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発明の名称 荷掛け装置及び自動二輪車
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−118740(P2007−118740A)
公開日 平成19年5月17日(2007.5.17)
出願番号 特願2005−312333(P2005−312333)
出願日 平成17年10月27日(2005.10.27)
代理人 【識別番号】100065868
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 嘉宏
発明者 梅谷 一郎
要約 課題
外観デザインを損なうことなく、しかも、荷物を固定するフックとしての機能を安定して発揮できる荷掛け装置を提供すること。

解決手段
車体に案内筒21を設け、この案内筒21内に、前記車体の表面に沿う格納状態と、この車体から突出する突出状態とに変化可能な頭部25を有するフック24を設け、このフック24と前記案内筒21との間に、このフック24を前記案内筒21内に格納状態で保持する格納保持溝31と、このフック24を前記案内筒21から突出させた突出状態で保持する突出保持溝32とを有する保持機構30を設ける。
特許請求の範囲
【請求項1】
車体に設ける荷掛け装置であって、
前記車体に案内筒を設け、
該案内筒内に、前記車体の表面に沿う格納状態と該車体から突出する突出状態とに変化可能な頭部を有するフックを設け、
該フックと前記案内筒との間に、該フックを前記案内筒内に格納状態で保持する格納保持部と、該フックを前記案内筒から突出させた突出状態で保持する突出保持部とを有する保持機構を設けた荷掛け装置。
【請求項2】
前記案内筒と前記フックとの間に、前記フックの前記格納保持部と前記突出保持部との間で、該フックを前記案内筒の軸長方向に案内する案内機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載の荷掛け装置。
【請求項3】
前記案内機構を、前記フックに設けたピンと、該ピンの前記案内筒の軸長方向移動を可能とする案内溝とで構成し、前記保持機構を、該案内溝のフック格納位置とフック突出位置とで前記ピンの軸長方向移動を抑止する保持溝で構成したことを特徴とする請求項2に記載の荷掛け装置。
【請求項4】
前記フックの頭部を前記保持筒の軸長方向と交差する方向に延びる楕円状に形成し、該頭部の回動角度を、前記ピンの前記フック格納位置と前記軸長方向に移動する位置と前記フック突出位置とで異ならせたことを特徴とする請求項3に記載の荷掛け装置。
【請求項5】
前記車体の側部を覆うサイドカバーの上面を車体幅方向の下方に向けて延びる傾斜面に形成し、請求項1〜4のいずれか1項に記載の荷掛け装置の前記頭部が前記サイドカバーの傾斜面に沿うように該荷掛け装置を上向きに設けたことを特徴とする自動二輪車。
【請求項6】
前記フックの頭部を前記車体の前後方向に延びる楕円状に形成し、該フックの前記フック格納位置と前記フック突出位置とで、該頭部が前記車体の前後方向に延びる位置で保持されるように構成したことを特徴とする請求項5に記載の自動二輪車。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車等に荷物を固定する荷掛け装置に関し、詳しくは、自動二輪車のシート等に荷物を固定するときに車体の表面から突出させて使用するフックを設けた荷掛け装置とそれを備えた自動二輪車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、一般的な自動二輪車には、運転者用シートの後部に同乗者用シートが設けられている。この同乗者用シートは、同乗者が乗る場合にはシートとして機能するが、運転者のみが乗る場合には荷物を載せるための荷台として使用する場合がある。このため、同乗者用シートの側部には、この同乗者用シートに載せた荷物を固定するための紐を掛けるフックが設けられている。
【0003】
