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車両用開閉体の駆動装置 - 株式会社ミツバ
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発明の名称 車両用開閉体の駆動装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−161175(P2007−161175A)
公開日 平成19年6月28日(2007.6.28)
出願番号 特願2005−362632(P2005−362632)
出願日 平成17年12月16日(2005.12.16)
代理人 【識別番号】100080001
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 大和
発明者 池田 隆之
要約 課題
駆動源における負荷の積分値が所定のしきい値を超えた場合、開閉機構が異常であると判定するようにした車両用開閉体の駆動装置の提供。

解決手段
モータ負荷検出部28が、電動モータ17における負荷の積分値がしきい値を超えた場合、ガスステーが異常であると異常判定部30が判定するようにした。これにより、バックドアの下降を検出することなくガスステーの異常を検出することができ、バックドアの自重や下降時における慣性力によって、ヒンジや電動モータ17に大きな負荷を与えたりすることを未然に防ぐことができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
車体と開閉体との間に開閉機構が設けられた車両の前記開閉体を、操作者のスイッチング操作に応じて自動的に開閉する車両用開閉体の駆動装置であって、
前記車体と前記開閉体との間に設けられる駆動源と、
操作者が操作するスイッチング手段と、
前記スイッチング手段の操作に応じて前記駆動源を駆動制御するコントローラとを有し、
前記コントローラは、前記駆動源の負荷を検出する負荷検出手段と、
前記負荷検出手段が検出した検出値を積分し、当該積分値を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記積分値が予め設定されたしきい値を超えた場合、前記開閉機構が異常であると判定する異常判定手段とを備えたことを特徴とする車両用開閉体の駆動装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両用開閉体の駆動装置において、前記開閉体は、前記車体側のヒンジを介して上下方向に開閉自在に設けられるバックドアであり、前記開閉機構は、前記車体と前記開閉体との間に設けられ、前記開閉体を開放方向へ付勢する開放補助力発生装置であることを特徴とする車両用開閉体の駆動装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の車両用開閉体の駆動装置において、前記コントローラは、前記異常判定手段が前記開閉機構の異常を判定した場合、前記駆動源の駆動制御を停止することを特徴とする車両用開閉体の駆動装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用開閉体の駆動装置において、前記駆動源は、前記開閉体への動力を断続する動力断続機構を備え、前記コントローラは、前記異常判定手段が前記開閉機構の異常を判定した場合、前記駆動源の駆動制御が終了しても前記動力断続機構の接続状態を保持させることを特徴とする車両用開閉体の駆動装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用開閉体の駆動装置において、前記コントローラは、前記異常判定手段が前記開閉機構の異常を判定した場合、前記駆動源を前記開閉体が閉塞する方向へ駆動させることを特徴とする車両用開閉体の駆動装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体と開閉体との間に開閉機構が設けられた車両の前記開閉体を、操作者のスイッチング操作に応じて自動的に開閉する車両用開閉体の駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワゴン車やワンボックス車などの車両では、車体の後端部に開閉体としてのバックドアを設け、このバックドアを開閉して荷物の積み下ろし等を行うようにしている。通常、このようなバックドアは、車体のルーフ部に設けられたヒンジを介して車体に装着され、ヒンジを回転中心として上下方向に開閉する上ヒンジ下開き式、つまり跳ね上げ式とされており、テールゲートやリフトゲートあるいはリヤハッチなどとも呼ばれている。
【0003】
