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車両制御装置 - 三菱電機株式会社
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発明の名称 車両制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−118742(P2007−118742A)
公開日 平成19年5月17日(2007.5.17)
出願番号 特願2005−312417(P2005−312417)
出願日 平成17年10月27日(2005.10.27)
代理人 【識別番号】100073759
【弁理士】
【氏名又は名称】大岩 増雄
発明者 清水 雄司
要約 課題
車両の運転者による障害物への衝突回避操作による車両行動不安定化をより有効に抑制する。

解決手段
車両Aに搭載され当該車両Aと当該車両Aに対する障害物Bとの相関情報である障害物情報を出力する障害物検出手段1、及び前記車両Aの運転者による前記障害物Bへの衝突回避操作による車両行動不安定化を前記障害物検出手段1の出力に基づいて自動的に抑制する車両行動自動安定化装置7を有する車両制御装置において、前記障害物検出手段1の出力に基づいて前記車両の運転者による前記障害物への衝突回避操作を推定する衝突回避操作推定手段9を備え、この衝突回避操作推定手段9の出力が、前記車両Aの運転者による前記障害物Bへの衝突回避操作とは独立して前記車両行動自動安定化装置7を作動させる。
特許請求の範囲
【請求項1】
車両に搭載され当該車両と当該車両に対する障害物との相関情報である障害物情報を出力する障害物検出手段、及び前記車両の運転者による前記障害物への衝突回避操作による車両行動不安定化を前記障害物検出手段の出力に基づいて自動的に抑制する車両行動自動安定化装置を有する車両制御装置において、
前記障害物検出手段の出力に基づいて前記車両の運転者による前記障害物への衝突回避操作を推定する衝突回避操作推定手段を備え、
この衝突回避操作推定手段の出力が、前記車両行動自動安定化装置を作動させる
ことを特徴とする車両制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両制御装置において、
前記衝突回避操作推定手段は、前記車両の運転者が前記障害物に対していずれの方向に操舵回避するかを推定する手段であり、
前記車両行動自動安定化装置は、前記車両の旋回時のロールを抑制する装置であり、
前記衝突回避操作推定手段による前記推定が、右方向操舵の場合、および左方向操舵の場合、の各々に対応して、前記車両行動自動安定化装置が前記ロールを抑制する
ことを特徴とする車両制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両制御装置において、
前記ロールの抑制は、前記車両の前後左右の各車輪のサスペンションの特性を変更することにより実行される
ことを特徴とする車両制御装置。
【請求項4】
請求項2に記載の車両制御装置において、
前記障害物検出手段が出力する前記障害物情報は、前記障害物と前記車両との間の走行方向の車間距離Y、および前記障害物と前記車両との間の相対速度Vrであり、
予め定められた衝突時間TTCと前記相対速度Vrとから操舵回避距離L1を算出する操舵回避距離算出手段を有し、
前記障害物と前記車両との間の前記車間距離Yが、前記操舵回避距離算出手段によって算出された前記操舵回避距離L1を下回ると、前記車両行動自動安定化装置による前記ロール抑制が行われる
ことを特徴とする車両制御装置。
【請求項5】
請求項2に記載の車両制御装置において、
前記障害物検出手段が出力する前記障害物情報は、前記障害物と前記車両との間の走行方向の車間距離Y、および前記障害物と前記車両との間の相対速度Vrであり、