この種のフックを設けた荷台装置として、例えば、車体の側部を覆うサイドカバーの上下方向の中途部に、同乗者用シートに荷物を縛り付ける紐状体を係脱させるフックを設けると共に、サイドカバーの中途部に、このフックを外側面から外方に後退可能に突出させる開口を設けたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平7−329854号公報(第4−5頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年の自動二輪車は、外観に種々のデザインが採用されている。例えば、ロードスポーツタイプの自動二輪車では、前輪の後部からエンジンの側部を覆うようなフェアリングが設けられ、運転者用シートの後方に設けられる同乗者用シートの下側には、本体の側部を覆う樹脂製のサイドカバー(リヤカウリング)が設けられている。このサイドカバーは、前記ロードスポーツタイプの自動二輪車では、前記同乗者用シートが運転者用シートよりも一段高くなるように配置されているので、後方に向って上向きに傾斜する独自の外観デザインを採用する場合が多い。しかも、このデザインとして、例えば、幅方向に膨出する独自の形状のサイドカバーを設ける場合もある。
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に記載されたフックでは、サイドカバーの表面に設けた大きな開口からフックを後退可能に突出させる構成であるため、サイドカバーの側面に大きな開口が現れて外観デザインを害する場合がある。しかも、特許文献1のように垂直方向の壁面からフックを突出させる場合、このフックに掛けた紐が樹脂製のサイドカバー上部を傷付ける場合もある。
【0006】
その上、前記したように、近年の外観デザインでは、後方に向って上向きに傾斜すると共に、幅方向に膨出する独自の形状のサイドカバーを採用して垂直方向の壁面が無い場合もあり、このような外観デザインのサイドカバーを採用する場合には、そのサイドカバーの外観デザインを損なうことなく安定して使用できる荷掛け装置を備えたい。
【0007】
そこで、本発明は、自動二輪車等の外観デザインを損なうことなく、しかも、荷物を固定するフックとしての機能を安定して発揮できる荷掛け装置と、それを備えた自動二輪車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の荷掛け装置は、車体に設ける荷掛け装置であって、前記車体に案内筒を設け、該案内筒内に、前記車体の表面に沿う格納状態と該車体から突出する突出状態とに変化可能な頭部を有するフックを設け、該フックと前記案内筒との間に、該フックを前記案内筒内に格納状態で保持する格納保持部と、該フックを前記案内筒から突出させた突出状態で保持する突出保持部とを有する保持機構を設けている。
【0009】
これにより、フックを使用する時には車体の表面から頭部を突出させた状態で保持し、フックの不使用時には車体の表面に沿うように頭部を案内筒内に格納させた状態で保持して、外観デザインを損なうことなく使用することができる。
【0010】
また、前記案内筒と前記フックとの間に、前記フックの前記格納保持部と前記突出保持部との間で、該フックを前記案内筒の軸長方向に案内する案内機構を設けてもよい。
【0011】
これにより、フックの格納位置と突出位置との間でフックを安定して軸長方向に案内することができる。
【0012】
さらに、前記案内機構を、前記フックに設けたピンと、該ピンの前記案内筒の軸長方向移動を可能とする案内溝とで構成し、前記保持機構を、該案内溝のフック格納位置とフック突出位置とで前記ピンの軸長方向移動を抑止する保持溝で構成してもよい。
【0013】
これにより、フックに設けたピンを案内溝と保持溝とに沿って軸長方向に移動させることにより、フックを格納状態と突出状態との間でスムーズに変化させて保持することができる。
【0014】
その上、前記フックの頭部を前記保持筒の軸長方向と交差する方向に延びる楕円状に形成し、該頭部の回動角度を、前記ピンの前記フック格納位置と前記軸長方向に移動する位置と前記フック突出位置とで異ならせてもよい。
【0015】
これにより、フックの軸長方向への移動が可能な状態と保持状態とを外観で判断することができる。このピンの格納位置は前記フック格納位置に設けた保持溝の位置であり、軸方長向に移動する位置は前記案内溝の位置であり、突出位置は前記フック突出位置に設けた保持溝の位置である。
【0016】
一方、本発明の自動二輪車は、前記車体の側部を覆うサイドカバーの上面を車体幅方向の下方に向けて延びる傾斜面に形成し、前記いずれかの荷掛け装置の前記頭部が前記サイドカバーの傾斜面に沿うように該荷掛け装置を上向きに設けている。
【0017】
この自動二輪車によれば、同乗者用シートに荷物を積むときに、サイドカバーから突出させたフックに掛ける紐をサイドカバーから離れた位置で係止して荷物を固定できるので、この紐がサイドカバーを傷付けることがないように荷物を確実に固定することができる。
