが決定されるようになっている。すなわち、後方の軌道回路から列車検知信号を受信しないときは基準入力1が用いられ、受信したときは基準入力2が用いられて、軌道電圧と比較され、軌道電圧がその基準電圧以下である場合に、列車検知信号tr2を出力するようになっている。また、基準入力2が用いられているとき、一度軌道電圧が基準入力2以下となった場合には、軌道電圧が基準入力2より大きくなるまで列車検知信号tr2を出力し続ける。さらに、雨天時等のために列車検知レベルを上げる機能を停止するための選択機能停止判定レベル(基準入力3)が作成される。軌道リレーが列車を検知していない間には、軌道電圧と基準入力3を比較し、軌道電圧が基準入力3より低い場合には基準入力2を選択しないようにする。
【0022】
図3は、受信器が電子回路で構成されている場合に、本発明方法を実現するための列車在線検知装置の構成の一例を示すブロック図である。
受信器3aは、軌道回路のレール1から信号電流を受信するための既存の受信器と同一機能を有する第1受信部31及び受信レベル測定部32のほかに、後方の軌道回路の受信器3bからの列車検知信号を受信して出力する第2受信部33と、列車検知信号の出力を保持する保持部34とを有する。また、受信器3aは、レールに錆が発生していない場合に用いられる通常の列車検知判定レベル(基準値1)と、レールに錆が発生している場合に用いられる高い列車検知判定レベル(基準値2)と、雨天時等において列車検知レベルを上げる機能を停止するための判定レベル(基準値3)とを記録したレジスタ35と、保持部34が列車検知信号を出力していない場合は、レジスタ35から基準値1を読み出して出力し、保持部34が列車検知信号を出力受信している場合は、レジスタ35から基準値2を読み出して出力する選択部36と、受信レベル測定部32が出力する測定値と選択部36が出力する基準値とを比較する比較部37と、その比較部による比較の結果、測定値が基準値よりも低い(受信レベルが判定レベルよりも低い)場合に、列車検知信号を前方の軌道回路の受信器、保持部34及び選択機能停止部39に送信する送信部38と、送信部38から列車検知信号を受信していない場合にレジスタ35より基準値3を読み出してこれを受信レベル測定部32の測定値と比較し、その結果により選択部36による列車検知レベルを上げる機能を停止する選択機能停止部39を備えている。
【0023】
上記構成において、いま、図1(a)に示すように、列車4が当該軌道回路の後方の区間に在線しているとすると、この区間の軌道回路の受信器3bは列車検知信号を当該軌道回路の受信器3aの第2受信部33にも送信している。従って、第2受信部33に受信された列車検知信号は保持部34により出力を維持され、これに基づいて選択部36はレジスタ35から基準値2を読み出して比較部37に与える。一方、当該軌道回路の第1受信部31はレールからの信号電流を受信し、受信レベル測定部32はその受信電流の受信レベルを測定し、その測定値を比較部37に与える。これにより、受信器3aでは、当該軌道回路(レール)から受信する受信レベルが常時、錆対策のために列車検知判定レベルが上げられた基準値2と比較されることとなる。
【0024】
この状態で、列車4が図1(a)に示すように、列車が後方の区間に在線すると、当該軌道回路の第2受信部33に列車検知信号が入力し、保持部34で保持されて選択部36に対する選択指令が維持される。選択部36は選択指令に基づき基準値2を選択させ、その状態が保持される。
【0025】
列車4が図1(b)に示すように、当該軌道回路に進入すると、後方の軌道回路からの列車検知信号が、保持部34により維持されている状態で、当該軌道回路の送信器からレールに送信される信号電流は第1受信部31の受信時においてレールの錆により図5のL2で示される比較的高いレベルを維持する。その信号電流は当該軌道回路の受信器3aの受信レベル測定部32により測定され、その測定値は、比較部37で基準値2と比較される。基準値2は、錆による列車短絡抵抗に基づき維持される受信レベルよりも高めに設定されているので、比較部37は、測定値が基準値以下であると判定したときに列車検知信号を出力する。その信号は送信部38により前方の軌道回路の受信器及び保持部34に送信される。
【0026】
保持部34は選択部36にレジスタ35の基準値2を選択させている間に、一旦送信部38から列車検知信号を受信すると、送信部38から列車検知信号を受信しなくなるまで基準値2の選択を保持し続ける。すなわち、この自己保持機能により、列車が後方の軌道回路から脱出しても当該軌道回路において高い列車検知判定レベルを持続し、当該区間からの列車脱出に基づいて選択部36はレジスタ35の基準値1を読出して比較部37に与えるように工夫されている。