予め定められた衝突時間TTC1と前記相対速度Vrとから第1の操舵回避距離L1を、前記衝突時間TTC1より小さな予め定められた衝突時間TTC2と前記相対速度Vrとから第2の操舵回避距離L2をそれぞれ算出する操舵回避距離算出手段を有し、
前記障害物と前記車両との間の前記車間距離Yが、前記操舵回避距離算出手段によって算出された前記第1の操舵回避距離L1を下回り尚且つ前記第2の操舵回避距離L2を上回る場合に、前記車両行動自動安定化装置による前記ロール抑制が行われる
ことを特徴とする車両制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載の車両制御装置において、
前記第2の操舵回避距離L2は、前記運転者の操舵回避によって前記障害物を回避できる最小車間距離である
ことを特徴とする車両制御装置。
【請求項7】
請求項2〜請求項6の何れか一に記載の車両制御装置において、
運転者による実操舵回避方向を検出する実操舵回避方向検出手段を有し、
前記衝突回避操作推定手段による前記推定と、前記実操舵回避方向検出手段によって検出された操舵回避方向とが異なる場合、前記実操舵回避方向検出手段によって検出された操舵回避方向に対応して前記車両行動自動安定化装置による前記ロール抑制が行われる
ことを特徴とする車両制御装置。
【請求項8】
請求項2〜請求項7の何れか一に記載の車両制御装置において、
前記障害物検出手段が出力する前記障害物情報は、前記障害物の前記車両からの前記車両の横方向の距離Xであり、
前記衝突回避操作推定手段は、前記障害物の前記車両からの前記車両の横方向の距離Xに基づいて、前記障害物の右方向に操舵回避する場合の自車両の移動量Y1および前記障害物の左方向に操舵回避する場合の自車両の移動量Y2を算出し、これら移動量Y1およびY2の大きさにより、前記運転者の操舵回避方向を推定する
ことを特徴とする車両制御装置。
【請求項9】
請求項1に記載の車両制御装置において、
前記車両行動自動安定化装置は、前記車両のブレーキ時のピッチングを抑制する装置である
ことを特徴とする車両制御装置。
【請求項10】
請求項1に記載の車両制御装置において、
前記車両行動自動安定化装置は、前記車両の旋回時のロールを抑制する機能および前記車両のブレーキ時のピッチングを抑制する機能を有する装置であり、
前記障害物検出手段が出力する前記障害物情報は、前記障害物と前記車両との間の走行方向の車間距離Y、および前記障害物と前記車両との間の相対速度Vrであり、
予め定められた衝突時間TTC1と前記相対速度Vrとから第1の操舵回避距離L1を、前記衝突時間TTC1より小さな予め定められた衝突時間TTC2と前記相対速度Vrとから第2の操舵回避距離L2をそれぞれ算出する操舵回避距離算出手段を有し、
前記障害物と前記車両との間の前記車間距離Yが、前記操舵回避距離算出手段によって算出された前記第1の操舵回避距離L1を下回り尚且つ前記第2の操舵回避距離L2を上回る場合に、前記車両行動自動安定化装置による前記ロール抑制が行われ、
前記障害物と前記車両との間の前記車間距離Yが、前記操舵回避距離算出手段によって算出された前記第2の操舵回避距離L2を下回る場合は、前記車両行動自動安定化装置による前記ピッチング抑制が行われる
ことを特徴とする車両制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両に搭載され当該車両と当該車両に対する障害物との相関情報である障害物情報を出力する障害物検出手段および前記車両の運転者による前記障害物への衝突回避操作による車両行動不安定化を前記障害物検出手段の出力に基づいて自動的に抑制する車両行動自動安定化装置を有する車両制御装置に関するもので、例えば、車両に設けられた障害物検知手段によって障害物を検知し、その障害物と自車両が衝突する危険性を判断して、警報手段、ブレーキ制御手段、等の作動による車両の衝突回避行動、衝撃軽減行動、によって、乗員を保護する車両制御装置に適用される。
【背景技術】
【0002】