このような跳ね上げ式のバックドアを備えた車両は、バックドアと車体との間に開放補助力発生手段としてのガスステーを備えており、このガスステーは、バックドアが所定開度以上に開いたときに内部のガス圧によって伸長してバックドアを開放方向に付勢し、この付勢力が操作者の開放操作力を軽減させるとともに、バックドアを全開位置に保持するようになっている。反対に、バックドアを所定開度以下に閉じた場合には、ガスステーの付勢力はバックドアの自重を下回り、バックドアは自重により閉塞方向に付勢される。
【0004】
近時、跳ね上げ式のバックドアを自動的に開閉するようにした開閉装置が種々開発されており、この開閉装置はバックドアを開閉駆動する駆動源としての電動モータを備えている。このような開閉装置に適用される電動モータは、バックドアに対する動力を断続するクラッチを備え、このクラッチを遮断状態とすることにより操作者の手動操作のみによってもバックドアを開閉操作できるようになっている。したがって、開閉装置が搭載された車両においても、通常、バックドアと車体との間にはガスステーが装着されている。
【0005】
ところで、ガスステーの本体内部には、上述のような付勢力を得るために窒素ガスなどの高圧ガスがシール部材を介して封入されており、この付勢力は、ガスステーの経時変化、すなわち、シール部材の磨耗やガスステーの摺動部に生じた微細な傷等により高圧ガスが外部に徐々に漏洩して低下する。また、冬季など、使用雰囲気温度が低温である場合には、ガスステーの付勢力が低下する。
【0006】
このようにガスステーの付勢力が低下することにより、バックドアを全開位置に保持することができなくなる場合等があり、この場合、車体の揺れや風の影響等によってバックドアが自重で下降することがある。そこで、バックドアが自重で下降することを検出して、電動モータのクラッチを接続状態としたり、バックドアの下降に対してブレーキ動作を行なったりする開閉装置が、例えば、特許文献1ないし特許文献3に開示されている。
【特許文献1】特開2001−107642号公報
【特許文献2】特開2004−324264号公報
【特許文献3】特開2004−27824号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献に係る開閉装置にあっては、バックドアが下降することを検出してこの下降を検出した後に、バックドアを駆動する電動モータのクラッチを接続状態としたり、バックドアの下降に対してブレーキ動作を行ったりするので、このような予期しないバックドアの下降動作に対して、運転者等の操作者やバックドアの付近にいる人等が不安を覚えたり、重量物であるバックドアの下降時における慣性力によって、電動モータのクラッチや車体側のヒンジ等に大きな負荷を与えるといった問題が起こり得た。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、駆動源の負荷を検出して、この検出された負荷の積分値が所定のしきい値を超えた場合、開閉機構が異常であると判定するようにした車両用開閉体の駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の車両用開閉体の駆動装置は、車体と開閉体との間に開閉機構が設けられた車両の前記開閉体を、操作者のスイッチング操作に応じて自動的に開閉する車両用開閉体の駆動装置であって、前記車体と前記開閉体との間に設けられる駆動源と、操作者が操作するスイッチング手段と、前記スイッチング手段の操作に応じて前記駆動源を駆動制御するコントローラとを有し、前記コントローラは、前記駆動源の負荷を検出する負荷検出手段と、前記負荷検出手段が検出した検出値を積分し、当該積分値を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記積分値が予め設定されたしきい値を超えた場合、前記開閉機構が異常であると判定する異常判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の車両用開閉体の駆動装置は、前記開閉体は、前記車体側のヒンジを介して上下方向に開閉自在に設けられるバックドアであり、前記開閉機構は、前記車体と前記開閉体との間に設けられ、前記開閉体を開放方向へ付勢する開放補助力発生装置であることを特徴とする。
【0011】
本発明の車両用開閉体の駆動装置は、前記コントローラは、前記異常判定手段が前記開閉機構の異常を判定した場合、前記駆動源の駆動制御を停止することを特徴とする。
【0012】
本発明の車両用開閉体の駆動装置は、前記駆動源は、前記開閉体への動力を断続する動力断続機構を備え、前記コントローラは、前記異常判定手段が前記開閉機構の異常を判定した場合、前記駆動源の駆動制御が終了しても前記動力断続機構の接続状態を保持させることを特徴とする。