当該軌道回路の受信器が列車検知信号を出力した場合は、その列車検知信号は前方の軌道回路の受信器に送信される。従って、前方の軌道回路のレールの錆による列車短絡抵抗の増加に対処することができる。
選択機能停止部39は、送信部38が列車検知信号を出力していない場合においてレジスタ35から選択機能停止判定のための基準値3を読み出し、これを受信レベル測定部32の測定値と比較して、受信レベルが基準値3を下回る場合には、選択部36による基準値2の選択を停止する。これにより雨天等により列車不在時の受信レベルが低下する場合において、列車検知レベルを通常レベルから高レベルに上げる機能を休止することができる。また、この停止機能が動作している間に送信部38から列車検知信号を受信した場合には列車検知信号を受信しなくなるまで停止機能を保持し続ける。これにより、列車が軌道回路に在線している場合においても選択機能停止の機能を維持することができる。
【0027】
図4は、直流軌道回路、AF軌道回路、H・DC軌道回路及び長大軌道回路において受信器として用いられる直流軌道リレーの一例を示し、(a)は動作時の状態、(b)は落下時の状態を示す。41は永久磁石、42は鉄心、43は軌道コイル、44a,44bはヨーク、46は支点45で枢支された接極子、47は接点、48は接点を下方に付勢する接点ばねである。
【0028】
軌道コイル43に信号電流が流れるときは、図4(a)に示すように、鉄心42とヨーク44a,44bに発生する磁界が永久磁石41による磁束を打ち消して主磁束による接極子吸引力が接点ばね48の力にうち勝ってリレーが動作する。動作した状態では、永久磁石の磁気回路は開放され、落下方向の磁気吸引力は働かない。また、軌道コイル42に信号電流が流れないときは、図4(b)に示すように、主磁束が発生しないので、接極子46が落下して永久磁石41の磁気回路が構成され、落下方向に磁気吸引力が働く。
【0029】
このような構成において、本発明思想に基づいてレールの錆により列車短絡時のレール間電圧の低下が少ない場合でも軌道リレーを確実に落させるには、図5に示すように、軌道コイル43の全長を若干伸長するとともに、その軌道コイルの一端と中点にそれぞれ接続された二つの端子a,bと共通端子cとの間に可動接点dを設けてなるコイル巻数切替部51を備えるとともに、後方の軌道回路からの列車検知信号を受信する受信部52と、その受信部が列車検知信号を受信した場合は、これを保持する保持部53と、保持部が列車検知信号を出力している間のみコイル巻数切替部51に切替動作をさせる駆動部54とを備えるとよい。
【0030】
受信部52が列車検知信号を受信したときは、駆動部54がコイル巻数切替部51の可動接点dを中点の端子bに接触させることにより、軌道コイルの巻数が減少し、また、受信部52が列車検知信号を受信しないときは、駆動部5がコイル巻数切替部51の可動接点dを末端の端子aに接触させることにより、軌道コイルの巻数が多くなるように動作する。
列車短絡による信号減衰量が少ない時は、軌道コイル43に流れる若干の電流により接極子46が落下しない状態が発生しやすいが、軌道コイル巻数が減らされた場合は、主磁束による接極子吸引力が接点ばね48の力にうち勝つことができないので、接極子46が落下する。
【0031】
これと反対に、受信部52が列車検知信号を受信しなくなると、駆動部54はコイル巻数切替部51に可動接点dを軌道コイル43の末端に接触させるので、軌道リレーはその後は、巻数の多いコイルを用いるので、軌道コイルに流れる信号電流が列車短絡により所定の列車検知判定レベル以下に低下するときに限り、接極子が落下する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明による新しい列車在線検知の論理を説明する概念図。
【図2】軌道回路が電子軌道リレーを用いる場合の実施例の基本的作用を概略的に説明する概念図。
【図3】列車在線検知装置が電子回路で構成される場合の具体的な構成を示すブロック図。
【図4】軌道回路で用いられている一般的な直流軌道リレーの構成の一例及び作用を示す図。
【図5】同じく直流軌道リレーを用いる場合の列車検知判定レベルを上げるための構成の一例を示す回路図。
【図6】軌道回路の基本的構成及び作用を説明する図。
【図7】レールに錆が発生した場合の問題点を説明する図。
【符号の説明】
【0033】
1 レール
2,2a,2b 送信器
3,3a,3b 受信器
4 列車




 

 


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