衝突や追突事故を未然に防止する、もしくは衝突時の乗員への衝撃を緩和するものとして、レーダ装置によって自車両の進行方向に存在する障害物を検知し、自車両と障害物との衝突の有無や危険度を判断し、衝突の可能性があると判断された場合に、警報や自動ブレーキを作動させて衝突回避もしくは衝突時の衝撃の緩和を図るものがいくつも提案されている。
【0003】
また、衝突直前の自動ブレーキを待つまでもなく、可能であるならば運転者の意志により積極的に操舵回避行動を取ることによって障害物との衝突を回避することが可能な場合もあり、このような操舵回避行動に関して、特許文献1[特開平7−21500号公報]に記載されているように、衝突の可能性を判断するとともに、運転者の操舵操作を検出した際には、その操舵回避方向への車両の回頭性能が高まるように各車輪毎にブレーキ圧を制御する方法も提案されている。
【0004】
更には、特許文献2[特開平5−77627号公報]に記載されているような、衝突の可能性を判断して、自動操舵を行う際に車両のロールを抑えるようにサスペンション特性を変更する方法も提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開平7−21500号公報(図6及びその説明)
【特許文献2】特開平5−77627号公報(図6及びその説明)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1においては、運転者の操舵操作をトリガとして各車輪のブレーキ圧を制御することから、実際には運転者による操舵回避操作の開始時には、前記特許文献1記載の効果を十分には得ることが出来ない。これは、ブレーキ圧の上昇指令を実行し始めてから実際にブレーキが掛かるまでには、油圧を介していることによる伝達の遅れ時間が必要となるからである。従って前記特許文献1に記載の方法の場合、実際には操舵回避行動中の途中から効果が現れることになる。
【0007】
前記特許文献2に記載の方法に関しても同様で、サスペンション特性を変更するには応答時間が必要であり、自動操舵を行うと同時にサスペンション特性を変更していては操舵回避中に十分な効果を得ることは出来ない。
【0008】
この発明は、前述のような実情に鑑みてなされたもので、車両の運転者による障害物への衝突回避操作による車両行動不安定化をより有効に抑制することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る車両制御装置は、車両に搭載され当該車両と当該車両に対する障害物との相関情報である障害物情報を出力する障害物検出手段、及び前記車両の運転者による前記障害物への衝突回避操作による車両行動不安定化を前記障害物検出手段の出力に基づいて自動的に抑制する車両行動自動安定化装置を有する車両制御装置において、前記障害物検出手段の出力に基づいて前記車両の運転者による前記障害物への衝突回避操作を推定する衝突回避操作推定手段を備え、この衝突回避操作推定手段の出力が、前記車両行動自動安定化装置を作動させるものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明は、車両に搭載され当該車両と当該車両に対する障害物との相関情報である障害物情報を出力する障害物検出手段、及び前記車両の運転者による前記障害物への衝突回避操作による車両行動不安定化を前記障害物検出手段の出力に基づいて自動的に抑制する車両行動自動安定化装置を有する車両制御装置において、前記障害物検出手段の出力に基づいて前記車両の運転者による前記障害物への衝突回避操作を推定する衝突回避操作推定手段を備え、この衝突回避操作推定手段の出力が、前記車両行動自動安定化装置を作動させるので、前記車両の運転者による前記障害物への衝突回避操作に先駆けて前記車両行動自動安定化装置を作動させることが可能となり、車両の運転者による障害物への衝突回避操作による車両行動不安定化をより有効に抑制することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施の形態1.