【0018】
また、前記フックの頭部を前記車体の前後方向に延びる楕円状に形成し、該フックの前記フック格納位置と前記フック突出位置とで、該頭部が前記車体の前後方向に延びる位置で保持されるように構成してもよい。
【0019】
これにより、フックの格納状態及び突出状態で、フックの頭部の形状が自動二輪車全体の外観デザインを損なうことがないようにできる。しかも、この場合、楕円状の頭部の前後方向に延びる部分で紐を確実に係止することができる。なお、この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「前、後、左、右」の概念は、自動二輪車のシートに乗った運転者から見た方向の概念と一致するものとして用いる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、以上説明したような手段により、外観デザインを損なうことなく突出又は格納状態で確実に保持することができるフックを備えた荷掛け装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る荷掛け装置を備えた自動二輪車の全体構成を示す側面図である。この実施の形態では、並列四気筒の4サイクルエンジンを搭載したロードスポーツタイプの自動二輪車を例に説明する。図2は、本発明の実施の形態に係る荷掛け装置の正面図であり、図3は、図2に示す荷掛け装置の右側面図、図4は、図2に示す荷掛け装置の平面図、図5は、図2に示すV−V断面図、図6は、図2に示す荷掛け装置の可動状態を上側から示す斜視図、図7は、図2に示す荷掛け装置の可動状態を下側から示す斜視図である。
【0022】
図1に示すように、自動二輪車1には、車体(この明細書及び特許請求の範囲の書類中において車体とは、主に自動二輪車等のエンジン・車輪等を除いたもの全てを概ね含むものとする。)の骨格を形成するフレーム2が設けられ、このフレーム2には、車体の前部に位置するヘッドパイプ2Bと、このヘッドパイプ2Bから車体後方の斜め下方に向けて延設されたメインフレーム2Aと、このメインフレーム2Aの後部に形成されたピボットフレーム2Cと、このピボットフレーム2Cから車体後方に向けて延設された後部フレーム2Dとが備えられている。この自動二輪車1は、所定のキャスター角をもって略上下方向に設けられたフロントフォーク3を備え、このフロントフォーク3の下部には操舵輪である前輪4が回転自在に軸支されている。フロントフォーク3の上部には図示しないステアリングシャフトを介してバー型のステアリングハンドル5が取り付けられている。ステアリングシャフトはフレーム2を構成するヘッドパイプ2Bによって回動自在に軸支されており、運転者がステアリングハンドル5を左右に揺動させることで前輪4が所望の方向に操舵される。前記ピボットフレーム2Cには、略前後方向に延びるスイングアーム7の前端部が枢支されており、このスイングアーム7の後端部に駆動輪である後輪6が設けられている。この後輪6は、チェーン8等を介してエンジンEで駆動されている。また、この自動二輪車1の場合、フレーム2の前部からフロントフォーク3の上部、及びエンジンEの前部と両側部を覆うようにしてフェアリング9が設けられている。このフェアリング9の前部にはヘッドライト10が設けられている。
【0023】
さらに、メインフレーム2Aの上側には燃料タンク11が設けられており、この燃料タンク11の後側における前記後部フレーム2Dの上側には運転者用シート12が設けられている。この運転者用シート12の後部は、一段高くなった同乗者用シート13として形成されている。この同乗者用シート13の更に後方には、テールランプ(ブレーキランプ)14が設けられている。同乗者用シート13の両側部の下側における前記後部フレーム2Dの側部には、この後部フレーム2Dの側部を覆う樹脂製のサイドカバー15(リヤカウリング)が設けられている。16は、方向指示ランプであり、17は、マフラーである。
【0024】
そして、前記サイドカバー15の内部(図2)に、荷掛け装置20が設けられている。図1には、荷掛け装置20の頭部25が見えている。この荷掛け装置20は、同乗者用シート13に荷物を安定して固定できる位置に設けられている(後述する図8)。この実施の形態では、同乗者用シート13の左右に各1個の荷掛け装置20が設けられている。この例では左右に各1個の荷掛け装置20を設けているが、左右に各2個の荷掛け装置20を設けてもよい。
【0025】