【0013】
本発明の車両用開閉体の駆動装置は、前記コントローラは、前記異常判定手段が前記開閉機構の異常を判定した場合、前記駆動源を前記開閉体が閉塞する方向へ駆動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の車両用開閉体の駆動装置によれば、負荷検出手段が駆動源の負荷を検出して、この検出された負荷の積分値が所定のしきい値を超えた場合、異常判定手段は開閉機構が異常であると判定するので、開閉体の動作を検出することなく開閉機構の異常を検出することができる。
【0015】
本発明の車両用開閉体の駆動装置によれば、開閉体を車体側のヒンジを介して上下方向に開閉自在に設けられるバックドアとし、開閉機構は車体と開閉体との間に設けられ開閉体を開放方向へ付勢する開放補助力発生装置とすることもでき、バックドアの自重や下降時における慣性力によって、ヒンジや駆動源に大きな負荷を与えたりすることを未然に防ぐことができる。
【0016】
本発明の車両用開閉体の駆動装置によれば、コントローラは、異常判定手段が開閉機構の異常を判定した場合、駆動源の駆動制御を停止するので、駆動源に対して大きな負荷を与え続けることを防止でき、駆動源を保護することができる。
【0017】
本発明の車両用開閉体の駆動装置によれば、駆動源は、開閉体への動力を断続する動力断続機構を備え、コントローラは、異常判定手段が前記開閉機構の異常を判定した場合、駆動源の駆動制御が終了しても動力断続機構の接続状態を保持するので、開閉体の閉塞方向への動作を停止させて、この停止開度を保持することができる。
【0018】
本発明の車両用開閉体の駆動装置によれば、コントローラは、異常判定手段が開閉機構の異常を判定した場合、駆動源を開閉体が閉塞する方向へ駆動させるので、開閉体を閉塞状態にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態である車両用自動開閉装置が設けられた車両の後端部を示す側面図であり、図2は図1に示す車両のバックドアが開かれた状態を示す側面図である。
【0020】
図1に示すように、車両10の後端部の開口には、開閉体としてのバックドア11が設けられており、このバックドア11は、ヒンジ(開閉機構)12を介して車体13のルーフ部13aに装着されている。バックドア11は、ロック機構(開閉機構)14を備え、図1に示すようにロック機構14によって施錠された略垂直となる全閉位置と、図2に示すようにロック機構14を開錠して略水平とされた全開位置との間の約90度の範囲で上下方向に開閉自在となっている。
【0021】
車両10には、バックドア11を自動的に開閉するための車両用開閉体の駆動装置15が設けられており、この駆動装置15は、車体13のリアピラー13bの内部に搭載される駆動ユニット16を有している。
【0022】
図3は図2に示す駆動ユニット16の詳細を示す正面図であり、この駆動ユニット16には、バックドア11を開閉駆動する駆動源としての電動モータ17が設けられこの電動モータ17には、コントローラ18が配線を介して接続されている。コントローラ18は、インストルメントパネルやリモコンキー等に設けられ、操作者がスイッチング操作する開閉スイッチ(スイッチング手段)からの開閉指令信号に応じて、電動モータ17の作動を制御するようになっている。
【0023】
電動モータ17の出力は、減速機構(図示せず)によって所定の回転数に減速され、高トルク化されてから出力軸19に伝達される。出力軸19の回転運動を直線往復運動に変換するために、駆動ユニット16にはラックアンドピニオン式の動力変換機構20が設けられている。
【0024】
動力変換機構20は、出力軸19に固定されるピニオンギヤ21と、ピニオンギヤ21に噛み合うラック22とを有しており、ラック22は、車体13に固定されるガイドレール23に支持されて、図3中水平方向に直線往復動自在となっている。また、ラック22の図3中右端部には、連結ロッド24の一端がボールジョイント(図示せず)を介して揺動自在に連結され、連結ロッド24の他端はバックドア11にボールジョイント(図示せず)を介して揺動自在に連結されており、これによりラック22の直線往復運動は連結ロッド24を介してバックドア11の開閉運動に変換される。したがって、電動モータ17が作動して出力軸19が回転すると、その回転運動がピニオンギヤ21を介してラック22の直線往復運動に変換されるとともにバックドア11の開閉運動に変換され、バックドア11は自動的に開閉動作する。
【0025】