以下この発明の実施の形態1を図1〜図6により説明する。図1は車両制御装置の全体構成の事例を示すブロック図、図2は図1における車両制御ECUの動作フローを示すフロー図、図3は図2における回避方向の推定動作(ステップS13)の動作フロー示すフロー図、図4は操舵回避距離の概念の事例を示す概念図、図5は障害物に対する自車両の推定位置の概念の事例を示す概念図、図6は障害物を左右方向に操舵回避する場合の自車両の横方向の移動量(オーバーラップ量)事例を示す概念図である。なお、各図中、同一符合は同一部分を示す。
【0012】
この発明の実施の形態1における車両制御装置は、図1にその事例を示すように、自車両と前方障害物の少なくとも相対速度と前後左右方向の相対距離とを出力する障害物検出手段1と、障害物への操舵回避が必要であることを示す操舵回避距離を出力する操舵回避距離算出手段2と、障害物との前後方向(走行方向)の相対距離(車間距離等)と前記操舵回避距離に基づき障害物に対する操舵回避の必要性を判断する操舵回避必要性判断手段3と、運転者が前記障害物に対して左右いずれの方向に操舵回避するかを推定する操舵回避方向推定手段4と、自車両に設置され自車両旋回時の回転角速度を測定する旋回角速度検出手段5と、自車両に設置され自車両の走行速度を検出する車速検出手段6と、自車両旋回時の自車両のロールやブレーキ時のピッチング等を抑制する車両行動自動安定化手段7とによって構成されている。なお、障害物とは、自車両の前方/後方の他車両、電柱や建物などの建造物、岩壁、樹木、渓谷などの無反射空間、等の総称である。
【0013】
前記障害物検出手段1は、例えばミリ波レーダやレーザーレーダに代表される非接触式のセンサ等やその検出値を出力する出力手段等である。例えば前記ミリ波レーダは、自車両の前面中央部に装着され、自車両前方に向けて電波を発信し、障害物からの反射波が戻ってくるまでの時間から障害物との前後方向の相対距離X[m]を、反射波の戻ってくる方向から障害物との車幅方向の相対距離Y[m]を、ドップラー効果による反射波の周波数変化から障害物との相対速度Vr[m/s]を、それぞれ求めることが出来る。
また、前記障害物検出手段1による検出結果は、シリアル通信やCAN通信等の通信手段によって所定の周期毎に出力する。
【0014】
前記操舵回避距離算出手段2と前記操舵回避必要性手段3と前記操舵回避方向推定手段4は、車両制御ECU(Electronic Control Unit(電子制御装置)8に組み込まれた個々の機能である。
【0015】
また、前記操舵回避距離算出手段2と前記操舵回避必要性手段3と前記操舵回避方向推定手段4とは、衝突回避操作推定手段9を構成している。この衝突回避操作推定手段9は自車両の運転者による衝突回避操作(操舵、ブレーキ操作等)を、前記障害物検出手段1の出力、前記角速度検出手段5の出力、前記車速検出手段6の出力、等から、前記運転者による衝突回避操作前に推定する機能(その詳細は後述する)を有している。
【0016】
前記角速度検出手段5は、例えば自車両に設置された周知のヨーレートセンサである。なお、ヨーレートセンサは、自車両の旋回速度であるヨーレート(yaw rate)を検出するセンサである。
【0017】
前記車速検出手段6は、自車両に設置された車速センサで、自車両の走行速度を検出するセンサである。
【0018】
前記車両行動自動安定化手段7は、例えば各車輪に設けられていてそのチャンバーの容量を変更することによって空気ばね特性の調整が可能なエアサスペンション、その調整駆動装置、その調整駆動制御装置などで構成され、前記衝突回避操作推定手段9の出力に基づいて自車両旋回時の自車両のロールやブレーキ時のピッチング等を自動的に抑制する。
【0019】
次に、この車両制御装置の動作について説明する。
【0020】
図1における前記車両制御ECU8の動作フローを示す図2は、前記車両制御ECU8の内部演算として実行される処理のフローチャートである。このフローチャートにおけるステップS10〜S15のフローは所定の周期(例えば20msec)毎に実行される。
【0021】