図2,3に示すように、前記荷掛け装置20には、前記車体、詳しくは前記サイドカバー15の表面に沿うように設けられるカバー部22を有する案内筒21が設けられている。この案内筒21は、中空円筒状の筒体23の一端に前記カバー部22が設けられたものであり、このカバー部22の裏面が、サイドカバー15の表面と面一となるように設けられる。
【0026】
案内筒21の内部には、フック24が設けられている。このフック24は、前記案内筒21内の中空円筒部に沿って軸長方向に移動するフック本体26と、このフック本体26の一端に設けられた頭部25とを備えている。このフック24は、頭部25が前記カバー部22に接する格納状態と、この頭部25がカバー部22から突出した突出状態とに変化させることができるように、前記案内筒21の内部でフック本体26が軸長方向に移動可能となっている。フック本体26は、案内筒21の内部空間に沿って移動する円柱状に形成されている。図4に示すように、この実施の形態では、案内筒21のカバー部22とフック24の頭部25とが、平面視において、一方が尖り他方は端部が切れた翼断面形状のような略楕円状に形成されている。この略楕円状は、翼断面形状のような形状以外に、長軸と短軸とを有する長円状であってもよい。さらに、図示するように、カバー部22と頭部25とは、筒体23とフック本体26との軸芯に対して尖った方が長くなるように配置されている。
【0027】
また、図2,3に示すように、これら前記案内筒21と前記フック24との軸芯の間には、フック24を前記案内筒21の軸長方向に案内する案内機構28が設けられている。この案内機構28の具体的な構成としては、前記フック24のフック本体26の一部に外向きに突出するように設けられたピン27と、このピン27を前記案内筒21の略軸長方向に移動可能に案内する案内筒21の案内溝29とで構成されている。フック本体26の所定位置に設けられたピン27は、軸長方向と略直交する方向に設けられ、案内溝29に沿って移動する径で形成されている。これらにより、フック24のピン27が案内筒21の案内溝29に沿って移動して、フック24が案内筒21の軸長方向に移動可能となっている。この構成の場合、案内筒21のカバー部側からフック本体26を挿入し、案内溝29の外側からフック本体26にピン27を設けることにより、案内筒21内でフック本体26が軸長方向に移動可能なように構成することができる。このピン27としては、スプリングピンが好ましい。
【0028】
さらに、これら案内筒21とフック24との間には、このフック24を前記案内筒21内に格納した格納状態で保持する格納保持部たる格納保持溝31と、このフック24を前記案内筒21から突出させた突出状態で保持する突出保持部たる突出保持溝32とを備えた保持機構30が設けられている。格納保持溝31は、案内筒21にフック24を格納して頭部25がカバー部22と接した状態(近接状態含む)を保ってフック24が案内筒21の軸長方向に移動するのを抑止するように、案内筒21の軸長方向と略直交する方向に形成されている。この格納保持溝31は、図示するように案内筒21の反カバー部側に形成されており、前記ピン27が案内筒21の軸長方向に移動するのを抑止している。また、前記突出保持溝32は、案内筒21から頭部25を突出させた状態を保ってフック24が案内筒21の軸長方向に移動するのを抑止するように、案内筒21の軸長方向と略直交する方向に形成されている。この突出保持溝32は、図示するように案内筒21のカバー部側に形成されており、前記ピン27が案内筒21の軸長方向に移動するのを抑止している。
【0029】
この案内筒21の軸長方向と略交差する方向に形成された保持溝31が前記ピン27のフック格納位置に設けられた保持溝であり、同様に案内筒21の軸長方向と略交差する方向に形成された保持溝32が前記ピン27のフック突出位置に設けられた保持溝であり、これらの保持溝31,32と、前記案内筒21の軸長方向に設けられた案内溝29とを連通させることによって、クランク状に屈曲して連続する溝が形成されている。
【0030】