バックドア11の開閉位置を検出するために、駆動ユニット16には、電動モータ17の回転に比例したパルス信号を出力する回転センサ(図示せず)が設けられており、この回転センサからのパルス信号をバックドア11の基準位置(たとえば全閉位置)を基準にカウントすることにより、コントローラ18はバックドア11の開閉位置を検出することができる。この場合、バックドア11が基準位置となったときに、この基準位置の検出信号を出力する図示しない基準位置センサが設けられ、基準位置センサからの検出信号を受けたときを起点としてパルス信号のカウントが開始される。そして、コントローラ18は検出されたバックドア11の開閉位置に基づいてバックドア11の開閉動作を制御する。
【0026】
バックドア11を手動によって開閉操作できるようにするために、図3に示すように、電動モータ17とバックドア11との間(電動モータ17と出力軸19との間)に電磁クラッチ(動力断続機構)25が設けられている。この電磁クラッチ25は、電動モータ17に連動する図示しない駆動側の摩擦板と、バックドア11の開閉動作に連動する図示しない従動側の摩擦板およびこれらの摩擦板を圧着させるための電磁力を発生する図示しないクラッチコイルとを備えた摩擦式となっており、クラッチコイルに対する通電を制御することにより、バックドア11と電動モータ17との間の動力伝達経路を断続することができる。ここで、本発明における開閉機構は、バックドア11と電動モータ17との間の動力伝達経路に設けられる部材、例えば、動力変換機構20や電磁クラッチ25を含む。
【0027】
電磁クラッチ25のクラッチコイルは、配線を介してコントローラ18に接続されており、電磁クラッチ25の断続制御は、コントローラ18によって行われる。バックドア11が全閉位置や半ドア位置あるいは全開位置にあって、その動作が停止しているときには、電磁クラッチ25は遮断状態とされており、この遮断状態から操作者が開閉スイッチをスイッチング操作してバックドア11の開閉動作が行われる際には、電磁クラッチ25は接続状態に切り替えられ、電動モータ17の動力がバックドア11に伝達されるようになっている。一方、バックドア11が手動により開閉操作されるときには、電磁クラッチ25は遮断状態に切り替えられ、バックドア11を電動モータ17から切り離し、これによりバックドア11を手動で開閉操作できるようにしている。
【0028】
図1および図2に示すように、バックドア11の手動による開放操作を補助して操作者の開放操作力を軽減するために、車体13とバックドア11との間には開放補助力発生装置(開閉機構)としての一対のガスステー26が、車両10の後端部の開口の左右側に装着されている。ガスステー26は、内部に窒素ガス等の高圧ガスが封入されたシリンダ26aと、シリンダ26aから図示しないシール部材を介して外部に突出されたロッド26bとを備えており、バックドア11が所定開度以上開いたときに高圧ガスのガス反力によりロッド26bがシリンダ26aから伸長して、バックドア11を開放方向に付勢する。バックドア11を手動で開放する際には、所定開度までバックドア11を開放させれば、それ以降の開度範囲では、ガスステー26の付勢力(ガス反力)により操作者の開放操作力が軽減される。
【0029】
また、バックドア11が全開位置にまで開放されたときには、バックドア11は、ガスステー26の付勢力によって図2に示すような全開位置に保持されるようになっている。一方、バックドア11が所定開度以下にまで閉塞された場合には、ガスステー26の付勢力は、バックドア11の自重を下回り、これによりバックドア11は自重により閉塞方向に付勢される。
【0030】
図1および図2に示すように、バックドア11の図中下端側と車体13との間にはロック機構14が設けられ、全閉位置にあるバックドア11は、このロック機構14により全閉状態に保持されている。このロック機構14は、全閉位置に保持されるバックドア11を自動的にアンラッチ状態、すなわち、ロック状態を開錠した状態にするリリーサ機構(図示せず)と、開放された状態から半ドア位置にまで閉塞されたバックドア11を、自動的に全閉位置にするクローザ機構(図示せず)とを有しており、リリーサ機構とクローザ機構は、バックドア11の開閉動作に連動してコントローラ18によりその作動が制御されるようになっている。
【0031】
図4は図3のコントローラ18の構成を示すブロック図であり、コントローラ18の内部には、駆動ユニット16の電動モータ17に所定の駆動電流を供給するモータ駆動部27と、電動モータ17に実際に流れている実電流値(負荷電流値)を読み取るモータ負荷検出部(負荷検出手段)28と、モータ負荷検出部28で検出した実電流値を積分処理し、この積分値を記憶する記憶部(記憶手段)29と、記憶部29に記憶された積分値と予め格納された所定のしきい値とを比較して、電動モータ17への負荷が異常であることを判定する異常判定部(異常判定手段)30と、が設けられている。
【0032】