図2において、まずステップS10では、ミリ波レーダ等の障害物検出手段1の出力結果である走行方向車間距離(自車両と障害物との間の走行方向の距離)Y、横方向距離(車幅方向の自車両と障害物との間の距離)X、相対速度(自車両と障害物との相対速度)Vrを受信する。なお、通常、ミリ波レーダ等の障害物検出手段1は毎周期毎に複数の障害物の検出結果を出力することから、車両制御ECU8は、複数の障害物情報を格納できるデータベースを内部に保持している。
【0022】
次にステップS11では、ヨーレートセンサ等の角速度検出手段5と車速センサ等の車速検出手段6の各検出結果を取得する。また、必要であるならば物理量変換演算を実行する。
【0023】
次にステップS12では、操舵回避距離L1を前記操舵回避距離算出手段2が算出する。と操舵回避距離L1は、ミリ波レーダ1から取得した相対速度Vrと、実験によって予め決定された衝突時間(TTC)[sec]の乗算によって求められる。
操舵回避距離L1の演算式は次の通りである。
L1=Vr[m/s]×TTC[sec] (式1)
【0024】
操舵回避距離L1の概念図を図4に示す。図4において横軸は自車両Aと障害物Bとの相対速度Vr、縦軸は自車両Aと障害物Bとの走行方向の相対距離Yである。
図4に示す通り、操舵回避距離L1の傾きは衝突時間TTCによって決まる。
【0025】
なお、操舵回避距離とは、障害物に対する衝突回避操作をする必要があると考えられる自車両と障害物との相対距離であり、車の種類により多少の違いがある。
また、衝突時間TTC(Time TO Collision)とは、衝突余裕時間とも言われ、前述のように実験によって予め決定された時間であり、車の種類により多少の違いがあり、また、衝突回避の緊急度によって異なる時間に設定することも可能である。
【0026】
次にステップS13では、運転者が障害物に対して左右いずれの方向に操舵回避するかを推定する。
本実施例では、運転者が採ると推定される回避方向をミリ波レーダの出力結果に基づいて推定する方法について一例として述べるが、例えばCCDカメラやCMOSカメラ等を用いた撮像手段と、その出力映像を画像処理する画像処理装置を用いて操舵回避方向を推定することも可能であり、そのようにしてもよい。
【0027】
操舵回避方向の推定方法の詳細については、図3のフローチャートを用いてそのステップS131〜S135の順に説明する。
【0028】
ステップS131では、車速V[m/s]とヨーレートφ[rad/s]に基づいて自車両の旋回走行の旋回曲率σ[1/m]を算出する。
この算出を行う演算式は次の通りである。
σ=φ[rad/s]/V[m/s] (式2)
因みに、ヨーレートセンサの代わりに舵角センサを用いることによっても旋回曲率を算出することが可能である。その場合の演算式は次の通りである。
σ=V[m/s]/(1+A×Vr2)/W/N×δ (式3)
(式3)におけるWは自車両のホイールベース、Aは車種毎に予め決められているスタビリティーファクタ、Nはステアリングギア比、δは舵角である。
【0029】
次にステップS132では、前記ステップS131で算出した旋回曲率σ[1/m]と、自車両と障害物との距離Y[m]に基づいて、障害物の検出距離Y[m]の位置に自車両が至った場合おける自車両の横方向推定位置を算出する。(図5参照)
障害物との距離がY[m]時の自車両の前記横方向推定位置X1[m]は次式を用いて算出する。
X1=σ[1/m]×Y[m]/2 (式4)
【0030】
次にステップS133では、ミリ波レーダ(障害物検出手段)1が検出した障害物の横方向距離X[m]と、前記ステップS132で算出した自車両の前記横方向推定位置X1[m]に基づいて、車幅方向の位置偏差ΔY[m]を算出する。
ΔY=X[m]−X1[m] (式5)
【0031】
次にステップS134では、横方向偏差ΔY[m]、自車両の車幅b0[m]、障害物の幅b1[m]に基づき、障害物を左右方向に操舵回避する場合の横方向の移動量(オーバーラップ量とも言う)を算出する。(その概念は図6参照)
その算出式は次の通りである。
・障害物の右方向に操舵回避する場合の移動量
Y1=ΔY[m]+(b0[m]+b1[m])/2 (式6)
・障害物の左方向に操舵回避する場合の移動量
Y2=−ΔY[m]+(b0[m]+b1[m])/2 (式7)
【0032】