その上、これらの保持溝31,32には、フック24のピン27を機械的に格納位置と突出位置とに保持する構成が設けられている。その具体的な構成としては、前記保持溝31,32に外周側から挿入する板状のバネ材33が設けられ、このバネ材33によって、前記ピン27が保持溝31,32から案内溝29側へ簡単に移動しないようにしている。このバネ材33は、図2に示すように断面L字状に曲げられた板材であり、バネ材33の案内溝29に挿入する側には小さな突起34が形成され、もう一方の側にはビス36で案内筒21に固定する取付孔35(図3)が形成されている。このバネ材33は、取付孔35(図3)をビス36で案内筒21に固定することにより、突起34が保持溝31,32の内部に位置するように設けられる。これにより、案内溝29から突起34を超えて保持溝31,32の反案内溝側に移動したピン27が、案内溝29側へ容易に移動しないようにして、格納状態と突出状態とを保てるようにしている。この実施の形態では、バネ材33の突起34によってフック24のピン27が移動するのを抑止してフック24を格納状態と突出状態とで保持するようにしているが、他の構成によってフック24を格納状態と突出状態とで保持するようにしてもよい。
【0031】
また、図5に示すように、フック本体26と案内筒21との間には、フック24を突出させるように付勢する圧縮スプリング37が設けられている。フック本体26の反頭部側には、凹状のスプリング座38が形成されており、案内筒21の反カバー部側の側部外面には、図3に示すようにボルト40を固定するネジ部39が設けられている。案内筒21の反カバー部側から内部にスプリング37を挿入した後、押え板41を前記ボルト40で案内筒21に固定することによりスプリング37のセットが完了する。図5に示すように、このスプリング37の力により、フック24を突出させる時(引き出す時)にフック本体26が自動的に突出するように構成されている。フック24を格納する時は、人手でスプリング37の力に抗してフック本体26を押し込むことにより格納することができる。さらに、この案内筒21の外面には、後述するように自動二輪車1の後部フレーム2Dに取付けるためのブラケット42が設けられている。このブラケット42には、取付けのための雌ねじが形成されている。
【0032】
図6,7に示すように、以上のように構成された荷掛け装置20によれば、実線で示す格納状態では、案内筒21に設けられたカバー部22に沿うようにフック24の頭部25が位置している。この案内筒21のカバー部22の裏面がサイドカバー15(図2)の表面と面一に設けられる。この時、フック本体26に設けられたピン27は、案内筒21に設けられた格納保持溝31の反案内溝側に位置している。この状態のピン27は、バネ材33の突起34(図3)を超えて格納保持溝31の反案内溝側に位置しているため、小さな力で案内溝29側へ移動するのはこのバネ材33の突起34によって抑止されている。
【0033】
この格納状態のフック24を引出す場合、頭部25を約90度回動させることにより、フック本体26に設けられたピン27を格納保持溝31から案内溝29へと移動させる。この状態の頭部25は二点鎖線aで示す状態となる。この回動時にピン27はバネ材33の突起34によって移動が抑止されるが、大きな力によって乗り越えさせる。
【0034】
ピン27が格納保持溝31から案内溝29に移動すると、フック本体26は案内筒21との間に設けられたスプリング37(図5)の力によって突出する方向に移動させられる。この突出させられたフック本体26の頭部25は、二点鎖線bで示す状態となる。
【0035】
そして、この突出した頭部25を更に約90度回動させることにより、フック本体26のピン27を突出保持溝32に沿って移動させる。この時、ピン27が突出保持溝32に設けられたバネ材33の突起34を乗り越えるようにフック本体26を回動させることにより、ピン27を突出保持溝32の反案内溝側まで移動させる。これにより、フック24を突出状態で保持することができる。この突出状態で保持した頭部25は、二点鎖線cで示す状態であり、前記格納状態の頭部25が約180度回動した状態となる。この実施の形態では、前記したように、平面視においてカバー部22と頭部25とを、一方が尖り他方は端部が切れた翼断面形状のような略楕円状に形成されているので、フック本体26が突出していることを外観で認識することができる。すなわち、図示するフック24を格納状態で保持した状態では、頭部25とカバー部22との尖った側が同一方向を向いており、フック本体26が案内筒21の軸長方向に移動可能な状態では、カバー部22に対して頭部25が約90度回動しており、フック24を突出状態で保持した状態では、頭部25の尖った側がカバー部22の尖った側と逆方向を向いているので、頭部25の外観によってフック24の状態を認識することができる。このようなフック24を自動二輪車1に設ける場合、後述するように前記頭部25の尖った側を本体前側に向けて取付けることにより、ロードスポーツタイプの自動二輪車1であっても外観デザインを損なうことがないようにできる。