コントローラ18の入力側には、配線を介してインストルメントパネルに設けられる開閉スイッチ(スイッチング手段)31が接続して設けられ、コントローラ18の出力側には、配線を介して駆動ユニット16を構成する電磁クラッチ25と電動モータ17とが接続されている。電動モータ17は配線を介してモータ負荷検出部28に接続されている。また、コントローラ18の出力側には、異常判定部30が異常であると判定した際に、運転者等の操作者やバックドア11の周囲にいる人等に警告音を発する警告ブザー32が配線を介して接続されている。
【0033】
次に、以上のように構成された本実施の形態における駆動装置15の動作について、図5ないし図9を用いて詳細に説明する。
【0034】
図5は図1の駆動装置15の作動を示すフローチャートであり、図6(図7)は電動モータへの負荷が正常でかつ常温雰囲気(低温雰囲気)での使用下におけるバックドアの開度と電動モータの実電流値との関係を示すグラフを、図8(図9)は電動モータへの負荷が異常でかつ常温雰囲気(低温雰囲気)での使用下におけるバックドアの開度と電動モータの実電流値との関係を示すグラフをそれぞれ示している。
【0035】
図5に示すように、ステップS1は、バックドア11が閉塞された全閉状態を示している。バックドア11が全閉状態から車両10を停車させるなどして荷物の積み下ろし作業を行うために、運転者等の操作者が開閉スイッチ31を開操作した場合(ステップS2)、コントローラ18は、開閉スイッチ31からの開指令信号を受けてロック機構14のリリーサ機構を作動させてバックドア11のロック状態を開錠し、同時にこれに連動して電磁クラッチ25を接続状態に切り替える(ステップS3)。その後、モータ駆動部27から電動モータ17に駆動電流を供給し、電動モータ17をバックドア11の開放方向に駆動制御する(ステップS4)。
【0036】
電動モータ17の駆動制御に伴い、バックドア11が開放方向に移動すると、回転センサのカウント値から、バックドア11が所定の開度に達したか否か、つまり、電動モータ17に流れる実電流値の積分を開始する積分開始開度A(例えば約50度)に達したか否かを判断し(ステップS5)、ステップS5でNOと判断した場合には、ステップS5の上流へ戻る。ステップS5でYESと判断されるとステップS6へ進み、このステップS6では、記憶部29が、モータ負荷検出部28が検出する電動モータ17に流れる実電流値(負荷電流値)を積分処理し、この積分処理された積分値を記憶する。続くステップS7では、記憶部29に記憶された積分値、すなわち、図8および図9で示す斜線部分の面積Sa,Sbを、異常判定部30に予め格納された所定のしきい値S(図中網掛部分の面積で表す)と比較する。
【0037】
ここで、図6および図7に示すように、バックドア11の積分開始開度A以降における電動モータ17の実電流値(負荷電流値)が、異常判定部30に予め格納された過負荷基準値L(図中一点鎖線)以下である場合には、記憶部29における積分値はゼロ(面積ゼロ)となり、これにより、電動モータ17にはガスステー26の正規の付勢力が加勢されており、電動モータ17は正規の負荷範囲で駆動していると異常判定部30が判定して(ステップS7でNOと判断)、ステップS7からステップS8に進む。
【0038】
続くステップS8では、バックドア11が全開位置に達したか否かを回転センサのカウント値から判断し、全開位置に達していない場合にはNOへ進み、バックドア11が全開位置に達するまで電動モータ17を駆動する。ステップS8でバックドア11が全開位置に達したと判断(YESと判断)した場合には、ステップS9に進み、コントローラ18によって電磁クラッチ25を遮断して電動モータ17とバックドア11との動力伝達経路を遮断し、その後、電動モータ17を停止させる(ステップS10)。この結果、ガスステー26の付勢力によってバックドア11が全開状態に保持される(ステップS11)。
【0039】
一方、図8および図9に示すように、バックドア11の積分開始開度A以降おける電動モータ17の実電流値(負荷電流値)が、過負荷基準値L(図中一点鎖線)以上である場合には、記憶部29における積分値はゼロ以上、例えば、図8に示すように「積分値Sa>しきい値S」、また、図9のように「積分値Sb≫しきい値S」となる。これにより、電動モータ17には、ガスステー26の正規の付勢力が加勢しておらず、電動モータ17は過負荷の範囲で駆動していると異常判定部30が判定して(ステップS7でYESと判断)、ステップS7からステップS12に進む。
【0040】