次にステップS135では、障害物の右方向に操舵回避する場合の移動量Y1[m]と、障害物の左方向に操舵回避する場合の移動量Y2の大小比較に基づいて、推定操舵回避方向を決定する。
即ち、Y2<Y1となる場合には運転者は左方向に操舵回避し、Y2>Y1となる場合には右方向に操舵回避するものと判定する。
尚、Y1とY2共に、算出結果が負の値となった場合は、自車両と障害物のオーバーラップ量は0であることから、推定の必要がない(NULL)と判断する。
【0033】
ここで、説明を図2に戻す。
【0034】
次にステップS14では、前記ステップS10で取得した障害物との距離X[m]と、前記ステップS12で算出した操舵回避距離L1とを比較する。
比較の結果、障害物との距離Xが操舵回避距離L1を下回る場合にはステップS15に移行する。
【0035】
ステップS15では、旋回時のロールを抑制するために、ステップS13で推定された操舵回避方向(例えば右方向)と反対側の車輪(左側車輪)のサスペンション特性をコントロールする。
例えば、ステップS15に移行した際に、自車両と障害物が図6に示すような位置関係にある場合、前記ステップS13にて、運転者は障害物の左側に操舵回避すると推測される。更に、前記ステップS13にて推測した左方向に運転者が操舵回避した場合、旋回中の車体は遠心力によって右側に傾く。この時、右車輪には大きな横力とロール荷重が発生して、垂直にタイヤを路面に接地することが出来なくなり、接地面積が減ることによって安定性が損なわれる。従って、ステップS15では右側の前後輪のサスペンション特性(ばね係数)を硬くするようにエアサスペンションの調整駆動装置を制御することによって、旋回時の安定性が確保される。つまり、前記車両行動自動安定化手段7による車両行動自動安定化が行われる。
【0036】
尚、前記ステップS14にて、障害物との距離Xが操舵回避距離L1を上回る場合には、処理をステップS10に移行する。このとき所定周期が経過していない場合は待機する。
【0037】
この発明の実施の形態1は、前述のように、少なくとも車両A前方の障害物Bまでの距離Yを出力する距離出力手段(障害物検出手段1)と、少なくとも前記車両A前方の障害物Bとの相対速度Vrを出力する相対速度出力手段(障害物検出手段1)と、前記相対速度出力手段の結果Vrに基づき前記障害物Bへの操舵回避が必要であることを示す操舵回避距離L1を算出する操舵回避距離算出手段2と、前記距離出力手段の結果Yと前記操舵回避距離L1とを比較して、操舵回避の必要性を判断する操舵回避必要性判断手段3と、前記車両Aが前記障害物Bに衝突する可能性がある場合に運転者が前記障害物に対していずれの方向に操舵回避するかを推定する操舵回避方向推定手段4と、前記車両の旋回時のロールを抑制するロール抑制手段(車両行動自動安定化手段7)を備えた車両制御装置であって、前記障害物Bまでの走行方向の距離が前記操舵回避距離L1を下回った場合に、前記操舵回避必要性判断手段3にて操舵回避が必要と判断して、前記回避方向推定手段4の結果に基づいて前記ロール抑制手段(車両行動自動安定化手段7)を制御するものである。また、前記操舵回避方向推定手段4は、前記障害物検出手段1の検出結果に基づいて、前記車両Aと前記障害物Bとの車幅方向のオーバーラップ量を算出するオーバーラップ量算出機能を有し、前記オーバーラップ量算出機能による算出結果に基づいて操舵回避する方向を推定するものである。
【0038】
また、前述のことから、上位概念で換言すると、車両Aに搭載され当該車両Aと当該車両Aに対する障害物Bとの相関情報である障害物情報を出力する障害物検出手段1、及び前記車両Aの運転者による前記障害物Bへの衝突回避操作による車両行動不安定化を前記障害物検出手段1の出力に基づいて自動的に抑制する車両行動自動安定化装置7を有する車両制御装置において、前記障害物検出手段1の出力に基づいて前記車両の運転者による前記障害物への衝突回避操作を推定する衝突回避操作推定手段9を備え、この衝突回避操作推定手段9の出力が、前記車両Aの運転者による前記障害物Bへの衝突回避操作とは独立して前記車両行動自動安定化装置7を作動させるものである。
【0039】