【0036】
図8は、図1に示す自動二輪車の荷掛け装置を装備した部分を拡大して示す側面図であり、図9は、図8に示すIX−IX断面図である。これらの図では、前述した図1に示す構成には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0037】
図示するように、自動二輪車1の後部フレーム2Dには取付部43が設けられている。そして、前記荷掛け装置20は、この取付部43にブラケット42がボルト44で取付けられる。この後部フレーム2Dに取付けられた荷掛け装置20は、案内筒21のカバー部22の下面がサイドカバー15の外面と面一になるように取付けられている。
【0038】
一方、この自動二輪車1の後部フレーム2Dに設けられたサイドカバー15は、自動二輪車1の全体的な外観デザイン上、上面が水平方向の本体幅方向の外側下方に向けて緩やかに傾斜する曲面で形成され、下面がその曲面に連なって本体幅方向内側下方に向けて傾斜する曲面で形成され、全体として幅方向に膨出するような形態に形成されている。そして、前記荷掛け装置20がサイドカバー15の上面に設けられている。また、この実施の形態の荷掛け装置20は、外部に現れるカバー部22と頭部25とが翼断面形状のような略楕円状に形成されているので、サイドカバー15の上面に設けられても自動二輪車1の外観デザインを損なうことはない(図1参照)。
【0039】
さらに、この荷掛け装置20のフック24は、同乗者用シート13から車体横方向に出た位置で上向きに突出するので、このフック24に紐45を掛けて荷物46を固定したとしても、この紐45がサイドカバー15に当接してサイドカバー15を傷付けることはない。しかも、この突出状態のフック24の頭部25は、前後方向に延びる状態(図8)で保持されているので、紐45を前後で確実に係止して荷物46の確実な固定ができる。
【0040】
なお、この実施の形態における自動二輪車1は一例であり、荷掛け装置20を設ける自動二輪車1はロードスポーツタイプに限られるものではない。また、荷掛け装置20を設ける位置もサイドカバー15の上面に限られるものではなく、垂直方向の面に設けることも可能である。
【0041】
さらに、前記実施の形態では、カバー部22がサイドカバー15の表面から突出するようにラップしているが、このカバー部22がサイドカバー15の一部をなすようにして、カバー部22がラップしないように構成してもよい。このカバー部22は、省略した構成であってもよい。
【0042】
また、前記実施の形態では自動二輪車を例に説明をしたが、荷掛け装置20は、不整地走行用四輪車(ATV)や小型船舶(小型滑走艇;PWC)にも適用できる。
【0043】
さらに、前述した実施形態は一例を示しており、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本発明は前述した実施形態に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係る荷掛け装置は、荷物を積まない時には車体の外観デザインの一部を構成し、荷物を積む時には車体表面から突出して荷物を固定できるようなフックを備えたい自動二輪車や、不整地走行用四輪車(ATV)、小型滑走艇(PWC)等に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態に係る荷掛け装置を備えた自動二輪車の全体構成を示す側面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る荷掛け装置の正面図である。
【図3】図2に示す荷掛け装置の側面図である。
【図4】図2に示す荷掛け装置の平面図である。
【図5】図2に示すV−V断面図である。
【図6】図2に示す荷掛け装置の可動状態を前側から示す斜視図である。
【図7】図2に示す荷掛け装置の可動状態を後側から示す斜視図である。
【図8】図1に示す自動二輪車の荷掛け装置を装備した部分を拡大して示す側面図である。
【図9】図8に示すIX−IX断面図である。
【符号の説明】
【0046】
1…自動二輪車
15…サイドカバー
20…荷掛け装置
21…案内筒
22…カバー部
24…フック
25…頭部
27…ピン
28…案内機構
29…案内溝
30…保持機構
31…格納保持溝
32…突出保持溝





 

 


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