続くステップS12では、異常判定部30が、ガスステー26の付勢力が不足して異常であると判断、つまり、バックドア11を全開保持することが不可能であると判断し、続くステップS13でモータ駆動部27によって電動モータ17を停止させる。このとき、電磁クラッチ25は接続状態が保持されている。その後、ステップS14で警告ブザー32をON制御して警告ブザー32を鳴らし、運転者等の操作者やバックドア11の付近にいる人等に異常状態を知らせるとともに、点検や修理を促すようにしている。
【0041】
ステップS14で警告ブザー32をON制御した後、警告ブザー32を鳴らした状態で、モータ駆動部27が電動モータ17をバックドア11が閉塞する方向へ低速で駆動制御する(ステップS15)。続くステップS16では、バックドア11が閉塞したか否か、つまり、バックドア11が全閉位置にあるか否かを判断し、全閉位置にない場合はステップS16の上流に戻り、モータ駆動部27が電動モータ17を駆動し続ける。ステップS16でYESと判断、つまり、コントローラ18が回転センサのカウント値からバックドア11が全閉位置にあると判断すると、続くステップS17で電磁クラッチ25を遮断状態にするとともに、ロック機構14のクローザ機構を作動させてバックドア11を施錠する。その後、ステップS18で電動モータ17の駆動を停止させ、ステップS19で警告ブザー32をOFF制御して警告ブザー32を止める。これにより、バックドア11が閉塞されて全閉状態となる(ステップS20)。
【0042】
ここで、異常判定部30に予め格納される過負荷基準値Lは、夏季や冬季における温度変化によって変化するガスステー26の付勢力(ガス反力)の変化に応じて変化させることもでき、この場合、例えば、ガスステー26のシリンダ26aに温度センサを設けて温度変化を検出するようする。また、異常判定部30に予め格納されるしきい値Sの設定の仕方については、バックドア11の重量や電動モータ17のトルク特性等を考慮して設定するようにする。このとき、電動モータ17の保守性を考慮して電動モータ17に対する実際の過負荷よりも小さな負荷値に設定することが望ましい。
【0043】
さらに、バックドア11の開放方向への駆動制御時に、障害物に接触するなどして電動モータ17に大きな負荷が掛かる場合を考慮して、安全装置を設けることもできる。この場合、大きな負荷を検出すると、電動モータ17の電流値が急激に変化することから、電動モータ17の電流値の変化率を、電流値を微分することによって、上述のような大きな負荷を求めることができる。そして、所定の大きな電流値の変化率を検出した場合には、バックドア11に障害物が接触しているとして、電動モータ17を停止させたり、バックドア11を所定量(例えば約10度)閉塞方向へ駆動制御させたりするようにする。
【0044】
以上詳述したように、本実施の形態によれば、モータ負荷検出部28が電動モータ17の実電流値(負荷電流値)を検出して、検出された実電流値を記憶部29が積分処理し、記憶部29に記憶された積分値が所定のしきい値Sを超えた場合、異常判定部30がガスステー26の付勢力が低下、すなわち、ガスステー26が異常であると判断するようにしたので、バックドア11の下降を検出することなく、ガスステー26の異常を検出することができる。したがって、運転者等の操作者やバックドア11の付近にいる人等に不安を与えることが無く、また、バックドア11の自重や下降時における慣性力によって、ヒンジ12や電動モータ17に大きな負荷を与えたりすることを未然に防ぐことができる。
【0045】
また、コントローラ18は、異常判定部30がガスステー26の異常を判定した場合、電動モータ17の駆動制御を停止した後、電動モータ17を閉塞方向へ駆動するので、電動モータ17に対して大きな負荷を与え続けることを防止でき、電動モータ17を焼付け等から保護することができる。さらに、バックドア11を全閉状態にするようにしたので、電動モータ17の電磁クラッチ25に負荷を与え続けない状態にすることができる。
【0046】
次に、上述した本発明における一実施の形態における変形例について図10を用いて説明する。図10は図5のフローチャートにおけるステップS7でYESと判断した場合の処理の変形例を示している。
【0047】
図10に示すように、ステップS7でYESと判断した後、すなわち、電動モータ17に対してガスステー26の正規の付勢力が加勢しておらず、電動モータ17が過負荷の範囲で駆動していると異常判定部30が判定した後、コントローラ18はバックドア11の全開保持が不可能と判断し(ステップS21)、電動モータ17を停止する(ステップS22)。続くステップS23では、電動モータ17を停止した状態で電磁クラッチ25の接続状態を保持し、ステップS24で、警告ブザー32をON制御して警告ブザー32を鳴らし、運転者等の操作者やバックドア11の付近にいる人等に異常状態を知らせるとともに、点検や修理を促すようにする。その後、ステップS25では、バックドア11が停止された停止開度にバックドア11を保持する。