また、前記障害物検出手段が出力する前記障害物情報は、前記障害物Bと前記車両Aとの間の走行方向の車間距離Y、および前記障害物Bと前記車両Aとの間の相対速度Vrであり、予め定められた衝突時間TTCと前記相対速度Vrとから操舵回避距離L1を算出する操舵回避距離算出手段2を有し、前記障害物Bと前記車両Aとの間の前記車間距離Yが、前記操舵回避距離算出手段2によって算出された前記操舵回避距離L1を下回ると、前記車両行動自動安定化装置7による前記車両Aのロール抑制が行われる。
【0040】
また、前記障害物検出手段1が出力する前記障害物情報は、前記障害物Bの前記車両Aからの前記車両Aの横方向の距離Xであり、前記衝突回避操作推定手段9は、前記障害物Bの前記車両Aからの前記車両Aの横方向の距離Xに基づいて、前記障害物Bの右方向に操舵回避する場合の自車両Aの移動量Y1および前記障害物Bの左方向に操舵回避する場合の自車両Aの移動量Y2を算出し、これら移動量Y1およびY2の大きさにより、前記運転者の操舵回避方向を推定するものである。
【0041】
また、前記車両行動自動安定化装置7は、前述の自車両のロール抑制以外に、自車両のブレーキ時のピッチングを抑制するなど、いわゆる車両行動自動安定化の機能を有しているものである。
【0042】
かくして、前述のように、この発明の実施の形態1では、前記車両Aの運転者による前記障害物Bへの衝突回避操作に先駆けて前記車両行動自動安定化装置7を作動させることが可能となり、車両Aの運転者による障害物Bへの衝突回避操作による車両行動不安定化をより有効に抑制することができる。
また、換言すれば、障害物Bを検出する手段1を用いることによって、運転者が操舵回避操作を行う以前に車両の旋回性能を高めておくことを可能とし、車両の姿勢安定性を損なうことなく迅速な操舵回避行動を取る車両制御装置を得ることができる。
更に換言すれば、障害物検出手段1の検出結果に基づいて、障害物Bへの衝突が操舵回避可能な回避距離と、運転者が操舵回避すると予測される方向を算出することによって、予測方向に旋回した場合に発生するロールを抑制するようなサスペンション特性のセッティングが運転者の操舵操作以前に可能となり、その後に運転者の操舵回避操作が実行された際には、ロールによる車両の姿勢安定性を損なうことなく、迅速に操舵回避行動をとることが可能になる。
【0043】
実施の形態2.
この発明の実施の形態1では、前述のように、自車両Aと障害物Bとの前後方向の距離(車間距離)Yが、前記操舵回避距離L1以下の時には、操舵回避方向推定手段4の結果に基づいて例えば旋回時の車体Aのロールを抑制するように、該当する車輪のサスペンション特性(ばね係数)が調整される。しかし、運転者は操舵回避操作では無くブレーキ操作を行う可能性もあり、このような場合、ロール抑制制御によって左右のサスペンション特性は既にアンバランスな状態になっている可能性もある。このため、ブレーキ時の車両姿勢の安定化が図れない場合も生じ得るので、このようなことが生じないようにすることも必要である。
この必要性を満足するのがこの発明の実施の形態2である。
【0044】
この発明の実施の形態2における車両制御装置の全体構成は図1と同じであり、また車両制御ECU8の演算処理の動作フローは図2および図3と同じ(但しステップS12の機能は同じではない)ので、この発明の実施の形態2では、車両制御装置の全体構成図および車両制御ECU8の演算処理の動作フロー図は図示省略する。
【0045】
前述の図におけるステップS12の処理は、この発明の実施の形態2では、第1の操舵回避距離L1と第2の操舵回避距離L2を算出する。
【0046】
前述のこの発明の実施の形態1の場合と同様に、第1および第2の操舵回避距離L1,L2は、ミリ波レーダ(障害物検出手段)1から取得した相対速度Vrと、実験によって予め決定された衝突時間(TTC)[sec]の乗算によって求められる。
第1および第2の操舵回避距離L1,L2の演算式は次の通りである。
L1=Vr[m/s]×TTC1[sec] (式8)
L2=Vr[m/s]×TTC2[sec] (式9)
また、衝突時間TTCは、TTC1>TTC2の関係となるように設定される。
【0047】
操舵回避距離L1とL2の概念を示す概念図を図7に示す。