【0048】
以上のような本変形例においても、運転者等の操作者やバックドア11の付近にいる人等に不安を与えることが無く、また、バックドア11の自重や下降時における慣性力によって、ヒンジ12や電動モータ17に大きな負荷を与えたりすることを未然に防ぐことができる。さらに、電動モータ17の駆動制御が終了しても電磁クラッチ25の接続状態を保持するようにしたので、電動モータ17に対して大きな負荷を与え続けることを防止でき、電動モータ17を焼付け等から保護することができる。また、バックドア11の閉塞方向への動作、すなわち、バックドア11の下降を防止して、バックドア11の停止状態を保持することができるので、荷物の積み下ろし作業等をその状態で行うことができる。
【0049】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、本実施の形態においては、開閉機構として開放補助力発生装置であるガスステー26の異常を判定するものを示したが、本発明はこれに限らず、たとえば、開閉機構としての車体側のヒンジやロック機構、あるいは、駆動装置を構成する動力変換機構や電磁クラッチの異常を判定することもできる。具体的には、本発明は駆動源の負荷を検出して異常状態を判定するため、ヒンジの油脂不足による回転抵抗の増大やロック機構の故障による未開錠、動力変換機構のギア欠損によるロック状態、電磁クラッチのフェイルによる接続維持等を検出することができる。
【0050】
また、ガスステー26のガス反力低下時における電動モータ17の保護に限らず、例えば、バックドア11への積雪による重量増時における電動モータ17の保護をすることもできる。
【0051】
さらに、本実施の形態においては、開放補助力発生装置として、車体13とバックドア11との間に装着される一対のガスステー26を用いたものを示したが、本発明はこれに限らず、ガスステー26は車両10の開口の一方側にだけ設けても良く、また、トーションバー等の付勢力を発生する装置を用いるようにしてもよい。
【0052】
また、本実施の形態においては、動力断続機構として、摩擦式の電磁クラッチ25を用いたものを示したが、本発明はこれに限らず、電動モータ17とバックドア11との間の動力伝達経路を断続することができるものであれば、他の形式のクラッチを用いるようにしてもよい。また、動力断続機構は、電動モータ17と出力軸19との間に設けるに限らず、バックドア11と電動モータ17との間に設けられていればよいものである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施の形態である車両用自動開閉装置が設けられた車両の後端部を示す側面図である。
【図2】図1に示す車両のバックドアが開かれた状態を示す側面図である。
【図3】図2に示す駆動ユニットの詳細を示す正面図である。
【図4】図3のコントローラの構成を示すブロック図である。
【図5】図1の駆動装置の作動を示すフローチャートである。
【図6】電動モータへの負荷が正常でかつ常温雰囲気での使用下におけるバックドアの開度と電動モータの実電流値との関係を示すグラフである。
【図7】電動モータへの負荷が正常でかつ低温雰囲気での使用下におけるバックドアの開度と電動モータの実電流値との関係を示すグラフである。
【図8】電動モータへの負荷が異常でかつ常温雰囲気での使用下におけるバックドアの開度と電動モータの実電流値との関係を示すグラフである。
【図9】電動モータへの負荷が異常でかつ低温雰囲気での使用下におけるバックドアの開度と電動モータの実電流値との関係を示すグラフである。
【図10】図5のフローチャートにおけるステップS7でYESと判断した場合の処理の変形例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
10 車両
11 バックドア(開閉体)
12 ヒンジ(開閉機構)
13 車体
13a ルーフ部
13b リアピラー
14 ロック機構(開閉機構)
15 駆動装置
16 駆動ユニット
17 電動モータ(駆動源)
18 コントローラ
19 出力軸
20 動力変換機構(開閉機構)
21 ピニオンギヤ
22 ラック
23 ガイドレール
24 連結ロッド
25 電磁クラッチ(動力断続機構,開閉機構)
26 ガスステー(開閉機構,開放補助力発生装置)
26a シリンダ
26b ロッド
27 モータ駆動部
28 モータ負荷検出部(負荷検出手段)
29 記憶部(記憶手段)
30 異常判定部(異常判定手段)
31 開閉スイッチ(スイッチング手段)
32 警告ブザー
A 積分開始開度
L 過負荷基準値
S しきい値




 

 


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