S12の処理において、第1および第2の操舵回避距離L1,L2を設けることによって、ロール抑制制御を実行する所(領域)と実行しない所(領域)を、前述の実施の形態1より細分化することが出来る。

【0048】
これによって、ブレーキ操作が実行される近接距離の状態(領域a3)ではロール抑制制御を実行しないようにすることが出来るため、先に述べたような、ブレーキ操作の際にアンバランスなサスペンション特性となることを抑制でき、安定した車体姿勢でブレーキングを行うことが出来る。
また、ロール抑制制御を停止するしきい値である操舵回避距離L2は、運転者の操舵操作によって障害物を回避することの出来る最小車間距離となるようにTTC2を設定することが望ましい。
【0049】
更に、自車両Aの障害物Bとの車間距離Yが操舵回避距離L2を下回る場合に、ロール抑制制御を実行しないだけではなく、ブレーキ操作で発生するノーズダイブを抑制して安定姿勢の状態でブレーキが掛かるように、両前輪のサスペンション特性を制御する、ピッチング抑制制御に切り替えるようにする事が望ましい。
【0050】
実施の形態3.
前述のこの発明の実施の形態1および2では、操舵回避方向推定手段4を用いて運転者の操舵回避する方向を推定しているが、必ずしも運転者が推定方向に操舵回避するとは限らない場合もある。
この様な場合、例えば操舵回避方向推定手段4の結果が右であった場合、車体の左側のサスペンション特性が制御対象となるが、運手者が逆の左方向に操舵回避した場合には、よりロールが発生し易いセッティングとなって安定した車両姿勢を損なってしまう場合も生じ得るので、このようなことが生じないようにすることも必要である。
この必要性を満足するのがこの発明の実施の形態3である。
【0051】
図8に、この発明の実施の形態3の車両制御装置の全体構成を示す。
【0052】
図8は、前述の図1に、舵角センサ等の舵角検出手段10と操舵回避方向決定手段11とが追加された構成となっている。
【0053】
舵角検出手段10を用いることによって、運転者による実際の操舵方向を検出する事が可能である。
従って、操舵回避方向推定手段4の結果である推定回避方向と、舵角検出手段10の検出結果に基づく実際の回避方向を、操舵回避方向決定手段11にて比較することによってロール抑制制御に出力する回避方向が正しいかが判断出来る。
【0054】
操舵回避方向決定手段11は、推定回避方向と舵角検出手段10による操舵方向が異なる場合には、舵角検出手段10による操舵方向結果を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】この発明の実施の形態1を示す図で、車両制御装置の全体構成の事例を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1を示す図で、図1における車両制御ECUの動作フローを示すフロー図である。
【図3】この発明の実施の形態1を示す図で、図2における回避方向の推定動作(ステップS13の動作フロー示すフロー図である。
【図4】この発明の実施の形態1を示す図で、操舵回避距離の概念の事例を示す概念図である。
【図5】この発明の実施の形態1を示す図で、障害物に対する自車両の推定位置の概念の事例を示す概念図である。
【図6】この発明の実施の形態1を示す図で、障害物を左右方向に操舵回避する場合の自車両の横方向の移動量(オーバーラップ量)事例を示す概念図である。である。
【図7】この発明の実施の形態2を示す図で、操舵回避距離の概念の事例を示す概念図である。
【図8】この発明の実施の形態3を示す図で、車両制御装置の全体構成の事例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0056】
1 障害物検出手段、
2 操舵回避距離算出手段、
3 操舵回避必要性判断手段、
4 操舵回避方向推定手段、
5 旋回角速度検出手段、
6 車速検出手段、
7 車両行動自動安定化手段、
8 車両制御ECU、
9 衝突回避操作推定手段、
10 舵角検出手段、
11 操舵回避方向決定手段。




 

 


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